特許異議申立
2022-701275
ソース
- 審判番号
- 2022-701275
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-107091
- 登録番号
- 7087173
- 請求日
- 2022年12月20日
- 審決日
- 2023年03月03日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】キユーピー株式会社
- 【権利者代理人】宮嶋 学
- 【権利者代理人】小島 一真
- 【権利者代理人】柏 延之
- 【異議申立人】丸野 悟史
- 審判長/審判官
- 審判長 加藤 友也
- 審判官 三上 晶子
- 審判官 大島 祥吾
- 分類
- P1651.121-Y (A23L) / P1651.536-Y (A23L) / P1651.537-Y (A23L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7087173号発明「ソース」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7087173号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7087173号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、令和3年6月28日を出願日とする特許出願であって、令和4年6月10日にその特許権の設定登録(請求項の数5)がされ、同年同月20日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後、その特許に対して、令和4年12月20日に特許異議申立人 丸野 悟史(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし5)がされた。
第2 本件発明
本件特許の請求項1ないし5に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいい、また、これらをまとめて「本件特許発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
酢酸、増粘剤、食塩及び水を含むソースであって、
pHが、4.4以上5.5以下であり、
水分活性が、0.92以上0.94以下であり、
総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、
増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、
食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下であり、
前記ソースが非レトルト品であることを特徴とする、
ソース。
【請求項2】
前記増粘剤が、ガム質及び加工澱粉からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、
請求項1に記載のソース。
【請求項3】
前記食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して1.5質量%以上であることを特徴とする、
請求項1または2に記載のソース。
【請求項4】
水分含有量が、前記ソースの総量に対して40質量%以上75質量%以下であることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載のソース。
【請求項5】
前記酢酸の含有量が、前記ソースの総量に対して0.05質量%以上0.8質量%以下であることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載のソース。」
第3 特許異議の申立ての理由の概要
令和4年12月20日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要は以下のとおりである。
1 申立理由1(甲第1号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし5に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
2 申立理由2(甲第2号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第2号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし5に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
3 申立理由3(サポート要件)
本件特許の請求項1ないし5に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。
A.本件特許明細書の発明の詳細な説明には、特許請求の範囲で規定されるpHや水分活性の範囲と、得られる効果(ソースの風味)との関係の技術的な意味が、当業者に理解できる程度に記載されているとはいえない。
B.本件特許発明は、請求項において、風味に影響する成分である「糖類」、「卵黄」及び「調味料」が特定されていないことから、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求している。
4 申立理由4(実施可能要件)
本件特許の請求項1ないし5に係る特許は、下記の点で特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。
・本件特許明細書の発明の詳細な説明において、評価基準に挙げられた「ソースに求められる好ましい風味」とは、どのような風味であるのか不明瞭であるから、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない。
5 証拠方法
甲第1号証:国際公開第2019/139096号
甲第2号証:特許第5824293号公報
甲第3号証:特開2021-69306号公報
甲第4号証:特許第4024155号公報
甲第5号証:平成28年(行ケ)第10147号
甲第6号証:平成25年(行ケ)第10271号
(以下、順に「甲1」のようにいう。)
証拠の表記は、特許異議申立書の記載におおむね従った。
第4 当審の判断
当審は、以下に述べるように、上記申立理由1ないし4にはいずれも理由がないと判断する。
1 主な証拠に記載された事項等
(1)甲1に記載された事項等
ア 甲1に記載された事項
甲1には、植物性破砕物含有酸性液状調味料に関し、おおむね次の事項が記載されている。
・「[請求項1]
植物性破砕物と、ガム類と、冷水膨潤性澱粉と、食酢とを含有する酸性液状調味料であって、(A)20℃における粘度が500mPa・s以上、10000mPa・s以下であり、(B)解離酢酸濃度が0.16質量%以下である、酸性液状調味料。」
・「[0008]
本発明の課題は、攪拌・振り混ぜ混合後の泡切れに優れた植物性破砕物含有酸性液状調味料を提供することにある。
[0009]
本発明者らは下記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、植物性破砕物を含有する酸性液状調味料において、ガム類と冷水膨潤性澱粉とを併用すると共に、調味料の粘度及び解離酢酸濃度をそれぞれ所定の範囲内に調整することにより、攪拌・振り混ぜ混合後の泡切れが改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。」
・「[0014]
本発明者らは、前述した課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、植物性破砕物を含有する酸性液状調味料において、ガム類と冷水膨潤性澱粉とを併用すると共に、調味料の粘度及び解離酢酸濃度をそれぞれ所定の範囲内に調整することにより、攪拌や振り混ぜによる混合時の泡立ちが抑制されると共に、混合後の静置状態においても液状調味料中の気泡の保持性が低下し、結果として泡切れが向上することを見出した。また、泡切れが良くなることで、混合後の静置状態においても調味液中の気泡の保持性が低下するため、植物性破砕物自体の有する好ましい色調が保持され、口中においても気泡に阻害されずに植物性破砕物本来の植物の好ましい風味や食感、舌触りが得られることを見出した。更には、液状調味料の解離酢酸濃度を調整することにより、植物性破砕物本来の植物の好ましい風味や食感がさらに改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
[0015]
なお、本発明における「液状調味料」とは、料理や食品素材の美味しさを引き立たせるために用いられる流動性を有する調味料をいう。液状調味料の例としては、野菜、肉類、又は魚介類等にかけて味付けをするドレッシングのほか、たれ類、ソース類、つゆ類、ポン酢等が挙げられる。」
・「[0042]
<酢酸及び解離酢酸濃度>
本発明の液状調味料は、酢酸を含有する。酢酸は、主に前記の食酢に由来するものであるが、他の成分に由来するものであってもよい。酢酸を含有させることで、植物性破砕物が有する野菜や果実の風味が、より好ましく感じられる。また、破砕物とする工程で失われた風味も、酢酸を含有させることで復活し、より新鮮な風味として感じられる。本発明の液状調味料において、酢酸とは、原料又は添加物に由来する酢酸分子(CH3COOH)と酢酸イオン(CH3COO-)をいい、酢酸の含有量とは、これらを合計した濃度をいう。特に、食品である食酢由来の酢酸であることが好ましい。
[0043]
本発明の液状調味料における酢酸の含有量は特に制限されないが、調味対象であるサラダや調理食品の味を引き立てる観点からは、調味料に対する質量比として、通常0.1質量%以上、中でも0.15質量%以上とすることが好ましい。酢酸の含有量が上記範囲以下であると、酢酸の風味が十分に感じられず、調味料の味がぼやけてしまう場合がある。一方、味のバランスの観点からは、調味料に対する質量比として、通常15質量%以下、中でも10質量%以下とすることが好ましい。酢酸の含有量が上記範囲を超えると、酸味や酢酸臭が植物性破砕物の風味よりも際立ちやすく、調味料全体の風味バランスが崩れてしまう場合がある。」
・「[0046]
<pH>
本発明の液状調味料のpHは、酸性値(pH7未満)であればよく、特に限定されない。通常は風味と呈味のバランス、上記の解離型酢酸濃度の観点から決定すればよい。但し、特に限定されるものではないが、通常2.2以上、中でも2.5以上、更には2.8以上であることが好ましく、また、通常4.8以下、中でも4.6以下、更には4.4以上であることが好ましい。」
・「[0085]
[実施例2]植物性破砕物の含有率の検討
(1)試験品の調製
下記の表2に示す配合量に従い、食塩、砂糖、醸造酢(酸度15%)、キサンタンガム(ガム類)、冷水膨潤性澱粉、及び水を配合すると共に、配合量を変えた上記トマトペーストA(植物性破砕物)を配合し、60℃で均一になるよう十分に攪拌混合した後、90℃で5分の殺菌処理を行い、ボトルに充填し、酸性液状調味料の試験品No.9~11を調製した。なお、上記トマトペーストAは、全量を100メッシュの篩に載置させた際、90質量%以上が100メッシュ篩にオンした。
・・・(略)・・・
[図:0001396331000001.jpg]
」
イ 甲1に記載された発明
甲1に記載された事項を酸性液状調味料の試験品No.11に関して整理すると、甲1には次の甲1発明が記載されていると認める。
<甲1発明>
「トマトペーストA(植物性破砕物)200kg、増粘剤13kg(含有率1.3質量%)、食酢(酸度15%)50kg(酢酸濃度0.75質量%)、砂糖100kg、食塩30kg、全量1000kgとなるまでの水を配合し、60℃で均一になるよう十分に攪拌混合した後、90℃で5分の殺菌処理を行い、ボトルに充填して得られた、pHが4.00である、酸性液状調味料。」
(2)甲2に記載された事項等
ア 甲2に記載された事項
甲2には、具材入り調味液に関し、おおむね次の事項が記載されている。
・「【請求項1】
大きさ3mm以上の具材の含有量が具材入り調味液に対して40~70%である具材入り調味液において、前記具材として、粒状大豆たん白を2.8~3.8倍に膨潤させた粒状大豆たん白膨潤物を少なくとも含み、前記具材入り調味液は食酢を含有し、酸度が0.1~5%であり、容器入りとしてあることを特徴とする具材入り調味液。」
・「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、大きな具材を多量に含む具材入り調味液において、食した際に挽肉様具材の存在感のある食感が得られ、当該挽肉様具材のおいしさを充分に楽しむことができる具材入り調味液を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、具材入り調味液の配合原料など種々の条件について鋭意研究を重ねた結果、具材入り調味液の具材として挽肉を用いるのではなく粒状大豆たん白を用い、更に、具材入り調味液の酸度を特定範囲として、前記粒状大豆たん白の吸水の程度を特定範囲に調整するならば、得られた具材入り調味液は、食した際に挽肉様具材の存在感のある食感が得られ、当該挽肉様具材のおいしさを充分に楽しむことができることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。」
・「【0031】
[実施例2]
下記配合原料を用意した。次に、ニーダーに、味噌、グラニュー糖、食塩、加工澱粉、食酢(醸造酢:酸度4%)、クエン酸及び清水を加え、撹拌混合して混合液を調製した後、粒状大豆たん白(ニューフジニックAR)を投入し、10分間浸漬した。次に、加熱を開始し撹拌しながら品温90℃になるまで加熱した後冷却することにより具材入り調味液を調製した。
【0032】
得られた具材入り調味液は、酸度が0.2%であった。また、3mm以上の具材の含有量が具材入り調味液に対して74%であり、3mm以上の粒状大豆たん白膨潤物の含有量が、具材入り調味液に対して74%であった。更に、粒状大豆たん白膨潤物の膨潤の程度は3.7倍であった。
【0033】
得られた具材入り調味液を豆腐にかけて喫食したところ、食した際に挽肉様具材の存在感のあるふっくらとした食感が得られ、当該挽肉様具材のおいしさを充分に楽しむことができ大変好ましいものであった。
【0034】
<具材入り調味液の配合割合>
粒状大豆たん白 20部
味噌 1.4部
グラニュー糖 1部
食塩 1部
食酢 5部
クエン酸 0.1部
加工澱粉 0.5部
清水 71部
(合計) 100部」
イ 甲2に記載された発明
甲2に記載された事項を実施例2に関して整理すると、甲2には次の甲2発明が記載されていると認める。
<甲2発明>
「ニーダーに、味噌1.4部、グラニュー糖1部、食塩1部、食酢(醸造酢:酸度4%)5部、クエン酸0.1部、加工澱粉0.5部、清水71部を加え、攪拌混合して混合液を調製した後、粒状大豆たん白20部を投入し、10分間浸漬し、次に、品温90℃になるまで加熱した後冷却することにより調製された、具材入り調味液。」
(3)甲3に記載された事項
甲3には、調理ソースに関し、おおむね次の事項が記載されている。
・「【請求項1】
非レトルト品である調理ソースにおいて、
酢酸と、食用油脂と、ソルビン酸塩又はエタノールと、を含有し、
前記酢酸が0.03質量%以上0.30質量%以下であり、前記調理ソースが前記ソルビン酸塩を含有する場合、前記酢酸1質量部に対する前記ソルビン酸塩の含有割合が0.3質量部以上7.0質量部以下であり、
前記調理ソースが前記エタノールを含有する場合、前記酢酸1質量部に対する前記エタノールの含有割合が5質量部以上80質量部以下である
ことを特徴とする調理ソース。」
・「【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、手作りのようなまろやかな風味を有し、かつ本来の香りを十分に感じさせることができる調理ソースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、本発明者らは、非レトルト品であって所定の含有量の酢酸を含有するとともに、当該酢酸に対して所定の含有割合のソルビン酸塩又はエタノールを含有する調理ソースが、本来の香りを十分に感じさせることができ、さらに、意外にも、酸味等の抑えられた手作りのようなまろやかな風味を有することを見出し、本発明を完成するに至った。」
・「【0027】
<調理ソースのpH>
本発明の調理ソースのpHは、3以上6以下であるとよく、好ましくは3.5以上5.5以下であるとよい。調理ソースのpHを上記範囲とすることで、酸味が抑えられ、調理ソースの風味をまろやかにし易くするとともに、保存性を高めることができる。
本発明の調理ソースのpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(例えば株式会社堀場製作所製 卓上型pHメータF-72)を用いて測定した値である。
【0028】
<調理ソースの水分活性>
本発明の調理ソースの水分活性(Aw)は、0.80以上0.95以下であるとよく、好ましくは0.85以上0.95以下であるとよい。これにより、本発明の調理ソースは、非レトルト品であっても保存性を高めることができるとともに、調理ソース本来の風味を維持しやすくなる。」
(4)甲4に記載された事項
甲4には、容器詰め水中油型乳化パスタソースに関し、おおむね次の事項が記載されている。
・「【請求項1】
pHが4.6を超え、ナトリウムを1.6~4.7%含有し、かつ水分活性が0.94以下のパスタソースであって、製品に対し脂質換算で10~60%の食用油脂、ホスホリパーゼA処理卵黄、及び糖組成の40%以上が五糖以上の糖アルコールである還元澱粉糖化物を配合した水中油型乳化物であり、該乳化物の粘度が30~160Pa・sであって、キャップ付き容器に充填されてなることを特徴とする容器詰め水中油型乳化パスタソース。」
・「【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明を説明する。なお、本発明において特に限定していない場合、「%」は「質量%」を意味する。
まず、本発明のパスタソースは、pHが4.6を超え、かつ水分活性が0.94以下のソースである。これは、食品衛生法の「食品、添加物等の規格基準」によると、レトルト食品である容器包装詰加圧加熱殺菌食品は、その製造基準において、「pHが4.6を超え、かつ、水分活性が0.94を超える容器包装詰加圧加熱殺菌食品にあっては、中心部の温度を120℃で4分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法であること」となっており、このような殺菌方法を行なわない食品は、pHを4.6以下とする、又はpHが4.6を超える場合は、水分活性0.94以下とすることとなっており、本発明のパスタソースは、これらの基準の内、pHが4.6を超え、かつ水分活性が0.94以下の食品に相当する。
【0014】
本発明は、pHの上限値及び水分活性の下限値について特に規定していないが、本発明のような流動性を有する食品は、一般的にpHが7.5以下、水分活性が0.7以上であることから、本発明のパスタソースもpHが4.6を超え7.5以下、水分活性が0.70以上0.94以下の範囲となるように調整するば良い。特に、水分活性については、その上限値においては細菌的により安全性を確保するために、また下限値においては食味の点で、特許文献1及び2と同程度の0.75~0.90に調整することが好ましい。本発明のパスタソースは、水分活性を0.94以下、好ましくは0.90以下に調整しているので、上述のレトルト食品のように強い殺菌を行なう必要が無い。したがって、本発明のパスタソースは、レトルト殺菌に耐えられないキャップ付きの容器に詰めることが可能であることから、必要なときに必要量を使用しその余を残すということが出来る。なお、pHは、品温:20~25℃で測定したときの値である。
【0015】
また、pH及び水分活性の調整方法は、特に限定するものではないが、水中油型乳化パスタソースは一般的にpHが4.6を超えていることから、pH調整は、必要に応じpH調整材(例えば、食酢、リン酸三ナトリウム等)で行なえば良い。また水分活性は、食塩等の塩分及び糖質により調整すれば良く、水中油型乳化パスタソースの食味を考慮し、具体的には、食塩等の構成原子であるナトリウムを1.6~4.7%(食塩相当量約4~12%)、好ましくは1.6~4%(食塩相当量約4~10%)、より好ましくは1.6~2.8%(食塩相当量約4~7%)、糖質を乾物換算で5~50%、好ましくは5~45%、より好ましくは5~40%含有すれば良い。なお、食塩相当量とは、ナトリウムの含有量を基に食塩に換算した値である。」
2 申立理由1(甲1に基づく進歩性)について
(1)本件特許発明1について
ア 対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「酸性液状調味料」は、本件特許発明1の「ソース」と、「調味料」である点で一致する。
甲1発明は「増粘剤13kg(含有率1.3質量%)、食酢(酸度15%)50kg(酢酸濃度0.75質量%)」、「食塩30kg、全量1000kgとなるまでの水」を配合して得られたものであるから、甲1発明は、本件特許発明1の「酢酸、増粘剤、食塩及び水を含む」を満たす。
甲1発明は「酢酸濃度0.75質量%」であるから、甲1発明は、本件特許発明1の「総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり」を満たす。
甲1発明は増粘剤の含有率が1.3質量%であり、「酢酸濃度0.75質量%」であるから、増粘剤の含有量は酢酸1質量部に対して1.3÷0.75=約1.7質量部と算出される。してみると、甲1発明は、本件特許発明1の「増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり」を満たす。
甲1発明は全量1000kg中食塩30kgを含むものであるから、食塩の含有量は全量に対し3.0質量%である。してみると、甲1発明は、本件特許発明1の「食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下であり」を満たす。
甲1発明は、その製造方法からみて、レトルト処理をされたものではないといえるから、甲1発明は、本件特許発明1の「非レトルト品である」を満たす。
したがって、両者は、
「酢酸、増粘剤、食塩及び水を含む調味料であって、
総酸量が、前記調味料の総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、
増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、
食塩の含有量が、前記調味料の総量に対して5.0質量%以下であり、
非レトルト品である、
調味料。」
である点で一致し、次の相違点1の点で相違し、相違点2の点で一応相違する。
<相違点1>
本件特許発明1は「pHが、4.4以上5.5以下」かつ「水分活性が、0.92以上0.94以下」であるのに対し、甲1発明ではpHが4.00であり、水分活性が特定されていない点。
<相違点2>
本件特許発明1は調味料が「ソース」であるのに対し、甲1発明は調味料が「ソース」であることが特定されていない点。
イ 判断
上記相違点1について検討する。
甲1及び他の証拠をみても、甲1発明において、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することの動機付けとなる記載はない。
したがって、甲1発明において、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
そして、本件特許の発明の詳細な説明の記載の【0013】ないし【0017】及び【0033】ないし【0042】の記載からみて、本件特許発明1は、「pHが、4.4以上5.5以下」かつ「水分活性が、0.92以上0.94以下」とすることで、「酸味を抑えながら保存性に優れるものとし、水分活性を低下させるための塩分の添加量を抑えることで、ソースに求められる好ましい風味を有し、かつ、塩味、酸味が際立ちすぎない、まろやかな味わいに優れ、常温流通可能なソースを提供する」という効果を奏するものであるが、該効果は、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項からみて、顕著なものである。
よって、その余の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2)本件特許発明2ないし5について
本件特許発明2ないし5は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものである。
したがって、本件特許発明2ないし5は、本件特許発明1と同様に、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(3)申立理由1についてのまとめ
上記のとおりであるから、申立理由1は、その理由がない。
3 申立理由2(甲2に基づく進歩性)について
(1)本件特許発明1について
ア 対比
本件特許発明1と甲2発明とを対比する。
甲2発明の「具材入り調味液」は、本件特許発明1の「ソース」と、「調味液」である点で一致する。
甲2発明の「加工澱粉」は、本件特許発明1の「増粘剤」に相当する。そして、甲2発明は、「加工澱粉」に加えて「食酢(醸造酢:酸度4%)」、「食塩」、「清水」を含有するから、甲2発明は、本件特許発明1の「酢酸、増粘剤、食塩及び水を含む」を満たす。
甲2発明は「食酢(醸造酢:酸度4%)5部」及び「クエン酸0.1部」を含む全量100部の具材入り調味液であるから、甲2発明の総酸量は、5×0.04+0.1=0.3質量%と算出される。そうすると、甲2発明は、本件特許発明1の「総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり」を満たす。
甲2発明は、「加工澱粉0.5部」及び「食酢(醸造酢:酸度4%)5部」を含むものであるから、甲2発明の酢酸1質量部に対する増粘剤の含有量は、0.5÷(5×0.04)=2.5質量部と算出される。してみると、甲2発明は、本件特許発明1の「増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり」を満たす。
甲2発明は全量100部中食塩1部を含むものであるから、食塩の含有量は全量に対し1.0質量%である。してみると、甲2発明は、本件特許発明1の「食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下であり」を満たす。
甲2発明は、その製造方法からみて、レトルト処理をされたものではないといえるから、甲2発明は、本件特許発明1の「非レトルト品である」を満たす。
したがって、両者は、
「酢酸、増粘剤、食塩及び水を含む調味液であって、
総酸量が、前記調味液の総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、
増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、
食塩の含有量が、前記調味液の総量に対して5.0質量%以下であり、
非レトルト品である、
調味液。」
である点で一致し、次の相違点3の点で相違し、相違点4の点で一応相違する。
<相違点3>
本件特許発明1は「pHが、4.4以上5.5以下」かつ「水分活性が、0.92以上0.94以下」であるのに対し、甲2発明ではpHおよび水分活性が特定されていない点。
<相違点4>
本件特許発明1は調味液が「ソース」であるのに対し、甲2発明は調味液が「ソース」であることが特定されていない点。
イ 判断
上記相違点3について検討する。
甲2及び他の証拠をみても、甲2発明において、上記相違点3に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することの動機付けとなる記載はない。
したがって、甲2発明において、上記相違点3に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
そして、本件特許の発明の詳細な説明の記載の【0013】ないし【0017】及び【0033】ないし【0042】の記載からみて、本件特許発明1は、「pHが、4.4以上5.5以下」かつ「水分活性が、0.92以上0.94以下」とすることで、「酸味を抑えながら保存性に優れるものとし、水分活性を低下させるための塩分の添加量を抑えることで、ソースに求められる好ましい風味を有し、かつ、塩味、酸味が際立ちすぎない、まろやかな味わいに優れ、常温流通可能なソースを提供する」という効果を奏するものであるが、該効果は、甲2発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項からみて、顕著なものである。
よって、その余の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲2発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2)本件特許発明2ないし5について
本件特許発明2ないし5は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものである。
したがって、本件特許発明2ないし5は、本件特許発明1と同様に、甲2発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(3)申立理由2についてのまとめ
上記のとおりであるから、申立理由2は、その理由がない。
4 申立理由3(サポート要件)について
(1)判断基準
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
これを踏まえ、以下検討する。
(2)判断
本件特許の発明の詳細な説明(以下、「詳細な説明」という。)の【0005】によると、本件特許発明の解決しようとする課題(以下、「発明の課題」という。)は、「レトルト殺菌処理を施さずに常温流通可能であり、ソースに求められる好ましい風味を有し、かつ、塩味、酸味が際立ちすぎない、まろやかな味わいに優れたソースを提供すること」である。
また、詳細な説明の【0033】ないし【0042】において、糖類、クリーム、ベシャメル、卵黄、調味料、及び香料の量が等しい実施例と比較例との比較から、以下のことが確認されている。
・pHが、4.4以上5.5以下であり、水分活性が、0.92以上0.94以下であり、総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下である実施例1が、総酸量がソースの総量に対して1.3質量%であり、かかる高い総酸量に伴いpHが4.1と低くなっている比較例1、増粘剤を含まない比較例3、増粘剤を酢酸1質量部に対して18質量部含む比較例4のいずれよりも風味、酸味、塩味が優れる。
・pHが、4.4以上5.5以下であり、水分活性が、0.92以上0.94以下であり、総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下である実施例6が、pHが6.2であり、水分活性が0.88であり、かかる低い水分活性に伴い食塩の含有量がソースの総量に対して6質量%と高くなっている比較例2よりも風味、酸味、塩味が優れる。
そして、詳細な説明の【0016】に、「pHが上記数値範囲内であれば、酸味を抑えながら、保存性に優れ、常温流通可能なソースを提供することができる。」とあり、【0017】に「ソースの水分活性が上記数値範囲内であれば、水分活性を低下させるための塩分の添加量を抑えることで、ソースの塩味を抑え、まろやかな味わいにすることができる。」とあり、【0019】に「本発明のソースには、酢酸を配合することで、上記の好適な数値範囲のpHに調整することができる。・・・(略)・・・酢酸の含有量が上記数値範囲内であれば、ソースの微生物発生を制御して保存性を高めながら、ソースの酸味を抑え、まろやかな味わいにすることができる。」とあり、【0020】に「酸材を配合することで、ソースのpHを調整したり、ソースの食味を良好にしたりすることができる。酢酸以外の酸材含有量は、目的とするpHや酢酸の含有量に応じて適宜調節することができる。」とあり、【0021】に「本発明のソースの総酸量は、ソース中の酢酸およびそれ以外の酸材の合計含有量である。・・・(略)・・・総酸量が上記数値範囲内であれば、ソースの微生物発生を制御して保存性を高めながら、ソースの酸味を抑え、まろやかな味わいにすることができる。」とあり、【0024】に「増粘剤の含有量が上記数値範囲内であれば、ソースの食感をマイルドで滑らかにすることができる。」とあり、【0025】に「本発明のソースは、食塩を配合することで水分活性を調節することができる。・・・(略)・・・食塩の含有量が上記数値範囲内であれば、ソースの塩味を調節してまろやかな味わいを保ちながら水分活性を下げて、ソースの保存性を向上させることができる。」とあることから、上記の詳細な説明の【0033】ないし【0042】において示されている効果は、「pHが、4.4以上5.5以下であり、水分活性が、0.92以上0.94以下であり、総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下」において定性的に発揮されるものといえる。
そうすると、当業者は、「pHが、4.4以上5.5以下であり、水分活性が、0.92以上0.94以下であり、総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下」とすることで発明の課題を解決できると認識できる。
そして、本件特許発明は、前記条件を満足しているものである。
したがって、本件特許発明は、詳細な説明に記載された発明で、詳細な説明の記載により当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。
(3)特許異議申立人の主張
特許異議申立人は、上記第3 3に記載のとおり、AではpH及び水分活性の範囲と効果(ソースの風味)との関係の技術的な意味について、Bでは「糖類」、「卵黄」及び「調味料」が発明の課題を解決するための必須の構成であることについて、縷々主張し、本件特許発明はサポート要件違反であるとしている。
しかしながら、サポート要件については上記(2)で述べたように判断され、当業者が詳細な説明の記載から発明の課題を解決できると認識できるものは「pHが、4.4以上5.5以下であり、水分活性が、0.92以上0.94以下であり、総酸量が、前記ソースの総量に対して0.20質量%以上0.80質量%以下であり、増粘剤の含有量が、酢酸1質量部に対して1.5質量部以上5.0質量部以下であり、食塩の含有量が、前記ソースの総量に対して5.0質量%以下」なる構成のものである。
そして、上記(2)で述べた詳細な説明の記載から、目的とするpHに応じて総酸量が調節されるものであり、水分活性は食塩の含有量により調節される、といったように、上記の構成において、pH及び水分活性は、該構成における他の要素に影響するといえる。そうすると、上記構成のうちの「pHや水分活性の範囲」のみを抽出し、上記構成のうちの、「pHや水分活性の範囲」に影響される総酸量や食塩の含有量といった他の要素なしに、「得られる効果(ソースの風味)」との技術的な関係を検討することは妥当ではないから、pH及び水分活性の範囲のみと効果(ソースの風味)との関係を述べる申立人Aの主張を採用することはできない。
また、特許異議申立人の主張Bは、「糖類」、「卵黄」、「調味料」のいずれかによって本件特許発明が課題を解決できないとする証拠を挙げるものではない。
したがって、特許異議申立人の上記主張A、Bは、いずれも、上記(2)の判断に影響するものではない。
(4)申立理由3についてのまとめ
上記のとおりであるから、申立理由3は、その理由がない。
5 申立理由4(実施可能要件)について
(1)判断基準
本件特許発明1ないし5は、上記第2のとおり、「物」の発明であるところ、物の発明について実施可能要件を充足するためには、発明の詳細な説明に、当業者が、発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、使用することができる程度の記載があることを要する。
そこで、検討する。
(2)判断
詳細な説明には、本件特許発明1ないし5の各発明特定事項に関し、【0016】にはpHの数値範囲及び測定方法が記載され、【0017】には水分活性の数値範囲及び測定方法が記載され、【0018】ないし【0025】には、水分含有量、酢酸の含有量、総酸量、増粘剤及びその含有量、食塩の含有量が記載され、【0031】ないし【0032】には本件特許発明のソースの製造方法が記載されている。
そして、詳細な説明の【0033】ないし【0042】には、各成分の配合割合を所定の量となるように調整してソースを製造し、該ソースのpH、水分活性、総酸量を測定し、いずれも所定の数値範囲となることを確かめた、具体的な実施例や比較例の記載もある。
してみれば、本件特許発明1ないし5は、上記(1)に掲げる実施可能要件における判断基準を充足するものといえる。
(3)特許異議申立人の主張
特許異議申立人は、詳細な説明において、評価基準に挙げられた「ソースに求められる好ましい風味」とは、どのような風味であるのか不明瞭である旨主張し、該主張を根拠として、本件特許発明は実施可能要件違反である旨主張する。
しかしながら、実施可能要件については上記(2)のとおりに判断されるのであって、当該特許異議申立人の主張は上記判断に影響しない。
(4)申立理由4についてのまとめ
上記のとおりであるから、申立理由4は、その理由がない。
第5 むすび
したがって、特許異議申立人の主張する申立理由によっては、本件特許の請求項1ないし5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-701275