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特許異議申立

2022-701232

触媒装置

審判番号
2022-701232
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-525894
登録番号
7087201
請求日
2022年12月13日
審決日
2023年08月01日
公報発行日
2023年11月24日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】本田技研工業株式会社
  • 【権利者代理人】千葉 剛宏
  • 【権利者代理人】千馬 隆之
  • 【権利者代理人】仲宗根 康晴
  • 【権利者代理人】坂井 志郎
  • 【権利者代理人】関口 亨祐
  • 【権利者代理人】市川 竜也
  • 【権利者】ヴィテスコ テクノロジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
  • 【権利者代理人】千葉 剛宏
  • 【権利者代理人】千馬 隆之
  • 【権利者代理人】仲宗根 康晴
  • 【権利者代理人】坂井 志郎
  • 【権利者代理人】関口 亨祐
  • 【権利者代理人】市川 竜也
  • 【異議申立人】久門 享
審判長/審判官
  • 審判長 三崎 仁
  • 審判官 松井 裕典
  • 審判官 後藤 政博
分類
P1651.113-YAA(B01J) / P1651.121-YAA(B01J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7087201号発明「触媒装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7087201号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 特許第7087201号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許70877201号の請求項1~4に係る特許についての出願は、2019年(令和 元年) 8月 1日(優先権主張 平成30年 8月10日)を国際出願日とする国際出願であり、令和 4年 6月10日にその特許権の設定登録がされ、同年同月20日に特許公報が発行され、その後、同年12月13日に、その請求項1~4に係る特許を対象として、特許異議申立人久門 享(以下、「異議申立人」という。)により、特許異議の申立てがなされ、令和 5年 3月14日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年 5月15日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求があったものである。 なお、当審は異議申立人に、上記訂正請求があった旨を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、異議申立人はそれに対し応答しなかった。 第2 訂正の適否 1 訂正事項 上記令和 5年 5月15日提出の訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)は、本件特許請求の範囲を、上記訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであって、その具体的な訂正事項は次のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、「前記担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」との事項を追加する。 (請求項1を直接又は間接的に引用する請求項3、4についても同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に、「請求項1に記載の触媒装置(36)であって、」とあるのを、「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され、かつ、触媒を担持する担体(42)と、前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)と、を備える触媒装置(36)であって、前記平板(52)および前記波板(54)は、複数の孔(64)を有し、複数の前記孔(64)は、前記平板(52)および前記波板(54)が前記担体(42)にされる前の平坦状態において、前記担体(42)の軸線方向と平行する第1方向(D1)に沿って整列して複数の第1列(66)を形成すると共に前記第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って整列して複数の第2列(68)を形成し、前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ、前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられ、」との記載に書き下す。 (3)訂正事項3 訂正事項2のとおり書き下した特許請求の範囲の請求項2に、「前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」との事項を追加する。 (請求項2を直接又は間接的に引用する請求項3、4についても同様に訂正する。) 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1は、触媒装置の平板及び波板が有している複数の孔について「前記担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」ことを限定する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、上記訂正は特許請求の範囲の減縮を行う訂正であるので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 新規事項の有無 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の明細書の【0023】に「一部64pの領域に配置される孔64の大きさ(例えば直径2a)が、他の領域に配置される孔64の大きさ(例えば直径2a)よりも小さくてもよい。特に、上流側、すなわち担体42の一端部42aとなる第1端部52a側から所定番目(1番目~k番目)の第2列68に含まれる孔64の大きさを小さくするとよい。」と記載されていることから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項2が訂正前の請求項1を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 また、訂正事項2は、上記のとおりの訂正であるので、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものともいえない。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項3は、触媒装置の担体と外筒の接合箇所について「前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」ことを限定する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、上記訂正は特許請求の範囲の減縮を行う訂正であるので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 新規事項の有無 本件特許明細書等の【0032】及び【0033】に「担体42と外筒44とのろう付けの箇所を第2上流範囲72とする。・・・図5、図6に示されるように、第2上流範囲72の下流側の境界は、2番目の第2列68の孔64にかかる。」と記載されていることから、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 3 独立特許要件 本件においては、本件訂正前の請求項1~4に係る特許について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項1~4に係る訂正事項1~3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。 4 小括 本件訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項〔1~4〕について訂正することを求めるものであるところ、上記訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものに該当し、且つ、同条第9項において準用する同法第126条第5号及び第6号の規定に適合するものであるから、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正は容認し得るものであるから、異議申立ての対象である本件訂正後の請求項1~4に係る発明(以下、各請求項に係る発明及び特許を項番に対応させて「本件発明1」、「本件特許1」などといい、併せて「本件発明」、「本件特許」ということがある。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され、かつ、触媒を担持する担体(42)と、 前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)と、 を備える触媒装置(36)であって、 前記平板(52)および前記波板(54)は、複数の孔(64)を有し、 複数の前記孔(64)は、前記平板(52)および前記波板(54)が前記担体(42)にされる前の平坦状態において、前記担体(42)の軸線方向と平行する第1方向(D1)に沿って整列して複数の第1列(66)を形成すると共に前記第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って整列して複数の第2列(68)を形成し、 前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられ、 前記担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい、触媒装置(36)。 【請求項2】 金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され、かつ、触媒を担持する担体(42)と、 前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)と、 を備える触媒装置(36)であって、 前記平板(52)および前記波板(54)は、複数の孔(64)を有し、 複数の前記孔(64)は、前記平板(52)および前記波板(54)が前記担体(42)にされる前の平坦状態において、前記担体(42)の軸線方向と平行する第1方向(D1)に沿って整列して複数の第1列(66)を形成すると共に前記第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って整列して複数の第2列(68)を形成し、 前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記第1上流範囲(70)を含みかつ前記第1上流範囲(70)よりも前記軸線方向に広い前記第2上流範囲(72)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる、触媒装置(36)。 【請求項3】 請求項1または2に記載の触媒装置(36)であって、 前記第1上流範囲(70)に、所定数の前記第2列(68)が含まれる、触媒装置(36)。 【請求項4】 請求項1~3のいずれか1項に記載の触媒装置(36)であって、 前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記他端部(42b)を含む下流範囲(74)に設けられる、触媒装置(36)。」 第4 令和 5年 3月14日付けで通知した取消理由及びこの取消理由において採用しなかった異議申立人による特許異議の申立理由の概要 1 令和 5年 3月14日付けで通知した取消理由の概要 (1)特許法第29条第2項所定の規定違反(進歩性欠如)(取消理由1) ア 訂正前の請求項1に係る発明は、下記2に記載の甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 イ 訂正前の請求項2~4に係る発明は、下記2に記載の甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された周知技術に基づいて、又は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された周知技術及び甲第3号証に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 ウ 訂正前の請求項1~3に係る発明は、下記2に記載の甲第3号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 エ 訂正前の請求項4に係る発明は、下記2に記載の甲第3号証に記載された発明、甲第2号証に記載された周知技術及び甲第1号証に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 取消理由において採用しなかった異議申立人による特許異議の申立理由の概要 (1)特許法第29条第1項第3号所定の規定違反(新規性欠如)(申立理由1) ア 訂正前の請求項1~4に係る発明は、下記に記載の甲1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、その特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 イ 訂正前の請求項1~4に係る発明は、下記に記載の甲3号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、その特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 記 甲第1号証:実願昭61-83765号(実開昭62-194436号)のマイクロフィルム 甲第2号証:特表2005-535454号公報(周知技術を示す文献) 甲第3号証:特開2014-147879号公報 (以下、甲第1号証等を略して、「甲1」などという。) 第5 当審の判断 当審は、上記取消理由1及び申立理由1のいずれにも理由がないと判断する。 以下、その理由について詳述する。 1 取消理由1及び申立理由1(新規性欠如及び進歩性欠如)について (1)甲1~3に記載の事項(「・・・」は省略を表す。下線は当審にて付与した。) ア 甲1に記載の事項 (ア)「〔産業上の利用分野〕 本考案は、触媒コンバータに用いられるメタルハニカム担体に関する。 〔従来の技術〕 一般に、自動車の排気系には、排気ガスを浄化するため、例えば、実開昭56-4373号公報に開示されるようなメタルハニカム担体を有する触媒コンバータが配置されている。 第3図は、この種の触媒コンバータのメタルハニカム担体を示すもので、このメタルハニカム担体は、金属製の波板11と平板13とを重ね、これ等を多重に巻回し、コア部15を形成し、このコア部15を外筒17内に収容して構成されている。 このようなメタルハニカム担体では、コア部15の複数の横断面部、例えば、図に斜線で示す横断面部20,21,22において、波板11と平板13とが相互にろう付けにより接合されており、また、これ等の横断面部20,21,22において、コア部15の外周が外筒17の内面にろう付けにより接合されている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、このような従来のメタルハニカム担体では、外筒17部がコア部15に比べて、放熱効果が良いため、コア部15と外筒17部に熱膨張差が生じ、熱サイクルによりコア部15と外筒17との接合部が剥離するという問題があった。 〔考案の目的〕 本考案は、上記のような問題を解決したもので、熱サイクルによるコア部と外筒との接合部の剥離を有効に防止することのできるメタルハニカム担体を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案に係わるメタルハニカム担体は、金属製の波板と平板とを重ね、これ等を多重に巻回し、コア部を形成し、このコア部を外筒内に収容してなるメタルハニカム担体において、前記コア部の一または複数の横断面部において、前記波板と平板とを相互に接合するとともに、前記外筒の一横断面部においてのみ前記コア部の外周を前記外筒の内面に接合したものである。」(1頁下から4行~3頁下から3行) (イ)「〔考案の実施例〕 以下、本考案の詳細を図面に示す実施例について説明する。 第1図は、本考案のメタルハニカム担体の一実施例を示すもので、このメタルハニカム担体は、金属製の波板25と平板27とを重ね、これ等を多重に巻回し、コア部29を形成し、このコア部29を外筒31内に収容して構成されている。 しかして、この実施例では、抵抗の上昇がなく強度上の問題がないように 、図に斜線で示すコア部29の排気ガス流入側端の横断面部33においてのみ、波板25と平板27とがろう付けにより相互に接合されており、かつ、この横断面部33においてのみコア部29の外周が外筒31の内面に、ろう付けにより接合されている。 以上のように構成されたメタルハニカム担体では、外筒31の一横断面部33においてのみコア部29の外周を外筒31の内面に接合したので、コア部29と外筒31との間に熱膨張差が発生すると、コア部29は、外筒31との接合部を中心にして排気ガス流出方向側に向けて自由に膨張することが可能となる。従って、熱サイクルによるコア部29と外筒31との接合部の剥離を有効に防止することができる。 また、従来のメタルハニカム担体では、コア部と外筒との間に発生する熱膨張差により、コア部に座屈が生じ、W/Cの剥離が生じていたが、以上のように構成されたメタルハニカム担体では、この座屈も解消されるため、W/Cの剥離を解消することができる。 さらに、一般に、ろう付け部では、W/Cの密着性が劣り、W/Cが剥離し易いが、以上のように構成されたメタルハニカム担体では、ろう付け部の面積が従来より大幅に減少するため、W/Cの剥離する虞れのある領域を低減することができる。」(4頁7行~6頁2行) (ウ)「第2図は、本考案の他の実施例を示すもので、この実施例では、コア部29の排気ガス流入側端の横断面部33および排気ガス流出側端の横断面部35において、波板25と平板27とがろう付けにより相互に接合されており、かつ、コア部29の排気ガス流入側端の横断面部33においてのみコア部29の外周が外筒31の内面に、ろう付けにより接合されている。 以上のように構成されたメタルハニカム担体においても、第1図に示した実施例とほぼ同様の効果を得ることができる。」(6頁3行~6頁13行) (エ)「 [図:0001403670000001.jpg] 」 イ 甲2に記載の事項 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、金属ハニカム体、特に内燃機関の排気装置用のハニカム体に関する。このようなハニカム体は、触媒活性材料の担体として、および/または吸収材料および類似の用途のための担体として使用される。」 (イ)「【0023】 ハニカム体の耐久性のために、個々の薄板が相互に接合技術、好ましくは硬ロウ付けによって結合されていると有利であり、その結合は典型的にハニカム体の端面近くで行われる。この理由は、孔が薄板の端面側縁範囲を切除していないことにもある。他方で、孔はまた、端面に着けられた接着剤あるいは端面に着けられたロウ材が薄板間の接触線に沿ってハニカム体の内部に侵入することを的確に防止する。そのような接着剤およびロウ材の浸入は機械的理由から通常望ましくない。ここでは孔が毛管作用を終えさせる働きをし、これによってハニカム体の端面と孔との距離はロウ付けによって結合される範囲を限定するためにも的確に設定される。 【0024】 同じことは外被管への薄板の結合に対しても適用される。ここでも、外被管に対する非常に安定した所望の結合のために、縁範囲が孔によって切除されていないと有利である。ここでもまた、孔はなお、ロウ材が毛管作用によってハニカム体の内部に深く侵入できず、ロウ材が薄板を固定するために運ばれた場所に正確にとどまるように作用する。 ・・・ 【0030】 図1には、本発明に基づくハニカム体15を構成するために使用されるような平形あるいは波形の薄板1が示されている。この薄板1は幅Lを有し、この幅Lが後にこの薄板1から作られたハニカム体15の軸長Lを決定する。薄板1の別の方向における寸法は製造すべきハニカム体15の構造形式に左右される。即ち、この寸法は、薄板1がスパイラル状に巻回されたハニカム体15が製造される場合は非常に長く、多数の薄板1が積層体の形に重ね合わされ、後に絡み合わせてハニカム体15を構成する場合は非常に短い。薄板1の厚さ26は20~80μmであり、好ましくは40~60μmである。 【0031】 薄板1は部分領域(ここでは区域29として示されている)に、それぞれ1~120mm2の孔面積23を持つ多数の孔6を有している。孔6が3~8mm、好ましくは4~6mmの直径を有していると有利である。これらの孔6は少なくとも領域的に規則的なパターンで配置され、好ましくは互いに等間隔D7を隔てて配置されている。しかし、その配置パターンを入口側端面12から出口側端面13に向かって変化させることもでき、例えば多孔度、孔直径および/または間隔D7が増大される。この増大は連続的にあるいはステップ的に行われる。特定の使用目的のために、これらの値を中央領域において増大させた後、出口側端面13に向けて再び減少させると有利である。好適には、孔6は円形あるいは最大直径R6が8mmまでの楕円形あるいは長円形である。孔6の間隔D7は、薄板表面積24が孔無し表面積に比べて10~80%、好ましくは30~60%減少されるように選定されている。 【0032】 薄板1は孔6が存在しない入口側縁範囲2を有している。好適には出口側縁範囲3にも孔6が存在しない。これは薄板1の加工を単純化し、この縁範囲において薄板相互の結合を可能にし、ハニカム体15の構成時に乱れた形状の入口側縁端面12あるいは出口側端面13が生ずることを防止する。入口側縁範囲2は1~5mmの幅R2を有し、出口側縁範囲3は1~5mmの幅R3を有する。薄板1はさらに、薄板1を後に外被管14に固定する少なくとも1つの結合部位4を有している。幅R4のこの結合部位4にも好適には孔6が存在しない。薄板1の両端が外被管4に固定されているハニカム体15を構成するために、幅R5の第2結合部位4にも孔6が存在しない。」 (ウ)「【0048】 本発明は、ハニカム体の従来公知の通常の構造形状において、被覆材料の使用量を減少させ、流体の処理に対する被覆の高い有効性を得ることを可能にし、しかもハニカム体の機械的強度、熱容量、熱伝導率などについての特性も、個々の用途の要件に的確に合わせることを可能にする。」 エ)「【図1】 [図:0001403670000002.jpg] 」 ウ 甲3に記載の事項 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属箔状の平板(101)及び波板(102)が重ねて巻かれ、触媒が担持されて複数層からなるハニカムコア(91)が形成され、このハニカムコア(91)が金属製の外筒(92)に支持された小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置において、前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置が、共に排気ガスの流れの上流側に寄せて設けられることを特徴とする小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置。 【請求項2】 前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との間、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との間は、共にろう付けにより接合され、前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けは、前記ハニカムコア(91)の上流側端部(91a)から下流側に10mmまでの範囲に施されることを特徴とする請求項1に記載の小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置。 ・・・ 【請求項5】 前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けに対して、前記ハニカムコア(91)、前記外筒(92)間のろう付けは、排気ガスの流れに沿って、下流側の同じ位置まであるいは下流側により長く施されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置。」 (イ)「【0004】 特許文献1では、平板と波板との接合位置、及びハニカム構造体と筒形ケースとの接合位置が、共に触媒装置における排気ガスの流れの下流側に寄せて設けられているので、排気ガスが流れているときには、接合位置の温度は、排気装置における排気ガスの流れの上流側より低くなっているが、排気装置の上流側では、平板と波板とが接合されていないため、排気ガスの脈流、風圧や排気ガス流に発生する圧力波によって平板及び波板に振動による高い応力が発生する。 【0005】 また、ハニカム構造体は、筒形ケースの内側に配置されて高温となるため、内外の温度差により上流側と下流側とでは、その応力に違いが生じていた。 本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、耐久性を確保しつつ小型化及びコスト削減を図ることが可能な小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置及び車両の排気装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上述した課題を解決するため、本発明は、金属箔状の平板(101)及び波板(102)が重ねて巻かれ、触媒が担持されて複数層からなるハニカムコア(91)が形成され、このハニカムコア(91)が金属製の外筒(92)に支持された小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置において、前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置が、共に排気ガスの流れの上流側に寄せられて設けられることを特徴とする。 【0007】 この構成によれば、ハニカムコア内の平板と波板、及びハニカムコアと外筒の各接合位置を、共に排気ガスの流れの上流側に寄せて設けたことで、排気ガスの風圧・圧力波や脈流による平板及び波板の変形、振動の発生を効果的に抑えることができる。 また、ハニカムコアの上流側を外筒にろう付けすることで、ハニカムコアの熱変形を抑えることができてハニカムコアに発生する熱応力を低くすることができ、更に、外筒より内側に配置されて高温となるハニカムコアの熱を外筒へ逃がすことができ、ハニカムコアの温度上昇を抑えることができる。従って、耐久性を向上させることができる。 また、平板及び波板の板厚をより薄くでき、更に、ろう付け長さをより短くしてろう量、接合工数を抑えることができ、小型化、コスト削減を図ることができる。 【0008】 上記構成において、前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との間、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との間は、共にろう付けにより接合され、前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けは、前記ハニカムコア(91)の上流側端部(91a)から下流側に10mmまでの範囲に施されるようにしても良い。この構成によれば、平板、波板間のろう付けが、ハニカムコアの上流側端部から下流側に10mmを超えた場合、フレッティングによる箔切れが発生する。従って、ろう付け位置を、ハニカムコアの上流側端部から10mm以内に設定することで、耐久性を確保することができる。 ・・・ 【0010】 また、上記構成において、前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けに対して、前記ハニカムコア(91)、前記外筒(92)間のろう付けは、排気ガスの流れに沿って、下流側の同じ位置まであるいは下流側により長く施されていても良い。この構成によれば、ハニカムコアのろう付け両端部を、ハニカムコアと外筒とのろう付け部にて補強することができ、ハニカムコアのろう付け両端部に発生する応力を低減することができ、耐久性をより向上させることができる。」 (ウ)「【0028】 図5に示すように、平板101と、波板102の山部102a及び谷部102bとが、ろう付けされている。図中の符号106は平板101と山部102aとのろう付け部、107は平板101と谷部102bとのろう付け部である。 ろう付け部106,107は、紙面の表裏方向にも延び、接合強度が確保されている。 【0029】 図6は、触媒装置86の模式図であり、外筒92の軸線92aに沿う断面を模式的に示している。 この図6では、図5に示したハニカムコア91内のろう付け部106,107、即ち複数のろう付け部106及び複数のろう付け部107を、ろう付け部111とし、また、ハニカムコア91(詳しくは、ハニカムコア91の最外周部となる平板101)と外筒92とのろう付け部を、ろう付け部112としている。 ハニカムコア91のろう付け部111は、ハニカムコア91の上流側端部91aに寄せて設けられている。ろう付け部111は、上流側端部91aまで設けられていてもよい。ハニカムコア91の軸方向の中間部分及び下流側端部91b寄りの部分では、平板101(図5参照)と波板102(図5参照)とはろう付けされていない。 【0030】 ろう付け部111の軸線92aに沿ったろう付けの長さ、即ち軸方向ろう付け長さはL1である。ろう付け部111の前端は、ろう付け部112の前端と一致するか又はろう付け部112の前端より下流側に位置する。 図5に示したように、平板101は、波板102の山部102a及び谷部102bとろう付けされてろう付け部106,107が出来るが、実際に生産する場合には、平板101と山部102a及び谷部102bとが接触してろう付け可能であってもろう付けされないことがある。この場合に、平板101と山部102a及び谷部102bとの接触箇所(接合点)の数に対して、ろう付けされていない接触箇所(接合点)の数の割合が、40%未満であれば、耐久性を確保することができる。 【0031】 図6に戻って、ろう付け部112も、触媒装置86の上流側端部(ハニカムコア91の上流側端部91a)に寄せて設けられている。ろう付け部112は、上流側端部91aまで設けられていてもよい。触媒装置86の軸方向の中間部分及び下流側端部寄りの部分では、ハニカムコア91と外筒92とはろう付けされていない。 更に、ろう付け部112の軸線92aに沿ったろう付け長さ、即ち軸方向ろう付け長さはL2であり、軸方向ろう付け長さL2は、ろう付け部111の下流側端部よりも下流側に長い。」 (エ)「【0032】 以上に述べた触媒装置86における各構成の形状・位置・寸法等の裏付けを、以下に示す実験例1~実験例7に基づいて説明する。なお、本発明は、各実験例に限定されるものではない。 <実験例1> 図7は、ハニカムコア91内のろう付け位置とハニカムコア91-外筒92間のろう付け位置とをそれぞれ異ならせたサンプルを示す説明図である。図7(A)は触媒装置121(実施例1)を示す説明図、図7(B)は触媒装置151(比較例1)を示す説明図、図7(C)は触媒装置152(比較例2)を示す説明図、図7(D)は触媒装置153(比較例3)を示す説明図である。 各触媒装置の共通仕様としては、D=40mm、L=90mm、400セル/平方インチ、ハニカムコア91に対する外筒92の軸方向への突出量、即ち外筒オーバーハング量が入口(上流)側及び出口(下流)側共に10mmの形状で、ろう付け構造をさまざまに変更した下記サンプルを準備し、その影響を調べた。 【0033】 図7(A)に示す実施例1では、ハニカムコア91内のろう付け部121a及びハニカムコア91-外筒92間のろう付け部121bをそれぞれ上流側端部91a寄りに設けている。 図7(B)に示す比較例1では、ハニカムコア91内のろう付け部151aを上流側端部91a寄り、ハニカムコア91-外筒92間のろう付け部151bを下流側端部91b寄りに設けている。 図7(C)に示す比較例2では、ハニカムコア91内のろう付け部152a、ハニカムコア91-外筒92間のろう付け部152bを、共に上流側端部91aと下流側端部91bとの中間部に設けている。 図7(D)に示す比較例3では、ハニカムコア91内のろう付け部153aを上流側端部91a寄り、ハニカムコア91内のろう付け部153cを下流側端部91b寄り、ハニカムコア91-外筒92間のろう付け部153bを下流側端部91b寄りに設けている。 【0034】 上記触媒装置の耐久性の評価(耐久テスト)を、単体冷熱加振テストと実車テストとによって行った。 単体冷熱加振テストは、ハニカムコア91の入口側にステンレス鋼製のフランジを溶接し、45°の角度で加振装置に設置し、ハニカムコア91の入口側から熱風、冷風を交互に送り、ハニカムコア91を冷熱加振状態の環境に置き、その耐久性を評価するものである。代表的なテスト条件は、振動加速度30G、温度300~900℃、2分/サイクルで2000サイクルである。 実車テストは、125ccの自動二輪車をシャーシダイナモメータ上に載せてエンジン運転させながら冷熱負荷を加え、また、加振シャーシダイナモメータにより振動負荷を加えて実使用条件を上回る負荷によって、耐久性テストを行った。 そして、単体テスト(単体冷熱加振テスト)及び耐久テストの終了品の総合判定は、コア抜け発生の有無、箔切れ発生の有無、コア変形によって行った。 上記の各触媒装置の耐久テストの結果を表1に示す。 【0035】 【表1】 [図:0001403670000003.jpg] ・・・ 【0037】 <実験例2> 図8は、ハニカムコア91内のろう付け位置をそれぞれ異ならせたサンプルを示す説明図である。図8(A)は触媒装置122(実施例2)を示す説明図、図8(B)は触媒装置123(実施例3)を示す説明図、図8(C)は触媒装置124(実施例4)を示す説明図、図8(D)は触媒装置154(比較例4)を示す説明図、図8(E)は触媒装置155(比較例5)を示す説明図である。 各触媒装置の共通仕様としては、D=40mm、L=120mm、300セル/平方インチ、外筒オーバーハング量は入口側及び出口側共に10mmの形状で、ハニカムコア91内のろう付け及びハニカムコア91-外筒92間のろう付け共にハニカムコア91の入口側のみとし、ハニカムコア91内のろう付け幅を3mmに固定し、ハニカムコア91-外筒92間のろう付けは、幅を15mmに設定するとともにハニカムコア91の上流側端部91aからろう付けを施した。 上記共通仕様に加えて、ハニカムコア91内のろう付け位置を変えた下記サンプルを準備し、その影響を調べた。 図中の符号C1~LC5はハニカムコア91内のろう付け位置であり、ハニカムコア91の上流側端部91aからろう付け幅の中央までの長さである。 【0038】 図8(A)に示す実施例2では、ハニカムコア91内のろう付け部122aの位置をLC1=1.5mmに設定している。 図8(B)に示す実施例3では、ハニカムコア91内のろう付け部123aの位置をLC2=5mmに設定している。 図8(C)に示す実施例4では、ハニカムコア91内のろう付け部124aの位置をLC3=8.5mmに設定している。 図8(D)に示す比較例4では、ハニカムコア91内のろう付け部154aの位置をLC4=13.5mmに設定している。 図8(E)に示す比較例5では、ハニカムコア91内のろう付け部155aの位置をLC5=16.5mmに設定している。 上記の各触媒装置の耐久テストを、実験例1と同様な手法で行った。 耐久テストの結果を表2に示す。 【0039】 【表2】 [図:0001403670000004.jpg] ・・・ 【0041】 <実験例3> 図9は、ハニカムコア91内のろう付け幅をそれぞれ異ならせたサンプルを示す説明図である。図9(A)は触媒装置156(比較例6)を示す説明図、図9(B)は触媒装置125(実施例5)を示す説明図、図9(C)は触媒装置126(実施例6)を示す説明図、図9(D)は触媒装置127(実施例7)を示す説明図、図9(E)は触媒装置157(比較例7)を示す説明図、図9(F)は触媒装置158(比較例8)を示す説明図である。 各触媒装置の共通仕様としては、D=51mm、L=75mm、400セル/平方インチ、外筒オーバーハング量が入口側及び出口側共に10mmの形状で、ハニカムコア91内のろう付け位置を上流側端部91aから5mmの位置がろう付け幅の中心になるようにし、ろう付け幅が広く、上流側端部91aを上流側に越えてしまうものについては、上流側端部91aをろう付け部の端部としてろう付け幅を設定し、ハニカムコア91-外筒92間のろう付け幅を15mmとした。 上記の共通仕様に加えて、ハニカムコア91内のろう付け幅を変えた下記サンプルを準備し、その影響を調べた。 【0042】 図9(A)に示す比較例6では、ハニカムコア91内のろう付け部156aのろう付け幅をLW1=1mmに設定している。 図9(B)に示す実施例5では、ハニカムコア91内のろう付け部125aのろう付け幅をLW2=2mmに設定している。 図9(C)に示す実施例6では、ハニカムコア91内のろう付け部126aのろう付け幅をLW3=5mmに設定している。 図9(D)に示す実施例7では、ハニカムコア91内のろう付け部127aのろう付け幅をLW4=10mmに設定している。 図9(E)に示す比較例7では、ハニカムコア91内のろう付け部157aのろう付け幅をLW5=15mmに設定している。 図9(F)に示す比較例8では、ハニカムコア91内のろう付け部158aのろう付け幅をLW6=20mmに設定している。 各触媒装置の耐久テストを、実験例1と同様な手法で行った。 耐久テストの結果を表3に示す。 【0043】 【表3】 [図:0001403670000005.jpg] ・・・ 【0051】 <実験例5> 図11は、ハニカムコア91内のろう付け位置をそれぞれ異ならせたサンプルを示す説明図である。図11(A)は触媒装置132(実施例12)を示す説明図、図11(B)は触媒装置133(実施例13)を示す説明図、図11(C)は触媒装置161(比較例11)を示す説明図、図11(D)は触媒装置162(比較例12)を示す説明図である。 各触媒装置の共通仕様としては、D=40mm、L=90mm、300セル/平方インチ、外筒オーバーハング量は入口側及び出口共に10mmの形状で、ハニカムコア91内のろう付け幅を10mm、ハニカムコア91-外筒92間のろう付け幅を15mmとした。 この実験例5では、ハニカムコア91内のろう付け位置を変えるとともに、実験例2よりもハニカムコア91のろう付け幅を大きくすることで、ハニカムコア91のろう付け位置とハニカムコア91-外筒92間のろう付け位置との関係を大きく変化させる下記サンプルを準備し、耐久性の変化を調べた。 図中の符号LU1~LU4はハニカムコア91内のろう付け位置であり、ハニカムコア91の上流側端部91aからろう付け幅の中央までの長さである。 【0052】 図11(A)に示す実施例12では、ハニカムコア91内のろう付け部132aの位置をLU1=5mmに設定している。 図11(B)に示す実施例13では、ハニカムコア91内のろう付け部133aの位置をLU2=10mmに設定している。 図11(C)に示す比較例11では、ハニカムコア91内のろう付け部161aの位置をLU3=15mmに設定している。 図11(D)に示す比較例12では、ハニカムコア91内のろう付け部162aの位置をLU4=20mmに設定している。 各触媒装置の耐久テストを、実験例1と同様な手法で行った。 耐久テストの結果を表5に示す。 【0053】 【表5】 [図:0001403670000006.jpg] 」 (オ)「【0064】 図14は、本実施形態の触媒装置86の作用及び効果を示す断面図である。 平板101と波板102とをハニカムコア91の上流側でろう付けし、且つハニカムコア91と外筒92とを触媒装置86の上流側でろう付けすることで、上流側の平板101と波板102とが互いに拘束され、また外筒92に対してハニカムコア91の上流側が拘束される。従って、白抜き矢印で示すように、触媒装置86に排気ガスが流れてきたときに、平板101及び波板102の特に上流側端部91a及びその近傍部分における排気ガスの風圧・圧力波による変形や排気ガスの脈流による振動の発生を抑えることができる。 また、矢印A,Aで示すように、ハニカムコア91の中心部側から外周側への伝熱、及びハニカムコア91から外筒92への伝熱を促すことができ、ハニカムコア91の温度上昇を抑えることができる。これらのことから、ハニカムコア91のセル変形、箔切れ、コア抜けを防止することができ、耐久性を向上させることができる。従って、一定の耐久性を確保した場合には、平板101及び波板102の板厚をより薄くしたり、ろう付け長さをより短くすることができ、結果としてろう量、接合工数を減らすことができ、触媒装置86の小型化、コスト削減を図ることができる。」 (カ)「【図6】 [図:0001403670000007.jpg] 【図7】 [図:0001403670000008.jpg] 【図8】 [図:0001403670000009.jpg] 【図9】 [図:0001403670000010.jpg] ・・・ 【図11】 [図:0001403670000011.jpg] 」 (2)甲1及び3に記載された発明 ア 甲1に記載された発明 甲1には、前記(1)ア(イ)の記載及び同(エ)の第1図によれば、「メタルハニカム担体」は、「金属製の波板25と平板27とを重ね、これ等を多重に巻回し、コア部29を形成し、このコア部29を外筒31内に収容して構成されている」ものであって、「コア部29の排気ガス流入側端の横断面部33においてのみ、波板25と平板27とがろう付けにより相互に接合されており、かつ、この横断面部33においてのみコア部29の外周が外筒31の内面に、ろう付けにより接合されている」ものであることが記載されている。 そうすると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「金属製の波板と平板とを重ね、これ等を多重に巻回し、コア部を形成し、このコア部を外筒内に収容して構成されているメタルハニカム担体であって、 コア部の排気ガス流入側端の横断面部においてのみ、波板と平板とがろう付けにより相互に接合されており、かつ、この横断面部においてのみコア部の外周が外筒の内面に、ろう付けにより接合されている、メタルハニカム担体。」 イ 甲3に記載された発明 甲3には、前記(1)ウ(ア)によれば、請求項1を引用する請求項2をさらに引用する請求項5に係る発明として、「金属箔状の平板(101)及び波板(102)が重ねて巻かれ、触媒が担持されて複数層からなるハニカムコア(91)が形成され、このハニカムコア(91)が金属製の外筒(92)に支持された小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置において、前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置が、共に排気ガスの流れの上流側に寄せて設けられ」(【請求項1】)、「前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との間、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との間は、共にろう付けにより接合され、前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けは、前記ハニカムコア(91)の上流側端部(91a)から下流側に10mmまでの範囲に施され」(【請求項2】)、「前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けに対して、前記ハニカムコア(91)、前記外筒(92)間のろう付けは、排気ガスの流れに沿って、下流側の同じ位置まであるいは下流側により長く施される」(【請求項5】)小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置が記載されている。 当該「前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置」が「排気ガスの流れの上流側に寄せて設けられる」構成について、同(ウ)の【0028】及び【0029】によれば、「ろう付け部111」は、「平板101」と「波板102」の「山部102a」及び「谷部102b」との「複数のろう付け部106」及び「複数のろう付け部107」であり、「ハニカムコア91の上流側端部91aに寄せて設けられている」ものであって、「ろう付け部111は、上流側端部91aまで設けられていてもよい」ものである。 同様に、当該「前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置」が「排気ガスの流れの上流側に寄せて設けられる」構成について、同(ウ)の【0029】及び【0031】によれば、「ろう付け部112」は、「ハニカムコア91」と「外筒92」とのろう付け部であり、「触媒装置86の上流側端部(ハニカムコア91の上流側端部91a)に寄せて設けられている」ものであって、「ろう付け部112は、上流側端部91aまで設けられていてもよい」ものである。 そして、当該「ろう付け部111」及び「ろう付け部112」の範囲について具体例をみると、同(エ)及び(カ)によれば、実験例1の実施例1(【0033】及び図7(A))、実験例2の実施例2(【0037】、【0038】及び図8(A))、実験例3の実施例7(【0041】、【0042】及び図9(D))、実験例5の実施例12(【0051】、【0052】及び図11(A))は、いずれも「ろう付け部111」及び「ろう付け部112」を上流側端部91aまで設けるものとなっている。 そうすると、甲3のこれらの記載事項からすれば、「前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置」が、いずれも「上流側端部(91a)」まで設けられることを把握できる。 以上から、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されているといえる。 「金属箔状の平板(101)及び波板(102)が重ねて巻かれ、触媒が担持されて複数層からなるハニカムコア(91)が形成され、このハニカムコア(91)が金属製の外筒(92)に支持された小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置において、 前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置が、共に排気ガスの流れの上流側に寄せて設けられ、 前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との間、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との間は、共にろう付けにより接合され、前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けは、前記ハニカムコア(91)の上流側端部(91a)から下流側に10mmまでの範囲に施され、 前記平板(101)、前記波板(102)間のろう付けに対して、前記ハニカムコア(91)、前記外筒(92)間のろう付けは、排気ガスの流れに沿って、下流側の同じ位置まであるいは下流側により長く施され、 前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置、及び前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置が、いずれも前記上流側端部(91a)まで設けられる、小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置。」 (3)第4の1(1)ア(取消理由1)、第4の1(1)イ(取消理由1)、第4の2(1)ア(申立理由1)の理由について 上記の理由は、それぞれ甲1を主引用文献とするものであるから、まとめて判断する。 ア 本件発明1について (ア)対比 a 甲1発明の「金属製の波板と平板」は、本件発明1の「金属箔状の平板(52)と波板(54)」に相当し、そして、甲1発明の「金属製の波板と平板とを重ね、これ等を多重に巻回し」て形成された「コア部」は、「メタルハニカム担体」の主要部分であって「担体」の機能を担うものであることは明らかであるから、本件発明1の「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され」る「担体(42)」に相当するといえる。 b 甲1発明の「外筒」は、「コア部」を内部に収容するとともに、その内面が「コア部の排気ガス流入側端の横断面部においてのみ」「コア部の外周」に「ろう付けにより接合されている」ことにより、「コア部」の「排気ガス流入側端」を排気ガスの上流側に向け、「コア部」の排気ガス流出側端を排気ガスの下流側に向けて、「コア部」を支持していることは明らかであるから、本件発明1の「前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)」に相当するといえる。 c 甲1発明の「コア部を外筒内に収容して構成されているメタルハニカム担体」は、本件発明1の「担体(42)」と「外筒(44)」とを備える「装置(36)」に相当する。 d 甲1発明の「コア部の排気ガス流入側端の横断面部においてのみ、波板と平板とがろう付けにより相互に接合されてい」ることは、「コア部」の一端部が「コア部の排気ガス流入側端の横断面部」に含まれることは明らかであるから、本件発明1の「前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ」ることに相当するといえる。 e 前記dと同様に、甲1発明の「コア部の排気ガス流入側端の横断面部においてのみ」「コア部の外周が外筒の内面に、ろう付けにより接合されている」ことは、本件発明1の「前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられる」ことに相当するといえる。 f そうすると、本件発明1と甲1発明は、 「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成される担体(42)と、 前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)と、 を備える装置(36)であって、 前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられる、装置(36)。」 の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。 <相違点1> 本件発明1は、「触媒」を担持する担体を備える「触媒」装置であるのに対し、甲1発明は、「コア部」を備える「メタルハニカム担体」であるものの、そのような装置であるのか否か明らかでない点。 <相違点2> 平板及び波板が、本件発明1では、「複数の孔(64)を有し、複数の前記孔(64)は、前記平板(52)および前記波板(54)が前記担体(42)にされる前の平坦状態において、前記担体(42)の軸線方向と平行する第1方向(D1)に沿って整列して複数の第1列(66)を形成すると共に前記第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って整列して複数の第2列(68)を形成」するのに対し、甲1発明では、そのような発明特定事項を有していない点。 <相違点3> 上記相違点2における「複数の孔」について、本件発明1は、「前記担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」構成を有するのに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 (イ)判断 事案に鑑み、前記(ア)の相違点3から検討する。 a 甲1発明は、平板と波板からなるコア(担体)を備える点は記載されているものの、そもそも、平板と波板に「孔」を有していないため、複数の「孔」についてさらに限定した相違点3である「担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」に対応する構成は当然有しておらず、上記相違点3は実質的な相違点である。 よって、本件発明1は、甲1発明ではない。 b 次に、上記相違点3に係る本件発明1の構成が当業者が容易に想到し得るものであるか否かを検討する。 本件発明1の「担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」という構成は、「排気ガスの脈動に起因する担体42の振動(フラッタリングという)に対する耐久性」の「向上」(【0023】)を目的とするものである。 これに対し、甲1発明は、排気ガスの脈動に起因する担体(コア)の振動(フラッタリング)に対する耐久性を向上させるという技術思想は開示されていない。そのため、甲1発明において、平板及び波板に孔を付加し、更には、その孔について、排気ガスの脈動に起因する担体(コア)の振動(フラッタリング)に対する耐久性を向上させることを目的として、コアの一端部から所定番目の第2列に含まれる孔の大きさが、他の部分の孔の大きさよりも小さい構成となるように設計変更する動機付けはない。 そうすると、上記相違点3に係る本件発明1の構成は、当業者が容易に想到し得るものであるとはいえない。 c また、甲2には、前記(1)イ(ア)~(エ)によれば、「排気装置用」の「金属ハニカム体」を「触媒活性材料の担体」として使用する技術分野(【0001】)において、「ハニカム体」を構成するために使用される「平形」及び「波形」の「薄板」(【0030】)に、「規則的なパターン」で、特に図1においてはハニカム体の軸線方向及びそれに直交する方向に沿って整列する複数の列を形成するようなパターンで「多数の孔」を設けて(【0031】及び図1)、「被覆材料の使用量を減少させ、流体処理に対する被覆の高い有効性を得る」こと(【0048】)が記載されている。 しかしながら、甲2には、「前記担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」に対応する構成は記載されていない。 そのため、甲2を根拠として、「平形」及び「波形」の「薄板」に「規則的なパターン」で「多数の孔」を設けることが本願の優先日時点における周知技術であるといえるとしても、甲2には、「前記担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」に対応する構成は記載されておらず、また、その構成が、本願の優先日時点における周知技術であるともいえない。 よって、甲1発明に、甲2に記載された周知技術を付加したとしても、相違点3に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとするには至らない。 d 以上のとおり、上記相違点3は実質的な相違点であるし、上記相違点3に係る本件発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明ではないし、甲1発明及び甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (ウ)小括 本件発明1は、甲1発明ではないし、甲1発明及び甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 イ 本件発明2について (ア)対比 a 甲1発明の「金属製の波板と平板」は、本件発明2の「金属箔状の平板(52)と波板(54)」に相当し、そして、甲1発明の「金属製の波板と平板とを重ね、これ等を多重に巻回し」て形成された「コア部」は、「メタルハニカム担体」の主要部分であって「担体」の機能を担うものであることは明らかであるから、本件発明2の「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され」る「担体(42)」に相当するといえる。 b 甲1発明の「外筒」は、「コア部」を内部に収容するとともに、その内面が「コア部の排気ガス流入側端の横断面部においてのみ」「コア部の外周」に「ろう付けにより接合されている」ことにより、「コア部」の「排気ガス流入側端」を排気ガスの上流側に向け、「コア部」の排気ガス流出側端を排気ガスの下流側に向けて、「コア部」を支持していることは明らかであるから、本件発明2の「前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)」に相当するといえる。 c 甲1発明の「コア部を外筒内に収容して構成されているメタルハニカム担体」は、本件発明2の「担体(42)」と「外筒(44)」とを備える「装置(36)」に相当する。 d 甲1発明の「コア部の排気ガス流入側端の横断面部においてのみ、波板と平板とがろう付けにより相互に接合されてい」ることは、「コア部」の一端部が「コア部の排気ガス流入側端の横断面部」に含まれることは明らかであるから、本件発明2の「前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ」ることに相当するといえる。 e 前記dと同様に、甲1発明の「コア部の排気ガス流入側端の横断面部においてのみ」「コア部の外周が外筒の内面に、ろう付けにより接合されている」ことは、本件発明2の「前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられる」ことに相当するといえる。 f そうすると、本件発明2と甲1発明は、 「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成される担体(42)と、 前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)と、 を備える装置(36)であって、 前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられる、装置(36)。」 の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。 <相違点4> 本件発明2は、「触媒」を担持する担体を備える「触媒」装置であるのに対し、甲1発明は、「コア部」を備える「メタルハニカム担体」であるものの、そのような装置であるのか否か明らかでない点。 <相違点5> 平板及び波板が、本件発明2では、「複数の孔(64)を有し、複数の前記孔(64)は、前記平板(52)および前記波板(54)が前記担体(42)にされる前の平坦状態において、前記担体(42)の軸線方向と平行する第1方向(D1)に沿って整列して複数の第1列(66)を形成すると共に前記第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って整列して複数の第2列(68)を形成」するのに対し、甲1発明では、そのような発明特定事項を有していない点。 <相違点6> 担体と外筒との接合箇所が、本件発明2では、「前記第1上流範囲(70)を含みかつ前記第1上流範囲(70)よりも前記軸線方向に広い前記第2上流範囲(72)に設けられる」構成を有するのに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 <相違点7> 担体と外筒との接合箇所は、さらに、本件発明2では、「前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」との構成を有するのに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 (イ)判断 事案に鑑み、前記(ア)の相違点7から検討する。 a 甲1発明は、平板と波板からなるコア(担体)を備える点は記載されているものの、そもそも、平板と波板に「孔」を有していないため、複数の「孔」と「接合箇所」の位置関係について限定した相違点7である「担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」点に対応する構成は当然有しておらず、上記相違点7は実質的な相違点である。 よって、本件発明2は、甲1発明ではない。 b 次に、上記相違点7に係る本件発明2の構成が当業者が容易に想到し得るものであるか否かを検討する。 本件発明1の「担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」という構成は、「担体42の振動を効率的に抑制すること」(【0036】)を目的とするものである。 これに対し、甲1発明には、担体(コア)の振動を抑制するという技術思想は開示されていない。そのため、甲1発明において、平板及び波板に孔を付加し、更には、その孔と接合箇所の位置関係について、本願請求項2で特定された「担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」構成となるように設計変更する動機付けはない。 そうすると、上記相違点7に係る本件発明2の構成は、当業者が容易に想到し得るものであるとはいえない。 c また、甲2には、前記(1)イ(ア)~(エ)によれば、「排気装置用」の「金属ハニカム体」を「触媒活性材料の担体」として使用する技術分野(【0001】)において、「ハニカム体」を構成するために使用される「平形」及び「波形」の「薄板」(【0030】)に、「規則的なパターン」で、特に図1においてはハニカム体の軸線方向及びそれに直交する方向に沿って整列する複数の列を形成するようなパターンで「多数の孔」を設けて(【0031】及び図1)、「被覆材料の使用量を減少させ、流体処理に対する被覆の高い有効性を得る」こと(【0048】)が記載されている。 しかしながら、甲2には、ハニカム体(担体)と外被管(外筒)との接合箇所は、軸線方向において、下流側の一部が、複数の孔が形成された区域(孔形成部)と重なるようにする点は記載されていない。むしろ、甲2には、「板1はさらに、薄板1を後に外被管14に固定する少なくとも1つの結合部位4を有している。幅R4のこの結合部位4にも好適には孔6が存在しない」(【0032】)との記載があり、接合箇所と、複数の孔が形成された区域が重ならないようにすることが好適であると述べられている。 そのため、甲2を根拠として、「平形」及び「波形」の「薄板」に「規則的なパターン」で「多数の孔」を設けることが本願の優先日時点における周知技術であるといえるとしても、甲2には、「担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」に対応する構成は記載されておらず、またその構成が、本願の優先日時点における周知技術であるともいえない。 d 甲3については、上記1(1)ウ(ア)の請求項5及び同(イ)の【0010】によれば、「ハニカムコア」における「平板」及び「波板」間のろう付けに対して、「ハニカムコア」及び「外筒」間のろう付けは、「下流側により長く施され」、この構成により、「ハニカムコアのろう付け両端部を、ハニカムコアと外筒とのろう付け部にて補強することができ、ハニカムコアのろう付け両端部に発生する応力を低減することができ、耐久性をより向上させることができる」との技術的事項が記載されているものの、そもそも、平板と波板に「孔」を設ける点が記載されていないのであるから、「孔」と「外管92及びハニカムコア91の接合箇所」の位置関係についても当然記載されていない。 e 上記c及びdを踏まえると、甲1発明に、甲3に記載の技術的事項及び甲2に記載された周知技術を付加したとしても、相違点7に係る本件発明2の発明特定事項を有するものとするには至らない。 f 以上のとおり、上記相違点7は実質的な相違点であるし、上記相違点7に係る本件発明2の構成は、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、甲1発明ではないし、甲1発明、甲3に記載の技術的事項、及び、甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (ウ)小括 本件発明2は、甲1発明ではないし、甲1発明、甲3に記載の技術的事項、及び、甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 本件発明3、4について 本件発明3、4はいずれも本件発明1又は2を直接又は間接的に引用し、本件発明1又は2の構成をすべて具備するものであるから、本件発明1又は2と同様に、本件発明3、4は、甲1発明ではないし、本件発明3、4は、甲1発明、甲3に記載の技術的事項、及び、甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (4)第4の1(1)ウ(取消理由1)、第4の1(1)エ(取消理由1)、第4の2(1)イ(申立理由1)の理由について 上記の理由は、それぞれ甲3を主引用文献とするものであるから、まとめて判断する。 ア 本件発明1について (ア)対比 a 甲3発明の「金属箔状の平板(101)及び波板(102)」は、本件発明1の「金属箔状の平板(52)と波板(54)」に相当し、そして、甲3発明の「金属箔状の平板(101)及び波板(102)が重ねて巻かれ、触媒が担持されて複数層からなるハニカムコア(91)」は、本件発明1の「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され、かつ、触媒を担持する担体(42)」に相当する。 b 甲3発明の「ハニカムコア(91)」を「支持」する「金属製の外筒(92)」は、「ハニカムコア(91)」を内部に収容するととともに、「前記ハニカムコア(91)、前記外筒(92)間のろう付けは、排気ガスの流れに沿って」「施され」ることにより、「ハニカムコア(91)」の「上流側端部(91a)」が排気ガスの上流側に向き、「ハニカムコア(91)」の下流側端部が排気ガスの下流側に向いていることは明らかであるから、本件発明1の「前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)」に相当するといえる。 c 甲3発明の「触媒が担持され」る「ハニカムコア(91)が金属製の外筒(92)に支持された小型内燃機関用排気ガス浄化る触媒装置」は、本件発明1の「担体(42)」と「外筒(44)」とを備える「触媒装置(36)」に相当する。 d 甲3発明の「前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置」が「前記上流側端部(91a)まで設けられる」ことは、本件発明1の「前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ」ることに相当する。 e 甲3発明の「前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置」が「前記上流側端部(91a)まで設けられる」ことは、本件発明1の「前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられる」ことに相当する。 f そうすると、本件発明1と甲3発明は、 「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され、かつ、触媒を担持する担体(42)と、 前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)と、 を備える触媒装置(36)であって、 前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられる、触媒装置(36)。」 の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。 <相違点8> 平板及び波板が、本件発明1では、「複数の孔(64)を有し、複数の前記孔(64)は、前記平板(52)および前記波板(54)が前記担体(42)にされる前の平坦状態において、前記担体(42)の軸線方向と平行する第1方向(D1)に沿って整列して複数の第1列(66)を形成すると共に前記第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って整列して複数の第2列(68)を形成」するのに対し、甲3発明では、そのような発明特定事項を有していない点。 <相違点9> 上記相違点8における「複数の孔」について、本件発明1は、さらに「前記担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」との構成を有するのに対し、甲3発明では、そのような構成を有していない点。 (イ)判断 事案に鑑み、前記(ア)の相違点9から検討する。 a 甲3発明は、平板(101)と波板(102)からなるハニカムコア(91)(担体)を備える点は記載されているものの、平板(101)及び波板(102)は「孔」を有していないため、複数の「孔」についてさらに限定した相違点9である「担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」に対応する構成も当然有しておらず、上記相違点9は実質的な相違点である。 よって、本件発明1は、甲3発明ではない。 b 次に、上記相違点9に係る本件発明1の構成が当業者が容易に想到し得るものであるか否かを検討する。 甲3には、「担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」に対応する構成の記載はなく、また、当該構成を有することを示唆するような記載もない。 さらに、上記(3)ア(イ)cに記載したとおり、甲2発明を根拠として、「平形」及び「波形」の「薄板」に「規則的なパターン」で「多数の孔」を設ける点が本願の優先日時点における周知技術であるといえるものの、甲2には「担体(42)の前記一端部(42a)から所定番目の前記第2列(68)に含まれる前記孔(64)の大きさが、他の部分の前記孔(64)の大きさよりも小さい」に対応する構成は記載されておらず、またその構成が、本願の優先日時点における周知技術であるともいえない。 そのため、甲3発明に、甲2に記載された周知技術を付加したとしても、相違点9に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとするには至らない。 c 以上のとおり、上記相違点9は実質的な相違点であるし、上記相違点9に係る本件発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明ではないし、甲3発明及び甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (ウ)小括 本件発明1は、甲3発明ではないし、甲3発明及び甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 イ 本件発明2について (ア)対比 a 甲3発明の「金属箔状の平板(101)及び波板(102)」は、本件発明2の「金属箔状の平板(52)と波板(54)」に相当し、そして、甲3発明の「金属箔状の平板(101)及び波板(102)が重ねて巻かれ、触媒が担持されて複数層からなるハニカムコア(91)」は、本件発明2の「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され、かつ、触媒を担持する担体(42)」に相当する。 b 甲3発明の「ハニカムコア(91)」を「支持」する「金属製の外筒(92)」は、「ハニカムコア(91)」を内部に収容するととともに、「前記ハニカムコア(91)、前記外筒(92)間のろう付けは、排気ガスの流れに沿って」「施され」ることにより、「ハニカムコア(91)」の「上流側端部(91a)」が排気ガスの上流側に向き、「ハニカムコア(91)」の下流側端部が排気ガスの下流側に向いていることは明らかであるから、本件発明2の「前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)」に相当するといえる。 c 甲3発明の「触媒が担持され」る「ハニカムコア(91)が金属製の外筒(92)に支持された小型内燃機関用排気ガス浄化る触媒装置」は、本件発明2の「担体(42)」と「外筒(44)」とを備える「触媒装置(36)」に相当する。 d 甲3発明の「前記ハニカムコア(91)の前記平板(101)と前記波板(102)との接合位置」が「前記上流側端部(91a)まで設けられる」ことは、本件発明2の「前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ」ることに相当する。 e 甲3発明の「前記ハニカムコア(91)と前記外筒(92)との接合位置」が「前記上流側端部(91a)まで設けられる」ことは、本件発明2の「前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられる」ことに相当する。 f 甲3発明の「平板(101)、前記波板(102)間のろう付けに対して、前記ハニカムコア(91)、前記外筒(92)間のろう付け」が「排気ガスの流れに沿って」「下流側により長く施され」ることは、本件発明2の「前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記第1上流範囲(70)を含みかつ前記第1上流範囲(70)よりも前記軸線方向に広い前記第2上流範囲(72)に設けられる」点に相当する。 g そうすると、本件発明2と甲3発明は、 「金属箔状の平板(52)と波板(54)とが重ねられて巻かれることにより形成され、かつ、触媒を担持する担体(42)と、 前記担体(42)を内部に収容すると共に、前記担体(42)の一端部(42a)を排気ガスの上流側に向け、前記担体(42)の他端部(42b)を排気ガスの下流側に向けて、前記担体(42)を支持する外筒(44)と、 を備える触媒装置(36)であって、 前記平板(52)と前記波板(54)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第1上流範囲(70)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記担体(42)の前記一端部(42a)を含む第2上流範囲(72)に設けられ、 前記担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所が、前記第1上流範囲(70)を含みかつ前記第1上流範囲(70)よりも前記軸線方向に広い前記第2上流範囲(72)に設けられる、触媒装置(36)。」 の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。 <相違点10> 平板及び波板が、本件発明2では、「複数の孔(64)を有し、複数の前記孔(64)は、前記平板(52)および前記波板(54)が前記担体(42)にされる前の平坦状態において、前記担体(42)の軸線方向と平行する第1方向(D1)に沿って整列して複数の第1列(66)を形成すると共に前記第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って整列して複数の第2列(68)を形成」するのに対し、甲3発明では、そのような発明特定事項を有していない点。 <相違点11> 担体と外筒との接合箇所が、本件発明2では、「前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」構成を有するのに対し、甲3発明では、そのような構成を有していない点。 (イ)判断 事案に鑑み、前記(ア)の相違点11から検討する。 a 甲3発明は、平板(101)と波板(102)からなるハニカムコア(91)(担体)を備える点は記載されているものの、平板(101)及び波板(102)は「孔」を有していないため、複数の「孔」と「接合箇所」の位置関係について限定した相違点11である「担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」点に対応する構成も当然有しておらず、上記相違点11は実質的な相違点である。 よって、本件発明2は、甲3発明ではない。 b 次に、上記相違点11に係る本件発明2の構成が当業者が容易に想到し得るものであるか否かを検討する。 甲3には、「担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」に対応する構成の記載はなく、また、当該構成を有することを示唆するような記載もない。 さらに、上記(3)イ(イ)cに記載したとおり、甲2発明を根拠として、「平形」及び「波形」の「薄板」に「規則的なパターン」で「多数の孔」を設ける点が本願の優先日時点における周知技術であるといえるものの、甲2には「担体(42)と前記外筒(44)との接合箇所は、前記軸線方向において、下流側の一部が、複数の前記孔(64)が形成された孔形成部(60)と重なる」に対応する構成は記載されておらず、またその構成が、本願の優先日時点における周知技術であるともいえない。 そのため、甲3発明に、甲2に記載された周知技術を付加したとしても、相違点11に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとするには至らない。 c 以上のとおり、上記相違点11は実質的な相違点であるし、上記相違点11に係る本件発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、甲3発明ではないし、甲3発明及び甲2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (ウ)小括 本件発明2は、甲3発明ではないし、甲3発明及び甲2に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 本件発明3、4について 本件発明3、4はいずれも本件発明1又は2を直接又は間接的に引用し、本件発明1又は2の構成をすべて具備するものであるから、本件発明1又は2と同様に、本件発明3、4は、甲3発明ではないし、本件発明3、4は、甲3発明及び甲2に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものでもない。 第6 むすび 上記第5で検討したとおり、本件特許1~4は、特許法第29条第1項及び第2項の規定に違反してされたものであるということはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、上記取消理由1及び申立理由1では、本件特許1~4を取り消すことはできない。 また、他に本件特許1~4を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-701232

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