2023-390084
MCG失敗報告後の膠着状態からの復旧
- 審判番号
- 2023-390084
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-547439外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7270752
- 請求日
- 2023年06月16日
- 審決日
- 2023年08月15日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .852-Y (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許7270752号は、2020年(令和2年)2月14日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2019年2月14日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2021-547439号の請求項1ないし12に係る発明について、令和5年4月27日に特許権の設定登録がなされたものである。
そして、令和5年6月16日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7270752号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし11、12について訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その訂正の内容は、次の訂正事項1及び訂正事項2のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「前記SNにより生成されたRLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に送信されるためのシグナリング無線ベアラ1(SRB1:Signaling Radio Bearer 1)を確立する段階」とあるのを、
「前記SNにより生成されたRRC(Radio Resource Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に送信されるためのシグナリング無線ベアラ1(SRB1:Signaling Radio Bearer 1)を確立する段階」と訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2~11も同様に訂正する)
2.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項12に、「前記SNにより生成されたRLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に直接送信されるためのシグナリング無線ベアラ1(SRB1:Signaling Radio Bearer 1)を確立すること」とあるのを、
「前記SNにより生成されたRRC(Radio Resource Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に直接送信されるためのシグナリング無線ベアラ1(SRB1:Signaling Radio Bearer 1)を確立すること」と訂正する。
第3 当審の判断
1.請求項1ないし11からなる一群の請求項について
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項2ないし11は、訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項1に係る訂正により記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるから、訂正前の請求項1ないし11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
(2)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正前の請求項1にある「RLC(Radio Link Control)」に関して、発明の詳細な説明には、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)
「【0059】・・・例えば、1つ以上のプロセッサ102、202は、1つ以上の層(例えば、PHY(physical)、MAC(Media Access Control)、RLC(Radio Link Control)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RRC(Radio Resource Control)、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)のような機能的層)を実現することができる。・・・。」
「【0088】3GPP LTEシステムにおいて層2はMAC、RLC、PDCPの副層に分けられる。3GPP NRシステムにおいて層2はMAC、RLC、PDCP及びSDAPの副層に分けられる。PHY層はMAC副層に送信チャネルを提供し、MAC副層はRLC副層に論理チャネルを、RLC副層はPDCP副層にRLCチャネルを、PDCP副層はSDAP副層に無線ベアラを提供する。・・・。」
「【0091】RLC副層はTM(Transparent Mode)、UM(Unacknowledged Mode)、AM(Acknowledged Mode)の3つの送信モードをサポートする。RLC設定は、ヌメロロジー及び/又は送信期間に依存しない論理チャネル別に行われる。3GPP NRシステムにおいてRLC副層の主要サービス及び機能は送信モードに応じて異なり、上位層PDUの送信;PDCPにあるものと独立的なシーケンス番号指定(UM及びAM);ARQによるエラー修正(AMのみ);RLC SDUの分割(AM及びUM)及び再分割(AMのみ);SDUの再組立(AM及びUM);重複感知(AMのみ);RLC SDU廃棄(AM及びUM);RLC再確立;プロトコルエラー感知(AMのみ)を含む。【0092】3GPP NRシステムにおいて、ユーザプレーンに対するPDCA副層の主要サービス及び機能は、・・・;PDCP SUD廃棄;RLC AMのためのPDCP再確立及びデータ復旧;RLC AMのためのPDCP状態報告;PDCPPDUの複製及び下位層への複製廃棄表示を含む。・・・。」
「【0118】-MCGベアラ(MCG bearer): MR-DCにおいて、MCGにのみRLCベアラ(又は、CAパケット複製の場合、2つのRLCベアラ)がある無線ベアラ。」
「【0125】-RLCベアラ(RLC bearer):1つのセルグループにおいて無線ベアラのRLC及びMAC論理チャネル設定。」
「【0128】-SCGベアラ(SCG bearer): MR-DCにおいて、SCGにのみRLCベアラ(又は、CAパケット複製の場合は2つのRLCベアラ)がある無線ベアラ。」
「【0131】-分割ベアラ(Split bearer):MR-DCにおいて、MCG及びSCG両方ともにRLCベアラがある無線ベアラ。【0132】-分割SRB(Split SRB):MR-DCにおいて、MCG及びSCG両方ともにRLCベアラがあるMNとUEの間のSRB。」
「【0150】・・・。NGEN-DCにおいて、E-UTRA RLC/MACはMNにおいて使われるのに対して、NR RLC/MACはSNにおいて使われる。NE-DCにおいて、NR RLC/MACはMNにおいて使われるのに対して、E-UTRA RLC/MACはSNにおいて使われる。NR-DCにおいて、NR RLC/MACはMNとSNの両方ともにおいて使われる。」
「【0225】1>SRB1に対するRLCを再確立し;」
「【0300】1>UEがSCG RLCからの最大再送信回数に到達したという表示を提供するためにSCGFailureInformationNRメッセージの送信を開始する場合:」
「【0349】・・・。例えば、失敗原因は、RLC送信の最大回数に関連し得るRLC問題を含む。」
上記のとおり、発明の詳細な説明における段落【0059】、【0088】、【0091】、【0092】、【0118】、【0125】、【0128】、【0131】、【0132】、【0150】、【0225】、【0300】、【0349】によれば、「RLC(Radio Link Control)」に関する記載はあるものの、訂正前の請求項1の記載にあるような「RLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)」について直接的な記載及び示唆する記載はない。
さらに、上記発明の詳細な説明には、訂正前の請求項1にあるような「前記SNにより生成されたRLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に送信される」ことも記載されていない。
一方、「RRC(Radio Resource Control)PDU(protocol data unit)」について、発明の詳細な説明には、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)
「【0141】MR-DCにおいて、UEはMN RRC及びコアネットワークに向かう単一のC-プレーン接続に基づいた単一のRRC状態を有する。図11及び図12を参照すると、各無線ノードは、UEに送信されるRRC PDUを生成できる独自RRC個体(ノードがeNBである場合はE-UTRAバージョン又はノードがgNBである場合はNRバージョン)を有する。【0142】SNにより生成されたRRC PDUは、MNを介してUEに送信される。MNは、常にMCG SRB(SRB1)を介して初期SN RRC設定を送信するが、後続の再設定はMN又はSNを介して送信される。SNからRRC PDUを送信するとき、MNはSNが提供したUE設定を修正しない。・・・【0144】SNがgNBである場合(すなわち、EN-DC、NGEN-DC及びNR-DCの場合)、UEは、UEとSN間にSNに対するRRC PDUが直接送信されるようにSNとともにSRB(SRB3)を確立するように設定されることができる。SNに対するRRC PDUは、MNとのいかなる調整も必要としないSN RRCの再設定のためにUEにのみ直接送信されることができる。SN内において移動性のための測定報告は、SRB3が設定された場合、UEからSNに直接行われることができる。【0145】分割SRBは、全てのMR-DCオプションに対してサポートされ、直接経路及びSNを介してMNにより生成されたRRC PDUの複製を許容する。分割SRBはNRP DCPを使用する。」
上記のとおり、発明の詳細な説明における段落【0141】、【0142】、【0144】、【0145】によれば、「RRC PDU」の直接的な記載がある。さらに、段落【0142】には、「SNにより生成されたRRC PDUは、MNを介してUEに送信される」ことが記載されている。
そうすると、訂正前の請求項1にある「前記SNにより生成されたRLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に送信される」との記載は、「前記SNにより生成されたRRC(Radio Resource Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に送信される」の誤記であることは明らかである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項1は、上記アに記載したとおり、明細書の段落【0141】、【0142】、【0144】、【0145】に記載されている。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1は、上記アに記載したとおり、誤記を訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
エ 独立特許要件について
訂正後の請求項1及び同請求項を引用する請求項2ないし11に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2.請求項12について
(1)訂正事項2について
ア 訂正の目的
上記1(2)アで示したとおり、発明の詳細な説明における段落【0059】、【0088】、【0091】、【0092】、【0118】、【0125】、【0128】、【0131】、【0132】、【0150】、【0225】、【0300】、【0349】によれば、「RLC(Radio Link Control)」に関する記載はあるものの、訂正前の請求項12の記載にあるような「RLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)」について直接的な記載及び示唆する記載はない。
さらに、上記発明の詳細な説明には、訂正前の請求項12にあるような「前記SNにより生成されたRLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に直接送信される」ことも記載されていない。
一方、上記1(2)アで示したとおり、発明の詳細な説明における段落【0141】、【0142】、【0144】、【0145】によれば、「RRC PDU」との直接的な記載がある。さらに、段落【0142】には、「SNにより生成されたRRC PDUは、MNを介してUEに送信される」ことが記載されている。
そうすると、訂正前の請求項12にある「前記SNにより生成されたRLC(Radio Link Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に直接送信される」との記載は、「前記SNにより生成されたRRC(Radio Resource Control)PDU(protocol data unit)が前記MNを介して前記無線装置に直接送信される」の誤記であることは明らかである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項2は、上記アに記載したとおり、明細書の段落【0141】、【0142】、【0144】、【0145】に記載されている。
したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2は、上記アに記載したとおり、誤記を訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
エ 独立特許要件について
訂正後の請求項12に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおり、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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