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特許異議申立

2021-701051

不織布及びこれを形成するためのプロセス

審判番号
2021-701051
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-545499
登録番号
6892455
請求日
2021年11月08日
審決日
2022年12月07日
公報発行日
2023年03月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】フィテサ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
  • 【権利者代理人】弁理士法人川口國際特許事務所
  • 【異議申立人】石井 健治
  • 【異議申立人】前田 桂子
審判長/審判官
  • 審判長 一ノ瀬 覚
  • 審判官 田合 弘幸
  • 審判官 内田 博之
分類
P1651.121-YAA(A61F) / P1651.537-YAA(A61F) / P1651.536-YAA(A61F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6892455号発明「不織布及びこれを形成するためのプロセス」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6892455号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~14〕について訂正することを認める。 特許第6892455号の請求項1~14に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6892455号(以下「本件特許」という。)の請求項1~14に係る特許についての出願は、2017年(平成29年)2月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年2月29日 (EP)欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、令和3年5月31日にその特許権の設定登録がされ、同年6月23日に特許掲載公報が発行された。本件特許についての特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和3年11月 8日 特許異議申立人石井健治(以下「申立人A」 という。)による請求項1~14に係る特許 に対する特許異議の申立て 令和3年12月23日 特許異議申立人前田桂子(以下「申立人B」 という。)による請求項1~14に係る特許 に対する特許異議の申立て 令和4年 4月26日付け 取消理由通知書 令和4年 7月26日 特許権者による意見書、訂正請求書の提出 令和4年 9月27日 申立人Aによる意見書の提出 令和4年 9月30日 申立人Bによる意見書の提出 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 特許権者が令和4年7月26日にした訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は、訂正箇所を当審で付したものである。)。 (1) 訂正事項1 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「当該繊維がウェブの縦方向に対してはっきりと接着されている不織布であって、」とあるのを、「当該繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている不織布であって、」と訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~14も同様に訂正する。)。 (2) 訂正事項2 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「にある、不織布。」とあるのを、「にあり、隣接するロッドの各対間の距離は、横方向において、1.8~3.0mmの範囲内であり、かつ、縦方向において2.5~5.0mmの範囲内であり、およびロッド状の個別化された接着区域は、0.7~1.5mm2の範囲内の表面を有する、不織布。」と訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~14も同様に訂正する。)。 本件訂正前の請求項2~14は、本件訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあり、請求項1の訂正に連動して訂正されるものであるから、本件訂正は、一群の請求項〔1~14〕について請求されたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1について ア 訂正の目的の適否 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1における「当該繊維がウェブの縦方向に対してはっきりと接着されている」との記載について、「ウェブの縦方向に対して接着」という記載が意味するところが不明確であったものを、「ウェブの縦方向に対して」の後に「垂直に」との語句を追加して明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 本件特許の願書に添付した明細書には、段落【0021】に「フィラメントが、これらの好ましい積層方向に対して垂直にはっきりと接着されているため、横方向への引張強度は大幅に改善されている。それゆえに、好ましい積層方向(すなわち縦方向)に非断続領域が存在しないことは、存在すれば非接着フィラメントの弱い区域を生じて、引張強度の低下をもたらすので、重要である。さらに、ウェブに沿った縦方向の非断続領域は存在しないため、繊維の自由長(すなわち、1本の繊維のその第1及び第2の接着の間の平均長さ)は比較的短く、改善された耐摩耗性につながる。・・・」と記載されている(下線は当審にて付した。以下同様。)。 前記段落【0021】の第1文のみでは、「積層方向」がどの方向を意味するのか必ずしも明らかでないが、同段落の第2文に「積層方向(すなわち縦方向)」と記載されており、非断続領域が存在しないことの効果を記載した同段落の第2文と第3文とを対照しても、第2文における「積層方向(すなわち縦方向)」が第3文における「ウェブに沿った縦方向」と同義であることは当業者にとって明らかであるから、前記段落【0021】の記載を全体としてみれば、第1文にいう「積層方向」とは、「ウェブに沿った縦方向」を意味する表現と解することができる。 そうすると、前記段落【0021】の第1文には「フィラメントが、これらの好ましいウェブに沿った縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている」ことが記載されているのと同然であるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 前記ア、イで検討したとおり、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、本件訂正前の請求項1について不明瞭な記載を訂正により明確にするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2) 訂正事項2について ア 訂正の目的の適否 訂正事項2は、本件訂正前の請求項1について、「隣接するロッドの各対間の距離は、横方向において、1.8~3.0mmの範囲内であり、かつ、縦方向において2.5~5.0mmの範囲内であり、およびロッド状の個別化された接着区域は、0.7~1.5mm2の範囲内の表面を有する」ことを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 本件特許の願書に添付した明細書には、段落【0024】に「適切には、ロッド状の個別化された接着区域は、0.7~1.5mm2の範囲内の、好ましくは0.9~1.3mm2の範囲内の、より好ましくは1.1~1.2mm2の範囲内の表面を有する。・・・」と記載され、段落【0030】に「適切には、隣接するロッドの各対間の距離は、横方向において、1.8~3.0mm、好ましくは2.2~2.6mmの範囲内である。適切には、隣接するロッドの各対間の距離は、縦方向において、2.5~5.0mm、好ましくは3.3~4.2mmの範囲内である。・・・」と記載されていることから、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 前記ア、イで検討したとおり、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、特許請求の範囲を減縮したものであり、カテゴリーを変更するものでもないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3 特許異議申立人の主張について 申立人Aは、令和4年9月27日付けの意見書(「3 意見の内容」の「(1)」)において、「明細書の段落0021には、「フィラメントが、これらの好ましい積層方向に対して垂直にはっきりと接着されているため、横方向への引張強度は大幅に改善されている。」と記載されているのみで、繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されているとの記載はなく、明細書全体を見渡しても、繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されているとの記載は見当たらない。また、「縦方向に対して垂直に」と「積層方向に対して垂直に」とは、垂直の基準となる方向が異なっているため、互いに異なるものである。」と主張する。 また、申立人Aは、同意見書(「3 意見の内容」の「(2-1)」)において、「技術的常識を考慮しても、不織布の方向性は、不織布が順次形成される流れ方向(MD方向)と、形成された不織布の表面と平行であり、かつ流れ方向に垂直な幅方向(CD方向)と、不織布の表面に対して垂直な厚み方向(ZD方向)によって規定されるのが一般的であるから、積層方向(ZD方向)を縦方向(MD方向)と解釈することはできない。」と主張する。 しかしながら、前記2(1)イで示したとおり、本件特許の願書に添付した明細書の段落【0021】の記載を全体としてみれば、第1文にいう「積層方向」とは、「ウェブに沿った縦方向」を意味する表現と解することができ、「積層方向に対して垂直に」は「縦方向に対して垂直に」と同義であると解されるから、申立人Aの前記主張は採用できない。 4 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~14〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~14に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明14」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み、当該繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている不織布であって、ウェブが、その幅の2~10倍の長さを有する直線形状を有し、およびウェブの横方向に配列されているロッド状の個別化された接着区域の交互パターンを備える面を有しており、ロッドがそれぞれの長さ方向においてウェブの縦方向と90°の角度をなし、およびロッドが、ウェブの縦方向において、ウェブに沿って非断続領域が存在しないが、ウェブの横方向において、ロッドの配列がウェブに沿って連続的に延びる複数の非断続領域を画定するように配列されており、個別化された接着区域の交互パターンが、非接着区域を画定しており、ウェブが、5~50g/m2の範囲の目付を有しており、接着区域の表面が、面の全表面の5~20%の範囲にあり、及び非接着区域の表面が、面の全表面の80~95%の範囲にあり、隣接するロッドの各対間の距離は、横方向において、1.8~3.0mmの範囲内であり、かつ、縦方向において2.5~5.0mmの範囲内であり、およびロッド状の個別化された接着区域は、0.7~1.5mm2の範囲内の表面を有する、不織布。 【請求項2】 ポリ乳酸含有繊維が、芯を形成する第1の成分及び鞘を形成する第2の成分を含む鞘芯構成の2成分繊維である、請求項1に記載の不織布。 【請求項3】 第1の成分がポリ乳酸を含み、第2の成分が、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリ乳酸を含む、請求項2に記載の不織布。 【請求項4】 接着区域の表面が、面の全表面積の7~18%の範囲にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の不織布。 【請求項5】 非接着区域の表面が、面の全表面積の82~93%の範囲にある、請求項1~4のいずれか一項に記載の不織布。 【請求項6】 繊維が、6dtex未満のテックスを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の不織布。 【請求項7】 不織ウェブが、8~40g/m2の目付を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の不織布。 【請求項8】 追加の不織ウェブを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の不織布。 【請求項9】 請求項1~8のいずれか一項に記載の不織布を形成するためのプロセスであって、 (a)複数のポリ乳酸含有繊維の不織ウェブを形成するステップ、及び (b)対向して配置された第1及び第2のロール間に画定されたニップ内に不織ウェブを送るステップであって、ロールのうちの少なくとも1つが、不織ウェブの面に接着パターンを付与するパターン化された外面を有し、接着パターンが、請求項1に記載の個別化された接着区域の交互パターン及び非接着区域を含むステップ を含む、プロセス。 【請求項10】 請求項8に記載の不織布を形成するためのプロセスであって、 (a)複数のポリ乳酸含有繊維の第1の不織ウェブを形成するステップ、 (b)第2の不織ウェブを形成するステップ、 (c)第3の不織ウェブを形成するステップ、 (d)対向して配置された第1及び第2のロール間に画定されたニップ内に第1の不織ウェブ、第2の不織ウェブ及び第3の不織ウェブを送るステップであって、ロールのうちの少なくとも1つが、第1の不織ウェブに接着パターンを付与するパターン化された外面を有し、接着パターンが、請求項1に記載の接着区域の交互パターン及び非接着区域を含むステップ、 並びに (e)第1、第2及び第3の不織ウェブを一緒に接着して、不織布を形成するステップ を含むプロセス。 【請求項11】 3つの不織ウェブのうちの少なくとも1つが、スパンボンドプロセス又はメルトブローンプロセスによって形成される、請求項9又は10に記載のプロセス。 【請求項12】 衛生吸収性物品における、請求項1~8のいずれか一項に記載の不織布の使用。 【請求項13】 不織布が、衛生吸収性物品のバックシート及び/又はトップシートの少なくとも一部を形成している、請求項12に記載の使用。 【請求項14】 請求項1~8のいずれか一項に記載の不織布を含む吸収性物品。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 本件訂正前の請求項1~14に係る特許に対して、当審が令和4年4月26日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 1 取消理由1(明確性) 本件特許の請求項1~14に係る特許は、特許請求の範囲の記載が以下の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるので、取り消されるべきものである。 請求項1に記載の「当該繊維がウェブの縦方向に対してはっきりと接着されている」について、「~方向に対して接着」という日本語としての意味が明確でなく、また、【0021】の記載と整合していない。 2 取消理由2(進歩性) 本件特許の請求項1~14に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献3に記載された技術的事項、又は引用文献2に記載された発明及び引用文献3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 <引用文献等一覧> 1.特開2003-64568号公報(申立人Aが提出した甲第1号証) 2.米国特許出願公開2010/0324515号明細書(申立人Bが提出した甲第1号証) 3.特開昭56-140153号公報(申立人Aが提出した甲第7号証) 第5 引用文献の記載 1 引用文献1 (1) 引用文献1に記載された事項 引用文献1には、「不織布および該不織布を用いてなる簡易衣料、ワイパー」に関し、次の記載がある。 ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】生分解性を有する繊維から構成されるメルトブロー不織布の少なくとも片面に、生分解性を有する繊維から構成されるスパンボンド不織布が積層されたシートが部分的熱接着により一体化されてなることを特徴とする不織布。 【請求項2】該メルトブロー不織布および該スパンボンド不織布を構成する繊維が、ポリ乳酸系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の不織布。」 イ 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有する繊維から構成されるメルトブロー不織布と、生分解性を有する繊維から構成されるスパンボンド不織布からなる不織布、および該不織布を用いてなる簡易衣料またはワイパーに関するものである。」 ウ 「【0009】一方、近年、環境志向の高まりとともに、生分解性を有する繊維からなる種々の不織布が提案されているが、簡易衣料用不織布として十分な柔軟性、強度、防塵性、さらにはワイパー用不織布として十分な柔軟性、風合い、強度、拭き取り性能などを兼ね備えるものではなかった。 【0010】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、生分解性を有する繊維からなり、かつ、簡易衣料用材料、さらにはワイパー用材料として十分な強度、風合い、防塵性、拭き取り性能などをもつ不織布を提供せんとするものである。」 エ 「【0020】また、本発明にて使用されるスパンボンド不織布は、特に規定されるものではないが、溶融したポリマーをノズルより押し出し、これを高速吸引ガスにより吸引延伸した後、移動コンベア上に捕集してウェブとし、さらに連続的に熱処理、絡合等を施すことによりシートとする、いわゆるスパンボンド法により製造されたものが好ましい。」 オ 「【0023】本発明において供される不織布としては、前記メルトブロー不織布の少なくとも片面に前記スパンボンド不織布を積層したシートを、部分的に熱接着し一体化したものが好ましい。ここで、本発明におけるメルトブロー不織布とスパンボンド不織布の部分的熱接着による一体化とは、メルトブロー不織布を構成する繊維とスパンボンド不織布を構成する繊維とが、部分的に溶融し一体化していることを表すものである。本発明における該メルトブロー不織布を構成する繊維、および該スパンボンド不織布を構成する繊維の平均繊維径は、それぞれの不織布の繊維断面を走査型電子顕微鏡により観察し、測定した。 【0024】・・・ 【0025】本発明における部分的熱接着の面積は、簡易衣料用不織布さらにはワイパー用不織布として十分な柔軟性、強度、防塵性等を満たしていれば特に限定されるものではないが、5~40%の範囲であることが好ましい。該熱接着面積が5%より低い場合は、前記メルトブロー不織布と前記スパンボンド不織布の層間が剥離しやすくなってきて、さらに不織布の表面に毛羽立ちが発生しやすくなったり、また接着したシートの強度が低くなる方向であるため好ましくない。また、該熱接着面積が40%を超えると、前記メルトブロー不織布と前記スパンボンド不織布の層間剥離は発生しにくく、強度も高くなるが、一方で、接着したシートが硬くなる方向であるので、簡易衣料用の不織布としては風合いの点で好ましくない方向であり、またワイパー用の不織布としても柔軟性の点で好ましくない方向である。さらに好ましい該接着面積は10~30%の範囲である。 【0026】ここで、不織布を部分的に熱接着させる方法は、上記熱接着面積を満たしていれば、特別に限定されるものではないが、加工の簡便さから、熱エンボスロールでニップすることによる接着あるいは超音波発生装置による接着が好ましい。」 カ 「【0041】・・・ 実施例2 平均繊維径が8μm、目付が40g/m2で、ポリ乳酸樹脂を原料としたメルトブロー不織布の片面に、平均繊維径が25μm、目付が50g/m2で、ポリ乳酸樹脂を原料としたスパンボンド不織布を、熱接着面積が18%となるようエンボスロールを用いて超音波接着装置により接着して一体化させシートを得た。 【0042】得られたシートの評価結果は表1の通りであり、簡易衣料用不織布あるいはワイパー用不織布として適したものであった。・・・」 (2) 引用文献1から理解できる事項 キ 前記ア、エ、オ及びカの記載から、実施例2の不織布は、ポリ乳酸樹脂を原料としたメルトブロー不織布のシートの片面に、ポリ乳酸樹脂を原料としたスパンボンド不織布のウェブ状のシートを積層して、当該積層されたメルトブロー不織布を構成する繊維とスパンボンド不織布を構成する繊維とが、熱接着面積が18%となるようエンボスロールを用いて超音波接着装置により部分的に熱接着し一体化(部分的に溶融し一体化)しているものであることが理解できる。 ク 前記カの記載から、実施例2の不織布について、熱接着後のシートが、90g/m2の目付を有していることが理解できる。 (3) 引用文献1に記載された発明 前記ア~クの事項から、引用文献1には、実施例2の不織布として、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているといえる。 (引用発明1) 「平均繊維径が8μm、目付が40g/m2で、ポリ乳酸樹脂を原料としたメルトブロー不織布のシートの片面に、平均繊維径が25μm、目付が50g/m2で、ポリ乳酸樹脂を原料としたスパンボンド不織布のウェブ状のシートを積層して、当該積層されたメルトブロー不織布を構成する繊維とスパンボンド不織布を構成する繊維とが、熱接着面積が18%となるようエンボスロールを用いて超音波接着装置により部分的に熱接着し一体化(部分的に溶融し一体化)した不織布であって、熱接着後のシートが、90g/m2の目付を有している、不織布」 2 引用文献2 (1) 引用文献2に記載された事項 引用文献2には、「PRE-CONSOLIDATED SPUNBONDED WEB, COMPOSITE NONWOVEN COMPRISING SAID PRE-CONSOLIDATED SPUNBONDED WEB, METHOD AND CONTINUOUS SYSTEM FOR PRODUCING SAID COMPOSITE」{予備固化されたスパンボンドウェブ、前記予備固化されたスパンボンドウェブを含む複合不織布、前記複合不織布を製造する方法及び連続システム}に関し、次の記載がある。なお、{}内の翻訳文は、当審による訳である。 ア 「[0001] The present invention relates to a novel pre-consolidated spunbonded web, and to a composite nonwoven comprising several layers, one of said layer being the said pre-consolidated spunbonded web. ・・・」 {[0001]本発明は、新規な、予備固化されたスパンボンドウェブ、並びにその層の1つが前記予備固化されたスパンボンドウェブを含む多層の複合不織布に関する。・・・} イ 「[0024] An objective of the invention is to propose a novel pre-consolidated spunbonded web, more especially, but not exclusively, a novel pre-consolidated spunbonded web that is suitable for making hydroentangled composite nonwovens, and more particularly SPC, SPS, or SC nonwovens. [0025] ・・・ [0026] ・・・ [0027] ・・・ [0028] Another objective of the invention is to obtain a hydroentangled absorbent composite nonwoven exhibiting an improved softness.」 {[0024]本発明の目的は、新規な予備固化したスパンボンドウェブ、より具体的には、排他的ではないが、水流交絡された複合不織布、より具体的にはSPC、SPSまたはSC不織布を製造するのに適した新規な予備固化したスパンボンドウェブを提供することである。 [0025]・・・ [0026]・・・ [0027]・・・ [0028]本発明の他の目的は、改良された柔らかさを有する水流交絡された吸収性複合不織布を提供することである。} ウ 「[0065] Referring to FIG. 1, a hydroentangled absorbent composite nonwoven of the invention comprises at least two superposed layers: a pre-consolidated spunbonded web A, and an absorbent pulp layer B, that is adjacent to said pre-consolidated spunbonded web A. In the preferred embodiment of FIG. 1, the composite nonwoven optionally comprises a nonwoven cover layer C adjacent to the absorbent pulp layer B, said pulp layer B being sandwiched between the spunbonded web A and the nonwoven cover layer C.」 {[0065]図1を参照すると、本発明の水流交絡された吸収性複合不織布は、少なくとも2枚の重ねられた層:予備固化されたスパンボンドウェブA、及び前記予備固化されたスパンボンドウェブAに隣接する吸収性パルプ層B、を含む。図1の好ましい実施形態では、複合不織布は、任意に吸収性パルプ層Bに隣接する不織布カバー層Cを含み、前記パルプ層BはスパンボンドウェブAと不織布カバー層Cに挟まれている。} エ 「Spunbonding Unit 1 [0068] The spunbonding unit 1 is used for producing a non-consolidated spunbonded web A' made of continuous spun filaments F.」 {スパンボンディングユニット1 [0068]スパンボンディングユニット1は、連続したスパンフィラメントから固化されていないスパンボンドウェブA’を製造するために使用される。} オ 「[0072] The polymeric material(s) [P and/or P'] used for making the continuous spun filaments F can be any known spinnable polymeric material, and for example, polyolefin (in particular polypropylene or polyethylene), polyester, or polyamide, or any biodegradable thermoplastic polymer, like for example polylactic acid (PLA), or any blend thereof, or any copolymers thereof, or any blend of copolymers thereof.」 {[0072]連続したスパンフィラメントFを製造するために使用されるポリマー材料[P及び/又はP’]は、例えば、ポリオレフィン(特にポリプロピレン又はポリエチレン)、ポリエステル、又はポリアミド、又は任意の生分解性熱可塑性ポリマー、例えば、ポリ乳酸(PLA)、又はそれらの任意のブレンド、又はそれらのコポリマー、又はそれらのコポリマーの任意の混合物のような任意の公知の紡糸可能なポリマー材料とすることができる。} カ 「[0077] Preferably, but not necessarily, the spunbonded web A' is a light web whose weight is between 7 g/m2 and 35 g/m2, preferably less than 25 g/m2, more preferably less than 15 g/m2, and even more preferably less than 12 g/m2. [0078] The spunbonding unit 1 is knowingly set up by one skilled in the art, in order to produce such a light spunbonded web A' made of continuous spun filaments F, that comprise or are constituted by very fine spun microfilaments having a diameter DI less than or equal to 15 μm, and more preferably less than or equal to 10 μm.」 {[0077]好ましくは、不可欠ではないが、スパンボンドウェブA’は、目付量が7g/m2~35g/m2、好ましくは25g/m2未満、より好ましくは15g/m2未満、さらに好ましくは、12g/m2未満の軽量ウェブである。 [0078]スパンボンディングユニット1は、15μm以下、より好ましくは10μm以下の繊維径DIを有する非常に微細なフィラメントで構成される連続したスパンフィラメントFから軽量のスパンボンドウェブA’を製造するために当業者により知られているようにセットアップされる。} キ 「Thermal Bonding Unit 2 [0087] Referring to FIG. 2, the spunbonded web A' is fed to a thermal bonding unit 2, that is being used in order to pre-consolidate the spunbonded web A' by heat and mechanical compression (thermo-bonding), and form the pre-consolidated spunbonded web A of the composite nonwoven of FIG. 1. [0088] In the particular example of FIG. 2, said thermal bonding unit 2 is a calender that comprises two heated pressure rolls 20, 21. The lower roll has a smooth surface, and is for example a smooth steel roll. The upper roll 21 has an engraved surface with protruding ribs, that are regularly distributed over the whole surface of the roll, and that form a micro-bonding pattern. [0089] An example of a micro-bonding pattern for roll 21 that is suitable for practicing the invention is shown on FIGS. 5 to 7. This micro-bonding pattern will be referred hereafter "C#1". The upper surface 210a of each protruding rib 210 forms one bonding dot. [0090] The heating temperature of said rolls 20, 21 is set up in order to obtain a softening of the surface of the filaments F. The mechanical pressure exerted by the rolls on the spunbonded web is sufficient in order to obtain a thermo-bonding of the spun filaments F, under heat and pressure. [0091] According to a main characteristic of the invention, the density of the bonding dots 210a (i.e. the number of bonding dots 210 a per cm2) of the upper engraved roll 21 is very high, and at least equal to 90 bonding dots/cm2, and more preferably at least equal to 100 bonding dots/cm2; the bonding ratio is low, and preferably less than 30% and more preferably less than 20%. The bonding ratio R is given by the following formula: R=DD×DA×100 (3) Wherein: [0092] DD is the density of bonding dots 210a (dots/cm2) [0093] DA A is the area of one bonding dot 210 (cm2) [0094] More particularly, the area DA of each bonding dot 210a is less than 0.5 mm2, preferably less than 0.3 mm2, and more preferably less than 0.2 mm2.」 {熱接着ユニット2 [0087]図2を参照すると、スパンボンドウェブA’は、スパンボンドウェブA’を熱及び機械的圧縮(熱結合)により予備固化し、図1の複合不織布からなる予備固化されたスパンボンドウェブAを形成するために、熱接着ユニット2に供給される。 [0088]図2の特定の例では、熱接着ユニット2は、2つの加熱された圧力ロール20、21を含むカレンダーである。下部ロールは滑らかな表面を有し、例えば滑らかな鋼製ロールである。上部ロール21は、ロールの表面全体にわたって規則的に分布されたマイクロ接合パターンを形成する突出したリブを備えた彫刻された表面を有する。 [0089]図5~図7には、本発明の実施に適したロール21用の微小接着パターンの例が示されている。この微小接着パターンを以下「C#1」として参照する。各突出リブ210の上面210aが1つの接着ドットを形成する。 [0090]フィラメントFの表面を柔らかくするために、ロール20、21の加熱温度が設定されている。紡出されたフィラメントを熱と圧力の下で熱接着するのに十分な機械的圧力が、ロールによってスパンボンドウェブに加えられる。 [0091]本発明の主な特徴によれば、上側彫刻ロール21の接着ドット210aの密度(例えば、1cm2あたりの接着ドット210の数)は非常に高く、少なくとも90ドット/cm2に等しく、より好ましくは、少なくとも100ドット/cm2に等しい。接着率は低く、好ましくは30%より少なく、より好ましくは20%より少ない。接着率Rは次の式で与えられる。 R=DD×DA×100 (3) ここで: [0092]DDは、接着ドット210aの密度(ドット/cm2) [0093]DA Aは、接着ドット210aの面積(cm2) [0094]より具体的には、各接着ドット210aの面積DAは、0.5mm2より小さく、好ましくは0.3mm2よりも小さく、より好ましくは0.2mm2よりも小さい。} ク 「[0095] In the particular example of FIGS. 5 to 7, the bonding dots 210a of the bonding pattern "C#1" have the same oval shape and the main dimensions of said bonding pattern are the followings: Density of bonding dots (DD): 102 dots/cm2 Dot area (DA): 0.181 mm2 Bonding ratio (R): 18.5% Dot length L1 (Machine Direction): 0.40 mm Dot width L2 (Cross Direction): 0.54 mm Dot height (H): 0.40 mm Distance (D1) between two adjacent dots in Machine Direction (MD): 1.78 mm Distance (D2) between two adjacent dots in Cross Direction (CD): 1.1 mm [0096] The invention is however not limited to this particular bonding pattern of FIGS. 5 to 7. In particular, the bonding dots 210a can have different shapes (round shape, square shape, rectangular shape, etc....), and one bonding pattern can be constituted by a combination of bonding dots 210a of different shapes. [0097] FIG. 10 shows a photography of an example of a pre-consolidated spunbonded web A of the invention, having a basis weight of 14 g/m2. This pre-consolidated spunbonded web is made of spun filaments (F) that are made of homopolymer of polypropylene, and that have the so-called "papillon" cross section of FIG. 12C, and a diameter DI of 12 μm. This spunbonded web was thermo-bonded with a calendar unit 2, using the aforesaid microbonding pattern C#1. [0098] Referring to this FIG. 10, the pre-consolidated spunbonded layer A, issued from the thermal bonding unit 2, comprises a high number of very small bonded dots 210b, that corresponds to the bonding pattern of the engraved roll 21, and wherein the spun microfilaments are locally fused at their surface. The density (DD) of these bonded dots 210b is the same than the density of the bonding dots 210a (≧90 bonded dots/cm2). The area of each bonded dots 210b of the pre-consolidated spunbonded layer A is preferably equal or less than the area of the corresponding bonding dot 210a of the bonding pattern. The bonding ratio (R') of the pre-consolidated spunbonded layer A is preferably equal or less than the bonding ratio (R) of the bonding pattern. ・・・」 {[0095]図5~図7の特定の例では、接着パターン「C#1」の接着ドット210aは同じ楕円形状を有しており、前記接着パターンの主要寸法は以下のとおりである。: 接着ドットの密度(DD):102ドット/cm2 ドット面積 (DA):0.181mm2 接着率(R):18.5% ドット長さL1(縦方向):0.40mm ドット幅L2(横方向):0.54mm ドット高さ(H):0.40mm 縦方向(MD)における2つの隣接するドット間の距離(D1):1.78mm 横方向(CD)における2つの隣接するドット間の距離(D2):1.1mm [0096]しかしながら、本発明は、図5~7の特定の接着パターンに限定されない。特に、接着ドット210aは、異なる形状(円形、正方形、長方形等)をとることができ、1つの接着パターンを異なる形状の接着ドット210aを組み合わせて構成することができる。 [0097]図10は、14g/m2の目付量を有する、本発明の予備固化したスパンボンドウェブAの例の写真である。この予備固化したスパンボンドウェブは、ポリプロピレンのモノポリマーからなるスパンフィラメントFでできており、図12Cのいわゆるパピヨンの断面及び12μmの直径DIを有する。このスパンボンドウェブは、上述のマイクロ接着パターンC#1を使用して、カレンダユニット2で熱接着された。 [0098]図10を参照すると、熱接着ユニット2から出てきた予備固化したスパンボンドウェブAは、彫刻されたロール21の接着パターンに対応した多数の非常に小さい接着ドット210bを含み、この接着ドット210bではスパン微小フィラメントが表面で局部的に溶融している。接着ドット210bの密度(DD)は、接着ドット210aの密度よりも大きい(≧90接着ドット/cm2)。好ましくは、予備固化したスパンボンドウェブAの各接着ドット210bの面積は、接着パターンの対応する接着ドット210aの面積と同じか、それより狭い。好ましくは、予備固化したスパンボンドウェブAの接着率(R’)は、接着パターンの接着率(R)と同じか、それより狭い。・・・} ケ 「Examples No 1 to No 18 Pre-Consolidated Spunbonded Web [0117] Several samples (Examples No 1 to No 18) of a pre-consolidated spunbonded web A were produced with the spunbonding unit 1 and thermal bonding unit 2 of FIG. 2 or 3. The main production data for each sample No 1 to 18 are summarized hereafter in tables 1A, 1B and 1C.」 {例No1~No18 予備固化したスパンボンドウェブ [0117]予備固化したスパンボンドウェブAの様々なサンプル(例No1~No18)が、図2又は3のスパンボンディングユニット1及び熱接着ユニット2により製造された。各サンプルNo~No18の主要な製造データを以下の表1A、1B及び1Cにまとめた。} コ 「Comparative Examples No 1 to 4 and No 8 to No 11, and No 14 [0120] Examples No 1 to No 4 (10 g/m2) and examples No 9 to No 11 (32 g/m2) relate to spunbonded webs which have been compressed and thermo-bonded with the same engraved roll 21, said engraved roll 21 having the bonding pattern of FIGS. 8 and 9. The main dimensions of this bonding pattern (referred therein "C#2") were the followings: Shape of the bonding dots: square Density of bonding dots: 32.8 dots/cm2 Bonding ratio (R): 18% Dot width (L): 0.74 mm Dot area (DA): 0.5476 mm2 Dot height (H): 0.8 mm Distance (e) between two adjacent dots: 1.747 mm [0121] In respect of the low density of bonding dots (32.8 dots/cm2) and of the large area of each bonding dots (0.5476 mm2), said bonding pattern "C#2" is outside the scope of the invention, and these examples No 1 to No 4 (10 g/m2) and examples No 9 to No 11 (32 g/m2) are thus comparative examples, not covered by the invention.」 {比較例No1~4、No8~No11、No14 [0120]比較例No1~No4(10g/m2)と比較例No9~No11(32g/m2)は、同じ彫刻されたロール21であって、図8及び9の接着パターンを有する彫刻されたロール21で圧縮及び熱接着されたスパンボンドウェブに関する。この接着パターン(以下「C#2」として参照する)の主要寸法は以下のとおりである。: 接着ドットの形状:正方形 接着ドットの密度:32.8ドット/cm2 接着率(R):18% ドット幅(L):0.74mm ドット面積 (DA):0.5476mm2 ドット高さ(H):0.8mm 2つの隣接するドット間の距離(e):1.747mm [0121]接着ドットが低密度(32.8ドット/cm2)であり、各接着ドットの面積が広い(0.5476mm2)点で、前述の接着パターン「C#2」は本発明のスコープから外れており、これらの比較例No1~No4(10g/m2)、No9~No11(32g/m2)は、本発明によってカバーされない。} サ 引用文献2には、図5~図7として、以下の図が示されている。 [図:0001395184000001.jpg] シ 引用文献2には、図10として、以下の図が示されている。 [図:0001395184000002.jpg] (2) 引用文献2から理解できる事項 ス 前記エ、前記キの[0087]、及び前記クの[0097]~[0098]の記載から、図10の予備固化したスパンボンドウェブAに関して、スパンボンドウェブがポリプロピレンのモノポリマーからなるスパンフィラメントでできており、当該スパンフィラメントが表面で局部的に溶融している多数の接着ドット210bで熱接着されていることが理解できる。 セ 前記キの[0087]~[0089]、前記クの[0095]、[0097]~[0098]の記載、及び前記サの図5、前記シの図示内容から、図10の予備固化したスパンボンドウェブAに関して、スパンボンドウェブが、縦方向MDのドット長さL1が0.40mm、横方向CDのドット幅L2が0.54mmの楕円形状を有する接着ドット210aが規則的に分布した接着パターンC#1に対応した、横方向CDに等間隔に列状に配置され、かつ縦方向MDにも所定の距離を隔てて配置された多数の接着ドット210bを備えており、横方向CDに等間隔に列状に配置された多数の接着ドット210bが縦方向MDに対して直交していることが理解できる。 ソ 前記シの図示内容から、図10の予備固化したスパンボンドウェブAに関して、横方向CDに等間隔に列状に配置され、かつ縦方向MDにも所定の距離を隔てて配置された多数の接着ドット210b以外の部分は熱接着されていないことが看取される。 タ 前記クの[0095] には、接着パターンC#1の接着ドット210aの主要寸法について「ドット面積 (DA):0.181mm2」、「接着率(R):18.5%」、「ドット長さL1(縦方向):0.40mm」、「ドット幅L2(横方向):0.54mm」と記載され、前記クの[0098]には、「好ましくは、予備固化したスパンボンドウェブAの各接着ドット210bの面積は、接着パターンの対応する接着ドット210aの面積と同じか、それより狭い。好ましくは、予備固化したスパンボンドウェブAの接着率(R’)は、接着パターンの接着率(R)と同じか、それより狭い。」と記載されていることから、図10の予備固化したスパンボンドウェブAに関して、接着率R’が、18.5%以下であり、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離は、横方向CDにおいて、1.1mmであり、かつ、縦方向MDにおいて、1.78mmであり、及び接着ドット210bは、0.181mm2以下の面積を有することが理解できる。 (3) 引用文献2に記載された発明 前記ア~タの事項から、引用文献2には、図10の予備固化したスパンボンドウェブAとして、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているといえる。 (引用発明2) 「スパンボンドウェブがポリプロピレンのモノポリマーからなるスパンフィラメントでできており、当該スパンフィラメントが表面で局部的に溶融している多数の接着ドット210bで熱接着されている予備固化したスパンボンドウェブAであって、 スパンボンドウェブが、縦方向MDのドット長さL1が0.40mm、横方向CDのドット幅L2が0.54mmの楕円形状を有する接着ドット210aが規則的に分布した接着パターンC#1に対応した、横方向CDに等間隔に列状に配置され、かつ縦方向MDにも所定の距離を隔てて配置された多数の接着ドット210bを備えており、横方向CDに等間隔に列状に配置された多数の接着ドット210bが縦方向MDに対して直交しており、 横方向CDに等間隔に列状に配置され、かつ縦方向MDにも所定の距離を隔てて配置された多数の接着ドット210b以外の部分は熱接着されておらず、 スパンボンドウェブが、14g/m2の目付量を有し、接着率R’が、18.5%以下であり、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離は、横方向CDにおいて、1.1mmであり、かつ、縦方向MDにおいて、1.78mmであり、及び接着ドット210bは、0.181mm2以下の面積を有する、 予備固化したスパンボンドウェブA」 3 引用文献3 (1) 引用文献3に記載された事項 引用文献3には、「強力柔軟な不織布」に関し、次の記載がある。 ア 「(1).ウエブ全面に拡がる任意パターンとして示されるウエブ表面から裏面にわたる繊維の部分結合部によつて強化され、かつ、ウエブ全面にわたつて付与された任意形状の非結合凹凸変形を有することを特徴とする不織布。 (2).ウエブが長繊維からなるウエブである特許請求の範囲第1項記載の不織布。 (3).部分結合部が熱圧着によるものである特許請求の範囲第1項記載の不織布。 (4).毛羽伏せのため、ウエブ全面に接着剤が付与されている特許請求の範囲第3項記載の不織布。 (5).部分結合部の間隔が0.5~10mmであり、部分結合面積率が5~60%である特許請求の範囲第1項記載の不織布。」(特許請求の範囲) イ 「本発明は、強力で毛羽の発生がなく、しかも柔軟な不織布並びにその製造法に関する。」(第1ページ右下欄第11~12行) ウ 「・・・部分接着法と熱圧着法は部分結合法である。ここで部分結合とは、所定パターンの圧着がウエブに加えられ、圧着パターン部のみが接着又は溶着によりウエブの表面から裏面にかけて繊維が結合せしめられ、そのパターン以外の部分の繊維は結合されていない状態を言う。このような部分結合法は、全面結合法に比べれば、より柔軟性に富む不織布を与えるが、この部分結合法によつても、不織布に十分な強度を与え、表面の毛羽立ちを押えようとすると、部分結合部の密度が相当に高いパターンを用いざるを得ず、このようなパターンの部分結合による従来の不織布の柔軟性は未だ全く不十分であり、素材繊維自体の柔軟性には似ても似つかぬ程硬いものであつた。」(第2ページ左上欄第8行~右上欄第1行) エ 「・・・全く意外にも、部分結合法により固定した不織布に極く簡単な後処理を施すことによつて、強度と毛羽発生状態を保持したまま、格段の柔軟度向上効果を奏し得ることを見出し、本発明をなすに至つた。 即ち、本発明は、ウエブ全面に拡がる任意パターンとして示されるウエブ表面から裏面にわたる繊維の部分結合部によつて強化され、かつ、ウエブ全面にわたつて付与された任意形状の非結合変形を有することを特徴とする不織布に関するものである。」(第2ページ右上欄第11行~左下欄第1行) オ 「本発明の不織布は、上記繊維からなるウエブがその全面に拡がる任意パターンとして示されるウエブ表面から裏面にわたる繊維の部分結合部によつて強化されたものである。その結合の態様は、第1図の繊維断面模式図によつて示される。図において、1は結合部、2は非結合部である。この部分的結合部のパターンは第2図及び第3図に1例を示したが、第2図のものは部分結合部が千鳥に配列した短直線の形であり、第3図のものは正方形に近い部分結合部が殆んど連続的に密に形成されている。その他に部分結合部が連続して切れ目のない連続型、切れ目のある不連続型のいずれも種々のものが考えられる。このパターンの形状は、得られる不織布に十分な強度と少ない毛羽立ちを与えるよう決定され、かつ、その後の非結合凹凸変形の付与により柔軟性向上効果がより発現し易いように考慮されることも重要である。パターンのウエブに占める面積比率は5~60%の範囲が有効である。面積比率が小となるにつれ、又、部分結合部の間隔が大きくなるにつれて、柔軟性は良くなるが、毛羽立ちは増加するようになる。部分結合部間隔としては0.3mm以上、好ましくは0.5~10mmが用いられる。 部分結合法には熱圧着法と接着剤を用いる圧着法があるが、熱圧着による部分結合は、表面に凹凸のエンボス模様を有した熱板間、あるいは熱ロール間での処理によるのが一般的であり、一方の面が平滑であつてもよい。又必要に応じて一方を可撓性ロールとすることもあり得る。熱圧着の条件は使用する繊維によつて適切に決定する必要があるが、その後の非結合凹凸変形処理によつて結合部分までが離れてしまうことのないよう十分に結合しておくことが必要であることから、通常その温度は繊維種にもよるが、繊維の融点下5℃ないし50℃までの範囲で加える圧力と組み合わせ、決定されることが好ましい。」(第3ページ右上欄第13行~右下欄第8行) カ 「実施例 1 スパンボンド法により得られたポリエステル長繊維ウエブ(単糸1d、目付50g/m2)をいずれも230℃に加熱された第2図の1で示すようなパターンを有する凹凸ロール(エンボス深さ0.4mm)と表面フラツトな金属ロールとの間で処理し、部分的に熱圧着されたウエブを得た。このウエブを続いて常温で凸部高さ3mm、ピツチ5mmでチドリ配置された頂点が1mm角の模様を有した凹凸ロールと該凹凸ロールを押しつけ、あらかじめ同じ模様の鋳型を有するようになつたペーパーロールとの間を通過させた。処理時の圧力は20kg/cm2の条件であつた。得られた不織布は外観上第9図のような熱圧着部を有し、かつ全体に5mmピツチでチドリ状に絞り模様を有する柔軟な不織布が得られた。・・・」(第4ページ右下欄第9行~第5ページ左上欄第3行) キ 引用文献3には、図1及び図2として、以下の図が示されている。 [図:0001395184000003.jpg] (2) 引用文献3から理解できる事項 ク 前記オ、カの記載、及び前記キの図2の図示内容から、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布(実施例1)では、部分結合部を構成する結合部1が、凹凸ロールの凸部高さ3mm、ピッチ5mmで千鳥に配列された頂点に対応した5mmピッチの短直線形状を有し、不織布が、結合部1を千鳥に配列した部分結合のパターンを備える面を有していることが理解できる。 (3) 引用文献3に記載された技術的事項 前記ア~クの事項から、引用文献3には、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布(実施例1)に対応して、次の技術(以下「引用文献3記載の技術的事項」という。)が記載されているといえる。 (引用文献3記載の技術的事項) 「表面に凹凸のエンボス模様を有した熱ロール間での処理による熱圧着でウエブ表面から裏面にわたる繊維の部分結合部によって強化され、かつ、ウエブ全面にわたって付与された任意形状の非結合凹凸変形を有する不織布であって、 部分結合部を構成する結合部1が、凹凸ロールの凸部高さ3mm、ピッチ5mmで千鳥に配列された頂点に対応した5mmピッチの短直線形状を有し、不織布が、結合部1を千鳥に配列したパターンを備える面を有している、 不織布」 第6 当審の判断 1 取消理由1(明確性)について (1) 本件訂正後の請求項1の記載について 本件訂正の訂正事項1により、本件訂正前の請求項1における「当該繊維がウェブの縦方向に対してはっきりと接着されている」との記載が、「当該繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている」との記載に訂正されたことにより、繊維がはっきりと接着されている方向が明確となった。 (2) 特許異議申立人の主張について 申立人Aは、令和4年9月27日付けの意見書(「3 意見の内容」の「(2-1)」)において、「訂正後の請求項1においては、「縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている不織布」と記載されているが、どのようなものに対して不織布が接着されているのか、その接着対象が何ら特定されていない。」と主張する。 また、申立人Bは、令和4年9月30日付けの意見書(「3 意見の内容」の「(3)」)において、「「当該繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている」と訂正されたとしても、繊維が接着されている対象は「物」ではなく、依然として「縦方向の垂直に」、即ち「縦方向の垂直方向」であるから、日本語として意味が明確となっていない。」と主張する。 しかしながら、訂正事項1に係る「当該繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている」との記載は、請求項1の冒頭に記載された「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み」との記載を受けたものであり、「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維」同士が「ウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている」ことを意味すると理解されるから、申立人A及び申立人Bの前記主張は採用できない。 (3) 小括 したがって、本件発明1~14に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではないから、取消理由1によって取り消すことはできない。 2 取消理由2(進歩性)について (1) 引用発明1を主引用発明とする場合 ア 本件発明1について (ア) 対比 本件発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「スパンボンド不織布のウェブ状のシート」は本件発明1の「不織ウェブ」に相当し、引用発明1の「メルトブロー不織布のシート」も、「スパンボンド不織布のウェブ状のシート」と積層されるものである以上、ウェブ状のシートとなっていることは明らかであるから、本件発明1の「不織ウェブ」に相当する。 そうすると、引用発明1の「平均繊維径が8μm、目付が40g/m2で、ポリ乳酸樹脂を原料としたメルトブロー不織布のシートの片面に、平均繊維径が25μm、目付が50g/m2で、ポリ乳酸樹脂を原料としたスパンボンド不織布のウェブ状のシートを積層して」との事項は、本件発明1の「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み」との事項に相当する。 また、引用発明1の「当該積層されたメルトブロー不織布を構成する繊維とスパンボンド不織布を構成する繊維」は本件発明1の「当該繊維」に相当し、引用発明1の「部分的に熱接着し一体化(部分的に溶融し一体化)した」との事項は本件発明1の「接着されている」との事項に相当する。 さらに、引用発明1の「熱接着面積が18%となるよう」との事項は、本件発明1の「接着区域の表面が、面の全表面の5~20%の範囲にあり、及び非接着区域の表面が、面の全表面の80~95%の範囲にあり」との事項に相当する。 以上の対比を総合すると、本件発明1と引用発明1とは、 「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み、当該繊維が接着されている不織布であって、接着区域の表面が、面の全表面の5~20%の範囲にあり、及び非接着区域の表面が、面の全表面の80~95%の範囲にある、不織布。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1-1) 本件発明1では、繊維が「ウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと」接着されており、「ウェブが、その幅の2~10倍の長さを有する直線形状を有し、およびウェブの横方向に配列されているロッド状の個別化された接着区域の交互パターンを備える面を有しており、ロッドがそれぞれの長さ方向においてウェブの縦方向と90°の角度をなし、およびロッドが、ウェブの縦方向において、ウェブに沿って非断続領域が存在しないが、ウェブの横方向において、ロッドの配列がウェブに沿って連続的に延びる複数の非断続領域を画定するように配列されており、個別化された接着区域の交互パターンが、非接着区域を画定しており」、「隣接するロッドの各対間の距離は、横方向において、1.8~3.0mmの範囲内であり、かつ、縦方向において2.5~5.0mmの範囲内であり、およびロッド状の個別化された接着区域は、0.7~1.5mm2の範囲内の表面を有する」のに対して、 引用発明1では、積層されたメルトブロー不織布を構成する繊維とスパンボンド不織布を構成する繊維とが「熱接着面積が18%となるようエンボスロールを用いて超音波接着装置により部分的に」熱接着し一体化(部分的に溶融し一体化)しているとの特定に留まる点。 (相違点1-2) 本件発明1では、「ウェブが、5~50g/m2の範囲の目付を有して」いるのに対して、引用発明1では、「熱接着後のシートが、90g/m2の目付を有して」いる点。 (イ) 相違点1-1についての判断 まず、相違点1-1について検討する。 引用発明1は、繊維同士が「熱接着面積が18%となるようエンボスロールを用いて超音波接着装置により部分的に」熱接着し一体化(部分的に溶融し一体化)しているから、エンボスロールのエンボスに対応した何らかの熱接着パターンを有していると考えられるが、引用文献1には、熱接着パターン(個々の熱接着部の大きさや配列等)についての具体的な記載や示唆はない。 これに対し、引用文献3には、前記「第5」3(3)のとおり、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布(実施例1)に対応して、「表面に凹凸のエンボス模様を有した熱ロール間での処理による熱圧着でウエブ表面から裏面にわたる繊維の部分結合部によって強化され、かつ、ウエブ全面にわたって付与された任意形状の非結合凹凸変形を有する不織布であって、部分結合部を構成する結合部1が、凹凸ロールの凸部高さ3mm、ピッチ5mmで千鳥に配列された頂点に対応した5mmピッチの短直線形状を有し、不織布が、結合部1を千鳥に配列したパターンを備える面を有している、不織布」(引用文献3記載の技術的事項)が記載されている。 しかしながら、引用文献3には、図2に示された部分的結合部のパターンが、どの向きで凹凸ロールに形成されているのかが記載されておらず、図2から直ちに、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布が、「ウエブの横方向に配列されている結合部1の交互パターンを備える面を有しており、結合部1がそれぞれの長さ方向においてウエブの縦方向と90°の角度をなし」ている構成(以下「構成A」という。)を備えると認めることはできない。 仮に図2が、凹凸ロールの円周方向を紙面の上下方向とした凹凸ロール表面の部分展開図であると解した場合、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布は、構成Aを備えることになるが、特許出願の願書に添付した図面は、一般に、設計図面に要求されるような正確性をもって寸法、位置関係が描かれているとは限らないものであるため、図2から、「結合部1が、ウエブの縦方向において、ウエブに沿って非断続領域が存在しないが、ウエブの縦方向において、結合部1の配列がウエブに沿って連続的に延びる複数の非断続領域を画定するように配列されて」いる構成(以下「構成B」という。)まで看取することはできない。 また、引用文献3には、「このパターンの形状は、得られる不織布に十分な強度と少ない毛羽立ちを与えるよう決定され、かつ、その後の非結合凹凸変形の付与により柔軟性向上効果がより発現し易いように考慮されることも重要である。パターンのウエブに占める面積比率は5~60%の範囲が有効である。面積比率が小となるにつれ、又、部分結合部の間隔が大きくなるにつれて、柔軟性は良くなるが、毛羽立ちは増加するようになる。部分結合部間隔としては0.3mm以上、好ましくは0.5~10mmが用いられる。」(前記「第5」3(1)オ)と記載されていることから、十分な強度と少ない毛羽立ちを与えるようにパターンの形状を決定することや、隣接する結合部1の各対間の距離(部分結合部の間隔)を小さくすると柔軟性が低下することは示唆されているが、構成Bを満たし、かつ、「隣接する結合部1の各対間の距離は、横方向において、1.8~3.0mmの範囲内であり、かつ、縦方向において2.5~5.0mmの範囲内であり、および結合部1は、0.7~1.5mm2の範囲内の表面を有する」構成(以下「構成C」という。)とするように、結合部1の間隔及び大きさを設定することについての記載や示唆はない。 そうすると、引用文献3には、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布が、構成A及び構成Bを備えることが記載されておらず、仮に記載されていると解した場合であっても、構成Bを満たし、かつ、構成Cを備えることについての記載や示唆はないから、引用文献3における全ての記載や示唆を考慮しつつ、引用発明1に引用文献3記載の技術的事項を適用したとしても、相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項には到達し得ない。 (ウ) 特許異議申立人の主張について 申立人Aは、令和4年9月27日付けの意見書(「3 意見の内容」の「(2-2)」)において、「引用文献1に記載された発明において、引用文献3に記載の隣接するロッドの各対間の距離である「0.3mm以上、好ましくは0.5~10mm」を縦方向及び横方向に夫々適用すること、及び、その適用に際し、この数値範囲内で適宜の数値に設定することは、当業者が通常なし得る程度の事項に過ぎない。」と主張する。 しかしながら、前記(イ)で示したとおり、引用文献3には、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布が、構成A及び構成Bを備えることが記載されておらず、仮に記載されていると解した場合であっても、構成Bを満たし、かつ、構成Cを備えることについての記載や示唆はないから、引用文献3における全ての記載や示唆を考慮しつつ、引用発明1に引用文献3記載の技術的事項を適用したとしても、相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項には到達し得ないから、申立人Aの前記主張は採用できない。 (エ) 小括 したがって、相違点1-2について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1及び引用文献3記載の技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2~14について 本件発明2~14は、本件発明1の全ての構成を含み、かつ、さらに限定を加えたものであるから、前記ア(イ)で説示したのと同じ理由により、引用発明1及び引用文献3記載の技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2) 引用発明2を主引用発明とする場合 ア 本件発明1について (ア) 対比 本件発明1と引用発明2とを対比すると、引用発明2の「スパンボンドウェブ」は本件発明1の「不織ウェブ」及び「ウェブ」に相当し、以下同様に、「スパンフィラメント」は「繊維」に、「熱接着されている」との事項は「接着されている」との事項に、「予備固化したスパンボンドウェブA」は「不織布」に、それぞれ相当する。 引用発明2の「スパンボンドウェブがポリプロピレンのモノポリマーからなるスパンフィラメントでできており」との事項と、本件発明1の「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み」との事項とは、「不織ウェブを形成している有機高分子繊維を含み」との事項である限りにおいて一致する。 また、引用発明2の「縦方向MD」は本件発明1の「ウェブの縦方向」に相当し、以下同様に、「横方向CD」は「ウェブの横方向」に、「列状に」は「ロッド状の」に、「接着ドット210b」は「個別化された接着区域」に、「横方向CDに等間隔に列状に配置され、かつ縦方向MDにも所定の距離を隔てて配置された多数の接着ドット210bを備えており」との事項は「ウェブの横方向に配列されているロッド状の個別化された接着区域の交互パターンを備える面を有しており」との事項に、「横方向CDに等間隔に列状に配置された多数の接着ドット210b」は「ロッド」に、「横方向CDに等間隔に列状に配置された多数の接着ドット210bが縦方向MDに対して直交しており」との事項は「ロッドがそれぞれの長さ方向においてウェブの縦方向と90°の角度をなし」との事項に、それぞれ相当する。 さらに、引用発明2の「横方向CDに等間隔に列状に配置され、かつ縦方向MDにも所定の距離を隔てて配置された多数の接着ドット210b以外の部分は熱接着されておらず」との事項は、本件発明1の「ロッドが」「ウェブの横方向において、ロッドの配列がウェブに沿って連続的に延びる複数の非断続領域を画定するように配列されており」との事項及び「個別化された接着区域の交互パターンが、非接着区域を画定しており」との事項に相当し、以下同様に、「14g/m2の目付量を有し」との事項は「5~50g/m2の範囲の目付を有しており」との事項に、「接着率R’が、18.5%以下であり」との事項は「接着区域の表面が、面の全表面の5~20%の範囲にあり、及び非接着区域の表面が、面の全表面の80~95%の範囲にあり」との事項に、「2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離」は「隣接するロッドの各対間の距離」に、それぞれ相当する。 以上の対比を総合すると、本件発明1と引用発明2とは、 「不織ウェブを形成している有機高分子繊維を含み、当該繊維が接着されている不織布であって、 ウェブの横方向に配列されているロッド状の個別化された接着区域の交互パターンを備える面を有しており、ロッドがそれぞれの長さ方向においてウェブの縦方向と90°の角度をなし、およびロッドが、ウェブの横方向において、ロッドの配列がウェブに沿って連続的に延びる複数の非断続領域を画定するように配列されており、個別化された接着区域の交互パターンが、非接着区域を画定しており、 ウェブが、5~50g/m2の範囲の目付を有しており、接着区域の表面が、面の全表面の5~20%の範囲にあり、及び非接着区域の表面が、面の全表面の80~95%の範囲にある、 不織布。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点2-1) 不織ウェブを形成している有機高分子繊維を含むことについて、 本件発明1は、不織ウェブを形成している「複数のポリ乳酸含有繊維」を含むのに対して、引用発明2は、スパンボンドウェブが「ポリプロピレンのモノポリマーからなるスパンフィラメント」でできている点。 (相違点2-2) 本件発明1では、繊維が「ウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと」接着されているのに対して、引用発明2では、スパンフィラメントが「表面で局部的に溶融している多数の接着ドット210bで熱接着されている」との特定に留まる点。 (相違点2-3) 本件発明1では、個別化された接着区域が「その幅の2~10倍の長さを有する直線形状を有」するのに対して、引用発明2では、接着ドット210bが「縦方向MDのドット長さL1が0.40mm、横方向CDのドット幅L2が0.54mmの楕円形状を有する接着ドット210a」に対応した形状である点。 (相違点2-4) 本件発明1では、隣接するロッドの各対間の距離は、横方向において「1.8~3.0mmの範囲内」であり、かつ、縦方向において「2.5~5.0mmの範囲内」であり、及びロッド状の個別化された接着区域は「0.7~1.5mm2の範囲内の表面」を有するのに対して、 引用発明2では、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離は、横方向CDにおいて「1.1mm」であり、かつ、縦方向MDにおいて「1.78mm」であり、及び接着ドット210bは「0.181mm2以下の面積」を有する点。 (イ) 相違点2-4についての判断 まず、相違点2-4について検討する。 引用発明2の「規則的に分布した接着パターンC#1」は、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離は、横方向CDにおいて「1.1mm」、縦方向MDにおいて「1.78mm」であり、本件発明1の隣接するロッドの各対間の距離の横方向における最小値「1.8mm」、縦方向における最小値「2.5mm」よりも、いずれも小さな値とされている。また、引用文献2では、接着ドット210bの面積は「0.181mm2以下」であり、本件発明1のロッド状の個別化された接着区域の面積の最小値「0.7mm2」よりも小さな値とされている。 そうすると、引用発明2において、相違点2-4に係る本件発明1の発明特定事項に到達するためには、「規則的に分布した接着パターンC#1」に代えて、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離をより長く、及び接着ドット210bの面積をより広くした別の接着パターンを使用することが必要となる。 他方、引用文献2には、「本発明の主な特徴によれば、上側彫刻ロール21の接着ドット210aの密度(例えば、1cm2あたりの接着ドット210の数)は非常に高く、少なくとも90ドット/cm2に等しく、より好ましくは、少なくとも100ドット/cm2に等しい。」(前記「第5」2(1) キの[0091])と記載され、引用発明2で使用される「規則的に分布した接着パターンC#1」の主要寸法が「接着ドットの密度(DD):102ドット/cm2」、「ドット面積 (DA):0.181mm2」(前記「第5」2(1)クの[0095])であることが記載されている。 また、引用文献2には、引用発明2で使用される「規則的に分布した接着パターンC#1」よりも2つの隣接する接着ドット間の距離をより長く、及び接着ドットの面積をより広くした別の接着パターンとして、主要寸法が「接着ドットの密度:32.8ドット/cm2」、「ドット面積 (DA):0.5476mm2」、「2つの隣接するドット間の距離(e):1.747mm」(前記「第5」2(1) コの[0120])である「接着パターンC#2」が記載されているが、こちらは「接着ドットが低密度(32.8ドット/cm2)であり、各接着ドットの面積が広い(0.5476mm2)点で、前述の接着パターン「C#2」は本発明のスコープから外れており」(前記「第5」2(1)コの[0121])とされているものである。 そうしてみると、引用発明2において「規則的に分布した接着パターンC#1」に代えて、「接着パターンC#2」よりもさらに、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離を長く、及び接着ドット210bの面積を広くした別の接着パターンを使用するように変更することには阻害要因があるといえる。 (ウ) 特許異議申立人の主張について 申立人Bは、令和4年9月30日付けの意見書(「3 意見の内容」の「(5)」)において、「訂正事項2に関し、引用発明2のみならず、異議申立人2が提出した周知技術を示す甲第5~8号証から明らかなように、本件発明1のような「ロッドが、ウェブの縦方向において、ウェブに沿って非断続領域が存在しないが、ウェブの横方向において、ロッドの配列がウェブに沿って連続的に延びる複数の非断続領域を画定するように配列されている」態様のエンボスパターンは周知であり、当業者であれば、引用発明2や甲第5~8号証の図面から、ロッドの接着面積割合や、ロッド長さ、ロッド巾、MD方向ロッド間距離、CD方向ロッド間距離等を必要に応じて定めることができると解される。」と主張する。 しかしながら、後記「第7」1(3)アで示すとおり、申立人Bが示した甲B5~甲B8(申立人Aが示した甲A8、甲A6、甲A9及び甲A3)は、いずれも本件発明1における接着区域の配列パターンに類似した千鳥状の接着区域の配列パターンを開示するものの、柔軟性を高めることを目的として当該配列パターンを採用したものではないから、柔軟性を高めるために、千鳥状の接着区域の配列パターンを、接着区域の長さ方向が不織布のウェブの横方向に一致するように配置することが、従来周知の技術的事項であったとはいえない。 さらに、前記(イ)で示したとおり、引用発明2において、相違点2-4に係る本件発明1の発明特定事項に到達するために、「規則的に分布した接着パターンC#1」に代えて、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離を長く、及び接着ドット210bの面積を広くした別の接着パターンを使用するように変更することには阻害要因がある。 よって、申立人Bの前記主張は採用できない。 (エ) 小括 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明2及び引用文献3記載の技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2~14について 本件発明2~14は、本件発明1の全ての構成を含み、かつ、さらに限定を加えたものであるから、前記ア(イ)で説示したのと同じ理由により、引用発明2及び引用文献3記載の技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3) 小括 したがって、本件発明1~14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではないから、取消理由2によって取り消すことはできない。 第7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許法第29条第2項について (1) 申立人A及び申立人Bの理由 ア 申立人Aは、証拠方法として、以下に示す甲第1~11号証(以下、それぞれ番号順に「甲A1」等という。)を提出し、本件訂正前の請求項1~3、8~11に係る発明は、甲A1、甲A2~甲A9、及び甲A10~甲A11に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないと主張する。 <証拠方法> 甲A1:特開2003-64568号公報 甲A2:特開2000-345454号公報 甲A3:特開2008-169506号公報 甲A4:特表2015-535698号公報 甲A5:特開2009-34209号公報 甲A6:特開平11-335960号公報 甲A7:特開昭56-140153号公報 甲A8:特開平10-36795号公報 甲A9:特開2002-273808号公報 甲A10:特開2013-122104号公報 甲A11:特開2004-244730号公報 イ 申立人Bは、証拠方法として、以下に示す甲第1~8号証(以下、それぞれ番号順に「甲B1」等という。)を提出し、本件訂正前の請求項1~14に係る発明は、周知技術を示す甲B2~甲B4及び甲B5~甲B8を勘案して、甲B1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないと主張する。 <証拠方法> 甲B1:米国特許出願公開2010/0324515号明細書 甲B2:特表2001-522412号公報 甲B3:特開2003-275093号公報 甲B4:特開2011-38219号公報 甲B5:特開平10-36795号公報(甲A8に同じ) 甲B6:特開平11-335960号公報(甲A6に同じ) 甲B7:特開2002-273808号公報(甲A9に同じ) 甲B8:特開2008-169506号公報(甲A3に同じ) (2) 甲号証の記載 ア 甲A2 甲A2には、「不織布」に関し、次の記載がある。 (ア) 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、手で容易に且つ自在な大きさにカットできる不織布に関する。本発明の不織布は、洗浄スポンジ等のクレンジング用途、クッキングシート等のクッキング用途、或いはワイパー用途等に特に好適に用いられる。」 (イ) 「【0023】本発明の不織布に連続又は不連続パターンのエンボス加工を施すことで、不織布を直線的にカットし易くなる。これにより、例えば、家庭用ラッピングフィルムやアルミホイル等の箱入りの巻物の様に、必要量を出してカットする場合の直線的なカット性が良好となる。直線的なカット性を一層良好にするためには、直線状の連続パターンのエンボス加工を施すことが好ましい。エンボス加工としては、例えば熱エンボスや超音波エンボス等を用いることができる。」 (ウ) 「【0027】不織布に形成されるエンボスパターンは図1及び図2に示すパターンに限られず、例えば図3(a)に示す不織布幅方向に亘る直線パターン、図3(b)に示す不織布幅方向に亘る点線パターン、図3(c)に示す不織布幅方向に亘る鋸歯状パターン、図3(d)に示すドット状(水玉状)パターン、図3(e)に示す不織布幅方向に亘る波状パターン等を用いることもできる。」 (エ) 「【図3】 [図:0001395184000004.jpg] 」 イ 甲A3(甲B8) 甲A3(甲B8)には、「伸縮性不織布」に関し、次の記載がある。 (ア) 「【技術分野】 【0001】 本発明は、伸縮性不織布に関し、特にオムツ等の使い捨て衛生材料やテープ基材、または貼布材、包帯、あるいは包材などの伸縮性を要する部分に用いられる伸縮性不織布に関するものである。」 (イ) 「【0014】 本発明の不織布において、部分熱圧着域とは異なる繊維高密集域とは、繊維が潰されることなく高度に密集した領域であり、表面に占めるその面積率が5~70%であることが好ましく、より好ましくは20~55%の範囲であり、特に好ましくは35~50%の範囲である。 【0015】 繊維高密集域の繊維構造は、熱圧着処理されたものとは異なり、繊維が潰されたり、融着することなく、繊維としての形状を維持し、繊維としての自由度を有する。従って、伸縮に対する追従性、回復性に優れた効果を発揮し、特に、繰返し伸縮に対し、繊維組織として優れた追従性を有する。該面積率が5%未満では、伸縮特性が向上するという効果があるとは言えず、70%を超えると伸長性の低減に伴い、弾性率が低減する。」 (ウ) 「【図面の簡単な説明】 【0041】 ・・・ 【図3】本発明の繊維高密集域を形成するためのエンボス柄の例を示す平面図。a)はピン柄、b)は横長円柄の例である。 ・・・」 (エ) 「【図3】 [図:0001395184000005.jpg] 」 ウ 甲A4 甲A4には、「柔らかい不織布層を有する物品」に関し、次の記載がある。 (ア) 「【0125】 スパンボンドは、スパンレイド繊維の芯をカレンダー結合し、それらを統合してある程度まで一緒に結合し、布地様構造としてのウェブを生成し、例えば、引張強度といった、材料がその後の製造プロセス及び使用される最終製品において構造的一体性及び寸法安定性を十分に維持し得るために望ましいことがある、機械的特性を改良する工程を含む。図3を参照すると、カレンダー結合は、1対の回転するカレンダーローラー50、51の間のニップに、芯21aを通過させることによって、繊維を圧縮及び統合して不織布ウェブ21を形成することにより、達成することができる。ローラーの一方又は双方は、ニップにて圧縮される重なり合った繊維間の加熱、塑性変形、噛み合い、及び/又は熱結合/融合を促進するために、加熱されてもよい。ローラーは、それらがニップにて所望の圧縮力/圧力を付与するように、制御可能な量の力によって一緒に付勢される結合メカニズムの操作可能な構成要素を形成してもよい。いくつかのプロセスでは、超音波エネルギー源が、超音波振動を繊維に伝送し、同様に繊維内に熱エネルギーを発生させて結合を改良させるように、結合メカニズムに含まれてもよい。」 (イ) 「【0127】 例えば、図4Aに示されたものなどの結合突出部及び陥凹領域の繰り返しパターンを、結合ローラー50(図3)上に形成してもよい。図4Aに示された棒状結合形状100は、ローラー上の結合突出部の隆起した表面を表す一方で、それらの間の領域は、陥凹領域101を示す。結合突出部の結合形状100は、カレンダープロセスにおいて、ウェブ上に類似形状の結合型押を型押しする。」 (ウ) 「【0129】 本明細書で想到される種類の不織布ウェブは、選択された不織布ウェブの組成、坪量、結合パターン、並びに装置及びプロセス変数に応じて、300m/分超、又は600m/分超、又は更に800m/分超、又はそれ以上のライン速度でカレンダー結合されてよい。再度図3を参照すると、矢印で示したように、かかる速度において、芯21a及びローラー50、51の表面は周囲の空気を取り込み、ニップ52に向かって移動することが理解されるであろう。上述のように、結合ローラー50の表面特徴はこの現象を改良する。取り込まれた空気がニップに向かって運ばれると、ニップが近付くにつれてローラー間の空隙が小さくなり、ニップ52の前面で空気圧が相対的に高く、上昇した区域がもたらされると考えられる。このような高圧下で取り込まれた空気の一部は、ローラー上の結合パターンの陥凹領域内、及びニップを通過する繊維の間隙内で、ニップ52を付勢し、更に圧縮される。不織布ウェブ21がニップ52から出ると、繊維内に取り込まれ、共にニップを通過する圧縮された空気は、出口側で相対的に低圧の区域に遭遇し、その結果障害がない全ての方向へニップから離れるのを加速すると考えられる。したがって、カレンダー結合プロセスにおける芯の移動及びカレンダーローラーの回転の結果、芯21a及びウェブ21の内部及び付近で、実質的空気取り込み、空気圧縮、及び比較的高速度の複雑な空気流が生じると考えられる。 【0130】 結合突出部を備える結合ローラーの表面特徴は、この空気流に影響すると考えられる。特にニップにおいて、結合突出部の輪郭は空気流の障害であり、一方結合突出部間の陥凹領域は通路となる。したがって、ウェブ中に形成される結合型押に反映される、結合突出部の特定の構成、形状、及び位置について、結合形状の回転方向及び繰り返しパターンを選択し形成して、この空気流に有益な影響を与えることができると考えられる。更に、結合表面と、結合表面と実質的に平行の面、ウェブ表面に近い平面に対する回転方向、及び空隙部に沿った突出部の断面とに反映される、特定の特徴を持つ結合表面形状を有する結合突出部のパターンを利用し、カレンダー結合プロセス中の繊維の再配置を起こす、例えば繊維の逆毛又は毛羽を立たせ、それにより他の統合された結合形状及びパターンを有し、その他可変部は全て同じである類似の不織布ウェブよりも、大きいかさばり/キャリパーを有する改良されたカレンダー結合した不織布ウェブをもたらすような方法で、この空気流を導くことができると考えられる。」 (エ) 「 [図:0001395184000006.jpg] 」 エ 甲A5 甲A5には、「パンツ型使い捨て紙おむつ」に関し、次の記載がある。 (ア) 「【技術分野】 【0001】 本発明は、前身頃と後身頃とが両側端の接合縁部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨て紙おむつに関し、詳細には前記接合縁部での引き剥がし易さを向上させておむつ交換の容易化を図ったパンツ型使い捨て紙おむつに関する。」 (イ) 「【0049】 前記胴周り弾性部材28…は、吸収性本体10上を横断するように連続して配置するようにしてもよいが、好ましくは図示されるように、吸収体13の縮こまりをより防止するため、吸収性本体10を横切る弾性伸縮部材を切断し、不連続とするのがよい。・・・ 【0050】 前記弾性伸縮部材28…を切断し不連続化するには、特開2002-35029号公報、特開2002-178428号公報及び特開2002-273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。同公報に記載される弾性伸縮部材の切断方法は、基本的には図7に示されるように、前記後身頃用外装シート20となる外装シート用連続シートW1を製造した後、表面に凸部を複数個配列したエンボスヒートロール44と、このエンボスヒートロール44と対向する対向ロール45との間に前記外装シート用連続シートW1を通過させ、この外装シート用連続シートW1の弾性伸縮部材を前記エンボスヒートロール44の凸部および対向ロール45間での加圧および加熱の内の少なくとも一方により切断するものである。」 (ウ) 「【0052】 好ましいエンボスパターンの例を図9(a)、(b)に示す。図9(a)は複数の線状の凸部を千鳥状に配設したエンボスパターンである。図9(b)は、菱形状の凸部が千鳥状に配設されたエンボスパターンである。このようなエンボスパターンを用いる場合最も重要なのは、切断対象となる伸縮部材のそれぞれが、前記凸部群により複数個所で切断されるように、凸部群が配列されていることであり、その範囲であれば凸部の寸法と配列は自由である。」 (エ) 「【図7】(B) [図:0001395184000007.jpg] 」 (オ) 「【図9】(a) [図:0001395184000008.jpg] 」 オ 甲A6(甲B6) 甲A6(甲B6)には、「不織布及びそれを用いた吸収性物品」に関し、次の記載がある。 (ア) 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、メカニカルテープのオス材への係合力が高く、毛羽立ちが小さく、メカニカルテープのメス材用として有用な不織布及び該不織布を用いてなる吸収性物品に関する。」 (イ) 「【0019】そして、本発明の不織布においては、上記の伸張率を満足すると共に毛羽立ち抑制効果の点から、上記エンボス処理により形成されたエンボスパターンは、少なくとも不織布の両側を除く全幅に亘ってMD方向と交差するように形成されているのが好ましい。以下に、上記エンボスパターンの具体例について、図1~8を参照して説明する。ここで、図1~8は、それぞれ本発明の不織布の一形態を示す平面図である。」 (ウ) 「【0026】図7に示す形態の不織布1は、楕円形状のエンボス線2を複数個配して、エンボスパターンを不織布の両側を除く全幅に亘って形成している。」 (エ) 「【図7】 [図:0001395184000009.jpg] 」 カ 甲A8(甲B5) 甲A8(甲B5)には、「粘着テープ用基布およびそれを用いた粘着テープ」に関し、次の記載がある。 (ア) 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、梱包用等に使用されているヨコ引裂性を有する粘着テープに関し、さらに詳しくは、熱可塑性樹脂より紡糸された主としてタテ方向延伸不織布をタテ基材に使用し、ヨコ基材と粘着層および離型層とを積層してなるヨコ引裂性を有する粘着テープに関するものである。なお、タテ基材およびヨコ基材とは、繊維の配向方向がテープの長さ方向とそれぞれ平行および垂直である基材をいう。」 (イ) 「【0013】本発明の他の重要な解決課題は、タテ基材中のフィラメントの動きを拘束し、ヨコ基材に強固に固定することである。強固に固定されていなければ、ヨコ引裂応力がタテ基材中のフィラメントに作用したとき後者のフィラメントが逃げる状態となるため、タテ基材の細いフィラメントを個々に切断して小さい引裂応力で切断するという効果が発揮されず、大きな引裂応力が必要となる。織布の場合は、密に織られた経緯のヤーンの交絡がヤーンの動きを拘束する役目を果たしている。本発明の延伸不織布の接合方法としては加熱エンボス接着が用いられる。加熱エンボス接着は、フィラメントの軟化点以上の温度に加熱された凸部を被接着体に押圧して熱圧着する方式である。凸部の形状は、目的とする用途や接着強さによって種々選択することができる。本発明者らは、ヨコ方向に直線成分を有するエンボスパターンがヨコ引裂性を増すことを見出した。なお、熱エンボスと同様の原理により、エンボスパターン上で超音波ホーンを接触させて接着させる超音波接着法も用いることができるが、これらを総称してエンボス処理と呼ぶ。」 (ウ) 「【0019】上記で得られたタテ基材とヨコ基材を、図3に示すエンボス装置により熱融着する。タテ基材31とヨコ基材32をニップロール33a、33bに導き、220℃に加熱されたエンポスロール34aと受ロール34bの間でエンボス処理を施し、ニップロール35a、35bで引き取り直交不織布36とした。図4(A)~(D)は、エンボスパターンの例であるが、実施例1においては、図4(A)のパターンを採用した。すなわち、長さ1.25mm、幅0.35mmの線をピッチ1.25mmで千鳥状に配置したものである。・・・」 (エ) 「【図4】(A) [図:0001395184000010.jpg] 」 キ 甲A9(甲B7) 甲A9(甲B7)には、「伸縮性シートの製造方法およびこれを用いた紙おむつ」に関し、次の記載がある。 (ア) 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、不織布やプラスチックフィルム等のシートに糸ゴム等の弾性材料等からなる伸縮部材を取付けて伸縮性シートを製造する方法に関するものである。」 (イ) 「【0023】これにより、上下シート930,910に伸縮部材920が挟み込まれた積層体940が得られる。 【0024】この積層体940は、エンボス部951を備えたエンボスヒートロール(本発明の第1のロールに相当)950と対向ロール(第2のロールに相当)959の間に挿入され、伸縮部材のみが切断される。・・・」 (ウ) 「【0027】先ず、前記中間方形部960では、標準的な凸部952、952…の配置パターンが採用される。その具体的かつ好適なエンボスパターンの例を図5(a),(b)に示す。図5(a)は複数の線状の凸部を千鳥格子状に配設したエンボスパターンである。長さS1、幅W1の線状の凸部953、953…をエンボスヒートロール950の軸方向(黒矢印方向)に距離D1を隔てて配設した凸部群の列と、凸部953と同じ長さS1、幅W1の凸部954,954群を伸縮部材の間隔に応じて必ず切断できる位置、すなわち凸部954が伸縮部材の位置に存在するようにロール軸方向のピッチを設定した上で、エンボスヒートロール950の周面方向(白抜き矢印方向)に、距離M1を隔てて配設する配列パターンの繰り返しによって形成されている。・・・」 (エ) 「【0029】前記線状凸部の長さS1および菱形の長軸S2は、1~25mmの範囲とするのが好ましく、5~25mmがより好ましい。また、隣接する凸部との離間距離D1とS1は同じか、S1の方が長いことが好ましい。千鳥状配置のため、凸部953と凸部953の間に位置する伸縮部材を凸部954で確実に切断することが可能となる。菱形状凸部956の場合のD2とS2においても同様に、D2≦S2とすることが好ましい。線状凸部の長さS1および菱形の長軸S2が1mmよりも短いと、場合によって伸縮部材を切断できないおそれがあり、25mmよりも長いと、シール部の面積が大きくなり過ぎて、肌触り感が悪くなるおそれがある。よって、離間距離D1とD2の範囲も1~25mmの範囲が好ましく、D1は3~25mmがより好ましい。・・・ 【0030】線状凸部の幅W1および菱形の短軸W2は、0.5~15mmとするのが好ましい。線状凸部の幅W1および菱形の短軸W2が0.5mmより細い場合、伸縮部材の切断が行えないおそれがあり、15mmより太いと、シール部の面積が大きくなり過ぎて、肌触り感が悪くなるおそれがある。・・・ 【0031】凸部群の列同士の離間距離M1またはM2は特に限定されないが、前記M1またはM2は共に0.5~25mmが好ましい。・・・」 (オ) 「【図5】(a) [図:0001395184000011.jpg] 」 (3) 当審の判断 ア 申立人Aの理由について 甲A7(引用文献3)には、引用文献3記載の技術的事項(前記「第5」3(3))が記載されているが、前記「第6」2(1)ア(イ)で示したとおり、甲A7(引用文献3)には、図2に示された部分的結合部のパターンを有する凹凸ロールを用いて熱圧着した不織布が、構成A及び構成Bを備えることが記載されておらず、仮に記載されていると解した場合であっても、構成Bを満たし、かつ、構成Cを備えることについての記載や示唆はないから、甲A7(引用文献3)における全ての記載や示唆を考慮しつつ、引用発明1に引用文献3記載の技術的事項を適用したとしても、相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項には到達し得ない。 また、甲A4は、本件発明1における接着区域の配列パターンとは縦横が真逆の配列パターンを開示するものであり、甲A2、甲A3、甲A5、甲A6、甲A8、甲A9は、いずれも本件発明1における接着区域の配列パターンに類似した千鳥状の接着区域の配列パターンを開示するものの、柔軟性を高めることを目的として当該配列パターンを採用したものではないから、柔軟性を高めるために、千鳥状の接着区域の配列パターンを、接着区域の長さ方向が不織布のウェブの横方向に一致するように配置することが、従来周知の技術的事項であったとはいえない。 さらに、申立人Aが示した他の甲号証にも、相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項についての記載や示唆はない。 よって、本件発明1は、引用発明1、甲A2~甲A9、及び甲A10~甲A11に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 申立人Bの理由について 甲B5、甲B6及び甲B8には、相違点2-4に係る本件発明1の発明特定事項に関する記載はないが、甲B7には、エンボスヒートロール950に、隣接する凸部との離間距離D1が1~25mm、凸部群の列同士の離間距離M1が0.5~25mm、線状凸部の長さS1が1~25mm、幅W1が0.5~15mmとなるように凸部を千鳥状に配置することが記載されており(前記(2)キ(ウ))、エンボスヒートロール950により、上下シート930、910に伸縮部材920が挟み込まれた積層体940に形成されるシール部は、相違点2-4に係る本件発明1の発明特定事項に相当する構成を備えるといえる。 しかしながら、前記「第6」2(2)ア(イ)で示したとおり、引用発明2において「規則的に分布した接着パターンC#1」に代えて、「接着パターンC#2」よりもさらに、2つの隣接する接着ドット210b、210b間の距離を長く、及び接着ドット210bの面積を広くした別の接着パターンを使用するように変更することには阻害要因がある。 よって、本件発明1は、引用発明2、周知技術を示す甲B2~甲B4及び甲B5~甲B8に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 特許法第36条第6項第1号について 申立人Aは、請求項1には「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み、当該繊維がウェブの縦方向に対してはっきりと接着されている不織布であって」と記載されているところ、本件特許明細書には、実施例として「すべての不織布が、芯がポリラクチド酸(PLA)でできた、鞘がポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)でできた2成分(芯/鞘)繊維からなるもの」(段落【0084】)が記載され、「本発明によるすべての実施例(実施例1b、2b、3b及び4b)が、本発明によらない比較例(実施例1a、2a、3a及び4a)と比較したとき、より低い剛性、したがって、改善されたドレープ性を示す一方、同時に引張強度をほぼ維持する」(段落【0095】)ことが記載されている一方、請求項1~14に係る発明に用いる繊維として、前記2種類の繊維以外の繊維まで拡張した場合や、前記2種類の繊維を一般化した場合にまで、接着性及び引張強度を高めるとの課題、及び柔軟性(ドレープ性)を高めるとの課題を解決できることは認識できない旨主張する(申立人Aの特許異議申立書第29ページ第15行~第31ページ第21行)。 また、申立人Bは、請求項1に係る発明の不織布を構成する不織ウェブの「複数のポリ乳酸含有繊維」には、ポリ乳酸単独繊維等も含まれるものであるところ、本件特許明細書において実施例で使用されているポリ乳酸含有繊維は、ポリ乳酸系芯鞘繊維(芯:ポリ乳酸、鞘:ポリプロピレン又はポリエチレン)だけであり、技術常識に照らして、ポリ乳酸単独繊維と実施例で使用されたポリ乳酸系芯鞘繊維とが同じ物性を示すと考えるとはできないから、実施例で使用されたポリ乳酸系芯鞘繊維で得た知見を、ポリ乳酸単独繊維やポリ乳酸を含有する他の多成分繊維にまで一般化することはできない旨主張する(申立人Bの特許異議申立書第17ページ第17行~第18ページ第13行)。 しかしながら、本件特許明細書には、ポリ乳酸含有繊維を使用すると「高い剛性・・・を有する不織布製品」(段落【0005】)が得られること、「積層方向に対して垂直にはっきりと接着されているため、横方向への引張強度は大幅に改善されている。・・積層方向(すなわち縦方向)に非断続領域が存在しないことは、存在すれば非接着フィラメントの弱い区域を生じて、引張強度の低下をもたらすので、重要である。」(段落【0021】、当審注:前記「第2」2(1)イで示したとおり、「積層方向」とは「ウェブに沿った縦方向」を意味する表現と解される。)ことが記載されている。 そうすると、請求項1に係る発明は、「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み、当該繊維がウェブの縦方向に対して垂直にはっきりと接着されている」、及び「ロッドが、ウェブの縦方向において、ウェブに沿って非断続領域が存在しないが、ウェブの横方向において、ロッドの配列がウェブに沿って連続的に延びる複数の非断続領域を画定するように配列されており」という発明特定事項を備えることにより、「向上したドレープ性、したがって、改善された柔軟性を示す一方、同時に十分な剪断強度及び高い引張強度が達成され」る(段落【0008】)という課題を解決することができると当業者が理解できるといえる。 したがって、申立人A及び申立人Bの前記主張は採用できない。 3 特許法第36条第4項第1号について 申立人Aは、請求項1には「不織ウェブを形成している複数のポリ乳酸含有繊維を含み」と記載されているところ、本件特許明細書には、実施例で使用された「芯がポリラクチド酸(PLA)でできた、鞘がポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)でできた2成分(芯/鞘)繊維からなる」(段落【0084】)2種類の繊維以外の繊維を用いる場合については、課題を解決できることを認識できないから、請求項1~14に係る発明が目的とする作用効果を奏する態様で使用できる(技術上の意義のある態様で使用できる)とはいえない旨と主張する(申立人Aの特許異議申立書第31ページ第22行~第32ページ第19行)。 しかしながら、前記1に示したとおり、本件特許明細書の段落【0005】及び【0021】の記載を参酌すれば、請求項1に係る発明は、「複数のポリ乳酸含有繊維」として、同段落【0084】に記載された2種類の繊維以外の繊維を用いる場合においても、同段落【0008】に記載された課題を解決することができると当業者が理解できるといえるから、申立人Aの前記主張は採用できない。 4 特許法第36条第6項第2号について 申立人Bは、請求項1~14に係る発明における「直線形状を有し、およびウェブの横方向に配列されているロッド状の個別化された接着区域」に関して、本件特許明細書には、「直線形状」というロッド形状自体の外延を画する具体的な記載や、ロッドの端部の湾曲の程度や湾曲の向き等を特定するような具体的な記載はないため、ロッドの形状が不明確である旨主張する(申立人Bの特許異議申立書第18ページ第25行~第19ページ第9行)。 しかしながら、「直線」は「まっすぐな線。」(デジタル大辞泉、小学館)を意味し、「ロッド」は「棒。」(デジタル大辞泉、小学館)を意味する言葉であることを踏まえると、請求項1の記載「直線形状を有し、およびウェブの横方向に配列されているロッド状の個別化された接着区域」はそれ自体意味の不明瞭な記載ではなく、本件特許明細書には、段落【0020】に「当業者は、語句「ロッド」が、真っ直ぐなバー又はスティックのような直線の真っ直ぐな形状を画定することを意図することを理解する。」との説明もあり、請求項1~14に係る発明における「ロッド状の個別化された接着区域」が包含する形状の外延も明確である。 したがって、申立人Bの前記主張は採用できない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由並びに特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、請求項1~14に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-701051

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