特許異議申立
2023-701091
照明システム
- 審判番号
- 2023-701091
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-136130
- 登録番号
- 7258207
- 請求日
- 2023年10月12日
- 審決日
- 2024年02月29日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社遠藤照明
- 【異議申立人】角田 朗
- 審判長/審判官
- 審判長 藤井 昇
- 審判官 久島 弘太郎
- 審判官 中村 則夫
- 分類
- P1651.121-Y (H05B) / P1651.113-Y (H05B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7258207号発明「照明システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7258207号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7258207号(以下「本件特許」という。)の請求項1~4に係る特許についての出願は、2014年(平成26年)6月19日(優先権主張 平成25年6月20日)を国際出願日とする特願2015-522563号の一部を、平成28年10月27日に新たな特許出願とした特願2016-210147号の一部を、平成29年11月28日に新たな特許出願とした特願2017-227394号の一部を、平成31年3月20日に新たな特許出願とした特願2019-52084号の一部を、令和2年7月1日に新たな特許出願とした特願2020-114321号の一部を、令和3年5月17日に新たな特許出願とした特願2021-83043号の一部を、令和4年8月29日に新たな特許出願としたものであって、令和5年4月6日にその特許権の設定登録がされ、令和5年4月14日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1~4に係る特許に対し、令和5年10月12日に特許異議申立人角田朗(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明
特許第7258207号の請求項1~4に係る発明(以下「本件発明1~4」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
第1識別情報を備え、無線通信により制御される複数の照明装置と、
前記照明装置を無線通信により制御するための照明制御情報を送信する照明制御装置と、
を備えた照明システムであって、
前記照明制御装置は、画面が表示される表示部を備え、
ユーザは、前記表示部において、複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、前記第1識別情報が関連付けられる照明装置の象徴画像を作成し、
前記照明制御装置は、前記象徴画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する
照明システム。
【請求項2】
第1識別情報を備え、無線通信により制御される複数の照明装置と、
前記照明装置を無線通信により制御するための照明制御情報を送信する照明制御装置と、
を備えた照明システムであって、
前記照明制御装置は、画面が表示される表示部を備え、
ユーザは、前記表示部において、複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、同じ照明制御をする複数の前記照明装置に関連づけられるエリア画像を作成することができ、
前記照明制御装置は、前記エリア画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する
照明システム。
【請求項3】
第1識別情報を備え、無線通信により制御される複数の照明装置と、
前記照明装置を無線通信により制御するための照明制御情報を送信する照明制御装置と、
を備えた照明システムであって、
前記照明制御装置は、画面が表示される表示部を備え、
ユーザは、前記表示部において、複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、又は前記配灯画像を表示させて、前記第1識別情報が関連付けられる照明装置の象徴画像を作成し、
前記照明制御装置は、前記象徴画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する
照明システム 。
【請求項4】
第1識別情報を備え、無線通信により制御される複数の照明装置と、
前記照明装置を無線通信により制御するための照明制御情報を送信する照明制御装置と、
を備えた照明システムであって、
前記照明制御装置は、画面が表示される表示部を備え、
ユーザは、前記表示部において、複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、又は前記配灯画像を表示させて、同じ照明制御をする複数の前記照明装置に関連づけられるエリア画像を作成することができ、
前記照明制御装置は、前記エリア画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する
照明システム。」
第3 申立理由の概要
特許異議申立人は、証拠として甲第1号証を提出し、請求項3~4に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、また、主たる証拠として甲第1号証を、従たる証拠として甲第2~3号証を提出し、請求項1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1~4に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。
以下、申立人が提出した「甲第○号証」は「甲○」という。
[甲各号証一覧]
甲1:特表2009-521090号公報
甲2:特開2011-204656号公報
甲3:特開2010-204964号公報
第4 当審の判断
1 甲1について
(1)記載事項
甲1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下同様。)。
ア
「【0009】
図1は、所望の強度、色、色相、彩度、ビーム方向及びビーム幅等を含む所望の属性の光を供給するために、照明固定具又は光源110を制御するユーザインターフェース装置105を有する照明システム100のブロック図を示している。前記照明固定具は、例えば、パン及び傾斜動作のために、ユーザインターフェース装置105によって制御されるモータを含み得る。前記光源は、白熱、蛍光、ハロゲン、高輝度放電(HID)及びLED(LEDは、特に、色変化可能な光を供給するのに良く適している)等のような、関連付けられているバラスト又は制御電子機器を有する如何なる種類の制御可能な光源であっても良い。
【0010】
各照明固定具若しくは光源、照明固定具若しくは光源の集合、又は照明システムは、知られている又は前記インターフェース装置からのリクエスト信号に応じて前記インターフェース装置に通信される自身の識別情報を記憶する又は供給するための回路及びメモリを更に有していても良く、例えば、この結果、如何なる所望の照明固定具も、ユーザインターフェース115へのユーザ入力に応じて、コントローラ120によってアドレス指定及び制御されることができる。
【0011】
図1に示されているように、ユーザインターフェース装置105は、図2に関連して詳細に記載されるユーザインターフェース115を含んでいる。ユーザインターフェース115は、何処へでも、単独で又はセットとして、1つの又は様々な部屋等に位置されることができる照明固定具又は光源110を制御するプロセッサ又はコントローラ120に結合されている。メモリ125は、コントローラ120に結合されており、前記コントローラによって実行されるべき命令の演算と、プリセットに従って光を供給する光源110に関連付けられるべき光の属性の特定の組み合わせを含む前記プリセットとのような、必要な命令及びデータを記憶することができる。ユーザインターフェース115、コントローラ120、メモリ125及び光源の間の相互接続は、例えば、直接的な又はネットワークを介した有線又はワイヤレス通信によって、如何なる通信手段を介するものであっても良いことに留意されたい。ZigbeeTM又はBluetooth(登録商標)のプロトコルを使用するような、短距離ワイヤレス通信は、これら2つのものが別個の装置として実施化されている場合において、コントローラ120と光源110との間、及びユーザインターフェース115とコントローラ120との間において特に適している。」
イ
「【0013】
前記プリセットとは、ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等に関するプリセットのような、何らかの所望の仕方において組織化されることができるものである。前記プリセットは、所定のもの、前記メモリ内に記憶されたもの、及びユーザインターフェース装置105の製造者/開発者を含む照明の専門家によって準備されたものであることができる。勿論、前記プリセットは、これらを所望の通りに変更する、又はメモリ125内に新しいプリセットを作成する及び記憶することができるユーザを含む如何なる者によってもプログラム可能なものであることができる。
【0014】
コントローラ120は、米国特許第2003/0057887号に記載されているような、ユーザインターフェース115からの入力信号に応じて、出力又は制御信号を供給し、メモリ125内に記憶されている命令を実行することができる如何なる種類のコントローラ又はプロセッサであっても良く、メモリ125は、米国特許第2003/0057887号にも記載されているような、メモリ、RAM、ROM、リムーバブルメモリ及びCD-ROM等の如何なる種類のものであっても良い。ユーザインターフェース115、コントローラ120及びメモリ125は、ユーザインターフェース装置105の一部として示されているが、単独の又は他のユニット組み合わせされた別個のユニットであっても良いことを理解されたい。例えば、コントローラ120及びメモリ125は、パーソナルコンピュータの一部であっても良く、ユーザインターフェース115は、これらと別個の又は一体化されたユニットであっても良い。ユーザインターフェース装置105自体は、パーソナルコンピュータ、又はリモートコントローラ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)及び携帯電話等のような、ユーザ入力を受け入れる、データを記憶する及び制御信号を供給することができる何らかの装置において実施化されることができる。
【0015】
図2A-2Cは、例えば、抵抗性又は容量性タッチスクリーンであり得る対象領域205を持つユーザインターフェース115の一実施例を示している。代替的には、対象領域205と当該対象領域205の外側の領域とは、ポインティング装置又は人の指のような、ポインタを介して制御可能なPDAにおけるものと類似のタッチ感知型ディスプレイ210であっても良い。
【0016】
使用中、ユーザは、例えば、ドロップメニューから、又はスクリーン210上に表示される複数のアイコンからの選択の後、アイコン215としてスクリーン210上に表示されることができるプリセットを選択する。実例的には、1つのアイコン215が表示されており、ユーザは、例えば、ロマンティックプリセット又は読書プリセットのような、例えば、ドロップメニューからアイコン215に対して選択されたプリセットに、アイコン215を関連付ける。
【0017】
更に、ユーザは、特定の照明固定具又は光源110を選択し、アイコン215に関連付ける。実例的には、ユーザは、部屋、住居又は建物の所望の照明領域を選択し、前記プロセッサ又はコントローラ120は、例えば、識別、アドレス指定及び制御のために、固有のアドレスを有する家屋内の部屋、場所、各部屋内の照明固定具の種類のように、環境のマップのような、メモリ125内に記憶された関連する情報を使用して、選択された前記所望の照明領域内の照明固定具をアイコン215に自動的に関連付ける。このようなマップは、何らかの適切な手段によって作られることができ、例えば、米国特許第2003/0057887A1号に記載されている。」
ウ
「【0022】
図2Aに示されているように、アイコン215は、特定のプリセットに関連付けられており、アイコン215は、テキスト又はグラフィックの表現を介して、前記プリセットの指示を供給するように構成されることもできる。例えば、ロマンスプリセットが選択されており、アイコン215に関連付けられている場合、テキスト「ロマンス」又は何らかの他の表現テキストは、アイコン内に含まれることができる。代替的には又は更に、前記アイコンの前記形状及び/又は色は、ピンク又は明るい赤等であり得るハートの形状のような、典型的な形状に変更されることができる。同様に、選択された照明領域のテキスト又はグラフィックの表現は、図2Aに示されている「ベッドルーム」220の指示によって示されている、対象領域205のように、スクリーン210上に示されることもできる。再び、このテキストの代わりに、ベッドのグラフィックの形状が、表示されることができる。勿論、如何なるテキスト又はグラフィックの表現も、ユーザによってプログラム可能なものであり、例えば、ナビゲーション及びドロップダウンメニューからの選択によるものであることもできる。
【0023】
図2Bは、特定のプリセットに関連づけられているアイコン215であって、何らかの所望の光源又はベッドルームのような照明範囲内の光源となるように、前記ユーザによってプログラムされることができる及び変形されることができるアイコン215が、対象範囲205内にドラッグされるのを示している。前記対象範囲内のアイコン215の場所は、選択されたプリセット又は光の属性の特定の値又はレベルと関連付けられている。例えば、選択されたプリセットは、光の強度を含んでいる場合、対象範囲205内のアイコン215のドラッグは、前記プリセットの強度を変化させる。実例的には、アイコン215が、図2Bに示されている位置であって、前記対象領域の境界から前記対象領域の半径の約20%だけ内側である位置にある場合、前記光の強度は、20%のものである。」
エ
図1
「
[図:0001409142000001.jpg]
」
図2A
「
[図:0001409142000002.jpg]
」
図2B
「
[図:0001409142000003.jpg]
」
図2C
「
[図:0001409142000004.jpg]
」
(2)認定事項
ア
上記(1)アに摘記した段落【0010】の「各照明固定具若しくは光源、照明固定具若しくは光源の集合、又は照明システムは、・・・ユーザインターフェース115へのユーザ入力に応じて、コントローラ120によってアドレス指定及び制御される」という記載及び図1から、制御対象である光源110は光源の集合を含むと認められる。
イ
上記(1)アに摘記した段落【0009】の「図1は、・・・照明固定具又は光源110を制御するユーザインターフェース装置105を有する照明システム100のブロック図を示している。」、段落【0011】の「ユーザインターフェース115、コントローラ120、メモリ125及び光源の間の相互接続は、例えば、直接的な又はネットワークを介した有線又はワイヤレス通信によって、如何なる通信手段を介するものであっても良いことに留意されたい。」という記載及び図1から、ユーザインターフェース115、コントローラ120、メモリ125及び光源110の間の相互接続はワイヤレス通信である照明システム100と認められる。
ウ
上記(1)イに摘記した段落【0015】の「図2A-2Cは、例えば、抵抗性又は容量性タッチスクリーンであり得る対象領域205を持つユーザインターフェース115の一実施例を示している。・・・対象領域205と当該対象領域205の外側の領域とは、・・・タッチ感知型ディスプレイ210であっても良い。」という記載及び図2A-2Cから、ユーザインターフェース115は対象領域205とその外側の領域とを表示するディスプレイ210を備えると認められる。
エ
上記(1)イに摘記した段落【0013】の「前記プリセットとは、ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等に関するプリセットのような、何らかの所望の仕方において組織化されることができるものである。」という記載、段落【0016】の「ユーザは、例えば、ロマンティックプリセット又は読書プリセットのような、例えば、ドロップメニューからアイコン215に対して選択されたプリセットに、アイコン215を関連付ける。」という記載及び上記(1)ウに摘記した段落【0022】の「図2Aに示されているように、アイコン215は、特定のプリセットに関連付けられており、アイコン215は、テキスト又はグラフィックの表現を介して、前記プリセットの指示を供給するように構成されることもできる。」という記載並びに図2Aから、ユーザはロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等からユーザによって選択された特定のプリセットをアイコン215に関連付ける操作を行うと認められる。
オ
上記(1)イに摘記した段落【0017】の「更に、ユーザは、特定の照明固定具又は光源110を選択し、アイコン215に関連付ける。実例的には、ユーザは、部屋、住居又は建物の所望の照明領域を選択し、」という記載及び上記(1)ウに摘記した段落【0022】の「選択された照明領域のテキスト又はグラフィックの表現は、図2Aに示されている「ベッドルーム」220の指示によって示されている、対象領域205のように、スクリーン210上に示される」という記載並びに図2Aから、ユーザは所望の照明領域を選択し、選択された照明領域はスクリーン210上に示されると認められる。また、ディスプレイ210はスクリーン210とも称されると認められる(以下「スクリーン210」という。)。
カ
上記(1)イに摘記した段落【0017】の「コントローラ120は、例えば、識別、アドレス指定及び制御のために、固有のアドレスを有する家屋内の部屋、場所、各部屋内の照明固定具の種類のように、環境のマップのような、メモリ125内に記憶された関連する情報を使用して、選択された前記所望の照明領域内の照明固定具をアイコン215に自動的に関連付ける。」という記載及び上記(1)ウに摘記した段落【0023】の「特定のプリセットに関連づけられているアイコン215であって、何らかの所望の光源又はベッドルームのような照明範囲内の光源となるように、前記ユーザによってプログラムされることができる及び変形されることができるアイコン215が、対象範囲205内にドラッグされる」という記載並びに図2Bから、ユーザは、特定のプリセットに関連付けられたアイコン215を対象範囲205内にドラッグして、選択された所望の照明領域の光源110をアイコン215に自動的に関連付けると認められる。
また、上記(1)アに摘記した段落【0009】の「図1は、所望の強度、色、色相、彩度、ビーム方向及びビーム幅等を含む所望の属性の光を供給するために、照明固定具又は光源110を制御するユーザインターフェース装置105」という記載から、ユーザインターフェース装置105は、アイコン215に関連付けられた特定のプリセットに基づいて、アイコン215が関連付けられた光源110を制御すると認められる。
(3)甲1に記載された発明
上記(1)に摘記した記載及び(2)の看取事項から、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
〔甲1発明〕
「所望の強度、色、色相、彩度、ビーム方向及びビーム幅等を含む所望の属性の光を供給するために、光源の集合を含む光源110をそれに関連付けられた特定のプリセットに基づいて制御するユーザインターフェース装置105を有する照明システム100であって、
光源110は、自身の識別情報を記憶する回路及びメモリを有し、コントローラ120によって制御され、
ユーザインターフェース115、コントローラ120及びメモリ125は、ユーザインターフェース装置105の一部であり、
ユーザインターフェース115、コントローラ120、メモリ125及び光源110の間の相互接続はワイヤレス通信である照明システム100において、
ユーザインターフェース115は対象領域205とその外側の領域とを表示するスクリーン210を備え、
ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等からユーザによって選択された特定のプリセットをアイコン215に関連付け、
ユーザが選択した照明領域はスクリーン210上に示され、
ユーザは、特定のプリセットに関連付けられたアイコン215を対象範囲205内にドラッグして、選択された所望の照明領域の光源110をアイコン215に自動的に関連付け、
ユーザインターフェース装置105は、アイコン215に関連付けられた特定のプリセットに基づいて、アイコン215が関連付けられた光源110を制御する
照明システム100。」
2 甲2について
(1)記載事項
甲2には、以下の事項が記載されている。
ア
「【0026】
図1に示すように、照明制御システム11は、例えばオフィスや店舗等の施設の照明空間に設置された複数の照明器具12の点灯状態を一元制御するもので、これら複数の照明器具12の点灯状態を制御する照明制御部13と、複数の照明器具12が信号線14によって互いに通信可能に接続された複数の照明制御端末15、照明空間の所定のエリア内の人体の有無を検知する複数の人感センサ16、図示しない複数の壁スイッチや光センサ等とが、信号線17で互いに通信可能に接続され、さらに、照明制御システム11の各種設定を行う設定端末18が照明制御システム11に対して無線または有線で接続可能とされている。なお、信号線14,17は、電力線と兼用し、電力線搬送通信で通信可能としてもよい。」
イ
「【0031】
また、設定端末18は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータや専用の設定器等で、実際の照明空間で使用可能な持ち運び可能なものである。設定端末18は、キーボードやマウスあるいはタッチパネル等含む操作部、および設定画面等を表示する表示部であるモニタを有し、照明制御システム11に対して無線または有線によって通信可能とする機能を有している。無線によって通信可能とするには、例えば、ネットワークを通じて照明制御部13と通信するようにしてもよいし、無線通信機能を有する照明制御端末15あるいは照明器具12と通信するようにしてもよい。有線によって通信可能とするには、例えば、照明制御端末15や壁スイッチと有線によって接続して通信するようにしてもよい。
【0032】
設定端末18は、設定プログラムを有し、この設定プログラムに従い、照明制御部13に対して、設定モードを指定し、照明空間に設置された各照明器具12の位置と各照明器具12のアドレスとの対応関係を設定したり、照明空間に設置された複数の照明器具12のうち一括制御するグループの照明器具12をグループ毎に設定する機能を有している。」
ウ
「【0038】
照明制御システム11の設置後、各照明器具12が未設定の状態において、まず、照明空間に設置された各照明器具12の位置と各照明器具12の固有のアドレスとを対応関係を設定する作業を行い、その後、照明器具12のグループを割り付ける作業を行う。
・・・
【0040】
図2には、設定プログラムに従って、設定端末18のモニタ画面に表示する設定ウインド21の説明図を示す。この設定ウインド21には、設定を行う照明空間として施設の階数を選択する選択領域22、および照明空間のレイアウトを平面的に表示するレイアウト表示領域23等が含まれる。
・・・
【0042】
そして、図3に示すように、設定端末18の操作部で照明器具設定用の設定モードを選択することにより、設定端末18のモニタ画面に表示する設定ウインド21の横に、照明器具設定用のサブウインド27が表示される。
【0043】
このサブウインド27には、設定可能な複数の照明器具12のアイコン28が番号順に表示されている。サブウインド27に表示される複数の照明器具12は、例えば、11階に設置された照明制御端末15、あるいは11階の所定の区域に設置された照明制御端末15については照明制御部13で予め特定されているために、この照明制御端末15に接続された各照明器具12の位置についてはまだ特定されていないものの各照明器具12のアドレスの情報は照明制御端末15や照明制御部13で取得できることから、この照明制御端末15に接続された設定可能な複数の照明器具12が含まれる。したがって、図4に示すように、サブウインド27に表示される各照明器具12のアイコン28の番号には、各照明器具12のアドレスが対応付けされている。
・・・
【0045】
設定端末18の操作部でサブウインド27の任意のアイコン28を選択すると、選択されたアイコン28が選択された表示(例えば白丸から黒丸へ)に切り換わるとともに、選択されたアイコン28に対応付けされているアドレスの照明器具12が点滅する。
【0046】
作業者は、点滅する照明器具12の位置を確認し、設定端末18の操作部で選択した照明器具12のアイコン28をサブウインド27からレイアウト表示領域23の対応する位置にドラックアンドペーストで移動させて配置する。」
エ
図1
「
[図:0001409142000005.jpg]
」
図2
「
[図:0001409142000006.jpg]
」
図3
「
[図:0001409142000007.jpg]
」
図4
「
[図:0001409142000008.jpg]
」
(2)甲2に記載された技術
上記(1)の記載事項から、甲2には、次の技術が記載されていると認められる。
〔甲2に記載された技術〕
「複数の照明器具12の点灯状態を一元制御する照明制御システム11であって、
設定端末18は、照明制御システム11に対して無線または有線で接続され、照明空間に設置された各照明器具12の位置と各照明器具12のアドレスとの対応関係を設定したり、照明空間に設置された複数の照明器具12のうち一括制御するグループの照明器具12をグループ毎に設定する機能を有しており、
設定端末18のモニタ画面に表示する設定ウインド21には、照明空間のレイアウトを平面的に表示するレイアウト表示領域23等が含まれ、設定ウインド21の横に、照明器具設定用のサブウインド27が表示され、
設定端末18の操作部でサブウインド27の任意の照明器具12のアイコン28を選択すると、選択されたアイコン28に対応付けされているアドレスの照明器具12が点滅し、
作業者は、点滅する照明器具12の位置を確認し、設定端末18の操作部で選択したアイコン28をサブウインド27からレイアウト表示領域23の対応する位置にドラックアンドペーストで移動させて配置することによって、各照明器具12の位置と各照明器具12の固有のアドレスとの対応関係を設定する技術。」
3 甲3について
(1)記載事項
甲3には、以下の事項が記載されている。
ア
「【0069】
次に、処理動作として領域選択処理が選択されている場合について図9を参照して説明する。ここでは、機器の増設などにより機器制御システムのシステム構成が変更された場合に、メイン画面における空間ウィンドウのレイアウトを変更するために使用されるアプリケーションにおいて領域選択処理を用いる例を示す。具体的には、図2の初期状態から図10に示すシステム構成へ変更されたことを想定し(図10では居間の照明機器L6と洗面所の照明機器L7とが増設されている)、洗面所を表す空間ウィンドウW4を追加するために、各空間ウィンドウW1~W4のレイアウトを変更する例を示す。
・・・
【0077】
次に、処理動作として移動処理が選択されている場合について図11を参照して説明する。ここでは、機器の増設などにより機器制御システムのシステム構成が変更された場合に、メイン画面におけるアイコンの表示位置を変更するために利用されるアプリケーションにおいて移動処理を用いる例を示す。具体的には、図10に示すシステム構成への変更によって、居間の照明機器L6と洗面所の照明機器L7とにそれぞれ対応するアイコンI6,I7が追加されたことに伴い、アイコンI1~I7の表示位置を変更する例を示す。
・・・
【0079】
利用者が移動対象とする機器のアイコンI1をタッチすると、制御部5は、当該アイコンI1を選択状態として、図11(b)に示すように当該アイコンI1を強調色(ここでは比較的濃い色とする)で表示する(図中ハッチングなし)よう表示器2に指示を出す。ここで、利用者はアイコンI1の強調色表示によって、当該アイコンI1が移動対象として選択されたことを知る。なお、アイコンI1~I7が移動対象として選択されていることを利用者に通知する手段は、上述したようなアイコンI1~I7の表示色の変更に限らず、アイコンI1~I7の図柄そのものを変更したり、アイコンI1~I7を点滅表示したりするものであってもよい。図11(b)では、居間のエアコンL1に対応するアイコンI1が移動対象として選択された例を示す。
・・・
【0081】
上述のように移動対象となるアイコンI1が選択された状態で、タッチスイッチ3における当該アイコンI1以外の領域がタッチされると、制御部5は、移動対象のアイコンI1の仮座標情報をタッチ位置に更新し、更新後の仮座標情報に従って表示器2にアイコンI1を表示する。これにより、表示器2において、移動対象のアイコンI1の表示位置が副入力モード開始前の位置から前記タッチ位置に変更されることとなる。この状態で再度、選択状態にあるアイコンI1以外の領域がタッチされると、仮座標情報が当該タッチ位置にさらに更新され、アイコンI1の表示位置が再変更される。」
イ
図11
「
[図:0001409142000009.jpg]
」
(2)看取事項及び認定事項
上記(1)イの図11から、表示器2には、居間、寝室、玄関及び洗面所を表す各空間ウィンドウW1~W4が表示されており、これら空間ウィンドウW1~W4の枠内に機器のアイコンI2~I7が表示されることが看取できる。
これら機器のアイコンI2~I7の空間ウィンドウW1~W4の枠内での位置は、実際の機器の各空間での配置を示すのではなく、各機器が存在する空間を示すことは明らかであると認められる。
(3)甲3に記載された技術
上記(1)の記載事項及び(2)の看取事項及び認定事項から、甲3には、次の技術が記載されていると認められる。
〔甲3に記載された技術〕
「機器の増設などにより機器制御システムのシステム構成が変更された場合に、メイン画面におけるアイコンの表示位置を変更するために、
制御部5は、機器のアイコンI2~I7の位置が実際の機器の各空間での配置を示すのではなく、各機器が存在する空間を示す表示器2において、利用者が、移動対象とする機器のアイコンI1をタッチすると、当該アイコンI1を選択状態とし、移動対象となるアイコンI1が選択された状態で当該アイコンI1以外の領域がタッチされると、移動対象のアイコンI1の仮座標情報をタッチ位置に更新し、更新後の仮座標情報に従って表示器2にアイコンI1を表示することにより、表示器2において、移動対象のアイコンI1の表示位置を前記タッチ位置に変更する技術。」
4 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア
後者の「光源の集合を含む光源110」は、その機能からみて、前者の「複数の照明装置」に相当し、以下同様に、「自身の識別情報」は「第1識別情報」に、「ワイヤレス通信」は「無線通信」に、「特定のプリセット」は「照明制御情報」に、それぞれ相当する。
これらを踏まえ、後者の
「所望の強度、色、色相、彩度、ビーム方向及びビーム幅等を含む所望の属性の光を供給するために、光源の集合を含む光源110をそれに関連付けられた特定のプリセットに基づいて制御するユーザインターフェース装置105を有する照明システム100であって、
光源110は、自身の識別情報を記憶する回路及びメモリを有し、コントローラ120によって制御され、
ユーザインターフェース115、コントローラ120及びメモリ125は、ユーザインターフェース装置105の一部であり、
ユーザインターフェース115、コントローラ120、メモリ125及び光源110の間の相互接続はワイヤレス通信である照明システム100」について検討する。
後者の「光源の集合を含む光源110」が、「自身の識別情報を記憶する回路及びメモリを有し、コントローラ120によって制御され」るものであって、「コントローラ120、・・・光源110の間の相互接続はワイヤレス通信である」構成は、前者の「第1識別情報を備え、無線通信により制御される複数の照明装置」の構成に相当する。
また、後者の「所望の強度、色、色相、彩度、ビーム方向及びビーム幅等を含む所望の属性の光を供給するために、光源の集合を含む光源110をそれに関連付けられた特定のプリセットに基づいて制御するユーザインターフェース装置105」は、「ユーザインターフェース115、コントローラ120及びメモリ125」をその「一部」とするものであり、「ユーザインターフェース115、コントローラ120、メモリ125及び光源110の間の相互接続はワイヤレス通信である」から、前者の「前記照明装置を無線通信により制御するための照明制御情報を送信する照明制御装置」に相当する。
そして、後者の「照明システム100」は、「ユーザインターフェース装置105を有する照明システム100」であって、「ユーザインターフェース115、コントローラ120、メモリ125及び光源110の間の相互接続はワイヤレス通信である照明システム100」であるところ、光源110を含むシステムであるといえるから、前者の「複数の照明装置」と「照明制御装置」とを備えた「照明システム」に相当する。
イ
後者の「ユーザインターフェース115は対象領域205とその外側の領域とを表示するスクリーン210を備え」る構成について検討する。
後者の「スクリーン210」は、その機能からみて、前者の「表示部」に相当する。そして、後者の「ユーザインターフェース装置105」は前者の「照明制御装置」に相当し、その一部である「ユーザインターフェース115」が「スクリーン210を備え」るから、上記構成は、前者の「前記照明制御装置は、画面が表示される表示部を備え」る構成に相当する。
ウ
後者の「ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等からユーザによって選択された特定のプリセットをアイコン215に関連付け、
ユーザが選択した照明領域はスクリーン210上に示され、
ユーザは、特定のプリセットに関連付けられたアイコン215を対象範囲205内にドラッグして、選択された所望の照明領域の光源110をアイコン215に自動的に関連付け、
ユーザインターフェース装置105は、アイコン215に関連付けられた特定のプリセットに基づいて、アイコン215が関連付けられた光源110を制御する」構成について検討する。
本件発明1の「象徴画像」は「前記第1識別情報が関連付けられる」ものである。
これに対し、甲1発明のアイコン215は、「ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等からユーザによって選択された特定のプリセット」が関連付けられ、「対象範囲205内にドラッグして、選択された所望の照明領域の光源110」に「自動的に関連付け」られるものであり、「ユーザインターフェース装置105は、アイコン215に関連付けられた特定のプリセットに基づいて、アイコン215が関連付けられた光源110を制御する」ものである。すなわち、アイコン215は、ユーザインターフェース装置105が制御する際に基づく特定のプリセットが関連付けられ、当該特定のプリセットを制御対象の光源110に関連付ける機能を有するものであるが、自身の識別情報が関連付けられるものではないから、本件発明1の「前記第1識別情報が関連付けられる」「象徴画像」とは異なるものである。
以上を踏まえると、後者の「ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等からユーザによって選択された特定のプリセットをアイコン215に関連付け、ユーザが選択した照明領域はスクリーン210上に示され、ユーザは、特定のプリセットに関連付けられたアイコン215を対象範囲205内にドラッグして、選択された所望の照明領域の光源110をアイコン215に自動的に関連付け、ユーザインターフェース装置105は、アイコン215に関連付けられた特定のプリセットに基づいて、アイコン215が関連付けられた光源110を制御する」構成と、前者の「ユーザは、前記表示部において、複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、前記第1識別情報が関連付けられる照明装置の象徴画像を作成し、前記照明制御装置は、前記象徴画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」構成とは、「前記照明制御装置は、照明装置に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」構成の点で共通する。
エ
上記ア~ウを踏まえると、本件発明1と甲1発明とは、次の一致点1で一致し、相違点1で相違する。
<一致点1>
第1識別情報を備え、無線通信により制御される複数の照明装置と、
前記照明装置を無線通信により制御するための照明制御情報を送信する照明制御装置と、
を備えた照明システムであって、
前記照明制御装置は、画面が表示される表示部を備え、
前記照明制御装置は、照明装置に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する
照明システム。
<相違点1>
「前記照明制御装置は、照明装置に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」構成について、
本件発明1は、「ユーザは、前記表示部において、複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、前記第1識別情報が関連付けられる照明装置の象徴画像を作成し、前記照明制御装置は、前記象徴画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」のに対し、
甲1発明は、「ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等からユーザによって選択された特定のプリセットをアイコン215に関連付け、ユーザが選択した照明領域はスクリーン210上に示され、ユーザは、特定のプリセットに関連付けられたアイコン215を対象範囲205内にドラッグして、選択された所望の照明領域の光源110をアイコン215に自動的に関連付け、ユーザインターフェース装置105は、アイコン215に関連付けられた特定のプリセットに基づいて、アイコン215が関連付けられた光源110を制御する」点。
(2)判断
相違点1について検討する。
まず、本件発明1と甲2に記載された技術とを対比する。
ア
後者の「複数の照明器具12」は、その機能からみて、前者の「複数の照明装置」に相当し、以下同様に、「照明制御システム11」及び「設定端末18」は、「照明システム」に、「各照明器具12のアドレス」は「第1識別情報」に、「モニタ画面」は「表示部」に、「レイアウト表示領域23」は「配灯画像」に、「作業者」は「ユーザ」に、それぞれ相当する。
また、後者の「各照明器具12のアドレス」という特定から、「各照明器具12」は「アドレス」を備えており、また、後者の「設定端末18のモニタ画面」という特定から、「設定端末18」は「モニタ画像」を備えていることが明らかである。そして、上記のとおり、後者の「照明制御システム11」及び「設定端末18」は、前者の「照明システム」に相当するから、本件発明1の用語に倣えば、「第1識別情報を備える照明システムは表示部を備え」ると表現できる。
イ
後者の「設定端末18のモニタ画面に表示する設定ウインド21には、照明空間のレイアウトを平面的に表示するレイアウト表示領域23等が含まれ、設定ウインド21の横に、照明器具設定用のサブウインド27が表示され、設定端末18の操作部でサブウインド27の任意の照明器具12のアイコン28を選択すると、選択されたアイコン28に対応付けされているアドレスの照明器具12が点滅し、作業者は、点滅する照明器具12の位置を確認し、設定端末18の操作部で選択したアイコン28をサブウインド27からレイアウト表示領域23の対応する位置にドラックアンドペーストで移動させて配置することによって、各照明器具12の位置と各照明器具12の固有のアドレスとの対応関係を設定する」構成について検討する。
後者の「アイコン28」は、「アドレス」が「対応付けされて」おり、「作業者」が「設定端末18の操作部で選択したアイコン28をサブウインド27からレイアウト表示領域23の対応する位置にドラックアンドペーストで移動させて配置することによって、各照明器具12の位置と各照明器具12の固有のアドレスとの対応関係を設定する」ために用いられるから、前者の「第1識別情報が関連付けられる照明装置の象徴画像」に相当する。
そうすると、後者の上記構成は、本件発明1の用語に倣えば、「ユーザは前記表示部において、第1識別情報が関連付けられた象徴画像によって、照明装置と第1識別情報との対応関係を設定する」と表現できる。
ウ
上記ア~イを踏まえ、甲2に記載された技術を本件発明1の用語に倣って整理すると、次のように表現できる。
「第1識別情報を備える照明システムは表示部を備え、ユーザは前記表示部において、第1識別情報が関連付けられた象徴画像によって、照明装置と第1識別情報との対応関係を設定する技術。」
エ
甲1発明のアイコン215は、上記(1)エに示したように、ユーザインターフェース装置105が制御する際に基づく特定のプリセットが関連付けられ、当該特定のプリセットを制御対象の光源110に関連付ける機能を有するものであるが、自身の識別情報(本件発明1の「第1識別情報」に相当。)が関連付けられるものではない。。これに対し、甲2に記載された技術の象徴画像は、第1識別情報が関連付けられ、第1識別情報と照明装置との対応関係を設定するものであるから、甲1発明のアイコン215と甲2に記載された技術の象徴画像とでは、関連付けられる情報が異なる。
甲1発明において、甲2に記載された技術を適用することにより、アイコン215に対して、特定のプリセットに替えて「自身の識別情報」を関連付けてしまうと、ユーザが「ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等」を選択する手段がなくなってしまうし、また、特定のプリセットに加えて「自身の識別情報」を関連付けるような理由も見出せない。したがって、甲1発明に上記甲2に記載された技術を適用する動機付けはないというべきである。
さらに、上記3(3)で甲3に記載された技術として示したように、甲3は、そもそも相違点1に係る本件発明1の構成を開示するものではない。
よって、本件発明1は、甲1発明、甲2に記載された技術及び甲3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
5 本件発明2について
(1)対比
本件発明2と甲1発明とを対比する。
本件発明2は、本件発明1の「前記第1識別情報が関連付けられる照明装置の象徴画像を作成し、前記照明制御装置は、前記象徴画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」という発明特定事項を、「同じ照明制御をする複数の前記照明装置に関連づけられるエリア画像を作成することができ、前記照明制御装置は、前記エリア画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」という発明特定事項に替えた発明であるところ、本件特許明細書の段落【0043】の「象徴画像には、配灯画像P上において、同じ照明制御が実行されるLED照明装置2のエリアを表し、そのエリア内の複数のLED照明装置2と対応付けられることになる画像(図7参照)が含まれる。以下では、この画像を「エリア画像」と称す。」という記載のとおり、象徴画像にはエリア画像が含まれるから、上記4(1)の対比を踏まえれば、本件発明2と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、相違点2で相違する。
<相違点2>
「前記照明制御装置は、照明装置に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」構成について、
本件発明2は、「ユーザは、前記表示部において、複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、同じ照明制御をする複数の前記照明装置に関連づけられるエリア画像を作成することができ、前記照明制御装置は、前記エリア画像に関連付けられた前記照明制御情報に基づいて、制御信号を送信する」のに対し、
甲2発明は、「ロマンティック、読書及びテレビ観賞モード等からユーザによって選択された特定のプリセットをアイコン215に関連付け、ユーザが選択した照明領域はスクリーン210上に示され、ユーザは、特定のプリセットに関連付けられたアイコン215を対象範囲205内にドラッグして、選択された所望の照明領域の光源110をアイコン215に自動的に関連付け、ユーザインターフェース装置105は、アイコン215に関連付けられた特定のプリセットに基づいて、アイコン215が関連付けられた光源110を制御する」点。
(2)判断
上記4(2)エに示す判断と同様の判断により、本件発明2は、甲1発明、甲2に記載された技術及び甲3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
6 本件発明3~4について
本件発明3は、本件発明1の「複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、」という発明特定事項を、「複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、又は前記配灯画像を表示させて、」という発明特定事項に替えた発明であるから、本件発明3と甲1発明とを対比すると、少なくとも相違点1で相違する。
また、本件発明4は、本件発明2の「複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、」という発明特定事項を、「複数の照明装置の配置位置が示された配灯画像を表示させずに、又は前記配灯画像を表示させて、」という発明特定事項に替えた発明であるから、本件発明4と甲1発明とを対比すると、少なくとも相違点2で相違する。
したがって、本件発明3~4は、それぞれ、甲1発明ではない。
また、本件発明3については上記4(2)エに示す判断と同様の判断により、本件発明4については上記5(2)に示す判断と同様の判断により、本件発明3~4は、甲1発明、甲2に記載された技術及び甲3に記載された技術に基いて、それぞれ、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第5 むすび
第4のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-701091