特許拒絶査定不服審判
2024-001462
接続設定変更
- 審判番号
- 2024-001462
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-566562外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年01月26日
- 審決日
- 2024年11月19日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
- 【請求人代理人】園田 吉隆
- 【請求人代理人】小梶 晴美
- 【請求人代理人】仙波 和之
- 【請求人代理人】石岡 利康
- 分類
- P18 .113-Z (H04W) / P18 .121-Z (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-566562「接続設定変更」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年11月19日国際公開、WO2020/229274、令和 4年 7月21日国内公表、特表2022-533044〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2020年(令和2年)5月6日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2019年5月13日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年1月 7日 特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
令和5年1月16日付け 拒絶理由通知
令和5年6月26日 意見書、手続補正書の提出
令和5年9月19日付け 拒絶査定
令和6年1月26日 拒絶査定不服審判請求
第2 本願発明
本願の請求項1ないし15に係る発明は、令和5年6月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】
無線装備(14A)および端末装備(14B)を備えた無線デバイス(14)によって行われる方法であって、前記無線装備が無線通信ネットワーク(10)との接続(24)を有するように設定され、前記端末装備が1つまたは複数のアプリケーションおよび/または当該アプリケーションを実行するオペレーティングシステムをサポート、実行、あるいは提供することができるように設定され、
前記無線デバイスの前記無線装備で前記無線通信ネットワークからの接続再設定シグナリングを受信することであって、前記接続再設定シグナリングが前記無線通信ネットワークとの前記無線装備が有する前記接続の再設定を示す、受信することと、
前記接続再設定シグナリングを受信することに応じて、前記無線装備で、前記無線デバイスの前記端末装備に通知シグナリング(26)を送信するかどうかを判断することと、
前記通知シグナリングが前記無線デバイスの前記端末装備に送信されると判断された場合に、前記通知シグナリングを前記無線デバイスの前記無線装備から前記端末装備に送信することであって、前記通知シグナリングが前記接続の前記再設定を前記端末装備に通知する、送信することを含む方法。」
第3 原査定の拒絶の理由
令和5年9月19日付け拒絶査定(以下、「原査定」という。)の拒絶の理由は、
「2.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
という理由を含むものであり、本願発明に対して次の引用例が引用されている。
引用例:国際公開第2018/138382号(以下、「引用例」という。)
第4 引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例(国際公開第2018/138382号)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。)
1.「[0032] FIG. 1 is an example wireless communication system 100 that includes controlling of data transmission in enhanced coverage states according to some implementations. The example communication system 100 includes a user equipment (UE) or device 102 and a wireless network including a base station 104, where the device 102 is in the cell coverage of the base station 104.(中略)
[0033] In Long-Term Evolution (LTE) wireless systems, the enhanced coverage functionality (see 3GPP TS36.300) includes the following:
・In radio resource control (RRC) idle mode (RRC_IDLE), four coverage enhancement (CE) levels 0, 1, 2 and 3 are defined for physical random access channel (PRACH) resource selection.
・In RRC connected mode (RRC_CONNECTED), two enhanced CE modes, mode A (low/medium coverage) and mode B (extreme coverage), are supported for transmitting data to the base station.
(中略)The CE mode to be used by a UE in enhanced coverage is provided when the UE is entering connected mode, typically in the RRCConnectionReconfiguration or the RRCConnectionResume message.(以下略)」(4ページ16行目ないし5ページ19行目)
(当審仮訳:
[0032] 図1は、いくつかの実装による、強化カバレッジ状態時のデータ伝送の制御を含む、例示的無線通信システム100である。例示的通信システム100は、ユーザ機器(UE)又はデバイス102と、基地局104を含む無線ネットワークとを含み、デバイス102は、基地局104のセルカバレッジ内にある。(中略)
[0033] ロングタームエボリューション(LTE)無線システムでは、強化カバレッジ機能性(3GPP TS 36.300参照)は、以下を含む:
・無線リソース制御(RRC)アイドルモード(RRC_IDLE)では、4つのカバレッジ強化(CE)レベル0、1、2、及び3が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソース選択のために定義される。
・RRC接続モード(RRC_CONNECTED)では、2つの強化CEモードである、モードA(低/中カバレッジ)及びモードB(極度カバレッジ)が、データを基地局に伝送するためにサポートされる。
(中略)強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、典型的には、RRCConnectionReconfiguration又はRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEが接続モードに入っているときに提供される。(以下略))
2.「[0037] In the described approach, an application can receive from a modem information indicative of a radio coverage condition, where a user equipment (UE) includes the application and the modem. Based on the received information, the application can determine that the UE is in an enhanced coverage state. In response to the determining, the application can control uplink data transmission by the modem to reduce power consumption of the UE. The received information can include at least one of a coverage enhancement level, a coverage enhancement mode,a coverage class, a data repetition indicator, a signal strength, or a signal quality.(以下略)
[0038] (中略)In some cases,the application receives from the modem information indicative of the radio coverage condition when the radio coverage condition changes.」(6ページ16行目ないし7ページ23行目)
(当審仮訳:
[0037] 説明されるアプローチでは、アプリケーションは、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することができ、ここで、ユーザ機器(UE)は、アプリケーション及びモデムを含む。受信された情報に基づいて、アプリケーションは、UEが強化カバレッジ状態であると決定することができる。決定に応答して、アプリケーションは、UEの電力消費量を削減するために、モデムによるアップリンクデータ伝送を制御することができる。受信された情報は、カバレッジ強化レベル、カバレッジ強化モード、カバレッジクラス、データ反復インジケータ、信号強度、または信号品質のうちの少なくとも1つを含むことができる。(以下略)
[0038] (中略)ある場合には、アプリケーションは、無線カバレッジ条件が変化するときに、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することができる。)
3.「[0046] (中略)The modem 204 has knowledge of the radio coverage condition for the device (e.g., the currently applicable CE mode/level or coverage class, radio signal strength or quality such as received signal strength indicator (RSSI), received signal code power (RSCP), or RSRP, a number of repetitions for data transmission, or other radio link information).(以下略)」(9ページ26行目ないし10ページ15行目)
(当審仮訳:
[0046] (中略)モデム204は、デバイスのための無線カバレッジ条件(例えば、現在適用可能なCEモード/レベル又はカバレッジクラス、受信信号強度インジケータ(RSSI)、受信信号コード電力(RSCP)、又はRSRP等の無線信号強度又は品質、データ伝送のための反復の数、又は他の無線リンク情報)の知識を有する。(以下略))
4.「[00109] FIG. 23 is a schematic illustrating an example UE device 2300 according to some implementations.The example device 2300 includes a processing unit 2302, a computer-readable storage medium 2304 (for example, ROM or flash memory), a wireless communication subsystem2306, an interface 2308, and an I/O interface 2310. The processing unit 2302 can include one or more processing components (alternatively referred to as "processors" or "central processing units" (CPUs)) configured to execute instructions related to one or more of the processes, steps, or actions described above in connection with one or more of the implementations disclosed herein. The processing unit 2302 can also include other auxiliary components, such as random access memory (RAM) and read only memory (ROM). The computer-readable storage medium 2304 can be embodied by a non-transitory medium configured to store an operating system (OS) of the device 2300 and various other computer-executable software programs for performing one or more of the processes, steps, or actions described above.(以下略)」(36ページ4行目ないし20行目)
(当審仮訳:
[00109] 図23は、いくつかの実装による、例示的UEデバイス2300を図示する概略図である。例示的デバイス2300は、処理ユニット2302と、コンピュータ可読記憶媒体2304(例えば、ROMまたはフラッシュメモリ)と、無線通信サブシステム2306と、インターフェース2308と、I/Oインターフェース2310とを含む。処理ユニット2302は、本明細書に開示される実装のうちの1つ以上のものに関連して上記に説明されるプロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される、1つ以上の処理コンポーネント(代替として、「プロセッサ」または「中央処理ユニット」(CPU)と称される)を含むことができる。処理ユニット2302はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読取専用メモリ(ROM)等の他の補助コンポーネントを含むこともできる。コンピュータ可読記憶媒体2304は、デバイス2300のオペレーティングシステム(OS)、および上記に説明されるプロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものを実施するための種々の他のコンピュータ実行可能ソフトウェアプログラムを記憶するように構成される、非一過性の媒体によって具現化されることができる。(以下略))
5.FIG.1
「
[図:0001422097000001.jpg]
」
(当審仮訳:図1
[図:0001422097000002.jpg]
)
6.FIG.2
「
[図:0001422097000003.jpg]
」
(当審仮訳:図2
[図:0001422097000004.jpg]
)
7.FIG.23
「
[図:0001422097000005.jpg]
」
(当審仮訳:図23
[図:0001422097000006.jpg]
)
次に、上記「1」ないし「7」の記載及び当業者における技術常識からみて、引用例には以下の技術的事項が記載されている。
ア.上記「1」の段落32の「通信システム100は、ユーザ機器(UE)又はデバイス102と、基地局104を含む無線ネットワークとを含み」との記載によれば、ユーザ機器(UE)と、基地局を含む無線ネットワークとを含む通信システムが記載されている。
また、上記「2」の段落37の「ユーザ機器(UE)は、アプリケーション及びモデムを含む。」との記載によれば、モデム及びアプリケーションを含むユーザ機器(UE)が記載されている。
そして、上記「4」の段落109の「図23は、いくつかの実装による、例示的UEデバイス2300を図示する概略図である。例示的デバイス2300は、処理ユニット2302と、コンピュータ可読記憶媒体2304(例えば、ROMまたはフラッシュメモリ)と、無線通信サブシステム2306と、インターフェース2308と、I/Oインターフェース2310とを含む。処理ユニット2302は、本明細書に開示される実装のうちの1つ以上のものに関連して上記に説明されるプロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される、1つ以上の処理コンポーネント(中略)を含むことができる。処理ユニット2302はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読取専用メモリ(ROM)等の他の補助コンポーネントを含むこともできる。コンピュータ可読記憶媒体2304は、デバイス2300のオペレーティングシステム(OS)、および上記に説明されるプロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものを実施するための種々の他のコンピュータ実行可能ソフトウェアプログラムを記憶するように構成される、非一過性の媒体によって具現化されることができる。」との記載、及び、上記「7」のFIG.23の記載によれば、プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニットと、前記プロセス、前記ステップ、または前記アクションのうちの1つ以上のものを実施するための種々の他のコンピュータ実行可能ソフトウェアプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、無線通信サブシステムと、ユーザインターフェースと、I/Oインターフェースとを含むユーザ機器(UE)が記載されている。
したがって、引用例には、「ユーザ機器(UE)と、基地局を含む無線ネットワークとを含む通信システムにおけるユーザ機器(UE)であって、モデム及びアプリケーションを含み、プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニットと、前記プロセス、前記ステップ、または前記アクションのうちの1つ以上のものを実施するための種々の他のコンピュータ実行可能ソフトウェアプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、無線通信サブシステムと、ユーザインターフェースと、I/Oインターフェースとを含むユーザ機器(UE)」が記載されている。
イ.上記「1」の段落33の「UEが接続モードに入っているとき」との記載における「接続モード」とは、同じ段落の「RRC接続モード(RRC_CONNECTED)」との記載によれば、「RRC接続モード」のことといえる。
そして、上記「1」の段落33の「強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、典型的には、RRCConnectionReconfiguration又はRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEが接続モードに入っているときに提供される。」との記載によれば、強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードが提供されるのはUEであるから、強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration又はRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときにUEに提供されるといえる。
よって、引用例において、「強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration又はRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときに」UEに「提供され」るといえる。
ウ.上記「3」の段落46の「デバイスのための無線カバレッジ条件((中略)CEモード(中略))」との記載によれば、無線カバレッジ条件としてCEモードが含まれていることから、上記「2」の段落38の「アプリケーションは、無線カバレッジ条件が変化するときに、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することができる。」との記載によれば、アプリケーションは、無線カバレッジ条件としてのCEモードが変化するときに、モデムから無線カバレッジ条件としてCEモードを示す情報を受信することができるといえる。
また、上記「1」の段落33の「カバレッジ強化(CE)」との記載によれば、CEはカバレッジ強化のことであるから、CEモードとカバレッジ強化モードは同義であるといえる。そして、上記「2」の段落37の「アプリケーションは、モデムから無線カバレッジ条件を示す情報を受信することができ、(中略)受信された情報は、(中略)カバレッジ強化モード、(中略)を含むことができる。」との記載からも、アプリケーションは、モデムから無線カバレッジ条件としてのCEモードを示す情報を受信することができるといえる。
以上のことから、アプリケーションは、CEモードが変化するときに、モデムからCEモードを示す情報を受信することができる。
エ.上記「ア」を考慮すると、上記「イ」及び「ウ」で検討した動作はUE内の動作であるから、引用例には、上記「イ」及び「ウ」を含む、ユーザ機器(UE)で行われる方法が記載されているといえる。
以上を総合すると、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 ユーザ機器(UE)と、基地局を含む無線ネットワークとを含む通信システムにおけるユーザ機器(UE)であって、モデム及びアプリケーションを含み、プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニットと、前記プロセス、前記ステップ、または前記アクションのうちの1つ以上のものを実施するための種々の他のコンピュータ実行可能ソフトウェアプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、無線通信サブシステムと、ユーザインターフェースと、I/Oインターフェースとを含むユーザ機器(UE)で行われる方法であって、
強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration又はRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときに提供され、
アプリケーションは、CEモードが変化するときに、モデムからCEモードを示す情報を受信することを含む方法。」
第5 対比及び判断
本願発明と引用発明を対比する。
1.引用発明の「ユーザ機器(UE)」は、基地局と無線で通信している無線デバイスといえ、本願発明の「無線デバイス(14)」に含まれる。したがって、引用発明の「ユーザ機器(UE)で行われる方法」は、本願発明の「無線デバイス(14)によって行われる方法」に含まれる。
また、引用発明の「無線ネットワーク」は、通信システムに含まれているから、本願発明の「無線通信ネットワーク(10)」に含まれる。
そして、無線通信を行うユーザ機器(UE)の「モデム」がユーザ機器(UE)内で無線通信を行う部分すなわち装備に含まれることは技術常識であるから、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」は本願発明の「無線装備(14A)」に含まれる。また、引用発明の「UEがRRC接続モードに入っている」ということは、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が無線ネットワークとRRC接続モードに入っていることであるから、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が無線ネットワークとの接続を有するように設定されることは明らかである。そして、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が有する無線ネットワークとの接続は本願発明の「無線通信ネットワーク(10)との接続(24)」に含まれるから、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が無線ネットワークとRRC接続モードに入っていることは、本願発明の「前記無線装備が無線通信ネットワーク(10)との接続(24)を有するように設定され」ることに含まれる。
以上のことから、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」は本願発明の「無線装備(14A)」に含まれ、引用発明の「UEがRRC接続モードに入っている」ことで、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が無線ネットワークとRRC接続モードに入っていることとなることは、本願発明の「前記無線装備が無線通信ネットワーク(10)との接続(24)を有するように設定され」ることに含まれる。
更に、ユーザ機器(UE)は端末ともいえ、引用発明の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」は、引用発明のユーザ機器(UE)の一部であるから、UEの設備といえる。したがって、引用発明の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」は、端末の装備といえる。よって、引用発明の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」は、本願発明の「端末装備(14B)」に含まれる。
また、引用発明のユーザ機器(UE)の「処理ユニット」は「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される」ものであるから、「処理ユニット」が「アプリケーション」、すなわちコンピュータに対する「命令」を実行することができるように設定されるといえる。
そして、本願発明の「前記端末装置が1つまたは複数のアプリケーションおよび/または当該アプリケーションを実行するオペレーティングシステムをサポート、実行、あるいは提供することができるように設定され」ることは、「前記端末装置が1つまたは複数のアプリケーション(中略)を(中略)実行(中略)することができるように設定され」ることを選択的に含む。
したがって、引用発明のユーザ機器(UE)の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」がアプリケーションを実行するように構成されることは、本願発明の「前記端末装置が1つまたは複数のアプリケーションおよび/または当該アプリケーションを実行するオペレーティングシステムをサポート、実行、あるいは提供することができるように設定され」ることに含まれる。
以上のことから、引用発明のユーザ機器(UE)の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」は本願発明の「端末装備(14B)」に含まれ、また、引用発明のユーザ機器(UE)の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」がアプリケーションを実行するように構成されることは、本願発明の「前記端末装備が1つまたは複数のアプリケーションおよび/または当該アプリケーションを実行するオペレーティングシステムをサポート、実行、あるいは提供することができるように設定され」ることに含まれる。
よって、引用発明の「ユーザ機器(UE)と、基地局を含む無線ネットワークとを含む通信システムにおけるユーザ機器(UE)であって、モデム及びアプリケーションを含み、プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニットと(中略)を含むユーザ機器(UE)で行われる方法であって」、「UEがRRC接続モードに入っている」ことは、本願発明の「無線装備(14A)および端末装備(14B)を備えた無線デバイス(14)によって行われる方法であって、前記無線装備が無線通信ネットワーク(10)との接続(24)を有するように設定され、前記端末装備が1つまたは複数のアプリケーションおよび/または当該アプリケーションを実行するオペレーティングシステムをサポート、実行、あるいは提供することができるように設定され」ることに含まれる。
2.引用発明のUEでは「強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration又はRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときに提供され」ている。ここで、RRCConnectionReconfigurationメッセージは無線ネットワークからUEに送信されるメッセージであることは明らかであるから、UEによって使用されるCEモードを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージを無線ネットワークからUEが受信していることは明らかである。そして、上記「1」で説示したとおり、無線通信を行うユーザ機器(UE)の「モデム」がユーザ機器(UE)内で無線通信を行う部分であることは技術常識である。以上のことから、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が無線ネットワークからRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信していることは明らかである。
ここで、ConnectionReconfigurationメッセージとは接続再設定のメッセージであるから、引用発明の「RRCConnectionReconfigurationメッセージ」は本願発明の「接続再設定シグナリング」に含まれる。また、上記「1」で説示したとおり、引用発明の「ユーザ機器(UE)」は、本願発明の「無線デバイス(14)」に含まれ、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」は本願発明の「無線装備(14A)」に含まれ、引用発明の「無線ネットワーク」は本願発明の「無線通信ネットワーク(10)」に含まれる。
したがって、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が無線ネットワークからRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信することは、本願発明の「前記無線デバイスの前記無線装備で前記無線通信ネットワークからの接続再設定シグナリングを受信すること」に含まれる。
また、引用発明のRRCConnectionReconfigurationメッセージは、ConnectionReconfigurationつまり接続再設定のメッセージであるから、接続の再設定を示していることは明らかである。そして、上記「1」で説示したとおり、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が、無線ネットワークとの接続を有するように設定されることは明らかであるから、無線ネットワークとの接続は引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」が有するといえる。したがって、引用発明のUEが提供されるメッセージが「RRCConnectionReconfigurationメッセージ」であるということは、「RRCConnectionReconfigurationメッセージ」が無線ネットワークとのユーザ機器(UE)の「モデム」が有する接続の再設定を示しているといえるから、本願発明の「前記接続再設定シグナリングが前記無線通信ネットワークとの前記無線装備が有する前記接続の再設定を示す」ことに含まれる。
よって、引用発明の「強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration(中略)メッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときに提供され」ることは、本願発明の「前記無線デバイスの前記無線装備で前記無線通信ネットワークからの接続再設定シグナリングを受信することであって、前記接続再設定シグナリングが前記無線通信ネットワークとの前記無線装備が有する前記接続の再設定を示す、受信すること」に含まれる。
3.引用発明のUEでは「アプリケーションは、CEモードが変化するときに、モデムからCEモードを示す情報を受信する」ことから、モデムで、CEモードが変化するか否かに基づいて、アプリケーションにCEモードを示す情報を送信するか否かを判断しているといえ、更に、モデムで、CEモードを示す情報がアプリケーションに送信されると判断された場合に、CEモードを示す情報をモデムからアプリケーションに送信することが行われているといえる。ここで、引用発明では「強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration又はRRCConnectionResumeメッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときに提供され」ることから、CEモードが変化するときには「強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration(中略)メッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときに提供され」るときが含まれる。したがって、引用発明では、RRCConnectionReconfigurationメッセージを受信することに応じて、モデムで、CEモードが変化するか否かに基づいて、アプリケーションにCEモードを示す情報を送信するかどうかを判断して、CEモードを示す情報がアプリケーションに送信されると判断された場合に、CEモードを示す情報をモデムからアプリケーションに送信することが行われているといえる。
ここで、上記「1」で説示したとおり、引用発明の「ユーザ機器(UE)」は、本願発明の「無線デバイス(14)」に含まれ、引用発明のユーザ機器(UE)の「モデム」は本願発明の「無線装備(14A)」に含まれ、引用発明のユーザ機器(UE)の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」は、本願発明の「端末装備(14B)」に含まれる。また、上記「2」で説示したとおり、引用発明の「RRCConnectionReconfigurationメッセージ」は本願発明の「接続再設定シグナリング」に含まれる。そして、引用発明の「CEモードを示す情報」は、アプリケーションに通知するメッセージや信号すなわちシグナリングに含まれることから、本願発明の「通知シグナリング(26)」に含まれる。
また、上記「1」で説示したとおり、引用発明の「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」は、アプリケーションを実行することができるように設定されているといえることから、引用発明において、CEモードを示す情報をモデムからアプリケーションに送信することは、CEモードを示す情報をモデムから、アプリケーションを実行することができるように設定される「プロセス、ステップ、またはアクションのうちの1つ以上のものに関連する命令を実行するように構成される処理ユニット」に送信することといえる。
したがって、引用発明のRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信することに応じて、モデムで、CEモードが変化するか否かに基づいて、アプリケーションにCEモードを示す情報を送信するかどうかを判断することは、本願発明の「前記接続再設定シグナリングを受信することに応じて、前記無線装備で、前記無線デバイスの前記端末装備に通知シグナリング(26)を送信するかどうかを判断すること」に含まれ、また、引用発明において、CEモードを示す情報がアプリケーションに送信されると判断された場合に、CEモードを示す情報をモデムからアプリケーションに送信することは、本願発明の「前記通知シグナリングが前記無線デバイスの前記端末装備に送信されると判断された場合に、前記通知シグナリングを前記無線デバイスの前記無線装備から前記端末装備に送信すること」に含まれる。
また、上記「2」で説示したとおり、引用発明のConnectionReconfigurationメッセージとは接続の再設定のメッセージであるから、引用発明のRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信する場合に、CEモードを示す情報をアプリケーションに送信することは、接続の再設定の一形態を通知しているといえる。したがって、引用発明のRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信する場合に、CEモードを示す情報をアプリケーションに送信することは、CEモードを示す情報が接続の再設定をアプリケーション、つまりアプリケーションを実行することができるように設定される処理ユニットに通知することといえ、本願発明の「前記通知シグナリングが前記接続の前記再設定を前記端末装備に通知する」ことに含まれる。
よって、引用発明の「強化カバレッジ内でUEによって使用されるCEモードは、RRCConnectionReconfiguration(中略)メッセージの中で、UEがRRC接続モードに入っているときに提供され」ること、及び、「アプリケーションは、CEモードが変化するときに、モデムからCEモードを示す情報を受信する」ことは、本願発明の「前記接続再設定シグナリングを受信することに応じて、前記無線装備で、前記無線デバイスの前記端末装備に通知シグナリング(26)を送信するかどうかを判断すること」及び「前記通知シグナリングが前記無線デバイスの前記端末装備に送信されると判断された場合に、前記通知シグナリングを前記無線デバイスの前記無線装備から前記端末装備に送信することであって、前記通知シグナリングが前記接続の前記再設定を前記端末装備に通知する、送信すること」に含まれる。
以上のことから、本願発明と引用発明との一致点は、次のとおりであり、相違点はない。
(一致点)
「 無線装備(14A)および端末装備(14B)を備えた無線デバイス(14)によって行われる方法であって、前記無線装備が無線通信ネットワーク(10)との接続(24)を有するように設定され、前記端末装備が1つまたは複数のアプリケーションおよび/または当該アプリケーションを実行するオペレーティングシステムをサポート、実行、あるいは提供することができるように設定され、
前記無線デバイスの前記無線装備で前記無線通信ネットワークからの接続再設定シグナリングを受信することであって、前記接続再設定シグナリングが前記無線通信ネットワークとの前記無線装備が有する前記接続の再設定を示す、受信することと、
前記接続再設定シグナリングを受信することに応じて、前記無線装備で、前記無線デバイスの前記端末装備に通知シグナリング(26)を送信するかどうかを判断することと、
前記通知シグナリングが前記無線デバイスの前記端末装備に送信されると判断された場合に、前記通知シグナリングを前記無線デバイスの前記無線装備から前記端末装備に送信することであって、前記通知シグナリングが前記接続の前記再設定を前記端末装備に通知する、送信することを含む方法。」
したがって、本願発明は引用発明であるし、又は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(請求人の主張について)
以下で、請求人の主張について検討する。
審判請求人は審判請求書の「3.本願が特許されるべき理由」の「(1)拒絶理由の理由2および3について」において「本願発明のように選択的に通知シグナルを送信するものにはなっていません。すなわち、引用文献1(当審注:上記「引用例」を指す。)には、カバレッジ条件が変化する度にアプリケーションに通知することが記載されているにすぎず、本願発明のように不要なシグナリングを削減または回避し、接続再設定に関するアプリケーションへの通知に関連するリソースを節約することができるようにはなっていません。したがって、引用文献1に接した当業者が、不要なシグナリングを削減または回避し、接続再設定に関するアプリケーションへの通知に関連するリソースを節約するために本願発明の技術的特徴を有するように動機付けされることはあり得ません。」と主張している。
しかしながら、CEモードの変更以外の場合にもRRCConnectionReconfigurationメッセージが使用されることは技術常識であるから、引用発明では、RRCConnectionReconfigurationメッセージを受信した場合にCEモードを変更しない場合も含めて常にモデムからCEモードを示す情報を受信するのではなく、RRCConnectionReconfigurationメッセージを受信した場合で、かつ、CEモードが変化するときにだけモデムからCEモードを示す情報を受信するのであるから、引用発明でもRRCConnectionReconfigurationメッセージのうちアプリケーションへ必要なシグナリングだけを送信し、アプリケーションへの不要なシグナリングを送信せず、削減または回避を行っているといえる。
したがって、審判請求人の上記主張を採用することはできない。
第6 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本願の請求項1に係る発明は、引用例に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-001462