特許訂正審判
2023-390122
ハンドオーバのためのビームを選択する方法、コンピュータプログラム、及び装置
- 審判番号
- 2023-390122
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2019-536955
- 登録番号
- 6913171
- 請求日
- 2023年10月20日
- 審決日
- 2024年01月10日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【請求人代理人】須田 洋之
- 【請求人代理人】大塚 文昭
- 【請求人代理人】近藤 直樹
- 審判長/審判官
- 審判長 中木 努
- 審判官 廣川 浩
- 審判官 齋藤 哲
- 分類
- P141 .852-Y (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条、特許法第126条第1項、特許法第184条の4第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6913171号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6913171号の明細書及び図面を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正図面のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許6913171号(以下、「本件特許」という。)は、2017年(平成29年)1月5日を国際出願日とする特願2019-536955号(以下、「本件特許出願」という。)の請求項1から12に係る発明について、令和3年7月13日に特許権の設定登録がなされたものである。
そして、令和5年10月20日に本件訂正審判の請求がされた。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6913171号の明細書及び図面を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正図面のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(下線は、訂正箇所を示す。)
1 訂正事項1
明細書の段落【0118】に
「一部の実施形態においてユーザデバイスによって実行されるハンドオーバ処理は、図3にはS9で示している。従って、UEは、ターゲットセルへの特定のビーム/SSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを含むハンドオーバ指令を受信済みである。次に、UEは、それぞれの専用リソースを用いて、ビームのビーム品質が、構成された第1の閾値_1(絶対閾値又は相対閾値とすることができる)よりも低いか否かを決定し、ハンドオーバ完了のための競合ベースのランダムアクセスリソースを用いて第2の閾値_2よりも高いビーム品質を有するターゲットセルの代替ビームを考慮することになる。これに代えて、UEは、RACHに必要な推定アップリンク送信電力が、UE又は/及びセルの最大許容送信電力を超えると決定するのに基づいて、専用ランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスが可能ではないと評価することができる。UEは、最新の経路損失推定値に基づいて、必要なアップリンク電力を推定することができる。UEは、例えば、無線アクセスネットワークに示すBRS/CSI-RSに基づいて及び/又はターゲットRSRP値に基づいて推定することができる。評価に依存して、ユーザデバイスは、UE専用リソースを用いたビームへのランダムアクセスを取り消して、その後に競合ベースのランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスを開始することができる。ターゲットセルからのビームが検出されない場合にのみ、UEは、ハンドオーバ失敗手順を開始することになる。これは、セル選択による接続の再確立をもたらす。」と記載されているのを、
「一部の実施形態においてユーザデバイスによって実行されるハンドオーバ処理は、図3にはS9で示している。従って、UEは、ターゲットセルへの特定のビーム/SSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを含むハンドオーバ指令を受信済みである。次に、UEは、それぞれの専用リソースを有するビームのビーム品質が、構成された第1の閾値_1(絶対閾値又は相対閾値とすることができる)よりも低いか否かを決定し、ハンドオーバ完了のための競合ベースのランダムアクセスリソースを有し、第2の閾値_2よりも高いビーム品質を有するターゲットセルの代替ビームを考慮することになる。これに代えて、UEは、RACHに必要な推定アップリンク送信電力が、UE又は/及びセルの最大許容送信電力を超えると決定するのに基づいて、専用ランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスが可能ではないと評価することができる。UEは、最新の経路損失推定値に基づいて、必要なアップリンク電力を推定することができる。UEは、例えば、無線アクセスネットワークに示すBRS/CSI-RSに基づいて及び/又はターゲットRSRP値に基づいて推定することができる。評価に依存して、ユーザデバイスは、UE専用リソースを有するビームへのランダムアクセスを取り消して、その後に競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスを開始することができる。ターゲットセルからのビームが検出されない場合にのみ、UEは、ハンドオーバ失敗手順を開始することになる。これは、セル選択による接続の再確立をもたらす。」と訂正する。
2 訂正事項2
明細書の段落【0120】に
「第1に、400において、ユーザデバイスは、ターゲットセルの特定のビーム又はSSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを用いてハンドオーバ指令を受信する。例えば、UEは、RRC測定レポートでターゲットセルのビーム測定値を報告しており、ターゲットセルへの接続を確立するためのRACH構成RRC再構成を受信していた時は、HO中にビーム管理を実行することになる。」と記載されているのを、
「第1に、400において、ユーザデバイスは、ターゲットセルの特定のビーム又はSSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを有するハンドオーバ指令を受信する。例えば、UEは、RRC測定レポートでターゲットセルのビーム測定値を報告しており、ターゲットセルへの接続を確立するためのRACH構成RRC再構成を受信していた時は、HO中にビーム管理を実行することになる。」と訂正する。
3 訂正事項3
明細書の段落【0131】に
「一部の実施形態では、ハンドオーバ中に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いてビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する代替ビームを測定することができる。これは、図4の方法に関連して実行することができ、例えば、段階404でビーム品質が閾値TH_1よりも高い場合はその後に実行され、又は図4の残りの段階を行わずに実行することができる。」と記載されているのを、
「一部の実施形態では、ハンドオーバ中に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する代替ビームを測定することができる。これは、図4の方法に関連して実行することができ、例えば、段階404でビーム品質が閾値TH_1よりも高い場合はその後に実行され、又は図4の残りの段階を行わずに実行することができる。」と訂正する。
4 訂正事項4
明細書の段落【0132】に
「ユーザデバイスがそのようなビームを検出する場合に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いたビームのビーム品質よりも少なくとも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有するとして測定された1組のビームの中から最も高い品質のビームに対応するリソースで競合ベースのRACH手順を開始することができる。」と記載されているのを、
「ユーザデバイスがそのようなビームを検出する場合に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームのビーム品質よりも少なくとも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有するとして測定された1組のビームの中から最も高い品質のビームに対応するリソースで競合ベースのRACH手順を開始することができる。」と訂正する。
5 訂正事項5
明細書の段落【0133】に
「これに代えて、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いてビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する1組のビームの中からプリアンブルをランダムに選択し、選択したプリアンブルに対応するビーム上でRACHアクセスを実行することができる。」と記載されているのを、
「これに代えて、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する1組のビームの中からプリアンブルをランダムに選択し、選択したプリアンブルに対応するビーム上でRACHアクセスを実行することができる。」と訂正する。
6 訂正事項6
明細書の段落【0135】に
「offset_1は、専用RACHリソースを用いて最強のビーム又はSSブロックに対して評価することができる。SSブロックレベルで評価が行われる場合に、UEは、同期信号のようなブロックレベルで(1組のビームを用いて)送信される信号を測定することができる。評価がビームレベルで行われる場合に、UEは、ビーム固有信号を測定することができる。」と記載されているのを、
「offset_1は、専用RACHリソースを有する最強のビーム又はSSブロックに対して評価することができる。SSブロックレベルで評価が行われる場合に、UEは、同期信号のようなブロックレベルで(1組のビームを用いて)送信される信号を測定することができる。評価がビームレベルで行われる場合に、UEは、ビーム固有信号を測定することができる。」と訂正する。
7 訂正事項7
明細書の段落【0136】に
「一部の実施形態では、ネットワークは、ハンドオーバ中に、第1のタイマーTimer_1を用いてユーザデバイスを構成することができる。劣化/遮断されたと考えられる競合なしRACHリソースを用いたターゲットセルの1又は複数のビームの場合に、タイマーの持続時間にわたって、ユーザデバイスは、ターゲットセルのビームを測定し続けることができる。これは、例えば、図4の段階408の状況とすることができる。」と記載されているのを、
「一部の実施形態では、ネットワークは、ハンドオーバ中に、第1のタイマーTimer_1を用いてユーザデバイスを構成することができる。劣化/遮断されたと考えられる競合なしRACHリソースを有する、ターゲットセルの1又は複数のビームの場合に、タイマーの持続時間にわたって、ユーザデバイスは、ターゲットセルのビームを測定し続けることができる。これは、例えば、図4の段階408の状況とすることができる。」と訂正する。
8 訂正事項8
明細書の段落【0154】を削除する。
9 訂正事項9
図面の図4を訂正する。具体的には、図面の図4の符号414で示すボックス内に
「TH_2よりも高い品質を有する競合ベースのランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスを開始する」と記載されているのを、
「TH_2よりも高い品質を有する、競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスを開始する」と訂正する。
第3 当審の判断
1 はじめに
本件特許出願である特願2019-536955号は、特許法第184条の4第1項の「外国語特許出願」である国際出願であるPCT/EP2017/000009(以下、「本件国際出願」という。)が、同法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされたものであり、同法第184条の4第1項の規定により翻訳文が提出された。
そして、本件訂正審判に係る訂正事項において、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項(誤記又は誤訳の訂正)を目的とするものについて、同条第5項を適用する際の「外国語書面出願」及び「外国語書面」は、同法第184条の19の規定により、それぞれ第184条の4第1項の外国語特許出願、すなわち外国語でされた国際特許出願及び第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面となる。つまり、同法第126条第5項かっこ書きで規定する「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面となる。
したがって、本件訂正審判に係る訂正事項において、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項のうち、誤訳の訂正を目的とする場合、同条第5項かっこ書きを適用する際の「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」、すなわち判断の基準となる明細書等は、国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「本件国際出願明細書等」という。)となる。
なお、以下、本件国際出願明細書等における記載箇所を、便宜上、本件国際出願に係る国際公開第2018/127264号のページ、行数を用いて示すこととする。
2 訂正事項1について
(1)訂正の目的
訂正事項1に係る段落【0118】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである(下線は、当審で付与した。)。
「The handover process performed by the user device in some embodiments is referenced S9 in Figure 3. The UE has thus received a handover command with dedicated random access resources for particular beam(s)/SS-block(s) to the target cell. The UE will then determine if that the beam qualities of the beams having the respective dedicated resources is below a configured first threshold_1 (may be an absolute or relative threshold) and considers alternative beams of the target cell with beam quality higher than second threshold_2 with contention based random access resources for handover completion. Alternatively, the UE may evaluate that random access to the beams with dedicated random access resources is not possible, based on determining that the estimated uplink transmission power needed for RACH exceeds the maximum allowed transmission power of the UE or/and cell. The UE may estimate the needed uplink power based on a latest path loss estimate. The UE may estimate based on for e.g. BRS/CSI-RS and/or on target RSRP value indicated by the radio access network. In dependence on the evaluation, the user device may cancel random access to the beam(s) with UE dedicated resources and then initiate random access to the beam with contention based random access resources. Only if no beams are detected from the target cell will the UE initiates the handover failure procedure. This leads to connection re-establishment with cell selection.」(第19ページ第33行から第20ページ第17行)
上記記載の第3文の「The UE will then determine if that the beam qualities of the beams having the respective dedicated resources is below a configured first threshold_1 (may be an absolute or relative threshold)」との記載における「having the respective dedicated resources」との記載は、その直前の「the beam」との記載に係るものであって、上記第3文の当該記載は、「次に、UEは、それぞれの専用リソースを有するビームのビーム品質が、構成された第1の閾値_1(絶対閾値又は相対閾値とすることができる)よりも低いか否かを決定し、」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0118】においては、誤って「determine」との記載に係るものとして、「次に、UEは、それぞれの専用リソースを用いて、ビームのビーム品質が、構成された第1の閾値_1(絶対閾値又は相対閾値とすることができる)よりも低いか否かを決定し、」と訳されていた。
また、上記第3文の「considers alternative beams of the target cell with beam quality higher than second threshold_2 with contention based random access resources for handover completion.」との記載における「with contention based random access resources」との記載は、「alternative beams」との記載に係るものであって、上記第3文の当該記載は、「ハンドオーバ完了のための競合ベースのランダムアクセスリソースを有し、第2の閾値_2よりも高いビーム品質を有するターゲットセルの代替ビームを考慮することになる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0118】においては、誤って「considers」との記載に係るものとして、「ハンドオーバ完了のための競合ベースのランダムアクセスリソースを用いて第2の閾値_2よりも高いビーム品質を有するターゲットセルの代替ビームを考慮することになる。」と訳されていた。
さらに、上記記載における第4文における「Alternatively, the UE may evaluate that random access to the beams with dedicated random access resources is not possible, based on determining that the estimated uplink transmission power needed for RACH exceeds the maximum allowed transmission power of the UE or/and cell.」との記載における「with dedicated random access resources」との記載は、その直前の「the beams」との記載に係るものであって、上記第4文の記載は、「これに代えて、UEは、RACHに必要な推定アップリンク送信電力が、UE又は/及びセルの最大許容送信電力を超えると決定するのに基づいて、専用ランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスが可能ではないと評価することができる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0118】においては、誤って「これに代えて、UEは、RACHに必要な推定アップリンク送信電力が、UE又は/及びセルの最大許容送信電力を超えると決定するのに基づいて、専用ランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスが可能ではないと評価することができる。」と訳されていた。
そして、第7文における「In dependence on the evaluation, the user device may cancel random access to the beam(s) with UE dedicated resources and then initiate random access to the beam with contention based random access resources.」との記載における「with UE dedicated resources」との記載は、その直前の「the beam(s)」との記載に係り、「with contention based random access resources」との記載は、その直前の「the beam」との記載に係るものであって、上記第7文の記載は、「評価に依存して、ユーザデバイスは、UE専用リソースを有するビームへのランダムアクセスを取り消して、その後に競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスを開始することができる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0118】においては、誤って「評価に依存して、ユーザデバイスは、UE専用リソースを用いたビームへのランダムアクセスを取り消して、その後に競合ベースのランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスを開始することができる。」と訳されていた。
したがって、本件特許の明細書の段落【0118】の「一部の実施形態においてユーザデバイスによって実行されるハンドオーバ処理は、図3にはS9で示している。従って、UEは、ターゲットセルへの特定のビーム/SSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを含むハンドオーバ指令を受信済みである。次に、UEは、それぞれの専用リソースを用いて、ビームのビーム品質が、構成された第1の閾値_1(絶対閾値又は相対閾値とすることができる)よりも低いか否かを決定し、ハンドオーバ完了のための競合ベースのランダムアクセスリソースを用いて第2の閾値_2よりも高いビーム品質を有するターゲットセルの代替ビームを考慮することになる。これに代えて、UEは、RACHに必要な推定アップリンク送信電力が、UE又は/及びセルの最大許容送信電力を超えると決定するのに基づいて、専用ランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスが可能ではないと評価することができる。UEは、最新の経路損失推定値に基づいて、必要なアップリンク電力を推定することができる。UEは、例えば、無線アクセスネットワークに示すBRS/CSI-RSに基づいて及び/又はターゲットRSRP値に基づいて推定することができる。評価に依存して、ユーザデバイスは、UE専用リソースを用いたビームへのランダムアクセスを取り消して、その後に競合ベースのランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスを開始することができる。ターゲットセルからのビームが検出されない場合にのみ、UEは、ハンドオーバ失敗手順を開始することになる。これは、セル選択による接続の再確立をもたらす。」との記載を「一部の実施形態においてユーザデバイスによって実行されるハンドオーバ処理は、図3にはS9で示している。従って、UEは、ターゲットセルへの特定のビーム/SSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを含むハンドオーバ指令を受信済みである。次に、UEは、それぞれの専用リソースを有するビームのビーム品質が、構成された第1の閾値_1(絶対閾値又は相対閾値とすることができる)よりも低いか否かを決定し、ハンドオーバ完了のための競合ベースのランダムアクセスリソースを有し、第2の閾値_2よりも高いビーム品質を有するターゲットセルの代替ビームを考慮することになる。これに代えて、UEは、RACHに必要な推定アップリンク送信電力が、UE又は/及びセルの最大許容送信電力を超えると決定するのに基づいて、専用ランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスが可能ではないと評価することができる。UEは、最新の経路損失推定値に基づいて、必要なアップリンク電力を推定することができる。UEは、例えば、無線アクセスネットワークに示すBRS/CSI-RSに基づいて及び/又はターゲットRSRP値に基づいて推定することができる。評価に依存して、ユーザデバイスは、UE専用リソースを有するビームへのランダムアクセスを取り消して、その後に競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスを開始することができる。ターゲットセルからのビームが検出されない場合にのみ、UEは、ハンドオーバ失敗手順を開始することになる。これは、セル選択による接続の再確立をもたらす。」と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
よって、本件訂正に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項1は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項1は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項1に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項1は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、専用リソースを用いて決定することも専用リソースを有するビームについても特定されていない。同様に、特許請求の範囲では、競合ベースのランダムアクセスリソースを用いて考慮することや競合ベースのランダムアクセスリソースを有する代替ビーム、専用ランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスや専用ランダムアクセスリソースを有するビーム、UE専用リソースを用いたビームへのランダムアクセスやUE専用リソースを有するビーム、競合ベースのランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスや競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビームについても特定されていないことから、訂正事項1により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項1は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項1に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、また請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項1は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
3 訂正事項2について
(1)訂正の目的
訂正事項2に係る段落【0120】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである。
「Firstly, at 400, the user device receive the handover command with dedicated random access resources for a certain beam or SS-block of the target cell. For example, the UE will perform beam management during HO when it has reported target cell beam measurements in a RRC measurement report and received a RACH configuration RRC reconfiguration message to establish a connection to Target cell」(第20ページ第20行から第24行)
上記記載の第1文の「Firstly, at 400, the user device receive the handover command with dedicated random access resources for a certain beam or SS-block of the target cell.」との記載における「with dedicated random access resources」との記載は、その直前の「the handover command」との記載に係るものであって、上記第1文の記載は、「第1に、400において、ユーザデバイスは、ターゲットセルの特定のビーム又はSSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを有するハンドオーバ指令を受信する。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0120】においては、誤って「receive」に係るものとして、「第1に、400において、ユーザデバイスは、ターゲットセルの特定のビーム又はSSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを用いてハンドオーバ指令を受信する。」と訳されていた。
しがたって、本件特許の明細書の段落【0120】の「第1に、400において、ユーザデバイスは、ターゲットセルの特定のビーム又はSSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを用いてハンドオーバ指令を受信する。例えば、UEは、RRC測定レポートでターゲットセルのビーム測定値を報告しており、ターゲットセルへの接続を確立するためのRACH構成RRC再構成を受信していた時は、HO中にビーム管理を実行することになる。」との記載を「第1に、400において、ユーザデバイスは、ターゲットセルの特定のビーム又はSSブロックのための専用ランダムアクセスリソースを有するハンドオーバ指令を受信する。例えば、UEは、RRC測定レポートでターゲットセルのビーム測定値を報告しており、ターゲットセルへの接続を確立するためのRACH構成RRC再構成を受信していた時は、HO中にビーム管理を実行することになる。」と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
よって、本件訂正に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項2は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項2は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項2に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項2は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、専用ランダムアクセスリソースを用いてハンドオーバ指令を受信することも専用ランダムアクセスリソースを有するハンドオーバ指令を受信することも特定されていないことから、訂正事項2により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項2は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項2に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項2は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
4 訂正事項3について
(1)訂正の目的
訂正事項3に係る段落【0131】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである。
「In some embodiments, during handover, the user device may measure alternative beams with beam quality of a first offset offset_1 greater than the beam with dedicated RACH resources. This may be carried out in conjunction with the method of Figure 4, for example being carried out after step 404 where the beam quality is greater than threshold TH_1 or may be carried out without the other steps of Figure 4.」(第22ページ第17行から第22行)
上記記載の第1文の「In some embodiments, during handover, the user device may measure alternative beams with beam quality of a first offset offset_1 greater than the beam with dedicated RACH resources.」との記載における「with dedicated random access resources」との記載は、その直前の「the beam」との記載に係るものであって、上記第1文の記載は、「一部の実施形態では、ハンドオーバ中に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する代替ビームを測定することができる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0131】においては、誤って「measure」に係るものとして「一部の実施形態では、ハンドオーバ中に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いてビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する代替ビームを測定することができる。」と訳されていた。
しがたって、本件特許の明細書の段落【0131】の「一部の実施形態では、ハンドオーバ中に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いてビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する代替ビームを測定することができる。これは、図4の方法に関連して実行することができ、例えば、段階404でビーム品質が閾値TH_1よりも高い場合はその後に実行され、又は図4の残りの段階を行わずに実行することができる。」との記載を「一部の実施形態では、ハンドオーバ中に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する代替ビームを測定することができる。これは、図4の方法に関連して実行することができ、例えば、段階404でビーム品質が閾値TH_1よりも高い場合はその後に実行され、又は図4の残りの段階を行わずに実行することができる。」と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
よって、本件訂正に係る訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項3は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項3は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項3に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項3は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、専用RACHリソースを用いて代替ビームを測定することも専用RACHリソースを有する代替ビームを測定することも特定されていないことから、訂正事項3により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項3は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項3に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項3は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
5 訂正事項4について
(1)訂正の目的
訂正事項4に係る段落【0132】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである。
「If the user device detects such a beam, the user device may initiate a contention based RACH procedure on the resource corresponding to the highest quality beam(s) out of the set of beams measured to have a beam quality at least offset_1 greater than the beam quality of the beam with dedicated RACH resources.」(第22ページ第23行から第26行)
上記「4」の(1)と同様、「with dedicated RACH resources」との記載は、その直前の「the beam」に係るものであって、「the beam with dedicated RACH resources」との記載は、「専用RACHリソースを有するビーム」と訳すべきものである。これらを考慮すると、上記記載は、「ユーザデバイスがそのようなビームを検出する場合に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームのビーム品質よりも少なくとも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有するとして測定された1組のビームの中から最も高い品質のビームに対応するリソースで競合ベースのRACH手順を開始することができる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0132】においては、「ユーザデバイスがそのようなビームを検出する場合に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いたビームのビーム品質よりも少なくとも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有するとして測定された1組のビームの中から最も高い品質のビームに対応するリソースで競合ベースのRACH手順を開始することができる。」と訳されていた。
したがって、本件特許の明細書の段落【0132】の「ユーザデバイスがそのようなビームを検出する場合に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いたビームのビーム品質よりも少なくとも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有するとして測定された1組のビームの中から最も高い品質のビームに対応するリソースで競合ベースのRACH手順を開始することができる。」との記載を「ユーザデバイスがそのようなビームを検出する場合に、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームのビーム品質よりも少なくとも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有するとして測定された1組のビームの中から最も高い品質のビームに対応するリソースで競合ベースのRACH手順を開始することができる。」と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
よって、本件訂正に係る訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項4は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項4は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項4に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項4は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、専用RACHリソースを用いたビームのビーム品質についても専用RACHリソースを有するビームについても特定されていないことから、訂正事項4により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項4は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項4に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項4は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
6 訂正事項5について
(1)訂正の目的
訂正事項5に係る段落【0133】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである。
「Alternatively, the user device may randomly select a preamble out of the set of beams having beam quality of a first offset offset_1 greater than the beam with dedicated RACH resources, and perform RACH access on the beam corresponding to the selected preamble.」(第22ページ第27行から第30行)
上記記載における「with dedicated RACH resources」との記載は、その直前の「the beam」に係るものであって、上記記載は、「これに代えて、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する1組のビームの中からプリアンブルをランダムに選択し、選択したプリアンブルに対応するビーム上でRACHアクセスを実行することができる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0133】においては、誤って「select」に係るものとして、「これに代えて、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いてビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する1組のビームの中からプリアンブルをランダムに選択し、選択したプリアンブルに対応するビーム上でRACHアクセスを実行することができる。」と訳されていた。
したがって、本件特許の明細書の段落【0133】の「これに代えて、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを用いてビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する1組のビームの中からプリアンブルをランダムに選択し、選択したプリアンブルに対応するビーム上でRACHアクセスを実行することができる。」との記載を「これに代えて、ユーザデバイスは、専用RACHリソースを有するビームよりも第1のオフセットoffset_1だけ高いビーム品質を有する1組のビームの中からプリアンブルをランダムに選択し、選択したプリアンブルに対応するビーム上でRACHアクセスを実行することができる。」と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書における意味を表す記載に訂正することといえる。
よって、本件訂正に係る訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項5は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項5は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項5に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項5は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、専用RACHリソースを用いて選択することも専用RACHリソースを有するビームについても特定されていないことから、訂正事項5により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項5は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項5に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項5は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
7 訂正事項6について
(1)訂正の目的
訂正事項7に係る段落【0135】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである。
「The offset_1 may be evaluated against the strongest beam(s) or SS-block with dedicated RACH resources. In case the evaluation is done on SS-block level UE may measure signals that are transmitted on block level (using a set of beams) such as synchronization signals. In case the evaluation is done on beam level, UE may measure beam specific signals.」(第23ページ第3行から第7行)
上記記載の第1文の「The offset_1 may be evaluated against the strongest beam(s) or SS-block with dedicated RACH resources.」との記載における「with dedicated RACH resources」との記載は、その直前の「the strongest beam(s) or SS-block」との記載に係るものであって、上記第1文の記載は、「offset_1は、専用RACHリソースを有する最強のビーム又はSSブロックに対して評価することができる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0135】においては、誤って「may be evaluated」に係るものとして、「offset_1は、専用RACHリソースを用いて最強のビーム又はSSブロックに対して評価することができる。」と訳されていた。
したがって、本件特許の明細書の段落【0135】の「offset_1は、専用RACHリソースを用いて最強のビーム又はSSブロックに対して評価することができる。SSブロックレベルで評価が行われる場合に、UEは、同期信号のようなブロックレベルで(1組のビームを用いて)送信される信号を測定することができる。評価がビームレベルで行われる場合に、UEは、ビーム固有信号を測定することができる。」との記載を「offset_1は、専用RACHリソースを有する最強のビーム又はSSブロックに対して評価することができる。SSブロックレベルで評価が行われる場合に、UEは、同期信号のようなブロックレベルで(1組のビームを用いて)送信される信号を測定することができる。評価がビームレベルで行われる場合に、UEは、ビーム固有信号を測定することができる。」と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
よって、本件訂正に係る訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項6は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項6は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項6に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項6は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、専用RACHリソースを用いて評価することも専用RACHリソースを有するビームについても特定されていないことから、訂正事項6により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項6は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項6に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項6は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
8 訂正事項7について
(1)訂正の目的
訂正事項7に係る段落【0136】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである。
「In some embodiments, the network may configure the user device with a first timer, Timer_1 , during handover. For the duration of the timer in case of a target cell beam or beams with contention free RACH resources considered to degraded/blocked the user device may continue measuring the target cell beams. This may for example be in the context of step 408 of Figure 4.」(第23ページ第8行から第12行)
上記記載の第2文の「For the duration of the timer in case of a target cell beam or beams with contention free RACH resources considered to degraded/blocked the user device may continue measuring the target cell beams.」との記載における「with contention free RACH resources」との記載は、その直前の「a target cell beam or beams」との記載に係るものであって、上記第2文の記載は、「劣化/遮断されたと考えられる競合なしRACHリソースを有する、ターゲットセルの1又は複数のビームの場合に、タイマーの持続時間にわたって、ユーザデバイスは、ターゲットセルのビームを測定し続けることができる。」と訳すべきところ、本件特許の明細書の段落【0131】においては、誤って「measure」に係るものとして、「劣化/遮断されたと考えられる競合なしRACHリソースを用いたターゲットセルの1又は複数のビームの場合に、タイマーの持続時間にわたって、ユーザデバイスは、ターゲットセルのビームを測定し続けることができる。」と訳されていた。
したがって、本件特許の明細書の段落【0136】の「一部の実施形態では、ネットワークは、ハンドオーバ中に、第1のタイマーTimer_1を用いてユーザデバイスを構成することができる。劣化/遮断されたと考えられる競合なしRACHリソースを用いたターゲットセルの1又は複数のビームの場合に、タイマーの持続時間にわたって、ユーザデバイスは、ターゲットセルのビームを測定し続けることができる。これは、例えば、図4の段階408の状況とすることができる。」との記載を「一部の実施形態では、ネットワークは、ハンドオーバ中に、第1のタイマーTimer_1を用いてユーザデバイスを構成することができる。劣化/遮断されたと考えられる競合なしRACHリソースを有する、ターゲットセルの1又は複数のビームの場合に、タイマーの持続時間にわたって、ユーザデバイスは、ターゲットセルのビームを測定し続けることができる。これは、例えば、図4の段階408の状況とすることができる。」と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
よって、本件訂正に係る訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項7は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項7は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項7に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項7は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、競合なしRACHリソースを用いたターゲットセルの1又は複数のビームについても競合なしRACHリソースを有する、ターゲットセルの1又は複数のビームについても特定されていないことから、訂正事項7により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項7は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項7に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項7は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
9 訂正事項8ついて
(1)訂正の目的
本件国際出願明細書等には、訂正事項8に係る段落【0154】の記載に対応する記載がない。すなわち、本件特許の明細書の段落【0154】の記載は、本件国際出願明細書等を翻訳する際、当該本件国際出願明細書等にない記載を誤って記載したものであるから、段落【0154】を削除することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
したがって、本件訂正に係る訂正事項8は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項8は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、本件特許の明細書の段落【0154】は本件国際出願明細書等に記載されていない事項であり、これを削除することによって何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項8は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
本件特許の明細書の段落【0154】には、符号の説明が記載されているにすぎず、訂正事項8により当該段落を削除することで、実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項8は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項8に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項8は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項8は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
10 訂正事項9について
(1)訂正の目的
訂正事項9に係る【図4】の記載に関する本件国際出願明細書等の記載は、以下のとおりである。
「
[図:0001409050000001.jpg]
」
上記図の「414」で示されるボックスには「Initiate random access to beam with contention based random access resources having quality above TH_2」との記載がある。ここで、上記図の「408」で示されるボックスの「beams from the target cell with beam quality above threshold2(TH_2)」との記載から、「having quality above TH_2」との記載は、「contention based random access resources」との記載ではなく、「beam」との記載に係ることが明らかである。そうすると「beam ・・・having quality above TH_2」との記載は、「TH_2よりも高い品質を有するビーム」と訳すべきものといえる。また、上記「4」の(1)で説示したように、上記「with contention based random access resources」との記載は、「beams」との記載に係り、「beam with contention based random access resources」との記載は、「競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビーム」と訳すべきものといえる。この2つの翻訳を考慮すると、上記図の「414」で示されるボックスの記載は、「TH_2よりも高い品質を有する、競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビームへのランダムアクセスを開始する。」と訳すべきところ、本件特許の図面の【図4】における「414」で示されるボックスでは、誤って「TH_2よりも高い品質を有する競合ベースのランダムアクセスリソースを用いたビームへのランダムアクセスを開始する。」と訳されていた。
したがって、本件特許の図面の【図4】の
「
[図:0001409050000002.jpg]
」
との記載を
「
[図:0001409050000003.jpg]
」
と訂正することは、翻訳により本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正することといえる。
したがって、本件訂正に係る訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記(1)のとおり、訂正事項9は、誤訳の訂正を目的とするものであって、上記「1」で説示したように、判断の基準となる明細書等は本件国際出願明細書等となる。そうすると、上記(1)のとおり、訂正事項9は本件国際出願明細書等に記載されていた事項であって、訂正事項9に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、本件国際出願明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項9は、特許法126条5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
特許請求の範囲では、競合ベースのランダムアクセスリソースを用いたビームについても競合ベースのランダムアクセスリソースを有するビームについても特定されていないことから、訂正事項9により実質上特許請求の範囲が拡張、又は変更されるものでもない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項9は、特許法126条6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(3)のとおり、訂正事項9に係る訂正より何ら特許請求の範囲の内容が拡張、又は変更されるものではなく、請求項1から12に係る発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項1から12に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正に係る訂正事項9は、特許法126条7項の規定に適合するものである。
(5)小活
以上のとおり、訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-390122