特許異議申立
2023-700005
X線発生装置、X線装置、構造物の製造方法、及び構造物製造システム
- 審判番号
- 2023-700005
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-068579
- 登録番号
- 7099488
- 請求日
- 2023年01月05日
- 審決日
- 2024年05月10日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社ニコン
- 【権利者代理人】西 和哉
- 【権利者代理人】川村 武
- 【異議申立人】齊藤 恵美子
- 審判長/審判官
- 審判長 山村 浩
- 審判官 松川 直樹
- 審判官 野村 伸雄
- 分類
- P1651.113-YAA(H01J) / P1651.121-YAA(H01J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項、特許法第135条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7099488号発明「X線発生装置、X線装置、構造物の製造方法、及び構造物製造システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7099488号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-13〕について訂正することを認める。
特許第7099488号の請求項1、2、7-13に係る特許を維持する。
特許第7099488号の請求項3-6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7099488号(以下「本件特許」という。)の請求項1-13に係る特許についての出願は、本願は、平成27年7月14日に出願した特願2015-140706号の一部を令和2年4月6日に新たな特許出願としたものであって、令和4年7月4日にその特許権の設定登録がされ、令和4年7月12日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和5年 1月 5日 :特許異議申立人 齋藤恵美子(以下「申立人
」という。)による全請求項に対しての特許
異議の申立て
令和5年 4月14日付け:取消理由通知書(以下、この通知書に係る取
消理由を「第1次取消理由」という。)
令和5年 6月19日 :特許権者による訂正請求書(以下、この請求
書に係る訂正を「第1次訂正」という。)及
び意見書の提出
令和5年 8月24日 :申立人による意見書の提出
令和5年10月27日付け:取消理由通知書(決定の予告。以下、この通
知書に係る取消理由を「第2次取消理由」と
いう。)
令和5年12月28日 :特許権者による訂正請求書(以下、この請求
書に係る訂正を「本件訂正」という。)及び
意見書の提出
なお、当審は、申立人に対して、本件訂正に係る請求について、特許法第120条の5第5項の規定に基づき相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、申立人からは応答がなかった。
第2 本件訂正の適否についての判断
1 本件訂正の内容
(1)本件訂正の内容は、以下のとおりである(下線は当審が付したものであって、訂正箇所を示す。)。
ア 訂正事項1
請求項1において、「配置される、X線発生装置。」であった記載を、「配置され、前記材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、炭化ケイ素、パイログラファイトのいずれか一つを含み、前記開口部は、前記材料から成る、X線発生装置。」に訂正する。
イ 訂正事項2
請求項2において、「電磁レンズを備える、請求項1に記載のX線発生装置。」であった記載を、「電磁レンズを備え、
前記電磁レンズは、前記電子線から前記ターゲットまでの電子線の進路を囲い且つ内部が真空の管の外部に配置される、請求項1に記載のX線発生装置。」に訂正する。
ウ 訂正事項3
請求項3-6を削除する。
エ 訂正事項4
請求項7において、「前記電子源から前記ターゲットまでの電子線の進路を囲う管を備え、
前記管の内面の少なくとも一部に前記材料を含む、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のX線発生装置。」であった記載を、「前記電子源から前記ターゲットまでの電子線の進路を囲い且つ内部が真空の管を備え、
前記管の内面の少なくとも一部に前記材料を含む、請求項1又は請求項2に記載のX線発生装置。」に訂正する。
オ 訂正事項5
請求項8において、「請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のX線発生装置。」であった記載を、「請求項1、請求項2及び請求項7のいずれか一項に記載のX線発生装置。」に訂正する。
カ 訂正事項6
請求項9において、「請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のX線発生装置。」であった記載を、「請求項1、請求項2、請求項7及び請求項8のいずれか一項に記載のX線発生装置。」に訂正する。
キ 訂正事項7
請求項10において、「請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のX線発生装置と、」であった記載を、「請求項1、請求項2、及び請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のX線発生装置と、」に訂正する。
(2)なお、本件訂正は、一群の請求項である訂正後の請求項1-13について請求されたものである。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的の適否
訂正事項1は、訂正前の請求項1に、「前記材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、炭化ケイ素、パイログラファイトのいずれか一つを含み、前記開口部は、前記材料から成る」との構成を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無
訂正事項1は、本件特許の登録時の請求項3の「前記材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、炭化ケイ素、パイログラファイトのいずれか一つを含む」との記載、及び、同請求項6の「前記開口部は、前記材料から成る」との記載からみて、本件特許の登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、上記ア及びイに照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的の適否
訂正事項2は、訂正前の請求項2に、「前記電磁レンズは、前記電子線から前記ターゲットまでの電子線の進路を囲い且つ内部が真空の管の外部に配置される」との構成を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無
訂正事項2は、本件明細書等の段落【0033】の「図2に示すように、電磁レンズ141,145、・・・がZ方向に沿って真空チューブ110の周囲に配置されている。・・・電磁レンズ145は、ターゲット130に近い位置に配置され、開口部150を通過した電子線200をターゲット130に集束させて、ターゲット130の一部の領域(X線の発生領域)に電子線200を照射する。」及び【0050】の「・・・電子線200,210が通過する進路を形成する真空チューブ(管)110・・・」との記載に照らして、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、上記ア及びイに照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的の適否
訂正事項3は、訂正前の請求項3-6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無
訂正事項3は、訂正前の請求項3-6を削除するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、上記ア及びイに照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的の適否
訂正事項4は、訂正前の請求項7において、下記(i)及び(ii)の訂正を行うものである。
(i)訂正前の請求項7の「前記電子源から前記ターゲットまでの電子線の進路を囲」う「管」について、さらに「内部が真空」であると限定することで、特許請求の範囲を減縮する訂正。
(ii)訂正前の請求項7の「請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のX線発生装置。」を、「請求項1又は請求項2に記載のX線発生装置。」に訂正することにより、訂正前の請求項7が訂正前の請求項1-6を引用していたところ、本件訂正により、訂正前の請求項3-6が削除されたことに伴ってこのような引用ができなくなったことを踏まえて、当該請求項3-6の記載を引用しないようにして明瞭でない記載を釈明する訂正。
したがって、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無
(ア)上記ア(i)の訂正について
当該訂正に係る事項は、上記(2)イに摘記した、本件明細書等の段落【0033】及び【0050】の記載に照らして、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(イ)上記ア(ii)の訂正について
当該訂正に係る事項は、上記ア(i)に照らせば、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4は、上記ア及びイに照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的の適否
訂正事項5は、訂正前の請求項8が訂正前の請求項1-7を引用していたところ、本件訂正により、訂正前の請求項3-6が削除されたことに伴ってこのような引用ができなくなったことを踏まえて、当該請求項3-6の記載を引用しないようにした訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無
上記アに照らせば、訂正事項5は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、上記ア及びイに照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的の適否
訂正事項6は、訂正前の請求項9が訂正前の請求項1-8を引用していたところ、本件訂正により、訂正前の請求項3-6が削除されたことに伴ってこのような引用ができなくなったことを踏まえて、当該請求項3-6の記載を引用しないようにした訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無
上記アに照らせば、訂正事項6は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項6は、上記ア及びイに照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(7)訂正事項7
ア 訂正の目的の適否
訂正事項7は、訂正前の請求項10が訂正前の請求項1-9を引用していたところ、本件訂正により、訂正前の請求項3-6が削除されたことに伴ってこのような引用ができなくなったことを踏まえて、当該請求項3-6の記載を引用しないようにした訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無
上記アに照らせば、訂正事項7は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項7は、上記ア及びイに照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
3 訂正についてのまとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。なお、本件訂正は、請求項1-13についてのものであるところ、当該各請求項は、いずれも特許異議申立てがされた請求項であるから、本件訂正には、第120条の5第9項で読み替えて準用する第126条第7項の独立特許要件は課されない。
したがって、特許第7099488号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-13〕について訂正することを認める。
第3 本件発明の認定
本件訂正後の請求項1、2、7-13(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」、「本件発明7」-「本件発明13」といい、また、これらを総称して「本件発明」ということがある。なお、請求項3-6は、前記第2の2(3)のとおり、本件訂正により削除された。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
電子線を放出する電子源と、
前記電子源からの電子線が通過する開口が形成された開口部と、
前記開口を通過した電子線が照射されることでX線を発生するターゲットと、を備え、
前記ターゲットに最も近い前記開口部における前記ターゲットに対向する側の少なくとも一部は、前記電子線の照射により発生するX線の強度が前記ターゲットよりも少ない材料を含み、
前記開口部は、前記ターゲットと空間を隔てて配置され、
前記材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、炭化ケイ素、パイログラファイトのいずれか一つを含み、
前記開口部は、前記材料から成る、X線発生装置。
【請求項2】
前記開口部を通過した前記電子線を集束させる電磁レンズを備え、
前記電磁レンズは、前記電子源から前記ターゲットまでの電子線の進路を囲い且つ内部が真空の管の外部に配置される、請求項1に記載のX線発生装置。
【請求項7】
前記電子源から前記ターゲットまでの電子線の進路を囲い且つ内部が真空の管を備え、
前記管の内面の少なくとも一部に前記材料を含む、請求項1又は請求項2に記載のX線発生装置。
【請求項8】
前記ターゲットは、透過型のターゲットである、請求項1、請求項2及び請求項7のいずれか一項に記載のX線発生装置。
【請求項9】
前記ターゲットにおける前記電子源に対向する側の少なくとも一部は、前記材料で被覆されている、請求項1、請求項2、請求項7及び請求項8のいずれか一項に記載のX線発生装置。
【請求項10】
請求項1、請求項2、及び請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のX線発生装置と、
前記X線発生装置から射出されたX線を検出する検出器と、を備える、X線装置。
【請求項11】
構造物の形状に関する設計情報を作成する設計工程と、
前記設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形工程と、
作製された前記構造物の形状を請求項10に記載のX線装置を用いて計測する計測工程と、
前記計測工程で得られた形状情報と前記設計情報とを比較する検査工程と、を有する、構造物の製造方法。
【請求項12】
前記検査工程の比較結果に基づいて実行され、前記構造物の再加工を実施するリペア工程を有する、請求項11に記載の構造物の製造方法。
【請求項13】
構造物の形状に関する設計情報を作成する設計装置と、
前記設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形装置と、
作製された前記構造物の形状を測定する請求項10に記載のX線装置と、
前記X線装置によって得られた前記構造物の形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較する制御装置と、を含む、構造物製造システム。」
第4 第2次取消理由及び第1次取消理由の要旨並びに申立人が提出した証拠について
1 第1次訂正後の請求項1、2、4、5、7-13に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した第2次取消理由の要旨は、次のとおりである。
以下、証拠番号の「第」及び「号証」は略して表記する。また、以下に掲げる証拠及び参考文献は、いずれも、本願の出願前に日本国内若しくは外国において頒布された刊行物に係るものであるか、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献に係るものである。
(1)理由1(新規性欠如)
第1次訂正後の請求項1、4、5及び8に係る発明に対する参考文献1に記載された発明に基づく新規性欠如。
(2)理由2(進歩性欠如)
第1次訂正後の請求項1、2、4、5及び7-13に係る発明に対する参考文献1に記載された発明及び周知技術に基づく進歩性欠如。
(3)なお、第1次訂正後の請求項6に係る特許は、第2次取消理由の対象外である。
2 本件特許の登録時の請求項1-13に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した第1次取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)理由1(新規性欠如)
本件特許の登録時の請求項1、2、7及び8に係る発明に対する甲8に記載された発明に基づく新規性欠如。
(2)理由2(進歩性欠如)
ア 甲1に記載された発明を主引用発明とするもの
本件特許の登録時の請求項1-3、6-9に係る発明に対する甲1に記載された発明及び周知技術に基づく進歩性欠如。
本件特許の登録時の請求項10-13に係る発明に対する甲1に記載された発明、甲7に記載された技術的事項及び周知技術に基づく進歩性欠如。
イ 甲8に記載された発明を主引用発明とするもの
本件特許の登録時の請求項3、6及び9に係る発明に対する甲8に記載された発明及び周知技術に基づく進歩性欠如。
本件特許の登録時の請求項10-13に係る発明に対する甲8に記載された発明、甲7に記載された技術的事項及び周知技術に基づく進歩性欠如。
(3)なお、本件特許の登録時の請求項4及び5に係る特許は、第1次取消理由の対象外である。
3 申立人が提出した証拠は、次のとおりである(以下、「号」及び「号証」は略して表記する。)。
甲1:特開2009-301908号公報
甲2:特許第5020466号公報
甲3:特開平11-87089号公報
甲4:特開2014-44902号公報
甲5:特開2005-276760号公報
甲6:特開2005-332623号公報
甲7:国際公開第2014/050931号
甲8:特開2004-165052号公報
参考文献1:特開2006-185827号公報
第5 引用文献及び引用文献に記載された事項の認定
1 甲1(特開2009-301908号公報)に記載された事項及び甲1に記載された発明の認定
(1)甲1に記載された事項
甲1の図2は次のものである。
[図:0001413289000001.jpg]
(2)甲1発明の認定
甲1には、甲1の請求項1を引用する請求項2に記載されたX線発生装置に関して、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(参考までに、甲1発明の認定に関連する段落番号等を括弧内に付してある。以下同じ。)。
「電子銃から出射された電子ビームをターゲットに入射させて、前記ターゲットからX線を放射させるX線発生装置であって、
前記電子銃から出射された前記電子ビームが通過する電子通路と、
前記電子通路を通過する前記電子ビームを前記ターゲットに集束させる電磁コイルと、を備え、
前記電子通路において、第1の部分の内壁面は、前記第1の部分に対して前記電子銃側に位置する第2の部分の内壁面よりも粗い凹凸面となっているX線発生装置であって、(請求項1)
前記第1の部分は、前記電子ビームを絞る電子通過孔が設けられたアパーチャ部を含み、
前記電子通過孔の内壁面は、前記凹凸面となっているX線発生装置。(請求項2)」
2 甲8(特開2004-165052号公報)に記載された事項及び甲8に記載された発明の認定
(1)甲8に記載された事項
甲8の図2は次のものである。
[図:0001413289000002.jpg]
(2)甲8発明の認定
甲8には、請求項1に記載されたX線発生装置に関して、次の発明(以下「甲8発明」という。)が記載されていると認められる。
「電子銃から出射された電子ビームをターゲットに入射させて、前記ターゲットからX線を放出させるX線発生装置であって、
前記電子銃と前記ターゲットとの間に配置され、前記電子ビームが通過する内筒部と、
前記内筒部を包囲する電磁コイルと、
前記電磁コイルを包囲する外筒部と、
前記内筒部と前記ターゲットとの間に配置され、前記ターゲットを保持する保持部材とを備え、
前記保持部材は、導電性且つ磁性材料により形成され、前記内筒部及び前記外筒部から離間すると共に、前記電磁コイルにより生じる磁束が通過する磁気回路を前記内筒部及び前記外筒部とにより構成する
X線発生装置であって、(請求項1)
前記内筒部の前端側の開口部には、ステンレス、真鍮或いは銅等の非磁性材料からなるアパーチャ部材が挿入されており、このアパーチャ部材によって、電子通路を通過してきた電子ビームの周辺部分がカットされる、(【0016】)
X線発生装置。(請求項1)」
3 参考文献1(特開2006-185827号公報)に記載された事項及び参考文献1に記載された発明の認定
(1)参考文献1に記載された事項
ア 参考文献1の図1-4は次のとおりである。
[図:0001413289000003.jpg]
[図:0001413289000004.jpg]
[図:0001413289000005.jpg]
イ 図1に係るX線発生装置について、図1からは、次の事項が見て取れる。
(ア)当該X線発生装置における「アパーチャ」は、陰極(電子銃)から発生した電子ビームが通過する通過孔が形成されたものであって、ターゲットに最も近い通過孔が形成された部材であること。
(イ)当該アパーチャは、ターゲットと空間を隔てて配置されていること。
(ウ)当該アパーチャは、ビーム照射面側の面(陰極(電子銃)側の面)と他面(ターゲット側の面)とを有すること。
ウ 図1に係るX線発生装置において、それに含まれる「アパーチャ」は図3で係るものであってよいところ、アパーチャの材質よりもX線を発生しにくい材質からなる「被覆膜」(【0012】)を当該アパーチャのどこに設けるかについて、参考文献1には「被覆膜を配設する場所も、図3・・・のものに限定するものではなく、他面にも形成される」(【0018】)との記載がある。しかるに、アパーチャの側面(電子レンズ側の面)には、電子レンズが見て取れる(図1)ことにも照らせば、当該側面に被覆膜を設ける必要性は低く、むしろ、アパーチャのターゲット側に被覆膜を形成することが典型的に想定されていると解される。
したがって、参考文献1には、アパーチャ1のターゲット側の面にも上記の意味での被覆膜が形成される構成が記載されていると認められる。
(2)参考文献1に記載された発明
上記(1)によれば、参考文献1には、図1に係るX線発生装置であって、上記(1)ウのとおり、アパーチャ1のターゲット側の面にも(アパーチャの材質よりもX線を発生しにくい材質からなる)被覆膜が形成されたものについて、次の発明(以下「参考文献1発明」という。)が記載されていると認められる。
「エネルギービームを発生させるビーム源と、
このビーム源に対向配置され、ビーム源からのエネルギービームの衝突によりX線を発生させるターゲットと、
前記ビーム源とターゲットとの間に配置され、エネルギービームを絞るための通過孔が形成されたアパーチャとを備えたX線発生装置であって、
少なくとも前記アパーチャのエネルギービームが照射される面を、アパーチャの材質よりもX線を発生しにくい材質で構成し、(【請求項1】)
エネルギービームは電子ビームであり、(【0011】)
前記アパーチャは、ビーム源から発生した電子ビームが通過する通過孔が形成されたものであって、ターゲットに最も近い通過孔が形成された部材であり、(上記(1)イ(ア))
前記アパーチャは、ターゲットと空間を隔てて配置され、(上記(1)イ(イ))
前記アパーチャは、ビーム照射面側の面とターゲット側の面とを有し、(上記(1)イ(ウ))
前記アパーチャのターゲット側の面にもアパーチャの材質よりもX線を発生しにくい材質からなる被覆膜が形成されており、(上記(1)ウ)
前記被覆膜をアルミニウム製としてよい、(【0014】)
X線発生装置。(【請求項1】)」
第6 当審の判断
1 第2次取消理由についての判断
本件訂正により、本件発明1、2、7-13は、第2次取消理由の対象外である当時の請求項6の発明特定事項を含むものとなったことから、第2次取消理由は、解消した。
なお、付言すると、当時の請求項6の発明特定事項は、「前記開口部は、前記材料から成る」ことである一方、当該「開口部」に相当する参考文献1発明の部材である「アパーチャ」は、その面上に「アパーチャの材質よりもX線を発生しにくい材質からなる被覆膜」を形成したものであるところ、参考文献1では、「アパーチャの材質」として「リン青銅」などの公知の材料(【0011】の「リン青銅製の公知のアパーチャ」の記載を参照)を用いると記載されていることから、参考文献1発明においては、「アパーチャ」それ自体は、通常の材料を用いることが前提となっており、「X線を発生しにくい材質からなる」ものとするとの技術的思想をうかがうことはできないのであり、そうである以上、参考文献1発明から出発した当業者が、「アパーチャ」それ自体を「X線を発生しにくい材質からなる」ものとすることを動機付けられるとは言い難い。
したがって、本件発明1、2、7-13に係る特許は、第2次取消理由によっては、取り消すことができない。
2 第1次取消理由についての判断
(1)甲8に記載された発明を主引用発明とした場合の新規性及び進歩性について
事案に鑑みて甲8発明を主引用発明とした場合から検討する。
ア 本件発明1について
(ア)対比、一致点及び相違点の認定
a 甲8発明の「電子ビーム」、「電子銃」、「ターゲット」及び「X線発生装置」は、本件発明1の「電子線」、「電子源」、「ターゲット」及び「X線発生装置」にそれぞれ相当する。
b 甲8発明の「保持部材」は、その配置されている位置に照らせば、電子通過孔を有しているといえるから、本件発明1の「開口部」に相当し、本件発明1でいう「電子源からの電子線が通過する開口が形成された」ものといえる。
また、甲8発明の「アパーチャ部材」も、本件発明1の「開口部」に相当し、本件発明1でいう「電子源からの電子線が通過する開口が形成された」ものといえる。
c(a)本件発明1には、「前記材料から成る」「開口部」が配置されている位置について、「前記ターゲットに最も近い」こと、及び「前記ターゲットと空間を隔てて配置され」ていることの2点が特定されている。しかるに、これら両者の特定事項によって、当該「前記材料から成る」「開口部」について、(i)「前記ターゲットに最も近い」ものであって、しかも、それが「前記ターゲットと空間を隔てて配置され」ているものでもあることが特定されているのか、それとも、(ii)「前記ターゲットと空間を隔てて配置され」ているものであって、しかも、それ又はそれらのうち「前記ターゲットに最も近い」ものであることが特定されているのかは、直ちには判然としない。
しかしながら、(i)の意味であるならば、通常存在すると解されるターゲットを固定する部材(例えば、甲8の図2の固定枠26がこれに該当する。このような固定部材は、一般に「開口部」に該当し、「ターゲットに最も近い」ともいえるが、「ターゲットと空間を隔てて配置され」てはいない場合が多いと解される。)を備える態様(以下、この態様に係る「開口部」を「ターゲット非離隔開口部」という。)が、本件発明1に含まれないことになるところ、本件発明1の技術的意義に照らせば、ターゲット非離隔開口部を備える態様を除外するように解する技術的合理性はないといえる。すなわち、本件発明1の技術的意義は、電子源から発生する電子がターゲットとは異なる場所に照射されると、結果的に測定不良が発生する可能性がある(【0004】)という課題を解決するために、本件発明1で特定された「開口部」を設ける(【0006】)という解決手段を採用することにあると認められ、その課題解決原理は、この「開口部」に電子線が照射されたことによって発生するX線の量を抑制する(【0044】)ことにあると認められる。しかるに、ターゲット非離隔開口部を備える態様であっても、「前記ターゲットと空間を隔てて配置され」た、それとは異なる「開口部」が存在するのであれば、上記の課題が発生するのであり、しかも、上記の解決手段によってその課題を解決できるといえることから、ターゲット非離隔開口部を備える態様であることをもって、直ちにこれを本件発明1に含めない技術的合理性はないといえる。他方、(ii)の意味に解することに反する本件明細書等の記載は存在しない。
そうすると、本件発明1には、「前記材料から成る」「開口部」が配置されている位置について、(ii)の意味であることが特定されていると解するのが相当である。なお、特許権者は、甲8においては、その図2に記載された「固定枠26」ではなく、「保持部材21」が「前記材料から成る」「開口部」に相当する旨主張しているところ、当該「保持部材21」は、ターゲット28と空間を隔てて配置されているものであって、ターゲットと空間を隔てて配置される開口部のうち最もターゲットに近いといえることから、特許権者も(ii)の解釈をとっていると解される。
(b)これを甲8発明についてみると、甲8発明には、前記bのとおり、本件発明1の「開口部」に相当するものとして「保持部材」と「アパーチャ部材」が存在する。そして、これらのうちのいずれが、本件発明1で特定された「前記ターゲットと空間を隔てて配置され」るもののうち「前記ターゲットに最も近い」ものといえるのかは不明である。
d 以上によれば、本件発明1と甲8発明は
「電子線を放出する電子源と、
前記電子源からの電子線が通過する開口が形成された開口部と、
前記開口を通過した電子線が照射されることでX線を発生するターゲットと、を備える、X線発生装置。」の点で一致するとともに下記点で相違する。
【相違点8A】
本件発明1の「開口部」は、「前記ターゲットと空間を隔てて配置され」るもののうち「前記ターゲットに最も近い」ものであるのに対し、甲8発明の「保持部材」と「アパーチャ部材」は、そのようなものであるのか不明である点。
【相違点8B】
本件発明1の「開口部」は、「前記ターゲットに対向する側の少なくとも一部は、前記電子線の照射により発生するX線の強度が前記ターゲットよりも少ない材料を含み」、「前記材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、炭化ケイ素、パイログラファイトのいずれか一つを含み」、「前記開口部は、前記材料から成る」のに対して、甲8発明の「保持部材」と「アパーチャ部材」は、それを成す材料がこのような材料を含むのか不明である点。
(イ)判断
a 相違点8A及び8Bに係る本件発明1の「開口部」は、その位置が「前記ターゲットと空間を隔てて配置され」るもののうち「前記ターゲットに最も近い」ものである(前記(ア)c(a)。以下、この位置を「本件特定位置」という。)とともに、それを成す材料が「アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、炭化ケイ素、パイログラファイトのいずれか一つを含」むものである(以下、この材料を「本件特定材料」という。)。しかるに、前記(ア)cで認定したとおり、本件発明1の技術的意義は、電子源から発生する電子がターゲットとは異なる場所に照射されると、結果的に測定不良が発生する可能性があるという課題を解決するために、本件発明1で特定された「開口部」を設けるという解決手段を採用することにあり、その課題解決原理は、この「開口部」に電子線が照射されたことによって発生するX線の量を抑制することにある。そうすると、相違点8A及び8Bに係る本件発明1の「開口部」は、本件特定位置に存在すること(相違点8A関係)と、それを成す材料が本件特定材料であること(相違点8B関係)とが一体となって、課題を解決しているといえるのであり、そうである以上、相違点8A及び8Bを合わせて検討することが相当である。
b そこで、甲8発明において、本件発明1の「開口部」に相当する「保持部材」及び「アパーチャ部材」がどのような位置に配置され、かつ、それを成す材料がどのような材料を含むものであるかについて検討する。
まず、「保持部材」については、甲8の「ターゲット28は、固定枠26及びX線出射板27を介して保持部材21により保持される」(【0020】)の記載によれば、図2の実施形態の保持部材21に対応しており、当該記載に照らして、本件特定位置に存在するといえる余地がある。しかし、そうであるとしても、当該「保持部材21」は、磁性材料により形成されて、電磁コイルの磁気回路の一部を構成することで、ターゲット28上における電子ビームEの集束径を小さくすることを可能にする(【0022】)ものであり、本件特定材料は磁性材料ではないことから、甲8発明から出発した当業者が、保持部材を成す材料として、磁性材料とは異なる本件特定材料を採用する動機付けがあるとはいえない。
次に、「アパーチャ部材」については、甲8の「保持部材21は、アパーチャ部材17を通過した電子ビームEをターゲットユニットT側に通過させるための電子通過孔21aを有する」(【0018】)の記載によれば、「アパーチャ部材17」は「保持部材21」よりもターゲットから遠くに位置するものとされており、この場合、本件特定位置には存在しないことになる。そして、甲8の他の記載をみても、「アパーチャ部材」が本件特定位置に存在することについて、特段の示唆はない。
そうすると、甲8発明から出発した当業者が、本件発明1の「開口部」に相当する「保持部材」及び「アパーチャ部材」について、本件特定位置に設けるとともに、それを成す材料を本件特定材料を含むようにすることを容易に想到し得るとは言い難い。
そして、本件発明1は、相違点8A及び8Bに係る本件発明1の構成を備えることにより、「電子源から発生する電子がターゲットとは異なる場所に照射されることによる、測定不良を抑制することができる」(【0010】)という格別の効果を奏するものである。
c これに対し、申立人は、本件発明1の「開口部」の意味が、電子線の開き角を制限する絞りに限られるとした上で、そのような「開口部」に相当する甲8発明の「アパーチャ部材」が本件特定位置に存在する旨主張する。しかしながら、本件発明1の「開口部」とは、絞りに限られるものではなく電子線が通過する進路中の電子線が通過する孔であれば足りると解されるのであり、このことは、本件明細書等の「150…開口部(進路中の部材、絞り、第1絞り)、170…開口部(進路中の部材、絞り、第2絞り)」(【0079】)との記載からみて明らかである。したがって、申立人の主張は、その前提が失当である。
d そして、甲8の他の記載及び甲1-7、参考文献1の記載をみても、前記判断を左右するものはない。
したがって、本件発明1は、甲8に記載された発明ではなく、また、甲8に記載された発明並びに甲1-甲7及び参考文献1に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
イ 本件発明2、7-13について
本件発明2、7-13は、本件発明1をさらに限定した発明であることから、本件発明1と同様の理由で、甲8に記載された発明ではなく、また、当業者が甲8に記載された発明並びに甲1-甲7及び参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(2)甲1発明を主引用発明とした場合
ア 本件発明1について
(ア)対比、一致点及び相違点の認定
a 甲1発明の「電子ビーム」、「電子銃」、「ターゲット」及び「X線発生装置」は、本件発明1の「電子線」、「電子源」、「ターゲット」及び「X線発生装置」にそれぞれ相当する。
b 甲1発明の「アパーチャ部」は、本件発明1の「開口部」に相当し、本件発明1でいう「電子源からの電子線が通過する開口が形成された」ものといえる。
しかし、当該「アパーチャ部」が、本件特定位置(前記(1)ア(ア)c(a))に配置されているのかは不明である。
c 以上によれば、本件発明1と甲1発明は
「電子線を放出する電子源と、
前記電子源からの電子線が通過する開口が形成された開口部と、
前記開口を通過した電子線が照射されることでX線を発生するターゲットと、を備える、X線発生装置。」の点で一致するとともに下記点で相違する。
【相違点1A】
本件発明1の「開口部」は、本件特定位置に配置されるものであるのに対し、甲1発明の「アパーチャ部」は、そうであるのか不明である点。
【相違点1B】
本件発明1の「開口部」は、それを成す材料が本件特定材料を含むのに対して、甲1発明の「アパーチャ部」は、そうであるのか不明である点。
(イ)判断
a 相違点1A及び1Bは、それぞれ、開口部の配置位置、及び開口部が成す材料に係るものであることから、相違点8A及び8Bとは、同様の相違点である。さらに、甲1の記載と甲8の記載をみると、甲1(図2等)に記載された「出射端部13」及び「アパーチャ部24」(甲1発明の「アパーチャ部」の具体例に当たるものである。)が、それぞれ、甲8発明の「保持部材」及び「アパーチャ部材」に相当する関係にあるといえる。そして、甲1に記載された「出射端部13」は、甲8に記載された「保持部材21」と同様に、磁性材料により形成されて、電磁コイルの磁気回路の一部を構成するものであり(【0016】)、また、甲1には、「アパーチャ部材24」が本件特定位置に存在することについて記載も示唆もない。
そうすると、甲8発明から出発した当業者が相違点8A及び8Bに係る本件発明1の構成に容易に至るとはいえないのと同様の理由で、甲1発明から出発した当業者は相違点1A及び1Bに係る本件発明1の構成に容易に至るとはいえない。本件発明1が相違点1A及び1Bに係る本件発明1の構成を備えることにより格別の効果を奏することも、前記(1)ア(イ)bと同様である。
b そして、甲1の他の記載、甲2-8及び参考文献1の記載をみても、前記判断を左右するものはない。
したがって、本件発明1は、甲1に記載された発明ではなく、また、甲1に記載された発明並びに甲2-8及び参考文献1に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
イ 本件発明2、7-13について
本件発明2、7-13は、本件発明1をさらに限定した発明であることから、本件発明1と同様の理由で、甲1に記載された発明ではなく、また、当業者が甲1に記載された発明並びに甲2-甲8及び参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(3)小括
よって、本件発明1、2、7-13に係る特許は、第1次取消理由によっては、取り消すことができない。
3 第1次取消理由及び第2次取消理由に係る取消理由通知書において採用しなかった特許異議申立理由についての判断
第1次取消理由の対象外とされた本件特許の登録時の請求項4及び5に係る特許に対しても、申立人は、異議申立理由を主張するが、これらの請求項は、本件訂正により削除されたため、当該主張は成り立たない。
第7 まとめ
以上のとおりであるから、第2次取消理由、第1次取消理由及び特許異議申立理由によっては、本件発明1、2、7-13についての特許を取り消すことができない。また、他に本件発明1、2、7-13についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項3-6は、本件訂正により削除されたため、特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定により、これらの請求項に係る特許についての特許異議の申立ては却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-700005