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特許異議申立

2025-700293

照明装置及び電源

審判番号
2025-700293
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-094895
登録番号
7550722
請求日
2025年03月12日
審決日
2026年01月27日
公報発行日
2026年04月24日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社遠藤照明
  • 【異議申立人】田中 哲也
審判長/審判官
  • 審判長 草野 顕子
  • 審判官 高橋 学
  • 審判官 横溝 顕範
分類
P1651.113-YAA(H05B) / P1651.121-YAA(H05B) / P1651.537-YAA(H05B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項、特許法第29条、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7550722号発明「照明装置及び電源」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7550722号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2、4、5〕、6、7について訂正することを認める。 特許第7550722号の請求項1~8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7550722号(以下「本件特許」という。)の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和3年6月7日に出願され、令和6年9月5日に特許権の設定登録がされ、同年9月13日に特許掲載公報が発行された。 その後、特許異議申立人田中哲也(以下「申立人」という。)による特許異議の申立てがされた。 その特許についての特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和7年 3月12日 :特許異議の申立て(全請求項) 同年 7月14日付け:取消理由通知書 同年 9月10日 :特許権者より訂正請求書の提出 同年10月28日 :申立人より意見書の提出 第2 本件訂正の適否 1 訂正の内容 令和7年9月10日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2、4、5、6、7について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 請求項1に 「LED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記LED光源の設定電流値を設定可能な照明装置であって、」 とあるのを 「LED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、」 に訂正し(以下「訂正事項1-1」という。)、さらに、請求項1に 「前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 とあるのを 「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、 前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 に訂正する(以下「訂正事項1-2」という。)。 請求項1の記載を引用する請求項4及び5も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 請求項2に 「複数色のLED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を設定可能な照明装置であって、」 とあるのを 「複数色のLED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、」 に訂正し(以下「訂正事項2-1」という。)、さらに、請求項2に 「前記LED光源を起動したとき、前記電源は、前記各色毎に、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 とあるのを 「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 に訂正する(以下「訂正事項2-2」という。)。 請求項2の記載を引用する請求項4及び5も同様に訂正する。 (3)訂正事項3 請求項6に 「LED光源を備えた照明装置用の電源であって、」 とあるのを 「LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、」 に訂正し(以下「訂正事項3-1」という。)、さらに、請求項6に 「前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 とあるのを 「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、 前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 に訂正する(以下「訂正事項3-2」という。)。 (4)訂正事項4 請求項7に 「複数色のLED光源を備えた照明装置用の電源であって、」 とあるのを 「複数色のLED光源を備え、前記複数色の各色毎に、前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、」 に訂正し(以下「訂正事項4-1」という。)、さらに、請求項7に 「前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 とあるのを 「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」 に訂正する(以下「訂正事項4-2」という。)。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正事項1-1について 訂正事項1-1は、「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」との構成を追加することで、「設定電流値」の「設定」について、より具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項1-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項との関係を検討すると、「個別調光率に基づく設定電流値」(【0030】)との記載がある。 そうすると、設定電流値が調光率に基づいて設定されることが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項1-1は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項1-1は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項1-2について (ア)訂正事項1-2は、「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、 前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」との構成を追加することで、「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」と、「前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき」の2つの場合について、それぞれの処理を具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項1-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、「図4(a)において調光率20%の場合の出力電流値(L)に着目すると、起動時には100%の電流値を出力し(図4(a)のCV(定電圧モードを含むがそれに限らない))、LEDに印加する電圧が所定の値、例えば発光開始電圧Vfminを超えたときに、個別調光率によって定まる設定電流値を出力する定電流モード(図4(a)のCC)に移行する。具体的には、検出部136CにおいてLEDに実際に印加される印加電圧Vacを検出して発光開始電圧Vfminと比較し、その大小関係に応じた信号を照明制御部137に送る。出力電圧値を示す図4(b)において、照明制御部137は、LEDの印加電圧が所定の値(図4(b) に示す例ではLED1個当たり3.0V)に達するまではワイヤレスモジュール140から受信した個別調光率によって定まる設定電流値によらず、最大電流値を出力するように電源出力部134に制御信号を送り、図4(b)に示すように電圧が所定の値を超えた時点で、個別調光率に基づく設定電流値を出力する制御を行う。」(【0032】)(下線は当審で付した。以下同様。)、「図4(a)は調光率大(例100%)のLED(H)及び調光率小(例20%)のLED(L)に対する出力電流(Ioc)、図4(b)は出力電圧を示している。」(【0031】)との記載、及び【図4】をみると、設定電流値が最大電流値未満となる20%の調光率で起動した場合、印加電圧値が所定の電圧値に達するまでは最大電流値の電流をコンデンサに出力していること、及び設定電流値が最大電流値となる調光率100%で起動した場合、最大電流値の電流をコンデンサに出力していることが図示されている。 そうすると、LED光源を設定電流値が最大電流値未満となる調光率に設定して起動したときに設定電流値を超える最大電流値の電流をコンデンサに出力すること、及びLED光源を設定電流値が最大電流値となる調光率に設定して起動したときに設定電流値の電流をコンデンサに出力することが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項1-2は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項1-2は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 (イ)また、訂正事項1-2のうち、訂正前の請求項1に「最大電流値の電流」とあったのを「前記最大電流値の電流」とする訂正は、訂正事項1-2により「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」が追加され、「最大電流値」が前記されたことに伴い、「最大電流値の電流」が前記された「最大電流値」を意味するものであることを明瞭にするための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項1-2のうち「前記最大電流値の電流」とする訂正は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことが明らかであるから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正事項2-1について 訂正事項2-1は、「前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能」との構成を追加することで、「設定電流値」の「設定」について、より具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項2-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、「個別調光率に基づく設定電流値」(【0030】)との記載がある。 そうすると、設定電流値が個別調光率に基づいて設定されることが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項2-1は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項2-1は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項2-2について 訂正事項2-2は、「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」との構成を追加することで、「前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき」と、「前記個別調光率を100%に設定して起動したとき」の2つの場合について、それぞれの処理を具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項2-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、「図4(a)において調光率20%の場合の出力電流値(L)に着目すると、起動時には100%の電流値を出力し(図4(a)のCV(定電圧モードを含むがそれに限らない))、LEDに印加する電圧が所定の値、例えば発光開始電圧Vfminを超えたときに、個別調光率によって定まる設定電流値を出力する定電流モード(図4(a)のCC)に移行する。具体的には、検出部136CにおいてLEDに実際に印加される印加電圧Vacを検出して発光開始電圧Vfminと比較し、その大小関係に応じた信号を照明制御部137に送る。出力電圧値を示す図4(b)において、照明制御部137は、LEDの印加電圧が所定の値(図4(b) に示す例ではLED1個当たり3.0V)に達するまではワイヤレスモジュール140から受信した個別調光率によって定まる設定電流値によらず、最大電流値を出力するように電源出力部134に制御信号を送り、図4(b)に示すように電圧が所定の値を超えた時点で、個別調光率に基づく設定電流値を出力する制御を行う。」(【0032】)、「図4(a)は調光率大(例100%)のLED(H)及び調光率小(例20%)のLED(L)に対する出力電流(Ioc)、図4(b)は出力電圧を示している。」(【0031】)との記載、及び【図4】をみると、100%未満である20%の調光率で起動した場合、印加電圧値が所定の電圧値に達するまでは最大電流値の電流をコンデンサに出力していること、及び調光率100%で起動した場合、最大電流値の電流をコンデンサに出力していることが図示されている。 そうすると、100%未満の調光率に設定して起動したときに設定電流値を超える電流値の電流をコンデンサに出力すること、及び100%の調光率に設定して起動したときに設定電流値の電流をコンデンサに出力することが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項2-2は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項2-2は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正事項3-1について 訂正事項3-1は、「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」との構成を追加することで、「照明装置用の電源」について、より具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項3-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、「個別調光率に基づく設定電流値」(【0030】)との記載がある。 そうすると、設定電流値が調光率に基づいて設定されることが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項3-1は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項3-1は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項3-2について (ア)訂正事項3-2は、「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、 前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」との構成を追加することで、「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」と、「前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき」の2つの場合について、それぞれの処理を具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項3-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、「図4(a)において調光率20%の場合の出力電流値(L)に着目すると、起動時には100%の電流値を出力し(図4(a)のCV(定電圧モードを含むがそれに限らない))、LEDに印加する電圧が所定の値、例えば発光開始電圧Vfminを超えたときに、個別調光率によって定まる設定電流値を出力する定電流モード(図4(a)のCC)に移行する。具体的には、検出部136CにおいてLEDに実際に印加される印加電圧Vacを検出して発光開始電圧Vfminと比較し、その大小関係に応じた信号を照明制御部137に送る。出力電圧値を示す図4(b)において、照明制御部137は、LEDの印加電圧が所定の値(図4(b) に示す例ではLED1個当たり3.0V)に達するまではワイヤレスモジュール140から受信した個別調光率によって定まる設定電流値によらず、最大電流値を出力するように電源出力部134に制御信号を送り、図4(b)に示すように電圧が所定の値を超えた時点で、個別調光率に基づく設定電流値を出力する制御を行う。」(【0032】)(下線は当審で付した。以下同様。)、「図4(a)は調光率大(例100%)のLED(H)及び調光率小(例20%)のLED(L)に対する出力電流(Ioc)、図4(b)は出力電圧を示している。」(【0031】)との記載、及び【図4】をみると、設定電流値が最大電流値未満となる20%の調光率で起動した場合、印加電圧値が所定の電圧値に達するまでは最大電流値の電流をコンデンサに出力していること、及び設定電流値が最大電流値となる調光率100%で起動した場合、最大電流値の電流をコンデンサに出力していることが図示されている。 そうすると、LED光源を設定電流値が最大電流値未満となる調光率に設定して起動したときに設定電流値を超える最大電流値の電流をコンデンサに出力すること、及びLED光源を設定電流値が最大電流値となる調光率に設定して起動したときに設定電流値の電流をコンデンサに出力することが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項3-2は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項3-2は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 (イ)また、訂正事項3-2のうち、訂正前の請求項6に「設定電流値を超える最大電流値の電流」とあったのを「前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流」とする訂正は、訂正事項3-1により「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」及び訂正事項3-2により「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定」が追加され、「設定電流値」と「最大電流値」が前記されたことに伴い、「設定電流値を超える最大電流値の電流」が前記された「設定電流値」と「最大電流値」を意味するものであることを明瞭にするための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項3-2のうち「前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流」とする訂正は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことが明らかであるから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正事項4-1について 訂正事項4-1は、「前記複数色の各色毎に、前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能」との構成を追加することで、「照明装置用の電源」について、より具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項4-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、「個別調光率に基づく設定電流値」(【0030】)との記載がある。 そうすると、設定電流値が個別調光率に基づいて設定されることが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項4-1は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項4-1は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項4-2について 訂正事項4-2は、「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、」との構成を追加することで、「前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき」と、「前記個別調光率を100%に設定して起動したとき」の2つの場合について、それぞれの処理を具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項4-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、「図4(a)において調光率20%の場合の出力電流値(L)に着目すると、起動時には100%の電流値を出力し(図4(a)のCV(定電圧モードを含むがそれに限らない))、LEDに印加する電圧が所定の値、例えば発光開始電圧Vfminを超えたときに、個別調光率によって定まる設定電流値を出力する定電流モード(図4(a)のCC)に移行する。具体的には、検出部136CにおいてLEDに実際に印加される印加電圧Vacを検出して発光開始電圧Vfminと比較し、その大小関係に応じた信号を照明制御部137に送る。出力電圧値を示す図4(b)において、照明制御部137は、LEDの印加電圧が所定の値(図4(b) に示す例ではLED1個当たり3.0V)に達するまではワイヤレスモジュール140から受信した個別調光率によって定まる設定電流値によらず、最大電流値を出力するように電源出力部134に制御信号を送り、図4(b)に示すように電圧が所定の値を超えた時点で、個別調光率に基づく設定電流値を出力する制御を行う。」(【0032】)、「図4(a)は調光率大(例100%)のLED(H)及び調光率小(例20%)のLED(L)に対する出力電流(Ioc)、図4(b)は出力電圧を示している。」(【0031】)との記載、及び【図4】をみると、100%未満である20%の調光率で起動した場合、印加電圧値が所定の電圧値に達するまでは最大電流値の電流をコンデンサに出力していること、及び調光率100%で起動した場合、最大電流値の電流をコンデンサに出力していることが図示されている。 そうすると、100%未満の調光率に設定して起動したときに設定電流値を超える電流値の電流をコンデンサに出力すること、及び100%の調光率に設定して起動したときに設定電流値の電流をコンデンサに出力することが、本件明細書等に記載されていると認められる。 したがって、訂正事項4-2は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。 そして、訂正事項4-2は特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第6項の規定に適合する。 3 一群の請求項について 本件訂正前の請求項1、4、5は、請求項4及び5が請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正前の請求項1、4、5は一群の請求項である。 また、本件訂正前の請求項2、4、5は、請求項4及び5が請求項2の記載を引用する関係にあるから、本件訂正前の請求項2、4、5も一群の請求項である。 そして、共通する本件訂正前の請求項4、5を有する上記2つの一群の請求項は、組み合わされて、本件訂正前の請求項1、2、4、5は1つの一群の請求項を構成する。 本件訂正前の請求項6は、従属する請求項を持たない独立した請求項であるから、本件訂正前の請求項6は一群の請求項である。 本件訂正前の請求項7は、従属する請求項を持たない独立した請求項であるから、本件訂正前の請求項7は一群の請求項である。 なお、本件訂正の対象となっていない本件訂正前の請求項3、8は、従属する請求項を持たない独立した請求項であるから、本件訂正前の請求項3、8は、それぞれ一群の請求項である。 したがって、本件訂正前の請求項1、2、4、5、6、7に対応する本件訂正後の請求項〔1、2、4、5〕、6、7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、本件訂正請求は、一群の請求項〔1、2、4、5〕、6、7についてされたものである。 4 訂正についてのむすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2、4、5〕、6、7について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の本件特許の請求項1~8に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」等という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。 「【請求項1】 LED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、 前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。 【請求項2】 複数色のLED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、前記各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。 【請求項3】 複数色の光源と、前記光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記光源の設定電流値を設定可能な照明装置であって、 前記光源を起動したとき、前記電源は、前記各色の光源の前記設定電流値が大きいほど、当該光源に対して電力を印加する起動時刻を遅らせる 照明装置。 【請求項4】 前記所定の電圧値は、前記LED光源の発光開始電圧である、請求項1又は2に記載の照明装置。 【請求項5】 前記所定の電流値は、前記LED光源の前記設定電流値である、請求項1又は2に記載の照明装置。 【請求項6】 LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部から出力された電力を蓄えるコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、 前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。 【請求項7】 複数色のLED光源を備え、前記複数色の各色毎に、前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、前記複数色の各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。 【請求項8】 複数色の光源を備えた照明装置用の電源であって、 前記電源は、前記複数色の光源へそれぞれ電力を出力する複数の電源出力部を備え、 前記複数色の光源を起動したとき、前記複数の電源出力部において、設定電流値が大きい前記光源を駆動する前記電源出力部ほど、当該光源に対して電力を印加する起動時刻を遅らせる、 電源。」 第4 取消理由の概要 本件特許に対して令和7年7月14日付け取消理由通知で通知した取消理由の要旨は次のとおりである。 取消理由1(新規性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 取消理由2(進歩性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 記 取消理由と請求項及び引用文献について (1)引用文献等一覧 甲第3号証:特開2013-218918号公報 甲第4号証:特開2018-97911号公報 甲第5号証:特開2020-42970号公報 以下、甲第○号証を「甲○」という。 (2)甲3を主引例とした取消理由 理由2:請求項1、6 (3)甲4を主引例とした取消理由 理由1:請求項2、4、7 理由2:請求項1、2、4~7 (4)甲5を主引例とした取消理由 理由2:請求項1、6 第5 取消理由についての当審の判断 1 甲3を主引例とした取消理由2(進歩性)について (1)甲3に記載された発明 ア 甲3には、その記載から、次の発明(以下「甲3-1発明」という。)が記載されていると認められる。 なお、括弧内に主な参照箇所を示す。以下同様。 「ストップランプ用LED11sと、(【0011】) ストップランプ用LED11sへ電力を供給するLED点灯装置を備え、(【0011】) ストップランプ用LED11sが目標の明るさになるように電流値を目標値にフィードバック制御するLED点灯装置を備えた車載用灯具であって、(【0013】) LED点灯装置は、 電力を供給するDC/DCコンバータ部12と、(【0011】) DC/DCコンバータ部12の出力側に設けられたストップランプ用出力側平滑コンデンサ8sと、(【0015】、【図1】) ストップランプ用LED11sの電流値を検出するストップランプ用電流検出抵抗9sを備え、(【0024】、【0026】、【図1】) 明暗判別部10aで周囲が明るいと判別した場合、ストップランプ用スイッチ2sの投入直後に、DC/DCコンバータ部12は、ストップランプ用電流検出抵抗9sで検出するストップランプ用LED11sの電流が定常電流に到達するまでは、(【0024】) ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8sに大電流を通電する、(【0027】) 車載用灯具。」 イ 甲3には、その記載から、次の発明(以下「甲3-6発明」という。)が記載されていると認められる。 「ストップランプ用LED11sを備えた車載用灯具用のLED点灯装置であって、(【0011】、【0013】) LED点灯装置は、 電力を供給するDC/DCコンバータ部12と、(【0011】) DC/DCコンバータ部12の出力側に設けられたストップランプ用出力側平滑コンデンサ8sと、(【0015】、【図1】) ストップランプ用LED11sの電流値を検出するストップランプ用電流検出抵抗9sを備え、(【0024】、【0026】、【図1】) ストップランプ用LED11sが目標の明るさになるように電流値を目標値にフィードバック制御するものであり、(【0013】) 明暗判別部10aで周囲が明るいと判別した場合、ストップランプ用スイッチ2sの投入直後に、DC/DCコンバータ部12は、ストップランプ用電流検出抵抗9sで検出するストップランプ用LED11sの電流が定常電流に到達するまでは、(【0024】) ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8sに大電流を通電する、(【0027】) LED点灯装置。」 (2)本件発明1について(取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明1と甲3-1発明を対比する。 (ア)後者の「ストップランプ用LED11s」は、前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「LED点灯装置」は「電源」に、「車載用灯具」は「照明装置」に、「DC/DCコンバータ部12」は「電源出力部」に、「ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8s」は「コンデンサ」に、「ストップランプ用電流検出抵抗9s」は「検出部」に、それぞれ相当する。 (イ)後者の「LED点灯装置」が「ストップランプ用LED11sへ電力を供給する」態様は、前者の「電源」が「前記LED光源へ電力を印加する」態様に相当する。 (ウ)後者の「LED点灯装置を備えた車載用灯具」が「ストップランプ用LED11sが目標の明るさになるように電流値を目標値にフィードバック制御する」態様は、「目標値」を「目標の明るさ」に設定可能であることが明らかである。 そうすると、後者の「LED点灯装置を備えた車載用灯具」が「ストップランプ用LED11sが目標の明るさになるように電流値を目標値にフィードバック制御する」態様と、前者の「照明装置」が「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な」態様とは、「照明装置」が「前記LED光源の設定電流値を設定可能な」態様の点で共通する。 (エ)後者の「DC/DCコンバータ部12」が「電力を供給する」態様は、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 (オ)後者の「ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8s」が「DC/DCコンバータ部12の出力側に設けられた」ものであることは、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部の出力側に設けられた」ものであることに相当する。 (カ)後者の「ストップランプ用電流検出抵抗9s」が「ストップランプ用LED11sの電流値を検出する」ものであることは、「ストップランプ用LED11s」に実際に印加される「電流値」を検出することが明らかであるから、前者の「検出部」が「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する」ものであることに相当する。 (キ)後者の「ストップランプ用スイッチ2sの投入直後」と、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」とは、「前記LED光源を起動したとき」の点で共通する。 (ク)後者の「ストップランプ用電流検出抵抗9sで検出するストップランプ用LED11sの電流が定常電流に到達するまで」は、前者の「前記印加電流値が所定の電流値に達するまで」に相当する。 (ケ)後者の「ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8sに大電流を通電する」ことは、「目標値」の「電流値」よりも「大電流を通電」するものであるから、前者の「前記設定電流値を超える最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことと、「前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことの点で共通する。 (コ)そうすると両者は、 「LED光源と、 前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、 前記LED光源の設定電流値を設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、 前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、 前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点3-1> 本件発明1は、前記LED光源の設定電流値を「調光率に基づいて」設定可能な照明装置であり、それゆえ、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲3-1発明は、調光率に基づいて設定可能なものではなく、それゆえ、調光率によって場合分けして対応するものではないし、起動直後の大きな電流も「大電流」ではあるものの最大であるか否か不明な点。 イ 判断 甲3-1発明は、ストップランプ用LED11sを備えた車載用灯具であって、「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置」ではない。 そして、甲3-1発明は、「LEDおよび点灯装置に過度なストレスを加えることなく、後続車両の運転者への注意喚起性を向上させたLED点灯装置を提供することを目的とする。」(【0007】)ものであり、そのために「当該明暗判別部で周囲が明るいと判別した場合、周囲が暗いと判別した場合に比べてLEDに対する電力供給の開始時点から定常点灯に至るまでの時間を短縮するようにしたものである。」(【0008】)から、調光率に応じて、コンデンサに出力する電流を変更するものでもない。 そうすると、甲3-1発明は、ストップランプ用LED11sの設定電流値を「調光率に基づいて」設定可能とした上で、ストップランプ用LED11sを「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、ストップランプ用LED11sを「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものとする動機付けがない。 また、ストップランプ用LED設定電流値を「調光率に基づいて」設定可能とした上で、ストップランプ用LEDを「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、ストップランプ用LEDを「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものとすることは、甲1に記載も示唆もされていないし、他の証拠にも記載や示唆がない。 したがって、甲3-1発明において、相違点3-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明1は、甲3-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明6について(取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明6と甲3-6発明を対比する。 (ア)後者の「ストップランプ用LED11s」は「LED光源」に相当し、以下同様に、「車載用灯具」は「照明装置」に、「LED点灯装置」は「電源」に、「DC/DCコンバータ部12」は「電源出力部」に、「ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8s」は「コンデンサ」に、「ストップランプ用電流検出抵抗9s」は「検出部」に、それぞれ相当する。 (イ)後者の「DC/DCコンバータ部12」が「電力を供給する」態様は、前者の「電出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 (ウ)後者の「ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8s」が「DC/DCコンバータ部12の出力側に設けられた」ものであることは、DC/DCコンバータ部12から供給された電力を蓄えるものであることが明らかであるので、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部から出力された電力を蓄える」ものであることに相当する。 (エ)後者の「ストップランプ用電流検出抵抗9s」が「ストップランプ用LED11sの電流値を検出する」ものであることは、「ストップランプ用LED11s」に実際に印加される「電流値」を検出することが明らかであるから、前者の「検出部」が「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する」ものであることに相当する。 (オ)後者の「ストップランプ用スイッチ2sの投入直後」と、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」とは、「前記LED光源を起動したとき」の点で共通する。 (カ)後者の「ストップランプ用電流検出抵抗9sで検出するストップランプ用LED11sの電流が定常電流に到達するまで」は、前者の「前記印加電流値が所定の電流値に達するまで」に相当する。 (キ)後者の「LED点灯装置」が「ストップランプ用LED11sが目標の明るさになるように電流値を目標値にフィードバック制御する」ことの「目標値」は、「目標値」を「目標の明るさ」に設定可能であることが明らかであるので、前者の「設定電流値」に相当する。 (ク)後者の「ストップランプ用出力側平滑コンデンサ8sに大電流を通電する」ことは、「目標値」の「電流値」よりも「大電流を通電」するものであるから、上記(キ)も踏まえると、前者の「前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力」することと、「前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力」することの点で共通する。 (ケ)そうすると両者は、 「LED光源を備えた照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部から出力された電力を蓄えるコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点3-6> 電源について、本件発明6は、「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な」照明装置用の電源であり、それゆえ、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲3-6発明は、調光率に基づいて設定可能なものではなく、それゆえ、調光率によって場合分けして対応するものではないし、起動直後の大きな電流も「大電流」ではあるものの最大であるか否か不明な点。 イ 判断 相違点3-6は、相違点3-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点3-1について説示した上記(2)イと同様に、甲3-6発明において、相違点3-6に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明6は、甲3-6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 甲4を主引例とした取消理由1(新規性)及び取消理由2(進歩性)について (1)甲4に記載された発明 ア 甲4には、その記載から、次の発明(以下「甲4-1発明」という。)が記載されていると認められる。 「LED素子41を有する固体光源40と、(【0013】) 固体光源40へ電力を供給する点灯装置2を備え、(【0014】~【0022】) 固体光源40に流れる電流を、調光レベル指示値X1により調光レベルに応じた所定電流へと調整する照明器具4であって、(【0013】、【0033】) 点灯装置2は、 電力を供給する昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14と、(【0014】、【0018】~【0020】) 降圧チョッパ回路14の出力側に設けられたコンデンサC2と、(【0019】、【0020】、【図1】) 固体光源40に印加された印加電圧Vo1を検出する検出回路21を備え、(【0023】) 固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するために、昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14は、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでは、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する、(【0079】、【0080】) 照明器具4。」 イ 甲4には、その記載から、次の発明(以下「甲4-2発明」という。)が記載されていると認められる。 「LED素子41を有する固体光源40と、(【0013】) 固体光源40へ電力を供給する点灯装置2を備え、(【0014】~【0022】) 固体光源40に流れる電流を、調光レベル指示値X1により調光レベルに応じた所定電流へと調整する照明器具4であって、(【0013】、【0033】) 点灯装置2は、 電力を供給する昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14と、(【0014】、【0018】~【0020】) 降圧チョッパ回路14の出力側に設けられたコンデンサC2と、(【0019】、【0020】、【図1】) 固体光源40に印加された印加電圧Vo1を検出する検出回路21を備え、(【0023】) 赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40を、4つの点灯装置2aの降圧チョッパ回路14にそれぞれ1種類ずつ接続して、光の色を可変とし、各固体光源40の点灯電圧VL1に応じた調光制御を行うものであり、(【0114】、【0117】) 固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するために、昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14は、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでは、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する、(【0079】、【0080】) 照明器具4。」 ウ 甲4には、その記載から、次の発明(以下「甲4-6発明」という。)が記載されていると 認められる。 「LED素子41を有する固体光源40を備えた照明器具4の点灯装置2であって、(【0013】) 固体光源40に流れる電流を、調光レベル指示値X1により調光レベルに応じた所定電流へと調整するものであり、(【0013】、【0033】) 点灯装置2は、 電力を供給する昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14と、(【0014】、【0018】~【0020】) 降圧チョッパ回路14の出力側に設けられたコンデンサC2と、(【0019】、【0020】、【図1】) 固体光源40に印加された印加電圧Vo1を検出する検出回路21を備え、(【0023】) 固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するために、昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14は、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでは、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する、(【0079】、【0080】) 点灯装置2。」 エ 甲4には、その記載から、次の発明(以下「甲4-7発明」という。)が記載されていると 認められる。 「LED素子41を有する固体光源40を備えた照明器具4の点灯装置2であって、(【0013】) 固体光源40に流れる電流を、調光レベル指示値X1により調光レベルに応じた所定電流へと調整するものであり、(【0013】、【0033】) 点灯装置2は、 電力を供給する昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14と、(【0014】、【0018】~【0020】) 降圧チョッパ回路14の出力側に設けられたコンデンサC2と、(【0019】、【0020】、【図1】) 固体光源40に印加された印加電圧Vo1を検出する検出回路21を備え、(【0023】) 赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40を、4つの点灯装置2aの降圧チョッパ回路14にそれぞれ1種類ずつ接続して、光の色を可変とし、各固体光源40の点灯電圧VL1に応じた調光制御を行うものであり、(【0114】、【0117】) 固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するために、昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14は、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでは、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する、(【0079】、【0080】) 点灯装置2。」 (2)本件発明1について(取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明1と甲4-1発明を対比する。 (ア)後者の「固体光源40」はLED素子41を有するものであるから前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「点灯装置2」は「電源」に、「照明器具4」は「照明装置」に、「昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14」は「電源出力部」に、「コンデンサC2」は「コンデンサ」に、「検出回路21」は「検出部」に、それぞれ相当する。 (イ)後者の「点灯装置2」が「固体光源40へ電力を供給する」態様は、前者の「電源」が「前記LED光源へ電力を印加する」態様に相当する。 (ウ)後者の「固体光源40に流れる電流を、調光レベル指示値X1により調光レベルに応じた所定電流へと調整する」態様は、所望の明るさに「調光レベル」を設定可能なものであることは明らかであるから、「調光レベルに応じた所定電流」は、前者の「前記LED光源の設定電流値」に相当するといえる。 そして、後者の「調光レベル」が前者の「調光率」に相当することを踏まえると、後者の「固体光源40に流れる電流を、」「調光レベルに応じた所定電流へと調整する」もので「調光レベル」を設定可能な態様は、前者の「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」な態様に相当する。 (エ)後者の「昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14」が「電力を供給する」態様は、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 (オ)後者の「コンデンサC2」が「降圧チョッパ回路14の出力側に設けられた」ものであることは、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部の出力側に設けられた」ものであることに相当する。 (カ)後者の「検出回路21」が「固体光源40に印加された印加電圧Vo1を検出する」ものであることは、前者の「検出部」が「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値」「を検出する」ものであることに相当する。 (キ)後者の「固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮する」ことは、「固体光源4」を起動したときのことであるから、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」とは、「前記LED光源を起動したとき」の点で共通する。 (ク)後者の「印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまで」は、前者の「前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで」に相当する。 (ケ)後者の「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する」ことは、上記(ウ)を踏まえると、「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する」ことで、設定電流値に相当する「調光レベルに応じた所定電流」が「コンデンサC2」に流れるのに対して、「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する」ことで、設定電流値に相当する「調光レベルに応じた所定電流」よりも「増加」した大きな電流が「コンデンサC2」に流れることが理解できる。 (コ)上記(ケ)を踏まえると、後者の「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する」ことと、前者の「前記設定電流値を超える最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する」こととは、「前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことの点で共通する。 (サ)そうすると両者は、 「LED光源と、 前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、 前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、 前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、 前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点4-1> 本件発明1は、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲4-1発明は、調光レベル指示値X1の大小によらず、「一定値である設定値S31」に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することでコンデンサC2に流れる電流を増加するものであり、「大電流」ではあるものの最大であるか否か不明な点。 イ 判断 甲4-1発明の「一定値である設定値S31」は、「固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するため」の値であるところ、甲4には、「さらに、設定値S31は、設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することにより、調光レベル指示値X1が制御閾値ST3に達してから検出電圧値が所定電圧値に達するまでの時間が所定時間以内となる値に設定されている。つまり、設定値S31は、制御値S1が制御閾値ST3に達してから、消灯している固体光源40が点灯するまでに要する時間(時刻t31から時刻t32までの間の時間)が所定時間以内となる値に設定されている。所定時間は、例えば、0.1~0.5秒である。」(【0081】)、「設定値S31は一定の値であるので、制御装置1では、消灯している固体光源40の印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達して固体光源40が点灯するまでに要する時間の長さを安定させることができる。」(【0086】)、「消灯した状態の固体光源が点灯するときの調光制御をより適切に行うことができる。」(【0010】)との記載がある。 また、甲4の【図6】に示されたグラフAによると、制御値S1は、最終的にS31よりも大きな値となっていることから、「一定値である設定値S31」は、大きな調光レベルの調光レベル指示値X1に応じた制御値S1よりも小さな値であることが看取される。 以上によれば、「一定値である設定値S31」は、より適切な点灯時の所要時間を実現するために設定された値であり、調光レベル指示値X1の大小によらず、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を用いることで、点灯時の所要時間を適切に安定させるものであることが理解できる。 そうすると、甲4-1発明は、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を、最大値に変更することの動機付けがない。 また、起動直後に最大電流を流すことは、回路の各所に大きな負荷がかかることから、よほどの事情がない限り避けるべき設定であることは技術常識であることからすると、甲4-1発明において、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を最大値とすることが単なる設計的事項ということはできない。 さらに、点灯時の所要時間を短縮するために、起動直後に最大電流を流すことは、他の証拠にも示されていない。 したがって、甲4-1発明において、相違点4-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明1は、甲4-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明2について(取消理由1新規性、取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明2と甲4-2発明を対比すると、本件発明1と甲4-1発明を対比した上記(2)アと同様の相当関係を有すると共に、以下の相当関係を有する。 (ア)後者の「赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40」は、前者の「複数色のLED光源」に相当する。 (イ)後者の「赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40」は、「4つの点灯装置2aの降圧チョッパ回路14にそれぞれ1種類ずつ接続」されて、「光の色を可変」とするものであるから、各色毎に「固体光源40に流れる電流を、調光レベル指示値X1により調光レベルに応じた所定電流へと調整する」ことが可能であることは明らかである。 そして、後者の「調光レベル」が前者の「個別調光率」に相当することと合わせ、上記(2)ア(ウ)を踏まえると、後者の「4つの点灯装置2aの降圧チョッパ回路14にそれぞれ1種類ずつ接続」されて「光の色を可変」とし、「赤色、緑色、青色及び白色の」「固体光源40に流れる電流を、」「調光レベルに応じた所定電流へと調整する」もので「調光レベル」を設定可能な態様は、前者の「前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能」な態様に相当する。 (ウ)後者の「赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40を、4つの点灯装置2aの降圧チョッパ回路14にそれぞれ1種類ずつ接続」する態様は、前者の「前記各色毎に、」「電源出力部と、」「コンデンサと、」「検出部を備え」る態様に相当する。 (エ)上記(イ)を踏まえると、後者の「赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40」が「それぞれ1種類ずつ接続」されて「各固体光源40の点灯電圧VL1に応じた調光制御を行う」「4つの点灯装置2aの降圧チョッパ回路14」は、各色毎に、「固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するために、昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14は、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでは、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する」ものであるといえる。 (オ)上記(エ)及び上記(2)ア(ケ)を踏まえると、後者の「固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するために、」「赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40」が「それぞれ1種類ずつ接続」されて「各固体光源40の点灯電圧VL1に応じた調光制御を行う」「4つの」「昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14は、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでは、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する」ことと、前者の「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」こととは、「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことの点で共通する。 (カ)そうすると両者は、 「複数色のLED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、前記各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点4-2> 本件発明2は、前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、「前記個別調光率を100%未満に設定して」起動したときには、「前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力」し、「前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲4-2発明は、調光レベル指示値X1の大小によらず、「一定値である設定値S31」に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することでコンデンサC2に流れる電流を増加するものであり、「大電流」ではあるものの最大であるか否か不明な点。 イ 判断 相違点4-2は、実質的な相違点であるから、本件発明2は、甲4-2発明ではない。 甲4の【図6】に示されたグラフAによると、制御値S1は、最終的にS31よりも大きな値となっていることから、「一定値である設定値S31」は、大きな調光レベルの調光レベル指示値X1に応じた制御値S1よりも小さな値であることが看取されるから、調光レベルを100%未満に設定して起動したときに、「一定値である設定値S31」は、必ずしも、調光レベル指示値X1に応じた制御値S1よりも大きいとは限らない。 そして、上記(2)イで説示したとおり、甲4-2発明の「一定値である設定値S31」は、より適切な点灯時の所要時間を実現するために設定された値であり、調光レベル指示値X1の大小によらず、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を用いることで、点灯時の所要時間を適切に安定させるものであることが理解できるから、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を、調光レベル指示値X1に応じた制御値S1よりも必ず大きい値に変更することの動機付けがない。 同様に、甲4-2発明の「一定値である設定値S31」を、調光レベルを100%未満に設定して起動したときと、100%に設定して起動したときで変えることの動機付けもない。 さらに、100%に設定して起動したときについては、上記(2)イで説示したとおり、最大値に変更することの動機付けはなく、単なる設計的事項ということはできないし、他の証拠にも示されていない。 したがって、甲4-2発明において、相違点4-2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明2は、甲4-2発明ではなく、また、甲4-2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)本件発明4について(取消理由1新規性、取消理由2進歩性) 本件発明4は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明4は、甲4-1発明又は甲4-2発明ではなく、甲4-1発明又は甲4-2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (5)本件発明5について(取消理由2進歩性) 本件発明5は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明5は、甲4-1発明又は甲4-2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (6)本件発明6について(取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明6と甲4-6発明を対比する。 (ア)後者の「固体光源40」はLED素子41を有するものであるから前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「照明器具4」は「照明装置」に、「点灯装置2」は「電源」に、「昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14」は「電源出力部」に、「コンデンサC2」は「コンデンサ」に、「検出回路21」は「検出部」に、それぞれ相当する。 (イ)後者の「昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14」が「電力を供給する」態様は、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 (ウ)後者の「コンデンサC2」が「降圧チョッパ回路14の出力側に設けられた」ものであることは、降圧チョッパ回路14から出力された電力を「コンデンサC2」が蓄えるものであることは明らかであるので、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部から出力された電力を蓄える」ものであることに相当する。 (エ)後者の「検出回路21」が「固体光源40に印加された印加電圧Vo1を検出する」ものであることは、前者の「検出部」が「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値」「を検出する」ものであることに相当する。 (オ)後者の「固体光源40に流れる電流を、調光レベル指示値X1により調光レベルに応じた所定電流へと調整する」態様は、所望の明るさに「調光レベル」を設定可能なものであることは明らかであるから、「調光レベルに応じた所定電流」は、前者の「設定電流値」に相当するといえる。 そして、後者の「調光レベル」が前者の「調光率」に相当することを踏まえると、後者の「固体光源40に流れる電流を、」「調光レベルに応じた所定電流へと調整する」もので「調光レベル」を設定可能な態様は、前者の「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」な態様に相当する。 (カ)後者の「固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮する」ことは、「固体光源4」を起動したときのことであるから、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」とは、「前記LED光源を起動したとき」の点で共通する。 (キ)後者の「印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまで」は、前者の「前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで」に相当する。 (ク)後者の「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する」ことは、上記(キ)を踏まえると、「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する」ことで、設定電流値に相当する「調光レベルに応じた所定電流」が「コンデンサC2」に流れるのに対して、「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する」ことで、設定電流値に相当する「調光レベルに応じた所定電流」よりも「増加」した大きな電流が「コンデンサC2」に流れることが理解できる。 (ケ)上記(ク)を踏まえると、後者の「調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する」ことと、前者の「前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する」こととは、「前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことの点で共通する。 (コ)そうすると両者は、 「LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部から出力された電力を蓄えるコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点4-6> 本件発明6は、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲4-6発明は、調光レベル指示値X1の大小によらず、「一定値である設定値S31」に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することでコンデンサC2に流れる電流を増加するものであり、「大電流」ではあるものの最大であるか否か不明な点。 イ 判断 相違点4-6は、相違点4-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点4-1について上記(2)イで説示したのと同様に、甲4-6発明において、相違点4-6に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明6は、甲4-6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (7)本件発明7について(取消理由1新規性、取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明7と甲4-7発明を対比すると、本件発明6と本件発明4-6を対比した上記(6)ア(ア)~(ク)と同様の相当関係を有すると共に、本件発明2と本件発明4-2を対比した上記(3)ア(ア)~(エ)と同様の相当関係を有し、さらに以下の相当関係を有する。 (ア)上記(3)ア(オ)及び上記(6)ア(ク)を踏まえると、後者の「固体光源4が点灯するまでに要する時間を短縮するために、」「赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40」が「それぞれ1種類ずつ接続」されて「各固体光源40の点灯電圧VL1に応じた調光制御を行う」「4つの」「昇圧チョッパ回路13及び降圧チョッパ回路14は、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでは、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1よりも大きい一定値である設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するよりもコンデンサC2に流れる電流を増加する」ことは、前者の「前記LED光源」「を」「起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで」「は、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことに相当する。 (イ)そうすると両者は、 「複数色のLED光源を備え、前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、前記複数色の各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点4-7> 本件発明7は、前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、「前記個別調光率を100%未満に設定して」起動したときには、「前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力」し、「前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲4-7発明は、調光レベル指示値X1の大小によらず、「一定値である設定値S31」に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することでコンデンサC2に流れる電流を増加するものであり、「大電流」ではあるものの最大であるか否か不明な点。 イ 判断 相違点4-7は、相違点4-2と実質的に同じ相違点であるから、相違点4-2について上記(3)イで説示したのと同様に、本件発明7は、甲4-7発明ではないし、甲4-7発明において、相違点4-7に係る本件発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明7は、甲4-7発明ではなく、また、甲4-7発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (8)申立人の主張について 申立人は、令和7年10月28日提出の意見書(以下「意見書」という。)において、概略、以下のような主張をしている。 主張1:本件訂正発明1、6の進歩性について(意見書5~8ページ) 甲4に記載のものでは、調光レベル指示値X1が100%に設定された場合に固体光源40に流れる電流の電流値が最大電流値であり、調光レベル指示値X1が100%未満に設定された場合に固体光源40に流れる電流の電流値が最大電流値未満である。また、甲4に記載のものでは、図6Aに示すように、時刻t31から時刻t32までの期間において、制御値S1よりも大きい設定値S31を出力する。 これらのことから、調光レベル指示値X1が100%未満に設定された場合には設定電流値を超える最大電流値の電流を固体光源40に出力し、調光レベル指示値X1が100%に設定された場合には設定電流値(最大電流値)の電流を固体光源40に出力することは、当業者であれば容易に想到し得る事項である。 主張2:本件訂正発明2、7の進歩性について(意見書8~10ページ) 甲4に記載のものでは、調光レベル指示値X1が100%に設定された場合には設定電流値が最大電流値である電流が固体光源40に流れ、調光レベル指示値X1が100%未満に設定された場合には設定電流値が最大電流値未満である電流が固体光源40に流れる。また、甲4に記載のものでは、図6Aに示すように、時刻t31から時刻t32までの期間において、制御値S1よりも大きい設定値S31を出力する。 これらのことから、調光レベル指示値X1が100%未満に設定された場合には設定電流値を超える電流値の電流を固体光源40に出力し、調光レベル指示値X1が100%に設定された場合には設定電流値(最大電流値)の電流を固体光源40に出力することは、当業者であれば容易に想到し得る事項である。 主張1について検討する。 本件発明1については、上記(2)イで説示したとおり、甲4-1発明の「一定値である設定値S31」は、より適切な点灯時の所要時間を実現するために設定された値であり、調光レベル指示値X1の大小によらず、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を用いることで、点灯時の所要時間を適切に安定させるものであることが理解できるのであり、甲4-1発明は、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を、最大値に変更することの動機付けがない また、甲4-1発明において、適切な値として設定された「一定値である設定値S31」を最大値とすることが単なる設計的事項ということはできないし、他の証拠にも示されていない。 本件発明6についても、上記(6)イで説示したとおりである。 したがって、主張1を採用することはできない。 主張2についても、上記(2)イ及び(7)イで説示したとおりであるから、主張1と同様にこれを採用することはできない。 3 甲5を主引例とした取消理由2(進歩性)について (1)甲5に記載された発明 ア 甲5には、その記載から、次の発明(以下「甲5-1発明」という。)が記載されていると認められる。 「複数のLED3で構成されたLEDモジュール31と、(【0012】、【0016】) LEDモジュール31に順方向電流IFを流してLEDモジュール31を点灯する点灯装置4を備え、(【0012】、【0038】) LEDモジュール31を調光することができる照明器具1であって、(【0012】、【0040】) 点灯装置4は、 コンデンサC1に電流を流す第1定電流回路41と、(【0016】、【0043】) 第1定電流回路41の出力側に設けられたコンデンサC1と、(【0016】、【0043】、【図4】) コンデンサC1の両端電圧VC1を検出する電圧検出回路44を備え、(【0020】) 交流電源8が投入されて点灯装置4に交流電圧Vinが入力され制御回路43が動作を開始したとき、(【0042】) 第1定電流回路41は、コンデンサC1の両端電圧VC1がしきい値電圧Vthに達するまでは、第1定電流回路41がコンデンサC1に流す電流を定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IFよりも増加させる、(【0043】、【0044】) 照明器具1。」 イ 甲5には、その記載から、次の発明(以下「甲5-6発明」という。)が記載されていると認められる。 「複数のLED3で構成されたLEDモジュール31を備え、LEDモジュール31を調光することができる照明器具1(【0012】、【0016】、【0040】) のLEDモジュール31に順方向電流IFを流してLEDモジュール31を点灯する点灯装置4であって、(【0012】、【0038】) 点灯装置4は、 コンデンサC1に電流を流す第1定電流回路41と、(【0016】、【0043】) 第1定電流回路41の出力側に設けられたコンデンサC1と、(【0016】、【0043】、【図4】) コンデンサC1の両端電圧VC1を検出する電圧検出回路44を備え、(【0020】) 交流電源8が投入されて点灯装置4に交流電圧Vinが入力され制御回路43が動作を開始したとき、(【0042】) 第1定電流回路41は、コンデンサC1の両端電圧VC1がしきい値電圧Vthに達するまでは、第1定電流回路41がコンデンサC1に流す電流を定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IFよりも増加させる、(【0043】、【0044】) 点灯装置4。」 (2)本件発明1について(取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明1と甲5-1発明を対比する。 (ア)後者の「複数のLED3」で構成された「LEDモジュール31」は前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「点灯装置4」は「電源」に、「照明器具1」は「照明装置」に、「第1定電流回路41」は「電源出力部」に、「コンデンサC1」は「コンデンサ」に、「電圧検出回路44」は「検出部」に、「しきい値電圧Vth」は「所定の電圧値」に、それぞれ相当する。 (イ)後者の「点灯装置4」が「LEDモジュール31に順方向電流IFを流してLEDモジュール31を点灯する」ものであることは、「点灯装置4」が「LEDモジュール31」に電力を印加するものといえるから、前者の「電源」が「前記LED光源へ電力を印加する」ものであることに相当する。 (ウ)後者の「LEDモジュール31に順方向電流IFを流してLEDモジュール31を点灯する点灯装置4」が「LEDモジュール31を調光することができる」ことは、「調光」のために「順方向電流IF」の設定値を設定可能であるといえる。 そして、照明装置の技術常識を踏まえれば、「順方向電流IF」の設定値の設定は、「調光」のための値、すなわち調光率に基づいて設定が行われているといえる。 そうすると、後者の「LEDモジュール31に順方向電流IFを流してLEDモジュール31を点灯する点灯装置4」が「LEDモジュール31を調光することができる」ことは、前者の「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」であることに相当する。 (エ)後者の「第1定電流回路41」が「コンデンサC1に電流を流す」態様は、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 (オ)後者の「コンデンサC1」が「第1定電流回路41の出力側に設けられた」態様は、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部の出力側に設けられた」態様に相当する。 (カ)後者の「電圧検出回路44」が「コンデンサC1の両端電圧VC1を検出する」ものであることは、「コンデンサC1」と並列に接続された「LEDモジュール31」の両端電圧を検出するともいえるから、前者の「検出部」が「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値」「を検出する」ものであることに相当する。 (キ)後者の「交流電源8が投入されて点灯装置4に交流電圧Vinが入力され制御回路43が動作を開始したとき」と、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」とは、「前記LED光源を起動したとき」の点で共通する。 (ク)後者の「コンデンサC1の両端電圧VC1がしきい値電圧Vthに達するまで」は、上記(カ)を踏まえると、前者の「前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで」に相当する。 (ケ)後者の「定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IF」は、上記(ウ)を踏まえると、前者の「前記設定電流値」に相当する。 (コ)上記(ケ)を踏まえると、後者の「第1定電流回路41がコンデンサC1に流す電流を定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IFよりも増加させる」ことは、設定電流値に相当する「順方向電流IF」よりも「増加」した大きな電流が「コンデンサC1」に流れることが理解できる。 (サ)上記(キ)~(コ)を踏まえると、後者の「第1定電流回路41は、コンデンサC1の両端電圧VC1がしきい値電圧Vthに達するまでは、第1定電流回路41がコンデンサC1に流す電流を定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IFよりも増加させる」態様と、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する」態様とは、「前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまでは、前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことの点で共通する。 (シ)そうすると両者は、 「LED光源と、 前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、 前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、 前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、 前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点5-1> 本件発明1は、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲5-1発明は、調光率によって場合分けして対応するものではないし、大きな電流値であるものの、最大であるか否か不明な点。 イ 判断 甲5-1発明の「第1定電流回路41がコンデンサC1に流す電流を定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IFよりも増加させる」ことについて、甲5には、増加させる電流の大きさをどの程度とするか記載されていないし、また、増加させる電流の大きさと調光率の関係についても記載されていないから、最大電流値未満となる調光率に設定して起動したときには最大とし、最大電流値となる調光率に設定して起動したときには設定電流値とするように、変更することの動機付けがない。 また、起動直後に最大電流を流すことは、回路の各所に大きな負荷がかかることから、よほどの事情がない限り避けるべき設定であることは技術常識であることからすると、甲5-1発明において、増加させる電流の大きさを最大値とすることが単なる設計的事項ということはできない。 さらに、点灯時の所要時間を短縮するために、起動直後に最大電流を流すことは、他の証拠にも示されていない。 したがって、甲5-1発明において、相違点5-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明1は、甲5-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明6について(取消理由2進歩性) ア 対比 本件発明6と甲5-6発明を対比する。 (ア)後者の「複数のLED3」で構成された「LEDモジュール31」は前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「照明器具1」は「照明装置」に、「点灯装置4」は「電源」に、「第1定電流回路41」は「電源出力部」に、「コンデンサC1」は「コンデンサ」に、「電圧検出回路44」は「検出部」に、「しきい値電圧Vth」は「所定の電圧値」に、それぞれ相当する。 (イ)後者の「第1定電流回路41」が「コンデンサC1に電流を流す」態様は、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 (ウ)後者の「コンデンサC1」が「第1定電流回路41の出力側に設けられた」ものであることは、第1定電流回路41から出力された電力を「コンデンサC1」が蓄えるものであることは明らかであるので、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部から出力された電力を蓄える」ものであることに相当する。 (エ)後者の「電圧検出回路44」が「コンデンサC1の両端電圧VC1を検出する」ものであることは、「コンデンサC1」と並列に接続された「LEDモジュール31」の両端電圧を検出するともいえるから、前者の「検出部」が「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値」「を検出する」ものであることに相当する。 (オ)後者の「LEDモジュール31に順方向電流IFを流してLEDモジュール31を点灯する点灯装置4」が「LEDモジュール31を調光することができる」ことは、「調光」のために「順方向電流IF」の設定値を設定可能であるといえる。 そして、照明装置の技術常識を踏まえれば、「順方向電流IF」の設定値の設定は、「調光」のための値、すなわち調光率に基づいて設定が行われているといえる。 そうすると、後者の「LEDモジュール31に順方向電流IFを流してLEDモジュール31を点灯する点灯装置4」が「LEDモジュール31を調光することができる」ことは、前者の「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」であることに相当する。 (カ)後者の「交流電源8が投入されて点灯装置4に交流電圧Vinが入力され制御回路43が動作を開始したとき」と、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」とは、「前記LED光源を起動したとき」の点で共通する。 (キ)後者の「コンデンサC1の両端電圧VC1がしきい値電圧Vthに達するまで」は、上記(エ)を踏まえると、前者の「前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで」に相当する。 (ク)後者の「定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IF」は、上記(オ)を踏まえると、前者の「設定電流値」に相当する。 (ケ)上記(ク)を踏まえると、後者の「第1定電流回路41がコンデンサC1に流す電流を定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IFよりも増加させる」ことは、設定電流値に相当する「順方向電流IF」よりも「増加」した大きな電流が「コンデンサC1」に流れることが理解できる。 (コ)上記(カ)~(ケ)を踏まえると、後者の「第1定電流回路41は、コンデンサC1の両端電圧VC1がしきい値電圧Vthに達するまでは、第1定電流回路41がコンデンサC1に流す電流を定常時にLEDモジュール31に流す順方向電流IFよりも増加させる」態様と、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する」態様とは、「前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまでは、設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ことの点で共通する。 (サ)そうすると両者は、 「LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部から出力された電力を蓄えるコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点5-6> 本件発明6は、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して」起動したときには、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲5-6発明は、調光率によって場合分けして対応するものではないし、大きな電流値であるものの、最大であるか否か不明な点。 イ 判断 相違点5-6は、相違点5-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点5-1について上記(2)イで説示したのと同様に、甲5-6発明において、相違点5-6に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明6は、甲5-6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 4 まとめ 以上のとおりであるから、本件発明2、4、7は、甲4に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではないし、本件発明1、2、4~7は、甲3~5の何れかに記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえず、請求項1、2、4~7に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、取消理由1及び2によっては、本件特許の請求項1、2、4~7に係る特許を取り消すことはできない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許異議申立理由 申立人は、申立書において、取消理由通知で採用しなかった以下の特許異議申立理由を主張している。 申立理由1:特許法第29条第1項第3号(同法第113条第2号) 1-1(甲1を主引例とする新規性) 本件特許発明1は、甲1発明1と同一である。 本件特許発明4は、甲1発明4と同一である。 本件特許発明6は、甲1発明6と同一である。 1-2(甲2を主引例とする新規性) 本件特許発明1は、甲2発明1と同一である。 本件特許発明2は、甲2発明2と同一である。 本件特許発明6は、甲2発明6と同一である。 本件特許発明7は、甲2発明7と同一である。 1-3(甲3を主引例とする新規性) 本件特許発明1は、甲3発明1と同一である。 本件特許発明5は、甲3発明5と同一である。 本件特許発明6は、甲3発明6と同一である。 1-4(甲4を主引例とする新規性) 本件特許発明1は、甲4発明1と同一である。 本件特許発明6は、甲4発明6と同一である。 1-5(甲5を主引例とする新規性) 本件特許発明1は、甲5発明1と同一である。 本件特許発明4は、甲5発明4と同一である。 本件特許発明6は、甲5発明6と同一である。 1-6(甲7を主引例とする新規性) 本件特許発明3は、甲7発明3と同一である。 本件特許発明8は、甲7発明8と同一である。 申立理由2:特許法第29条第2項(同法第113条第2号) 2-1(甲1を主引例とする進歩性) 本件特許発明1は、甲1発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明2は、甲1発明2と甲2発明2又は甲6発明2とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明4は、甲1発明4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明5は、甲1発明1と甲3発明5とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明6は、甲1発明6に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明7は、甲1発明7と甲2発明7又は甲6発明7とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2-2(甲2を主引例とする進歩性) 本件特許発明1は、甲2発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明2は、甲2発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明4は、甲2発明1と甲1発明4、甲4発明4又は甲5発明4とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明5は、甲2発明1と甲3発明5とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明6は、甲2発明6に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明7は、甲2発明7に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2-3(甲3を主引例とする進歩性) 本件特許発明4は、甲3発明1と甲1発明4、甲4発明4又は甲5発明4とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明5は、甲3発明5に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2-4(甲5を主引例とする進歩性) 本件特許発明4は、甲5発明4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明5は、甲5発明1と甲3発明5とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2-5(甲6を主引例とする進歩性) 本件特許発明1は、甲6発明1と甲1発明1、甲2発明1、甲3発明1、甲4発明1又は甲5発明1とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明2は、甲6発明2と甲2発明2とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明4は、甲6発明1と甲1発明4、甲4発明4又は甲5発明4とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明5は、甲6発明5と甲1発明1、甲2発明1、甲3発明1、甲4発明1又は甲5発明1とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明6は、甲6発明6と、甲1発明1、甲2発明1、甲3発明1、甲4発明1又は甲5発明1とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明7は、甲6発明7と甲2発明7とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2-6(甲7を主引例とする進歩性) 本件特許発明3は、甲7発明3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明8は、甲7発明8に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 申立理由3:特許法第36条第6項第2号(同法第113条第4号) 本件の請求項1には、「前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える最大電流値の電流を前記コンデンサに出力する」との記載がある。ここで、「LED光源を起動したとき」とは、LED光源を起動(点灯)させた後の状態を指している。また、本件の請求項1には、「電源出力部は、印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える最大電流値の電流をコンデンサに出力する」との記載があるが、LED光源を起動(点灯)させた後に設定電流値を超える最大電流値の電流をコンデンサに出力することによる技術的意義が不明確である。 また、本件の請求項2、3、6、7及び8においても同様の記載があり、これらの請求項についても技術的意義が不明確である。 さらに、本件の請求項1又は2を引用する本件の請求項4、5についても同様に、技術的意義が不明確である。 したがって、本件の請求項1~8は不明確であり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 2 当審の判断 事案に鑑み、申立理由3から検討する。 (1)申立理由3(明確性要件)について まず、請求項1の記載について検討する。 「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」における「起動したとき」とは、その字義どおり、「起動したとき」と解されるものであって、点灯したときと解すべき理由はない。 したがって、申立理由3は、その前提である「「LED光源を起動したとき」とは、LED光源を起動(点灯)させた後の状態を指している。」との解釈に誤りがある。 そして、「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部」は、検出される「印加電圧値又は印加電流値」が「前記LED光源へ実際に印加される」ものであることを特定している。 そうすると、「前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまで」とは、LED光源へ実際に印加される「前記印加電圧値」が所定の電圧値に達するまで、又はLED光源へ実際に印加される「前記印加電流値」が所定の電流値に達するまでの期間を特定していることが分かる。 以上を踏まえると、「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、」とは、LED光源を起動してから、LED光源へ実際に印加される「前記印加電圧値」が所定の電圧値に達するまで、又はLED光源へ実際に印加される「前記印加電流値」が所定の電流値に達するまでの期間において、「前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力」することを特定していることが明確である。 したがって、本件発明1は、明確である。 また、本件発明2、3、6、7及び8も同様に明確である。 そして、本件発明1又は2を引用する本件発明4、5も明確である。 以上のとおりであるから、本件発明1~8は明確であり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件に適合するから、申立理由3によっては、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 (2)申立理由1-1及び2-1について(甲1を主引例とする新規性、進歩性) ア 甲1に記載された発明 (ア)甲1には、その記載から、次の発明(以下「甲1-1発明」という。)が記載されていると認められる。 「有機EL発光素子やLED等の発光ダイオードである照明負荷4と、(【0018】) 定電圧ユニット2からの電圧を受けて照明負荷4を点灯駆動する定電流ユニット3を有する電源装置1と、(【0016】) 調光部2aと、 を備えた照明器具であって、(【0016】、【0038】) 電源装置1は、 定電流ユニット3と、(【0016】) 定電流ユニット3において照明負荷4と並列に接続されたコンデンサC2と、(【0034】) 定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出する電流検知部6と、(【0044】) 定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧Vを検出する電圧検出部32と、(【0028】) を備え、 照明器具1の立ち上げ時において、調光部2aは、電流検知部6からの電流値に基づいて、起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、電圧値がVthからV1に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保ち、電圧値がV1から定格出力電圧Vnに達する間においては、照明負荷4への出力電流をI1(A)から徐々に軽減し、電圧値が定格出力電圧Vnに達した後は、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流の制御を終了し、出力電流は、定格出力電流I0(A)に保たれる、(【0039】、【0040】、【0042】、【図4】) 照明器具。」 (イ)甲1には、その記載から、次の発明(以下「甲1-6発明」という。)が記載されていると認められる。 「有機EL発光素子やLED等の発光ダイオードである照明負荷4と、(【0018】) 定電圧ユニット2からの電圧を受けて照明負荷4を点灯駆動する定電流ユニット3を有する電源装置1と、(【0016】) 調光部2aと、 を備えた照明器具の電源装置1であって、(【0016】、【0038】) 電源装置1は、 定電流ユニット3と、(【0016】) 定電流ユニット3において照明負荷4と並列に接続されたコンデンサC2と、(【0034】) 定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出する電流検知部6と、(【0044】) 定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧Vを検出する電圧検出部32と、(【0028】) を備え、 照明器具1の立ち上げ時において、調光部2aは、電流検知部6からの電流値に基づいて、起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、電圧値がVthからV1に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保ち、電圧値がV1から定格出力電圧Vnに達する間においては、照明負荷4への出力電流をI1(A)から徐々に軽減し、電圧値が定格出力電圧Vnに達した後は、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流の制御を終了し、出力電流は、定格出力電流I0(A)に保たれる、(【0039】、【0040】、【0042】、【図4】) 電源装置1。」 イ 本件発明1について(申立理由1-1新規性、申立理由2-1進歩性) (ア)対比 本件発明1と甲1-1発明を対比する。 a 後者の「有機EL発光素子やLED等の発光ダイオードである照明負荷4」は前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「電源装置1」は「電源」に、「照明器具」は「照明装置」に、「定電流ユニット3」は「電源出力部」に、「コンデンサC2」は「コンデンサ」に、それぞれ相当する。 b 後者の「電源装置1」の「定電流ユニット3」が「照明負荷4を点灯駆動する」態様は、前者の「電源」が「前記LED光源へ電力を印加する」態様に相当する。 c 後者の「調光部2a」は調光制御するものであるから、最終的に保たれる「定格出力電流I0(A)」の値は、調光率に応じた値といえる。そうすると、後者の「調光部2a」が「定格出力電流I0(A)に保たれる」態様は、前者の「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な」態様に相当するといえる。 d 後者の「定電流ユニット3」が「照明負荷4を点灯駆動する」態様は、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 e 後者の「コンデンサC2」が「定電流ユニット3において照明負荷4と並列に接続された」ものであることは、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部の出力側に設けられた」ものであることに相当する。 f 後者の「定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出する電流検知部6」及び「定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧Vを検出する電圧検出部32」と、前者の「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部」とは、「電圧値又は電流値を検出する検出部」の点で共通する。 g 後者の「定格出力電流I0(A)」は、「I1(A)」より小さな値であるから、上記cを踏まえると、後者の「照明器具1の立ち上げ時において、調光部2aは」「照明負荷4への出力電流をI1(A)から徐々に軽減し、電圧値が定格出力電圧Vnに達した後は、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流の制御を終了し、出力電流は、定格出力電流I0(A)に保たれる」ことは、定格出力電流I0(A)が最大電流値未満であることは明らかなので、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」に相当する。 h 後者の「起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、電圧値がVthからV1に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保」つことは、電圧値がV1に達するまでは、定格出力電流I0(A)より大きな値の電流I1(A)を照明負荷4と並列に接続されたコンデンサC2に出力しているといえるから、前者の「前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力」することと、「前記電源出力部は、前記電圧値が所定の電圧値に達するまで、前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力」することの点で共通する。 i そうすると両者は、 「LED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、電圧値又は電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記電圧値が所定の電圧値に達するまでは、前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1-1> 本件発明1は、「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値」を検出する検出部であって、前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、「前記印加電圧値」が所定の電圧値に達するまで、又は「前記印加電流値」が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、「前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲1-1発明は、「定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出する」電流検知部6と、「定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧Vを検出する」電圧検出部32であって、「電流I1(A)」よりも小さな定格出力電流I0(A)に設定して起動したときに、調光部2aは、「起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)」に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、「電圧値がVth」から「V1」に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保ち、「電圧値がV1」から「定格出力電圧Vn」に達する間においては、照明負荷4への出力電流をI1(A)から徐々に軽減し、電圧値が定格出力電圧Vnに達した後は、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流の制御を終了し、出力電流は、定格出力電流I0(A)に保たれるものであり、定格出力電流I0(A)を最大として起動したときについて特定されていない点。 (イ)判断 相違点1-1は、実質的な相違点であるから、本件発明1は、甲1-1発明ではない。 甲1-1発明は、「定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧V」の「電圧値」が、「起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)」、「V1」、「定格出力電圧Vn」に達したことに応じて、定電流ユニット3から照明負荷4に印加する電流を制御するものであるから、この「電圧値」を「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値」に変更することの阻害事由があるし、少なくともその動機付けがない。 また、甲1には「以上の説明のように、本実施形態に係る電源装置1によれば、電圧印加開始後において、電流検知部6は、定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出して調光部2aにフィードバックする。そして、調光部2aは、検知された電流値に基づいて、所定の電流値を超える時は定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流を制御するため、照明負荷4に過電流が発生してストレスを与えることを防止できる。」(【0044】)とあるから、「電流I1(A)」は、「定格出力電流I0(A)」よりも大きな値ではあるけれども、極端に大きな値ではないことが理解できる。 そうすると、甲1-1発明は、「電流I1(A)」を「最大電流値」とすることの阻害事由があるといえるし、少なくともその動機付けがない。 また、起動直後に最大電流を流すことは、回路の各所に大きな負荷がかかることから、よほどの事情がない限り避けるべき設定であることは技術常識であることからすると、甲1-1発明において、所定の電流値として設定された「電流I1(A)」を最大値とすることが単なる設計的事項ということはできない。 さらに、点灯時の所要時間を短縮するために、起動直後に最大電流を流すことは、他の証拠にも示されていない。 したがって、甲1-1発明において、相違点1-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲1-1発明ではなく、また、甲1-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 本件発明2について(申立理由2-1進歩性) (ア)対比 本件発明2と甲1-1発明を対比すると、本件発明1と甲1-1発明を対比した上記イ(ア)と同様の相当関係を有すると共に、以下の相当関係を有する。 a 後者の「調光部2a」が「定格出力電流I0(A)に保たれる」態様と、前者の「前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な」態様とは、「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な」態様の点で共通する。 b 後者の「定格出力電流I0(A)」は、「I1(A)」より小さな値であるから、後者の「照明器具1の立ち上げ時において」「照明負荷4への出力電流を」「定格出力電流I0(A)に保たれる」ことと、前者の「前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき」とは、「前記調光率を100%未満に設定して起動したとき」の点で共通する。 c 後者の「起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、電圧値がVthからV1に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保」つことは、電圧値がV1に達するまでは、定格出力電流I0(A)より大きな値の電流I1(A)を照明負荷4と並列に接続されたコンデンサC2に出力しているといえるから、前者の「前記電源出力部」が「前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力」することと、「前記電源出力部」が「前記電圧値が所定の電圧値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力」することの点で共通する。 d そうすると両者は、 「LED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、電圧値又は電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の前記電源出力部は、前記調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記電圧値が所定の電圧値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1-2A> 本件発明2は、「複数色の」LED光源であり、それゆえ、「前記複数色の各色毎に」前記LED光源の設定電流値を「個別」調光率に基づいて設定可能なもので、「前記各色毎に、」電力を出力する電源出力部であり、前記「個別」調光率を100%未満に設定して起動したときと、前記「個別」調光率を100%に設定して起動したときに場合分けして制御するものであるのに対して、甲1-1発明は、照明負荷4の色が特定されておらず、それゆえ、個別調光率についても特定されていない点。 <相違点1-2B> 本件発明2は、「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値」を検出する検出部であって、前記電源出力部は、「前記個別調光率」を100%未満に設定して起動したとき、「前記印加電圧値」が所定の電圧値に達するまで、又は「前記印加電流値」が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、「前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲1-1発明は、「定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出する」電流検知部6と、「定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧Vを検出する」電圧検出部32であって、「電流I1(A)」よりも小さな定格出力電流I0(A)に設定して起動したときに、調光部2aは、「起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)」に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、「電圧値がVth」から「V1」に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保ち、「電圧値がV1」から「定格出力電圧Vn」に達する間においては、照明負荷4への出力電流をI1(A)から徐々に軽減し、電圧値が定格出力電圧Vnに達した後は、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流の制御を終了し、出力電流は、定格出力電流I0(A)に保たれるものであり、定格出力電流I0(A)を最大として起動したときについて特定されていない点。 (イ)判断 事案に鑑み、相違点1-2Bから検討する。 相違点1-2Bは、相違点1-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点1-1について説示した上記イ(イ)と同様に、他の証拠について検討するまでもなく、甲1-1発明において、相違点1-2Bに係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおりであるから、相違点1-2Aについて検討するまでもなく、本件発明2は、甲1-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 本件発明4について(申立理由1-1新規性、申立理由2-1進歩性) 本件発明4は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明4は、甲1-1発明ではなく、甲1-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 オ 本件発明5について(申立理由2-1進歩性) 本件発明5は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明5は、甲1-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 カ 本件発明6について(申立理由1-1新規性、申立理由2-1進歩性) (ア)対比 本件発明6と甲1-6発明を対比すると、本件発明1と甲1-1発明を対比した上記イ(ア)と同様の相当関係を有するから、両者は、 「LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部から出力された電力を蓄えるコンデンサと、電圧値又は電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記電圧値が所定の電圧値に達するまでは、前記設定電流値を超える大きな電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1-6> 本件発明6は、「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値」を検出する検出部であって、前記LED光源を前記設定電流値が「最大電流値」未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、「前記印加電圧値」が所定の電圧値に達するまで、又は「前記印加電流値」が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える「前記最大電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、「前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲1-6発明は、「定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出する」電流検知部6と、「定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧Vを検出する」電圧検出部32であって、「電流I1(A)」よりも小さな定格出力電流I0(A)に設定して起動したときに、調光部2aは、「起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)」に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、「電圧値がVth」から「V1」に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保ち、「電圧値がV1」から「定格出力電圧Vn」に達する間においては、照明負荷4への出力電流をI1(A)から徐々に軽減し、電圧値が定格出力電圧Vnに達した後は、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流の制御を終了し、出力電流は、定格出力電流I0(A)に保たれるものであり、定格出力電流I0(A)を最大として起動したときについて特定されていない点。 (イ)判断 相違点1-6は、相違点1-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点1-1について説示した上記イ(イ)と同様に、相違点1-6は実質的な相違点であり本件発明6は甲1-6発明ではなく、甲1-6発明において、相違点1-6に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明6は、甲1-6発明ではなく、また、甲1-6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 キ 本件発明7について(申立理由2-1進歩性) (ア)対比 本件発明7と甲1-6発明を対比すると、本件発明6と本件発明1-6を対比した上記カ(ア)と同様の相当関係を有すると共に、本件発明2と本件発明1-1を対比した上記ウ(ア)と同様の相当関係を有するから、両者は、 「LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、電圧値又は電流値を検出する検出部を備え、 前記電源出力部は、前記調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記電圧値が所定の電圧値に達するまでは、設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1-7A> 本件発明7は、「複数色の」LED光源であり、それゆえ、「前記複数色の各色毎に」前記LED光源の設定電流値を「個別」調光率に基づいて設定可能なもので、「前記各色毎に、」電力を出力する電源出力部であり、前記「個別」調光率を100%未満に設定して起動したときと、前記「個別」調光率を100%に設定して起動したときに場合分けして制御するものであるのに対して、甲1-6発明は、照明負荷4の色が特定されておらず、それゆえ、個別調光率についても特定されていない点。 <相違点1-7B> 本件発明7は、「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値」を検出する検出部であって、前記電源出力部は、「前記個別調光率」を100%未満に設定して起動したとき、「前記印加電圧値」が所定の電圧値に達するまで、又は「前記印加電流値」が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、「前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲1-6発明は、「定電圧ユニット2から定電流ユニット3への出力電流値を検出する」電流検知部6と、「定電圧ユニット2より定電流ユニット3に供給される入力電圧Vを検出する」電圧検出部32であって、「電流I1(A)」よりも小さな定格出力電流I0(A)に設定して起動したときに、調光部2aは、「起動電圧Vth(立ち上がり電圧Vf+3V等)」に達する時点で、定電流ユニット3から照明負荷4に電流I1(A)を最初に印加し、「電圧値がVth」から「V1」に達する間においては、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流をI1(A)の状態に保ち、「電圧値がV1」から「定格出力電圧Vn」に達する間においては、照明負荷4への出力電流をI1(A)から徐々に軽減し、電圧値が定格出力電圧Vnに達した後は、定電流ユニット3から照明負荷4への出力電流の制御を終了し、出力電流は、定格出力電流I0(A)に保たれるものであり、定格出力電流I0(A)を最大として起動したときについて特定されていない点。 (イ)判断 事案に鑑み、相違点1-7Bから検討する。 相違点1-7Bは、相違点1-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点1-1について説示した上記イ(イ)と同様に、甲1-6発明において、相違点1-7Bに係る本件発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおりであるから、相違点1-7Aについて検討するまでもなく、本件発明7は、甲1-6発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ク 申立理由1-1及び2-1のまとめ 以上のとおりであるから、本件発明1、4、6は、甲1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではないし、本件発明1、2、4~7は、甲1に記載された発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえず、請求項1、2、4~7に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、申立理由1-1及び2-1によっては、本件特許の請求項1、2、4~7に係る特許を取り消すことはできない。 (3)申立理由1-2及び2-2について(甲2を主引例とする新規性、進歩性) ア 甲2に記載された発明 (ア)甲2には、その記載から、次の発明(以下「甲2-1発明」という。)が記載されていると認められる。 「発光色の異なる第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを有する光源4と、(【0014】) 第1光源41を点灯させるように構成されている第1点灯回路21と、第2光源42を点灯させるように構成されている第2点灯回路22と、第3光源43を点灯させるように構成されている第3点灯回路23を備える点灯装置2と、(【0015】、【0016】) 調光指示値に応じて、第1負荷電流I1、第2負荷電流I2、第3負荷電流I3を増減させることで、第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを調光指示値に基づく調光レベルで点灯させる制御部27と、(【0027】、【0044】~【0048】) を備えた照明装置1であって、(【0013】) 点灯装置2は、 第1点灯回路21の出力端に電気的に接続されている第1コンデンサC1と、第2点灯回路22の出力端に電気的に接続されている第2コンデンサC2と、第3点灯回路23の出力端に電気的に接続されている第3コンデンサC3と、(【0018】、【0020】、【0022】) を備え、 制御部27は、第1コンデンサC1に充電される出力電圧Va2,Vb2を監視し、(【0069】) 消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する調光指示値が制御部27に入力されると、制御部27は、第1目標電圧Vrefに達するまで、第1光源41に対応する第1負荷電流Ia3が基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御する(【0051】、【0056】、【0079】) 照明装置1。」 (イ)甲2には、その記載から、次の発明(以下「甲2-6発明」という。)が記載されていると認められる。 「発光色の異なる第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを有する光源4と、(【0014】) 第1光源41を点灯させるように構成されている第1点灯回路21と、第2光源42を点灯させるように構成されている第2点灯回路22と、第3光源43を点灯させるように構成されている第3点灯回路23を備える点灯装置2と、(【0015】、【0016】) 調光指示値に応じて、第1負荷電流I1、第2負荷電流I2、第3負荷電流I3を増減させることで、第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを調光指示値に基づく調光レベルで点灯させる制御部27と、(【0027】、【0044】~【0048】) を備えた照明装置1の点灯装置2であって、(【0013】) 点灯装置2は、 第1点灯回路21の出力端に電気的に接続されている第1コンデンサC1と、第2点灯回路22の出力端に電気的に接続されている第2コンデンサC2と、第3点灯回路23の出力端に電気的に接続されている第3コンデンサC3と、(【0018】、【0020】、【0022】) を備え、 制御部27は、第1コンデンサC1に充電される出力電圧Va2,Vb2を監視し、(【0069】) 消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する調光指示値が制御部27に入力されると、制御部27は、第1目標電圧Vrefに達するまで、第1光源41に対応する第1負荷電流Ia3が基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御する(【0051】、【0056】、【0079】) 点灯装置2。」 イ 本件発明1について(申立理由1-2新規性、申立理由2-2進歩性) (ア)対比 本件発明1と甲2-1発明を対比する。 a 後者の「発光色の異なる第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを有する光源4」は前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「点灯装置2」は「電源」に、「照明装置1」は「照明装置」に、「第1点灯回路21」と「第2点灯回路22」と「第3点灯回路23」は「電源出力部」に、「第1コンデンサC1」と「第2コンデンサC2」と「第3コンデンサC3」は「コンデンサ」に、それぞれ相当する。 b 後者の「点灯装置2」が「第1光源41を点灯させるように構成されている第1点灯回路21と、第2光源42を点灯させるように構成されている第2点灯回路22と、第3光源43を点灯させるように構成されている第3点灯回路23を備える」ことは、第1光源41と第2光源42と第3光源43に電力を印加していることが明らかであるから、前者の「電源」が「前記LED光源へ電力を印加する」ことに相当する。 c 後者の「調光指示値」は、「調光レベル」を指示する値であるから、前者の「調光率」に相当するといえる。 そうすると、後者の「第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを調光指示値に基づく調光レベルで点灯させる」ために流す「第1負荷電流I1、第2負荷電流I2、第3負荷電流I3」の値は、その設定が可能であることが明らかであるから、前者の「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」であることに相当する。 d 後者の「第1点灯回路21」が「第1光源41を点灯させるように構成されている」態様と、「第2点灯回路22」が「第2光源42を点灯させるように構成されている」態様と、「第3点灯回路23」が「第3光源43を点灯させるように構成されている」態様は、点灯させるための電力を出力していることが明らかであるから、いずれも、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」態様に相当する。 e 後者の「第1コンデンサC1」が「第1点灯回路21の出力端に電気的に接続されている」態様と、「第2コンデンサC2」が「第2点灯回路22の出力端に電気的に接続されている」態様と、「第3コンデンサC3」が「第3点灯回路23の出力端に電気的に接続されている」態様とは、いずれも、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部の出力側に設けられた」態様に相当する。 f 後者の「制御部27は、第1コンデンサC1に充電される出力電圧Va2,Vb2を監視し」ていることは、監視対象である「出力電圧Va2,Vb2」を検出するための検出部を備えていることが明らかである。 また、第1コンデンサC1は、「第1点灯回路21の出力端に電気的に接続されている」のだから、「第1コンデンサC1に充電される出力電圧Va2,Vb2」は、第1光源41に実際に印加される印加電圧値を示すといえる。 そうすると、後者の「制御部27は、第1コンデンサC1に充電される出力電圧Va2,Vb2を監視し」ていることは、前者の「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え」ることに相当するといえる。 g 後者の「消灯している状態から点灯させる場合」は、前者の「前記LED光源を」「起動したとき」に相当する。 そうすると、後者の「消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する調光指示値が制御部27に入力されると」という状況と、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」という状況とは、上記cも踏まえると、「前記LED光源を前記設定電流値が所定の前記調光率に設定して起動したとき」いう状況の点で共通する。 h 後者の「第1目標電圧Vrefに達するまで」は、上記fを踏まえると、監視対象である「第1コンデンサC1に充電される出力電圧Va2,Vb2」が「第1目標電圧Vrefに達するまで」を意味していることが分かる。 そうすると、後者の「制御部27は、第1目標電圧Vrefに達するまで、第1光源41に対応する第1負荷電流Ia3が基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御する」ことと、前者の「前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力」することとは、「前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、所定の電流を前記コンデンサに出力」することの点で共通する。 i そうすると両者は、 「LED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を前記設定電流値が所定の前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、所定の電流を前記コンデンサに出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点2-1> 本件発明1は、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる」前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、「前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流」を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる」前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、「前記設定電流値の電流」を前記コンデンサに出力するものであるのに対して、甲2-1発明は、消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する「調光指示値」が制御部27に入力されると、制御部27は、第1目標電圧Vrefに達するまで、第1光源41に対応する第1負荷電流Ia3が「基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0」が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御するものであり、最大電流値が流れるように制御するものではない点。 (イ)判断 相違点2-1は、実質的な相違点であるから、本件発明1は、甲2-1発明ではない。 甲2には、「そして、調光制御部270に第1光源41に対応する調光指示値が入力されると、制御部27は、第1光源41に対応するDC調光下限(例えば、LEDの定格電流に対して5%)の第1負荷電流I1が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御する。」(【0051】)とあるから、甲2-1発明の「基準電流Io1の下限電流値Io」は、定格電流に対して5%程度の小さな値である。 そして甲2-1発明は、「ところで、LEDは、個々に光度のばらつきがある。つまり、同色のLEDに同じ電流を流しても光度(明るさ)が異なってしまうことがある。」(【0058】)ことから、「そこで、同色の光源の光度のばらつきを解消するために、予め、製造過程において、負荷電流の調整が行われる。このとき、設計上の値である基準電流の電流値の±30%の補正量の範囲で負荷電流の調整が行われる。」(【0059】)ものであるから、「基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0」を最大電流値とすることの阻害事由があるし、少なくとも、その動機付けがない。 したがって、甲2-1発明において、相違点2-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲2-1発明ではなく、また、甲2-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 本件発明2について(申立理由1-2新規性、申立理由2-2進歩性) (ア)対比 本件発明2と甲2-1発明を対比すると、本件発明1と甲2-1発明を対比した上記イ(ア)と同様の相当関係を有すると共に、以下の相当関係を有する。 a 後者の「発光色の異なる第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを有する光源4」は、前者の「複数色のLED光源」に相当する。 b 後者の「調光指示値」は、第1光源41と第2光源42と第3光源43それぞれの「調光レベル」を指示する値であるから、前者の「個別調光率」に相当するといえる。 そうすると、後者の「第1光源41と、第2光源42と、第3光源43とを調光指示値に基づく調光レベルで点灯させる」ために流す「第1負荷電流I1、第2負荷電流I2、第3負荷電流I3」の値は、その設定が可能であることが明らかであるから、前者の「前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能」であることに相当する。 c 後者の「第1点灯回路21」が「第1光源41を点灯させるように構成されている」態様と、「第2点灯回路22」が「第2光源42を点灯させるように構成されている」態様と、「第3点灯回路23」が「第3光源43を点灯させるように構成されている」態様は、点灯させるための電力を出力していることが明らかであるから、前者の「電源出力部」が「前記各色毎に、電力を出力する」態様に相当する。 そうすると、後者の「第1点灯回路21」と「第2点灯回路22」と「第3点灯回路23」は、前者の「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部」に相当する。 d 後者の「消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する調光指示値が制御部27に入力されると」という状況と、前者の「前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき」という状況とは、「前記個別調光率を所定の値に設定して起動したとき」いう状況の点で共通する。 e そうすると両者は、 「複数色のLED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、前記各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を所定の値に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、所定の電流を前記コンデンサに出力する 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点2-2> 本件発明2は、前記個別調光率を「100%未満」に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、「前記設定電流値を超える電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を「100%」に設定して起動したとき、「前記設定電流値」の電流を前記コンデンサに出力するものであるのに対して、甲2-1発明は、消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する「調光指示値」が制御部27に入力されると、制御部27は、第1目標電圧Vrefに達するまで、第1光源41に対応する第1負荷電流Ia3が「基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0」が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御するものであり、最大電流値が流れるように制御するものではない点。 (イ)判断 相違点2-2は、実質的な相違点であるから、本件発明2は、甲2-1発明ではない。 そして、相違点2-1について説示した上記イ(イ)のとおり、甲2-1発明は、「基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0」を設定電流値や最大電流値とすることの阻害事由があるし、少なくとも、その動機付けがない。 したがって、甲2-1発明において、相違点2-2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明2は、甲2-1発明ではなく、また、甲2-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 本件発明4について(申立理由2-2進歩性) 本件発明4は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明4は、甲2-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 オ 本件発明5について(申立理由2-2進歩性) 本件発明5は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明5は、甲2-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 カ 本件発明6について(申立理由1-2新規性、申立理由2-2進歩性) (ア)対比 本件発明6と甲2-6発明を対比すると、本件発明1と甲2-1発明を対比した上記イ(ア)と同様の相当関係を有するから、両者は、 「LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部から出力された電力を蓄えるコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を前記設定電流値が所定の前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、所定の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点2-6> 本件発明6は、前記LED光源を「前記設定電流値が最大電流値未満となる」前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、「前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流」を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を「前記設定電流値が前記最大電流値となる」前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、「前記設定電流値の電流」を前記コンデンサに出力するものであるのに対して、甲2-6発明は、消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する「調光指示値」が制御部27に入力されると、制御部27は、第1目標電圧Vrefに達するまで、第1光源41に対応する第1負荷電流Ia3が「基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0」が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御するものであり、最大電流値が流れるように制御するものではない点。 (イ)判断 相違点2-6は、相違点2-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点2-1について説示した上記イ(イ)と同様に、相違点2-6は実質的な相違点であり本件発明6は甲2-6発明ではなく、甲2-6発明において、相違点2-6に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明6は、甲2-6発明ではなく、また、甲2-6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 キ 本件発明7について(申立理由1-2新規性、申立理由2-2進歩性) (ア)対比 本件発明7と甲2-6発明を対比すると、本件発明6と本件発明2-6を対比した上記カ(ア)と同様の相当関係を有すると共に、本件発明2と本件発明2-1を対比した上記ウ(ア)と同様の相当関係を有するから、両者は、 「複数色のLED光源を備え、前記複数色の各色毎に、前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、前記複数色の各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、前記個別調光率を所定の値に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、所定の電流を前記コンデンサに出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点2-7> 本件発明7は、前記個別調光率を「100%未満」に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、「前記設定電流値を超える電流値」の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を「100%」に設定して起動したとき、「前記設定電流値」の電流を前記コンデンサに出力するものであるのに対して、甲2-6発明は、消灯している状態から点灯させる場合、第1光源41に対応する「調光指示値」が制御部27に入力されると、制御部27は、第1目標電圧Vrefに達するまで、第1光源41に対応する第1負荷電流Ia3が「基準電流Io1の下限電流値Ioの+30%に等しい下限電流値Ia0」が第1コンデンサC1に流れるように第1点灯回路21を制御するものであり、最大電流値が流れるように制御するものではない点。 (イ)判断 相違点2-7は、相違点2-2と実質的に同じ相違点であるから、相違点2-2について説示した上記ウ(イ)と同様に、相違点2-7は実質的な相違点であり本件発明7は甲2-6発明ではなく、甲2-6発明において、相違点2-7に係る本件発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明7は、甲2-6発明ではなく、また、甲2-6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ク 申立理由1-2及び2-2のまとめ 以上のとおりであるから、本件発明1、2、6、7は、甲2に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではないし、本件発明1、2、4~7は、甲2に記載された発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえず、請求項1、2、4~7に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、申立理由1-2及び2-2によっては、本件特許の請求項1、2、4~7に係る特許を取り消すことはできない。 (4)申立理由1-3及び2-3ついて(甲3を主引例とする新規性、進歩性) ア 甲3に記載された発明 上記第5の1(1)ア及びイのとおり、甲3には、その記載から、甲3-1発明及び甲3-6発明が記載されていると認められる。 イ 本件発明1について(申立理由1-3新規性) (ア)対比 本件発明1と甲3-1発明を対比すると、本件発明1と甲3-1発明を対比した上記第5の1(2)アで説示した相当関係を有するから、両者は、上記検討済みの一致点で一致し、相違点3-1で相違する。 (イ)判断 相違点3-1は、上記第5の1(2)イで説示したとおり実質的な相違点である。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲3-1発明ではない。 ウ 本件発明4について(申立理由2-3進歩性) 本件発明4は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、上記第5の1(2)に示した本件発明1と同様の理由により、本件発明4は、甲3-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 本件発明5ついて(申立理由1-3新規性、申立理由2-3進歩性) 本件発明5は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、上記アに示した本件発明1と同様の理由により、本件発明5は甲3-1発明ではなく、また、上記第5の1(2)に示した本件発明1と同様の理由により、本件発明5は甲3-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 オ 本件発明6ついて(申立理由1-3新規性) (ア)対比 本件発明6と甲3-6発明を対比すると、本件発明6と甲3-6発明を対比した上記第5の1(3)アで説示した相当関係を有するから、両者は、上記検討済みの一致点で一致し、相違点3-6で相違する。 (イ)判断 相違点3-6は、上記第5の1(3)イで説示したとおり実質的な相違点である。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明6は、甲3-6発明ではない。 カ 申立理由1-3及び2-3のまとめ 以上のとおりであるから、本件発明1、5、6は、甲3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではないし、本件発明4、5は、甲3に記載された発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえず、請求項1、4~6に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、申立理由1-3及び2-3によっては、本件特許の請求項1、4~6に係る特許を取り消すことはできない。 (5)申立理由1-4について(甲4を主引例とする新規性) ア 甲4に記載された発明 上記第5の2(1)ア及びウのとおり、甲4には、その記載から、甲4-1発明及び甲4-6発明が記載されていると認められる。 イ 本件発明1について(申立理由1-4新規性) (ア)対比 本件発明1と甲4-1発明を対比すると、本件発明1と甲4-1発明を対比した上記第5の2(2)アで説示した相当関係を有するから、両者は、上記検討済みの一致点で一致し、相違点4-1で相違する。 (イ)判断 相違点4-1は、上記第5の2(2)イで説示したとおり実質的な相違点である。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲4-1発明ではない。 ウ 本件発明6について(申立理由1-4新規性) (ア)対比 本件発明6と甲4-6発明を対比すると、本件発明6と甲4-6発明を対比した上記第5の2(6)アで説示した相当関係を有するから、両者は、上記検討済みの一致点で一致し、相違点4-6で相違する。 (イ)判断 相違点4-6は、上記第5の2(6)イで説示したとおり実質的な相違点である。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明6は、甲4-6発明ではない。 エ 申立理由1-4のまとめ 以上のとおりであるから、本件発明1、6は、甲4に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではないから、請求項1、6に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、申立理由1-4によっては、本件特許の請求項1、6に係る特許を取り消すことはできない。 (6)申立理由1-5及び2-4について(甲5を主引例とする新規性、進歩性) ア 甲5に記載された発明 上記第5の3(1)ア及びイのとおり、甲5には、その記載から、甲5-1発明及び甲5-6発明が記載されていると認められる。 イ 本件発明1について(申立理由1-5新規性) (ア)対比 本件発明1と甲5-1発明を対比すると、本件発明1と甲5-1発明を対比した上記第5の3(2)アで説示した相当関係を有するから、両者は、上記検討済みの一致点で一致し、相違点5-1で相違する。 (イ)判断 相違点5-1は、上記第5の3(2)イで説示したとおり実質的な相違点である。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲5-1発明ではない。 ウ 本件発明4ついて(申立理由1-5新規性、申立理由2-4進歩性) 本件発明4は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、上記イに示した本件発明1と同様の理由により、本件発明4は甲5-1発明ではなく、上記第5の3(2)に示した本件発明1と同様の理由により、本件発明4は甲5-1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 本件発明5ついて(申立理由2-4進歩性) 本件発明5は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、上記第5の3(2)に示した本件発明1と同様の理由により、本件発明5は甲5-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 オ 本件発明6ついて(申立理由1-5新規性) 本件発明6と甲5-6発明を対比すると、上記第5の3(3)に示したとおり、両者は相違点5-6で相違するところ、相違点5-6は実質的な相違点であるから、本件発明6は甲5-6発明ではない。 カ 申立理由1-5及び2-4のまとめ 以上のとおりであるから、本件発明1、4、6は、甲5に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではないし、本件発明4、5は、甲5に記載された発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえず、請求項1、4~6に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、申立理由1-5及び2-4によっては、本件特許の請求項1、4~6に係る特許を取り消すことはできない。 (7)申立理由2-5について(甲6を主引例とする進歩性) ア 甲6に記載された発明 (ア)甲6には、その記載から、次の発明(以下「甲6-1発明」という。)が記載されていると認められる。 「色温度3000KのLED8a、及び色温度5000KのLED8bと、(【0015】) LED8a、8bを点灯させる装置である光源点灯装置110と、(【0013】) 色温度・調光コントローラ16で設定された調光率・色温度を指示する信号に基づいて、LED8aとLED8bそれぞれのLED電流目標信号を出力する制御回路13と、(【0022】) を備えた照明器具200であって、(【0061】) 光源点灯装置110は、 LED8aが接続された第1降圧チョッパ回路30、及びLED8bが接続された第2降圧チョッパ回路31と、(【0015】) 第1降圧チョッパ回路30においてLED8aと並列に設けられた第2平滑コンデンサ7a、及び第2降圧チョッパ回路31においてLED8bと並列に設けられた第2平滑コンデンサ7bと、(【0014】、【図1】) LED8aに供給される電流を検出するLED電流検出抵抗9a、及びLED8bに供給される電流を検出するLED電流検出抵抗9bと、(【0014】、【0017】【図1】) を備え、 光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、(【0024】~【0026】) 駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う、(【0026】~【0029】) 照明器具200。」 (イ)甲6には、その記載から、次の発明(以下「甲6-6発明」という。)が記載されていると認められる。 「色温度3000KのLED8a、及び色温度5000KのLED8bと、(【0015】) LED8a、8bを点灯させる装置である光源点灯装置110と、(【0013】) 色温度・調光コントローラ16で設定された調光率・色温度を指示する信号に基づいて、LED8aとLED8bそれぞれのLED電流目標信号を出力する制御回路13と、(【0022】) を備えた照明器具200の光源点灯装置110であって、(【0061】) 光源点灯装置110は、 LED8aが接続された第1降圧チョッパ回路30、及びLED8bが接続された第2降圧チョッパ回路31と、(【0015】) 第1降圧チョッパ回路30においてLED8aと並列に設けられた第2平滑コンデンサ7a、及び第2降圧チョッパ回路31においてLED8bと並列に設けられた第2平滑コンデンサ7bと、(【0014】、【図1】) LED8aに供給される電流を検出するLED電流検出抵抗9a、及びLED8bに供給される電流を検出するLED電流検出抵抗9bと、(【0014】、【0017】【図1】) を備え、 光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、(【0024】~【0026】) 駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う、(【0026】~【0029】) 光源点灯装置110。」 イ 本件発明1について(申立理由2-5進歩性) (ア)対比 本件発明1と甲6-1発明を対比する。 a 後者の「LED8a」及び「LED8b」は前者の「LED光源」に相当し、以下同様に、「光源点灯装置110」は「電源」に、「照明器具200」は「照明装置」に、「第1降圧チョッパ回路30」及び「第2降圧チョッパ回路31」は「電源出力部」に、「第2平滑コンデンサ7a」及び「第2平滑コンデンサ7b」は「コンデンサ」に、「LED電流検出抵抗9b」は「検出部」に、それぞれ相当する。 b 後者の「光源点灯装置110」が「LED8a、8bを点灯させる装置である」ことは、LED8a、8bに電力を印加することが明らかであるから、前者の「電源」が「前記LED光源へ電力を印加する」ものであることに相当する。 c 後者の「LED8aとLED8bそれぞれのLED電流目標信号」は、前者の「前記LED光源の設定電流値」に相当する。 そうすると、後者の「色温度・調光コントローラ16で設定された調光率・色温度を指示する信号に基づいて、LED8aとLED8bそれぞれのLED電流目標信号を出力する」ことは、LED電流目標信号を調光率に基づいて設定可能であることを意味するから、前者の「前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能」であることに相当する。 d 後者の「第1降圧チョッパ回路30」が「LED8aが接続された」ものであること、及び「第2降圧チョッパ回路31」が「LED8bが接続された」ものであることは、「第1降圧チョッパ回路30」及び「第2降圧チョッパ回路31」が電力を出力するものであることが明らかであるから、前者の「電源出力部」が「電力を出力する」ものであることに相当する。 e 後者の「第2平滑コンデンサ7a」が「第1降圧チョッパ回路30においてLED8aと並列に設けられた」ものであること、及び「第2平滑コンデンサ7b」が「第2降圧チョッパ回路31においてLED8bと並列に設けられた」ものであることは、前者の「コンデンサ」が「前記電源出力部の出力側に設けられた」ものであることに相当する。 f 後者の「LED電流検出抵抗9a」が「LED8aに供給される電流を検出する」ものであること、及び「LED電流検出抵抗9b」が「LED8bに供給される電流を検出する」ものであることは、前者の「検出部」が「前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する」ものであることに相当する。 g 後者の「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入する」ことと、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき」とは、「前記LED光源を起動したとき」の点で共通する。 h 上記gを踏まえると、後者の「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う」ことと、前者の「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」こととは、「前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、電流を出力する」ことの点で共通する。 i そうすると両者は、 「LED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、電流を出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点6-1> 本件発明1は、「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲6-1発明は、「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う」ものである点。 (イ)判断 甲6-1発明は、「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加する」ものであるから、時刻t2までの期間において、「第2平滑コンデンサ7a」及び「第2平滑コンデンサ7b」に対して最大電流を印加することの阻害事由があるし、少なくともその動機付けがない。 また、甲6-1発明は、「ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う」ものであるから、時刻t2以降の期間において、「第2平滑コンデンサ7a」及び「第2平滑コンデンサ7b」に対して、LED電流目標信号を超える最大電流を印加することの阻害事由があるし、少なくともその動機付けがない。 さらに、点灯時の所要時間を短縮するために、起動直後に最大電流を流すことは、他の証拠にも示されていない。 したがって、甲6-1発明において、相違点6-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲6-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 本件発明2について(申立理由2-5進歩性) (ア)対比 本件発明2と甲6-1発明を対比すると、本件発明1と甲6-1発明を対比した上記イ(ア)と同様の相当関係を有すると共に、以下の相当関係を有する。 a 後者の「色温度3000KのLED8a、及び色温度5000KのLED8b」は、前者の「複数色のLED光源」に相当する。 b 後者の「色温度・調光コントローラ16で設定された調光率・色温度を指示する信号に基づいて、LED8aとLED8bそれぞれのLED電流目標信号を出力する」ことは、前者の「前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能」であることに相当する。 c 後者の「LED8aが接続された第1降圧チョッパ回路30、及びLED8bが接続された第2降圧チョッパ回路31」は、前者の「前記各色毎に、電力を出力する電源出力部」及び「前記LED光源の各色毎の前記電源出力部」に相当する。 d 後者の「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う」ことと、前者の「前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」こととは、「前記電源出力部は、起動したとき、電流を出力する」ことの点で共通する。 e そうすると両者は、 「複数色のLED光源と、前記LED光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置であって、 前記電源は、前記各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、起動したとき、電流を出力する、 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点6-2> 本件発明2は、「前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲6-1発明は、「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う」ものである点。 (イ)判断 相違点6-2は、相違点6-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点6-1について説示した上記イ(イ)と同様に、甲6-1発明において、相違点6-2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおりであるから、本件発明2は、甲6-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 本件発明4について(申立理由2-5進歩性) 本件発明4は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明4は、甲6-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 オ 本件発明5について(申立理由2-5進歩性) 本件発明5は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、本件発明5は、甲6-1発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 カ 本件発明6について(申立理由2-5進歩性) (ア)対比 本件発明6と甲6-6発明を対比すると、本件発明1と甲6-1発明を対比した上記イ(ア)と同様の相当関係を有するから、両者は、 「LED光源を備え、前記LED光源の設定電流値を調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部から出力された電力を蓄えるコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源を起動したとき、前記電源出力部は、電流を出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点6-6> 本件発明6は、「前記LED光源を前記設定電流値が最大電流値未満となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、前記設定電流値を超える前記最大電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記LED光源を前記設定電流値が前記最大電流値となる前記調光率に設定して起動したとき、前記電源出力部は、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲6-6発明は、「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う」ものである点。 (イ)判断 相違点6-6は、相違点6-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点6-1について説示した上記イ(イ)と同様に、甲6-6発明において、相違点6-6に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明6は、甲1-6発明ではなく、また、甲1-6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 キ 本件発明7について(申立理由2-5進歩性) (ア)対比 本件発明7と甲6-6発明を対比すると、本件発明6と本件発明6-6を対比した上記カ(ア)と同様の相当関係を有すると共に、本件発明2と本件発明6-1を対比した上記ウ(ア)と同様の相当関係を有するから、両者は、 「複数色のLED光源を備え、前記複数色の各色毎に、前記LED光源の設定電流値を個別調光率に基づいて設定可能な照明装置用の電源であって、 前記電源は、前記複数色の各色毎に、電力を出力する電源出力部と、前記電源出力部の出力側に設けられたコンデンサと、前記LED光源へ実際に印加される印加電圧値又は印加電流値を検出する検出部を備え、 前記LED光源の各色毎の前記電源出力部は、起動したとき、電流を出力する、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点6-7> 本件発明7は、「前記個別調光率を100%未満に設定して起動したとき、前記印加電圧値が所定の電圧値に達するまで、又は前記印加電流値が所定の電流値に達するまでは、設定電流値を超える電流値の電流を前記コンデンサに出力し、前記個別調光率を100%に設定して起動したとき、前記設定電流値の電流を前記コンデンサに出力する」ものであるのに対して、甲6-6発明は、「光源点灯装置110に商用交流電源1を投入すると、制御回路13は、商用交流電源投入直後(時刻t1)は駆動回路10a、10bに制御電源を印加せず、所定期間待機し、制御電圧が十分安定化している状態(時刻t2以降)で駆動回路10a、10bに同時タイミングにて制御電源を印加することで、ほぼ同時タイミングにて第1降圧チョッパ回路30及び第2降圧チョッパ回路31を起動させ、駆動回路10aにてLED電流検出信号とLED電流目標信号とを比較し、両者の差が小さくなる方向にスイッチング素子4aのデューティ比を制御して、定電流フィードバック制御を行う」ものである点。 (イ)判断 相違点6-7は、相違点6-1と実質的に同じ相違点であるから、相違点6-1について説示した上記イ(イ)と同様に、甲6-6発明において、相違点6-7に係る本件発明7の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおりであるから、本件発明7は、甲6-6発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ク 申立理由2-5のまとめ 以上のとおりであるから、本件発明1、2、4~7は、甲6に記載された発明及び他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえず、請求項1、2、4~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、申立理由2-5によっては、本件特許の請求項1、2、4~7に係る特許を取り消すことはできない。 (8)申立理由1-6及び2-6について(甲7を主引例とする新規性、進歩性) ア 甲7に記載された発明 (ア)甲7には、その記載から、次の発明(以下「甲7-3発明」という。)が記載されていると認められる。 「発光色の異なる複数の発光ダイオード(LEDアレイ621R,621G,621B)と、(【0050】) タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Routに基づいてLEDアレイ621Rの輝度を調整する制御回路610Rと、タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Goutに基づいてLEDアレイ621Gの輝度を調整する制御回路610Gと、タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Boutに基づいてLEDアレイ621Bの輝度を調整する制御回路610Bとを備え、(【0053】~【0056】) 発光色の異なる複数の発光ダイオード(LEDアレイ621R,621G,621B)を点灯させる装置である発光ダイオード点灯装置100であって、(【0050】) タイミングシャッフル回路104は、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutのハイレベル期間同士が重複する重複期間が周期毎に変化するように、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bのハイレベル期間をシフトさせる、(【0060】) 発光ダイオード点灯装置100。」 (イ)甲7には、その記載から、次の発明(以下「甲7-8発明」という。)が記載されていると認められる。 「発光色の異なる複数の発光ダイオード(LEDアレイ621R,621G,621B)と、【0050】) タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Routに基づいてLEDアレイ621Rの輝度を調整する制御回路610Rと、タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Goutに基づいてLEDアレイ621Gの輝度を調整する制御回路610Gと、タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Boutに基づいてLEDアレイ621Bの輝度を調整する制御回路610Bとを備え、(【0053】~【0056】) 発光色の異なる複数の発光ダイオード(LEDアレイ621R,621G,621B)を点灯させる装置である発光ダイオード点灯装置100であって、(【0050】) タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Routが“H”の期間においては、制御回路610Rが、スイッチ回路611Rをオンにするとともに、プルダウントランジスタ612Rをオフにすることにより、トランジスタ606Rに定電流が供給されてLEDアレイ621Rが点灯するものであり、(【0053】) タイミングシャッフル回路104は、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutのハイレベル期間同士が重複する重複期間が周期毎に変化するように、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bのハイレベル期間をシフトさせる、(【0060】) 発光ダイオード点灯装置100。」 イ 本件発明3について(申立理由1-6新規性、申立理由2-6進歩性) (ア)対比 本件発明3と甲7-3発明を対比する。 a 後者の「発光色の異なる複数の発光ダイオード(LEDアレイ621R,621G,621B)」は、前者の「複数色の光源」に相当する。 b 後者の「発光ダイオード点灯装置100」が「発光色の異なる複数の発光ダイオード(LEDアレイ621R,621G,621B)を点灯させる装置である」ことは、後者の「電源」が「前記光源へ電力を印加する」ものであることに相当するから、後者の「発光ダイオード点灯装置100」は、前者の「電源」に相当する。 c 後者の「制御回路610R」が「タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Routに基づいてLEDアレイ621Rの輝度を調整する」こと、「制御回路610G」が「タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Goutに基づいてLEDアレイ621Gの輝度を調整する」こと、「制御回路610B」が「タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Boutに基づいてLEDアレイ621Bの輝度を調整する」ことは、発光色の異なる複数の発光ダイオードの色毎に輝度を調整するために、それぞれに流す電流値を設定可能であることが明らかであるから、前者の「前記複数色の各色毎に前記光源の設定電流値を設定可能」であることに相当する。 d 後者の「発光ダイオード点灯装置100」は、照明装置として用いられるものであることが明らかであるから、前者の「照明装置」に相当するといえる。 e 後者の「タイミングシャッフル回路104は、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutのハイレベル期間同士が重複する重複期間が周期毎に変化するように、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bのハイレベル期間をシフトさせる」ことは、発光ダイオード点灯装置100の制御回路610Rと制御回路610Gと制御回路610Bが、LEDアレイ621RとLEDアレイ621GとLEDアレイ621Bに対して電力を印加するタイミングをシフトさせるものであるから、前者の「前記光源を起動したとき、前記電源は、前記各色の光源の前記設定電流値が大きいほど、当該光源に対して電力を印加する起動時刻を遅らせる」ことと、「前記電源は、前記各色の光源に対して電力を印加するタイミングを変える」ことの点で共通する。 f そうすると両者は、 「複数色の光源と、前記光源へ電力を印加する電源を備え、前記複数色の各色毎に前記光源の設定電流値を設定可能な照明装置であって、 前記電源は、前記各色の光源に対して電力を印加するタイミングを変える 照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点7-3> 本件発明3は、「前記光源を起動したとき、前記電源は、前記各色の光源の前記設定電流値が大きいほど、当該光源に対して電力を印加する起動時刻を遅らせる」ものであるのに対して、甲7-3発明は、「タイミングシャッフル回路104は、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutのハイレベル期間同士が重複する重複期間が周期毎に変化するように、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bのハイレベル期間をシフトさせる」ものである点。 (イ)判断 相違点7-3は、実質的な相違点であるから、本件発明3は、甲7-3発明ではない。 甲7-3発明は、「タイミングシャッフル回路104は、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutのハイレベル期間同士が重複する重複期間が周期毎に変化するように、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bのハイレベル期間をシフトさせる」ことにより、「発光ダイオード点灯装置100が発する照明に生じる色合いのずれを平均化して、当該ずれを軽減する。」(【0061】)ものであるから、「ハイレベル期間同士が重複する重複期間が周期毎に変化する」ことを廃し、相違点7-3に係る本件発明3の構成である「前記光源を起動したとき、前記電源は、前記各色の光源の前記設定電流値が大きいほど、当該光源に対して電力を印加する起動時刻を遅らせる」ように変更することの阻害事由がある。 そもそも甲7-3発明は、本件発明3のように「前記光源を起動したとき」に関する制御ではないし、「前記各色の光源の前記設定電流値が大きいほど」のように設定電流値の大きさに応じた制御でもないから、相違点7-3に係る本件発明3の構成のように変更することの動機付けがない。 したがって、甲7-3発明において、相違点7-3に係る本件発明3の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明3は、甲7-3発明ではなく、また、甲7-3発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 本件発明8について(申立理由1-6新規性、申立理由2-6進歩性) (ア)対比 本件発明8と甲7-8発明を対比すると、本件発明3と甲7-3発明を対比した上記イ(ア)と同様の相当関係を有すると共に、以下の相当関係を有する。 a 後者の「タイミングシャッフル回路104から出力されたPWM_Routが“H”の期間においては、制御回路610Rが、スイッチ回路611Rをオンにするとともに、プルダウントランジスタ612Rをオフにすることにより、トランジスタ606Rに定電流が供給されてLEDアレイ621Rが点灯する」ことは、制御回路610Rとスイッチ回路611Rとプルダウントランジスタ612Rとトランジスタ606Rで構成される回路が、LEDアレイ621Rに電力を出力する電源出力部を構成しているといえるものであり、LEDアレイ621Gと制御回路610G、LEDアレイ621Bと制御回路610Bについても同様である。 そうすると、後者の「制御回路610R」と「スイッチ回路611R」と「プルダウントランジスタ612R」と「トランジスタ606R」で構成される回路、及び「制御回路610G」と「制御回路610B」の同様の回路は、前者の「前記複数色の光源へそれぞれ電力を出力する複数の電源出力部」に相当するといえる。 b そうすると両者は、 「複数色の光源を備えた照明装置用の電源であって、 前記電源は、前記複数色の光源へそれぞれ電力を出力する複数の電源出力部を備え、 前記複数の電源出力部において、前記光源に対して電力を印加するタイミングを変える、 電源。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点7-8> 本件発明8は、「前記複数色の光源を起動したとき、前記複数の電源出力部において、設定電流値が大きい前記光源を駆動する前記電源出力部ほど、当該光源に対して電力を印加する起動時刻を遅らせる」ものであるのに対して、甲7-8発明は、「タイミングシャッフル回路104は、PWM_Rout、PWM_Gout、およびPWM_Boutのハイレベル期間同士が重複する重複期間が周期毎に変化するように、PWM_R、PWM_G、およびPWM_Bのハイレベル期間をシフトさせる」ものである点。 (イ)判断 相違点7-8は、相違点7-3と実質的に同じ相違点であるから、相違点7-3について説示した上記イ(イ)と同様に、相違点7-8は実質的な相違点であり本件発明8は甲7-8発明ではなく、甲7-8発明において、相違点7-8に係る本件発明8の構成とすることは、当業者が容易になし得たものといえない。 (ウ)小括 以上のとおり、本件発明8は、甲7-8発明ではなく、また、甲7-8発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 申立理由1-6及び2-6のまとめ 以上のとおりであるから、本件発明3及び8は、甲7に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではないし、本件発明3及び8は、甲7に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえず、請求項3及び8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 したがって、申立理由1-6及び2-6によっては、本件特許の請求項3及び8に係る特許を取り消すことはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 そして、他に本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700293

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