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特許異議申立

2022-700244

遊技機

審判番号
2022-700244
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-013933
登録番号
6967539
請求日
2022年03月23日
審決日
2022年12月27日
公報発行日
2023年03月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社三共
  • 【権利者代理人】重信 和男
  • 【権利者代理人】石川 好文
  • 【権利者代理人】林 修身
  • 【権利者代理人】大久保 岳彦
  • 【異議申立人】日本電動式遊技機特許 株式会社
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人武和国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 鉄 豊郎
  • 審判官 村田 泰利
  • 審判官 北川 創
分類
P1651.113-YAA(A63F) / P1651.121-YAA(A63F) / P1651.537-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6967539号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6967539号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める。 特許第6967539号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6967539号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成31年1月30日の特許出願であって、令和3年10月27日に特許の設定登録がなされ、同年11月17日に特許掲載公報が発行され、令和4年3月23日に、特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社(以下「申立人」という。)により本件特許に対し特許異議の申立てがなされ、当審において、同年8月17日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より同年10月19日に意見書及び訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)が提出され、これに対して、申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、申立人から同年11月30日に意見書が提出されたものである。 第2 訂正請求について 1 訂正の内容 本件訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである。なお、下線は、訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 本件特許の特許請求の範囲の請求項1(以下「訂正前の請求項1」という。)の 「前記演出用識別画像は、第1装飾部と第2装飾部とを含み、」の後に 「前記第1装飾部内に特殊画像を表示可能であり、」を加える。 (2)訂正事項2 訂正前の請求項1に 「前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ、」とあるのを、 「前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するとともに、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ、」に訂正する。 (3)訂正事項3 本件特許の願書に添付した明細書の【0006】に 「手段1に記載の遊技機は、 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、 演出用識別画像(例えば、飾り図柄)による可変表示を行う可変表示演出(例えば、飾り図柄の可変表示)と、可変表示する演出用識別画像の表示態様を段階的に特定段階まで変化可能な変化演出(例えば、図8-17~図8-19に示すように、飾り図柄を第1段階から段階的に第4段階に向けて変化させる図柄変化演出)と、を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が図7に示す演出制御プロセス処理を実行する部分)を備え、 前記変化演出において、演出用識別画像の表示態様が前記特定段階まで変化する場合と、該特定段階となる前の所定段階まで変化する場合とがあり、 前記演出用識別画像は、第1装飾部(例えば、数字表示部261SG501)と第2装飾部(例えば、数字対応キャラクタ表示部261SG500)とを含み、 前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ(例えば、図8-17~図8-19に示すように、図柄変化演出は、数字表示部261SG501を段階的に拡大する一方で、数字対応キャラクタ表示部261SG500を段階的に縮小する部分)、 前記変化演出において、前記特定段階まで変化したときの方が、前記所定段階まで変化したときよりも前記有利状態に制御される割合が高い、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1装飾部を目立たせることができ、変化演出の演出効果を良好に高めることができる。」とあるのを、 「手段1に記載の遊技機は、 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、 演出用識別画像(例えば、飾り図柄)による可変表示を行う可変表示演出(例えば、飾り図柄の可変表示)と、可変表示する演出用識別画像の表示態様を段階的に特定段階まで変化可能な変化演出(例えば、図8-17~図8-19に示すように、飾り図柄を第1段階から段階的に第4段階に向けて変化させる図柄変化演出)と、を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が図7に示す演出制御プロセス処理を実行する部分)を備え、 前記変化演出において、演出用識別画像の表示態様が前記特定段階まで変化する場合と、該特定段階となる前の所定段階まで変化する場合とがあり、 前記演出用識別画像は、第1装飾部(例えば、数字表示部261SG501)と第2装飾部(例えば、数字対応キャラクタ表示部261SG500)とを含み、 前記第1装飾部内に特殊画像を表示可能であり、 前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するとともに、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ(例えば、図8-17~図8-19に示すように、図柄変化演出は、数字表示部261SG501を段階的に拡大する一方で、数字対応キャラクタ表示部261SG500を段階的に縮小する部分)、 前記変化演出において、前記特定段階まで変化したときの方が、前記所定段階まで変化したときよりも前記有利状態に制御される割合が高い、 ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1装飾部を目立たせることができ、変化演出の演出効果を良好に高めることができる。」に訂正する。 2 訂正要件についての検討 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「第1装飾部」がその内部に「特殊画像を表示可能であ」ることを限定する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の【0007】には「手段2に記載の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、前記演出実行手段は、前記変化演出における段階的な変化として、前記第1装飾部の内部に特殊表示を表示する変化を実行可能である(例えば、図8-17~図8-19に示すように、数字表示部261SG501内に浸食キャラクタA~浸食キャラクタCのいずれかを表示可能な部分)ことを特徴としている。」と記載され、【0298】には「また、本特徴部261SGにおいては、図8-17に示すように、数字の表示内部において、第1段階→第2段階→第3段階→第4段階と段階が進むに伴って表示される領域が多くなることによって、あたかも、数字の表示が浸食されているように見える浸食キャラクタが表示されるようになっている。」と記載されており、訂正事項1は、【0007】及び【0298】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 よって、訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項1の「前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ、」を「前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するとともに、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ、」とする訂正であって、訂正前の請求項1の「変化演出」の態様を限定する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 訂正事項2は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること (ア) 本件特許明細書等には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同様。)。 (イ) 「【0007】 手段2に記載の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、 前記演出実行手段は、前記変化演出における段階的な変化として、前記第1装飾部の内部に特殊表示を表示する変化を実行可能である(例えば、図8-17~図8-19に示すように、数字表示部261SG501内に浸食キャラクタA~浸食キャラクタCのいずれかを表示可能な部分) ことを特徴としている。・・・」 (ウ) 「【0296】 つまり、数字対応キャラクタの大きさは、第1段階→第2段階→第3段階→第4段階と段階が進むに伴って順次小さくなっていくのに対し、数字の大きさは、第1段階→第2段階→第3段階→第4段階と段階が進むに伴って順次大きくなっていく。」 (エ) 「【0298】 また、本特徴部261SGにおいては、図8?17に示すように、数字の表示内部において、第1段階→第2段階→第3段階→第4段階と段階が進むに伴って表示される領域が多くなることによって、あたかも、数字の表示が浸食されているように見える浸食キャラクタが表示されるようになっている。」 (オ) 「【図8-17】 [図:0001395209000001.jpg] 」 (カ) 「【図8-18】 [図:0001395209000002.jpg] 」 (キ) 「【図8-19】 [図:0001395209000003.jpg] 」 (ク) 上記(イ)~(キ)を参酌すると、数字表示部261SG501の数字(第1装飾部)の表示内部に浸食キャラクラA~C(特殊画像)が表示されるとともに、数字表示部261SG501の数字(第1装飾部)が段階に応じて順次拡大するとともに、数字表示部261SG501の数字(第1装飾部)の拡大に伴って数字表示部261SG501の数字(第1装飾部)の表示内部の浸食キャラクラA~C(特殊画像)が表示される領域が多くなることで、数字表示部261SG501の数字(第1装飾部)の表示内部の浸食キャラクラA~C(特殊画像)が占める割合が増加していく態様が記載されている。 (ケ) また、上記(ク)で検討したように、浸食キャラクタA~C(特殊画像)は第1段階→第2段階→第3段階→第4段階と段階が進むに伴って、浸食キャラクタA~C(特殊画像)が数字表示部SG501の数字(第1装飾部)内で表示される領域が多くなっている、換言すると、第1段階→第2段階→第3段階→第4段階と段階が進むのに対応して数字表示部SG501の数字(第1装飾部)内の浸食キャラクタA~Cが占める割合が段階的に増加していることは明らかであって、【0298】の「あたかも、数字の表示が浸食されているように見える」という記載は、その様子を例えて記載したものである。 そうすると、浸食キャラクタA~Cの「浸食」とは、実際に「キャラクタが数字を削り取っていく様、数字を食べていく様などで、数字がボロボロになっていく」というものではなく、「前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させる」という様子を表したものであると認められる。 (コ) したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等の【0007】、【0296】、【0298】、図8-17~図8-19に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 よって、訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正事項1~2に係る訂正により、訂正前の請求項1における特許請求の範囲の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の【0006】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 訂正事項3は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項3は、訂正事項1~2に係る訂正による訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であり、訂正事項1~2と同様に、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 よって、訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 3 訂正請求についてのまとめ 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 上記第2で検討したとおり、本件訂正は認められ、本件特許の請求項1に係る特許は、本件訂正により訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下「本件訂正発明」という。なお、符号A等は、分説するため当審が付した。)。 「【請求項1】 A 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 演出用識別画像による可変表示を行う可変表示演出と、可変表示する演出用識別画像の表示態様を段階的に特定段階まで変化可能な変化演出と、を実行可能な演出実行手段を備え、 C 前記変化演出において、演出用識別画像の表示態様が前記特定段階まで変化する場合と、該特定段階となる前の所定段階まで変化する場合とがあり、 D 前記演出用識別画像は、第1装飾部と第2装飾部とを含み、 前記第1装飾部内に特殊画像を表示可能であり、 E 前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するとともに、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ、 F 前記変化演出において、前記特定段階まで変化したときの方が、前記所定段階まで変化したときよりも前記有利状態に制御される割合が高い、 G ことを特徴とする遊技機。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 当審において令和4年8月17日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次の(1)~(2)のとおりである。 (1)(新規性) 本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、同法第113条第2号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 (2)(進歩性) 本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同法第113条第2号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 記 甲第2号証:特開2002-315907号公報 2 甲第2号証に記載された発明 甲第2号証には、以下の事項が記載されている。 (1) 「【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、図柄始動手段14と、第1図柄22と第2図柄23とで構成された複数個の遊技図柄21a~21cを変動表示する遊技図柄表示手段13と、前記図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に前記遊技図柄表示手段13の前記遊技図柄21a~21cを所定時間変動させる図柄制御手段43と、前記遊技図柄表示手段13の変動後の前記遊技図柄21a~21cが予め定められた特定態様となることを条件に遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段38とを備えた弾球遊技機において、前記第1図柄22と前記第2図柄23との表示状態を変化させる表示状態制御手段44を備えたものである。」 (2) 「【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1~図8は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。図1において、1は遊技機本体で、外枠2と、この外枠2に開閉自在に枢着された前枠3とを有する。前枠3には、遊技盤4が裏側から着脱自在に装着され、この遊技盤4の前側にガラス扉5と前面板6とが開閉自在に配置されている。前面板6には、発射用の遊技球を貯留する上皿7が装着されている。前枠3の下部には、余剰球を貯留する下皿8と、発射手段9の発射ハンドル10とが設けられている。」 (3) 「【0012】特別図柄21a~21cは、例えば図4に示すように、第1図柄22と第2図柄23とを一組として構成されている。第1図柄22、第2図柄23には数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター、その他の図柄を使用可能であり、この実施形態では第1図柄22に0~9までの10種類(複数種類)の数字図柄が、第2図柄23に遊技機の主題を示す複数種類のキャラクターが使用されている。そして、通常は第1図柄22が大きく、第2図柄23が小さく表示されており、3個の特別図柄21a~21cの内、その2個の特別図柄21a,21cの第1図柄22が同種図柄で概ね停止するリーチ状態の場合に、その第1図柄22、第2図柄23の表示状態が後述のように変化するようになっている。」 (4) 「【0013】特別図柄21a~21cの変動パターンには、例えば図5に示すように特定態様信頼度2%、出現率50%の第1変動パターンと、特定態様信頼度8%、出現率20%の第2変動パターンと、特定態様信頼度12%、出現率18%の第3変動パターンと、特定態様信頼度25%、出現率10%の第4変動パターンと、特定態様信頼度40%、出現率2%の第5変動パターンと、その他の第6変動パターンとがある。」 (5) 「【0037】この特別図柄制御手段43は、特別図柄21a~21cの第1図柄22と第2図柄23との表示状態を変化させる表示状態制御手段44を備えている。表示状態制御手段44は、図柄データ記憶手段42の表示変化データを読み出して特別図柄21a~21cの第1図柄22と第2図柄23との表示状態を変化させるためのもので、予め第1図柄22と第2図柄23との一方を大きく表示しておき、その後の変動表示中に一方を小さくし、他方を大きくする等、変動後の特別図柄21a~21cが特定態様となる信頼度の違いに応じて、第1図柄22、第2図柄23の表示状態を変化させる機能を有する。」 (6) 「【0040】なお、表示状態制御手段44は、信頼度に応じて第1図柄22、第2図柄23の大きさが変化するときの変化の度合いを変えて、信頼度が高くなるほど、変化後に大きくなる方の図柄の大きさが、信頼度の低いときよりも大きくなるように変化させても良い。」 (7) 「【0050】即ち、リーチ状態になった時点では、図4(A)に示すように第1図柄22が大きく表示され、第2図柄23が小さく表示されている。この表示状態から、表示状態制御手段44の制御により、図4(B)に示すように第1図柄22が小さくなり、第2図柄23が大きくなりながら矢印方向へと移動して、図4(C)に示すように図柄表示部20a~20cの左側に第2図柄23が大きく表示され、その第2図柄23の右下に第1図柄22が小さく表示される。」 (8) 「【図4】 [図:0001395209000004.jpg] 」 (9) 甲第2号証の図4(A)、(B)、(C)より、「第1図柄22が段階的に小さくなり、それに伴い第2図柄23が段階的に大きくなる」点がみてとれる(以下「認定事項1」という。)。 (10) 甲第2号証の図4(A)、(B)、(C)より、「第2図柄23の外縁はキャラクターの顔の輪郭を表したものであり、第2図柄23内にキャラクターの目、鼻、口に対応する画像を表示している」点がみてとれる(以下「認定事項2」という。)。 (11) 甲第2号証の図4(A)、(B)、(C)より、「第2図柄23の段階的な拡大に対応して第2図柄23内にキャラクターの目、鼻、口に対応する画像が段階的に拡大する」点がみてとれる(以下「認定事項3」という。)。 (12) 甲第2号証の図4(A)、(B)、(C)より、「キャラクターの目、鼻、口に対応する画像が第2図柄23の段階的な拡大に伴い、同時に拡大しており、キャラクターの目、鼻、口に対応する画像の拡大倍率は第2図柄23の拡大倍率と同一である」点がみてれる(以下「認定事項4」という。)。 (13) そうすると、上記(1)~(12)より、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている(a~gの符号は、本件訂正発明の分説A~Gに対応させて付与した。)。 甲2発明 「a 変動後の遊技図柄21a~21cが予め定められた特定態様となることを条件に遊技者に有利な利益状態を発生させる(【0007】)遊技機であって(【0008】)、 d 遊技図柄21a~21cは、0~9までの10種類(複数種類)の数字図柄である第1図柄22と遊技機の主題を示す複数種類のキャラクターが使用されている第2図柄23とで構成され(【0012】)、第2図柄23の外縁はキャラクターの顔の輪郭を表したものであり、第2図柄23内にキャラクターの目、鼻、口に対応する画像を表示し(認定事項2)、 b、e’ 第1図柄22と第2図柄23とで構成された複数個の遊技図柄21a~21cを変動表示し(【0007】)、表示状態制御手段44は、リーチ状態になった時点では、第1図柄22が大きく表示され、第2図柄23が小さく表示され、この表示状態から、第1図柄22が段階的に小さくなり、それに伴い第2図柄23が段階的に大きくなり、第2図柄23の段階的な拡大に対応して第2図柄23内にキャラクターの目、鼻、口に対応する画像が段階的に拡大するように制御を行い(【0050】、認定事項1、認定事項3)、キャラクターの目、鼻、口に対応する画像が第2図柄23の段階的な拡大に伴い、同時に拡大しており、キャラクターの目、鼻、口に対応する画像の拡大倍率は第2図柄23の拡大倍率と同一であり(認定事項4)、 c、f 表示状態制御手段44は、変動後の特別図柄21a~21cが特定態様となる信頼度(【0037】)が高くなるほど、変化後に大きくなる方の図柄の大きさが、信頼度の低いときよりも大きくなるように変化させ(【0040】)、特別図柄21a~21cの変動パターンには、特定態様信頼度2%、出現率50%の第1変動パターンと、特定態様信頼度8%、出現率20%の第2変動パターンと、特定態様信頼度12%、出現率18%の第3変動パターンと、特定態様信頼度25%、出現率10%の第4変動パターンと、特定態様信頼度40%、出現率2%の第5変動パターンと、その他の第6変動パターンとがある(【0013】) g 遊技機(【0008】)。」 3 対比 本件訂正発明と甲2発明とを、分説に従い対比する。 (1)甲2発明の「変動後の遊技図柄21a~21cが予め定められた特定態様となることを条件に遊技者に有利な利益状態を発生させる」及び「遊技機」は、それぞれ本件訂正発明の「遊技者にとって有利な有利状態に制御可能」及び「遊技機」に相当する。 そうすると、甲2発明の構成a、gは、それぞれ本件訂正発明の特定事項A、Gに相当する。 (2)甲2発明の「複数個の遊技図柄21a~21c」及び「変動表示」は、それぞれ本件訂正発明の「演出用識別画像」及び「可変表示」に相当するので、甲2発明の構成b、e’において、「可変表示演出」が行われていることは明らかである。 そして、甲2発明の「リーチ状態になった時点」の「第1図柄22」、「第2図柄23」は、「リーチ状態」とは「変動表示」中の時点であることは明らかであるので、本件訂正発明における「可変表示する演出用識別画像」に相当し、甲2発明の構成b、eにおいては、「第1図柄が段階的に小さくなり」、「第2図柄23が段階的に大きくなるように制御」されていることから、本件訂正発明の「可変表示する演出用識別画像の表示態様を段階的に特定段階まで変化可能な変化演出」が行われていることは明らかである。 また、甲2発明の「表示状態制御手段44」は、本件訂正発明の「演出制御実行手段」に相当する。 そうすると、甲2発明の構成b、e’は、本件訂正発明の特定事項Bを備えている。 (3)甲2発明の構成c、fにおいて、「第1図柄22」、「第2図柄23」は「変動後の特別図柄21a~21cが特定態様となる信頼度が高くなるほど、変化後に大きくなる方の図柄の大きさが、信頼度の低いときよりも大きくなるように変化」しており、「特別図柄21a~21cの変動パターンには、特定態様信頼度2%、出現率50%の第1変動パターンと、特定態様信頼度8%、出現率20%の第2変動パターンと、特定態様信頼度12%、出現率18%の第3変動パターンと、特定態様信頼度25%、出現率10%の第4変動パターンと、特定態様信頼度40%、出現率2%の第5変動パターンと、その他の第6変動パターンとがあ」り、「特定態様信頼度」に応じた複数の「変動パターン」が存在することから、「信頼度」に応じた大きさに「第1図柄22」、「第2図柄23」が「変化し」ていることは明らかである。そうすると、甲2発明の構成c、fは、本件訂正発明の「演出用識別画像の表示態様が前記特定段階まで変化する場合と、該特定段階となる前の所定段階まで変化する場合と」を備えているといえる。 したがって、甲2発明のc、fは、本件訂正発明の特定事項Cを備えている。 (4) 甲2発明の「遊技機の主題を示す複数種類のキャラクターが使用されている第2図柄23」及び「0~9までの10種類(複数種類)の数字図柄である第1図柄22」は、それぞれ本件訂正発明の「第1装飾部」及び「第2装飾部」に相当する。 そして、甲2発明の「第2図柄23内に」「表示」される「キャラクターの目、鼻、口に対応する画像」は、本件訂正発明の「特殊画像」に相当する。 そうすると、甲2発明の構成dは、本件訂正発明の特定事項Dに相当する。 (5) 上記(2)で検討したとおり、甲2発明の構成b、e’において、「リーチ状態になった時点では、第1図柄22が大きく表示され、第2図柄23が小さく表示され、この表示状態から、表示状態制御手段44の制御により、第1図柄22が段階的に小さくなり、第2図柄23が段階的に大きくなるように制御を行」っていることから、本件訂正発明の「前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ」ていることは明らかである。 そうすると、甲2発明の構成b、e’と本件訂正発明の構成Eとは、「前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大する」「ように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ」る点で共通する。 (6) 上記(3)で検討したとおり、甲2発明の構成c、fは、本件訂正発明の「演出用識別画像の表示態様が前記特定段階まで変化する場合と、該特定段階となる前の所定段階まで変化する場合と」を備えており、甲2発明の構成c、fにおける「特定態様」は、甲2発明の構成aにて「変動後の遊技図柄21a~21cが予め定められた特定態様となることを条件に遊技者に有利な利益状態を発生させる」ものであるので、甲2発明の「遊技者に有利な利益状態を発生させる」「変動後の遊技図柄21a~21cが予め定められた特定態様となる信頼度が高くなるほど、変化後に大きくなる方の図柄の大きさが、信頼度の低いときよりも大きくなるように変化させ」ることは、本件訂正発明の「前記特定段階まで変化したときの方が、前記所定段階まで変化したときよりも前記有利状態に制御される割合が高い」を備えているといえる。 そうすると、甲2発明のc、fは、本件訂正発明の特定事項Fを備える。 (7) 上記(1)~(6)によれば、本件訂正発明と甲2発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。 [一致点] 「A 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 演出用識別画像による可変表示を行う可変表示演出と、可変表示する演出用識別画像の表示態様を段階的に特定段階まで変化可能な変化演出と、を実行可能な演出実行手段を備え、 C 前記変化演出において、演出用識別画像の表示態様が前記特定段階まで変化する場合と、該特定段階となる前の所定段階まで変化する場合とがあり、 D 前記演出用識別画像は、第1装飾部と第2装飾部とを含み、 前記第1装飾部内に特殊画像を表示可能であり、 E’ 前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ、 F 前記変化演出において、前記特定段階まで変化したときの方が、前記所定段階まで変化したときよりも前記有利状態に制御される割合が高い、 G 遊技機。」 [相違点1](構成E) 「変化演出」において、 本件訂正発明では、「該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させ」るのに対して、 甲2発明では、第2図柄23(第1装飾部)の段階的な拡大に対応して第2図柄23内にキャラクターの目、鼻、口に対応する画像(特殊画像)が段階的に拡大しているものの、キャラクターの目、鼻、口に対応する画像(特殊画像)の拡大倍率は第2図柄23(第1装飾部)の拡大倍率と同一であり、第2図柄23(第1装飾部)内に占める割合は増加していない点。 4 判断 甲2発明において、「キャラクターの目、鼻、口に対応する画像が第2図柄23の段階的な拡大に伴い、同時に拡大しており、キャラクターの目、鼻、口に対応する画像の拡大倍率は第2図柄23の拡大倍率と同一であ」って、「第2図柄23の外縁はキャラクターの顔の輪郭を表したものであり」、「キャラクターの目、鼻、口に対応する画像」(特殊画像)の拡大倍率は顔の輪郭である「第2図柄」(第1装飾部)の拡大倍率と同一となるように構成されているところ、顔のパーツである「キャラクターの目、鼻、口に対応する画像」(特殊画像)の拡大倍率を、顔の輪郭である「第2図柄23」(第1装飾部)の拡大倍率よりも大きくする動機がない。 また、本件訂正発明の「第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させ」る態様が周知であるともいえない。 そうすると、甲2発明の「キャラクターの目、鼻、口に対応する画像が第2図柄23の段階的な拡大に伴い、同時に拡大しており、キャラクターの目、鼻、口に対応する画像の拡大倍率は第2図柄23の拡大倍率と同一であ」る態様を、顔のパーツである「キャラクターの目、鼻、口に対応する画像」(特殊画像)の拡大倍率を、顔の輪郭である「第2図柄23」(第1装飾部)の拡大倍率よりも大きくする態様、すなわち、「第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させ」る態様となすことは、当業者が容易に想到できたものではない。 よって、本件訂正発明は、甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるとはいえない。 5 令和4年11月30日に提出された意見書における申立人の主張について (1)申立人は、令和4年11月30日に提出された意見書において、以下の旨を主張する。 「段落0336に「飾り図柄の態様が第1段階から第2段階、第3段階、第4段階と変化する毎に数字表示部261SG501を浸食キャラクタAが浸食していく。」と記載があり、段落342には、「数字表示部261SG501を段階的に拡大していくにつれて該数字表示部261SG501を浸食キャラクタA~浸食キャラクタCが浸食していくように見せることができる」と、記載がある。 ここに記載されている「浸食」は、アニメやゲームにおいては、「キャラクタが何かを取り込んでいく、壊していく、削り取っていく、食べていく」のような意味で使われる場合があるが、その場合は、「侵食」という漢字が使用されている。 そして、図8-17~図8-19を確認しても、キャラクタが数字を削り取っていく様、数字を食べていく様などで、数字がボロボロになっていくような図は見当たらない。よって、この「浸食」について「前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させる」を意味するとは言えない。 ・・・ 以上から、訂正事項2で追加された構成の中の「前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させる」は願書に添付した明細書等に記載されていないものである。 したがって、本件訂正発明における訂正は、上記のとおり、明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した範囲内においてしたものでない。」 (2)申立人の上記主張については、上記第2 2(2)ウで検討したように、本件訂正発明の構成Dの「前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させる」という訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、申立人の主張は採用できない。 第5 令和4年8月17日付けで通知された取消理由において採用しなかった特許異議申立て理由について 1 取消理由において通知しなかった申立人の申立ての理由 取消理由において通知した理由の他に、申立人が異議申立書の「(4-1)理由1 (進歩性)について」及び「(4-2)理由2 (サポート要件)について」において主張された理由についてそれぞれ検討する。 (1) 「(4-1)理由1 (進歩性)について」について ア 申立人は、特許異議申立書の「(4-1)理由1 (進歩性)について」において、以下を主張する。 「甲第1号証(特開2016-7365号公報)には、以下の記載がある。 ・・・ 以上を踏まえると、甲第1号証には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているということができる。 a 遊技者に有利な大当たりを実行することが可能な遊技機1であって(段落0019、段落0025、図1)、 b 演出用図柄(識別図柄20、付随図柄30)による変動表示を行う演出と、演出用図柄(付随図柄30)の形態を段階的にレベル3まで変化可能な演出と、を実行可能な演出実行手段を備え(段落0025~段落0030、図2)、 c 演出用図柄(付随図柄30)の形態がレベル3まで変化可能な演出において、演出用図柄(付随図柄30)の形態のレベルがLv3となるまで変化する場合と、演出用図柄(付随図柄30)の形態のレベルがLv3となる前のLv2まで変化する場合と、があり(段落0027、段落0033、段落0034、図2、図3、図4)、 d 演出用図柄(識別図柄20、付随図柄30)は、付随図柄30と識別図柄20とを含み(段落0026、図2)、 e 演出実行手段は、演出用図柄(付随図柄30)の形態がレベル3まで変化可能な演出において、付随図柄30が段階的に拡大するように変化させ(段落0027~段落0030、図2)、 f 演出用図柄(付随図柄30)の形態がレベル3まで変化可能な演出において、レベル3まで変化したときの方が、レベル2まで変化したときよりも大当たりに制御される割合が高い(段落0027,段落0032、図2)、ことを特徴とする遊技機1(段落0019、図1)。 ・・・ (C)甲第3号証 甲第3号証(特開2000-217984号公報)には、以下の記載がある。 ・・・ 以上の記載事項、図示内容から、甲第3号証には以下のことが記載されている。 (e)段落0013には、各図柄はキャラクタ図柄FCと、丸い枠で囲まれた数字図柄Fnとを含んでいることが記載されている。 また、段落0016には、各図柄列7乃至9の図柄変動が開始されることが記載されている。 また、段落0061には、数字図柄Fnの拡大表示にともないキャラクタ図柄FCの大きさや表示位置を変更してもよいことが記載されている。また、キャラクタ図柄FCを縮小表示してもよいことが記載されている。 そうすると、これらの段落には、図柄変動するキャラクタ図柄FC、数字図柄Fnの表示態様を変化可能な変化演出において、数字図柄Fnの大きさを拡大するように変化させる一方、数字図柄Fnの拡大に対応してキャラクタ図柄FCの大きさを縮小するように変化させることが記載されているといえる。 以上を踏まえると、甲第3号証には、以下の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されているということができる。 e 図柄変動するキャラクタ図柄FC、数字図柄Fnの表示態様を変化可能な変化演出において、数字図柄Fnの大きさを拡大するように変化させる一方、数字図Fnの拡大に対応してキャラクタ図柄FCの大きさを縮小するように変化させ(段落0013、段落0016、段落0061)、 ・・・ ウ 本件特許発明と甲1発明との対比 ・・・ (e)上記(b)より、甲1発明における「演出用図柄(付随図柄30)の形態がレベル3まで変化可能な演出」は、本件特許発明の「前記変化演出」に相当する。 また、上記(d)より、甲1発明における「付随図柄30」は、本件特許発明の「第1装飾部」に相当する。 したがって、甲1発明における「e 演出実行手段は、演出用図柄(付随図柄30)の形態がレベル3まで変化可能な演出において、付随図柄30が段階的に拡大するように変化させ」は、本件特許発明の構成Eのうち「前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させ」に相当する。しかし、甲1発明は、本件特許発明の構成Eのように「該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ」るか否かが明確でない点で相違する(相違点)。・・・ エ 相違点の検討 本件特許発明の構成Eのように「該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ」ることは、例えば、甲第2号証の段落0039に「図4(A)の表示状態から図4(B)の表示状態を経て、図4(C)に示すように両図柄22,23の位置を入れ換えた後、第2図柄23を大きく表示し、その右下に第1図柄22を小さく表示する表示状態に変化させる機能と、第1図柄22、第2図柄23を図4(C)の表示状態と図4(D)の表示状態とに1回又は複数回拡大、縮小させる機能と、両図柄22,23を元の表示状態に戻す機能等を備えている」ことが記載されており、また、甲第3号証の段落0061に「キャラクタ図柄FCの大きさや位置を変えずに、そのキャラクタ図柄FCの前側で数字図柄Fnを拡大表示したが、この数字図柄Fnの拡大表示にともないキャラクタ図柄FCの大きさや表示位置を変更してもよい。例えば、キャラクタ図柄FCを縮小表示してもよく、さらには、その小さくなったキャラクタ図柄FCを、拡大された数字図柄Fnの端に表示してもよい」ことが記載されているように、周知の技術事項である。 そして、甲第2号証に記載された発明と甲第3号証に記載された発明は遊技機に関する技術である点で甲1発明と共通する。よって、本件特許発明と甲1発明とに相違点があったとしても、甲1発明に上記周知の技術事項を適用して本件特許発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。よって、本件特許発明は甲第1~3号証から容易想到であり、進歩性を有していない。」 イ 判断 上記アに記載された甲1発明と訂正前の請求項1に係る発明(以下「本件発明」)とを対比すると、申立人は異議申立書「ウ 本件特許発明と甲1発明との対比」において、「甲1発明における「e 演出実行手段は、演出用図柄(付随図柄30)の形態がレベル3まで変化可能な演出において、付随図柄30が段階的に拡大するように変化させ」は、本件特許発明の構成Eのうち「前記演出実行手段は、前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させ」に相当する。」と主張しているが、甲第1号証の【0030】には、「レベルが上昇すると、土台図柄32も遊技者が上方から見たような形態に変形していく。つまり、土台図柄32のキャラクタ図柄31が乗っている上面321の見える領域が大きくなっていく。レベル1の土台図柄32では全く見えなかった上面321が、レベル2、レベル3の土台図柄32でははっきりと見える。レベル2よりもレベル3の方が上方から見たような形態であるから、土台図柄32の上面321はレベル2よりもレベル3の方が大きくなるように表示される。」と記載されており、当該記載より、レベルが上昇すると土台図柄32の上面321が大きくなるよう表示されている点は見て取れるが、付随図柄30(第1装飾部)自体が大きくなっているとは言えない。そうすると、甲1発明と本件発明とは、申立人が異議申立書で主張する相違点以外にも、本件発明において、「前記変化演出において、前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するように変化させる」点が相違点となる。 そして、甲1発明は、付随図柄30(第1装飾部)の大きさを段階的に拡大するように変化させる一方、付随図柄30(第1装飾部)の段階的な拡大に対応して識別図柄20(第2装飾部)の大きさを段階的に縮小するように変化させることの特定がないだけでなく、また、そのように構成する動機付けもないから、本件発明は、甲第1~3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たとはいえない。 さらに、甲1発明と本件訂正発明とは、本件訂正発明では、「前記第1装飾部の大きさを段階的に拡大するとともに、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させる一方、該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第2装飾部の大きさを段階的に縮小するように変化させ」ているのに対し、甲1発明では、付随図柄30(第1装飾部)の大きさの段階的な拡大に対応して、識別図柄20(第2装飾部)の大きさを段階的に縮小しておらず、また付随図柄30(第1装飾部)内に特殊画像を有しておらず、そのため付随図柄30(第1装飾部)の段階的な拡大に対応して付随図柄30(第1装飾部)部内の特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させる構成を有していない点で相違する。 甲第2号証には、上記第4 3(7)で検討したとおり、本件訂正発明の「該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させ」る構成は記載されていない。また、甲第3号証においても、数字図柄Fn(第1装飾部)の大きさを拡大するように変化させる一方、数字図Fnの拡大に対応してキャラクタ図柄FC(第2装飾部)の大きさを縮小するように変化させる点は記載されているものの、数字図柄Fn(第1装飾部)内の数字(特殊画像)が数字図柄Fn(第1装飾部)の段階的な拡大に対応して数字図柄Fn(第1装飾部)内の数字(特殊画像)が占める割合を段階的に増加させるように変化させる構成は記載も示唆もされていない。 そうすると、甲第1~3号証のいずれにも、本件訂正発明の「該第1装飾部の段階的な拡大に対応して前記第1装飾部内の前記特殊画像が占める割合を段階的に増加させるように変化させ」る構成が記載されておらず、本件訂正発明は、甲第1~3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たとはいえない。 よって、申立人の上記主張には理由がない。 (2) 「(4-2)理由2 (サポート要件)について」について ア 申立人は、特許異議申立書の「(4-2)理由2(サポート要件)について」において、以下を主張する。 「(ア)「遊技機」の定義について 本件特許発明は「A遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、・・・」、「F・・・遊技機。」という構成を備えているが、本件特許の明細書(以下、本件特許明細書と呼ぶ。)には、遊技機に対応する実施例としてパチンコ遊技機1に適用した実施例以外は記載されていない。一応、本件特許明細書の段落0372には、「所定の遊技が可能な遊技機としてパチンコ遊技機1を例示したが、本発明はこれに限定するものではなく、所定の遊技が可能な遊技機とは、少なくとも所定の遊技を可能であればパチンコ遊技機1の他スロットマシンや一般ゲーム機であってもよい。」旨の記載があるが、スロットマシンや一般ゲーム機に適用した場合の具体的な実施例が記載されているわけでもない。 ・・・ (イ)明細書等の記載について ・・・ 具体的には、本件特許明細書の段落【0372】にスロットマシンや一般ゲーム機に適用しても良い旨の記載があるが、これをもって、遊技機全般にまで拡張又は一般化することはできず、請求項に記載された発明は、完全に明細書等に記載されているということはできない。つまり、詳細な号明の記載から当業者であればスロットマシンや一般ゲーム機に適用することは容易かもしれないが、スロットマシンや一般ゲーム機の実施例が記載されているわけでもないし記載されているに等しいということができない。 そうすると、そのような構成の特定(限定)のない表示画面を用いた演出を主とする遊技機の発明であれば、パチンコ機、スロットマシンの他、各種ゲーム機、例えばアーケードゲーム機、その他の電子ゲーム機、そして最近のソーシャルゲーム等多岐の種類を含むものと解するのは当然である。 だからこそ、基本的に、パチンコ機に限定しようとする発明であれば、発明の構成要件として、パチンコ機固有の構成が必要であり、スロットマシンに限定した発明であればスロットマシン固有の構成が必要となり、また、その両者に適用しようとする発明であれば、共通する上位念の構成を用いて発明を特定し、実施列としてはその両方が記載されることになるというべきである。 よって、本件特許明細書の詳細な説明等にパチンコ遊技機に適用した実施例以外の遊技機、例えば、スロットマシンや各種ゲーム機等の遊技機が記載されていない以上、本件特許発明は、遊技機に関してサポート要件を満たしていないといえる。 (ウ)まとめ 上記(ア)及び(イ)で検討したように、本件特許発明がその対象を「遊技機」としているにも係わらず、本件特許の明細書及び図面には、パチンコ遊技機以外には概括的な適用に関する願望を記載するだけで、具体的に、スロットマシンや各種ゲーム機等を含む遊技機についての記載がなく、また、それを示唆する記載もない上、それらの記載から本件特許発明の遊技機全般にまで拡張又は一般化することもできないので、本件特許発明に係る請求項の記載はサポート要件を満たしているとはいえない。」 イ 判断 申立人の上記主張について検討するにあたり、本件特許に係る明細書には、以下の記載が認められる。 「【0145】 上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。 【0146】 本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。 【0147】 そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。」 「【0372】 また、前記特徴部261SGでは、所定の遊技が可能な遊技機としてパチンコ遊技機1を例示したが、本発明はこれに限定するものではなく、所定の遊技が可能な遊技機とは、少なくとも所定の遊技を可能であればパチンコ遊技機1の他スロットマシンや一般ゲーム機であってもよい。」 上記の記載から、本件訂正発明は、「パチンコ遊技機」のみならず、少なくとも「図柄」を使用し、「所定の遊技」が可能な「スロット機」に適用することを意図していることは明らかである。そうすると、本件特許明細書等には、「演出用識別画像」を段階的に拡大、縮小可能な表示ができる所定の設定、構造を有する「スロット機」にも適用したものも記載されているといえる。 そして、上記アの【0146】及び【0147】に記載されているように、本件訂正発明の構成を実行するためのプログラム及びデータは、記録媒体により配布・提供される形態以外にも、コンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておく、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードする等の態様も可能であって、「パチンコ遊技機」、「スロット機」以外の、表示部に図柄を表示し、当該図柄を演出に用いるアーケードゲーム機、その他の電子ゲーム機、ソーシャルゲーム等の各種ゲーム機に適用可能であることは明らかである。 そうすると、本件特許明細書等の記載から本件訂正発明の遊技機全般にまで拡張又は一般化することができ、本件特許の請求項1の記載はサポート要件を満たしているといえる。 よって、申立人の上記主張には理由がない。 (3)小括 上記(1)及び(2)の検討のとおり、取消理由において通知しなかった申立人の申立ての理由については採用できない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した理由によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700244

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