特許異議申立
2022-700932
化粧シート
- 審判番号
- 2022-700932
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-142099
- 登録番号
- 7039874
- 請求日
- 2022年09月26日
- 審決日
- 2023年06月06日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】凸版印刷株式会社
- 【権利者代理人】廣瀬 一
- 【権利者代理人】宮坂 徹
- 【権利者代理人】田中 秀▲てつ▼
- 【異議申立人】佐藤 惠一
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 茂夫
- 審判官 八木 誠
- 審判官 一ノ瀬 覚
- 分類
- P1651.113-YAA(B32B) / P1651.121-YAA(B32B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7039874号発明「化粧シート」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7039874号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。
特許第7039874号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7039874号の請求項1に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成29年7月21日に出願され、令和4年3月14日に特許が設定登録され、同年3月23日に特許掲載公報が発行された。
本件特許についての特許異議申立人佐藤惠一(以下「申立人」という。)による特許異議の申立ての経緯は、以下のとおりである。
令和4年 9月26日 特許異議の申立て
同年12月 8日付け 取消理由通知書
令和5年 2月 9日 特許権者より意見書・訂正請求書
同年 2月21日付け 申立人に対して訂正請求があった旨の通知
なお、訂正請求があった旨の通知に対して、申立人の応答はなかった。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和5年2月9日の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(なお、下線は訂正箇所である。)。
・訂正事項
特許請求の範囲の請求項1の「樹脂材料として硬化型樹脂を含む表面保護層を備え、上記表面保護層は、銀担持リン酸カルシウムを含み、」と記載されているものを、「樹脂材料として熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂の少なくとも熱硬化型樹脂を含む表面保護層を備え、上記熱硬化型樹脂が、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、及びシリコーン系樹脂の少なくとも1種であり、上記表面保護層は、銀担持リン酸カルシウムを含み、」に訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正事項は、訂正前の請求項1の「硬化型樹脂」との事項について、「熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂の少なくとも熱硬化型樹脂」との事項に限定し、「上記熱硬化型樹脂が、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、及びシリコーン系樹脂の少なくとも1種であり」との事項を追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
上記訂正事項は、願書に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)の【0015】の「表面保護層4は、樹脂材料の主成分として、熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂(紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂)の少なくとも1つが用いられる。・・・熱硬化型樹脂としては、特に限定されるものではないが、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂などが好ましく用いられる。これらは単体もしくは混合物として用いてもよい。・・・」に開示されているのは明らかであるから、新規事項を追加するものではない。
3 小括
以上によれば、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。
「【請求項1】
樹脂材料として熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂の少なくとも熱硬化型樹脂を含む表面保護層を備え、
上記熱硬化型樹脂が、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、及びシリコーン系樹脂の少なくとも1種であり、
上記表面保護層は、銀担持リン酸カルシウムを含み、
上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有し、
上記表面保護層に配合された、上記銀担持リン酸カルシウムを構成するリン酸カルシウムが、表面保護層の樹脂材料100質量部に対し、1×10-3質量部以上5質量部以下であり、
上記表面保護層は、上記表面保護層を構成する樹脂材料100質量部に対し、上記硬化型樹脂を70質量部以上含み、
大腸菌、及び黄色ブドウ球菌に対する抗菌性を備えることを特徴とする化粧シート。」
第4 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1に係る特許に対して、令和4年12月8日付けで当審が通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
[取消理由1](新規性)
本件特許の下記請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するから、下記請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
[取消理由2](進歩性)
本件特許の下記請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、下記請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
以下、特許異議申立人提出の各甲号証は、「甲○」ともいう。
記
甲1:特開2008-81884号公報
【取消理由1、2】
・請求項 1
・引用文献 甲1
第5 当審の判断
1 甲号証の記載事項等
(1)甲1について
ア 記載事項
甲1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「【0038】
[表面保護層6:塗工方法]
本発明の表面保護層6の形成においては、まず、重合性モノマーや重合性オリゴマー等の電離放射線硬化性樹脂、銀系抗菌剤、必要に応じてマイクロシリカ及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化性樹脂組成物を調製する。この電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はないが、必要に応じて溶剤を添加してもよい。
このようにして調製された電離放射線硬化性樹脂組成物を、基材の表面に、硬化後の厚さが1~20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する硬化樹脂層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2~20μm程度である。」
「【0042】
[製造方法]
本発明の発泡壁紙は、例えば以下の製造方法によって製造されるが、これによって制限されるものではない。
基材2上に発泡剤、無機充填剤、その他添加剤を必要に応じて含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物のエマルジョン組成物をコンマコーター法にてコーティングして発泡樹脂層3をなし、さらに必要に応じて設けられる非発泡樹脂層4を形成する樹脂組成物をコンマコーター法でコーティングし、その上に絵柄層5を形成するインキ組成物をグラビア印刷により塗工する。ついで、必要に応じて設けられるプライマー層7を形成する樹脂組成物をグラビア印刷により塗工し、次いで、銀系抗菌剤、必要に応じてマイクロシリカ及び各種添加剤が添加された電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工し、電子線を照射して電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化させて表面保護層6を形成する。このようにして得られたシートを、加熱発泡炉を用いて230℃程度で前記発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層3を形成させて、冷却した後、150℃程度まで再加熱してから、前記表面保護層側よりエンボス版が形成された冷却ロールと加圧ロール間を通すことで凹凸模様を形成した後、冷却することで、表面保護層6の最外層側から発泡樹脂層3にかけて凹凸模様を形成した本発明の発泡壁紙を得ることができる。なお、前記のように、非発泡樹脂層及びプライマー層は必要に応じて、所望の層間に設けることができる。
【実施例】
【0043】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例で得られた発泡壁紙について、以下の方法で評価した。
(1)電離放射線硬化性樹脂組成物の変色性の評価 実施例及び比較例で用いる電離放射線硬化性樹脂組成物を30mlの容量のガラス製のサンプルビンに約25mlを注入し、プラスチック製のねじ式蓋で密封し、室温で300ルクスの照度の下に放置した。放置前と放置して48時間後のサンプルビン中の電離放射線硬化性樹脂組成物の色の変化を目視にて確認した。以下の判定基準に基づいて評価した。
○ 全く変化がない
△ 若干の青色への変色はあったが、意匠性に問題なく、実用上問題ない × 著しい変色を生じ、意匠感が損なわれる
(2)抗菌性の評価
実施例及び比較例で得られた発泡壁紙を熱水で処理(95℃、30分間)した後、黄色ブドウ球菌、大腸菌の菌液を1ml滴下し、37℃で24時間培養した。その後、減菌済みのリン酸緩衝液にて菌を洗い出した。この洗い出した緩衝液中の生菌数を、菌数測定用培地を用いて混釈平板法にて測定した。培養条件は37℃、24時間とした。なお、対照として菌液のみの試験も同時に行った。生菌数が多いほど、抗菌性が悪いことを示す。
(3)耐汚染性の評価 JIS K-6902に準拠して、汚染物質として水性ペン(黒)、水性ペン(赤)、赤クレヨン、口紅、ホワイトボードマーカー、油性マジックを、各実施例及び比較例で得られた発泡壁紙に付着させて、24時間後に柔らかい布(ガーゼ)で乾拭きを行い、汚染物の残存具体の評価を目視にて行った。判定基準を以下のようにして評価した。
○ 汚染物質が完全に拭取ることができる
△ 汚染物質がわずかに残るが軽微なもので実用上問題ない
× 汚染物質の残りが著しい
(4)施工性
各実施例及び比較例で得られた壁紙から試験片(90cm×150cm)を採取する。採取した試験片の裏面に、糊付け機で塗布量50~300g/m2で接着剤を塗工し、接着剤を塗工した面に空気が触れないように、合わせた状態で180分放置した後、石膏ボードに試験片を重ね貼りし、刷毛で全体を、またローラーでジョイント部を圧着した。目視により試験片の表面の状態を下記の評価基準にて評価した。
○ 表面が傷つかない
△ 表面に多少の傷がつくが、製品としては問題ない
× 表面の傷が著しく、製品としては不良
(5)耐傷付性
日本ビニル工業界による表面強化商品性能表示(平成9年1月1日実施日)に記載される方法に従い、耐傷付性を評価した。
各実施例及び比較例で得られた壁紙の各端部から10cm内側より標準的な箇所から5ピースの試験片(25mm×250mm)を採取する。採取した試験片を温度15~30℃、相対湿度65±20%の条件下で24時間以上放置し、JIS L 0823に規定される摩擦試験機II(荷重200g)を用いて、移行距離120mmの間を毎分30回の往復運動で5回運動させて、目視により傷付き程度を下記の評価基準にて評価した。
○ 5級(変化なし)
△ 4級(表面に少し変化あり)
× 3級(表面が破けてビニル層が見える)
(6)凹凸模様(エンボス賦型性)の評価
各実施例及び比較例で得られた壁紙の凹凸模様の評価を目視にて行った。判定基準を以下のようにして評価した。
○ 凹凸模様がシャープであり、意匠性に優れる
△ 凹凸模様がシャープではない箇所も見受けられるが、問題ない
× 凹凸模様に著しいむらがある
(7)クラック発生の評価 各実施例及び比較例で得られた壁紙のクラック発生の評価を目視にて行った。判定基準を以下のようにして評価した。
○ クラックが発生しない
△ クラックが発生する箇所も見受けられるが、実用上問題ない
× クラックが著しく発生する
【0044】
実施例1
基材2として、米秤量65g/m2の壁紙用裏打紙(日本製紙(株)製、商品名:NI-65A)を用い、該基材上に下記の組成で発泡樹脂組成物を作製して、該組成物を押し出し法により製膜して発泡樹脂層を形成し、さらにアクリル系樹脂をバインダーとし、無機顔料を着色剤とするインキ組成物を用いて、塗工量3.0g/m2のグラビア印刷にて施して絵柄層5を形成した。
絵柄層5の上にウレタン-アクリル共重合体樹脂を塗工量2.0g/m2のグラビア印刷でプライマー層7を形成し、その上に下記組成の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工量2.0g/m2でグラビアダイレクトコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させて表面保護層6を形成した。
このようにして得られたシートを、加熱発泡炉を用いて230℃で発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層3を形成させた後、エンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をして、表面に凹凸模様を有する発泡壁紙を得た。
発泡樹脂組成物 組成
エチレン-酢酸ビニル系共重合体(三井デュポンケミカル(株)製、商品名:エバフレックスV406):90質量部
炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:ホワイトンH):40質量部
石油系樹脂軟化改質剤(荒川化学工業(株)製、商品名:アルコンR-100):10質量部
発泡剤(大塚化学製、商品名:ユニフォームAZウルトラ):4質量部
酸化チタン(無機充填剤)(デュポン製、商品名:タイピュアR-108):20質量部
光安定剤(アデカアーガス化学製、商品名:O-1305):5質量部
分散剤(大協化成工業(株)製、商品名:MFX-50E):3質量部
架橋剤(JSR(株)製、商品名:オブスターJVA-702):1質量部
電離放射線硬化性樹脂組成物 組成
3官能ウレタンオリゴマー:70質量部 2官能ウレタンオリゴマー:30質量部
シリカ(平均粒径約3~4μm):8質量部
シリコーンメタクリレート:3質量部
銀系抗菌剤(東亜合成化学社製、商品名:ノバロンAG-300、銀イオン担持リン酸塩系担体、銀イオン担持量2.5質量%、平均粒径2μm):1質量部 耐候剤:1質量部
【0045】
実施例2
電離放射線硬化性樹脂組成物に添加する抗菌剤を、銀系抗菌剤(新東Vセラックス社製、商品名:抗菌セラミックス、銀イオン担持アパタイト系担体、銀イオン担持量3質量%、平均粒径2.2μm)を3質量部とする以外は実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。」
「【0056】
【表1】
[図:0001401654000001.jpg]
」
【図1】
[図:0001401654000002.jpg]
イ 甲1発明
甲1(【0038】、【0043】~【0045】、表1等参照。)には、特に実施例2の実施態様に基づき、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「3官能ウレタンオリゴマー70質量部と2官能ウレタンオリゴマー30質量部と銀イオン担持アパタイト担体である銀系抗菌剤3質量部を含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層6を備え、
表面保護層6の厚さは、2~20μmであり、
銀イオン担持アパタイト担体である銀系抗菌剤は、平均粒径が2.2μmであり、銀イオン担持量3質量%であり、
黄色ブドウ球菌、及び、大腸菌に対する抗菌性を有する発泡壁紙。」
2 対比
本件発明と甲1発明を対比すると、その機能や構造からみて、後者の「3官能ウレタンオリゴマー」及び「2官能ウレタンオリゴマー」は、前者の「樹脂材料」に相当し、以下同様に、「3官能ウレタンオリゴマー70質量部と2官能ウレタンオリゴマー30質量部」は「樹脂材料100質量部」に、「銀イオン担持アパタイト担体である銀系抗菌剤」は「銀担持リン酸カルシウム」に、「表面保護層6」は「表面保護層」に、「平均粒径」は「平均粒子径」に、「表面保護層6の厚さ」は「表面保護層の膜厚」に、「発泡壁紙」は「化粧シート」に、それぞれ相当する。
後者の「3官能ウレタンオリゴマー70質量部と2官能ウレタンオリゴマー30質量部」「を含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層6を備え」ることは、前者の「樹脂材料として熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂の少なくとも熱硬化型樹脂を含む表面保護層を備え」ることと、「樹脂材料として硬化型樹脂を含む表面保護層を備え」る点で共通する。
後者の「表面保護層6の厚さは、2~20μmであ」ること及び「銀イオン担持アパタイト担体である銀系抗菌剤は、平均粒径が2.2μmであ」ることは、(上記銀系抗菌剤の平均粒径)/(表面保護層6の厚さ)が、0.11~1.1となることから、前者の「上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有」することに相当する。
後者の「3官能ウレタンオリゴマー70質量部と2官能ウレタンオリゴマー30質量部と銀イオン担持アパタイト担体である銀系抗菌剤3質量部を含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層6」、及び、「銀イオン担持アパタイト担体である銀系抗菌剤は、」「銀イオン担持量3質量%であ」ることは、表面保護層6が上記銀系抗菌剤の銀を除く成分(前者の「リン酸カルシウム」に相当。)を3×0.97=2.91(質量部)含むことであるから、前者の「上記表面保護層に配合された、上記銀担持リン酸カルシウムを構成するリン酸カルシウムが、表面保護層の樹脂材料100質量部に対し、1×10-3質量部以上5質量部以下であ」ることに相当する。
後者の「表面保護層6」は、樹脂として、3官能ウレタンオリゴマーと2官能ウレタンオリゴマーのみ備えるものであるから、後者の「3官能ウレタンオリゴマー70質量部と2官能ウレタンオリゴマー30質量部」「を含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層6を備え」ることは、前者の「上記表面保護層は、上記表面保護層を構成する樹脂材料100質量部に対し、上記硬化型樹脂を70質量部以上含」むことにも相当する。
後者の「黄色ブドウ球菌、及び、大腸菌に対する抗菌性を有する」ことは、前者の「大腸菌、及び黄色ブドウ球菌に対する抗菌性を備える」ことに相当する。
そうすると、本件発明と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「樹脂材料として硬化型樹脂を含む表面保護層を備え、
上記表面保護層は、銀担持リン酸カルシウムを含み、
上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有し、
上記表面保護層に配合された、上記銀担持リン酸カルシウムを構成するリン酸カルシウムが、表面保護層の樹脂材料100質量部に対し、1×10-3質量部以上5質量部以下であり、
上記表面保護層は、上記表面保護層を構成する樹脂材料100質量部に対し、上記硬化型樹脂を70質量部以上含み、
大腸菌、及び黄色ブドウ球菌に対する抗菌性を備えることを特徴とする化粧シート。」
<相違点>
樹脂材料として硬化型樹脂を含む表面保護層を備えることについて、本件発明では、「樹脂材料として熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂の少なくとも熱硬化型樹脂を含む表面保護層を備え」、「上記熱硬化型樹脂が、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、及びシリコーン系樹脂の少なくとも1種」であるのに対し、甲1発明では、「3官能ウレタンオリゴマー70質量部と2官能ウレタンオリゴマー30質量部」「を含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層6を備え」、表面保護層6は熱硬化型樹脂を含まない点。
3 相違点についての判断
(1)新規性について
上記相違点は実質的な相違点であるから、本件発明は甲1発明ではない。
(2)進歩性について
甲1には、表面保護層6を熱硬化型樹脂にすることについては何ら記載されておらず、示唆もない。
そして、甲1には、表面保護層6の下側に発泡樹脂層3が設けられること(図1等参照)が記載され、電子線を照射して硬化することにより表面保護層6を形成し、その後、加熱発泡炉で加熱することで発泡樹脂層3を形成し、冷却した後再加熱してから、ローラによって表面保護層6の最外層側からエンボス加工を行うこと(【0042】)が記載されていることからすると、表面保護層6を加熱により硬化する熱硬化型樹脂とした場合、表面保護層6の形成後に加熱発泡炉で発泡させる発泡樹脂層3は、表面保護層6の熱硬化型樹脂を硬化させるための熱を、加熱発泡炉での加熱の前に受けることになり望ましくないから、表面保護層6を熱硬化型樹脂で形成することには阻害要因があるといえる
よって、甲1発明において、上記相違点に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
4 小括
以上によれば、本件発明は、甲1発明ではなく、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由の内容
申立人は、特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件訂正前発明」という。)について、以下の(1)~(5)を主張する。
(1)特許異議申立理由1
本件特許の審査段階における令和3年5月17日の手続補正(以下「第1補正」という。)、及び、審判請求時の令和3年12月27日の手続補正(以下「第2補正」という。)は、いずれも請求項1について補正するものであるところ、第1、第2補正はいずれも願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、請求項1に係る特許は、特許法第17条の2第3項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
(2)特許異議申立理由2
本件訂正前発明は、明確ではないから、請求項1に係る特許は、同法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
(3)特許異議申立理由3
本件訂正前発明は、発明の詳細な説明に記載された発明ではないから、請求項1に係る特許は、同法第36条第6項第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
(4)特許異議申立理由4
本件訂正前発明は、甲2に記載された発明であり、同法第29条第1項第3号に該当するものであり、請求項1に係る特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、また、本件訂正前発明は、甲2に記載された発明及び甲1、甲11~16に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
(5)特許異議申立理由5
本件訂正前発明は、甲3に記載された発明であり、同法第29条第1項第3号に該当するものであるから、請求項1に係る特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、また、本件訂正前発明は、甲3に記載された発明及び甲1、甲11~16に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
2 特許異議申立理由についての判断
(1)特許異議申立理由1
ア 申立人の主張
申立人は、特許異議申立書において、下記(ア)に示すように、第1補正は当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、下記(イ)に示すように、第2補正は当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない旨主張する(下記(ア)は、特に、19ページ6行~最終行、下記(イ)は、20ページ1行~22ページ11行参照。)。
(ア)第1補正により補正された請求項1の「上記酸化還元補助化合物は、リン酸カルシウム中に担持された銀である」との事項では、リン酸カルシウム中に銀が存在することになるが、そのようなことは、当初明細書等には何ら記載されていないから、第1補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(イ)第2補正により補正された請求項1には、「上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有し」と記載されている。銀担持リン酸カルシウムの径はリン酸カルシウムの径とは異なることは明らかであるところ、当初明細書等には、「上記リン酸塩化合物の平均粒子径をA、上記表面保護層の膜厚をBとした場合、0.1<(A/B)の関係を有する。」(【0006】)、「リン酸塩化合物の平均粒子径をA、上記表面保護層の膜厚をBとした場合、0.1<(A/B)である実施例1の場合が一番、抗菌性効果が高かったことが分かる。」(【0028】)と記載されているが、請求項1の上記記載については、当初明細書等には何ら記載されていないから、第2補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
イ 判断
(ア)上記ア(ア)について
上記第3に示したように、本件発明は、もはや第1補正により補正された請求項1の「上記酸化還元補助化合物は、リン酸カルシウム中に担持された銀である」との事項を含んでおらず、特許法第17条の2第3項の規定を違反してされたものではない。
(イ)上記ア(イ)について
上記第3に示したように、本件発明は、第2補正により補正された請求項1の「上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有し」と事項を含むものである。
そして、当初明細書等には、実施例1に関して、「更にこの上に、抗菌剤として銀担持リン酸カルシウム(平均粒子径2.0μm)を0.2質量部添加したウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を表面保護層として6.0μm設けることにより、実施例1の化粧シートを作製した。」(【0024】)と記載されており、上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をA、上記表面保護層の膜厚をBとすれば、当初明細書等に記載の表1の「粒子径/膜厚」の欄の値と整合することを勘案すると、当初明細書等の【0028】の「リン酸塩化合物の平均粒子径をA、上記表面保護層の膜厚をBとした場合」は、上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をA、上記表面保護層をBとした場合を表すと解するのが相当である。
そうすると、第2補正により補正された請求項1の「上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有し」と事項は、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものであるから、第2補正に関して、本件発明は、同法第17条の2第3項の規定に違反してされたものではない。
ウ 小括
以上によれば、本件発明は、同法第17条の2第3項の規定を満たすものであるから、特許異議申立理由1は成り立たない。
(2)特許異議申立理由2
ア 申立人の主張
申立人は、特許異議申立書において、下記(ア)、(イ)に示すように、本件訂正前発明は不明確である旨主張する(下記(ア)は、23ページ20行~27ページ最終行、下記(イ)は、28ページ8行~30行下から8行参照。)。
(ア)本件訂正前発明の「銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径」について、甲6に示されるように、平均粒子径については様々な種類の定義があるところ、本件明細書等には、明確な定義は記載されておらず、【0016】には平均粒子径に関する記載はあるが、リン酸塩化合物についてであり、銀担持リン酸カルシウムについてではないから、上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径は不明確であり、本件訂正前発明は不明確である。
(イ)請求項1には、「リン酸カルシウム」と記載されているところ、リン酸カルシウムは、広義にはカルシウムイオンとリン酸イオン又は二リン酸イオンからなる塩の総称であり、他方、狭義にはリン酸三カルシウムを指すことから、様々な定義があり、本件明細書等にはリン酸カルシウムの定義は見いだせず、リン酸カルシウムにはどの物質が含まれるのか不明確であるから、本件訂正前発明は不明確である。
イ 判断
(ア)上記ア(ア)について
甲1の【0044】に、「銀系抗菌剤(東亜合成化学社製・・・平均粒径2μm):1質量部」と記載されるように、表面の保護層に含有される粒子について、「平均粒子径」との記載で当業者は理解でき、明確である。
また、本件明細書等の【0016】には、「また、リン酸塩化合物は平均粒子径で0.1~20μmであることが好ましい。粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定機を用いて測定できる。その粒度分布より平均粒子径が算出できる。」と記載されており、レーザー回折式粒度分布測定器は銀担持リン酸カルシウムに適用できない理由はないことを勘案すると、上記記載から、当業者であれば、銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径も算出できるものと認められるから、この点からも、本件発明の「銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径」は明確である。
(イ)上記ア(イ)について
本件明細書等全体を参照しても、本件発明において、「リン酸カルシウム」について、あえて狭義な定義にする必要があるとは認められず、狭義な定義にする必要性を示す技術常識があると認めるに足る証拠もないことから、本件発明の「銀担持リン酸カルシウム」は、銀を担持したリン酸カルシウムを全て含むと解するのが相当であり、本件発明において、「リン酸カルシウム」について不明確な点があるとは認められない。
ウ 小括
以上によれば、本件発明は明確であるから、特許異議申立理由2は成り立たない。
(3)特許異議申立理由3
ア 申立人の主張
申立人は、特許異議申立書において、下記(ア)、(イ)に示すように、本件訂正前発明は発明の詳細な説明に記載されたものではない(下記(ア)は、33ページ6行~36ページ14行、下記(イ)は、36ページ17行~38ページ18行参照。)
(ア)本件訂正前発明の「上記表面保護層に配合された、上記銀担持リン酸カルシウムを構成するリン酸カルシウムが、表面保護層の樹脂材料100質量部に対し、1×10-3質量部以上5質量部以下であり」との構成は、担体であるリン酸カルシウムの配合割合のみを規定しており、担持されている銀の量について全く規定していないことを勘案すると、本件明細書等の発明の詳細に記載の「光(紫外線)を必要とせず、長時間にわたって細菌に対して浄化機能を有する化粧シートを提供することを目的とする。」(【0005】)との課題を解決できると、当業者が発明の詳細な説明の記載から認識できる範囲のものであるとは認められないから、本件訂正前発明は発明の詳細な説明に記載されたものではない。
(イ)本件訂正前発明の「上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有し」との構成について、本件明細書等の発明の詳細な説明には何ら記載されておらず、該構成による効果があるとも認められないから、本件訂正前発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。
イ 判断
(ア)上記ア(ア)について
本件発明の「上記表面保護層に配合された、上記銀担持リン酸カルシウムを構成するリン酸カルシウムが、表面保護層の樹脂材料100質量部に対し、1×10-3質量部以上5質量部以下であり」との構成については、発明の詳細な説明の「リン酸塩は、表面保護層4の樹脂材料100質量部に対し、1×10-3質量部以上5質量部以下の範囲で配合されていることが好ましい。」(【0016】)との記載に基づくものと認められる。
そして、本件発明において、銀の量は、銀担持リン酸カルシウムを構成するリン酸カルシウムの量に応じて増減することは明らかであり、また、本件明細書等の発明の詳細な説明の「リン酸塩化合物は、たばこやペットなどが原因の悪臭を分解できるため、高い消臭性を発揮する。特に、菌に関しては、菌を死滅するだけではなく、その死骸や菌が出す毒素も分解できるため、高い抗菌性を発揮する。」(【0005】)との記載から、リン酸カルシウム自体による抗菌性についての効果も認められるから、申立人の上記主張は当を得たものとはいえず、採用することはできない。
(イ)上記ア(イ)について
本件発明の「上記銀担持リン酸カルシウムの平均粒子径をAμm、上記表面保護層の膜厚をBμmとした場合、0.1<(A/B)の関係を有し」との構成については、上記(1)イで説示したように、本件明細書等の発明の詳細な説明の【0024】、【0027】、【0028】等に記載されたものであり、表1等をみれば、上記構成に基づく効果があることも当業者にとっては明らかであるから、申立人の上記主張は当を得たものとはいえず、採用することはできない。
ウ 小括
以上によれば、本件発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであるから、特許異議申立理由3は成り立たない。
(4)特許異議申立理由4、5
ア 申立人が提出した甲2、3、11~16
甲2:特開平7-108509号公報
甲3:特開平9-123380号公報
甲11:特開平11-34240号公報
甲12:特開平10-157031号公報
甲13:特開平8-216348号公報
甲14:特開2009-66865号公報
甲15:特開平8-325435号公報
甲16:特開平11-277685号公報
イ 判断
本件発明の構成のうち、少なくとも、「上記表面保護層に配合された、上記銀担持リン酸カルシウムを構成するリン酸カルシウムが、表面保護層の樹脂材料100質量部に対し、1×10-3質量部以上5質量部以下であり」との事項については、甲2、3のいずれにも記載されていないから、本件発明は、甲2に記載された発明(以下「甲2発明」という。)でも甲3に記載された発明(以下「甲3発明」という。)でもない。
甲11~16にも、上記事項について記載されていない。
そして、甲1発明は、上記「第5 2」で説示したとおり、上記事項に相当する構成を有するものであるところ、甲2発明は、「樹脂コート層」(本件発明の「表面保護層」に相当。)の表面に抗菌性粒子を付着させたもの(甲2の【0018】、【0019】等参照。)であり、甲1発明の「表面保護層6」は銀系抗菌剤を含むものであって、甲2発明の「樹脂コート層」と甲1発明の「表面保護層6」は、構造が異なることから、甲2発明に甲1発明の上記事項に相当する構成を適用する動機付けがあるとは認められず、むしろ、阻害要因があるとさえいえる。
また、甲3発明は、甲3全体を参酌しても、「トップコート層17」(本件発明の「表面保護層」に相当。)が熱硬化型樹脂を備えるものとは認められず、甲3発明に甲1発明を適用しても、本件発明の構成とはならないのは明らかである。
以上によれば、本件発明は、甲2発明でも甲3発明でもなく、甲2発明及び甲1、甲11~16に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、甲3発明及び甲1、甲11~16に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、特許異議申立理由4、5は成り立たない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては、請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700932