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特許異議申立

2023-700644

管理装置

審判番号
2023-700644
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-006361
登録番号
7192513
請求日
2023年06月19日
審決日
2024年02月27日
公報発行日
2024年06月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】三浦工業株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
  • 【異議申立人】黒崎 惇子
審判長/審判官
  • 審判長 三崎 仁
  • 審判官 松井 裕典
  • 審判官 金 公彦
分類
P1651.113-YAA(C02F) / P1651.121-YAA(C02F) / P1651.536-YAA(C02F) / P1651.537-YAA(C02F) / P1651.851-YAA(C02F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7192513号発明「管理装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7192513号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 特許第7192513号の請求項1~4に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7192513号の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成31年 1月17日を出願日とする出願であり、令和 4年12月12日にその特許権の設定登録がされ、同年同月20日に特許掲載公報が発行され、その後、令和 5年 6月19日に、その請求項1~4に係る特許を対象として、特許異議申立人黒崎惇子(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがなされ、同年 9月 5日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である令和 5年11月 9日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求があり、これに対し、同年12月21日に申立人より意見書の提出があったものである。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 上記令和 5年11月 9日に請求された訂正の請求(以下、この訂正を「本件訂正」という。)の趣旨は、本件特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを求めるものであって、その具体的な訂正事項である訂正事項1は次のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。) 特許請求の範囲の請求項1の 「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部と、 前記排水を処理する排水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部と、 前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部と、を備え、 前記排水装置は、複数設けられ、 前記排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理し、 前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得する、 管理装置。」 との記載を 「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部と、 前記排水を処理する排水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部と、 前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部と、を備え、 前記排水装置は、複数設けられ、 前記排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理し、 前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得し、 前記制御部は、 少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、 少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、 少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方 の少なくとも一つを制御する 管理装置。」 に訂正する。 (請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~4についても同様に訂正する。) 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の在否 (1)目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の在否 訂正事項1は、制御部が実行する処理の組み合わせについて、「少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つ」に限定する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、上記訂正は特許請求の範囲の減縮を行う訂正であるので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)新規事項の有無 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の明細書【0068】~【0070】に「制御部103は、排水データ取得部101により取得された排水データDA1及び処理データ取得部102により取得された処理データDA2の少なくとも一方に基づいて、ボイラ2を制御する第1制御処理及び排水処理装置3を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する。制御部103は、第1制御処理において、ボイラ2の運転状態を制御させる管理指令MD1を出力する。制御部103は、第2制御処理において、排水処理装置3の運転状態を制御させる管理指令MD2を出力する。・・・制御部103は、第1制御処理において、排水量Fd、排水タイミングPd、及び排水温度Tdの少なくとも一つを制御する管理指令MD1を出力する。・・・制御部103は、第2制御処理において、処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つを制御する管理指令MD2を出力する。」との記載が、【0146】に「管理装置10の排水データ取得部101は、複数のボイラ2から排水データDA1を取得する。制御部103は、複数のボイラ2のそれぞれの排水量Fd及び排水タイミングPdの一方又は両方を制御する。なお、制御部103は、複数のボイラ2のうち一部のボイラ2の排水量Fd及び排水タイミングPdの一方又は両方を制御してもよい。」との記載があることから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 3 小括 本件訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項〔1~4〕について訂正することを求めるものであるところ、上記2に記載のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものに該当し、且つ、同条第9項において読み替えて準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものであるから、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正は容認し得るものであるから、異議申立ての対象である本件訂正後の請求項1~4に係る発明(以下、各請求項に係る発明及び特許を項番に対応させて「本件発明1」、「本件特許1」などといい、併せて「本件発明」、「本件特許」ということがある。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部と、 前記排水を処理する排水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部と、 前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部と、を備え、 前記排水装置は、複数設けられ、 前記排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理し、 前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得し、 前記制御部は、 少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、 少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、 少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方 の少なくとも一つを制御する 管理装置。 【請求項2】 前記制御部は、前記第1制御処理において、前記排水装置の排水量、排水タイミング、及び排水温度の少なくとも一つを制御する、 請求項1に記載の管理装置。 【請求項3】 前記制御部は、前記第2制御処理において、前記排水処理装置の処理能力、及び処理タイミングの少なくとも一つを制御する、 請求項1又は請求項2に記載の管理装置。 【請求項4】 前記制御部は、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方を制御する、 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の管理装置。」 第4 特許異議の申立て理由の概要、及び、令和 5年 9月 5日付けで通知した取消理由 1 特許異議の申立理由の概要 (1)特許法第29条第1項第3号所定の規定違反(新規性欠如)(申立理由1) ア 訂正前の請求項1~4に係る発明は、下記に記載の甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、その特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 イ 訂正前の請求項1~4に係る発明は、下記に記載の甲第2号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、その特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 (2)特許法第29条第2項所定の規定違反(進歩性欠如)(申立理由2) ア 訂正前の請求項1~4に係る発明は、下記に記載の甲第1号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 イ 訂正前の請求項1~4に係る発明は、下記に記載の甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 ウ 訂正前の請求項1~4に係る発明は、下記に記載の甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証に記載される技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (3)特許法第36条第4項第1号所定の規定違反(実施可能要件違反)(申立理由3) 訂正前の請求項1~4に係る発明は、後記第5の2(1)の点で発明の詳細な説明の記載が不備のため、その特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (4)特許法第36条第6項第1号所定の規定違反(サポート要件違反)(申立理由4) 訂正前の請求項1~4に係る発明は、後記第5の3(1)アの点で特許請求の範囲の記載が不備のため、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 2 令和 5年 9月 5日付けで通知した取消理由 (1)特許法第36条第6項第1号所定の規定違反(サポート要件違反)(取消理由1) 訂正前の請求項1~4に係る発明は、後記第5の3(1)イの点で特許請求の範囲の記載が不備のため、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 甲第1号証:特開2001-269868号公報 甲第2号証:特開平10-50655号公報 甲第3号証:特開2006-192386号公報 甲第4号証:特開2018-35962号公報 (以下、甲第1号証を略して、「甲1」などという。) 第5 当審の判断 当審は、申立理由1~4及び取消理由1のいずれにも理由がないと判断する。 以下、その理由について詳述する。 1 申立理由1(新規性欠如)及び申立理由2(進歩性欠如)について (1)甲1~4に記載の事項(「・・・」は省略を表す。下線は当審にて付与した。) ア 甲1に記載の事項 (ア)「【請求項1】 純水を使用する純水使用装置から排出される純水を回収・再生し、再生した純水を純水使用装置に供給する純水回収・再生・供給装置であって、 純水再生装置を具備し、同一の工程で使用する純水使用装置から排出される純水を回収し、該回収した純水を前記純水再生装置で不純物を除去して再生し、該再生した純水を再生純水供給ラインを通して前記同一の工程で使用する純水使用装置に供給するように構成したことを特徴とする純水回収・再生・供給装置。 ・・・ 【請求項4】 請求項1に記載の純水回収・再生・供給装置において、 前記純水使用装置から排出される純水を回収する回収ラインと排水する排水ラインに切り替えて流す切替バルブを具備し、該純水使用装置から排出される純水の状態により、該純水を前記回収ラインと排水ラインに振り分けるように構成したことを特徴とする純水回収・再生・供給装置。」 (イ)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は半導体ウエハ等の基板を研磨する研磨装置等、純水を使用する純水使用装置から排出される純水を回収再生し、再生した純水を純水使用装置に供給する純水回収・再生・供給装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】半導体デバイス製造工場では大量の純水を使用している。純水の製造には費用がかかり、使用済みの純水を排水として捨てたのではコストが嵩むので、コスト削減のため、従来から純水を使用する装置から排出された純水を回収し、再生し、再利用するための純水回収・再生設備がある。この従来の純水回収・再生設備は、全工場の全製造工程で使用される装置から排出される純水を集約して一括処理し、再生しているため下記のような問題があった。 【0003】・異なる製造工程からの排水と混合する結果、排水に含まれている不純物が影響して副生成物が発生することがある。 ・酸やアルカリ等の種々の排液が混入するため、回収した純水の処理、再生に多くの工程を必要とする。 ・回収と再生を別装置で行うなど、処理設備の規模が大きくなる。 【0004】また、従来の回収・再生設備では、再生した再生純水は共通の供給ラインを通して各装置に供給している。そのため、回収・再生設備から各装置毎に圧力をコントロールして再生純水を供給できないという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、純水を使用する純水使用装置から回収した純水の再生処理工程が簡単で、且つ再生純水供給ライン毎に独立して圧力をコントロールして再生純水を純水使用装置に供給できる純水回収・再生・供給装置を提供することを目的とする。」 (ウ)「【0015】図1は本発明に係る純水回収・再生・供給装置の構成例を示す図である。本純水回収・再生・供給装置は半導体ウエハ等の基板に形成されたCu、W、SiO2等の膜を研磨する半導体製造工程に関するものであり同一の膜種を研磨する工程の研磨装置から排出される純水を回収し、再生して、純水を回収した装置と同一の膜種を研磨する研磨装置に供給するものである。図1において、10、20はそれぞれ半導体ウエハ等の基板を研磨する研磨装置(CMP装置)である。研磨装置10は2つの基板研磨機構11、14と、2つの基板洗浄機構12、15、2つの基板洗浄乾燥機構13、16を具備し、研磨装置20は2つの基板研磨機構21、24と、2つの基板洗浄機構22、25、2つの基板洗浄乾燥機構23、26を具備する。 【0016】研磨装置10の基板研磨機構11、基板洗浄機構12及び基板洗浄乾燥機構13と、研磨装置20の基板研磨機構21、基板洗浄機構22及び基板洗浄乾燥機構23とは同一の同じ膜種を処理する製造工程Pr1に属し、該同一の製造工程Pr1に属する基板研磨機構11、21、基板洗浄機構12、22及び基板洗浄乾燥機構13、23から排出される純水は回収ライン30を通して、純水回収再生装置34に回収される。研磨装置10、20から排出される純水を回収ライン30と排水ライン31に振り分ける切替バルブVaが設けられている。 【0017】研磨する膜種によって再生に適さない固形物や酸・アルカリを含む研磨薬液等の異物の混入した純水が排出される場合は、その排出された純水を切替バルブVaで排水ライン31に導き系外へ排出する。再生に適さない回収水が回収された場合は回収装置内で酸とアルカリで中和反応が起き塩が生成されたり、固形物によって装置のメンテナンス頻度が増したりする。また、添加剤等の薬液の混入によっては研磨レートに影響をおよぼすものもある。 【0018】再生に適した純水は、切替バルブVaから純水回収再生装置34に導かれる。再生に適した純水は回収ライン30中に設けられたセンサS1、S2、S3で検知される。センサS1、S2、S3は光学式の濁度計、pH計、粒子カウンタ等を用いている。該純水回収再生装置34では回収した純水から不純物を除去する等の再生処理を行い、再生した純水を独立した再生純水供給ライン32、再生純水供給ライン33を介して研磨装置10の基板研磨機構11、研磨装置20の基板研磨機構21にそれぞれ供給している。」 (エ)「【0025】図4は純水回収再生装置34の構成例を示す図である。純水回収再生装置34は1次タンク40を有し、該1次タンク40には回収ライン30を介して研磨装置10及び20から排出された純水が自然流下により回収されるようになっている。1次タンク40にはpH値を検出するpHセンサ41、水位センサ42(低水位検出用)、水位センサ43(高水位検出用)、水位センサ44(超高水位検出用)及び排水ライン45が設けられている。 【0026】50は循環用ポンプ、51はフィルタ、52は紫外線照射機、53は不純物センサ、54は背圧弁であり、これら循環用ポンプ50、フィルタ51、紫外線照射機52、不純物センサ53及び背圧弁54は循環ライン55で接続され、1次タンク40の回収純水W2が循環する循環濾過系を構成する。フィルタ51の上流側と下流側の循環ライン55には圧力計56、57が接続され、フィルタ51の流入側と流出側の圧力差を検出することができるようになっている。 【0027】上記フィルタ51で不純物が除去された純水は再生純水ライン58を通って再生純水タンク59に送られるようになっている。再生純水ライン58には圧力計60及び逆洗ライン62が接続され、流量計61が挿入接続されている。 ・・・ 【0030】また、この循環する回収純水W2中の不純物濃度を不純物センサ53で監視し、該不純物濃度が所定値を越えた場合、弁V1を開き弁V2を閉じて排水ライン46を通して排水する。なお、不純物センサ53は純水の比抵抗を測定する比抵抗計や純水中のパーティクルをカウントするパーティクルカウンタで構成する。」 (オ)「【図1】 [図:0001411312000001.jpg] 」 (カ)「【図4】 [図:0001411312000002.jpg] 」 イ 甲2に記載の事項 (ア)「【請求項1】 複数の半導体装置の製造装置より排出される排水を流す複数の枝配管と、これらの枝配管からの排水を集めて回収水槽に導入する主配管と、最下流の前記枝配管の接続部より下流側の前記主配管に接続され排水を排水処理装置へ送る転送配管と、前記主配管と前記転送配管との接続部の上流側に設けられ排水の汚染度を検出するセンサと、前記転送配管の接続部に設けられ前記センサからの信号により排水の流れを切り替える切替弁とを含むことを特徴とする回収排水の転送装置。」 (イ)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造工場、特に超純水(以下単に純水という)を大量に使用する半導体装置の製造装置にて使用された水を、再度純水に精製する超純水再生工程か、又は処理後放流する排水処理工程へ転送する為の回収排水の転送装置および転送方法に関するものである。 ・・・ 【0003】 【発明が解決しようとする課題】・・・従って、複数の製造装置のうち1台でも(この場合装置1Bが該当する)不純物を多く含む排水を排出すると、回収水槽全体の水質を悪化させ、他の装置(この場合装置1A,1C…が該当する)からの排水も含めて排水処理工程へ転送されてしまい、再利用率が低下してしまうという問題点がある。 ・・・ 【0006】本発明の目的は、半導体装置の製造工程で用いられる純水の再利用率を高めることのできる回収排水の転送装置及び転送方法を提供することにある。」 (ウ)「【0022】図4を参照すると、複数の製造装置a,b,cは下流側にセンサ6aと連動して作動する切替弁7aを有する枝配管2Aに接続されており、この切替弁7aには転送配管5Bが接続され排水を排水処理工程へ送るように構成されている。製造装置d,e,f及びg,h,iも同様にセンサ6b,6cと連動する切替弁7b,7c及び転送配管5Bが接続された枝配管2B及び2Cにそれぞれ接続されている。そしてこれらの枝配管2A~2Cは第2の実施の形態と同様に、複数のセンサ6A~6Cと切替弁7を有する主配管3に接続されている。 【0023】このように構成された第3の実施の形態によれば、汚染水を排出する多くの製造装置a~iの接続された枝配管、2A~2Cにおいて、各センサ6a~6cで排水の回収が不可と判断された場合は切替弁7a~7cにより流路を転送配管5Bに切替え、排水を排水処理工程へ流すようできる。従って汚染水が主配管3に流出される割合が少なくなる為、回収水槽4に送られる排水の再利用率を高めることができる。尚、回収水槽4中の回収水8の水質が基準値より低い場合は、従来例と同様に、切替弁7Aにより排水処理工程へ送くことができるように構成されている。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、枝配管より排水を集める主配管の下流部にセンサと切替弁を設け、センサにより排水の汚染度を検出してその信号により切替弁を制御することにより、汚染度の高い排水を直接転送配管により排水処理工程へ送り、汚染度の低い排水のみを回収水槽に集めることができる為、排水の回収率を大幅に向上させることができる。 【0025】更に各枝配管の接続部近傍にセンサを設けることにより、汚染された排水を流す製造装置を特定できる為、排水の回収率を向上させることができると共に、製造装置のトラブル等の対応も迅速に実施できる。」 (エ)「【図4】 [図:0001411312000003.jpg] 」 ウ 甲3に記載の事項 (ア)「【請求項1】 複数台のボイラから供給されるボイラ排ガスのボイラ排水への吸引混合手段を備えた中和装置であって、 前記各ボイラから前記吸引混合手段へのボイラ排ガスの排ガス供給経路ごとに、それぞれ排ガス安定供給バルブを設けたことを特徴とする中和装置。 【請求項2】 前記各排ガス安定供給バルブは、対応する前記各ボイラのボイラ燃料供給バルブの作動信号に基づいてそれぞれ作動することを特徴とする請求項1に記載の中和装置。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 この発明は、アルカリ性のボイラ排水をボイラ排ガスにより中和する装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 給水を加熱して蒸気を発生させる蒸気ボイラ缶体内の缶水は、給水中に含まれている炭酸水素イオンや炭酸イオンが熱分解して水酸化物イオンが生成し、この水酸化物イオンの濃縮により次第にアルカリ性が強くなる。また、前記蒸気ボイラの運転を続けると、缶水が過度に濃縮してキャリーオーバーなどの不都合が生じるため、適正な缶水濃度を維持するように、定期的に所定割合の缶水を前記蒸気ボイラから排出する必要がある。この操作は、通常、濃縮ブローと呼ばれている。さらに、前記蒸気ボイラを所定時間稼働させた後には、前記缶体の底部に沈殿したいわゆる釜泥(スラッジ)を除去するため、缶水を全て排出しながら洗い流す必要がある。この操作は、通常、全ブローと呼ばれている。 【0003】 前記のような濃縮ブローや全ブローによるボイラ排水を放流する際には、条例などで定められた排水基準に適合するように、冷却や中和といった排水処理を行う必要がある。ボイラ排水の中和方法としては、たとえば塩酸等の酸性薬品をボイラ排水へ添加する方法があるが、この方法は、薬品の取扱いが危険である。一方、薬品を用いない中和方法としては、炭酸ガスをボイラ排水へ混合する方法があるが、この方法は、一般に炭酸ガスをボンベから供給するため、ボンベの残量確認や交換など管理が煩雑になりやすい。 【0004】 そこで、炭酸ガスをボンベから供給する代わりに、ボイラ排ガスに含まれる炭酸ガスを利用し、中和を行う中和装置が特許文献1に開示されている。この中和装置では、前記蒸気ボイラからのボイラ排ガスをポンプで吸引してボイラ排水へ混合している。 ・・・ 【0005】 ここで、前記蒸気ボイラが複数台設置されている場合においては、常に全てが運転状態にあるとは限らない。前記各蒸気ボイラのうち、燃焼中と停止中のものが存在する場合、前記ポンプは、燃焼中の蒸気ボイラからは、ボイラ排ガスを吸引するものの、停止中の蒸気ボイラからは、ボイラ排ガスの代わりにエアを吸引する。このため、前記各蒸気ボイラの運転状態により、前記ポンプによって吸引されるボイラ排ガス中の炭酸ガス濃度が変動し、ボイラ排水の中和を安定して行うことが困難であった。 【0006】 この発明が解決しようとする課題は、安定したボイラ排水の中和を行うことができる中和装置を実現することにある。」 (イ)「【0020】 以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は、この発明を実施する中和装置の構成を示す概略的な説明図である。 図1において、中和装置1は、3台の蒸気ボイラ2,3,4からのアルカリ性のブロー排水(以下、「ボイラ排水」と云う。)をボイラ排ガスに含まれる炭酸ガスにより中和し、排水基準に適合した処理水として排出するものである。 【0021】 前記中和装置1は、前記各蒸気ボイラ2,3,4からそれぞれボイラ排水を供給する排水経路5と、ボイラ排水の貯留槽6とを備えている。さらに、前記中和装置1は、前記各蒸気ボイラ2,3,4からそれぞれ中和に使用するボイラ排ガスを供給する排ガス供給経路7,8,9を備えている。すなわち、前記排ガス供給経路7は、前記蒸気ボイラ2からボイラ排ガスを供給し、また前記排ガス供給経路8は、前記蒸気ボイラ3からボイラ排ガスを供給し、さらに前記排ガス供給経路9は、前記蒸気ボイラ4からボイラ排ガスを供給するものである。 【0022】 前記各蒸気ボイラ2,3,4は、それぞれ燃料を燃焼させた排ガスを屋外へ排出する排気筒10を備えている。そして、これらの各排気筒10には、排ガスの一部を取り出すように、前記各排ガス供給経路7,8,9がそれぞれ接続されている。また、前記各排ガス供給経路7,8,9は、下流側で合流経路(符号省略)を形成し、この合流経路が後述するエゼクタに接続されている。 【0023】 前記各排ガス供給経路7,8,9には、それぞれ排ガス安定供給バルブ11,12,13が設けられている。これらの排ガス安定供給バルブ11,12,13は、前記各蒸気ボイラ2,3,4の運転状態に応じて開閉制御される。具体的には、前記各排ガス安定供給バルブ11,12,13は、対応する前記各蒸気ボイラ2,3,4が燃焼中のとき、開状態となり、また停止中のとき、閉状態となる。ここにおいて、前記各蒸気ボイラ2,3,4の燃焼と停止は、これらに備えられたボイラ燃料供給バルブ(図示省略)の作動信号に基づいて判別される。すなわち、前記各ボイラ燃料供給バルブのいずれかを開状態とする作動信号のとき、前記各排ガス安定供給バルブ11,12,13のうち、対応するいずれかが開状態となるように制御する。一方、前記各ボイラ燃料供給バルブのいずれかを閉状態とする作動信号のとき、前記各排ガス安定供給バルブ11,12,13のうち、対応するいずれかが閉状態となるように制御する。 【0024】 前記貯留槽6には、貯留されたボイラ排水を循環させる循環経路14の両端部がそれぞれ接続されており、この循環経路14には、上流側から順に循環ポンプ15,冷却手段16,エゼクタ17がそれぞれ直列配置されている。 ・・・ 【0028】 前記貯留槽6には、貯留されたボイラ排水の水温およびpHを検出するための温度センサ29とpHセンサ30とがそれぞれ設けられている。また、前記貯留槽6の底部には、中和および冷却されたボイラ排水,すなわち処理水を系外へ排出する処理水排出経路31が接続されており、この処理水排出経路31には排出バルブ32が設けられている。 ・・・ 【0030】 つぎに、前記中和装置1の作用について説明する。前記各蒸気ボイラ2,3,4からのボイラ排水は、前記排水経路5を介して前記貯留槽6内に貯留される。この貯留されたボイラ排水は、前記制御部の指令に基づく前記循環ポンプ15の駆動により、前記循環経路14を循環する。そして、ボイラ排水は、前記循環経路14において、冷却されるとともに中和される。 ・・・ 【0033】 ところで、この実施例では、前記温度センサ29で検出されたボイラ排水の水温に基づき、前記冷却手段16による冷却を前記制御部で制御している。また、前記pHセンサ30で検出されたボイラ排水のpHに基づき、前記エゼクタ17(すなわち、前記吸引混合手段)による中和を前記制御部で制御している。 【0034】 まず、前記冷却手段16による冷却の制御について具体的に説明する。前記温度センサ29で検出されるボイラ排水の水温が、排水基準で定められた所定値を超えているとき、前記制御部は、前記冷却水供給バルブ23を開状態とする。この結果、前記冷却手段16へは、前記冷却水供給経路22を介して冷却水が供給され、ボイラ排水が継続的に冷却される。一方、前記温度センサ29で検出されるボイラ排水の水温が、排水基準で定められた所定値以下になったとき、前記制御部は、前記冷却水供給バルブ23を閉状態とする。この結果、前記冷却手段16に対する冷却水の供給が遮断され、ボイラ排水の冷却が停止される。 【0035】 つぎに、前記エゼクタ17による中和の制御について具体的に説明する。前記pHセンサ30で検出されるボイラ排水のpHが、排水基準で定められた所定値を超えているとき、前記制御部は、前記排ガス供給バルブ27を開状態とするとともに、前記エアバルブ28を閉状態とする。この結果、前記エゼクタ17が前記各排ガス供給経路7,8,9を介してボイラ排ガスを吸引可能となり、ボイラ排水が継続的に中和される。一方、前記pHセンサ30で検出されるボイラ排水のpHが、排水基準で定められた所定値以下になったとき、前記制御部は、前記排ガス供給バルブ27を閉状態とするとともに、前記エアバルブ28を開状態とする。この結果、前記エゼクタ17へは外気が吸引され、ボイラ排水の中和が停止される。このように、ボイラ排ガスを供給しないときに、外気を吸入させると、前記エゼクタ17内で発生する圧力変動に起因する振動が抑制される。 【0036】 以上のように、前記貯留槽6内のボイラ排水が前記循環経路14を循環しながら、排水基準で定められた水温とpHになるまで、冷却の制御と中和の制御がそれぞれ個別に行われる。そして、前記貯留槽6内のボイラ排水が排水基準に適合した水温とpHになったとき、前記制御部は、前記排出バルブ32を開状態にし、前記処理水排出経路31を介してボイラ排水を系外へ排出する。」 (ウ)「【図1】 [図:0001411312000004.jpg] 」 エ 甲4に記載の事項 (ア)「【0001】 本発明は、ボイラの水管内に発生するスラッジなどを排出するため、定期的にボイラ底部からボイラ水を全て排出する全ブローを実施しており、ボイラ内から排出したブロー水は中和装置にて中和処理後に系外へ排出するようにしている全ブロー実施ボイラに関するものである。 ・・・ 【0007】 本発明が解決しようとする課題は、ブロー水タンクの大型化を防ぎつつ中和装置に高温の全ブロー水が送られることを防止することのできる全ブロー実施ボイラを提供することにある。」 (イ)「【0016】 このボイラは、一方から水を供給し、他方からは蒸気のみを取り出すものであるため、ボイラ給水中に含まれていた不純物はボイラ内部で濃縮する。そのため、ボイラ水が過濃縮することを防止するための濃縮ブローを行っており、さらにボイラ水中に含まれている溶解固形物が濃縮することで缶底部に堆積するスラッジを排出するための全ブローを行う。 【0017】 最も濃縮しているボイラ水は、気水分離器で分離したボイラ水であるため、気水分離器8に濃縮ブロー配管9を接続し、濃縮ブロー配管9には濃縮水ブロー弁3を設置しておく。ボイラ水の水質を検出するセンサーによってのボイラ水の濃縮度算出や、ボイラ給水の水質と給水量から演算することによってのボイラ水の濃縮度算出を行い、一定度の濃縮を維持するように濃縮ブローを実施する。濃縮ブローを実施する場合には濃縮水ブロー弁3を開き、濃縮ブロー水は濃縮ブロー配管9を通じて排出する。 【0018】 全ブローはボイラの缶底部から排出する。缶底部からのスラッジを排出する全ブロー配管10は、ボイラ1の底部に接続しておき、全ブロー配管10の途中に全ブロー弁2を設置しておく。全ブロー弁2を開くと全ブロー配管10を通してボイラ水が排出される。 【0019】 ボイラ水は薬品を注入して高いアルカリ性に調節しているため、排水規制に対応する必要がある場合には中和することが必要であり、その場合には中和装置5を設置しておく。中和装置5としては、炭酸ガスボンベから供給する炭酸ガスとアルカリ性のブロー水をミキサーによって混合することによって中和するものが知られている。濃縮ブロー配管9と全ブロー配管10は中和装置5に接続しておき、濃縮ブロー配管9からの濃縮ブロー水と、全ブロー配管10からの全ブロー水は、中和装置5に送るようにしておく。 【0020】 ボイラの運転制御は運転制御装置11によって行う。運転制御装置11は水位検出装置12、給水ポンプ13、薬注ポンプ4、濃縮水ブロー弁3、全ブロー弁2、燃焼装置7などと接続しており、全ブロー弁2など各機器の作動を制御する。濃縮ブローはボイラでの燃焼を行いながら実施するが、ボイラ水を全て排出する全ブローの場合はボイラの燃焼運転を停止しなければ行えないため、一般的には1日の操業が終わった後など、運転の必要が無くなってから行う。 【0021】 また、図3に記載しているように複数台のボイラを並列に設置している多缶設置としておいて、燃焼の必要がない予備缶を設置している場合には、全ブロー時期となったボイラを台数制御の対象から外すことで、すぐに全ブローを実施させるようにしてもよい。図3の場合、3台のボイラ1と、各ボイラに対して燃焼指令の出力を行う台数制御装置14を設置しておき、台数制御装置14は各ボイラで発生した蒸気を集合させる蒸気ヘッダにおける蒸気圧力値に基づいて各ボイラの燃焼量を決定し、各ボイラに対して必要な燃焼量の燃焼指令を出力するようにしている。この場合、燃焼を行う台数制御対象ボイラは2台とし、1台は予備缶として台数制御対象ボイラから外しておくとしていれば、全ブロー時期になったボイラは台数制御対象から外して予備缶とし、それまで予備缶としていたボイラを台数制御対象ボイラとして燃焼運転をさせる。このようにすることで全ブロー時期となったボイラはすぐに全ブローを行うことができる。」 (ウ)「【図3】 [図:0001411312000005.jpg] 」 (2)甲1~3に記載された発明 ア 甲1に記載された発明 (ア)甲1には、請求項1を引用する請求項4として、以下の純水回収・再生・供給装置が記載されている。 「純水を使用する純水使用装置から排出される純水を回収・再生し、再生した純水を純水使用装置に供給する純水回収・再生・供給装置であって、 純水再生装置を具備し、同一の工程で使用する純水使用装置から排出される純水を回収し、該回収した純水を前記純水再生装置で不純物を除去して再生し、該再生した純水を再生純水供給ラインを通して前記同一の工程で使用する純水使用装置に供給するように構成し、 前記純水使用装置から排出される純水を回収する回収ラインと排水する排水ラインに切り替えて流す切替バルブを具備し、該純水使用装置から排出される純水の状態により、該純水を前記回収ラインと排水ラインに振り分けるように構成したことを特徴とする純水回収・再生・供給装置」 (イ)上記(1)ア(ウ)に摘記した【0018】には「再生に適した純水は、切替バルブVaから純水回収再生装置34に導かれる。再生に適した純水は回収ライン30中に設けられたセンサS1、S2、S3で検知される。センサS1、S2、S3は光学式の濁度計、pH計、粒子カウンタ等を用いている。」との記載があることから、上記(ア)の「純水の状態」は、具体的には、「光学式の濁度計、pH計、粒子カウンタ等」からなる「センサS1、S2、S3」で計測していることがわかる。 (ウ)上記(1)ア(エ)で摘記した【0025】の「図4は純水回収再生装置34の構成例を示す図である。純水回収再生装置34は1次タンク40を有し、該1次タンク40には回収ライン30を介して研磨装置10及び20から排出された純水が自然流下により回収されるようになっている。1次タンク40にはpH値を検出するpHセンサ41、水位センサ42(低水位検出用)、水位センサ43(高水位検出用)、水位センサ44(超高水位検出用)及び排水ライン45が設けられている。」との記載、【0026】の「50は循環用ポンプ、51はフィルタ、52は紫外線照射機、53は不純物センサ、54は背圧弁であり、これら循環用ポンプ50、フィルタ51、紫外線照射機52、不純物センサ53及び背圧弁54は循環ライン55で接続され、1次タンク40の回収純水W2が循環する循環濾過系を構成する。」との記載、【0027】の「上記フィルタ51で不純物が除去された純水は再生純水ライン58を通って再生純水タンク59に送られるようになっている。」との記載、【0030】の「この循環する回収純水W2中の不純物濃度を不純物センサ53で監視し、該不純物濃度が所定値を越えた場合、弁V1を開き弁V2を閉じて排水ライン46を通して排水する。」との記載からは、上記(ア)の「純水再生装置」が、「回収ライン30を介して研磨装置10及び20から排出された純水が自然流下により回収される」「1次タンク40」と、「1次タンク40に」設けられる「pH値を検出するpHセンサ41、水位センサ42(低水位検出用)、水位センサ43(高水位検出用)、水位センサ44(超高水位検出用)及び排水ライン45」と、「循環用ポンプ」と、「フィルタ」と、「紫外線照射機」と、「不純物センサ」と、「背圧弁」と、を備え、「1次タンク40の回収純水W2」が「循環用ポンプ」、「フィルタ」、「紫外線照射機」、「不純物センサ」、「背圧弁」を「循環」し、「フィルタ51で不純物が除去された純水は再生純水ライン58を通って再生純水タンク59に送られ」、「この循環する回収純水W2中の不純物濃度を不純物センサ53で監視し、該不純物濃度が所定値を越えた場合、弁V1を開き弁V2を閉じて排水ライン46を通して排水する」構成を備えることがわかる。 (エ)上記(1)ア(ウ)で摘記した【0015】の「本純水回収・再生・供給装置は半導体ウエハ等の基板に形成されたCu、W、SiO2等の膜を研磨する半導体製造工程に関するものであり同一の膜種を研磨する工程の研磨装置から排出される純水を回収し、再生して、純水を回収した装置と同一の膜種を研磨する研磨装置に供給するものである。図1において、10、20はそれぞれ半導体ウエハ等の基板を研磨する研磨装置(CMP装置)である。研磨装置10は2つの基板研磨機構11、14と、2つの基板洗浄機構12、15、2つの基板洗浄乾燥機構13、16を具備し、研磨装置20は2つの基板研磨機構21、24と、2つの基板洗浄機構22、25、2つの基板洗浄乾燥機構23、26を具備する。」との記載、及び、【0016】の「研磨装置10の基板研磨機構11、基板洗浄機構12及び基板洗浄乾燥機構13と、研磨装置20の基板研磨機構21、基板洗浄機構22及び基板洗浄乾燥機構23とは同一の同じ膜種を処理する製造工程Pr1に属し、該同一の製造工程Pr1に属する基板研磨機構11、21、基板洗浄機構12、22及び基板洗浄乾燥機構13、23から排出される純水は回収ライン30を通して、純水回収再生装置34に回収される。」との記載からは、上記(ア)の「純水を使用する純水使用装置」が、複数設けられ(基板研磨機構11、14と、基板洗浄機構12、15、基板洗浄乾燥機構13、16)、複数の「純水使用装置」から「排出される純水」が「回収ライン30を通して、純水回収再生装置34に回収される」ことがわかる。ここでいう「純水回収再生装置34」は、請求項4の「純水再生装置」に対応するものである。 (オ)上記(ア)~(エ)を踏まえると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「純水を使用する純水使用装置から排出される純水を回収・再生し、再生した純水を純水使用装置に供給する純水回収・再生・供給装置であって、 純水再生装置を具備し、同一の工程で使用する純水使用装置から排出される純水を回収し、該回収した純水を前記純水再生装置で不純物を除去して再生し、該再生した純水を再生純水供給ラインを通して前記同一の工程で使用する純水使用装置に供給するように構成し、 前記純水使用装置から排出される純水を回収する回収ラインと排水する排水ラインに切り替えて流す切替バルブを具備し、該純水使用装置から排出される純水の状態により、該純水を前記回収ラインと排水ラインに振り分け、 前記純水の状態は、光学式の濁度計、pH計、粒子カウンタ等からなるセンサS1、S2、S3で計測し、 前記純水再生装置は、回収ラインを介して研磨装置から排出された純水が自然流下により回収される1次タンクと、1次タンクに設けられるpH値を検出するpHセンサ、水位センサ(低水位検出用)、水位センサ(高水位検出用)、水位センサ(超高水位検出用)及び排水ラインと、循環用ポンプと、フィルタと、紫外線照射機と、不純物センサと、背圧弁と、を備え、前記1次タンクの回収純水が循環用ポンプ、フィルタ、紫外線照射機、不純物センサ、背圧弁を循環し、フィルタで不純物が除去された純水は再生純水ラインを通って再生純水タンクに送られ、この循環する回収純水中の不純物濃度を不純物センサで監視し、該不純物濃度が所定値を越えた場合、弁V1を開き弁V2を閉じて排水ラインを通して排水し、 前記純水使用装置が複数設けられ、複数の純水使用装置から排出される純水が回収ラインを通して、純水再生装置に回収される、 純水回収・再生・供給装置。」 イ 甲2に記載された発明 (ア)甲2には、請求項1として、以下の回収排水の転送装置が記載されている。 「複数の半導体装置の製造装置より排出される排水を流す複数の枝配管と、これらの枝配管からの排水を集めて回収水槽に導入する主配管と、最下流の前記枝配管の接続部より下流側の前記主配管に接続され排水を排水処理装置へ送る転送配管と、前記主配管と前記転送配管との接続部の上流側に設けられ排水の汚染度を検出するセンサと、前記転送配管の接続部に設けられ前記センサからの信号により排水の流れを切り替える切替弁とを含むことを特徴とする回収排水の転送装置。」 (イ)上記(ア)の「回収水槽」に関し、甲2の【図4】からは、回収水槽4内の回収水8が再生工程へと送水されることが看取できる。 【図4】 [図:0001411312000006.jpg] (ウ)上記(ア)の「枝配管」に関し、上記(1)イ(ウ)で摘記した【0022】には「図4を参照すると、複数の製造装置a,b,cは下流側にセンサ6aと連動して作動する切替弁7aを有する枝配管2Aに接続されており、この切替弁7aには転送配管5Bが接続され排水を排水処理工程へ送るように構成されている。製造装置d,e,f及びg,h,iも同様にセンサ6b,6cと連動する切替弁7b,7c及び転送配管5Bが接続された枝配管2B及び2Cにそれぞれ接続されている。」との記載が、続く【0023】には「汚染水を排出する多くの製造装置a~iの接続された枝配管、2A~2Cにおいて、各センサ6a~6cで排水の回収が不可と判断された場合は切替弁7a~7cにより流路を転送配管5Bに切替え、排水を排水処理工程へ流すようできる。従って汚染水が主配管3に流出される割合が少なくなる為、回収水槽4に送られる排水の再利用率を高めることができる。」との記載があることから、「複数の枝配管」2A~2Cには、「排水」の「汚染」を検出する「センサ6a~6c」が設けられ、「各センサ6a~6cで排水の回収が不可と判断された場合は切替弁7a~7cにより流路を転送配管5Bに切替え、排水を排水処理工程へ流す」制御が行なわれていることがわかる。 (エ)上記(ア)~(ウ)を踏まえると、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されているといえる。 「複数の半導体装置の製造装置より排出される排水を流す複数の枝配管と、これらの枝配管からの排水を集めて回収水槽に導入する主配管と、最下流の前記枝配管の接続部より下流側の前記主配管に接続され排水を排水処理装置へ送る転送配管と、前記主配管と前記転送配管との接続部の上流側に設けられ排水の汚染度を検出するセンサと、前記転送配管の接続部に設けられ前記センサからの信号により排水の流れを切り替える切替弁とを含み、 前記回収水槽内の回収水が再生工程へと送水され 複数の前記枝配管には、排水の汚染を検出するセンサ6a~6cが設けられ、各センサ6a~6cで排水の回収が不可と判断された場合は切替弁により流路を転送配管に切替え、排水を排水処理工程へ流す、 回収排水の転送装置。」 ウ 甲3に記載された発明 (ア)上記(1)ウ(イ)で摘記した【0020】には、実施例として、「中和装置1」及び「3台の蒸気ボイラ2,3,4」が記載されている。 (イ)上記(ア)の「中和装置1」に関し、上記(1)ウ(イ)で摘記した【0021】には「各蒸気ボイラ2,3,4からそれぞれボイラ排水を供給する排水経路5と、ボイラ排水の貯留槽6とを備え」、「各蒸気ボイラ2,3,4からそれぞれ中和に使用するボイラ排ガスを供給する排ガス供給経路7,8,9を備え」る点が記載されている。 (ウ)上記(イ)の「貯留槽6」に関し、上記(1)ウ(イ)で摘記した【0024】には「貯留槽6には、貯留されたボイラ排水を循環させる循環経路14の両端部がそれぞれ接続されており、この循環経路14には、上流側から順に循環ポンプ15,冷却手段16,エゼクタ17がそれぞれ直列配置され」る点が、【0028】には「貯留槽6には、貯留されたボイラ排水の水温およびpHを検出するための温度センサ29とpHセンサ30とがそれぞれ設けられ」、「貯留槽6の底部には、中和および冷却されたボイラ排水,すなわち処理水を系外へ排出する処理水排出経路31が接続されており、この処理水排出経路31には排出バルブ32が設けられ」る点が記載されている。 (エ)さらに、上記(ア)の「中和装置1」における制御として、上記(1)ウ(イ)で摘記した【0033】には「温度センサ29で検出されたボイラ排水の水温に基づき、前記冷却手段16による冷却を前記制御部で制御し」、「pHセンサ30で検出されたボイラ排水のpHに基づき、前記エゼクタ17(すなわち、前記吸引混合手段)による中和を前記制御部で制御」する点が記載されている。 (オ)上記(ア)~(エ)を踏まえると、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されているといえる。 「中和装置1及び3台の蒸気ボイラ2,3,4であって、 前記中和装置1は、各蒸気ボイラ2,3,4からそれぞれボイラ排水を供給する排水経路5と、ボイラ排水の貯留槽6を備え、 前記中和装置1は、各蒸気ボイラ2,3,4からそれぞれ中和に使用するボイラ排ガスを供給する排ガス供給経路7,8,9を備え、 前記貯留槽6には、貯留されたボイラ排水を循環させる循環経路14の両端部がそれぞれ接続されており、この循環経路14には、上流側から順に循環ポンプ15,冷却手段16,エゼクタ17がそれぞれ直列配置され、 前記貯留槽6には、貯留されたボイラ排水の水温およびpHを検出するための温度センサ29とpHセンサ30とがそれぞれ設けられ、 前記貯留槽6の底部には、中和および冷却されたボイラ排水,すなわち処理水を系外へ排出する処理水排出経路31が接続されており、この処理水排出経路31には排出バルブ32が設けられ、 前記温度センサ29で検出されたボイラ排水の水温に基づき、前記冷却手段16による冷却を前記制御部で制御し、 前記pHセンサ30で検出されたボイラ排水のpHに基づき、前記エゼクタ17(すなわち、前記吸引混合手段)による中和を前記制御部で制御する、 中和装置1及び3台の蒸気ボイラ2,3,4」 (3)甲1を主引用文献とする場合 ア 本件発明1について (ア)対比 a 甲1発明の「純水使用装置」は、使用済みの純水を「排出」する装置であるので、本件発明1の「排水装置」に相当する。また、甲1発明の「純水使用装置から排出される純水」は、本件発明1の「排水」に相当する。 b 本件明細書【0013】の「実施形態においては、排水装置2がボイラであることとする。以下の説明においては、排水装置2を適宜、ボイラ2、と称する。」との記載、【0014】の「ボイラ2は、・・・排水ライン22を流通する排水DWの温度を検出する排水温度センサ27と、排水ライン22を流通する排水DWの流量を検出する流量センサ28と有する。」との記載、及び、【0055】の「排水データ取得部101は、ボイラ本体20から排出される排水DWに係る排水データDA1を取得する。排水データDA1は、ボイラ本体20の排水量Fd、ボイラ本体20の排水タイミングPd、及びボイラ本体20の排水温度Tdの少なくとも一つを含む。排水データ取得部101は、第1制御装置11から排水データDA1を取得する。」との記載からは、センサは排水装置に含まれるものであり、排水データ取得部は(センサそのものではなく)、センサからデータを受け取る(取得する)ものであることがわかる。 ここで、甲1発明の「光学式の濁度計、pH計、粒子カウンタ等からなるセンサS1、S2、S3」は、純水の状態、具体的には、濁度、pH、粒子数といった純水に係るデータを計測しているものであり(センサから計測データを受け取る機構ではないので)、甲1発明の、「濁度」、「pH」、「粒子数」を計測する「光学式の濁度計、pH計、粒子カウンタ等からなるセンサS1、S2、S3」は、本件発明1の「排水装置」(の一部分)に相当する(本件発明1の「排水に係るデータを取得する排水データ取得部」に相当するものではない)。 c 甲1発明の「純水再生装置」は、「フィルタ」による「濾過」処理により、「純水使用装置」から排出されてきた「回収純水」を「純水」へと再生処理する装置である。そのため、甲1発明の「純水再生装置」は、本件発明1の「排水を処理する排水処理装置」に相当する。 d 本件明細書【0047】の「排水処理装置3は、貯留槽4に貯留されている排水DWの量を検出する保有水量センサ13と、貯留槽4に貯留されている排水DWの温度を検出する貯留温度センサ14と、排水DWのpHを検出する第1pHセンサ15及び第2pHセンサ16と、循環ライン67を流通する排水DWの流量を検出する流量センサ17とを備える。」との記載、及び、【0059】の「処理データ取得部102は、排水処理装置3の処理に係る処理データDA2を取得する。」との記載からは、センサは排水処理装置に含まれるものであり、処理データ取得部は(センサそのものではなく)、センサからデータを受け取る(取得する)ものであることがわかる。 ここで、甲1発明の「不純物センサ」は、「純水再生装置」の内部において処理対象の水である「回収純水」の「不純物濃度」を計測しているものであり(センサから計測データを受け取る機構ではないので)、甲1発明の「不純物センサ」は、本件発明1の「排水処理装置」(の一部)に相当する(本件発明1の「廃水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部」に相当するものではない。)。 e 甲1発明の「純水使用装置が複数設けられ」る点は、本件発明1の「前記排水装置は、複数設けられ」に相当する。 f 甲1発明の、「純水再生装置」が、「複数」の「純水使用装置から排出される純水を回収」し、「フィルタで不純物」を「除去」する点は、本件発明1の「前記排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理し」に相当する。 g 甲1発明の「純水回収・再生・供給装置」と、本件発明1の「管理装置」は、「装置」である点で共通している。 h 上記a~gを踏まえると、本件発明1と甲1発明は 「前記排水装置は、複数設けられ、 前記排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理する 装置。」 の点で一致し、以下の点で一応相違する。 <相違点1> 本件発明1は、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するのに対し、甲1発明はそのような構成を備えていない点。 <相違点2> 本件発明1は、「排水を処理する排水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部」を備えるのに対し、甲1発明はそのような構成を備えていない点。 <相違点3> 本件発明1は、「排水データ及び処理データの少なくとも一方に基づいて、排水装置を制御する第1制御処理及び排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部と」「を備え、」「前記制御部は、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方、の少なくとも一つを制御する」のに対し、甲1発明はそのような構成を備えていない点。 <相違点4> 装置が、本件発明1では「管理装置」であるのに対し、甲1発明では「純水回収・再生・供給装置」である点。 (イ)判断 前記(ア)の相違点1から検討する。 本件発明1は、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するという構成を有することにより、複数の排水装置からのデータに基づき適切な制御を行うことが可能となり、「排水処理装置3による複数のボイラ2のそれぞれから供給される排水DWの処理が平準化される。そのため、排水処理装置3を大型化又は高額化しなくても、排水処理装置3は、複数のボイラ2のそれぞれから供給される排水DWを効率良く処理することができる」(本件明細書【0153】)、「複数のボイラ2から排水処理装置3に排水DWが同時に供給される場合において・・・排水処理装置3は、排水DWを効率良く処理することができる」(本件明細書【0154】)といった効果を得ることを可能たらしめているものである。 これに対し、甲1発明は、純水の状態を、光学式の濁度計、pH計、粒子カウンタ等からなるセンサS1、S2、S3で計測し、純水の状態により、バルブVaにより、該純水を前記回収ラインと排水ラインに振り分けている構成ではあるものの、センサS1、S2、S3で計測したデータを集約取得する排水データ取得部については何ら記載されていない。 むしろ、甲1発明の純水回収・再生・再生装置は、センサS1の計測結果に応じてセンサS1に対応したバルブVaを、センサS2の計測結果に応じてセンサS2に対応したバルブVaを、センサS3の計測結果に応じてセンサS3に対応したバルブVaをそれぞれ個別制御(回収ラインと排水ラインに振り分け)すれば足りるものであるから、センサS1、S2、S3で計測したデータを集約取得する必要性を欠いている。 そのため、甲1発明に接した当業者が、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するという構成を追加で設けようとする動機があるとはいえない。 してみれば、相違点2~4について検討するまでもなく、本件発明1は甲1発明ではないし、本件発明1は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ)小括 本件発明1は、甲1発明ではないし、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2~4について 本件発明2~4はいずれも本件発明1を直接又は間接的に引用し、本件発明1の構成をすべて具備するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2~4は、甲1発明ではないし、本件発明2~4は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものでもない。 (4)甲2を主引用文献とする場合 ア 本件発明1について (ア)対比 a 甲2発明の「半導体製造の製造装置」は、「排水を」「排出」する装置であるので、本件発明1の「排水装置」に相当する。また、甲2発明の「複数の半導体装置の製造装置」は、本件発明1の「前記排水装置は、複数設けられ」に相当する。 b 本件明細書【0013】の「実施形態においては、排水装置2がボイラであることとする。以下の説明においては、排水装置2を適宜、ボイラ2、と称する。」との記載、【0014】の「ボイラ2は、・・・排水ライン22を流通する排水DWの温度を検出する排水温度センサ27と、排水ライン22を流通する排水DWの流量を検出する流量センサ28と有する。」との記載、及び、【0055】の「排水データ取得部101は、ボイラ本体20から排出される排水DWに係る排水データDA1を取得する。排水データDA1は、ボイラ本体20の排水量Fd、ボイラ本体20の排水タイミングPd、及びボイラ本体20の排水温度Tdの少なくとも一つを含む。排水データ取得部101は、第1制御装置11から排水データDA1を取得する。」との記載からは、センサは排水装置に含まれるものであり、排水データ取得部は(センサそのものではなく)、センサからデータを受け取る(取得する)ものであることがわかる。 ここで、甲2発明の「センサ6a~6c」は、「排水」の「汚染」を検出しているセンサであるので(センサ6a~6cが他のセンサから計測データを受け取っているわけではないので)、甲2発明の「センサ6a~6c」は、本件発明1の「排水装置」(の一部分)に相当する(本件発明1の「排水に係るデータを取得する排水データ取得部」に相当するものではない)。 c 甲2発明の「回収排水の転送装置」と、本件発明1の「管理装置」は、「装置」である点で共通している。 d 補足として述べると、甲2の【0022】及び【図4】には、センサ6a~6c以外にも、センサ6A~6Cと、センサ6A~6Cと信号線で接続された切替弁制御部12とが記載されている。しかしながら、センサ6A~6Bは、各半導体装置の製造装置a~c、d~f、g~iに対応した枝配管2A~2Cに設けられているのではなく、枝配管が合流した後の主配管3に設けられているものであるため、個別の半導体装置の製造装置a~c、d~f、g~iの排水に係る情報の取得はできない。 そのため、甲2における「切替弁制御部12」が「センサ6A~6C」からデータを取得する点は、本件発明1の「前記排水データ取得部は、複数の排水装置から前記排水データを取得し」という発明特定事項に相当するものではない。 e 上記a~dを踏まえると、本件発明1と甲2発明は 「排水装置は、複数設けられる、 装置」 の点で一致し、以下の点で一応相違する。 <相違点5> 本件発明1は、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え、」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するのに対し、甲2発明はそのような構成を備えていない点。 <相違点6> 本件発明1は、「前記排水を処理する排水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部」「を備え」るのに対し、甲2発明は、そのような構成を備えていない点。 <相違点7> 本件発明1は、「前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部」「を備え、」「前記制御部は、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つを制御する」のに対し、甲2発明はそのような構成を備えていない点。 <相違点8> 本件発明1は、「排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理」しているのに対し、甲2発明は、「複数の半導体装置の製造装置」から排出された排水が送水される「再生工程」を備えるものの、「再生工程」に排水処理装置が設けられているか否か特定されていない点。 <相違点9> 装置が、本件発明1では「管理装置」であるのに対し、甲2発明では「回収排水の転送装置」である点。 (イ)判断 前記(ア)の相違点5から検討する。 上記(3)ア(イ)で記載したように、本件発明1は、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するという構成を有することにより、複数の排水装置からのデータに基づき適切な制御を行うことが可能となり、「排水処理装置3による複数のボイラ2のそれぞれから供給される排水DWの処理が平準化される。そのため、排水処理装置3を大型化又は高額化しなくても、排水処理装置3は、複数のボイラ2のそれぞれから供給される排水DWを効率良く処理することができる」(本件明細書【0153】)、「複数のボイラ2から排水処理装置3に排水DWが同時に供給される場合において・・・排水処理装置3は、排水DWを効率良く処理することができる」(本件明細書【0154】)といった効果を得ることを可能たらしめているものである。 これに対し、甲2発明には、枝配管2A~2Cを流れる排水をセンサ6a~6cで検出し、排水の回収が不可と判断された場合には、切替弁7a~7bを切り替える点は記載されているものの、センサセンサ6a~6cで計測したデータを集約取得する排水データ取得部については何ら記載されていない。 むしろ、甲2発明の転送装置は、センサ6aの計測結果に応じて切替弁7aを、センサ6bの計測結果に応じて切替弁7bを、センサ6cの計測結果に応じて切替弁7cをそれぞれ個別制御すれば足りるものであるから、センサ6a~6cで計測したデータを集約取得する必要性を欠いている。 そのため、甲2発明に接した当業者が、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するという構成を追加で設けようとする動機があるとはいえない。 してみれば、相違点6~9について検討するまでもなく、本件発明1は甲2発明ではないし、本件発明1は甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ)小括 本件発明1は、甲2発明ではないし、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2~4について 本件発明2~4はいずれも本件発明1を直接又は間接的に引用し、本件発明1の構成をすべて具備するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2~4は、甲2発明ではないし、本件発明2~4は、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明できたものでもない (5)甲3を主引用文献とする場合 ア 本件発明1について (ア)対比 a 甲3発明の「蒸気ボイラ2,3,4」は、「ボイラ排水」を排水する装置である。そのため、甲3発明の「蒸気ボイラ」は、本件発明1の「排水装置」に相当する。また、甲3発明の「3台の蒸気ボイラ2,3,4」は、本件発明1の「排水装置は、複数設けられ」に相当する。 b 上記(3)ア(ア)dで記載したように、本件明細書【0047】の「排水処理装置3は、貯留槽4に貯留されている排水DWの量を検出する保有水量センサ13と、貯留槽4に貯留されている排水DWの温度を検出する貯留温度センサ14と、排水DWのpHを検出する第1pHセンサ15及び第2pHセンサ16と、循環ライン67を流通する排水DWの流量を検出する流量センサ17とを備える。」との記載、及び、【0059】の「処理データ取得部102は、排水処理装置3の処理に係る処理データDA2を取得する。」との記載からは、センサは排水処理装置に含まれるものであり、処理データ取得部は(センサそのものではなく)、センサからデータを受け取る(取得する)ものであることがわかる。 ここで、甲3発明の「温度センサ29」及び「pHセンサ30」は、「中和装置1」の内部において「ボイラ排水」の「温度」又は「pH」を計測しているものであり(センサから計測データを受け取る機構ではないので)、甲3発明の「温度センサ29」及び「pHセンサ30」は、本件発明1の「排水処理装置」(の一部)に相当する(本件発明1の「廃水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部」に相当するものではない。)。 c 甲3発明の「中和装置1」は、「ボイラ排水」に対し、「冷却」及び「中和」という処理を行なっている装置であるので、本件発明1の「排水処理装置」に相当する。 d 甲3発明の「3台の蒸気ボイラ2,3,4」から排出される「ボイラ排水」を「中和」する「中和装置1」は、本件発明1の「前記排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理し」に相当する。 e 甲3発明の「温度センサ29」及び「pHセンサ30」で測定される「温度」又は「pH」は、「中和装置1」の「冷却手段16」又は「エゼクタ17」を制御する際に用いられる値であるので、本件発明1の「排水装置の処理に係る処理データ」に相当する。 f 甲3発明の、「制御部」が、「温度センサ29で検出されたボイラ排水の水温に基づき」「中和装置1」の「冷却手段16による冷却を」「制御し、「pHセンサ30で検出されたボイラ排水のpHに基づき」「中和装置1」の「エゼクタ17」「による中和を」「制御」する点は、本件発明1の「前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部」に相当する。 g 甲3発明の「蒸気ボイラ2,3,4」は装置の一種である。そのため、本件発明1の「管理装置」と、甲3発明の「中和装置1及び3台の蒸気ボイラ2,3,4」とは、「装置」である点で共通している。 h 上記a~gを踏まえると、本件発明1と甲3発明は 「排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部、を備え、 前記排水装置は、複数設けられ、 前記排水処理装置は、複数の前記排水装置から排出された前記排水を処理する、 装置。」 の点で一致し、以下の点で一応相違する。 <相違点10> 本件発明1は、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え、」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するのに対し、甲3発明はそのような構成を備えていない点。 <相違点11> 本件発明1は、「前記排水を処理する排水処理装置の処理に係る処理データを取得する処理データ取得部」「を備え」るのに対し、甲3発明は、そのような構成を備えていない点。 <相違点12> 制御部が、本件発明1では、「少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つを制御する」という制御を行うのに対し、甲3発明では、そのような制御を行っていない点。 <相違点13> 装置が、本件発明1では「管理装置」であるのに対し、甲3発明では「中和装置1及び3台の蒸気ボイラ2,3,4」である点。 (イ)判断 前記(ア)の相違点10から検討する。 a 甲3発明の中和装置1は、「ボイラ排ガスに含まれる炭酸ガスを利用し、中和を行う」(上記(1)ウ(ア)の【0004】)という技術を前提としつつ、「蒸気ボイラのうち、燃焼中と停止中のものが存在する場合」「各蒸気ボイラの運転状態により、前記ポンプによって吸引されるボイラ排ガス中の炭酸ガス濃度が変動し、ボイラ排水の中和を安定して行うことが困難であった」(【0005】)という課題を解決するため、「各ボイラから前記吸引混合手段へのボイラ排ガスの排ガス供給経路ごとに、それぞれ排ガス安定供給バルブを設け」(【請求項1】)、「各排ガス安定供給バルブは、対応する前記各ボイラのボイラ燃料供給バルブの作動信号に基づいてそれぞれ作動する」(【請求項2】)という構成を採用している。 b このような中和装置において、排水装置(蒸気ボイラ)から排出される排水(ボイラ排水)に係る排水データを取得する排水データ取得部を備え、前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置(蒸気ボイラ)から前記排水データを取得する、という構成を追加採用することについて検討すると、ボイラ燃料供給バルブの作動信号とは異なり、ボイラ排水のデータは、ボイラの燃焼中、停止中を正確に識別できるパラメータではないため、排水装置(蒸気ボイラ)から排出される排水(ボイラ排水)に係る排水データを取得する排水データ取得部を備え、前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置(蒸気ボイラ)から前記排水データを取得する、という構成を追加採用しようとする動機がない。 そうすると、甲4の記載事項にかかわらず、上記相違点10に係る本件発明1の事項は、当業者が容易に想到し得るものであるとはいえない。 c 念のため、甲4について検討すると、全ブロー時期となったボイラを台数制御から外す制御を台数制御装置14が行なう点が記載されているものの、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え、」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」するという点については、記載も示唆もされていない。 そのため、甲3発明に、甲4に記載された事項を適用したとしても、相違点10に係る本件発明1の発明特定事項を有するものには至らない。 してみれば、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は甲3発明及び甲4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ)小括 本件発明1は、甲3発明及び甲4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2~4について 本件発明2~4はいずれも本件発明1を直接又は間接的に引用し、本件発明1の構成をすべて具備するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2~4は、甲3発明及び甲4に記載される技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものでもない 2 申立理由3(実施可能要件違反)について (1)第4の1(3)の理由の概要 「請求項1に記載の「前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する」ことから導かられる全ての態様のうちの一部しか、明細書に具体的に記載されていないから、いわゆる当業者がその発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとはいえない。」(特許異議申立書7頁27行~8頁4行) (2)第4の1(3)の理由に関する当審の判断 ア 本件発明における実施可能要件の判断手法 発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に係る規定(実施可能要件)に適合するというためには、明細書の発明の詳細な説明に、当業者が、明細書の発明の詳細な説明及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その発明を実施することができる程度に発明の構成等の記載があることを要すると解される。そして、この規定のいう「実施」とは、物の発明においては、当該発明にかかる物の生産、使用等をいうものであるから、実施可能要件を満たすといえるためには、明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が当該発明に係るものを生産し、使用することができる程度のものでなければならない。 そして、本件発明は訂正がなされたので、「前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部と、を備え、・・・前記制御部は、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つを制御する」という制御を、当業者が、明細書の発明の詳細な説明及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、実施(当該制御を行う管理装置を使用)することができる程度の記載があるか否かで判断する。 イ 本件明細書の発明の詳細な説明の記載 本件明細書には次の記載がある。 「【0055】 排水データ取得部101は、ボイラ本体20から排出される排水DWに係る排水データDA1を取得する。排水データDA1は、ボイラ本体20の排水量Fd、ボイラ本体20の排水タイミングPd、及びボイラ本体20の排水温度Tdの少なくとも一つを含む。排水データ取得部101は、第1制御装置11から排水データDA1を取得する。 【0056】 排水量Fdとは、ボイラ本体20に保有されているボイラ水BWにおける溶解物質の濃度を基準値以下にするために必要なボイラ本体20から排出する排水DWの量をいう。排水DWの排出を連続的に行う連続ブローが実行される場合、排水量Fdは、ボイラ本体20から排出される単位時間当たりの排水DWの流量[Liter/Hour]である。排水DWの排出を間欠的に行う間欠ブローが実行される場合、排水量Fdは、ボイラ本体20から排出される排水DWの量[Liter]である。排水量Fdは、例えば排水バルブ26の作動状態によって決定される。 【0057】 排水タイミングPdは、排水開始タイミングPds、排水終了タイミングPde、及び排水時間Pdtの少なくとも一つを含む。排水開始タイミングPdsとは、ボイラ本体20からの排水DWの排出が開始される時点をいう。排水終了タイミングPdeとは、ボイラ本体20からの排水DWの排出が終了する時点をいう。排水時間Pdtとは、ボイラ本体20からの排水DWの排出が実行される時間をいい、排水開始タイミングPdsと排水終了タイミングPdeとの間の時間をいう。排水タイミングPdは、例えば排水バルブ26の作動状態によって決定される。 【0058】 排水温度Tdとは、ボイラ本体20から排出される排水DWの温度をいう。実施形態において、排水温度Tdとは、排水ライン22の少なくとも一部を介してボイラ本体20から貯留槽4に供給される排水DWの温度をいう。排水温度Tdは、例えばボイラ本体20における燃料FUの燃焼状態によって決定される。なお、排水温度Tdは、ブロー熱交換器(不図示)の作動状態によって決定されてもよい。ブロー熱交換器は、ボイラ水BWと排水DWとを熱交換する。ブロー熱交換器は、例えば排水ライン22の少なくとも一部と並列に配置される。貯留槽4に供給される排水DWの温度を低下させる場合、ボイラ本体20から排出された排水DWの少なくとも一部は、ブロー熱交換器に供給され、ボイラ水BWと熱交換される。ブロー熱交換器において冷却された排水DWは、排水ライン22の少なくとも一部を介して、貯留槽4に供給される。貯留槽4に供給される排水DWの温度を上昇させる場合、ボイラ本体20から排出された排水DWは、ブロー熱交換器に供給されることなく、貯留槽4に供給される。このように、ブロー熱交換器により、ボイラ本体20から貯留槽4に供給される排水DWの温度が調整されてもよい。 【0059】 処理データ取得部102は、排水処理装置3の処理に係る処理データDA2を取得する。処理データDA2は、排水処理装置3の処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つを含む。処理データ取得部102は、第2制御装置12から処理データDA2を取得する。 【0060】 排水処理装置3の処理能力Apは、処理量Fp、保有水量Fh、処理内容、及び処理レベルの少なくとも一つを含む。 ・・・ 【0066】 処理レベルとは、排水処理装置3が実行する処理の度合いをいう。処理レベルは、冷却器60に供給される冷媒REの流量、エゼクタ54に供給される中和剤NTの流量、及びエゼクタ54に供給される中和剤NTの組成の少なくとも一つによって決定される。中和剤NTの組成は、主中和剤NTmと副中和剤NTsとの混合比を含む。処理レベルは、例えば冷媒バルブ66の作動状態、主中和剤バルブ55の作動状態、及び副中和剤バルブ57の作動状態の少なくとも一つによって決定される。 ・・・ 【0101】 また、制御部103は、排水開始タイミングPdsを決定する。例えば、制御部103は、処理データ取得部102により取得された処理開始タイミングPpsに基づいて、排水処理装置3が起動していると判定した場合、排水開始タイミングPdsを任意のタイミングに決定する。また、制御部103は、処理開始タイミングPpsと同じタイミングになるように排水開始タイミングPdsを決定してもよい。なお、ボイラ本体20から排水DWが排出してから、排水ライン22を流通して、排水処理装置3に到達するまでの間にタイムラグが発生する。タイムラグが発生する場合、制御部103は、タイムラグ又は排水ライン22の長さを考慮して、処理開始タイミングPpsよりも早いタイミングになるように排水開始タイミングPdsを決定してもよい。 ・・・ 【0120】 また、制御部103は、排水データDA1及び処理データDA2に基づいて、処理レベルを決定する。例えば、制御部103は、排水温度Td及び貯留温度Trの少なくとも一方に基づいて、冷却器60に供給する冷媒REの流量を決定する。例えば排水温度Tdと排水基準で規定される基準温度との差が大きい場合、制御部103は、冷媒REの流量が多くなるように、冷媒REの流量を決定する。排水温度Tdと基準温度との差が小さい場合、制御部103は、冷媒REの流量が少なくなるように、冷媒REの流量を決定する。また、制御部103は、排水量Fdに基づいて、エゼクタ54に供給する中和剤NTの流量を決定する。排水量Fdが多い場合、制御部103は、中和剤NTの流量が多くなるように、中和剤NTの流量を決定する。排水量Fdが少ない場合、制御部103は、中和剤NTの流量が少なくなるように、中和剤NTの流量を決定する。 【0121】 また、制御部103は、排水データDA1及び処理データDA2に基づいて、処理開始タイミングPpsを決定する。例えば、制御部103は、排水データ取得部101により取得された排水開始タイミングPdsに基づいて、排水DWの排出が開始されていると判定した場合、処理開始タイミングPpsを任意のタイミングに決定する。また、制御部103は、排水開始タイミングPdsと同じタイミングになるように処理開始タイミングPpsを決定してもよい。なお、ボイラ本体20から排水DWが排出してから、排水ライン22を流通して、排水処理装置3に到達するまでの間にタイムラグが発生する。タイムラグが発生する場合、制御部103は、タイムラグ又は排水ライン22の長さを考慮して、排水開始タイミングPdsよりも遅いタイミングになるように処理開始タイミングPpsを決定してもよい。 ・・・ 【0146】 管理装置10の排水データ取得部101は、複数のボイラ2から排水データDA1を取得する。制御部103は、複数のボイラ2のそれぞれの排水量Fd及び排水タイミングPdの一方又は両方を制御する。なお、制御部103は、複数のボイラ2のうち一部のボイラ2の排水量Fd及び排水タイミングPdの一方又は両方を制御してもよい。 【0147】 制御部103は、複数のボイラ2の排水量Fdの差が小さくなるように、管理指令MD1を出力する。また、制御部103は、複数のボイラ2の排水タイミングPdが異なるように、管理指令MD1を出力する。 【0148】 図6は、実施形態に係る第1制御処理を説明するための図である。制御部103は、複数のボイラ2の運転状態を制御する管理指令MD1を出力する。ボイラ2の運転状態の制御は、ボイラ2から排出される排水DWの制限を含む。排水DWの制限は、ボイラ本体20から排水DWを排出させないこと及びボイラ本体20の排水量Fdを少なくすることの少なくとも一方を含む。また、ボイラ2から排出される排水DWの制限は、排水タイミングPdの制限及び排水量Fdの制限の一方又は両方を含む。 【0149】 図6に示すように、制御部103は、第1ボイラ2Aの排水タイミングPdと、第2ボイラ2Bの排水タイミングPdと、第3ボイラ2Cの排水タイミングPdとが異なるように、第1ボイラ2Aの第1制御装置11、第2ボイラ2Bの第1制御装置11、及び第3ボイラ2Cの第1制御装置11のそれぞれに管理指令MD1を出力する。 【0150】 実施形態においては、第1ボイラ2Aから排水DWが排出されているとき、第2ボイラ2B及び第3ボイラ2Cからの排水DWの排出が制限される。第2ボイラ2Bから排水DWが排出されているとき、第3ボイラ2C及び第1ボイラ2Aからの排水DWの排出が制限される。第3ボイラ2Cから排水DWが排出されているとき、第1ボイラ2A及び第2ボイラ2Bからの排水DWの排出が制限される。 【0151】 実施形態において、制御部103は、第1ボイラ2Aの排水終了タイミングPdeと第2ボイラ2Bの排水開始タイミングPdsとが一致し、第2ボイラ2Bの排水終了タイミングPdeと第3ボイラ2Cの排水開始タイミングPdsとが一致するように、管理指令MD1を出力する。すなわち、制御部103は、第1ボイラ2Aの排水時間Pdtと、第2ボイラ2Bの排水時間Pdtと、第3ボイラ2Cの排水時間Pdtとが重複しないよう、管理指令MD1を出力する。 【0152】 また、制御部103は、第1ボイラ2Aの排水量Fdと、第2ボイラ2Bの排水量Fdと、第3ボイラ2Cの排水量Fdとが一致するように、第1ボイラ2Aの第1制御装置11、第2ボイラ2Bの第1制御装置11、及び第3ボイラ2Cの第1制御装置11のそれぞれに管理指令MD1を出力する。 【0153】 以上説明したように、実施形態によれば、複数のボイラ2の排水タイミングPdが異なるように、管理指令MD1が出力される。これにより、複数のボイラ2から排水処理装置3に排水DWが一度に多量に供給されることが抑制される。すなわち、排水処理装置3による複数のボイラ2のそれぞれから供給される排水DWの処理が平準化される。そのため、排水処理装置3を大型化又は高額化しなくても、排水処理装置3は、複数のボイラ2のそれぞれから供給される排水DWを効率良く処理することができる。 【0154】 なお、制御部103は、例えば第1ボイラ2Aの排水時間Pdtと、第2ボイラ2Bの排水時間Pdtの少なくとも一部とが重複するように管理指令MD1を出力してもよい。すなわち、制御部103は、第1ボイラ2Aから排出される排水DWと第2ボイラ2Bから排出される排水DWとが同時に排水処理装置3に供給されるように管理指令MD1を出力してもよい。制御部103は、処理データDA2に基づいて、第1ボイラ2Aの排水量Fdと第2ボイラ2Bの排水量Fdとの和が、排水処理装置3の処理能力Ap(処理量Fp)を超えないように、第1ボイラ2Aの排水量Fd及び第2ボイラ2Bの排水量Fdの少なくとも一方を制限(減少)する管理指令MD1を出力する。複数のボイラ2から排水処理装置3に排水DWが同時に供給される場合において、排水処理装置3の処理能力Apを超えないようにボイラ2の排水量Fdが制限されることにより、排水処理装置3は、排水DWを効率良く処理することができる。」 ウ 上記イを踏まえた実施可能要件の判断 (ア)上記イで摘記した【0147】には「複数のボイラ2の排水量Fdの差が小さくなるように、管理指令MD1を出力する」という制御が記載されている。排水量Fdの差が小さくなるように制御するためには、事前に複数のボイラの排水量Fdのデータを得る必要があるので、排水データとして、【0055】に複数例示された候補(排水量、排水タイミング、排水温度)の中から「排水量」を取得しているであろうことは当業者であれば当然把握可能な事項である。 また、「排水量Fdの差が小さくなるように、管理指令MD1を出力する」のであるから、管理指令は具体的には(差が小さくなるように調整した)排水量であることも、当然把握可能な事項である。 してみると、【0147】に記載された制御とは、排水データとして排水量を取得し、取得した排水量に基づき、複数のボイラの排水量の差が小さくなるような排水量を管理指令として出力する制御であるといえ、これは、本件発明1~4の「少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方・・・の少なくとも一つを制御する」点に対応するものである。 そして、排水データとして排水量を取得し、取得した排水量に基づき、複数のボイラの排水量の差が小さくなるような排水量を管理指令として出力する制御を実施することは、当業者にとって過度な試行錯誤を要するとはいえない。 (イ)上記イで摘記した【0146】には「管理装置10の排水データ取得部101は、複数のボイラ2から排水データDA1を取得する。制御部103は、複数のボイラ2のそれぞれの排水量Fd及び排水タイミングPdの一方又は両方を制御する。」との記載が、【0151】には「実施形態において、制御部103は、第1ボイラ2Aの排水終了タイミングPdeと第2ボイラ2Bの排水開始タイミングPdsとが一致し、第2ボイラ2Bの排水終了タイミングPdeと第3ボイラ2Cの排水開始タイミングPdsとが一致するように、管理指令MD1を出力する。すなわち、制御部103は、第1ボイラ2Aの排水時間Pdtと、第2ボイラ2Bの排水時間Pdtと、第3ボイラ2Cの排水時間Pdtとが重複しないよう、管理指令MD1を出力する。」との記載がある。要すれば、複数のボイラ2から排水データDA1を取得し、排水データDA1に基づいて複数の排水装置(ボイラ)の排水時間が重複しないような排水タイミングを設定し、排水処理装置を制御するということであり、これは、本件発明1~4の「少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方・・・の少なくとも一つを制御する」点に対応するものである。 そして、複数のボイラ2から排水データDA1を取得し、排水データDA1に基づいて複数の排水装置(ボイラ)の排水時間が重複しないような排水タイミングを設定し、排水処理装置を制御することを実施することは、当業者にとって過度な試行錯誤を要するとはいえない。 (ウ)上記イで摘記した【0154】には「処理データDA2に基づいて、第1ボイラ2Aの排水量Fdと第2ボイラ2Bの排水量Fdとの和が、排水処理装置3の処理能力Ap(処理量Fp)を超えないように、第1ボイラ2Aの排水量Fd及び第2ボイラ2Bの排水量Fdの少なくとも一方を制限(減少)する管理指令MD1を出力する」ことが記載されている。要すれば、処理データDA2として、排水処理装置3の処理能力Apを取得し、処理能力Apに基づいて、排水量Fdと排水量Fdとの和が処理能力Apを超えないような排水量Fd及び排水量Fdを設定し、管理指令MD1として設定した排水量Fd及び排水量Fdを設定しているということであり、これは、本件発明1~4の「少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、・・・の少なくとも一つを制御する」点に対応するものである。 そして、処理データDA2として、排水処理装置3の処理能力Apを取得し、処理能力Apに基づいて、排水量Fdと排水量Fdとの和が処理能力Apを超えないような排水量Fd及び排水量Fdを設定し、管理指令MD1として設定した排水量Fd及び排水量Fdを設定するという制御を実施することは、当業者にとって過度な試行錯誤を要するとはいえない。 (エ)上記イで摘記した【0101】には「処理データ取得部102により取得された処理開始タイミングPpsに基づいて、排水処理装置3が起動していると判定した場合、排水開始タイミングPdsを任意のタイミングに決定する。また、制御部103は、処理開始タイミングPpsと同じタイミングになるように排水開始タイミングPdsを決定してもよい。なお、ボイラ本体20から排水DWが排出してから、排水ライン22を流通して、排水処理装置3に到達するまでの間にタイムラグが発生する。タイムラグが発生する場合、制御部103は、タイムラグ又は排水ライン22の長さを考慮して、処理開始タイミングPpsよりも早いタイミングになるように排水開始タイミングPdsを決定してもよい」と記載されている。要すれば、排水処理装置の処理開始タイミングPpsを取得し、処理開始タイミングPpsと同じタイミング、あるいは、早いタイミングとなるように排水開始タイミングPdsを決定し、排水装置を決定した排水開始タイミングPdsにより制御するというものであり、本件発明1~4の「少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、・・・の少なくとも一つを制御する」点に対応するものである。 そして、排水処理装置の処理開始タイミングPpsを取得し、処理開始タイミングPpsと同じタイミング、あるいは、早いタイミングとなるように排水開始タイミングPdsを決定し、排水装置を決定した排水開始タイミングPdsにより制御するという制御を実施することは、当業者にとって過度な試行錯誤を要するとはいえない。 (オ)上記イで摘記した【0060】には「排水処理装置3の処理能力Apは、処理量Fp、保有水量Fh、処理内容、及び処理レベルの少なくとも一つを含む」との記載が、【0066】には「処理レベルとは、排水処理装置3が実行する処理の度合いをいう。処理レベルは、冷却器60に供給される冷媒REの流量、エゼクタ54に供給される中和剤NTの流量、及びエゼクタ54に供給される中和剤NTの組成の少なくとも一つによって決定される」との記載が、【0120】には「例えば排水温度Tdと排水基準で規定される基準温度との差が大きい場合、制御部103は、冷媒REの流量が多くなるように、冷媒REの流量を決定する。排水温度Tdと基準温度との差が小さい場合、制御部103は、冷媒REの流量が少なくなるように、冷媒REの流量を決定する。」との記載がある。これら記載からは、排水装置から排水温度Tdを取得し、排水温度Tdと基準温度とに基づき、排水処理装置の処理能力を増減する(冷媒流量を変更する)という制御を行うことがわかる。この制御は、本件発明1~4の「少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つを制御する」点に対応するものである。 そして、排水装置から排水温度Tdを取得し、排水温度Tdと基準温度とに基づき、排水処理装置の処理能力を増減する(冷媒流量を変更する)という制御を実施することは、当業者にとって過度な試行錯誤を要するとはいえない。 (カ)上記イで摘記した【0121】には「制御部103は、排水データ取得部101により取得された排水開始タイミングPdsに基づいて、排水DWの排出が開始されていると判定した場合、処理開始タイミングPpsを任意のタイミングに決定する。また、制御部103は、排水開始タイミングPdsと同じタイミングになるように処理開始タイミングPpsを決定してもよい。なお、ボイラ本体20から排水DWが排出してから、排水ライン22を流通して、排水処理装置3に到達するまでの間にタイムラグが発生する。タイムラグが発生する場合、制御部103は、タイムラグ又は排水ライン22の長さを考慮して、排水開始タイミングPdsよりも遅いタイミングになるように処理開始タイミングPpsを決定してもよい」との記載がある。要すれば、排水装置の排水データとして排水開始タイミングを取得し、排水開始タイミングに基づいて、排水開始タイミングと同じタイミング、あるいは、排水開始タイミングよりもタイムラグ分だけ遅いタイミングとして処理開始タイミングを設定し、排水処理装置を制御するというものであり、これは本件発明1~4の「少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つを制御する」点に対応するものである。 そして、排水装置の排水データとして排水開始タイミングを取得し、排水開始タイミングに基づいて、排水開始タイミングと同じタイミング、あるいは、排水開始タイミングよりもタイムラグ分だけ遅いタイミングとして処理開始タイミングを設定し、排水処理装置を制御するという制御を実施することは、当業者にとって過度な試行錯誤を要するとはいえない。 (キ)上記(ア)~(カ)を踏まえると、本件発明1~4の「前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部と、を備え、・・・前記制御部は、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つを制御する」という制御を実施(当該制御を行う管理装置を使用)するのに、当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤等をする必要があるとはいえず、当業者であれば、本件明細書の発明の詳細な説明の記載により、本件発明1~4を実施することができるというべきであるから、本件明細書の詳細な説明の記載は、本件発明1~4について実施可能要件を満たしているといえる。 3 申立理由4(サポート要件違反)及び取消理由1(サポート要件違反)について 事案に鑑み、申立理由4及び取消理由1を併せて検討する。 (1)第4の1(4)及び第4の2(1)の理由について ア 第4の1(4)の理由の概要 「請求項1に記載の「前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する」ことから導かられる全ての態様のうちの一部しか、明細書に具体的に記載されていないから、請求項1及びそれを引用する請求項2-4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。」(特許異議申立書8頁6~11行) イ 第4の2(1)の理由の概要 第4の2(1)の理由の概要は以下のとおりである。 本件特許に係る発明の課題を解決するためには、「管理装置10」が、「排水データ取得部101と」、「制御部103」とを備え、前記「排水データ取得部101」が「排水データDA1を取得」し、「制御部103」が、「排水データDA1」に基づいて、複数の排水装置(ボイラ)を制御する「管理指令MD1を出力」し、「管理指令MD1」が「排水量Fd」、「排水タイミングPd」を制御する必要があるが、訂正前の本件発明1~4の記載はこの点を充足しない。 そのため、訂正前の本件発明1~4は、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が本件発明の課題を解決できる範囲のものであるということはできないし、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということはできない。 (2)(1)ア及びイの理由に関する当審の判断 ア サポート要件の判断手法 特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 イ 本件発明1の課題について 本件発明1の課題は、明細書【0005】に記載されているように「排水を効率良く処理すること」である。 ウ 本件発明1の課題を解決することができることに関する発明の詳細な説明の記載について (ア)本件明細書【0013】には「実施形態においては、排水装置2がボイラであることとする。以下の説明においては、排水装置2を適宜、ボイラ2、と称する。」との記載が、【0085】には「<管理方法>次に、管理装置10による管理方法について説明する。制御部103は、排水データDA1及び処理データDA2の少なくとも一方に基づいて、ボイラ2を制御する第1制御処理及び排水処理装置3を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する。」との記載が、【0141】には「実施形態においては、排水データDA1及び処理データDA2がボイラ2と排水処理装置3とで共有され、ボイラ2と排水処理装置3とは連携して作動可能である。これにより、ボイラ2は、排水処理装置3の処理能力Apに応じて適量な排水DWを適切なタイミングで排水処理装置3に供給することができる。したがって、排水DWを効率良く処理することができる。」との記載が、【0142】には「なお、上述の実施形態においては、排水データDA1及び処理データDA2の両方に基づいて第1制御処理が実行される例と、排水データDA1及び処理データDA2の両方に基づいて第2制御処理が実行される例とについて説明した。排水データDA1及び処理データDA2の一方に基づいて第1制御処理及実行されてもよい。排水データDA1及び処理データDA2の一方に基づいて第2制御処理及実行されてもよい。」との記載が、【0143】には「なお、上述の実施形態において、排水データDA1及び処理データDA2の少なくとも一方のデータに基づいて、第1制御処理及び第2制御処理の両方が並行して実行されてもよい。例えば、ボイラ2の運転状態及び排水処理装置3の運転状態のそれぞれが最適化されるように、制御部103は、第1制御処理と第2制御処理とを組み合わせて実行してもよい。」との記載があることから、「排水を効率良く処理する」という課題を解決するためには、「排水データDA1及び処理データDA2の少なくとも一方に基づいて、排水装置(ボイラ2)を制御する第1制御処理及び排水処理装置3を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行」することが必要であるとわかる。 (イ)ここで「排水装置(ボイラ2)を制御する第1制御処理」及び「排水処理装置3を制御する第2制御処理」について検討してみると、単に「制御処理」と記載しただけでは、例えば、排水装置や排水処理装置の表示部での表示制御も文言上含まれるところ、このような制御が「排水を効率良く処理する」ことに寄与しないことは明らかである。したがって、制御部が実施する制御(第1制御処理、第2制御処理)は、あらゆる制御が含まれてもよいものではなく、「排水を効率良く処理する」ことに寄与する制御である必要がある。 この点について、明細書【0069】には「制御部103は、第1制御処理において、排水量Fd、排水タイミングPd、及び排水温度Tdの少なくとも一つを制御する管理指令MD1を出力する。」との記載が、【0070】には「制御部103は、第2制御処理において、処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つを制御する管理指令MD2を出力する。」との記載がある。 このことから、「排水を効率良く処理する」という課題を解決するためには、上記(ア)に記載した「排水データDA1及び処理データDA2の少なくとも一方に基づいて、排水装置(ボイラ2)を制御する第1制御処理及び排水処理装置3を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行」する点に加え、「第1制御処理」の制御対象が「排水量Fd、排水タイミングPd、及び排水温度Tdの少なくとも一つ」であるか、「第2制御処理」の制御対象が「処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つ」である点が少なくとも必要である。 エ 本件明細書の発明の詳細な説明に記載される本件発明の課題を解決することができると認識できる範囲と本件発明1の対比 (ア)上記ウ(イ)で述べたように、「排水データDA1及び処理データDA2の少なくとも一方に基づいて、排水装置(ボイラ2)を制御する第1制御処理及び排水処理装置3を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行」し、「第1制御処理」の制御対象が「排水量Fd、排水タイミングPd、及び排水温度Tdの少なくとも一つ」であるか、「第2制御処理」の制御対象が「処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つ」であれば、上記イの本件発明1の課題を解決することができる。 (イ)一方、本件発明1には「前記排水データ及び前記処理データの少なくとも一方に基づいて、前記排水装置を制御する第1制御処理及び前記排水処理装置を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行する制御部と、を備え」ることが特定されているので、上記(ア)の「排水データDA1及び処理データDA2の少なくとも一方に基づいて、排水装置(ボイラ2)を制御する第1制御処理及び排水処理装置3を制御する第2制御処理の一方又は両方を実行」する点を充足している。 (ウ)また、本件発明1には 「少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、 少なくとも前記処理データに基づいて、複数の前記排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方、 少なくとも複数の前記排水装置の少なくとも一部の前記排水データに基づいて、前記排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方 の少なくとも一つを制御する」 ことが特定されており、「排水装置の少なくとも一部の排水量及び排水タイミングの一方又は両方・・・の少なくとも一つを制御する」点は、上記(ア)の「第1制御処理」の制御対象が「排水量Fd、排水タイミングPd、及び排水温度Tdの少なくとも一つ」である点に対応し、「排水処理装置の処理能力及び処理タイミングの一方又は両方の少なくとも一つを制御する」点は、上記(ア)の「第2制御処理」の制御対象が「処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つ」である点に対応しているから、上記(ア)の「第1制御処理」の制御対象が「排水量Fd、排水タイミングPd、及び排水温度Tdの少なくとも一つ」であるか、「第2制御処理」の制御対象が「処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つ」である点が少なくとも必要であることも属している。 (エ)そうすると、本件発明は、上記イの発明の課題を解決するために必要な手段を全て含んでいるといえ、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであって、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものであるといえるから、特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合するものということができる。 4 申立人の主張について (1)申立人は、令和 5年12月21日提出の意見書で、おおむね以下の主張をしている。 ア 新規性及び進歩性について 「訂正後の請求項1の「排水装置」に相当する基板研磨機構11、基盤洗浄機構12、基板洗浄乾燥機構13からの排水は、センサS1,S2,S3の検知データに基づき切替バルブVaが制御されることが示されているので、訂正後の請求項1の「排水装置の排水データに基づいて排水量及び排水タイミングの一方又は両方を制御する」に相当する。」(意見書11頁3~7行) 「1次タンク内の回収純水(基板研磨機構、基盤洗浄機構、基板洗浄乾燥機構から排出された排水)を、不純物センサの検知データに基づいて、フィルタで処理されるかフィルタ処理せずに排水されるかを制御していることが示されているので、「処理データに基づいて、処理タイミングを制御する」に相当する。 したがって、訂正後の請求項1は、甲第1号証に記載の発明と同一であるか又は当業者容易に想到し得たものである。訂正後の請求項2~4についても、異議申立書で述べた通り、甲第1号証に記載の発明と同一であるか又は当業者容易に想到し得たものである。」(意見書11頁14~22行) イ サポート要件について (ア)「「排水装置から排水処理装置に適量な排水を適切なタイミングで供給すること」が本件特許発明の課題である。」(意見書2頁24~25行) (イ)「明細書に記載された具体的実施態様として示されているのは「排水タイミング」を制御する場合のみであり、訂正後の請求項1から導き出せるすべての組み合わせが記載されているとは言えない。」(意見書4頁3~6行) (ウ)「排水データと処理データが排水装置と排水処理装置とで共有され、排水装置と排水処理装置が連携して作動するとともに、複数の排水装置の排水タイミングが異なるように排水処理装置の処理能力に応じて適切に排水が排水処理装置に供給されること、複数の排水装置から排水が排水処理装置に同時に供給される場合は、排水処理装置の処理能力を超えないように排水装置からの排水量が制限されること、により本件特許発明の課題(目的)を達成しているのであり、これらの記載がない訂正後の請求項1に係る発明は、出願時の技術常識に照らしても、明細書に記載の事項に基づき請求項に係る発明の範囲まで発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。」(意見書5頁16~24行) (エ)「具体的に記載されているボイラ排水の中和処理以外のどのような排水処理で本件特許の範囲に含まれるのか不明である。」(意見書8頁25~27行) 「訂正後の請求項1~4に係る発明において、サポート要件(実施可能要件)を満たすためには、明細書に具体的記載がなされているボイラ排水の中和処理の具体的構成及び手法についての記載が必須である。なお、訂正によって「ボイラ排水の中和処理の具体的態様」に限定されていない訂正後の請求項1~4は、サポート要件(実施可能要件)を満たさない」(意見書9頁12~16行) ウ 実施可能要件について (ア)「訂正後の請求項1には、排水装置の「排水量及び排水タイミング」等をどのように制御するのか、その具体的手法は一切記載されておらず、当業者が本件特許の課題である「排水を効率良く処理する」ために本件特許発明を実施するに際し過度の試行錯誤を要求するものであるから、実施可能要件も満たしていない。」(意見書6頁22~26行) (イ)上記イ(エ)の主張は、実施可能要件を満たさないとの主張でもある。 (2)申立人の主張に対する当審の判断 ア (1)アの主張について 上記1(3)ア(ア)a~hで述べたように、本件発明1と甲1発明とは、甲1発明が少なくとも、「排水装置から排出される排水に係る排水データを取得する排水データ取得部」「を備え」「前記排水データ取得部は、複数の前記排水装置から前記排水データを取得」(<相違点1>)する構成を備えていない点で相違し、その相違点1は同(イ)で判断したとおり、当業者が容易になし得たものではない。そして、申立人の上記相当関係の主張は、上記相違点1の構成を無視したものであり、相違点1の判断に影響を及ぼすものではない。 そうすると、申立人の上記アの主張によって、当審の上記1で記載した新規性及び進歩性の判断が覆ることはない。 イ (1)イの主張について (ア) (1)イ(ア)の主張について 本件発明の課題は、本件明細書の「【発明が解決しようとする課題】」に続く【0004】~【0005】に「排水を効率良く処理するためには、排水装置から排水処理装置に適量な排水を適切なタイミングで供給することが要望される。本発明の態様は、排水を効率良く処理することを目的とする。」と記載されている文意からすると、「排水装置から排水処理装置に適量な排水を適切なタイミングで供給すること」により「排水を効率良く処理すること」が課題であると解釈され得るものである。 しかしながら、本件明細書全体からは、「排水装置から排水処理装置に適量な排水を適切なタイミングで供給すること」以外に、「排水処理装置の処理能力、及び処理タイミングの少なくとも一つを制御」することにより「排水を効率良く処理すること」も開示されていることが把握できるため、「排水装置から排水処理装置に適量な排水を適切なタイミングで供給すること」は課題における必須の条件ではなく、「排水を効率良く処理すること」という課題を解決するための選択肢の一つにすぎないと理解できる。 してみれば、本件明細書全体からは、本件発明の課題を「排水装置から排水処理装置に適量な排水を適切なタイミングで供給すること」と解するよりも、「排水を効率良く処理すること」であるとするのが妥当であるから、「「排水装置から排水処理装置に適量な排水を適切なタイミングで供給すること」が本件特許発明の課題である。」との申立人の主張は採用できない。 (イ) (1)イ(イ)の主張について 上記2(2)ウ(ア)、(ウ)、(オ)、(カ)に記載したように、「排水タイミング」を制御せずに、「排水量」、「処理能力」、「処理タイミング」を制御することが発明の詳細な説明には記載されており、上記3(2)ウ(ア)で説示したように、「排水量」、「処理能力」、「処理タイミング」を制御するものであっても、上記「排水を効率良く処理する」という課題を解決することができることから、申立人の上記(1)イ(イ)の主張によって、当審の上記3で記載したサポート要件の判断が覆ることはない。 (ウ) (1)イ(ウ)の主張について 本件明細書には、申立人が主張するとおり、「複数のボイラ2が排水処理装置3に接続される」(【0145】)こと、「複数のボイラ2の排水タイミングPdが異なるように、管理指令MD1が出力される」(【0153】)こと、「複数のボイラ2から排水処理装置3に排水DWが同時に供給される場合において、排水処理装置3の処理能力Apを超えないようにボイラ2の排水量Fdが制限されること」(【0154】)、が記載されているが、これら態様に限定されることなく、上記3(2)ウ(ア)及び(イ)で記載したように、「排水データDA1及び処理データDA2の少なくとも一方に基づいて、」「排水装置(ボイラ2)」の「排水量Fd、排水タイミングPd」、「排水処理装置3」の「処理能力Ap、及び処理タイミングPpの少なくとも一つ」を制御するものであっても、上記「排水を効率良く処理できる」という課題が解決することが認識できることから、申立人の上記(1)イ(ウ)の主張によって、当審の上記3で記載したサポート要件の判断が覆ることはない。 (エ) (1)イ(エ)の主張について 本件明細書の【0013】には「実施形態においては、排水装置2がボイラであることとする。」との記載が、【0065】には「処理内容とは、排水処理装置3が実行可能な処理の種類をいう。実施形態において、処理内容は、中和処理及び冷却処理を含む。」との記載が、【0120】には「排水量Fdが多い場合、制御部103は、中和剤NTの流量が多くなるように、中和剤NTの流量を決定する。排水量Fdが少ない場合、制御部103は、中和剤NTの流量が少なくなるように、中和剤NTの流量を決定する。」との記載があることから、排水処理の具体例として、ボイラ排水の中和処理について記載されているが、【0065】に「中和処理」と並列に「冷却処理」が記載されていることからも明らかなように、本件発明1の排水処理についての管理装置を、「排水を効率良く処理する」という課題において、ボイラ排水の中和処理以外の排水処理にも適用できることは当業者において明らかであり、本件発明1の排水処理について管理装置が、ボイラ排水の中和処理の課題のみを解決したものでもないことから、本件発明1の管理装置が「ボイラ排水の中和処理」に対するものであるとの特定事項がないからといって、「排水を効率良く処理する」という課題を解決することが認識できないとはいえない。よって、申立人の上記(1)イ(エ)の主張によって、当審の上記3で記載したサポート要件の判断が覆ることはない。 ウ (1)ウの主張について (ア) (1)ウ(ア)の主張について 排水装置の「排水量及び排水タイミング」の具体的に制御について明細書に記載されていることは、上記2(2)ウ(ア)~(エ)に記載したとおりであるから、本件発明1を実施するに際し過度の試行錯誤を必要とするものではない。よって、申立人の上記(1)ウ(ア)の主張によって、当審の上記2で記載した実施可能要件の判断が覆ることはない。 (イ) (1)ウ(イ)の主張について 上記イ(エ)で記載したように、冷却処理のような、ボイラ排水の中和処理以外の排水の処理についても、本件発明1の管理装置の制御処理は実施できるものであるから、申立人の上記(1)ウ(イ)の主張によって、当審の上記2で記載した実施可能要件の判断が覆ることはない。 (3)小括 以上のことから、申立人の主張によって、上記1~3で説示した当審の判断が覆ることはない。 第6 むすび 上記第5で検討したとおり、本件特許1~4は、特許法第29条第1項及び第2項の規定に違反してされたものであるとも、同法第36条第6項第1号及び同法同条第4項第1号に規定にする要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるということはできず、同法第113条第2号又は第4号に該当するものではないから、上記申立理由1~4及び取消理由1では、本件特許1~4を取り消すことはできない。 また、他に本件特許1~4を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700644

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