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特許異議申立

2024-701109

プログラム作成方法、プログラム作成支援装置及びプログラマブルコントローラ

審判番号
2024-701109
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-509354
登録番号
7526909
請求日
2024年11月14日
審決日
2025年06月25日
公報発行日
2025年08月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】パナソニックIPマネジメント株式会社
  • 【権利者代理人】鎌田 健司
  • 【権利者代理人】前田 健児
  • 【異議申立人】渡辺 陽子
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 貴雄
  • 審判官 本庄 亮太郎
  • 審判官 田々井 正吾
分類
P651 .121-Y (G05B)
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7526909号発明「プログラム作成方法、プログラム作成支援装置及びプログラマブルコントローラ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7526909号の請求項1~17に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7526909号の請求項1~17に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2021年(令和3年)2月4日(優先権主張 令和2年3月27日)を国際出願日とする出願であって、令和6年7月25日にその特許権の設定登録がされ、令和6年8月2日に特許掲載公報が発行された。 その後、本件特許に対し、令和6年11月14日(同月15日受付)に特許異議申立人渡辺陽子(以下「申立人」という。)が特許異議の申立てを行った。 第2 本件発明 本件特許に係る発明(以下「本件発明」という。また、請求項1の特許に係る発明を「本件発明1」といい、他の請求項についても同様にいう。)は、それぞれ、前記特許掲載公報の特許請求の範囲の請求項1~17に記載された次の事項によって特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 表示装置にプログラム図を表示してユーザプログラムを作成するプログラム作成方法であって、 処理装置は、前記表示装置に、 前記プログラム図を表示するプログラム表示画面と、 前記プログラム図を作成するためのプログラム要素と、複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロックとを含むツールを表示するツール画面と、 前記ファンクションブロックに含まれる機能と、前記機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面と、 を表示する、 プログラム作成方法。 【請求項2】 前記ガイダンス表示画面は、複数の前記ファンクションブロックを一覧表示するとともに、複数の前記ファンクションブロックのそれぞれに対応する展開ボタンを表示し、 前記展開ボタンの操作に基づいて、操作された前記展開ボタンに対応する前記ファンクションブロックに含まれる複数の機能を展開して表示し、複数の前記機能のそれぞれに対応する前記説明文を対応付けて表示する、 請求項1に記載のプログラム作成方法。 【請求項3】 前記ガイダンス表示画面にオペランド入力ボタンを表示し、 前記機能が選択されるとともに前記オペランド入力ボタンが操作されることにより、選択された前記機能に応じたオペランド入力部を前記ガイダンス表示画面に表示する、 請求項1又は請求項2に記載のプログラム作成方法。 【請求項4】 前記オペランド入力部に入力された情報が前記ファンクションブロックに対応しているか否かを判定し、対応した情報の場合には前記入力された情報を設定し、対応していない情報の場合には入力された情報を設定しない、請求項3に記載のプログラム作成方法。 【請求項5】 前記ガイダンス表示画面に確定ボタンを表示し、 前記確定ボタンの操作に基づいて、前記ファンクションブロックの情報を入力設定する宣言画面を前記表示装置に表示する、 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプログラム作成方法。 【請求項6】 前記宣言画面に確定ボタンを表示し、 前記宣言画面に表示した前記確定ボタンの操作に基づいて、前記ファンクションブロックを前記プログラム表示画面に表示する、 請求項5に記載のプログラム作成方法。 【請求項7】 前記ガイダンス表示画面を表示するガイダンス表示モードと、前記プログラム表示画面に対するボックス入力操作に基づいて入力アシスタント画面を表示する入力アシスタントモードとを備え、 前記入力アシスタント画面は、複数の前記ファンクションブロックを一覧表示する一覧表示領域と、前記一覧表示領域に表示された複数の前記ファンクションブロックから選択されたファンクションブロックの説明文を表示する説明表示領域とを含む、 請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載のプログラム作成方法。 【請求項8】 前記ファンクションブロックは、デバイスとしてモータを制御するモーション用ファンクションブロックである、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプログラム作成方法。 【請求項9】 プログラマブルコントローラにて実行するユーザプログラムを作成するプログラム作成支援装置であって、 前記ユーザプログラムの作成のための入力操作を行う入力装置と、 前記ユーザプログラムのプログラム図を表示する表示装置と、 前記入力装置の操作に応じて前記表示装置に表示する処理装置と、 を備え、 前記処理装置は、 前記表示装置に、 前記プログラム図を表示するプログラム表示画面と、 前記プログラム図を作成するためのプログラム要素と、複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロックとを含むツールを表示するツール画面と、 前記ファンクションブロックに含まれる機能と、前記機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面と、 を表示する、 プログラム作成支援装置。 【請求項10】 前記処理装置は、 前記ガイダンス表示画面に、複数の前記ファンクションブロックを一覧表示するとともに、複数の前記ファンクションブロックのそれぞれに対応する展開ボタンを表示し、 前記展開ボタンの操作に基づいて、操作された前記展開ボタンに対応する前記ファンクションブロックに含まれる複数の機能を展開して表示し、複数の前記機能のそれぞれに対応する前記説明文を対応付けて表示する、 請求項9に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項11】 前記処理装置は、 前記ガイダンス表示画面にオペランド入力ボタンを表示し、 前記機能が選択されるとともに前記オペランド入力ボタンが操作されることにより、選択された前記機能に応じたオペランド入力部を前記ガイダンス表示画面に表示する、 請求項9又は請求項10に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項12】 前記処理装置は、前記オペランド入力部に入力された情報が前記ファンクションブロックに対応しているか否かを判定し、対応した情報の場合には前記入力された情報を設定し、対応していない情報の場合には入力された情報を設定しない、請求項11に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項13】 前記処理装置は、 前記ガイダンス表示画面に確定ボタンを表示し、 前記確定ボタンの操作に基づいて、前記ファンクションブロックの情報を入力設定する宣言画面を前記表示装置に表示する、 請求項9から請求項12のいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項14】 前記処理装置は、 前記宣言画面に確定ボタンを表示し、 前記宣言画面に表示した前記確定ボタンの操作に基づいて、前記ファンクションブロックを前記プログラム表示画面に表示する、 請求項13に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項15】 前記ガイダンス表示画面を表示するガイダンス表示モードと、前記プログラム表示画面に対するボックス入力操作に基づいて入力アシスタント画面を表示する入力アシスタントモードとをさらに備え、 前記入力アシスタント画面は、複数の前記ファンクションブロックを一覧表示する一覧表示領域と、前記一覧表示領域に表示された複数の前記ファンクションブロックから選択されたファンクションブロックの説明文を表示する説明表示領域とを含む、 請求項9から請求項14のうちのいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項16】 前記ファンクションブロックは、デバイスとしてモータを制御するモーション用ファンクションブロックである、請求項9から請求項15のいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。 【請求項17】 表示装置にプログラム図を表示してユーザプログラムを作成するプログラマブルコントローラであって、 前記表示装置に、 前記プログラム図を表示するプログラム表示画面と、 前記プログラム図を作成するためのプログラム要素と、複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロックとを含むツールを表示するツール画面と、 前記ファンクションブロックに含まれる機能と、前記機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面と、 を表示する、 プログラマブルコントローラ。」 第3 申立理由の概要 申立人は、証拠方法として以下の甲第1号証~甲第6号証を提出し、本件特許については特許法(以下「法」という。)29条2項の規定に違反してされたものであり、法113条2号に該当するから、本件特許は取り消されるべき旨(以下「申立理由」という。)の申立てをしている。 甲第1号証:特許第4516224号公報 甲第2号証:特開平7-248809号公報 甲第3号証:特開2004-280341号公報 甲第4号証:特開2008-40996号公報 甲第5号証:特開2017-220142号公報(当審注:本件特許掲載公報の【0007】の特許文献1) 甲第6号証:特開2017-199226号公報(当審注:同特許文献2) 第4 各証拠の記載事項 1 甲第1号証に記載された事項及び発明 甲第1号証(以下「甲1」という。他の甲号証について以下同様。)には、次の(1)~(2)に示す事項及び(4)に示す発明が記載されている。(下線は当審で付与。以下同じ。) (1) 「【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、ラダー図作成プログラムに関する。 【0002】 【従来の技術】 ユーザブルコントロールシステム(PLCシステム)などのシーケンス制御を記述するためのプログラム言語としてラダー図が多用されており、このラダー図の作成を支援するためのソフトつまりエディタが既に提案されている。この種のラダー図作成プログラムは、ラダー図作成者つまりユーザがコンピュータ上でラダー図を作成するのを支援すると共にこのラダー図と等価の機械言語プログラムを生成する。 ・・・ 【0004】 ラダー図に書き込むことのできる命令は、PLCにあっては、シーケンス回路を代替するための基本となる命令の他に、PLC用プログラムを作成する上での利便性を向上するために、通常のコンピュータプログラムと同じ制御や演算を行うための数多くの命令セットが追加されている。これらは、基本、応用、演算、拡張命令に分類される。 ・・・ 【0006】 ユーザは、セルに格納する命令の選択と、オペランドの内容の決定と、命令同士を接続線で連結するという作業をコンピュータの画面上で反復することでラダー図を作成することができる。例えば、ラダーシンボル(-11-)に対応する命令語であるニモニックの文字列は(LD)であるが、各種のニモニックを表示する一覧の中から所望のニモニックを選択することで、これに対応するラダーシンボルをラダー図に書き込む(所望のセルに格納する)ことができるようになっており、このことから、ユーザは、命令を入力する場合、ニモニツク(当審注:「ニモニック」の誤記。以下同じ。)とオペランドとを記憶しておくことで直接入力することができる。 【0007】 しかし、PLC用プログラムのように、命令の数が膨大であり、オペランドの内容のルールが複雑なときには、これを全て正しく記憶しておくことは実際上不可能であり、このことから、従来のラダー図作成用プログラムは、ユーザの作業を支援するために、命令体系としての命令分類に従って階層化した数多くのニモニツクの一覧を表示し、この一覧の中からユーザが所望のニモニックを選択することで、これに対応するラダーシンボルがセルに格納されるようになっている。 ・・・ 【0011】 【課題を解決するための手段】 かかる技術的課題は、本発明によれば、基本的には、 コンピュータの表示手段にラダー図作成画面を表示させて、該ラダー図作成画面上でラダー図を作成するためのプログラムにおいて、 ラダー図作成画面に重畳して、ラダーシンボルの形状のアイコンをパレット表示するシンボル一覧表示画面を表示するシンボル一覧表示手段と、 該シンボル一覧表示手段に隣接して、オペランドを入力するためのオペランド入手画面を表示するためのオペランド入力画面表示手段とを有することを特徴とするラダー図作成プログラムを提供することによって達成される。 ・・・ 【0016】 図1は、ラダー図作成途中のラダー図エディタの画面を示す。ユーザは、このエディタ画面1を見ながら、必要な箇所に必要なラダーシンボル等の書き込みを行うことで、ラダー図を完成させることができる。 ・・・ 【0018】 命令語パレットウインドウ4は、その左側部分に、全ての命令の意味を表す言葉を文字で一覧表示する命令語一覧ペイン5を有する。命令語一覧ペイン5には、命令を大分類し、更に、大分類の(当審注:「を」の誤記)中分類して、各々の中分類に含まれる各種の命令がツリー形式で表示される。中分類の例えば「接点」という種別を表す言葉表示をクリックすると、図3に示すように、各種別に含まれるニモニックの一覧がツリー形式で表示される。 【0019】 命令語パレットウインドウ4の右側部分には、オペランド入カペイン6を有する。オペランド入カペイン6には、命令の大分類である、基本、応用、演算、拡張の文字表示を有し、この4つ文字表示の選択肢からなるグループ7は、所望の文字表示をクリックすることで択一的に選択可能である。オペランド入カペイン6は、更に、現在指定されている命令の種別を表示する第1ボックス8と、選択されたニモニックを入力するための第2ボックス9と、指定されているニモニックつまり命令語の機能を説明する第3ボックス10と、オペランド入力ボックス11とを有し、オペランド入力ボックス11は第1~第3のオペランド入力ボックス12~14からなる。・・・。 ・・・ 【0021】 図3は、また、命令語一覧ペイン5の中の中分類の文字表示「接点」をクリック(選択)した状態を例示として示す。「接点」を選択することで、この「接点」に含まれる各種のニモニックの文字列の全てがツリー形式で現れると共に、命令語の種類の入力ボックス8には、その「接点」の文字表示が自動表示され、ニモニック入力ボックス9には、「接点」の代表的な命令語であるニモニック「LD」の文字列が自動表示される。このような自動表示は、ラダー図作成プログラムと共にコンピュータにダウンロードされた各種データファイル(図示せず)から必要なデータを読み出すことによって行うことができる。 ・・・ 【0023】 図5は、本発明に従うラダー図作成プログラムでラダー図を作成するのに必要とされる主要な要素の相互関係を示すための要部構成図である。上述したとおり、命令語パレットウインドウ4は、その右側部分のオペランド入カペイン6の表示及び操作を共通としつつ、左側部分の命令語選択エリアにおいて、階層による命令語の表示形式を持つ命令語一覧ペイン5の表示モードと、ラダーシンボルの形をしたアイコンをパレット表示するシンポルー覧ペイン20の表示モードとが切り替え可能となっている。これにより、シンポルー覧ペイン20の表示モードであっても、オペランド入カペイン6での操作は命令語一覧ペイン5の表示モードのときと同じであるので、このオペランド入カペイン6の操作の一貫性を保つことができる。シンポルー覧ペイン20の中での選択行為と、これに伴うオペランド入カペイン6との関連性は、上述した命令語一覧ペイン5の中での選択行為と、これに伴うオペランド入カペイン6の関連性と同一であるので、その説明は省略する。 【0024】 また、命令語の分類別を表す文字表示に加えて階層化した命令語のツリー形式の表示モード5に加えて、ラダーシンボルの形をしたアイコンをパレット表示するシンポルー覧ペイン20の表示モードとが切り替え可能であることから、ユーザの好みによる選択によって自分にとって好都合な作業環境の下でラダー図作成作業を進めることができる。また、シンポルー覧ペイン20では、マウス21の操作以外に、キーボード22の操作によってアイコンの検索を行うことができるので、ユーザはマウス21又はキーボード22の中の任意の入力デバイスを使って作業を進めることができる。 【0025】 命令語パレット5を用いた選択又は設定作業が完了したら、命令語パレット5の上書ボタン18又は挿入ボタン19(図3、図4)をクリックすることにより、その情報がラダーデータ25の対応するセル26に格納され、また、エディタ画面1に表示される。ユーザは、以上の操作を反復することによってラダー図プログラムを完成することができる。そして、このラダー図プログラムは、PLCを実行させることのできる言語に変換されてPLCシステム24に電送され、シーケンス制御が実行される。 ・・・。」 (2) 「【図3】 [図:0001425766000001.jpg] ・・・ 【図5】 [図:0001425766000002.jpg] 」 (3)甲1から理解できる事項 ア 【0001】等のラダー図作成プログラムは、【0002】、【0007】、【0011】及び【0024】の記載からみて、コンピュータの表示手段に表示されるエディタ画面1上でマウス21等の操作によってPLC用プログラムを作成するために用いられることに照らせば、甲1には、ラダー図作成プログラムを用いてPLC用プログラムを作成する「プログラム作成方法」、及び、ラダー図作成プログラムが実行される「コンピュータ」、並びに、当該「コンピュータ」とマウス21とエディタ画面1を表示する表示手段とを備えた「プログラム作成支援装置」が、それぞれ開示されているということができる。 イ 【0019】及び【図3】の記載によると、オペランド入力ペイン6の第2ボックス9にはニモニックが表示され、第3ボックス10にはそのニモニックの機能の説明文が表示されている。これらは「対応付けて」表示されているといえる。 ウ 【0018】及び【図3】の記載によると、命令語一覧ペイン5は、「接点」等の各種別に含まれるニモニックの一覧をツリー形式で表示するものであり、【0021】の「クリック(選択)」という記載や、【0018】、【0023】~【0024】によると、命令語一覧ペイン5の表示モードでは、少なくともマウス21による入力操作が可能であるといえる。 エ 【0025】及び【図5】の記載によると、コンピュータは、完成させたラダー図プログラムから変換されたPLC用プログラムをPLCシステム24に電送するものといえる。 (4)甲1記載の発明 ア 甲1発明 そうすると、甲1には次のプログラム作成方法に関する発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「表示手段にラダー図を表示してPLC用プログラムを作成するプログラム作成方法であって、 コンピュータは、前記表示手段に、 前記ラダー図を表示するエディタ画面1と、 前記ラダー図を作成するためのニモニックの一覧をツリー形式で表示する命令語一覧ペイン5と、 前記ニモニックと、前記ニモニックの機能の説明文とを対応付けて表示するオペランド入力ペイン6と、 を表示する、 プログラム作成方法。」 イ 甲1発明9 また、甲1には次のプログラム作成支援装置に関する発明(以下「甲1発明9」という。)が記載されているといえる。 「PLCシステム24にて実行するPLC用プログラムを作成するプログラム作成支援装置であって、 前記PLC用プログラムの作成のための入力操作を行うマウス21と、 前記PLC用プログラムのラダー図を表示する表示手段と、 前記マウス21の操作に応じて前記表示手段に表示するコンピュータと、 を備え、 前記コンピュータは、 前記表示手段に、 前記ラダー図を表示するエディタ画面1と、 前記ラダー図を作成するためのニモニックの一覧をツリー形式で表示する命令語一覧ペイン5と、 前記ニモニックと、前記ニモニックの機能の説明文とを対応付けて表示するオペランド入力ペイン6と、 を表示する、 プログラム作成支援装置。」 ウ 甲1発明17 さらに、甲1には次のコンピュータに関する発明(以下「甲1発明17」という。)が記載されているといえる。 「表示手段にラダー図を表示してPLC用プログラムを作成し、前記PLC用プログラムをPLCシステム24に電送するコンピュータであって、 前記表示手段に、 前記ラダー図を表示するエディタ画面1と、 前記ラダー図を作成するためのニモニックの一覧をツリー形式で表示する命令語一覧ペイン5と、 前記ニモニックと、前記ニモニックの機能の説明文とを対応付けて表示するオペランド入力ペイン6と、 を表示する、 コンピュータ。」 2 甲2に記載された事項(以下「甲2事項」という。甲3~甲6についても同様にいう。) 「【0002】 【従来の技術】作業現場、工場等においては、ベルトコンベアの出口を通過した製品数、圧力、温度等の数値的情報、あるスイッチがオンされたか否かといった2値で表すことができる論理的情報等に対応させてシーケンス制御が行われている。このシーケンス制御は、仕様の変更、修正等がつきものである。このため、ユーザが入力したプログラムに従ってシーケンス制御を実行し、プログラムを自由に変更、或いは作成できるプログラマブルコントローラ(以降、PCと記載する)がシーケンス制御に広く用いられている。 【0003】PCのプログラムの作成は、一般にプログラミング装置と呼ばれるものを用いて行われる。プログラミング装置は、通常、PCと別個のものであり、プログラムの変更や修正、或いは新たに作成する場合等にPCに接続して用いられる。 【0004】PCのプログラム言語としては、リレーシンボル、ロジックシンボル等の図形シンボルを用いた図示表現プログラムが多く用いられている。図示表現プログラムの作成は、通常、プログラミング装置の表示画面上に図形シンボルを描き、描いた図形シンボルを接続することにより行われる。 【0005】図形シンボルとしては、前述したリレーシンボル、ロジックシンボルの他に、ファンクションブロック(以降、FBと記す)と呼ばれる図形シンボルがある。FBを用いた図示表現プログラムであるFB図は、論理演算、加減算、乗除算等の何らかの処理を行う関数ブロックであるFBと、そのFBの入力、出力となるオペランド(端子)を線で結ぶことにより、プログラムを表現するものである。図11は、FB図によるプログラム例を示す説明図である。」 「【図11】 [図:0001425766000003.jpg] 」 3 甲3事項 「【0002】 【従来の技術】 ファクトリーオートメーション(FA)の制御装置として、プログラマブルコントローラ(PLC)が用いられている。このPLCは、複数のユニットから構成される。すなわち、電源供給源の電源ユニット,PLC全体の制御を統率するCPUユニット,FAの生産装置や設備装置の適所に取り付けたスイッチやセンサの信号を入力する入力ユニット,アクチュエータなどに制御出力を出す出力ユニット,通信ネットワークに接続するための通信ユニットなどの各種のユニットを適宜組み合わせて構成される。 【0003】 PLC(CPUユニット)における制御は、入力ユニットで入力した信号をCPUユニットのI/Oメモリに取り込み(INリフレッシュ)、予め登録されたラダー言語で組まれたユーザプログラムに基づき論理演算をし(演算実行)、その演算実行結果をI/Oメモリに書き込んで出力ユニットに送り出し(OUTリフレッシュ)、その後、いわゆる周辺処理を行うということをサイクリックに繰り返し処理するようになる。 【0004】 そして、上記したユーザプログラムは、通常、ラダープログラムで作成しており、このラダープログラムにおいてIEC61131-3で規定されるファンクションブロック呼び出し命令が使用可能となっている。つまり、ファンクションブロック呼び出し命令は、一組の入出力パラメータとしてデータを定義し、他のブロックや内部変数とソフトウェア接続でき、実行するたびに動作する1つのアルゴリズムを持った構成要素として定義されている。よって、ファンクションブロック呼び出し命令を利用する場合、まず、アルゴリズムを定義した型を予め作成し、実際にプログラムで利用する場合にインスタンス化してメモリを割り付けて使用するようになる。 【0005】 そして、ラダープログラムにおいてファンクションブロック呼び出し命令を使用した場合、図1に示すように、矩形の表示形態となる。つまり、ファンクションブロック呼び出し命令は、実際に演算実行する処理を規定するボディBを矩形表示し、そのボディBの左側に入力端子を設け、右側に出力端子を設けた構成となる。そして、それら入出力端子は、ラダー回路に接続されるもの(図1の例では、「EN」と「ENO」)と、ラダー回路に接続されないものがあり、後者は、引数とも呼ばれる入力パラメータや、戻り値とも呼ばれる出力パラメータとなる。さらに、入出力パラメータの数は任意に設定でき、例えば64個ずつ設定すると、最大128個となる。なお、係るファンクションブロック呼び出し命令を含むプログラムの表示方法については、従来、特許文献1に開示されたプログラミング装置に関する発明がある。 【0006】 【特許文献1】 特許第3102828号(当審注:甲2に対応する特許公報)」 「【図1】 [図:0001425766000004.jpg] 」 4 甲4事項 「【0001】 本発明は、JISB3503(IEC61131-3)に規定される言語により演算を実行するプログラマブルコントローラに関わり、特にアプリケーションプログラムをPOU(Program Organization Unit)として定義して、それにデータ領域を割り付けて、実行可能としたインスタンスの管理方式に関わるものである。 【背景技術】 【0002】 JISB3503にはテキスト言語であるIL(Instruction List)言語、ST(Structured Text)言語、グラフィック言語であるLD(Ladder Diagram)言語、FBD(Function Block Diagram)がある。また、SFC(Sequencial Function Chart)はステップとトランジションにより、工程歩進的なプログラミングを実現するようになっている。 【0003】 JISB3503の基本思想にPOUがある。JISB3503ではPOUをプログラム構成単位と翻訳している。POUは図8で示すように、変数定義部とアルゴリズムを記述するボディ部から構成される。POUでの変数は仮引数である。また、ボディ部は仮引数を使ったアルゴリズムが示される。ボディ部のプログラミングには上記の各種言語が使用できる。 【0004】 このように、POUはオブジェクト指向プログラミングでの型(クラス)に相当する。仮引数は複数あっても良く、入力変数、出力変数、入出力変数、内部変数、一時変数などに分類される。変数のメモリヘの割り付け方法やプログラムの表示方式によって、POUはプログラム型、ファンクション型、ファンクションブロック型に分類される。更に、SFCで使用するアクションとトランジションもPOUの型の1つと考えられる。POUの変数定義と同じ構造を持ったデータ領域を確保して、それに名前(インスタンス名)をつけることで、POUはインスタンスとして、実際に動作可能になる。同一構造のデータ領域を複数用意して、別々のインスタンス名を付けることで、アルゴリズムが同じで、処理対象が異なる複数のインスタンスを作成することができる。図9はその概念を示している。」 「【図8】 [図:0001425766000005.jpg] 【図9】 [図:0001425766000006.jpg] 」 5 甲5事項 「【技術分野】 【0001】 本発明は、プログラマブルコントローラのプログラムのプログラミング装置に関する。 【背景技術】 【0002】 PLCによるモーションコントロールシステムのモーションプログラムを開発する場合、ユーザがモーションプログラムを手作業で作成していた。また、既に実績のあるモーションプログラムを再利用する場合でも、手動でインポートして、モーションプログラムにパラメータを設定するために、モーションプログラムを手作業で編集する必要があった。 【0003】 PLCによるモーションコントロールシステムのモーション用画面を開発する場合、ユーザがモーション用画面を手作業で作成していた。また、既に実績のあるモーション画面を再利用する場合でも、手動でインポートし、モーションプログラムのパラメータに応じ画面を手作業で編集する必要があった。 【0004】 尚、上記モーションプログラムやモーション用画面の作成作業は、“プログラミング装置”等と呼ばれるコンピュータ上で行われる。プログラミング装置は、所定のエディタ画面上で、ユーザに任意のモーションプログラムやモーション用画面の作成を行わせる。 【0005】 例えば、モーションプログラム作成支援用のエディタ画面上で、ユーザは、コードボディワークシートを開き、コードボディワークシート上に所望の1以上のファンクションブロック(FB)を配置すると共に、FBの各端子に対する変数名を設定する作業や結線作業等を行う。更に、ユーザは、変数ワークシートを開き、変数ワークシート上で、グローバル変数やローカル変数に係わる所定情報(名前、型、種別、説明、設定値(デフォルト値など)の設定作業を行う。例えばこの様にして任意のモーションプログラムを手作業で作成していた。 ・・・ 【0020】 ここで、従来より、モーションプログラム作成の為にFB(ファンクションブロック)を用いる場合がある。よく知られているように、ファンクションブロックは、入力パラメータ(入力端子)と出力パラメータ(出力端子)を有する関数である。ファンクションブロックは、入力端子に与えられた値をもとに演算を行い、結果を出力端子から出力する。従来、ユーザは、任意のファンクションブロックを用いて任意のモーションプログラムを作成する場合、ファンクションブロックの各端子に変数を割り当てる作業や、各変数に初期値(デフォルト値)を設定する作業などを行っていた。本手法では、この様なユーザの作業負担を軽減できる。詳しくは後述する。 ・・・ 【0050】 端子情報リンク67には、そのモーションFB24aの端子情報が登録された端子情報テーブル70の名称/識別情報が格納される。 端子情報テーブル70には、各端子毎に、その端子名71、表示端子名72、データ型73、下限値74、上限値75、説明76などが格納される。端子名71が各端子の名称であり、表示端子名72は人間が理解し易い名称である。例えば端子名“spd”の端子は、速度に関する端子であることが分かる。 【0051】 下限値74と上限値75は、その端子に係わる入力値/出力値の許容範囲を示す。説明76には、その端子に関する任意の説明が格納される。 上記モーションFB選択画面23、モーションFBパラメータ設定画面25は、上記モーションFB管理情報31に基づいて生成される。その一例を図4、図5に示す。」 「【図4】 [図:0001425766000007.jpg] 【図5】 [図:0001425766000008.jpg] 」 6 甲6事項 「【請求項9】 プログラム開発支援装置により作成されたユーザープログラムで駆動されるプログラマブルコントローラにおいて、 ユーザープログラムの作成のための入力操作を行う入力装置と、 ユーザープログラムの作成操作時に、作成されたユーザープログラムを表示するディスプレイと、 ユーザープログラムを生成するユニットの機能の選択に基づいて、ユーザープログラムの作成に利用可能な多数のデバイスの機能、用途を前記ディスプレイに表示する第一の処理装置と、 前記デバイスを選択した状態で前記ディスプレイ上に表示されているプログラム作成ボタンを操作することにより、選択されたデバイスの情報に従ったユーザープログラムを作成する第二の処理装置と を備えたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。」 「【0001】 本発明は、プログラマブルコントローラ(PLC)によるプログラム編集方法及びプログラム開発支援装置に関するものである。」 第5 申立理由についての判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「表示手段」は本件発明1の「表示装置」に相当し、以下同様に、「ラダー図」は「プログラム図」に、「PLC用プログラム」は「ユーザプログラム」に、「コンピュータ」は「処理装置」に、及び、「エディタ画面1」は「プログラム表示画面」に、それぞれ相当する。 イ 甲1発明の「ラダー図を作成するためのニモニック」は、プログラムの命令語であるから、本件発明1の「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に相当するとともに、本件発明1における「プログラム要素」と「ファンクションブロック」とを含む「ツール」とも、当該「プログラム要素」を含む「ツール」という概念では共通するといえる。 してみると、甲1発明の「ラダー図を作成するためのニモニックの一覧をツリー形式で表示する命令語一覧ペイン5」と本件発明1の「プログラム図を作成するためのプログラム要素と、複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロックとを含むツールを表示するツール画面」とは、「プログラム図を作成するためのプログラム要素を含むツールを表示するツール画面」という概念で共通する。 ウ 甲1発明の「ニモニック」と本件発明1の「ファンクションブロック」とは、上記イの関係からみて「ツール」という概念では共通し、また、甲1発明のオペランド入力ペイン6のニモニック入力ボックス9に表示される「ニモニック」は、例えば「LD」等の文字列であって(【0021】)、ニモニックの機能を示すともいえるから、甲1発明の「ニモニックと、前記ニモニックの機能の説明文とを対応付けて表示するオペランド入力ペイン6」と本件発明1の「ファンクションブロックに含まれる機能と、前記機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面」とは、その機能・作用からみて、「前記ツールの機能と、前記ツールの機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面」という概念では共通する。 エ そうすると、本件発明1と甲1発明との一致点・相違点は以下のとおりになる。 (ア) 一致点 「表示装置にプログラム図を表示してユーザプログラムを作成するプログラム作成方法であって、 処理装置は、前記表示装置に、 前記プログラム図を表示するプログラム表示画面と、 前記プログラム図を作成するためのプログラム要素を含むツールを表示するツール画面と、 前記ツールの機能と、前記ツールの機能に関する説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面と、 を表示する、 プログラム作成方法。」 (イ) 相違点1 ツール画面に表示される「ツール」として、本件発明1では「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に加え、「複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロック」を含むのに対し、甲1発明では「ラダー図を作成するためのニモニック」(本件発明1の「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に相当)だけであって、本件発明1のようにファンクションブロックも含むものではない点。 (ウ) 相違点2 ガイダンス表示画面に表示される「ツールの機能」が、本件発明1では「ファンクションブロックに含まれる機能」であるのに対し、甲1発明では「ニモニック」に係る文字列であり、かつ、「ツールの機能に関する説明文」が、本件発明1では「ファンクションブロックに含まれる機能の説明文」であるのに対し、甲1発明では「ニモニックの機能の説明文」である点。 (2)相違点についての検討 事案に鑑み、相違点2に係る本件発明1の構成が、甲1発明に甲2事項~甲6事項を適用することで容易想到であるか否かを検討する。 ア 甲2事項によると、図示表現プログラムの図形シンボルとして、リレーシンボル、ロジックシンボルの他に、ファンクションブロックを用いることが示されている。 甲3事項によると、ラダープログラムにおいてファンクションブロック呼び出し命令が使用可能であることが示されている。 甲4事項によると、グラフィック言語としてファンクションブロック型があり、それに名前を付けられることが示されている。 甲5事項によると、モーションプログラム作成支援用のエディタ画面上でファンクションブロック(FB)を配置すること、及び、モーションFBの端子に関する説明76が示されている。 甲6事項によると、プログラマブルコントローラによるプログラム編集及び開発支援が示されている。 イ 甲2事項及び甲3事項によると、プログラム図を表示するプログラム作成方法において、ファンクションブロックを使用可能であることは理解できるものの、このファンクションブロックを、プログラム要素と一緒にツールとして表示するツール画面に相当する構成は示されていない。 また、ファンクションブロックに含まれる機能と、その機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面については、甲2事項及び甲3事項に何ら示されていない。 そして、甲2事項及び甲3事項において、ツール画面に、プログラム要素と一緒にファンクションブロックを表示するという技術思想がなく、かつ、ファンクションブロックの機能及びその機能の説明文を示すという技術思想もないから、甲2事項及び甲3事項に接した当業者が甲1発明に係るプログラム作成方法に、ファンクションブロックを用いる技術思想を導入できたとしても、上記相違点2に係る本件発明1のようなツール画面やファンクションブロックの機能表示及び説明文表示まで具体化することは、当業者にとって容易想到であったとはいえない。 ウ 甲4事項~甲6事項をみても、イでの検討を覆す事項は開示されていない。甲5事項の説明76は、モーションFBの端子に関する説明にとどまり、ファンクションブロックに含まれる機能の説明とはいえない。 エ そうすると、相違点2に係る本件発明1の構成については、甲1発明に甲2事項~甲6事項を適用しても当業者にとって容易に想到できたものではない。 (3) 小括 以上のとおり、少なくとも相違点2に係る本件発明1の構成は当業者にとって容易に想到できたものではないから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2事項~甲6事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本件発明2~8について 本件発明2~8は、本件発明1を直接的又は間接的に引用するものであるから、本件発明2~8も甲1発明及び甲2事項~甲6事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 本件発明9について (1)対比 本件発明9と甲1発明9とを対比する。 ア 甲1発明9の「PLCシステム24」は本件発明9の「プログラマブルコントローラ」に相当し、以下同様に、「PLC用プログラム」は「ユーザプログラム」に、「マウス21」は「入力装置」に、「ラダー図」は「プログラム図」に、「表示手段」は「表示装置」に、「コンピュータ」は「処理装置」に、及び、「エディタ画面1」は「プログラム表示画面」に、それぞれ相当する。 イ 甲1発明9の「ラダー図を作成するためのニモニック」は、プログラムの命令語であるから、本件発明9の「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に相当するとともに、本件発明9における「プログラム要素」と「ファンクションブロック」とを含む「ツール」とも、当該「プログラム要素」を含む「ツール」という概念では共通するといえる。 してみると、甲1発明9の「ラダー図を作成するためのニモニックの一覧をツリー形式で表示する命令語一覧ペイン5」と本件発明9の「プログラム図を作成するためのプログラム要素と、複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロックとを含むツールを表示するツール画面」とは、「プログラム図を作成するためのプログラム要素を含むツールを表示するツール画面」という概念で共通する。 ウ 甲1発明9の「ニモニック」と本件発明9の「ファンクションブロック」とは、上記イの関係からみて「ツール」という概念では共通し、また、甲1発明9のオペランド入力ペイン6のニモニック入力ボックス9に表示される「ニモニック」は、例えば「LD」等の文字列であって(【0021】)、ニモニックの機能を示すともいえるから、甲1発明9の「ニモニックと、前記ニモニックの機能の説明文とを対応付けて表示するオペランド入力ペイン6」と本件発明9の「ファンクションブロックに含まれる機能と、前記機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面」とは、その機能・作用からみて、「前記ツールの機能と、前記ツールの機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面」という概念では共通する。 エ そうすると、本件発明9と甲1発明9との一致点・相違点は以下のとおりになる。 (ア) 一致点 「プログラマブルコントローラにて実行するユーザプログラムを作成するプログラム作成支援装置であって、 前記ユーザプログラムの作成のための入力操作を行う入力装置と、 前記ユーザプログラムのプログラム図を表示する表示装置と、 前記入力装置の操作に応じて前記表示装置に表示する処理装置と、 を備え、 前記処理装置は、 前記表示装置に、 前記プログラム図を表示するプログラム表示画面と、 前記プログラム図を作成するためのプログラム要素を含むツールを表示するツール画面と、 前記ツールの機能と、前記ツールの機能に関する説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面と、 を表示する、 プログラム作成支援装置。」 (イ) 相違点9-1 ツール画面に表示されるツールとして、本件発明9では「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に加え、「複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロック」を含むのに対し、甲1発明9では「ラダー図を作成するためのニモニック」(本件発明9の「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に相当)だけであって、本件発明9のようにファンクションブロックも含むものではない点。 (ウ) 相違点9-2 ガイダンス表示画面に表示される「ツールの機能」が、本件発明1では「ファンクションブロックに含まれる機能」であるのに対し、甲1発明では「ニモニック」に係る文字列であり、かつ、「ツールの機能に関する説明文」が、本件発明1では「ファンクションブロックに含まれる機能の説明文」であるのに対し、甲1発明では「ニモニックの機能の説明文」である点。 (2)相違点についての検討 相違点9-1~2は、第5の1(1)エ(イ)~(ウ)の相違点1~2と同じであるから、第5の1(2)エと同様に判断できる。 そうすると、相違点9-2に係る本件発明9の構成については、甲1発明9に甲2事項~甲6事項を適用しても当業者にとって容易に想到できたものではない。 (3) 小括 以上のとおり、少なくとも相違点9-2に係る本件発明9の構成は当業者にとって容易に想到できたものではないから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明9は、甲1発明9及び甲2事項~甲6事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4 本件発明10~16について 本件発明10~16は、本件発明9を直接的又は間接的に引用するものであるから、本件発明10~16も甲1発明9及び甲2事項~甲6事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 5 本件発明17について (1)対比 本件発明17と甲1発明17とを対比する。 ア 甲1発明17の「表示手段」は本件発明17の「表示装置」に相当し、以下同様に、「ラダー図」は「プログラム図」に、「PLC用プログラム」は「ユーザプログラム」に、及び、「エディタ画面1」は「プログラム表示画面」にそれぞれ相当する。 イ 甲1発明17の「ラダー図を作成するためのニモニック」は、プログラムの命令語であるから、本件発明17の「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に相当するとともに、本件発明17における「プログラム要素」と「ファンクションブロック」とを含む「ツール」とも、当該「プログラム要素」を含む「ツール」という概念では共通するといえる。 してみると、甲1発明17の「ラダー図を作成するためのニモニックの一覧をツリー形式で表示する命令語一覧ペイン5」と本件発明17の「プログラム図を作成するためのプログラム要素と、複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロックとを含むツールを表示するツール画面」とは、「プログラム図を作成するためのプログラム要素を含むツールを表示するツール画面」という概念で共通する。 ウ 甲1発明17の「ニモニック」と本件発明17の「ファンクションブロック」とは、上記イの関係からみて「ツール」という概念では共通し、また、甲1発明17のオペランド入力ペイン6のニモニック入力ボックス9に表示される「ニモニック」は、例えば「LD」等の文字列であって(【0021】)、ニモニックの機能を示すともいえるから、甲1発明17の「ニモニックと、前記ニモニックの機能の説明文とを対応付けて表示するオペランド入力ペイン6」と本件発明17の「ファンクションブロックに含まれる機能と、前記機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面」とは、その機能・作用からみて、「前記ツールの機能と、前記ツールの機能の説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面」という概念では共通する。 エ 甲1発明17の「ラダー図をPLCシステム24に電送するコンピュータ」又は「コンピュータ」と本件発明17の「プログラマブルコントローラ」とは、「作成手段」という概念で共通する。 オ そうすると、本件発明17と甲1発明17との一致点・相違点は以下のとおりになる。 (ア) 一致点 「表示装置にプログラム図を表示してユーザプログラムを作成する作成手段であって、 前記表示装置に、 前記プログラム図を表示するプログラム表示画面と、 前記プログラム図を作成するためのプログラム要素を含むツールを表示するツール画面と、 前記ツールの機能と、前記ツールの機能に関する説明文とを対応付けて表示するガイダンス表示画面と、 を表示する、 作成手段。」 (イ) 相違点17-1 ツール画面に表示されるツールとして、本件発明17では「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に加え、「複数の機能を含む一連の処理を1つに纏めたファンクションブロック」を含むのに対し、甲1発明17では「ラダー図を作成するためのニモニック」(本件発明17の「プログラム図を作成するためのプログラム要素」に相当)だけであって、本件発明17のようにファンクションブロックも含むものではない点。 (ウ) 相違点17-2 ガイダンス表示画面に表示される「ツールの機能」が、本件発明17では「ファンクションブロックに含まれる機能」であるのに対し、甲1発明17では「ニモニック」に係る文字列であり、かつ、「ツールの機能に関する説明文」が、本件発明17では「ファンクションブロックに含まれる機能の説明文」であるのに対し、甲1発明17では「ニモニックの機能の説明文」である点。 (エ) 相違点17-3 作成手段が、本件発明17では「プログラマブルコントローラ」であるのに対し、甲1発明17では「コンピュータ」であって、ラダー図をPLCシステム24(プログラマブルコントローラ)に電送するものであるから、プログラマブルコントローラではない点。 (2)相違点についての検討 相違点17-1~3のうち、相違点17-1~2については、第5の1(1)エ(イ)~(ウ)の相違点1~2と同じであるから、第5の1(2)エと同様に判断できる。 そうすると、相違点17-1及び17-3について検討するまでもなく、相違点17-2に係る本件発明17の構成については、甲1発明17に甲2事項~甲6事項を適用しても当業者にとって容易に想到できたものではない。 (3) 小括 以上のとおり、少なくとも相違点17-2に係る本件発明17の構成は当業者にとって容易に想到できたものではないから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明17は、甲1発明17及び甲2事項~甲6事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 6 申立理由についてのまとめ したがって、本件特許については法29条2項の規定に違反してされたものでないから、法113条2号に該当するものではない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-701109

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