特許拒絶査定不服審判
2023-021868
新無線(NR)におけるページングの手順のための方法および装置
- 審判番号
- 2023-021868
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-132307外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年12月22日
- 審決日
- 2025年05月15日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人谷・阿部特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-132307「新無線(NR)におけるページングの手順のための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔令和3年11月18日出願公開、特開2021-180526〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)5月3日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2017年5月3日 アメリカ合衆国(US)、2017年6月14日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とした特願2019-559808号の一部を、令和3年8月16日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 5月24日 手続補正書の提出
令和4年11月15日付け 拒絶理由通知書
令和5年 5月11日 意見書及び手続補正書の提出
令和5年 8月17日付け 拒絶査定
令和5年12月22日 審判請求書及び手続補正書の提出
令和6年 4月30日 上申書の提出
令和6年 6月18日付け 拒絶理由通知書(当審)
令和6年12月25日 意見書及び手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「 【請求項1】
ワイヤレス送信受信ユニット(WTRU)において用いる方法であって、
同期信号(SS)バーストに含まれている1つのSSブロックを受信することと、
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信に含まれているダウンリンク制御情報(DCI)を受信することと
を備え、
前記PDCCH送信は、共通探索空間を介してページング機会(PO)において受信され、前記PDCCH送信は、前記POのための前記共通探索空間に関連付けられたPDCCH候補のサブセットに属する1つに対応し、前記PDCCH候補のサブセットは、前記SSバーストに属する前記SSブロックに関連付けられ、前記受信されたDCIは、システム情報更新の表示またはスケジューリング情報の表示のうちの少なくとも1つに関して1つまたは複数の表示を含み、前記スケジューリング情報は、ページングメッセージを搬送する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)送信に対応する
ことを特徴とする方法。」
第3 拒絶の理由
令和6年6月18日付けで当審が通知した拒絶理由のうち、理由3の(2)の概要は、以下のとおりである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項1から6、8、9から14、16に対して、
引用文献5及び引用文献3、又は、
引用文献5並びに引用文献3及び引用文献6
・請求項7及び15に対して、
引用文献5並びに引用文献3及び引用文献4、又は、
引用文献5並びに引用文献3、引用文献4及び引用文献6
<引用文献等一覧>
3 ZTE,Remaining issues on paging transmission for NB-IoT[online],3GPP TSG RAN WG1 NB-IoT Ad-Hoc Meeting R1-161862,2016年3月16日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/LTE_NB-IoT_1603/Docs/R1-161862.zip>(以下、「引用文献3」という。)
4 MediaTek Inc.,Design of Search Space[online],3GPP TSG RAN WG1 #88bis R1-1704444,2017年3月25日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1704444.zip>(以下、「引用文献4」という。)
5 NTT DOCOMO, INC.,Discussion on paging design for NR [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #88bis R1-1705710,2017年3月25日アップロード,インターネット<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705710.zip>(以下、「引用文献5」という。)
6 MediaTek Inc.,On Unified SS Block Composition [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #88b R1-1704453,2017年3月25日アップロード,インターネット<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_88b/Docs/R1-1704453.zip>(以下、「引用文献6」という。)
第4 各引用文献の事項、並びに引用発明及び技術的事項
1 引用文献5の記載、及び引用発明
令和6年6月18日付け拒絶理由通知書における拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)で引用され、本願優先日前に公開された引用文献5(NTT DOCOMO, INC.,Discussion on paging design for NR [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #88bis R1-1705710,2017年3月25日アップロード,インターネット<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705710.zip>)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は合議体で付与した。)
(1)「1. Introduction
At the RAN1#88 meeting, paging channel design for NR was discussed and RAN1 made following agreements [1].
Agreements:
・ Support the paging channel design at least for RRC idle mode
as follows:
・ Paging message is scheduled by DCI carried by NR-PDCCH
and is transmitted in the associated NR-PDSCH
・ FFS:
・ Paging indication triggers UE beam reporting (if supported
)
- Opt-1: paging indication is in DCI
- Opt-2: paging indication is in non-scheduled physical
channel
・ How to indicate SI update if it is supported in paging」
(第1ページ第7行から第18行)
(仮訳:1.はじめに
RAN1#88会合において、NRのページングチャネルデザインが議論され、RAN1は以下の合意を行った[1]。
合意事項:
・少なくともRRCアイドルモードに対して、以下のページングチャネル
デザインをサポートする:
・ページングメッセージは、NR-PDCCHによって搬送されたDC
Iによってスケジューリングされ、関連付けられたNR-PDSCH
で送信される
・FFS:
・ページングインジケーションは、UEビーム報告をトリガする(サ
ポートされている場合)
-オプション1:ページングインジケーションは、DCI内にあ
る
-オプション2:ページングインジケーションは、スケジュール
されない物理チャネル内にある
・ページング内でそれがサポートされている場合、SI更新を示す方
法)
(2)「2.1. Paging design in LTE
Paging design in LTE is as follows.
・ UE in IDLE mode periodically wakes up and monitors PDCCH at
Paging Occasion (PO) in Paging Frame (PF) in order to check the presence of paging message.
>PO is a subframe which may carry PDCCH addressing the paging
message.
>PF is a radio frame which may contain one or multiple PO.
・ PO and PF are derived by UEID and NW configuration (DRX cycle
and parameter nB).
>UE in IDLE mode wakes up once every {32, 64, 128, 256} radio
frames.
>From NW perspective, different UEs can be distributed in
different PO and PF.
>An example configuration of paging in LTE is shown in Figure
1.
・ PDCCH scrambled by P-RNTI in C-SS is used for scheduling paging
message.
・ The same paging message is sent by all eNBs in a tracking area.
[図:0001427356000001.jpg]
Figure.1: Example configuration of paging in LTE」
(第1ページ下から第11行から第2ページ第1行、及びFigure.1)
(仮訳:2.1.LTEにおけるページングデザイン
LTEにおけるページングデザインは以下のとおりである。
・アイドルモードのUEは、ページングメッセージの存在を確認するため
に、定期的にウェイクアップし、ページングフレーム(PF)内のページ
ング機会(PO)でPDCCHをモニタする。
>POは、ページングメッセージをアドレスするPDCCHを搬送するこ
とが可能なサブフレームである。
>PFは1つまたは複数のPOを含むことが可能な無線フレームである。
・PO及びPFは、UEID及びNWの設定(DRX周期及びパラメータn
B)によって導出される。
>アイドルモードのUEは、{32、64、128、256}無線フレー
ム毎に1回ウェイクアップする。
>NWの始点から、異なるUEは異なるPOとPFに分配されることがで
きる。
>LTEにおけるページングの構成例を図1に示す。
・C-SS内で、P-RNTIによってスクランブルされたPDCCHは、
ページングメッセージのスケジューリングのために使用される。
・トラッキングエリア内の全てのeNBによって、同じページングメッセー
ジが送信される。
(図は省略。)
図1:LTEにおけるページングの構成例)
(3)「2.2. Paging design for NR
As well as in LTE, paging mechanism in NR system is necessary to allow UE to camp on the NR cell. In case of single-beam based operation, LTE paging mechanism can be considered as baseline. On the other hand, in case of multi-beam based operation, beam sweeping is necessary for paging transmission since network would not be aware of appropriate Tx beam for each UE in IDLE/inactive states. As described in Section 1, we think there are following possible problems on paging procedure in multi-beam based operation.
・ If UE in IDLE or inactive state is not aware of the paging DCI resource location which is transmitted by appropriate Tx beam for the UE, UE would need to keep waking up and performing DCI blind detection during the beam sweeping transmission of paging DCI and it would consume battery.
・ Paging message transmission overhead would be increased due to beam sweeping transmission, i.e., paging message transmission on some beams will not reach to the target UE.
Figure 2 shows an example of paging transmission design for multi-beam based operation. In this example, UE in a certain group needs to keep waking up to monitor DCI for paging during four resources (e.g., four slots) with same color even though actually UE may be able to receive the DCI for paging and associated paging message in only one slot transmitted by appropriate TRP Tx beam for the UE. In addition, from NW perspective, paging transmission overhead is increased four times compared with that in case of the single-beam based operation.
・・・
[図:0001427356000002.jpg]
Figure.2: Possible paging transmission design for multi-beam
based operation
Here we propose and discuss on possible solutions to relax above issues in multi-beam based operation.
For UE battery saving, it would be beneficial if UE can focus on specific paging timing corresponding to appropriate TRP Tx beam for the UE. Since UE in IDLE mode would monitor SS blocks for synchronization and cell reselection, it would be possible for UE in IDLE mode to identify appropriate TRP Tx beam based on detected SS block(s). Hence, association between detected SS block and paging DCI resource, i.e., control resource set for UE-group common NR-PDCCH which schedules paging message can be used. RAN1 agreed to study two alternative methods for paging transmission with beam sweeping, one is paging transmission multiplexed with SS block and another is paging transmission on another round of beam sweeping [2]. In both methods, such association can help UE to focus on specific paging timing corresponding to detected SS block(s). If paging DCI transmission is multiplexed with SS block e.g., on the same symbol or on the predefined symbol associated with the SS block, the association can be identified by the UE implicitly.
Proposal 1: Association between SS block and resource for C-SS scheduling paging message should be defined so that UE in IDLE mode can focus on specific paging timing based on detected SS block(s) to save the battery.」
(第2ページ第2行から第3ページ第14行)
(仮訳:2.2.NRにおけるページングデザイン
LTEと同様に、NRシステムでも、UEがNRセルでキャンプオンすることが可能となるために、ページングメカニズムが必要である。シングルビームベースの動作の場合、LTEのページングメカニズムがベースラインとして考えられる。一方、マルチビームベースの動作の場合、ネットワークは、アイドル/非アクティブ状態の各UEに対して適切なTxビームを認識できないため、ページング送信にはビームスイーピングが必要である。我々は、セクション1で述べたように、マルチビームベースの動作におけるページング手順には、以下のような起こり得る問題があると考えている。
・アイドル又は非アクティブ状態のUEは、そのUEに適したTxビームによって送信されるページングDCIリソースの位置を認識していない場合、UEは、ページングDCIのビームスイーピング送信中にウェイクアップしてDCIのブラインド検出を実行し続ける必要があり、バッテリーを消費する。
・ページングメッセージの送信オーバーヘッドは、ビームスイーピング送信のために増加する。つまり、いくつかのビームでのページングメッセージ送信は、ターゲットUEに届かない。
図2は、マルチビームベースの動作に対するページング送信デザインの例を示す。この例では、実際には、UEに適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ、ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信することができるにもかかわらず、あるグループ内のUEは、同じ色の4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングのためのDCIをモニタするために、ウェイクアップし続ける必要がある。さらに、NWの始点から、ページング送信のオーバーヘッドは、シングルビームベースの動作の場合のそれと比較して4倍に増加する。
・・・
(図は省略。)
図2:マルチビームベース動作のための可能性あるページング伝送デ
ザイン
ここでは、マルチビームベースの動作における上記問題を緩和するための可能な解決策を提案し、議論する。
UEのバッテリーの節約のためには、UEが、UEに対する適切なTRP Txビームに対応する特定のページングタイミングに集中することができれば、有益である。アイドルモードのUEは、同期及びセル再選択のために複数のSSブロックをモニタするので、アイドルモードのUEは、検出されたSSブロックに基づいて、適切なTRP Txビームを識別することができる。したがって、検出されたSSブロックと、ページングDCIリソースつまりページングメッセージをスケジュールするUEグループ共通のNR-PDCCHのための制御リソースセットとの間の関連付けを使用することができる。RAN1は、ビームスイーピングを伴うページング送信のための2つの選択的な方法、1つはSSブロックと多重化したページング送信、もう1つはビームスイーピングの別のラウンドでページング送信を検討することに合意した[2]。どちらの方法においても、そのような関連付けは、検出されたSSブロックに対応する特定のページングタイミングにUEが集中することに役立つことを可能にする。ページングDCI送信がSSブロックと、例えば、同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化されている場合、関連付けは、UEによって暗黙的に識別され得る。
提案1:アイドルモードのUEが、バッテリーを節約するために、検出されたSSブロックに基づいて特定のページングタイミングに集中することができるように、SSブロックと、C-SSスケジューリングページングメッセージのリソースとの間の関連付けが定義されるべきである。)
ここで、引用文献5の上記記載、及び移動体通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。
ア 上記「(3)」には「NRにおけるページングデザイン」において「アイドルモードのUEは、・・・複数のSSブロックをモニタするので、アイドルモードのUEは、検出されたSSブロックに基づいて、適切なTRP Txビームを識別することができる。」との記載があることから、引用文献5の「NR」における「UE」は「複数のSSブロックをモニタ」し、「SSブロック」を検出するものである。
イ 上記「(3)」には「NRにおけるページングデザイン」において「ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信する」との記載がある。ここで、上記「(1)」の「ページングメッセージは、NR-PDCCHによって搬送されたDCIによってスケジューリングされ、関連付けられたNR-PDSCHで送信される」との記載を考慮すれば、上記「(3)」の記載における「ページングのためのDCI」は、NR-PDCCHによって搬送されたものであることは明らかである。したがって、引用文献5の「NR」における「UE」は、「NR-PDCCH」によって搬送された「DCIを受信する」ものである。
ウ 上記「(2)」には「C-SS内で、P-RNTIによってスクランブルされたPDCCHは、ページングメッセージのスケジューリングのために使用される。」との記載がある。ここで、上記「(2)」には「LTEにおけるページングデザイン」において、「アイドルモードのUEは、・・・ページングフレーム(PF)内のページング機会(PO)でPDCCHをモニタする。」との記載、及び「POは、ページングメッセージをアドレスするPDCCHを搬送することが可能なサブフレームである。」との記載があり、これらの記載を考慮すれば、上記「(2)」の「C-SS内で、P-RNTIによってスクランブルされたPDCCHは、ページングメッセージのスケジューリングのために使用される。」との記載における「PDCCH」は、「ページングフレーム(PF)内」の「サブフレーム」である「ページング機会(PO)」でモニタされることが明らかである。ここで、LTEにおいて「C-SS」、すなわちCommon-Search Space(共通探索空間)とは、サブフレーム内に配置されるものであることが、移動体通信分野における技術常識である。そうすると、引用文献5には、「LTEのページングデザイン」において、「ページング機会(PO)」の「C-SS内」で「PDCCHをモニタする」ことが記載されている。
エ 上記「(3)」には「NRにおけるページングデザイン」において、「シングルビームベースの動作の場合、LTEのページングメカニズムがベースラインとして考えられる。」との記載がある。
また、上記「(3)」には「NRにおけるページングデザイン」に関して、「図2は、マルチビームベースの動作に対するページング送信デザインの例を示す。この例では、実際には、UEに適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ、ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信することができるにもかかわらず、あるグループ内のUEは、同じ色の4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングのためのDCIをモニタするために、ウェイクアップし続ける必要がある。」との記載がある。当該記載によれば、「マルチビームベースの動作」の場合、「あるグループ内のUE」は、「同じ色の4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングのためのDCIをモニタする」必要があるといえる。
そして、図2には、同じ色で四角いブロックが4つ示され、それが4色分、合計16個の四角いブロックが示されている。ここで、上記の図2に関する説明において、「あるグループ内のUEは、同じ色の4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングためのDCIをモニタする」との記載を考慮すれば、図2における四角いブロック1個が「リソース」(例えば、スロット)を表しており、同じ色の四角ブロックは1つのグループに対して対応付けられ、異なる4色の四角いブロックは、それぞれ4つのグループに対応付けられていることが読み取れる。つまり、図2は、4つのグループに対して、16個のリソース(例えば、スロット)を、1つのグループに対して4つのリソース(例えば、4つのスロット)ずつ対応付けることを表していると解される。
そうすると、引用文献5には、「NRにおけるページングデザイン」において、「マルチビームベースの動作」の場合、4つのグループに対して、16個の「リソース」(例えば、スロット)を、1つのグループに対して「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」ずつ対応付けられることが記載されているといえる。
オ 上記「(3)」には「NRにおけるページングデザイン」に関して、「図2は、マルチビームベースの動作に対するページング送信デザインの例を示す。この例では、実際には、UEに適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ、ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信することができるにもかかわらず、あるグループ内のUEは、同じ色の4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングのためのDCIをモニタするために、ウェイクアップし続ける必要がある。・・・ここでは、マルチビームベースの動作における上記問題を緩和するための可能な解決策を提案し、議論する。・・・アイドルモードのUEは、検出されたSSブロックに基づいて、適切なTRP Txビームを識別することができる。したがって、検出されたSSブロックと、ページングDCIリソース・・・との間の関連付けを使用することができる。・・・そのような関連付けは、検出されたSSブロックに対応する特定のページングタイミングにUEが集中することに役立つことを可能にする。ページングDCI送信がSSブロックと、例えば、同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化されている」との記載がある。
ここで、上記「(3)」の記載における「ページングDCI送信がSSブロックと、例えば、同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化されている」ことは、「そのような関連付けは、検出されたSSブロックに対応する特定のページングタイミングにUEが集中することに役立つことを可能にする。」との記載に続いて記載されていることから、「そのような関連付け」の具体例といえる。そして「そのような関連付け」とは、さらにその前に記載された「検出されたSSブロックと、ページングDCIリソース・・・と間の関連付け」のことであることは明らかである。したがって、「ページングDCI送信がSSブロックと、例えば、同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化されている」ことは、「検出されたSSブロックと、ページングDCIリソース・・・と間の関連付け」の具体例として記載されていることは明らかである。
そうすると、上記記載によれば、引用文献5には、「NRにおけるページングデザイン」において、「マルチビームベースの動作」の場合、「実際には、適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ、ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信することができるにもかかわらず」、「あるグループ内のUEは、4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングためのDCIをモニタするために、ウェイクアップし続ける必要がある」との問題を緩和するために、「検出されたSSブロックに基づいて、適切なTRP Txビームを識別」し、「検出されたSSブロックと、ページングDCIリソース・・・との間の関連付け」、例えば、「ページングDCI送信がSSブロック」と「同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化」されており、「検出されたSSブロックに対応する特定のページングタイミングにUEが集中する」ことが記載されているといえる。
カ 上記「(1)」の「NRのページングチャネルデザインが議論され、RAN1は以下の合意を行った[1]。/(合議体注:「/」は、改行を示す。以下、同様。)・・・以下のページングチャネルデザインをサポートする/・・・・FFS/・・・ページング内でそれがサポートされている場合、SI更新を示す方法」との記載によれば、引用文献5には、「NRのページングチャネルデザイン」として、「ページング内で」、「SI更新を示す方法」については「FFS」であることが記載されているといえる。
キ 上記「ア」及び「イ」は、いずれも「NR」における「UE」において実行される動作である。そうすると、引用文献5には、「NR」における「UE」において実行される方法であって、上記「ア」及び「イ」の動作を行うことが記載されているといえる。
したがって、上記「ア」から「キ」を総合すると、引用文献5には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 NRにおけるUEにおいて実行される方法であって、
複数のSSブロックをモニタし、SSブロックを検出し、
NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信することを備え、
LTEにおけるページングデザインにおいて、ページング機会(PO)のC-SS内でPDCCHをモニタするものであり、
NRにおけるページングデザインにおいて、
シングルビームベースの動作の場合、LTEのページングメカニズムがベースラインとして考えられ、
マルチビームベースの動作の場合、4つのグループに対して、16個のリソース(例えば、スロット)を、1つのグループに対して4つのリソース(例えば、4つのスロット)ずつ対応付けられ、実際には、適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ、ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信することができるにもかかわらず、あるグループ内のUEは、4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングためのDCIをモニタするために、ウェイクアップし続ける必要があるとの問題を緩和するために、検出されたSSブロックに基づいて、適切なTRP Txビームを識別し、検出されたSSブロックと、ページングDCIリソースとの間の関連付け、例えば、ページングDCI送信がSSブロックと同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化され、検出されたSSブロックに対応する特定のページングタイミングに集中するものであり、
NRのページングチャネルデザインとして、ページング内で、SI更新を示す方法についてはFFSである
方法。」
2 引用文献3の記載、及びその技術的事項
当審拒絶理由で引用され、本願優先日前に公開された引用文献3(ZTE,Remaining issues on paging transmission for NB-IoT[online],3GPP TSG RAN WG1 NB-IoT Ad-Hoc Meeting R1-161862,2016年3月16日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/LTE_NB-IoT_1603/Docs/R1-161862.zip>)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は合議体で付与した。)
「・ In each Paging Occasion (PO), an RRC idle UE monitors one DCI
type.
・ An indication (e.g. S_flag) is used in the DCI with P-RNTI for
paging.
- If S_flag=TRUE, the rest of DCI bits carries scheduling
information of PDSCH for paging message.
- If S_flag=FALSE, the rest of DCI bits carries system
information update, ETWS, CMAS, and EAB without scheduling
information of PDSCH.」
(第3ページ第3行から第7行)
(仮訳:・各ページング機会(PO)において、RRCアイドルのUE1つのDCIタイプをモニタする。
・インジケーション(例えば、S_flag)は、ページングのためのP-RNTIを持つDCIの中で用いられる。
-S_flag=TRUEの場合、DCIの残りのビットはページングメッセージのためのPDSCHのスケジューリング情報を搬送する。
-S_flag=FALSEの場合、DCIの残りのビットはPDSCHのスケジューリング情報なしで、システム情報更新、ETWS、CMAS、EABを搬送する。)
ここで、上記記載によれば、引用文献3には、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「インジケーション(例えば、S_flag)は、ページングのためのP-RNTIを持つDCIの中で用いられるものであって、S_flag=TRUEの場合、DCIの残りのビットはページングメッセージのためのPDSCHのスケジューリング情報を搬送し、S_flag=FALSEの場合、DCIの残りのビットはPDSCHのスケジューリング情報なしで、システム情報更新を搬送する。」
3 引用文献6の記載、及び技術常識
当審拒絶理由で引用され、本願優先日前に公開された引用文献6(MediaTek Inc.,On Unified SS Block Composition [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #88b R1-1704453,2017年3月25日アップロード,インターネット<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_88b/Docs/R1-1704453.zip>)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は合議体で付与した。)
「4. Multi-Beam Operation
For multi-beam deployment, a number of contiguous SS blocks are transmitted, each toward one of the beam directions in the full transmit sweep. The example in Figure 4 shows 8 SS blocks in one SS block burst. In multi-beam operation, the UE’s behavior differs before and after initial access is completed, as will be described below.
4.1. Initial Access Phase
During initial access of multi-beam operation, the UE uses the same RX beam to receive all the SS blocks in one burst period, as shown in Figure 4. In the following SS burst period, UE may switch to a different RX beam if the previous reception fails to acquire the cell.
[図:0001427356000003.jpg]
Figure 4: Cell and UE beam sweeping during initial access」
(第2ページ第21行から第28行、及び図4)
(仮訳:4.マルチビーム動作
マルチビームの展開では、連続した複数のSSブロックが、全送信スイープの1つのビーム方向にそれぞれ向かって送信される。図4の例では、1つのSSブロックバーストに8つのSSブロックが含まれることが示されている。マルチビーム動作では、後述するように、UEの挙動は初期アクセスが完了する前後で異なる。
4.1.初期アクセスフェーズ
マルチビーム動作の初期アクセスでは、図4に示すように、UEは1つのバースト期間内のすべてのSSブロックを受信するために、同じRXビームを使用する。次のSSバースト期間では、前の受信でセルを獲得できなかった場合、UEは異なるRXビームに切り替えることができる。
(図は省略。)
図4初期アクセスにおけるセルとUEビームスイーピング)
ここで、上記記載によれば、引用文献6には、次の技術常識が記載されていると認められる。
「マルチビーム動作では、1つのSSブロックバーストに8つのSSブロックが含まれ、全送信スイープの1つのビーム方向にそれぞれ向かって送信される。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
1 引用発明の「NRにおけるUE」とは、New Radio(新無線)において用いられるUser Equipment(ユーザ機器)を表し、無線で信号を送受信することが可能な端末ユニットであることが移動体通信分野における技術常識である。そうすると、引用発明の「NRにおけるUE」は、本願発明の「ワイヤレス送信受信ユニット(WTRU)」に含まれる。
そして、引用発明の「NRにおけるUEにおいて実行される方法」は、NRにおけるUEにおいて用いられて実行される方法であるから、本願発明の「ワイヤレス送信受信ユニット(WTRU)において用いる方法」に含まれる。
2 引用発明の「NRにおけるUE」は「複数のSSブロックをモニタし、SSブロックを検出」するものであるから、1つ又はそれ以上の「SSブロック」を受信することが想定されていることは明らかである。そうすると、引用発明の「SSブロックを検出」することは、1つのSSブロックを受信することを含むから、本願発明の「1つのSSブロックを受信すること」と、引用発明の「SSブロックを検出」することは、「1つのSSブロックを受信すること」である点で共通する。
また、引用発明のような「NR」の「マルチビームベースの動作」においては、「1つのSSブロックバーストに8つのSSブロックが含まれ、全送信スイープの1つのビーム方向にそれぞれ向かって送信される」ことが技術常識である(必要であれば、上記「第4」の「3」の技術常識を参照。)。ここで、「SSブロックバースト」とは、Synchronization Signal Block Burst(同期信号ブロックバースト)を表していることや、「ブロック」を省略して「SSバースト」と呼ばれることがあることも、移動体通信分野における技術常識である。そうすると、これら技術常識を考慮すれば、引用発明において、「NR」の「マルチビームベースの動作」を行う際にモニタする「複数のSSブロック」が、「SSブロックバースト」に含まれることは自明である。
したがって、本願発明の「同期信号(SS)バーストに含まれている1つのSSブロックを受信すること」と、引用発明の「複数のSSブロックをモニタし、SSブロックを検出」することは、「同期信号(SS)バーストに含まれている1つのSSブロックを受信する」点で共通する。
ここで、仮に、上記「第4」の「3」で述べたような技術常識を考慮しても、引用発明において、「マルチビームベースの動作」を行う際にモニタする「複数のSSブロック」が「SSブロックバースト」に含まれることが自明とまではいえないとしても、上記技術常識を考慮すれば、引用発明において「マルチビームベースの動作」を行う際に、「SSブロックバースト」に含まれる「複数のSSブロック」をモニタするよう構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、仮に、本願発明の「1つのSSブロックを受信すること」が、「1つのSSブロック」のみ「を受信する」ことを特定しようとしたものであって、上記したように、1つ又はそれ以上のSSブロックを受信する引用発明とは相違するとした場合についても、検討しておく。
引用発明は、「マルチビームベースの動作の場合」、「実際には、適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ、ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信することができる」ものであるから、「適切なTRP Txビーム」は1つのみといえる。そして、「検出されたSSブロックに基づいて、適切なTRP Txビームを識別」するものであって、「適切なTRP Txビーム」が1つのみであることから、検出された、すなわち受信された「SSブロック」も1つのみと解される。したがって、本願発明の「1つのSSブロックを受信すること」が、「1つのSSブロック」のみ「を受信する」ことを特定しようとしたものであったとしても、引用発明の「SSブロックを検出」することとは、「1つのSSブロックを受信すること」である点で共通する。そして、本願発明の第2段落で特定される他の点については、上記したとおりである。
3 引用発明の「NR-PDCCH」とは、New Radio-Physical Downlink Control CHannel(新無線-物理ダウンリンク制御チャネル)の略語であって、NRで用いられるPDCCHを表すことが移動体通信分野における技術常識である。そうすると、PDCCHの一種といえる引用発明の「NR-PDCCH」による送信は、本願発明の「物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信」に含まれる。
また、引用発明の「DCI」とは、Downlink Control Information(ダウンリンク制御情報)の略語であることが移動体通信分野における技術常識である。そして、引用発明は「NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信する」ものであるから、「DCI」が上記「NR-PDCCH」による送信に含まれていることは明らかである。したがって、引用発明の「NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信すること」は、本願発明の「物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信に含まれているダウンリンク制御情報(DCI)を受信すること」に含まれる。
4
(1)引用発明の「NRにおけるページングデザイン」において「シングルビームベースの動作の場合、LTEのページングメカニズムがベースラインとして考えられ」るものである。一方で「NRにおけるページングデザイン」において「マルチビームベースの動作」の場合について「LTEにおけるページングデザイン」をベースラインとして考えることは特定されていない。しかしながら、引用文献5は、「2.1.」節で「LTEにおけるページングデザイン」を説明し、続く「2.2.」節で「NRにおけるページングデザイン」を説明している。そうすると、「マルチビームベースの動作」においても、「シングルビームベースの動作」と同様、「LTEにおけるページングデザイン」がベースラインとして考えられていると考えるのが相当である。したがって、引用発明の「NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信する」ことは、「シングルビームベースの動作」の場合、「マルチビームベースの動作」の場合ともに、「LTEにおけるページングデザイン」をベースとして行われることは明らかである。
そして、「LTEにおけるページングデザインにおいて、ページング機会(PO)のC-SS内でPDCCHをモニタする」ものであるから、「LTEにおけるページングデザイン」をベースとして行われる「シングルビームベースの動作」、「マルチビームベースの動作」ともに、「ページング機会(PO)のC-SS内でPDCCHをモニタする」ものといえる。ここで、引用発明のような「NRにおけるUE」が用いる「PDCCH」は、「NR-PDCCH」であることが明らかである。また、引用発明の「C-SS」とは、Common-Search Space(共通探索空間)の略語であること、及びNR-PDCCHにおいても、C-SSがあることは移動体通信分野における技術常識である。そうすると、引用発明の「NRにおけるUE」がモニタする「C-SS」は、本願発明の「共通探索空間」に相当する。
また、引用発明の「NRにおけるUE」は、「NR-PDCCH」を「ページング機会(PO)のC-SS内」でモニタし、「NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信する」、すなわち「NR-PDCCH」による送信を受信するといえる。言い換えれば、引用発明の「NR-PDCCH」による送信は、「ページング機会(PO)のC-SS内」でモニタされ、「ページング機会(PO)」において受信されるといえる。
そして、引用発明の「NR-PDCCH」による送信が「ページング機会(PO)のC-SS内」でモニタされ、「ページング機会(PO)」において受信されるということは、「NR-PDCCH」による送信が、「ページング機会(PO)のC-SS」を介して送信され、「ページング機会(PO)」において受信されることは明らかである。
以上のことを踏まえると、本願発明の「前記PDCCH送信は、共通探索空間を介してページング機会(PO)において受信され」ることと、引用発明の「NR-PDCCH」による送信が「ページング機会(PO)のC-SS内」でモニタされ、受信されることは、「前記PDCCH送信は、共通探索空間を介してページング機会(PO)において受信され」る点で共通する。
ここで、仮に、引用発明の「マルチビームベースの動作」においては、「LTEにおけるページングデザイン」がベースラインとして考えられているとまではいえないとしても、上記したように、引用文献5は、「2.1.」節で「LTEにおけるページングデザイン」を説明し、続く「2.2.」節で「NRにおけるページングデザイン」を説明しており、「NRにおけるページングデザイン」の議論が「LTEにおけるページングデザイン」をベースにしていることは明らかであるから、引用発明の「NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信する」際、「マルチビームベースの動作」についても、「シングルビームベースの動作」と同様に、すなわち「マルチビームベースの動作」、「シングルビームベースの動作」ともに、「NR-PDCCH」による送信が「ページング機会(PO)のC-SS内」でモニタされ、受信されるような動作を行わせることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(2)引用発明の「NRにおけるUE」は、「検出されたSSブロックに基づいて、適切なTRP Txビームを識別し、検出されたSSブロックと、ページングDCIリソースとの間の関連付け、例えば、ページングDCI送信がSSブロックと同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化され、検出されたSSブロックに対応する特定のページングタイミングに集中する」ものであるが、前提として、「マルチビームベースの動作の場合、4つのグループに対して、16個のリソース(例えば、スロット)を、1つのグループに対して4つのリソース(例えば、4つのスロット)ずつ対応付けられ、実際には、適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ、ページングのためのDCI及び関連するページングメッセージをUEは受信することができるにもかかわらず、あるグループ内のUEは、4つのリソース(例えば、4つのスロット)の間、ページングためのDCIをモニタする」ものである。
ここで、引用発明の「NRにおけるUE」は「NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信する」ものであるから、上記「ページングのためのDCI」は、「NR-PDCCH」による送信に含まれるものといえる。さらに、「NR-PDCCH」がスロットに含まれることは、移動体通信分野における技術常識である。これらを踏まえると、引用発明の「NRにおけるUE」は、「実際には、適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットでのみ」、「ページングのためのDCI」を含む「NR-PDCCH」による送信を受信するが、その他の3つの「リソース」(例えば、スロット)においても、「ページングのためのDCI」を含む「NR-PDCCH」による送信を受信する可能性があるといえる。言い換えれば、「NR-PDCCH」による送信を受信する可能性のある「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる「NR-PDCCH」は、いずれも、実際に送信される「ページングのためのDCI」を含む「NR-PDCCH」の候補といえる。したがって、引用発明の「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる「NR-PDCCH」は、本願発明の「PDCCH候補」に含まれる。
また、引用発明の「NRにおけるUE」は、「マルチビームベースの動作の場合、4つのグループに対して、16個のリソース(例えば、スロット)を、1つのグループに対して4つのリソース(例えば、4つのスロット)ずつ対応付けられ」るものであるから、「16個のリソース(例えば、スロット)」のうち、「1つのグループ」に対して対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる「NR-PDCCH」は、「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」というセットに対する、サブセットを構成しているといえる。そして、前段落で検討したことを考慮すれば、引用発明の「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」のうち、1つのグループに対して対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる4つの「NR-PDCCH」は、本願発明の「PDCCH候補のサブセット」に含まれる。
以上のことから、引用発明の「ページングのためのDCI」を含む「NR-PDCCH」による送信が、「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」のうち、1つのグループに対して対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる4つの「NR-PDCCH」の中で、「適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットで」受信される「NR-PDCCH」による送信であることは、本願発明の「前記PDCCH送信」は、「PDCCH候補のサブセットに属する1つに対応」することに含まれる。
そして、上記「(1)」で検討したように、引用発明の「NR-PDCCH」による送信は、「ページング機会(PO)のC-SS内」でモニタされ、受信されるものであるから、当該「NR-PDCCH」は、「ページング機会(PO)のC-SS」に関連付けられていることは明らかといえる。そうすると、引用発明の「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる「NR-PDCCH」が「ページング機会(PO)のC-SS」に関連付けられていることは、本願発明の「前記PDCCH候補」が「前記POのための前記共通探索空間に関連付けられた」ものであることに含まれる。
したがって、本願発明の「前記PDCCH送信」が「前記POのための前記共通探索空間に関連付けられたPDCCH候補のサブセットに属する1つに対応」することと、引用発明の「ページングのためのDCI」を含む「NR-PDCCH」による送信が、「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」のうち、1つのグループに対して対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる4つの「NR-PDCCH」の中で、「適切なTRP Txビームによって送信される1つのスロットで」受信される「NR-PDCCH」による送信であって、「NR-PDCCH」が「ページング機会(PO)のC-SS内」でモニタされ、受信されるものであることは、「前記PDCCH送信」が「前記POのための前記共通探索空間に関連付けられたPDCCH候補のサブセットに属する1つに対応」する点で共通する。
(3)引用発明は「検出されたSSブロックと、ページングDCIリソースと間の関連付け、例えば、ページングDCI送信がSSブロックと同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化され」るものである。ここで、「ページングDCIリソース」が「ページングDCI送信」に用いられるリソースであることは自明である。
一方、上記「(2)」で述べたように、引用発明の「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」のうち、1つのグループに対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる4つの「NR-PDCCH」は、本願発明の「PDCCH候補のサブセット」に含まれる。そして、引用発明の「NRにおけるUE」は、「NR-PDCCHによって搬送されたDCIを受信する」ものであり、「ページングのためのDCI」を受信するものであるから、「NR-PDCCH」において「ページングのためのDCI」を受信するものといえる。また、「ページングのためのDCI」と、「ページングDCI送信」における「DCI」が、いずれも「ページングのためのDCI」であることは明らかであるから、「ページングのためのDCI」を受信する「NR-PDCCH」は、「ページングDCIリソース」であるといえる。そうすると、上記「(2)」で述べた引用発明の「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」のうち、1つのグループに対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる4つの「NR-PDCCH」は、「ページングDCIリソース」であるといえる。
さらに、引用発明では「検出されたSSブロックと、ページングDCIリソース」との間に「関連付け」がなされているから、上記「ページングDCIリソース」は「検出されたSSブロック」との間に「関連付け」がなされているといえる。そして、当該「関連付け」は「ページングDCI送信がSSブロックと同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上で多重化され」るというものであるから、「ページングDCIリソース」は、「SSブロックと同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上」に関連付けられているといえる。
そうすると、引用発明において、「ページングDCIリソース」である「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」のうち、1つのグループに対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる4つの「NR-PDCCH」が、「SSブロックと同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上」に関連付けられていることは、上記「(2)」を踏まえれば、本願発明の「前記PDCCH候補のサブセット」が「SSブロックに関連付けられ」ていることに含まれる。
加えて、上記「2」で検討したように、引用発明において、「マルチビームベースの動作」を行う際にモニタする「複数のSSブロック」が「SSブロックバースト」に含まれることが自明であることを考慮すれば、引用発明の「複数のSSブロック」は「SSバースト」に属しているといえる。そうすると、引用発明において、「マルチビームベースの動作」を行う際にモニタする「複数のSSブロック」が「SSブロックバースト」に含まれることは、本願発明の「前記SSブロック」が「前記SSバーストに属する」ことに相当する。
以上のことから、本願発明の「前記PDCCH候補のサブセットは、前記SSバーストに属する前記SSブロックに関連付けられ」ることと、引用発明の「16個のリソース(例えば、スロット)」に含まれる「NR-PDCCH」のうち、1つのグループに対応付けられた「4つのリソース(例えば、4つのスロット)」に含まれる4つの「NR-PDCCH」が、「SSバースト」に含まれる「SSブロックと同じシンボル又はSSブロックに関連付けられた事前定義されたシンボル上」に関連付けられることは、「前記PDCCH候補のサブセットは、前記SSバーストに属する前記SSブロックに関連付けられ」る点で共通する。
したがって、上記「1」から「4」を総合すれば、本願発明と引用発明は、以下の点で一致し、また相違する。
<一致点>
「 ワイヤレス送信受信ユニット(WTRU)において用いる方法であって、
同期信号(SS)バーストに含まれている1つのSSブロックを受信することと、
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信に含まれているダウンリンク制御情報(DCI)を受信することと
を備え、
前記PDCCH送信は、共通探索空間を介してページング機会(PO)において受信され、前記PDCCH送信は、前記POのための前記共通探索空間に関連付けられたPDCCH候補のサブセットに属する1つに対応し、前記PDCCH候補のサブセットは、前記SSバーストに属する前記SSブロックに関連付けられる
方法。」
<相違点>
ワイヤレス送信受信ユニット(WTRU)によって受信された「DCI」が、本願発明では「システム情報更新の表示またはスケジューリング情報の表示のうちの少なくとも1つに関して1つまたは複数の表示を含み、前記スケジューリング情報は、ページングメッセージを搬送する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)送信に対応する」という発明特定事項を有するのに対し、引用発明は、NRのページングデザインとして、ページング内で、SI更新を示す方法についてはFFSであって、当該発明特定事項が特定されていない点。
第6 判断
1 相違点について
上記相違点について検討する。
引用発明には、NRのページングチャネルデザインとして、SI更新を示す方法についてはFFS、すなわち、さらなる検討が必要であることが示されている。ここで、「SI」とは、System Information(システム情報)の略語であることが、移動体通信分野における技術常識であるから、引用発明の「SI更新」とは、システム情報更新を表していることが明らかである。
そして、上記「第4」の「2」に記載したように、引用文献3には「インジケーション(例えば、S_flag)は、ページングのためのP-RNTIを持つDCIの中で用いられるものであって、S_flag=TRUEの場合、DCIの残りのビットはページングメッセージのためのPDSCHのスケジューリング情報を伝送し、S_flag=FALSEの場合、DCIの残りのビットはPDSCHのスケジューリング情報なしで、システム情報更新を伝送する。」という技術的事項が記載されている。
そうすると、引用発明において、SI更新を示す方法について、さらなる検討する際に、公知であるページングに関する技術の適用を試みることは、当業者の通常の創作能力の発揮といえる。そして、引用発明と同じページングに関する技術である引用文献3に記載された上記技術的事項を、引用発明に適用することを試み、引用発明において受信される「DCI」に、S_flag=TRUEの場合、DCIの残りのビットはページングメッセージのためのPDSCHのスケジューリング情報を伝送し、S_flag=FALSEの場合、DCIの残りのビットはPDSCHのスケジューリング情報なしで、システム情報更新を伝送することを示すS_flagのようなインジケーションを含ませることは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、本願発明1は、引用文献5に記載された発明、及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、仮に、上記「第5」で検討したように、引用発明において「マルチビームベースの動作」を行う際にモニタする「複数のSSブロック」が「SSブロックバースト」に含まれることが自明とまではいえないとしても、引用文献5に記載された発明、並びに引用文献3に記載された技術的事項、及び引用文献6に記載された技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
2 審判請求人の主張について
審判請求人は、令和6年12月25日に提出された意見書の「意見の内容」の「(お)」において「 (2)について」として、
「しかしながら、引用文献1から6は、単独において
も、あらゆる組み合わせにおいても、少なくとも上述した本願請求項1の特徴を教示も示唆もしていません。
請求項9についても同様であり、請求項2から8、10から16についても同様です。
よって、本願発明は、引用文献5に記載された発明、並びに引用文献3に記載された技術的事項に基づいて、又は引用文献5に記載された発明、並びに引用文献3に記載された技術的事項、及び引用文献6に記載された技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた発明ではありません。」
とのみ主張しており、本願発明と引用文献5に記載された発明とは何が相違し、引用文献5に記載された発明、並びに引用文献3に記載された技術的事項、及び引用文献6に記載された技術常識に基いて、なぜ当業者が容易に発明をすることができたものといえないのか、具体的な主張を何ら行っていない。
したがって、審判請求人が審判請求書において、どのような主張を行っているのか明確ではないものの、本願発明は、上記「第5」、及び上記「1」で検討したとおり、引用文献5に記載された発明、及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、審判請求人の上記主張を採用することはできない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、本願発明は、引用文献5に記載された発明、及び引用文献3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献5に記載された発明、及び引用文献3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-021868