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特許異議申立

2023-700621

一本鎖オリゴヌクレオチド

審判番号
2023-700621
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-566170
登録番号
7188087
請求日
2023年06月12日
審決日
2023年10月04日
公報発行日
2023年11月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】日産化学株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人 津国
  • 【異議申立人】中井 博
審判長/審判官
  • 審判長 加々美 一恵
  • 審判官 高堀 栄二
  • 審判官 福井 悟
分類
P1651.121-Y (C12N) / P1651.536-Y (C12N) / P1651.537-Y (C12N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7188087号発明「一本鎖オリゴヌクレオチド」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7188087号の請求項1~36に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7188087号の請求項1~36に係る特許についての出願は、平成30年2月6日(優先権主張 平成29年2月6日、平成29年7月26日)を国際出願日とする出願であって、令和4年12月5日にその特許権の設定登録がされ、同年12月13日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1~36に係る特許について、令和5年6月12日に特許異議申立人 中井 博により特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第7188087号の請求項1~36の特許に係る発明(以下、「本件発明1~36」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~36に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 下記式(I): 【化1】 [図:0001403684000001.jpg] {式中、Xは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなり、 少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含む第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含み、 Yは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~100個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、 Xzは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなる第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、 Yzは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなる第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、 Lは、 非ヌクレオチド構造を含む連結基、又は下記式: 【化2】 [図:0001403684000002.jpg] (式中、P5は、それぞれ独立して-P(=O)(OH)-又は-P(=O)(SH)-であり、W5は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1~50個のヌクレオチドからなる第五オリゴヌクレオチドに由来する基である)で表される基であり、 Lxは、 -P(=O)(OH)-、非ヌクレオチド構造を含む連結基、又は下記式: 【化3】 [図:0001403684000003.jpg] (式中、P6は、それぞれ独立して-P(=O)(OH)-又は-P(=O)(SH)-であり、W6は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1~50個のヌクレオチドからなる第六オリゴヌクレオチドに由来する基である)で表される基であり、 Lyは、 -P(=O)(OH)-、非ヌクレオチド構造を含む連結基、又は下記式: 【化4】 [図:0001403684000004.jpg] (式中、P7は、それぞれ独立して-P(=O)(OH)-又は-P(=O)(SH)-であり、W7は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1~50個のヌクレオチドからなる第七オリゴヌクレオチドに由来する基である)で表される基であり、 L、Lx及びLyの少なくとも1つが、前記非ヌクレオチド構造を含む連結基であり、前記非ヌクレオチド構造を含む連結基が、それぞれ独立して、下記式: 【化5】 [図:0001403684000005.jpg] {式中、V11は、 C2-50アルキレン基 (該C2-50アルキレン基は、無置換であるか又は、置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、 下記式(XIII-1)から(XIII-11): 【化6】 [図:0001403684000006.jpg] (式中、о1は、0から30の整数であり、p1は、0から30の整数であり、d1は、1から10の整数であり、wは、0から3の整数であり、Rbは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシ基、モノC1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基又はC1-6アルキル基であり、Rcは、水素原子、C1-6アルキル基、ハロC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、ハロC1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシカルボニル基、モノC1-6アルキルアミノカルボニル基、ジC1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、ハロC1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルコキシスルホニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシスルホニル基、モノC1-6アルキルアミノスルホニル基又はジC1-6アルキルアミノスルホニル基である) からなる群より選択される基、 リボヌクレオシド基、又は デオキシリボヌクレオシド基であり、 少なくとも1つのV11は、C2-50アルキレン基(該C2-50アルキレン基は、無置換であるか、又は置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、又は前記式(XIII-1)から(XIII-11)より選択される基であり、 置換基群Vaは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホノ基、スルホ基、テトラゾリル基及びホルミル基により構成される置換基群を意味し、 P11は、それぞれ独立して、-P(=O)(OH)-又は-P(=O)(SH)-であり、 少なくとも1つのP11は、-P(=O)(OH)-であり、 q11は、1から10の整数であり、q12は、1から20の整数であり、q11及びq12の少なくとも一方が2以上のとき、V11は、同一であるか又は異なっている} で表される基であり、 Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 Lxは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 Lyは、その両端で前記第二オリゴヌクレオチド及び第四オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 m及びnは、それぞれ独立して0又は1であり、 前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、前記第三オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xzを有し、前記第四オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yzを有し、 前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とする第一ヌクレオチド配列を含み、前記第一ヌクレオチド配列が、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、 前記ヌクレオチド配列Yは、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、 前記ヌクレオチド配列Xが、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を含み、 前記アンチセンス配列を2以上有する場合、それぞれのアンチセンス配列部分がハイブリダイズする標的RNAは同一でも異なっていてもよい} で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項2】 下記式(I): 【化7】 [図:0001403684000007.jpg] {式中、Xは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなり、 少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含む第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含み、 Yは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~100個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、 Xzは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなる第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、 Yzは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなる第四オリゴヌクレオチドに由来する基であり、 Lは、 非ヌクレオチド構造を含む連結基、又は下記式: 【化8】 [図:0001403684000008.jpg] (式中、W5は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1~50個のヌクレオチドからなる第五オリゴヌクレオチドに由来する基である)で表される基であり、 Lxは、 -P(=O)(OH)-、非ヌクレオチド構造を含む連結基、又は下記式: 【化9】 [図:0001403684000009.jpg] (式中、W6は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1~50個のヌクレオチドからなる第六オリゴヌクレオチドに由来する基である)で表される基であり、 Lyは、 -P(=O)(OH)-、非ヌクレオチド構造を含む連結基、又は下記式: 【化10】 [図:0001403684000010.jpg] (式中、W7は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1~50個のヌクレオチドからなる第七オリゴヌクレオチドに由来する基である)で表される基であり、 L、Lx及びLyの少なくとも1つが、前記非ヌクレオチド構造を含む連結基であり、前記非ヌクレオチド構造を含む連結基が、それぞれ独立して、下記式: 【化11】 [図:0001403684000011.jpg] {式中、V11は、 C2-50アルキレン基 (該C2-50アルキレン基は、無置換であるか又は、置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、 下記式(XIII-1)から(XIII-11): 【化12】 [図:0001403684000012.jpg] (式中、о1は、0から30の整数であり、p1は、0から30の整数であり、d1は、1から10の整数であり、wは、0から3の整数であり、Rbは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシ基、モノC1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基又はC1-6アルキル基であり、Rcは、水素原子、C1-6アルキル基、ハロC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、ハロC1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシカルボニル基、モノC1-6アルキルアミノカルボニル基、ジC1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、ハロC1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルコキシスルホニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシスルホニル基、モノC1-6アルキルアミノスルホニル基又はジC1-6アルキルアミノスルホニル基である) からなる群より選択される基、 リボヌクレオシド基、又は デオキシリボヌクレオシド基であり、 少なくとも1つのV11は、C2-50アルキレン基(該C2-50アルキレン基は、無置換であるか、又は置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、又は前記式(XIII-1)から(XIII-11)より選択される基であり、 置換基群Vaは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホノ基、スルホ基、テトラゾリル基及びホルミル基により構成される置換基群を意味し、 P11は、それぞれ独立して、-P(=O)(OH)-又は-P(=O)(SH)-であり、 少なくとも1つのP11は、-P(=O)(OH)-であり、 q11は、1から10の整数であり、q12は、1から20の整数であり、q11及びq12の少なくとも一方が2以上のとき、V11は、同一であるか又は異なっている} で表される基であり、 Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 Lxは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 Lyは、その両端で前記第二オリゴヌクレオチド及び第四オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 m及びnは、それぞれ独立して0又は1であり、 前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、前記第三オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xzを有し、前記第四オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yzを有し、 前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とする第一ヌクレオチド配列を含み、前記第一ヌクレオチド配列が、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、 前記ヌクレオチド配列Yは、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、 前記ヌクレオチド配列Xが、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を含み、 前記アンチセンス配列を2以上有する場合、それぞれのアンチセンス配列部分がハイブリダイズする標的RNAは同一でも異なっていてもよい} で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項3】 Xが3’側でLに結合し、Yが5’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項4】 Xが5’側でLに結合し、Yが3’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項5】 非ヌクレオチド構造を含む連結基が、それぞれ独立して、下記式: 【化13】 [図:0001403684000013.jpg] {式中、V0は、 C2-50アルキレン基 (該C2-50アルキレン基は、無置換であるか、又は置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、 下記式(X-1)から(X-9): 【化14】 [図:0001403684000014.jpg] (式中、оは、0から30の整数であり、pは、0から30の整数である) からなる群より選択される基、 リボヌクレオシド基、又は デオキシリボヌクレオシド基であり、 少なくとも1つのV0は、C2-50アルキレン基(該C2-50アルキレン基は、無置換であるか、又は置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、又は 前記式(X-1)から(X-9)より選択される基であり、 置換基群Vaは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホノ基、スルホ基、テトラゾリル基及びホルミル基により構成される置換基群を意味し、 q1は、1から10の整数であり、q2は、1から20の整数であり、q1及びq2の少なくとも一方が2以上のとき、V0は、同一であるか又は異なっている}で表される基である、請求項1から4のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項6】 第一ヌクレオチド配列が、アンチセンス配列である、請求項1から5のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項7】 第一ヌクレオチド配列部分が、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、請求項1から6のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項8】 第一オリゴヌクレオチドが、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から7のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項9】 第一ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、請求項1から8のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項10】 第二ヌクレオチド配列が、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項1から9のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項11】 第二オリゴヌクレオチドが、第二ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から10のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項12】 mが0であり、nが0であり、Lが、非ヌクレオチド構造を含む連結基である、請求項1から11のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項13】 nが1であり、前記Yzが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、ヌクレオチド配列Yzが、アンチセンス配列を含む、請求項1から11のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項14】 前記ヌクレオチド配列Yzが含むアンチセンス配列が、標的RNAとハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項13に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項15】 前記Yzが含むアンチセンス配列部分が、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、連続する4個のデオキシリボヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド鎖を含まない、請求項13に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項16】 第四オリゴヌクレオチドが、前記Yzが含むアンチセンス配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項13から15のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項17】 第四オリゴヌクレオチドが、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む、請求項13から16のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項18】 Lが、非ヌクレオチド構造を含む連結基であり、YとYzとが、ホスホジエステル結合で連結されている、請求項13から16のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項19】 Lが、下記式: 【化15】 [図:0001403684000015.jpg] (式中、W5は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される1~50個のヌクレオチドからなる第五オリゴヌクレオチドに由来する基である)で表される基であり、 Lyが、非ヌクレオチド構造を含む連結基である、請求項13から17のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項20】 L及びLyが、それぞれ独立して非ヌクレオチド構造を含む連結基である、請求項13から17のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項21】 mが0である、請求項13から20のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項22】 mが1であり、前記Xzが、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む、請求項1から11及び13から20のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項23】 mが1であり、前記Xzが、RNaseHによって切断される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む、請求項1から11、13から20及び22のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項24】 mが1であり、前記Xzが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、ヌクレオチド配列Xzが、アンチセンス配列を含む、請求項1から11及び13から20のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項25】 前記糖部修飾ヌクレオチドが、ヘキシトールヌクレオチド、シクロヘキセンヌクレオチド、ペプチド核酸、グリコール核酸、トレオヌクレオチド、モルホリノ核酸、トリシクロ-DNA、2’-O-メチル化ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル化ヌクレオチド、2’-O-アミノプロピル化ヌクレオチド、2’-フルオロ化ヌクレオチド、2’-F-アラビノヌクレオチド、架橋化ヌクレオチド、および2’-O-メチルカルバモイルエチル化ヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1から24のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項26】 標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子に由来する基をさらに含む、請求項1から25のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項27】 前記機能性分子が、糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項26に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項28】 前記機能性分子が、コレステロール、トコフェロール及びトコトリエノールからなる群から選択される脂質である、請求項26又は27に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項29】 前記機能性分子が、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体である、請求項26又は27に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項30】 前記機能性分子が、受容体のリガンド及び抗体からなる群から選択される、ペプチド又はタンパク質である、請求項26又は27に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。 【請求項31】 請求項1から30のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと、薬理学上許容される担体とを含む、医薬組成物。 【請求項32】 請求項1から30のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞(但し、ヒトの細胞を除く)とを接触させる工程を含む、標的RNAの機能を制御する方法。 【請求項33】 請求項1から30のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物(但し、ヒトを除く)に投与する工程を含む、該哺乳動物における標的RNAの機能を制御する方法。 【請求項34】 請求項1から30のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドと細胞(但し、ヒトの細胞を除く)とを接触させる工程を含む、標的遺伝子の発現を制御する方法。 【請求項35】 請求項1から30のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、哺乳動物(但し、ヒトを除く)に投与する工程を含む、該哺乳動物における標的遺伝子の発現を制御する方法。 【請求項36】 請求項1から30のいずれか1つに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの製造方法であって、X、L及びYの少なくとも1つを含むオリゴヌクレオチドの3’末端又は5’末端でヌクレオチド鎖を伸長する工程を含む、製造方法。」 第3 申立理由の概要及び証拠方法 特許異議申立人が請求項1~36に係る特許に対して申し立てた特許異議申立理由の概要及び証拠方法は、次のとおりである。 1 申立理由の概要 (1)理由1:特許法第29条第2項(甲第1号証を主引用例とする進歩性欠如) 本件発明1~36は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~36は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないため、本件発明1~36に係る特許は、同法第113条第2号の規定により取り消すべきものである。 (2)理由2:特許法第36条第4項第1号 本件明細書の実施例で実際に用いられている一本鎖オリゴヌクレオチドは、Y-L-X(実施例1~3、7~8)、X-L-Y-Yz(実施例4)、X-L-Y-Ly-Yz(実施例5~6)の構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドである。 本件発明1、2には、前記構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド以外に、例えば、Xz-Lx-X-L-Y、Xz-Lx-X-L-Y-Ly-Yz等の構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドが包含されるが、本件明細書の発明の詳細な説明には、本件発明1、2に包含される前記構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド以外の一本鎖オリゴヌクレオチドについて何ら具体的なデータ等が示されていないから、本件発明1、2に包含される前記構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド以外の一本鎖オリゴヌクレオチドが、実施例で用いられた一本鎖オリゴヌクレオチドと同様の作用効果を有するとまではいえない。 よって、本件発明の詳細な説明は、当業者が、本件発明1~36の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。 本件発明26の「標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子」、本件発明27の「糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体」、本件発明29の「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」、本件発明30の「受容体のリガンド及び抗体」には、実施例で用いられたトコフェロール以外のあらゆる物質又は化合物が包含されるが、本件明細書の発明の詳細な説明には、トコフェロール以外のものについて何ら具体的なデータ等が示されていないから、トコフェロール以外のものを用いた場合に、実施例で用いられたトコフェロールと同様の作用効果を有するとまではいえない。 よって、本件発明の詳細な説明は、当業者が、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。 したがって、本件発明1~36は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないため、本件発明1~36に係る特許は、同法第113条第4号の規定により取り消すべきものである。 (3)理由3:特許法第36条第6項第1号 本件明細書の実施例で実際に用いられている一本鎖オリゴヌクレオチドは、Y-L-X(実施例1~3、7~8)、X-L-Y-Yz(実施例4)、X-L-Y-Ly-Yz(実施例5~6)の構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドである。 本件発明1、2には、前記構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド以外に、例えば、Xz-Lx-X-L-Y、Xz-Lx-X-L-Y-Ly-Yz等の構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドが包含されるが、本件明細書の発明の詳細な説明には、本件発明1、2に包含される前記構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド以外の一本鎖オリゴヌクレオチドについて何ら具体的なデータ等が示されていないから、本件発明1、2に包含される前記構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド以外の一本鎖オリゴヌクレオチドが、実施例で用いられた一本鎖オリゴヌクレオチドと同様の作用効果を有するとまではいえない。 よって、本件発明1~36は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。 本件発明26の「標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子」、本件発明27の「糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体」、本件発明29の「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」、本件発明30の「受容体のリガンド及び抗体」には、実施例で用いられたトコフェロール以外のあらゆる物質又は化合物が包含されるが、本件明細書の発明の詳細な説明には、トコフェロール以外のものについて何ら具体的なデータ等が示されていないから、トコフェロール以外のものを用いた場合に、実施例で用いられたトコフェロールと同様の作用効果を有するとまではいえない。 よって、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。 したがって、本件発明1~36は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないため、本件発明1~36に係る特許は、同法第113条第4号の規定により取り消すべきものである。 (4)理由4:特許法第36条第6項第2号 本件発明26の「標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子」、本件発明27の「糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体」、本件発明29の「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」、本件発明30の「受容体のリガンド及び抗体」には、具体的にどのような物質が包含されるのか、その外延が明確ではない。 よって、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30は、明確ではない。 したがって、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないため、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30に係る特許は、同法第113条第4号の規定により取り消すべきものである。 2 証拠方法 (1)甲第1号証:国際公開第2013/103146号 (2)甲第2号証:特表2015-529469号公報 (3)甲第3号証:特表2015-502134号公報 (4)甲第4号証:特表2017-505623号公報 第4 甲号証の記載 甲第1号証~甲第4号証には、以下の事項が記載されている。 1 甲第1号証:国際公開第2013/103146号 (甲1-1)「[請求項1] 標的遺伝子の発現を抑制する発現抑制配列を含む一本鎖核酸分子であって、 領域(X)、リンカー領域(Lx)および領域(Xc)を含み、 前記領域(X)と前記領域(Xc)との間に、前記リンカー領域(Lx)が連結され、 前記領域(Xc)が、前記領域(X)と相補的であり、 前記領域(X)および前記領域(Xc)の少なくとも一方が、前記発現抑制配列を含み、 前記リンカー領域(Lx)が、アミノ酸から誘導される原子団を含むことを特徴とする一本鎖核酸分子。」([請求項1]) (甲1-2)「[0001] 本発明は、遺伝子発現を抑制する一本鎖核酸分子に関し、より詳細には、アミノ酸骨格を有する一本鎖核酸分子、それを含む組成物およびその用途に関する。」([0001]) (甲1-3)「[0016] ・・・・・・・・・本発明の一本鎖核酸分子の遺伝子の発現抑制効果は、RNA干渉と同様の現象によるものと推測されるが、本発明における遺伝子発現抑制は、RNA干渉に制限および限定されない。」([0016]) (甲1-4)「[0020] 本発明において、「標的遺伝子の発現抑制」は、例えば、前記標的遺伝子の発現を阻害することを意味する。前記抑制のメカニズムは、特に制限されず、例えば、ダウンレギュレーションまたはサイレンシングでもよい。・・・・・・・・・」([0020]) (甲1-5)「[0029] 前記リンカー領域は、例えば、前記非ヌクレオチド構造からなる非ヌクレオチド残基のみを含んでもよいし、前記非ヌクレオチド構造からなる非ヌクレオチド残基と、ヌクレオチド残基とを含んでもよい。」([0029]) (甲1-6)「[0032] 本発明のssPN分子において、前記リンカー領域は、例えば、下記式(I)で表わされる。 [化I] [図:0001403684000016.jpg] 」([0032]) (甲1-7)「[0033] 前記式(I)中、例えば、 ・・・・・・・・・ mは、0~30の範囲の整数であり; nは、0~30の範囲の整数であり; 前記領域(Xc)および前記領域(X)は、それぞれ、-OR1-または-OR2-を介して、前記リンカー領域(Lx)に結合し、・・・・・・・・・」([0033]) (甲1-8)「[0051] 前記式(I)の構造は、例えば、下記式(I-1)~(I-4)が例示でき、下記式において、nおよびmは、前記式(I)と同じである。 [化I-1] [図:0001403684000017.jpg] [化I-2] [図:0001403684000018.jpg] [化I-4] [図:0001403684000019.jpg] 」([0051]) (甲1-9)「[0057] 前記第1のssPN分子において、前記領域(Xc)は、前記領域(X)に相補的である。ここで、前記領域(Xc)は、前記領域(X)の全領域またはその部分領域に対して相補的な配列を有していればよく、好ましくは、前記領域(X)の全領域またはその部分領域に相補的な配列を含む、または、前記相補的な配列からなる。・・・・・・・・・」([0057]) (甲1-10)「[0066] 前記領域(X)の塩基数は、特に制限されない。前記領域(X)が、前記発現抑制配列を含む場合、その下限は、例えば、19塩基である。その上限は、例えば、50塩基であり、好ましくは30塩基であり、より好ましくは25塩基である。前記領域(X)の塩基数の具体例は、例えば、19塩基~50塩基であり、好ましくは、19塩基~30塩基、より好ましくは19塩基~25塩基である。」([0066]) (甲1-11)「[0067] 前記領域(Xc)の塩基数は、特に制限されない。その下限は、例えば、19塩基であり、好ましくは20塩基であり、より好ましくは21塩基である。その上限は、例えば、50塩基であり、より好ましくは40塩基であり、さらに好ましくは30塩基である。」([0067]) (甲1-12)「[0068] 前記ssPN分子において、前記リンカー領域(Lx)の長さは、特に制限されない。前記リンカー領域(Lx)は、例えば、前記領域(X)と前記領域(Xc)とが二重鎖を形成可能な長さであることが好ましい。前記リンカー領域(Lx)が、前記非ヌクレオチド残基の他に、前記ヌクレオチド残基を含む場合、前記リンカー領域(Lx)の塩基数は、その下限が、例えば、1塩基であり、好ましくは2塩基であり、より好ましくは3塩基であり、その上限が、例えば、100塩基であり、好ましくは80塩基であり、より好ましくは50塩基である。」([0068]) (甲1-13)「[0106] 前記領域(Xc)、前記領域(X)、前記領域(Y)および前記領域(Yc)の構成単位は、それぞれ、前記ヌクレオチド残基が好ましい。・・・・・・・・・」([0106]) (甲1-14)「[0137] 2.ヌクレオチド残基 前記ヌクレオチド残基は、例えば、構成要素として、糖、塩基およびリン酸を含む。前記ヌクレオチド残基は、前述のように、例えば、リボヌクレオチド残基およびデオキシリボヌクレオチド残基等があげられる。・・・・・・・・・」([0137]) (甲1-15)「[0138] 前記ヌクレオチド残基は、未修飾ヌクレオチド残基および修飾ヌクレオチド残基等があげられる。・・・・・・・・・」([0138]) (甲1-16)「[0139] 前記修飾ヌクレオチド残基は、例えば、前記未修飾ヌクレオチド残基を修飾したヌクレオチド残基である。・・・・・・・・・また、前記修飾ヌクレオチド残基は、例えば、前記ヌクレオチド残基の代替物の残基であってもよい。」([0139]) (甲1-17)「[0140] 前記ヌクレオチド残基の修飾は、例えば、リボース-リン酸骨格(以下、リボリン酸骨格)の修飾等があげられる。」([0140]) (甲1-18)「[0142] ・・・・・・・・・前記非リボリン酸骨格に置換された、前記ヌクレオチド残基の代替物は、例えば、モルホリノ、シクロブチル、ピロリジン等があげられる。前記代替物は、この他に、例えば、人工核酸モノマー残基等があげられる。具体例として、例えば、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、ENA(2’-O,4’-C-Ethylenebridged Nucleic Acids)等があげられ、好ましくはPNAである。」([0142]) (甲1-19)「[0143] 前記リボリン酸骨格において、例えば、リン酸基を修飾できる。・・・・・・・・・」([0143]) (甲1-20)「[0144] ・・・・・・・・・前記修飾リン酸基は、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェート、ボラノホスフェートエステル、ホスホネート水素、ホスホロアミデート、アルキルまたはアリールホスホネート、およびホスホトリエステル等があげられ、中でも、前記2つの非結合酸素が両方ともSで置換されているホスホロジチオエートが好ましい。」([0144]) (甲1-21)「 [図:0001403684000020.jpg] 」(図1) 2 甲第2号証:特表2015-529469号公報 (甲2-1)「【請求項1】 一般式:X-L-[X-L]i-Xを含む化合物であって、 式中、iは、0~9の整数であり、その値は、前記化合物中に存在する[X-L]iの単位数を示し、 各Xは、独立して、ゲノム標的配列の一標的領域と相補的な少なくとも7個の連続したヌクレオチドを含む相補性の領域を有する、長さが8~50ヌクレオチドのターゲティングオリゴヌクレオチドであり、各Lは、少なくとも2個のXを連結し、各Xより哺乳動物の抽出物中で切断されやすいリンカーであり、 i=0であるとき、かつ一般式が5’X3’-L-5’X3’であるとき、かつ第1のXおよび第2のXと相補的な前記標的領域が前記ゲノム標的配列中で重ならないとき、前記第1のXと相補的な前記標的領域の5’末端および前記第2のXと相補的な前記標的領域の3’末端は、前記ゲノム標的配列内で0~4ヌクレオチドの距離内になく、 少なくとも1個のLは、自己相補性ヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを含まず、少なくとも1個のLは、2個の直接隣接するXと相補的な前記標的領域と連続した前記ゲノム標的配列の一領域と相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを含まず、少なくとも1個のLはオリゴヌクレオチドを含まず、少なくとも1個のLはジスルフィド結合を含まない、 化合物。」(【請求項1】) (甲2-2)「【請求項74】 細胞内の標的遺伝子の活性を調節する方法であって、前記細胞を請求項1から64のいずれか一項に記載の化合物と接触させるステップと、前記化合物が前記細胞内に入る条件下で前記細胞を維持するステップとを含み、少なくとも1つのターゲティングオリゴヌクレオチドの前記ゲノム標的配列は、前記標的遺伝子のセンス鎖中に存在する、方法。」(【請求項74】) (甲2-3)「【0008】 いくつかの実施形態では、ターゲティングオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、siRNA(例えば、一本鎖siRNA)、miRNAスポンジ、または抗マイクロRNAアンチセンスオリゴヌクレオチド(AMO)である。いくつかの実施形態では、ターゲティングオリゴヌクレオチドは、細胞内の標的核酸に特異的に結合し、標的核酸の分解を生じさせる。いくつかの実施形態では、分解は、RNAse Hによって媒介される。いくつかの実施形態では、分解は、RNAi経路によって媒介される。いくつかの実施形態では、ターゲティングオリゴヌクレオチドは、細胞内のその標的核酸に特異的に結合し、標的核酸の機能を阻害する。例えば、いくつかの実施形態では、ターゲティングオリゴヌクレオチドは、標的lncRNAに結合し、lncRNAの1種または複数の相互作用タンパク質(例えば、ポリコームリプレッサー複合体2(PRC2)のサブユニット)との相互作用を阻害する。」(【0008】) (甲2-4)「【0009】 本発明のいくつかの態様によれば、一般式:X-L-[X-L]i-Xを含む化合物であって、式中、iは、0~9の整数であり、その値は、化合物中に存在する[X-L]iの単位数を示し、各Xは、独立して、ゲノム標的配列の一標的領域と相補的な少なくとも7個の連続したヌクレオチドを含む相補性の領域を有するターゲティングオリゴヌクレオチドであり、各Lは、少なくとも2個のXを連結し、各Xより哺乳動物の抽出物中で切断されやすいリンカーである、化合物が提供される。・・・・・・・・・いくつかの実施形態では、ターゲティングオリゴヌクレオチドは、長さが8~15、10~16、10~20、10~25、15~30、8~50、10~100、またはそれ以上のヌクレオチドである。・・・・・・・・・」(【0009】) (甲2-5)「【0020】 ある特定の実施形態では、少なくとも1つのターゲティングオリゴヌクレオチドは、少なくとも1個のリボヌクレオチド、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチド、または少なくとも1個の架橋型ヌクレオチド(bridged nucleotide)を含む。・・・・・・・・・」(【0020】) (甲2-6)「【0105】 いくつかの実施形態では、ターゲティングオリゴヌクレオチドは、糖の2’位で修飾された少なくとも1個のヌクレオチド、最も好ましくは2’-O-アルキル、2’-O-アルキル-O-アルキル、または2’-フルオロ-修飾ヌクレオチドを含む。・・・・・・・・・」(【0105】) (甲2-7)「【0137】 骨格は、他の修飾、例えば、メチルホスホネート、または他の化学的性質によって安定化することができる。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNase H機構を介して働くことができるが、立体的遮断のみによっても働くことができ、これは、転写レベルでの遺伝子サイレンシングおよび転写遺伝子活性化も含む・・・・・・・・・」(【0137】) (甲2-8)「【0143】 ・・・・・・・・・リンカーは、ホスホジエステルヌクレオチド間連結によって連結されたデオキシリボヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を有し得る。リンカーは、ホスホジエステルヌクレオチド間連結によって連結された1~10個のチミジンを含むヌクレオチド配列を有し得る。リンカーは、ホスホロチオエートヌクレオチド間連結によって連結された1~10個のウリジンを含むヌクレオチド配列を有し得る。リンカーは、式:」(【0143】) (甲2-9)「【0144】 【化13】 [図:0001403684000021.jpg] を有することができ、式中、Zは、オリゴヌクレオチドである。Zは、1~10個のチミジンまたはウリジンを含むヌクレオチド配列を有し得る。」(【0144】) (甲2-10)「【0152】 いくつかの実施形態では、リンカーは、非ヌクレオチドリンカー、例えば、単一ホスホジエステル架橋である。・・・・・・・・・」(【0152】) (甲2-11)「【0167】 ・・・・・・・・・他のターゲティング部分、例えば、細胞表面受容体のリガンドまたは抗体もしくはその断片なども使用することができ、細胞表面受容体の例示的なリガンドとしては、EGF、アシアログリコプロテイン、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)ペプチド、アスパラギン-グリシン-アルギニン(NGR)ペプチド、フォレート、トランスフェリン、およびGM-CSFが挙げられる・・・・・・・・・」(【0167】) (甲2-12)「【0222】 本発明のある特定の態様では、多量体オリゴヌクレオチド化合物を含む組成物を収容する容器を含むキットが提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、多量体オリゴヌクレオチド化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。・・・・・・・・・」(【0222】) 3 甲第3号証:特表2015-502134号公報 (甲3-1)「【請求項25】 請求項24に記載の方法であって、第2の核酸鎖が第1の核酸鎖にアニーリングした際に、RNaseHによって切断される、少なくとも4つの連続したヌクレオチドを含む核酸鎖である、方法。」(【請求項25】) (甲3-2)「【請求項50】 請求項45又は46に記載の方法であって、前記機能性部分が、受容体のリガンド及び抗体から選択されるペプチド又はタンパク質である方法。」(【請求項50】) (甲3-3)「【請求項51】 哺乳動物における遺伝子の発現レベルを低減する方法であって、 該哺乳動物に、医薬組成物を有効量投与する工程を含み、 該医薬組成物は、(a)第2の核酸鎖がアニーリングしている第1の核酸鎖を含む二本鎖核酸複合体と、(b)薬理学上許容される担体とを含み、 第1の核酸鎖は、 (i)ヌクレオチドと任意にヌクレオチドアナログとを含み、該核酸鎖における該ヌクレオチド及び任意に含まれる該ヌクレオチドアナログの総数は8~100であり、 (ii)前記遺伝子の転写産物にハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4つの連続したヌクレオチドを含み、 (iii)前記転写産物にハイブリダイズする 核酸鎖であり、かつ、 第2の核酸鎖は、ヌクレオチドと任意にヌクレオチドアナログとを含む核酸鎖である、方法。」(【請求項51】) (甲3-4)「【0010】 ある実施形態において、二重鎖核酸複合体は、標的遺伝子の発現を抑制するアンチセンス核酸を含み、通常RNA転写産物レベルを抑制するアンチセンス核酸を含む。・・・・・・・・・」(【0010】) (甲3-5)「【0014】 本発明の他の実施形態において、以下を提供する。 <1> 精製又は単離された二重鎖核酸複合体であって、 第2の核酸鎖がアニーリングしている第1の核酸鎖を含み、 第1の核酸鎖は、DNAヌクレオチドと任意にヌクレオチドアナログとを含み、 また、第1の核酸鎖は、5’末側に配置された1又は複数のヌクレアーゼ耐性のヌクレオチドを含む5’ウィング領域、及び/又は、3’末側に配置された1又は複数のヌクレアーゼ耐性のヌクレオチドを含む3’ウィング領域を含み、 また、第1の核酸鎖は、少なくとも4つの連続したDNAヌクレオチドを含み、 また、第1の核酸鎖におけるDNAヌクレオチド及びヌクレオチドアナログの総数は、10~100ヌクレオチドであり、・・・・・・・・・」(【0014】) (甲3-6)「【0016】 ・・・・・・・・・ 【図3】 図3A~Bは、二重鎖核酸複合体の好適な態様を示す概略図である。5’ーLNA-DNA-LNA-3’核酸鎖は、標的遺伝子の転写産物に相補的なアンチセンス核酸である。図中「(s)」はホスホロチオエート結合している核酸を示し、「(o)」は、天然のホスホロチオエート結合している核酸を示し、「(m/s)」は、ホスホロチオエート化及び2’-O-メチル化されているRNAを示す。・・・・・・・・・」(【0016】) (甲3-7)「【0018】 第1の核酸鎖は、 (i)ヌクレオチドと任意にヌクレオチドアナログとを含み、該核酸鎖における該ヌクレオチド及び任意に含まれる該ヌクレオチドアナログの総数は8~100であり、 (ii)転写産物にハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4つの連続したヌクレオチドを含み、 (iii)少なくとも1つの非天然ヌクレオチドを含み、 (iv)前記転写産物にハイブリダイズする。」(【0018】) (甲3-8)「【0024】 ある実施形態においては、第1の核酸鎖は、標的遺伝子の転写産物等の標的転写産物に相補的なアンチセンス核酸であって、第1の核酸鎖が前記転写産物にハイブリダイズした際に、少なくとも4つの連続したヌクレオチドを含む領域を有する核酸である。」(【0024】) (甲3-9)「【0025】 ここでは、「核酸」とはモノマーヌクレオチドを意味する場合もあり、複数のモノマーから構成されるオリゴヌクレオチドを意味する場合もある。「核酸鎖」という文言は、ここではオリゴヌクレオチドを称するためにも用いられる。核酸鎖は、その全部又は一部を、自動合成機の使用といった化学合成法によって調製してもよく、ポリメラ―ゼ、ライゲース又は制限酵素反応に限定されるわけではないが、酵素処理により調製してもよい。」(【0025】) (甲3-10)「【0031】 ・・・・・・・・・「ヌクレオチドアナログ」としては、修飾(架橋、置換等)により、標的遺伝子の転写産物の部分配列に対する親和性及び/又は核酸分解酵素に対する耐性が増大されているヌクレオチドであればよく、例えば、特開平10-304889号公報国際公開第2005/021570号、特開平10-195098号公報、特表2002-521310号公報、国際公開第2007/143315号、国際公開第2008/043753号、国際公開第2008/029619号、国際公開第2008/049085号(以下、これら文献を「アンチセンス法に関する文献」とも称する)において、アンチセンス法に好適に用いられるとして開示されている核酸が挙げられる。すなわち、前記文献に開示されている核酸:ヘキシトール核酸(HNA)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、ペプチド核酸(PNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、モルホリノ核酸、トリシクロ-DNA(tcDNA)、2’-O-メチル化核酸、2’-MOE(2’-O-メトキシエチル)化核酸、2’-AP(2’-O-アミノプロピル)化核酸、2’-フルオロ化核酸、2’F‐アラビノ核酸(2’-F-ANA)、BNA(架橋化核酸(Bridged Nucleic Acid)が挙げられる。」(【0031】) (甲3-11)「【0044】 ある実施形態における第2の核酸鎖は、前述の第1の核酸鎖と相補的な核酸である。第2の核酸鎖の塩基配列と第1の核酸鎖の塩基配列とは、完全に相補的である必要はなく、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)の相補性を有していればよい。」(【0044】) (甲3-12)「【0046】 「RNAヌクレオチドと、任意にヌクレオチドアナログと、任意にDNAヌクレオチドとを含む」という文言は、第2の核酸鎖はRNAヌクレオチドを含み、さらに任意にヌクレオチドアナログを含んでもよく、さらにまた任意にDNAヌクレオチドを含んでもよいということを意味する。・・・・・・・・・」(【0046】) (甲3-13)「【0051】 ある実施形態における二重鎖核酸複合体において、第2の核酸鎖に機能性部分が結合していてもよい。・・・・・・・・・」(【0051】) (甲3-14)「【0052】 ある実施形態において、「機能性部分」の構造上、特に制限はなく、それを結合する二重鎖核酸複合体及び/又は核酸鎖に所望の機能を付与する。所望の機能としては、標識機能、精製機能及び標的への送達機能が挙げられる。・・・・・・・・・」(【0052】) (甲3-15)「【0054】 「標的への送達機能」を有する部分として、例えば、肝臓等に特異性高く効率的にある実施形態における二重鎖核酸複合体を送達できるという観点から、脂質が挙げられる。このような脂質としては、コレステロール、脂肪酸等の脂質(例えば、ビタミンE(トコフェロール類、トコトリエノール類)、ビタミンA,ビタミンD)、ビタミンK等の脂溶性ビタミン(例えば、アシルカルニチン)、アシルCoA等の中間代謝物、糖脂質、グリセリド、並びにそれらの誘導体等を例示することができるが、これらの中では、より安全性が高いという観点から、ある実施形態において、コレステロール、ビタミンE(トコフェロール類、トコトリエノール類)を利用することが好ましい。また、脳に特異性高く効率的に本発明の二重鎖核酸を送達できるという観点から、ある実施形態における「機能性部分」としては、糖(例えば、グルコース、スクロース)が挙げられる。また、各臓器の細胞表面にある各種タンパク質に結合することにより、当該臓器に特異性高く効率的にある実施形態における二重鎖核酸複合体を送達できるという観点から、受容体のリガンドや抗体、及び/又はそれらの断片等のペプチド又はタンパク質が、ある実施形態における「機能性部分」として挙げられる。」(【0054】) (甲3-16)「【0092】 LNA/DNAギャップマーとして、比較例1と同様に調製したCy3-ASOを使用した。また、cRNAとして、異なる3つの相補鎖を調製した。それら構造の概要を図10に示す。1の構造は、通常のRNA(天然型RNA)のみからなる相補鎖(cRNA-O)である。第2の構造においては、cRNA鎖の両末端の2塩基ずつを化学修飾(2’-O-メチル化及びホスホロチオエート化)してRNase耐性を持たせている(cRNA(G))。第3の構造においては、全て化学修飾(2’-O-メチル化及びホスホロチオエート化)してRNaseで切断されないようにしている(cRNA(m/S))。これらプローブは、北海道システム・サイエンス株式会社に委託して製造した。cRNA鎖の配列は以下の通りである。 cRNA(o):5’-GAAUACCAAUGC-3’(配列番号:2) cRNA(G):5’-gsasAUACCAAUsgsc-3’(配列番号:3) cRNA(m/s):5’-gsasasusascscsasasusgsc-3’(配列番号:4) (大文字:RNA,小文字:2’-OMe-RNA,s:核酸間の結合がホスホロチエート結合)。」(【0092】) (甲3-17)「【0093】 LNA/DNAギャップマーとcRNAとをそれぞれ等モル量にて混合し、95℃で5分間加熱した後、37℃で1時間保温することにより、これら核酸鎖をアニーリングさせ、二重鎖核酸複合体を形成させた。アニーリングさせた核酸は4℃又は氷上で保存した。」(【0093】) (甲3-18)「 [図:0001403684000022.jpg] 」(図3) 4 甲第4号証:特表2017-505623号公報 (甲4-1)「【0474】 オリゴヌクレオチド合成は、5’~3’方向に行われてもよいし、または大部分のオリゴヌクレオチド合成に典型的であるように、3’~5’方向に行われてもよい。」(【0474】) 第5 当審の判断 1 特許法第29条第2項(甲第1号証を主引用例とする進歩性欠如)について (1)本件発明1について ア.mが0であり、nが0である場合の本件発明1について 本件発明1は、「m及びnは、それぞれ独立して0又は1であり、」と特定されているが、mが0であり、nが0である場合の本件発明1について検討する。 mが0であり、nが0である場合の本件発明1は、 「式:X-L-Y {式中、Xは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなり、 少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含む第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含み、 Yは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~100個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、 Lは、非ヌクレオチド構造を含む連結基であり、前記非ヌクレオチド構造を含む連結基が、下記式: 【化5】 [図:0001403684000023.jpg] {式中、V11は、 C2-50アルキレン基 (該C2-50アルキレン基は、無置換であるか又は、置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、 下記式(XIII-1)から(XIII-11): 【化6】 [図:0001403684000024.jpg] (式中、о1は、0から30の整数であり、p1は、0から30の整数であり、d1は、1から10の整数であり、wは、0から3の整数であり、Rbは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシ基、モノC1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基又はC1-6アルキル基であり、Rcは、水素原子、C1-6アルキル基、ハロC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、ハロC1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシカルボニル基、モノC1-6アルキルアミノカルボニル基、ジC1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、ハロC1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルコキシスルホニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシスルホニル基、モノC1-6アルキルアミノスルホニル基又はジC1-6アルキルアミノスルホニル基である) からなる群より選択される基、 リボヌクレオシド基、又は デオキシリボヌクレオシド基であり、 少なくとも1つのV11は、C2-50アルキレン基(該C2-50アルキレン基は、無置換であるか、又は置換基群Vaより独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)、又は前記式(XIII-1)から(XIII-11)より選択される基であり、 置換基群Vaは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホノ基、スルホ基、テトラゾリル基及びホルミル基により構成される置換基群を意味し、 P11は、それぞれ独立して、-P(=O)(OH)-又は-P(=O)(SH)-であり、 少なくとも1つのP11は、-P(=O)(OH)-であり、 q11は、1から10の整数であり、q12は、1から20の整数であり、q11及びq12の少なくとも一方が2以上のとき、V11は、同一であるか又は異なっている} で表される基であり、 Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、 前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とする第一ヌクレオチド配列を含み、前記第一ヌクレオチド配列が、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であり、 前記ヌクレオチド配列Yは、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、 前記ヌクレオチド配列Xが、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を含む} で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。」に係る発明(以下、「本件発明1A」という。)であると認められる。 イ.甲第1号証に記載された発明 上記記載事項(甲1-1)~(甲1-2)、(甲1-5)~(甲1-16)、(甲1-18)、(甲1-21)から、甲第1号証には、 「式:Xc-Lx-X {式中、Xcは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される19~50個のヌクレオチドからなり、 Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される19~50個のヌクレオチドからなり、 Lxは、非ヌクレオチド構造を含むリンカー領域であり、前記非ヌクレオチド構造を含むリンカー領域が、下記式(I)で表わされ、 [化I] [図:0001403684000025.jpg] 前記式(I)の構造は、下記式(I-1)、(I-2)、(I-4)で表される基であり、 [化I-1] [図:0001403684000026.jpg] [化I-2] [図:0001403684000027.jpg] [化I-4] [図:0001403684000028.jpg] Lxは、その両端でXc及びXとそれぞれ共有結合する} で表され、XcとXとがハイブリダイズする一本鎖核酸分子。」に係る発明が記載されていると認められる。 ウ.本件発明1Aと甲第1号証に記載された発明の対比 本件発明1Aと甲第1号証に記載された発明とを対比すると、甲第1号証に記載された発明の「Xc」は、本件発明1Aの「X」に相当し、甲第1号証に記載された発明の「Lx」は、本件発明1Aの「L」に相当し、甲第1号証に記載された発明の「X」は、本件発明1Aの「Y」に相当し、甲第1号証に記載された発明の「リンカー領域」は、本件発明1Aの「連結基」に相当し、甲第1号証に記載された発明の「一本鎖核酸分子」は、本件発明1Aの「一本鎖オリゴヌクレオチド」に相当する。 そして、甲第1号証に記載された発明の「式(I-1)で表される基」のリンカー領域は、本件発明1Aの「式(XIII-1)」を含む連結基に相当し、甲第1号証に記載された発明の「式(I-2)で表される基」のリンカー領域は、本件発明1Aの「式(XIII-2)」を含む連結基に相当し、甲第1号証に記載された発明の「式(I-4)で表される基」のリンカー領域は、本件発明1Aの「式(XIII-3)」を含む連結基に相当する。 そうすると、両者は、 「式:X-L-Y {式中、Xは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される7~100個のヌクレオチドからなり、 Yは、 デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択される4~100個のヌクレオチドからなり、 Lは、非ヌクレオチド構造を含む連結基であり、前記非ヌクレオチド構造を含む連結基が、下記式: 【化5】 [図:0001403684000029.jpg] {式中、V11は、 下記式(XIII-1)から(XIII-11): 【化6】 [図:0001403684000030.jpg] (式中、о1は、0から30の整数であり、p1は、0から30の整数であり、d1は、1から10の整数であり、wは、0から3の整数であり、Rbは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシ基、モノC1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基又はC1-6アルキル基であり、Rcは、水素原子、C1-6アルキル基、ハロC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、ハロC1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシカルボニル基、モノC1-6アルキルアミノカルボニル基、ジC1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、ハロC1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルコキシスルホニル基、C1-6アルコキシ基若しくはカルバモイル基で置換されたC1-6アルコキシスルホニル基、モノC1-6アルキルアミノスルホニル基又はジC1-6アルキルアミノスルホニル基である) からなる群より選択される基、 P11は、それぞれ独立して、-P(=O)(OH)-又は-P(=O)(SH)-であり、 少なくとも1つのP11は、-P(=O)(OH)-であり、 q11は、1から10の整数であり、q12は、1から20の整数であり、q11及びq12の少なくとも一方が2以上のとき、V11は、同一であるか又は異なっている} で表される基であり、 Lは、その両端で第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、 前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有する} で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。」に係る発明である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1)本件発明1Aは、ヌクレオチド配列Xが、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とする第一ヌクレオチド配列を含み、前記第一ヌクレオチド配列が、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列であるのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのような特定はされていない点。 (相違点2)本件発明1Aは、ヌクレオチド配列Xが、標的RNAとのハイブリダイズを可能にするアンチセンス配列を含むのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのような特定はされていない点。 (相違点3)本件発明1Aは、ヌクレオチド配列Xが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含む第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含むのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのような特定はされていない点。 (相違点4)本件発明1Aは、ヌクレオチド配列Yが、第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二オリゴヌクレオチドを含むのに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのような特定はされていない点。 エ.相違点についての検討 相違点1について検討する。 甲第3号証には、「第1の核酸鎖は、・・・・・・転写産物にハイブリダイズした際に、RNaseHによって認識される少なくとも4つの連続したヌクレオチドを含み、」と記載されている(上記記載事項(甲3-7))が、上記記載事項(甲1-3)から明らかなように、甲第1号証に記載された発明は、RNA干渉と同様の現象により遺伝子発現を抑制するものであって、RNaseHによる標的遺伝子のmRNAの分解というアンチセンス法に関する記載は甲第1号証に存在しないから、甲第3号証に記載された事項が、甲第1号証に記載された発明において、本件発明1Aのヌクレオチド配列Xに対応するXcとして、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を用いることの動機付けになるものとはいえない。 また、甲第2号証に記載された事項に記載された事項を参照しても、甲第1号証に記載された発明において、上記Xcとして、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を用いることの動機付けがあるとはいえない。 よって、甲第2~3号証に記載された事項を参照しても、甲第1号証に記載された発明において、上記Xcとして、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列を用いることは、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。 そして、本件明細書の記載から、本件発明1Aの一本鎖オリゴヌクレオチドは、非ヌクレオチド構造を含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチドに比較して、高いアンチセンス効果を示すという効果を奏するものであり、本件発明1Aの効果は、甲第1号証~甲第3号証の記載から当業者が予測し得ないものである。 したがって、本件発明1Aは、相違点2~4について検討するまでもなく、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 オ.mが0であり、nが1である場合、mが1であり、nが0である場合、mが1であり、nが1である場合の本件発明1について mが0であり、nが1である場合、mが1である場合、nが0である場合、mが1であり、nが1である場合の本件発明1は、本件発明1Aと同じX-L-Yの構造式を含むものであるから、本件発明1Aと同様の理由により、甲第1号証に記載された発明及び甲第3~4号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 カ.小活 本件発明1は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (2)本件発明2について 本件発明2は、本件発明1と同じ式(I)の構造式を含むものであり、相違点1を備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、本件発明2も、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (3)本件発明3~36について 本件発明3~36は、本件発明1又は本件発明2を直接又は間接的に引用する発明であるから、本件発明1又は本件発明2と同様の理由により、本件発明3~36も、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件発明1~36は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本件発明1~36は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、とすることはできない。 2 特許法第36条第4項第1号について (1)本件明細書に記載された事項 本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。 ア.「【0244】 「機能性分子」の構造は、特に制限はなく、それが結合することにより一本鎖オリゴヌクレオチドに所望の機能が付与される。所望の機能としては、標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能が挙げられる。標識機能を付与する分子の例としては、蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ等の化合物が挙げられる。精製機能を付与する分子の例としては、ビオチン、アビジン、Hisタグペプチド、GSTタグペプチド、FLAGタグペプチド等の化合物が挙げられる。 【0245】 また、一本鎖オリゴヌクレオチドを特異性高く効率的に標的部位(例えば、標的細胞)に送達し、かつ当該一本鎖オリゴヌクレオチドによって標的遺伝子の発現を非常に効果的に制御するという観点から、機能性分子として、一本鎖オリゴヌクレオチドを標的部位に送達させる機能を有する分子が結合していることが好ましい。該送達機能を有する分子は、例えば、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカルズ・アンド・バイオファーマシューティクス、107巻、321~340頁(2016年)、アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビューズ、104巻、78~92頁(2016年)、エキスパート・オピニオン・オン・ドラッグ・デリバリー、11巻、791~822頁(2014年)等を参照できる。 【0246】 標的RNAへの送達機能を付与する分子として、例えば、肝臓等に特異性高く効率的に一本鎖オリゴヌクレオチドを送達できるという観点から、脂質、糖が挙げられる。このような脂質としては、コレステロール;脂肪酸;ビタミンE(トコフェロール類、トコトリエノール類)、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK等の脂溶性ビタミン;アシルカルニチン、アシルCoA等の中間代謝物;糖脂質;グリセリド;それらの誘導体等が挙げられる。これらの中では、より安全性が高いという観点から、コレステロール、ビタミンE(トコフェロール類、トコトリエノール類)が好ましい。中でも、トコフェロール類がより好ましく、トコフェロールが更に好ましく、α-トコフェロールが特に好ましい。糖としては、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体が挙げられる。 【0247】 「アシアロ糖タンパク質受容体」は肝臓細胞表面に存在し、アシアロ糖タンパク質のガラクトース残基を認識して、その分子を細胞内に取り込み分解する作用を持つ。「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」は、ガラクトース残基と類似した構造を持ち、アシアロ糖タンパク質受容体との相互作用により細胞内に取り込まれる化合物が好ましく、例えば、GalNAc(N-アセチルガラクトサミン)誘導体、ガラクトース誘導体及びラクトース誘導体が挙げられる。また、脳に特異性高く効率的に本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドを送達できるという観点では、「機能性分子」として、糖(例えば、グルコース、スクロース等)が挙げられる。また、各臓器の細胞表面にある各種タンパク質に相互作用することにより、当該臓器に特異性高く効率的に一本鎖オリゴヌクレオチドを送達できるという観点では、「機能性分子」として、受容体のリガンド、抗体、それらの断片のペプチド又はタンパク質が挙げられる。」(【0244】~【0247】) イ.「【0388】 第一ヌクレオチド配列がアンチセンス配列であり、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とで分子内でハイブリダイズするC-7)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図3に示す。図3に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるXzと、連結基であるLxと、2又は3個のLNAからなるX1と、8~10個のデオキシヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するX2と、2又は3個のLNAからなるX3と、連結基であるLと、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するY2と、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるY1とが、この順に結合している。XzからY1への結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。図3では、第一ヌクレオチド配列を有するX2と、第二ヌクレオチド配列を有するY2とが二重鎖を形成している。X1とY1とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。X3とY2とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。」(【0388】) ウ.「 [図:0001403684000031.jpg] 」(図3) エ.「【0393】 ヌクレオチド配列Yzがアンチセンス配列を含み、第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とが、分子内でハイブリダイズするC-55)に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドの概念図を図8に示す。図8に示される一本鎖オリゴヌクレオチドでは、2又は3個の2’-O-メチル化ヌクレオチドからなるXz1と、10~13個のリボヌクレオチドからなり、第三ヌクレオチド配列を有するXz2と、連結基であるLxと、2又は3個のLNAからなるX1と、8~10個のデオキシリボヌクレオチドからなり、第一ヌクレオチド配列を有するX2と、2又は3個のLNAからなるX3と、連結基であるLと、12~16個のリボヌクレオチドからなり、第二ヌクレオチド配列を有するY0と、連結基であるLyと、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAの少なくとも一方を有し、デオキシリボヌクレオチド、2’-O-メチル化ヌクレオチド及びLNAから独立して選ばれる10~20個のヌクレオチドからなるYzとが、この順に結合している。Xz1からYZへの結合方向は、5’から3’方向であっても、3’から5’方向であってもよい。第一ヌクレオチド配列は、アンチセンス配列であってもよい。図8では、第一ヌクレオチド配列を有するX2と、第二ヌクレオチド配列を有するY0とが二重鎖を形成し、アンチセンス配列部分を含むYZと、第三ヌクレオチド配列を有するXz2とが二重鎖を形成している。X1及びX3は、それぞれ独立して、Y0とは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。Xz2とYzとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。Xz1とYzとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよいが、二重鎖を形成していることが好ましい。LxとLyとは、二重鎖を形成していてもしていなくてもよい。」(【0393】) オ.「 [図:0001403684000032.jpg] 」(図8) カ.「【0426】 (実施例1から2、比較例1から3) ・・・・・・・・・・・・ 【0427】 【表1】 [図:0001403684000033.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0429】 [評価例1] ・・・・・・・・・・・・ 【0430】 図18から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1~2)はHDO(比較例1)、非ヌクレオチド構造を含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例2)及びASO(比較例3)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。また、非ヌクレオチド構造含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例2)は、HDO(比較例1)より高いアンチセンス効果を示すことも確認された。 【0431】 (実施例3、比較例2) ・・・・・・・・・・・・ 【0432】 【表2】 [図:0001403684000034.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0434】 [評価例2] ・・・・・・・・・・・・ 【0435】 図19から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例3)は非ヌクレオチド構造含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例2)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。 ・・・・・・・・・・・・ 【0441】 (実施例4及び5、比較例3、5及び6) ・・・・・・・・・・・・ 【0442】 【表4】 [図:0001403684000035.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0444】 [評価例3] ・・・・・・・・・・・・ 【0445】 図22及び図23から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例4及び5)は非ヌクレオチド構造含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例5)及びASO(比較例3及び6)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。 【0446】 (実施例6、比較例5) ・・・・・・・・・・・・ 【0447】 【表5】 [図:0001403684000036.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0449】 [評価例4] ・・・・・・・・・・・・ 【0450】 図24及び図25から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例6)は非ヌクレオチド構造含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例5)に比較して、同等あるいは高いアンチセンス効果を示すことが確認された。 ・・・・・・・・・・・・ 【0453】 (実施例7、比較例6及び7) ・・・・・・・・・・・・ 【0454】 【表6】 [図:0001403684000037.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0456】 [評価例6] ・・・・・・・・・・・・ 【0458】 図30及び図31から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例7)はHDO(比較例7)及びASO(比較例6)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。 【0459】 (実施例8から13、比較例2) ・・・・・・・・・・・・ 【0460】 【表7】 [図:0001403684000038.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0462】 [評価例7] ・・・・・・・・・・・・ 【0463】 図32から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例8から13)は非ヌクレオチド構造含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例2)に比較して、同等以上のアンチセンス効果を示すことが確認された。 【0464】 (実施例14、比較例1から3) ・・・・・・・・・・・・ 【0465】 【表8】 [図:0001403684000039.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0467】 [評価例8] ・・・・・・・・・・・・ 【0468】 図33から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例14)はHDO(比較例1)、非ヌクレオチド構造を含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例2)及びASO(比較例3)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。 【0469】 (実施例15、比較例8から10) ・・・・・・・・・・・・ 【0470】 【表9】 [図:0001403684000040.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0472】 [評価例9] ・・・・・・・・・・・・ 【0473】 図34から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例15)はHDO(比較例10)、非ヌクレオチド構造を含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例9)及びASO(比較例8)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。 【0474】 (実施例7及び16、比較例7及び11) ・・・・・・・・・・・・ 【0475】 【表10】 [図:0001403684000041.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0477】 [評価例10] ・・・・・・・・・・・・ 【0478】 図35及び図36から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例7及び16)はHDO(比較例7及び11)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。 ・・・・・・・・・・・・ 【0484】 (実施例17、比較例13) ・・・・・・・・・・・・ 【0489】 【表12】 [図:0001403684000042.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0491】 [評価例11] ・・・・・・・・・・・・ 【0492】 図38及び図39から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例17)は非ヌクレオチド構造含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例13)に比較して、同等以上のアンチセンス効果を示すことが確認された。 【0493】 (実施例18、比較例14及び15) ・・・・・・・・・・・・ 【0494】 【表13】 [図:0001403684000043.jpg] ・・・・・・・・・・・・ 【0496】 [評価例12] ・・・・・・・・・・・・ 【0497】 図40から明らかなように、本発明に係る一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例18)はASO(比較例14)及び非ヌクレオチド構造含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例15)に比較して、高いアンチセンス効果を示すことが確認された。」(【0426】~【0497】) (2)本件発明1~36について 本件明細書の発明の詳細な説明には、Y-L-Xの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド、X-L-Y-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド、X-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについて、実施例等により具体的に記載されており(上記記載事項カ.)、Yz、Ly-Yzの構造の付加に関わらず、それらの一本鎖オリゴヌクレオチドは、非ヌクレオチド構造を含む連結基を有さない一本鎖オリゴヌクレオチドに比較して、高いアンチセンス効果を示したことが記載されている(Y-L-Xの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについては実施例1~3及び7~8、X-L-Y-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについては実施例4、X-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについては実施例5~6)。 一方、本件明細書の発明の詳細な説明には、前記構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド以外の一本鎖オリゴヌクレオチド、例えば、Xz-Lx-X-L-Yの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチド、Xz-Lx-X-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについて、どのような構造で構成されるのか具体的に記載されている(Xz-Lx-X-L-Yの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについては上記記載事項イ.及びウ.、Xz-Lx-X-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについては上記記載事項エ.及びオ.)。 そして、X-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドは、「X-L-Y」に「-Ly-Yz」が付加された構造を有するものであるが、「X-L-Y」に「Xz-Lx-」が付加されたXz-Lx-X-L-Yの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについても、実施例に記載されたX-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドと同様の効果が得られることを当業者が容易に理解することができる。また、Xz-Lx-X-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドについても、「X-L-Y」に「-Ly-Yz」が付加され、「Xz-Lx-」が付加された構造を有するものであり、また、X-L-Y-Ly-Yzの構造を含むものであるから、実施例に記載されたX-L-Y-Ly-Yzの構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドと同様の効果が得られることを当業者が容易に理解することができる。 ゆえに、本件明細書の実施例で実際に用いられている一本鎖オリゴヌクレオチド以外の、本件発明1に包含される一本鎖オリゴヌクレオチドについても、本件明細書の実施例で実際に用いられている一本鎖オリゴヌクレオチドの実験結果から同様の効果が得られることを当業者が容易に理解することができる程度に本件発明の詳細な説明の記載は記載されているといえる。 よって、本件発明1について、発明の詳細な説明が当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。本件発明2は、本件発明1の発明特定事項と同様の発明特定事項を含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、発明の詳細な説明が当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。本件発明3~36は、本件発明1又は本件発明2を直接又は間接的に引用する発明であるから、本件発明1又は本件発明2と同様の理由により、本件発明3~36についても、発明の詳細な説明が当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。 (3)本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30について 本件明細書の発明の詳細な説明には、「標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子」について説明されており(上記記載事項ア.)、「標識機能を付与する分子」、「精製機能を付与する分子」、「標的部位への送達機能を有する分子」として、どのような物質を使用することができるのか具体的に記載されており、また、それらの物質は「標識機能を付与する分子」、「精製機能を付与する分子」、「標的部位への送達機能を有する分子」として広く使用されているものであるから、具体的なデータが示されていなくても、当業者であればそれらの物質を実施例に記載された特定の分子(上記記載事項カ.)に代えて、「標識機能を付与する分子」、「精製機能を付与する分子」、「標的部位への送達機能を有する分子」として使用することができることを理解することができる。 よって、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30について、発明の詳細な説明が当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。 したがって、本件発明1~36は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない、とすることはできない。 3 特許法第36条第6項第1号について (1)本件発明1~36について 上記2(2)で述べたように、本件発明の詳細な説明の記載及び本件出願時の技術常識を考慮すると、本件発明1~36は、本件発明1~36の課題を解決できることを当業者が認識できるように発明の詳細な説明に記載されたものといえる。 (2)本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30について 上記2(3)で述べたように、本件発明の詳細な説明の記載及び本件出願時の技術常識を考慮すると、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30も、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30の課題を解決できることを当業者が認識できるように発明の詳細な説明に記載されたものといえる。 したがって、本件特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない、とすることはできない。 4 特許法第36条第6項第2号について 本件明細書には、「標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子」について説明されており(上記記載事項ア.)、「標識機能を付与する分子」、「精製機能を付与する分子」、「標的部位への送達機能を有する分子」として、具体的にどのような物質が包含されるのか記載されているから、当業者であれば「標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子」という用語の技術的意味を理解することができる。また、「標的部位への送達機能を有する分子」の具体例として、「糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体」、「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」、「受容体のリガンド及び抗体」が記載されており(上記記載事項ア.)、また、それらの物質は「標識機能を付与する分子」として広く使用されているものであるから、当業者であれば「糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体」、「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」、「受容体のリガンド及び抗体」に具体的にどのような物質が包含されるのか理解することができる。 そうすると、本件発明26の「標識機能、精製機能及び標的部位への送達機能からなる群から選択される少なくとも1種の機能を有する機能性分子」、本件発明27の「糖、脂質、ペプチド及びタンパク質並びにそれらの誘導体」、本件発明29の「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する糖誘導体」、本件発明30の「受容体のリガンド及び抗体」という用語が、本件明細書の記載及び本件出願時の技術常識を考慮した場合に、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえない。 よって、本件発明26、本件発明27、本件発明29、本件発明30は、明確に記載されているといえる。 したがって、本件特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、とすることはできない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由によっては、本件発明1~36に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件発明1~36に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700621

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  • 2024-701211異議申立 / 2025-11-27 / 訂正認容キノコ菌糸体を用いた食品素材
    共通の審決分類: 121・C12N、536・C12N、537・C12N
  • 2025-700220異議申立 / 2025-08-20 / 維持相補部分を含む修飾オリゴヌクレオチドの製造方法
    共通の審決分類: 121・C12N、536・C12N、537・C12N
  • 2024-700796異議申立 / 2024-11-05 / 維持SARS-COV-2 mRNAドメインワクチン
    共通の審決分類: 121・C12N、536・C12N、537・C12N

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