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特許異議申立

2021-701034

広範囲の着用者に装着するための使い捨て吸収性物品の揃い

審判番号
2021-701034
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-144554
登録番号
6874072
請求日
2021年11月01日
審決日
2022年09月28日
公報発行日
2022年12月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 【権利者代理人】永井 浩之
  • 【権利者代理人】中村 行孝
  • 【権利者代理人】朝倉 悟
  • 【権利者代理人】出口 智也
  • 【権利者代理人】村田 卓久
  • 【権利者代理人】小島 一真
  • 【権利者代理人】村越 卓
  • 【異議申立人】本間 裕美
  • 【異議申立人】浜 俊彦
審判長/審判官
  • 審判長 一ノ瀬 覚
  • 審判官 八木 誠
  • 審判官 芦原 康裕
分類
P1651.121-YAA(A61F) / P1651.537-YAA(A61F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第6874072号発明「広範囲の着用者に装着するための使い捨て吸収性物品の揃い」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6874072号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-15〕について訂正することを認める。 特許第6874072号の請求項1-15に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6874072号の請求項1~15に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2014年(平成26年)6月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年6月20日、米国)を国際出願日とする特願2016-519723号の一部を、令和1年8月6日に新たな特許出願としたものであって、令和3年4月23日に特許権が設定登録され、同年5月19日に特許掲載公報が発行された。 そして、本件特許についての、特許異議申立人本間裕美(以下「申立人A」という。)及び特許異議申立人浜俊彦(以下「申立人B」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和3年11月 1日 申立人Aより特許異議の申立て 同年11月12日 申立人Bより特許異議の申立て 令和4年 3月 7日付け 取消理由通知 同年 6月 6日 特許権者より意見書・訂正請求書 同年 7月26日 申立人Aより意見書 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和4年6月6日の訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の(1)~(5)(なお、下線は訂正箇所である。)のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「2つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、を含み 前記第1及び第2のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、3.2gf/mm以下であり、 前記第1及び第2のパッケージの前記第1及び第2の吸収性物品のうちの少なくとも2つが、実質的に同一のシャーシを含む、パッケージの揃い。」 と記載されているのを、 「2つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、を含み 前記第1及び第2のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、3.2gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1及び第2のパッケージの前記第1及び第2の吸収性物品のうちの少なくとも2つが、実質的に同一のシャーシを含む、パッケージの揃い。」 に訂正する。 請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6~15も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に、 「異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、及び第3のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、7.1gf/mm以下であり、 前記第1、第2、及び第3のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 と記載されているのを、 「異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、及び第3のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、7.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、及び第3のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 に訂正する。 請求項2の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6~15も同様に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、 「4つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3及び第4のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、11.1gf/mm以下であり、 前記第1、第2、第3及び第4のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 と記載されているのを、 「4つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3及び第4のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、11.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、第3及び第4のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 に訂正する。 請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6~15も同様に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に、 「5つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、15.1gf/mm以下であり、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 と記載されているのを、 「5つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、15.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 に訂正する。 請求項4の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6~15も同様に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に、 「6つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、 第6のサイズを有する第6の吸収性物品を含む第6のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、19.1gf/mm以下であり、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 と記載されているのを、 「6つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、 第6のサイズを有する第6の吸収性物品を含む第6のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、19.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。」 に訂正する。 請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6~15も同様に訂正する。 (6)一群の請求項 本件訂正は、一群の請求項〔1~15〕に対して請求されたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「吸収性物品」に「成人用の」との限定を付加し、訂正前の請求項1の「ベルト弾性係数」について、「2gf/mm以上」との限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 そして、訂正事項1は、願書に添付した明細書の【0044】の「成人の腰部及び臀部周囲の全範囲(集団の99%)は、約60cm(24インチ)~163cm(64インチ)に及ぶ。ベルト弾性係数の望ましい範囲は、約0.02N/mm~約0.2N/mm、又は約0.02N/mm~約0.15N/mm、又は約0.03N/mm~約0.12N/mm、又は0.03N/mm~約0.07N/mm(約2gf/mm~約20gf/mm、又は約2gf/mm~約15gf/mm、又は約3gf/mm~約12gf/mm、又は3gf/mm~約7gf/mm)であり得る。ベルト弾性係数が、0.02N/mm(2gf/mm)未満の場合は、製品は、「緩く」感じ、わずかの弾性回復を有する。また、ベルト弾性係数が、0.2N/mm(20gf/mm)で範囲の上部を超える場合、製品は、「きつく」感じ、伸縮可能ではない。・・・」(下線は当審が付与。以下同様。)等に開示されているのは明らかであるから、新規事項を追加するものではない。 (2)訂正事項2~5について 訂正事項2~5の訂正内容は、訂正事項1と実質的に同じであるから、上記(1)で説示したのと同様の理由により、訂正事項2~5も、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、新規事項を追加するものではない。 (3)小括 以上によれば、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~15〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の本件特許の請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」~「本件発明15」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。 「【請求項1】 2つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、を含み 前記第1及び第2のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、3.2gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1及び第2のパッケージの前記第1及び第2の吸収性物品のうちの少なくとも2つが、実質的に同一のシャーシを含む、パッケージの揃い。 【請求項2】 異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、及び第3のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、7.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、及び第3のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。 【請求項3】 4つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3及び第4のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、11.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、第3及び第4のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。 【請求項4】 5つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、15.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。 【請求項5】 6つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、 第6のサイズを有する第6の吸収性物品を含む第6のパッケージと、を含み、 前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、19.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上であり、 前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージが、同一のブランド名及びサブブランド名を含む、パッケージの揃い。 【請求項6】 前記第1の吸収性物品が、腰部領域に弾性撚糸を含み、前記第2の吸収性物品が、腰部領域にエラストマーフィルムを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。 【請求項7】 前記パッケージのうちの少なくとも1つが、3gf/mm~7gf/mmのベルト弾性係数を有する、請求項2~6のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。 【請求項8】 前記パッケージのうちの少なくとも1つが、4gf/mm~6gf/mmのベルト弾性係数を有する、請求項2~6のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。 【請求項9】 前記パッケージのうちの少なくとも2つが、3gf/mm~7gf/mmのベルト弾性係数を有する、請求項2~6のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。 【請求項10】 前記吸収性物品のそれぞれが、一対の恒久的なサイドシームを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。 【請求項11】 前記吸収性物品のそれぞれが、一対の再締結可能なサイドシームを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。 【請求項12】 前記再締結可能なサイドシームが、フックアンドループによって形成される、請求項11に記載のパッケージの揃い。 【請求項13】 前記第1の吸収性物品が、腰部領域に弾性撚糸を含み、前記第2の吸収性物品が、腰部領域にエラストマーフィルムを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の吸収性物品の揃い。 【請求項14】 前記第1及び第2の物品が、0.05N/mm(5gf/mm)超離れたベルト弾性係数値を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。 【請求項15】 前記第1及び第2の吸収性物品が、組成的に同一なコアの超吸収性ポリマーを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のパッケージの揃い。」 第4 取消理由通知書に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1~15に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 [取消理由] 本件特許の下記請求項に係る発明は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項 1~6、11~15 請求項1の記載では、ベルト弾性係数の下限は特定されていないから、請求項1に係る発明は、当業者が明細書に記載の課題を解決できると認識できる範囲のものではないものも含むことになり、発明の詳細な説明によって技術的に裏付けられているとは認められない。また、請求項2~5にも請求項1の上記記載と同様な記載があるので、請求項2~5に係る発明も、発明の詳細な説明によって技術的に裏付けられているとは認められない。 したがって、請求項1~5、及び、これら請求項を直接的または間接的に引用する請求項6、11~15に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。 ・請求項 1~15 請求項1~15に係る発明は、成人用の吸収性物品だけでなく、新生児や乳幼児用の吸収性物品も含むものとなっているので、発明の詳細な説明に実質的に開示されたものではないものではないものも含むから、請求項1~15に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。 第5 取消理由について 1 判断 本件訂正により、訂正前の請求項1~5それぞれにおいて、「吸収性物品」に「成人用の」と限定が付加され、「ベルト弾性係数」について、「2gf/mm以上」との限定を付加されたことにより、上記取消理由(上記第4)は解消されたから、請求項1~5、及び、これら請求項を直接的または間接的に引用する請求項6~15に係る発明、すなわち、本件発明1~15は、発明の詳細な説明に記載されたものである。 2 申立人Aの主張について 申立人Aは、意見書において、明細書の段落【0044】の「ベルト弾性係数が、0.02N/mm(2gf/mm)未満の場合は、製品は、「緩く」感じ、わずかの弾性回復を有する。また、ベルト弾性係数が、0.2N/mm(20gf/mm)で範囲の上部を超える場合、製品は、「きつく」感じ、伸縮可能ではない。」との記載等を参酌して、請求項1~5の記載では、揃いのサイズそれぞれについてベルト弾性係数が特定されていないから、当該請求項に係る発明は、当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものでないものも含むことになり、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨主張する。 しかしながら、請求項1~5の記載によって特定されているベルト弾性係数の範囲は、明細書の段落【0044】の上記記載において、よくないとする範囲を含まないものであり、当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものでないものも含むことにはならないので、申立人Aの上記主張は、採用することができない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許異議申立理由の内容 申立人Aは、特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ、「本件訂正前発明1」~「本件訂正前発明15」という。)について、以下の(1)、(2)を主張し、申立人Bは、特許異議申立書において、本件訂正前発明1~15について、以下の(3)を主張する。 なお、以下のとおり、申立人Aが提出した「甲第1号証」~「甲第5号証」は、それぞれ、「引用文献1」~「引用文献5」といい、申立人Bが提出した「甲第1号証」~「甲第5号証」は、それぞれ、「引用文献6」~「引用文献10」という。 [証拠一覧] 引用文献1:特表2005-501975号公報 引用文献2:特表2010-534099号公報 引用文献3:特開2011-115229号公報 引用文献4:特開2011-50484号公報 引用文献5:特開2009-240694号公報 引用文献6:特開2003-290279号公報 引用文献7:米国特許出願公開第2003/0084984号明細書 引用文献8:特許第3386124号公報 引用文献9:特開平3-202056号公報 引用文献10:特開平1-162802号公報 (1)特許異議申立理由A-1 本件訂正前発明1~10、13~15は、引用文献1に記載された発明及び引用文献3~5で把握される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、 本件訂正前発明11、12は、引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された事項及び引用文献3~5で把握される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)特許異議申立理由A-2 本件訂正前発明1、6、10、13~15は、引用文献2に記載された発明及び引用文献3~5で把握される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)特許異議申立理由B 本件訂正前発明1~15は、引用文献6に記載された発明、引用文献7に記載された事項及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 引用発明の記載事項等 (1)引用文献1について ア 記載事項 引用文献1には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 発達の種々の段階で着用者に適合するように設計された使い捨て吸収性物品形体の配列であって、 第一吸収性物品形体、着用者の発達の第一段階に対応するように設計されたシャーシを含む第一吸収性物品形体と、 第二吸収性物品形体、着用者の発達の第二段階に対応するように設計されたシャーシを含む第二吸収性物品形体と、 第三吸収性物品形体、着用者の発達の第三段階に対応するように設計されたシャーシを含む第三吸収性物品形体と を含んでなる配列。 ・・・ 【請求項5】 着用者の発達の第四段階に対応するように設計されたシャーシを含む第四吸収性物品形体を更に含んでなる、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品形体の配列。 ・・・ 【請求項7】 着用者の発達の第五段階に対応するように設計されたシャーシを含む第五吸収性物品形体を更に含んでなる、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品形体の配列。」 (イ)「【0005】 (発明の概要) 本発明の一実施形態により、着用者の発達段階に対応する一連のデザインを含んでなる使い捨て吸収性物品形体の配列を提供する。使い捨ておむつについて、使い捨て吸収性物品形体の配列は、新生児及び動かない乳児用に設計されたシャーシを有する第一吸収性物品形体、這う段階の動く幼児用に設計されたシャーシを有する第二吸収性物品形体、歩く幼児用に設計されたシャーシを有する第三吸収性物品形体、及び本発明の発明の詳細な説明において後に更に検討される他の吸収性物品形体を含んでなってもよい。」 (ウ)「【0013】 乳児及び幼児は、異なる速度で発達の段階を経験するので、各吸収性物品形体について多くの寸法が提供されてもよい。その結果、異なる吸収性物品形体が、重なり合う寸法範囲で入手可能になる。例えば、第一吸収性物品形体は、寸法1、寸法2、及び寸法3で入手可能であってもよい一方、第二吸収性物品形体は、寸法3、寸法4、及び寸法5で入手可能であってもよい。第三吸収性物品形体は、寸法3、寸法4、及び寸法5で入手可能であってもよい一方、第四吸収性物品は、寸法4、寸法5、及び寸法6などで入手可能であってもよい。 【0014】 重なり合う寸法範囲は、消費者が特定の着用者の発達段階に合う正しい製品形体を選択するのを困難にする。この理由で、消費者が様々な形体からある吸収性物品を選択するのを容易にする販売システムが提供される。このシステムは、好ましくは、着用者の対応する発達段階に適合する吸収性物品形体を絵で表したしるしを含む。図1に示されるように、第一吸収性物品形体のしるし10は、母親の腕であやされる幼児を表してもよい。同様に、第二吸収性物品形体のしるし12は、幼児が這うことを表してもよい一方、第三形体のしるし14は、着用者が立っている間に母親が吸収性物品を取り換えていることを表してもよい。第四吸収性物品形体のしるし16は、着用者が服を着ることができるようになった時に、吸収性物品をパンツのように引っぱり上げていることを示してもよい。更に、第五吸収性物品形体のしるし18は、幼児が排泄のしつけ中であることを示してもよい。 【0015】 着用者の発達段階と、しるしによって表された発達段階とを合わせることにより、消費者は特定の着用者用の正しい製品形体を選択することができる。しるしは、吸収性物品形体が販売用にディスプレーされている店舗の棚の上に配置されたディスプレーパネルに提供されてもよい。あるいは、しるしは、種々の吸収性物品形体用パッケージに、又は大衆に広められる広告に配置されてもよい。 【0016】 販売システムは、各製品形体と製品が設計の目的となる特定の発達段階とを関連付ける種々の製品名も含んでよい。例えば、第一吸収性物品形体の名前は、スワドラー(Swaddler)20であり得る一方、第二、第三、第四、及び第五製品形体の名前は各々、クルーザー(Cruiser)22、チェンジアンドゴー(Change&Go)24、イージーアップ(EasyUp)26、及びトレインミーパンツ(Train-Me Pants)28であり得る。挙げられた製品名の各々は、プロクター・アンド・ギャンブル社(ProcterandGambleCompany)により製造された製品の商標名である。」 (エ)図1 [図:0001392020000001.jpg] (オ)図2 [図:0001392020000002.jpg] イ 引用文献1の記載から認められること (ア)上記ア(イ)及び(ウ)(特に、【0013】、【0014】)によれば、使い捨て吸収性物品形体は、乳児又は幼児用であることが認められる。 (イ)上記イ(ア)及び(ウ)によれば、第一吸収性物品形体は、寸法1、寸法2又は寸法3であり、着用者の発達の第一段階を表すしるし10を設けたパッケージで包装されたこと、第二吸収性物品形体は、寸法3、寸法4又は寸法5であり、着用者の発達の第二段階を表すしるし12を設けたパッケージで包装されたこと、第三吸収性物品形体は、寸法3、寸法4又は寸法5であり、着用者の発達の第三段階を表すしるし14を設けたパッケージで包装されたこと、第四吸収性物品形体は、寸法4、寸法5又は寸法6であり、着用者の発達の第四段階を表すしるし16を設けたパッケージで包装されたこと、及び、第五吸収性物品形体は、着用者の発達の第四段階を表すしるし16を設けたパッケージで包装されたことが認められ、図1も参照すると、しるし10はスワドラーを含み、しるし12はクルーザーを含み、しるし14はチェンジアンドゴーを含み、しるし16はイージーアップを含み、しるし18はトレインミーパンツを含むことが認められる。 ウ 引用発明1 上記ア(ア)及び上記イ(ア)、(イ)を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「乳児又は幼児用の使い捨て吸収性物品形体の配列であって、 着用者の発達の第一段階に対応するように設計されたシャーシを含み、寸法1、寸法2又は寸法3であり、着用者の発達の第一段階を表すしるし10を設けたパッケージで包装された第一吸収性物品形体と、 着用者の発達の第二段階に対応するように設計されたシャーシを含み、寸法3、寸法4又は寸法5であり、着用者の発達の第一段階を表すしるし12を設けたパッケージで包装された第二吸収性物品形体と、 着用者の発達の第三段階に対応するように設計されたシャーシを含み、寸法3、寸法4又は寸法5であり、着用者の発達の第三段階を表すしるし14を設けたパッケージで包装された第三吸収性物品形体と、 着用者の発達の第四段階に対応するように設計されたシャーシを含み、寸法4、寸法5又は寸法6であり、着用者の発達の第四段階を表すしるし16を設けたパッケージで包装された第四吸収性物品形体と、 着用者の発達の第五段階に対応するように設計されたシャーシを含み、着用者の発達の第五段階を表すしるし18を設けたパッケージで包装された第五吸収性物品形体とを含み、 しるし10はスワドラーを含み、しるし12はクルーザーを含み、しるし14はチェンジアンドゴーを含み、しるし16はイージーアップを含み、しるし18はトレインミーパンツを含む、使い捨て吸収性物品形体の配列。」 (2)引用文献2について ア 記載事項 引用文献2には、以下の事項が記載されている。 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 着用者の発育段階に応じた一連の図を有する使い捨て吸収性物品群であって、 第1の吸収性物品であって、該第1の吸収性物品の図的デザインが実質的に彩色されていない、第1の吸収性物品と、 第2の吸収性物品であって、該第2の吸収性物品の図的デザインが部分的に彩色された、第2の吸収性物品と、 第3の吸収性物品であって、該第3の吸収性物品の図的デザインが実質的に彩色されており、該第3の吸収性物品が寝小便する子供向けに設計された、第3の吸収性物品と、を含む、使い捨て吸収性物品群。」 (イ)「【0022】 本明細書で記述する吸収性物品群は、多くの吸収性物品製品に応用可能である。例えば、着用者の活動性のレベルに応じて多様なデザインの女性用衛生衣類が提供され得る。しかしながら、好ましい実施形態としては、個々のデザインが、着用者の発育段階に対応する識別可能な特徴を含む、多様な製品の図的デザインで提供され得る使い捨ておむつ一式が挙げられる。発育段階は、新生児から小児、更に寝小便の問題を抱えたより年上の子供に及び得る。例えば、第1の発育段階は、その吸収性物品が実質的に彩色されていない、あるいは白色であり得る、母親に密着した段階の新生児及びその他の寝たきりの乳幼児を含み得る。第2の発育段階は、製品の図、形、キャラクター、外観に興味を示すようになる小児を含み得る。この場合、吸収性物品は部分的に彩色されていてもよい。あるいは、吸収性物品はパステルカラーを表してもよい。第2の段階の他の例は、原色を表してもよい。あるいは吸収性物品は、一方の性に特化した図を表してもよい。第3の発育段階は、寝小便の問題を抱えた、より年上の子供で、おむつよりは下着のように見える使い捨て吸収性物品を欲しがる子供を含み得る。この段階では、実質的に彩色されており、したがってより下着に近い外観を呈する吸収性物品を望む可能性がある。この段階の吸収性物品は、一方の性に特化した図を有してもよい。可能な吸収性物品群の実施形態の幾つかを図1~3に示す。その他の発育段階及びその他の実施形態も想到される。」 (ウ)「【0023】 上述した各成長段階のいずれについても、多様な図的デザインに加えて、別個の吸収性物品構成が提供されてもよい。例えば、第1の発育段階については、吸収性物品構成は、着用者を毛布のようにくるみ、毛布のような肌触りを持つように設計されたシャーシを含んでもよい。この構成は、へその緒のためのノッチのような、特殊な構造的特徴を含んでもよく、その場合、吸収性物品は実質的に彩色されていない、あるいは白色である。介護者によっては、染料/色素が擦れて取れ、肌に付着すると考えるかもしれないことから、第1の発育段階には、白色又は実質的に彩色されていない吸収性物品が好ましい。したがって、新生児又は乳幼児には、白色又は実質的に彩色されていない吸収性物品が望ましい可能性がある。 【0024】 第2の発育段階については、第2の吸収性物品構成は、より自由な動きを可能にするために着用者に緩やかになじむように設計されたシャーシを含んでもよい。このような第2の構成では、シャーシは、比較的狭い股領域、伸縮性のある高い後方領域、及び股上の浅い前方領域を有する輪郭をなし、なおかつ、図、人気のある漫画(絵)、形、アイコンなども含むことができる。第2の構成の吸収性物品は部分的に彩色されていてもよい。この段階の幾つかの例は、パステルカラーの図を表してもよく、この段階の別の例は、鮮やかな色彩又は原色を表してもよい。あるいは、吸収性物品は実質的に彩色されていてもよい。あるいは、吸収性物品は、一方の性に特化した図を表してもよい。あるいは、第2の構成は、立った姿勢又は横になった姿勢の小児のおむつ替えを苦労することなく容易にできるようにするために、可撓性の留め具と、高くて伸縮性のあるサイドとを有するシャーシを含んでもよい。あるいは、第2の吸収性物品構成は、着用者が身支度の過程に参加できるように着用者自身で着脱可能なプルオン式のシャーシを含んでもよい。物品は、排尿に伴う不快感/湿った触感を着用者に認識させるための湿り度インジケータ又はトレーニング信号を含んでもよい。第2の発育段階の子供は、画像を知り、画像と関連付けはじめることから、この段階には、部分的に彩色された吸収性物品が好ましいかもしれない。画像を用いた場合、画像が背景から区別できるようにするために画像の周囲には余白が必要となることから、部分的な彩色のみが求められる。 【0025】 第3の発育段階では、構成は、より下着に近い外観を呈するように設計され、かつ吸収性物品が実質的に彩色されているような図を備えた、プルオン式のシャーシを含み得る。この段階では、物品の構成は、特に寝小便の問題を抱えたより年上の子供向けに設計された、下着のような快適さと外観及びおむつとしての保護を提供するシャーシを含み得る。例えば、吸収性物品は、狭い股幅、及び/又は薄く可撓性のコア、及び/又は腰部のほとんどに及ぶ伸縮性材、及び/又は一方の性に特化した図、及び/又は全体にわたる色彩を有するように設計されてもよい。」 (エ)「【0028】 乳幼児及び小児が各発育段階を経る速度はそれぞれ異なるため、吸収性物品の図的デザインのそれぞれについて、複数のサイズが用意されてよい。この結果、異なる吸収性物品の図的デザインが、重複するサイズ範囲で提供されることになる。例えば、第1の吸収性物品の図的デザインが、サイズ1、サイズ2、及びサイズ3で入手可能であり得る一方、第2の吸収性物品の図的デザインは、サイズ3、サイズ4、サイズ5、及びサイズ6で入手可能であり得る。第3の吸収性物品の図的デザインは、サイズ6、サイズ7、及びサイズ8などで入手可能であり得る。」 (オ)「【0030】 着用者の発育段階を指標に示される発育段階に合わせることにより、消費者は特定の着用者に合った、適切な図的デザイン及び製品構成を選択することができる。指標は、吸収性物品を販売のために陳列する店の棚上に配置した表示パネル上に付してもよい。あるいは、指標は、それぞれの吸収性部物品の包装上、又は公衆に流布される広告中に付してもよい。販売システムはまた、図的デザイン及び製品構成のそれぞれを、その製品の設計の対象とされた特定の発育段階に関連付ける、異なった製品名を含んでもよい。」 イ 引用文献2の記載から認められること (ア)上記ア(ア)及び(イ)によれば、第1の吸収性物品は、第1の発育段階に対応するものであり、第2の吸収性物品は、第2の発育段階に対応するものであり、第3の吸収性物品は、第3の発育段階に対応するものであり、上記ア(ウ)も参酌すると、第1の吸収性物品は、毛布のような肌触りを持つように設計されたシャーシを含み、第2の吸収性物品は、着用者に緩やかになじむように設計されたシャーシを含み、第3の吸収性物品は、プルオン式のシャーシを含むことが認められる。 (イ)上記ア(ア)及び(エ)によれば、使い捨て吸収物品は、乳幼児又は小児用であることが認められる。 (ウ)上記ア(ア)及び(オ)によれば、第1~第3の吸収性物品は、それぞれ、包装されたものであることが認められる。 ウ 引用発明2 上記ア(ア)及び上記イ(ア)~(ウ)を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「着着用者の発育段階に応じた一連の図を有する、乳幼児又は小児用の使い捨て吸収性物品群であって、 毛布のような肌触りを持つように設計されたシャーシを含む、包装された第1の吸収性物品であって、該第1の吸収性物品の図的デザインが実質的に彩色されていない、第1の吸収性物品と、 着用者に緩やかになじむように設計されたシャーシを含む、包装された第2の吸収性物品であって、該第2の吸収性物品の図的デザインが部分的に彩色された、第2の吸収性物品と、 プルオン式のシャーシを含む、包装された第3の吸収性物品であって、該第3の吸収性物品の図的デザインが実質的に彩色されており、該第3の吸収性物品が寝小便する子供向けに設計された、第3の吸収性物品と、を含む、使い捨て吸収性物品群。」 (3)引用文献6について ア 記載事項 引用文献6には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (ア)「【0014】本発明のパンツ型おむつの提供方法は、パンツ型おむつを形成するシート基材の上下部にある前後の胴形成部による胴部周長を、シート基材を2つ折りした製品長さのほぼ2.8~4倍に設定し、前記胴形成部における腰部の下側領域に配する周方向の紐ゴムを上下方向に密に配して形成して、シート基材を2つ折りした製品長さを、3つの製品サイズM、L、ビッグに対応し40mm以上の寸法差を持った3段階に設定し、前記胴形成部の腰部以外に配する周方向の紐ゴムを上下方向に密に配して形成した3つのサイズのパンツ型おむつにてベビー用全般に提供することを特徴とするものである。」 (イ)「【0020】本実施例のパンツ型おむつ1は、従来技術の項で既述した基本構成を有し、基本的にはベビー用に限らない。シート基材5はそれを構成する表側シート2、内側シート3、および吸収体4のいずれも不織布製とした使い捨て紙おむつの場合の一例であって、不織布の繊維はいわゆる合成繊維を採用している。・・・」 (ウ)「【0021】特に、本実施例での1つの例では、パンツ型おむつ1を形成するシート基材5の上下部にある前後の胴形成部5a、5bを接続して得る胴部周長l1+l2を、シート基材5を2つ折りした製品長さl3/2のほぼ2.9~4倍に設定する。併せ、前記胴形成部5a、5bにおける腰部5cの下側領域に配する周方向の紐ゴム6を図1~図4に示すように上下方向に密に配する。腰部5cは従来のように吸収体4が邪魔しない位置で、しかも、胴部にまして十分な強さで紐ゴム7を配し、ずれの防止を図る。図示する例では従来程度の太さの紐ゴム7を従来程度のピッチで配してあるが、腰部5c以外の部分に密に配する紐ゴム6よりも太く、配列ピッチも大きくなっている。紐ゴム6、7はずれも糸ゴムであるがテープ状のものなど形態は特に問わない。」 (エ)図2 [図:0001392020000003.jpg] イ 引用文献6の記載から認められること (ア)上記ア(ア)によれば、3つのサイズのパンツ型おむつは、ベビー用全般に提供し、製品サイズM、L、ビッグのパンツ型おむつを含むことが認められる。 (イ)上記ア(イ)及び(ウ)によれば、パンツ型おむつ1は、基材シート5で形成され、基材シート5は、表側シート2、内側シート3及び吸収体4で構成されることが認められる。 ウ 引用発明6 上記イ(ア)、(イ)を総合すると、引用文献6には、次の発明(以下「引用発明6」という。)が記載されていると認められる。 「ベビー用全般に提供する、3つのサイズのパンツ型おむつであって、 表側シート2、内側シート3及び吸収体4で構成される基材シート5で形成される、製品サイズM、L、ビッグのパンツ型おむつ1を含む、3つのサイズのパンツ型おむつ。」 3 対比・判断 (1)引用発明1を主引用発明とする場合 ア 本件発明1について (ア)対比 本件発明1と引用発明1とを対比すると、後者の「寸法1」は、その機能や構造からみると、前者の「第1のサイズ」に相当し、以下同様に、「第一吸収性物品形体」は「第1の吸収性物品」に、「寸法3」は「第2のサイズ」に、「第二吸収性物品形体」は「第2の吸収性物品」に、それぞれ相当する。 後者の「寸法1」である「パッケージで包装された第一吸収性物品形体」は、前者の「第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージ」に相当し、後者の「寸法3」である「パッケージで包装された第二吸収性物品形体」は、前者の「第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージ」に相当する。 後者の「乳児又は幼児用の使い捨て吸収性物品形体の配列」は、第一吸収性物品形体と第二吸収性物品形体を含むから、前者の「2つの異なるサイズの成人用の吸収性物品を含むパッケージの揃い」と、「2つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃い」という点で共通する。 そうすると、本件発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点1-1> 「2つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、を含む、パッケージの揃い。」 <相違点1-1> 本件発明1は、「成人用」であり、前記第1及び第2のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「3.2gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、第一吸収性物品形体及び第二吸収性物品形体のベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点1-2> 本件発明1は、前記第1及び第2のパッケージの前記第1及び第2の吸収性物品のうちの少なくとも2つが、「実質的に同一」のシャーシを含むのに対し、引用発明1は、第一吸収性物品形体が含む着用者の発達の第一段階に対応するように設計されたシャーシと、第二吸収性物品形体が含む着用者の発達の第二段階に対応するように設計されたシャーシが「実質的に同一か否か不明である」点。 (イ)相違点についての判断 まず、相違点1-1について検討する。 引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、引用文献1の記載を参酌しても、「成人用」にする動機付けがあるとは認められない。 また、引用文献2~5には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上3.2gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明1において、相違点1-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点1-2を検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 イ 本件発明2について (ア)対比 本件発明2と引用発明1とを対比すると、後者の「第三吸収性物品形体」は、前者の「第3の吸収性物品」に、後者の「寸法4」である「パッケージで包装された第三吸収性物品形体」は、前者の「第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージ」に、それぞれ相当する。 上記ア(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明2と引用発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点1-2> 「異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、を含む、パッケージの揃い。」 <相違点1-3> 本件発明2は、「成人用」であり、前記第1、第2、及び第3のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「7.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、第一吸収性物品形体、第二吸収性物品形体及び第三吸収性物品形体のベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点1-4> 本件発明2は、前記第1、第2、及び第3のパッケージが、「同一のブランド名及びサブブランド名を含む」のに対し、引用発明1は、しるし10はスワドラーを含み、しるし12はクルーザーを含み、しるし14はチェンジアンドゴーを含む点。 (イ)相違点についての判断 まず、相違点1-3について検討する。 引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、引用文献1の記載を参酌しても、「成人用」にする動機付けがあるとは認められない。 また、引用文献2~5には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上7.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明1において、相違点1-3に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点1-4を検討するまでもなく、本件発明2は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 ウ 本件発明3について (ア)対比 本件発明3と引用発明1とを対比すると、後者の「第四吸収性物品形体」は、前者の「第4の吸収性物品」に、後者の「寸法5」である「パッケージで包装された第四吸収性物品形体」は、前者の「第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージ」に、それぞれ相当する。 上記ア(ア)及びイ(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明3と引用発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点1-3> 「4つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、を含む、パッケージの揃い。」 <相違点1-5> 本件発明3は、「成人用」であり、前記第1、第2、第3及び第4のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「11.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、第一吸収性物品形体、第二吸収性物品形体、第三吸収性物品形体及び第四吸収性物品形体のベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点1-6> 本件発明3は、前記第1、第2、第3及び第4のパッケージが、「同一のブランド名及びサブブランド名を含む」のに対し、引用発明1は、しるし10はスワドラーを含み、しるし12はクルーザーを含み、しるし14はチェンジアンドゴーを含み、しるし16はイージーアップを含む点。 イ 相違点についての判断 まず、相違点1-5について検討する。 引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、引用文献1の記載を参酌しても、「成人用」にする動機付けがあるとは認められない。 また、引用文献2~5には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上11.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明1において、相違点1-5に係る本件発明3の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点1-6を検討するまでもなく、本件発明3は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 エ 本件発明4について (ア)対比 本件発明4と引用発明1とを対比すると、後者の「第五吸収性物品形体」は、前者の「第5の吸収性物品」に、後者の「パッケージで包装された第五吸収性物品形体」は、前者の「第5の吸収性物品を含む第5のパッケージ」に、それぞれ相当する。 上記ア(ア)、イ(ア)及びウ(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明4と引用発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点1-4> 「異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、を含む、パッケージの揃い。」 <相違点1-7> 第5の吸収性物品について、本件発明4では、「第5のサイズ」を有するのに対し、引用発明1は、サイズは不明である点。 <相違点1-8> 本件発明4は、「成人用」であり、前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「15.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、第一吸収性物品形体、第二吸収性物品形体、第三吸収性物品形体、第四吸収性物品形体及び第五吸収性物品形体のベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点1-9> 本件発明4は、前記第1、第2、第3、第4及び第5のパッケージが、「同一のブランド名」及びサブブランド名を含むのに対し、引用発明1は、しるし10はスワドラーを含み、しるし12はクルーザーを含み、しるし14はチェンジアンドゴーを含み、しるし16はイージーアップを含み、しるし18はトレインミーパンツを含む点。 (イ)相違点についての判断 事案に鑑み、まず、相違点1-8について検討する。 引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、引用文献1の記載を参酌しても、「成人用」にする動機付けがあるとは認められない。 また、引用文献2~5には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上15.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明1において、相違点1-8に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点1-7、1-9を検討するまでもなく、本件発明4は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 オ 本件発明5について (ア)対比 本件発明5と引用発明1とを対比する。 上記ア(ア)、イ(ア)、ウ(ア)及びエ(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明5と引用発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点1-5> 「6つの異なるサイズの吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品を含む第3のパッケージと、 第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージと、 第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、 第6のサイズを有する第6の吸収性物品を含む第6のパッケージと、を含む、パッケージの揃い。」 <相違点1-10> 本件発明5は、「第5のサイズ」を有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージと、「第6のサイズを有する第6の吸収性物品を含む第6のパッケージ」と、を含むのに対し、引用発明1は、第五吸収性物品形体のサイズは不明であり、上記第6のパッケージに関する構成を有しない点。 <相違点1-11> 本件発明5は、前記第1、第2、第3、第4、第5「及び第6」のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「19.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、第一吸収性物品形体、第二吸収性物品形体、第三吸収性物品形体、第四吸収性物品形体及び第五吸収性物品形体のベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点1-12> 本件発明5は、前記第1、第2、第3、第4、第5「及び第6」のパッケージが、「同一のブランド名及びサブブランド名を含む」のに対し、引用発明1は、しるし10はスワドラーを含み、しるし12はクルーザーを含み、しるし14はチェンジアンドゴーを含み、しるし16はイージーアップを含み、しるし18はトレインミーパンツを含む点。 (イ)相違点についての判断 事案に鑑み、まず、相違点1-11について検討する。 引用発明1は、「乳児又は幼児用」であり、引用文献1の記載を参酌しても、「成人用」にする動機付けがあるとは認められない。 また、引用文献2~5には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上19.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明1において、相違点1-11に係る本件発明5の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点1-10、1-12を検討するまでもなく、本件発明5は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 カ 本件発明6~15について 本件発明6~15は、本件発明1~5のいずれかの発明の全ての構成を含み、かつ、さらに限定を加えたものであるから、上記ア(イ)~オ(イ)で説示したのと同じ理由により、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (2)引用発明2を主引用発明とする場合 ア 本件発明1について (ア)対比 本件発明1と引用発明2とを対比すると、後者の「使い捨て吸収性物品群」は、その機能や構造からみて、前者の「吸収性物品を含むパッケージの揃い」に相当し、以下同様に、「第1の吸収性物品」は「第1の吸収性物品」に、「第2の吸収性物品」は「第2の吸収性物品」に、それぞれ相当する。 また、後者の「包装された第1の吸収性物品」は、前者の「第1の吸収性物品を含む第1のパッケージ」に相当し、後者の「包装された第2の吸収性物品」は、前者の「第2の吸収性物品を含む第2のパッケージ」に相当する。 そうすると、本件発明1と引用発明2との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点2> 「吸収性物品を含むパッケージの揃いであって、前記揃いが、 第1の吸収性物品を含む第1のパッケージと、 第2の吸収性物品を含む第2のパッケージと、を含む、パッケージの揃い。」 <相違点2-1> 本件発明1は、吸収性物品が「2つの異なるサイズ」を有し、第1の吸収性物品が「第1のサイズ」を有し、第2の吸収性物品が「第2のサイズ」を有するのに対し、引用発明2は、第1の吸収性物品及び第2の吸収性物品のサイズが不明である点。 <相違点2-2> 本件発明1は、「成人用」であり、前記第1及び第2のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「3.2gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明2は、「乳児又は幼児用」であり、第1の吸収性物品及び第2の吸収性物品のベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点2-3> 本件発明1は、前記第1及び第2のパッケージの前記第1及び第2の吸収性物品のうちの少なくとも2つが、「実質的に同一」のシャーシを含むのに対し、引用発明2は、第1の吸収性物品が含む布のような肌触りを持つように設計されたシャーシと、第2の吸収性物品が含む着用者に緩やかになじむように設計されたシャーシが「実質的に同一か否か不明である」点。 (イ)相違点についての判断 事案に鑑み、まず、相違点2-2について検討する。 相違点2-2は、上記相違点1-1と実質的に同一であるから、相違点2-1、2-3について検討するまでもなく、上記(1)ア(イ)で説示したのと同様の理由により、本件発明1は、引用発明2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 イ 本件発明6、10、13~15について 本件発明6、10、13~15は、本件発明1の全ての構成を含み、かつ、さらに限定を加えたものであるから、上記ア(イ)で説示したのと同じ理由により、引用発明2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (3)引用発明6を主引用発明とする場合 ア 本件発明1について (ア)対比 本件発明1と引用発明6とを対比すると、後者の「パンツ型おむつ」は、その機能や構造からみて、前者の「吸収性物品」に相当し、以下同様に、「吸収体4」は「シャーシ」に、「製品サイズM」は「第1のサイズ」に、「製品サイズ」「L」は「第2のサイズ」に、それぞれ相当する。 後者の「3つのサイズのパンツ型おむつ」は、前者の「2つの異なるサイズの」「吸収性物品を含むパッケージの揃い」と、「2つの異なるサイズの吸収性物品の揃い」という点で共通する。 後者の「製品サイズM」「のパンツ型おむつ1」は、前者の「第1のサイズを有する第1の吸収性物品」に相当し、後者の「製品サイズ」「L」「のパンツ型おむつ1」は、前者の「第2のサイズを有する第2の吸収性物品」に相当する。 そうすると、本件発明1と引用発明6との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点3-1> 「2つの異なるサイズの吸収性物品の揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品と、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品と、を含む、前記揃い。」 <相違点3-1> 本件発明1は、吸収性物品「を含むパッケージ」の揃いであるのに対し、引用発明6は、パンツ型おむつがパッケージで包装されるのか不明である点。 <相違点3-2> 本件発明1は、「成人用」であり、前記第1及び第2のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「3.2gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明6は、「ベビー用全般に提供する」ものであり、製品サイズM、Lのパンツ型おむつのベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点3-3> 本件発明1は、前記第1及び第2のパッケージの前記第1及び第2の吸収性物品のうちの少なくとも2つが、「実質的に同一」のシャーシを含むのに対し、引用発明6は、製品サイズM、Lのパンツ型おむつの吸収体4が実質的に同一か否か不明である点。 (イ)相違点についての判断 事案に鑑み、まず、相違点3-2について検討する。 引用文献7~10には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上3.2gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明6において、相違点3-2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点3-1、3-3を検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明6に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 イ 本件発明2について (ア)対比 本件発明2と引用発明6とを対比すると、後者の「製品サイズ」「ビッグ」は、前者の「第3のサイズ」に、後者の「製品サイズ」「ビッグ」「のパンツ型おむつ」は、前者の「第3のサイズを有する第3の吸収性物品」に、それぞれ相当する。 上記ア(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明2と引用発明6との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点3-2> 「異なるサイズの吸収性物品の揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品と、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品と、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品と、を含む、前記揃い。」 <相違点3-4> 本件発明2は、吸収性物品「を含むパッケージ」の揃いであるのに対し、引用発明6は、パンツ型おむつがパッケージで包装されるのか不明である点。 <相違点3-5> 本件発明2は、「成人用」であり、前記第1、第2、及び第3のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「7.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明6は、「ベビー用全般に提供する」ものであり、製品サイズM、L、ビッグのパンツ型おむつのベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点3-6> 本件発明2は、前記第1、第2、及び第3のパッケージが、「同一のブランド名及びサブブランド名を含む」のに対し、引用発明6は、そのような構成がない点。 (イ)相違点についての判断 事案に鑑み、まず、相違点3-5について検討する。 引用文献7~10には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上7.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明6において、相違点3-5に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点3-4、3-6を検討するまでもなく、本件発明2は、引用発明6に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 ウ 本件発明3について (ア)対比 本件発明3と引用発明6とを対比する。 上記ア(ア)及びイ(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明3と引用発明6との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点3-2> 「異なるサイズの吸収性物品の揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品と、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品と、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品と、を含む、前記揃い。」 <相違点3-7> 本件発明3は、「4つの」異なるサイズの吸収性物品「を含むパッケージ」の揃いであり、該揃いは、「第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージ」を含むのに対し、引用発明6は、3つのサイズのパンツ型おむつがパッケージで包装されるのか不明である点。 <相違点3-8> 本件発明3は、「成人用」であり、前記第1、第2、第3、「及び第4」のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「11.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明6は、「ベビー用全般に提供する」ものであり、製品サイズM、L、ビッグのパンツ型おむつのベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点3-9> 本件発明3は、前記第1、第2、第3、「及び第4」のパッケージが、「同一のブランド名及びサブブランド名を含む」のに対し、引用発明6は、そのような構成がない点。 (イ)相違点についての判断 事案に鑑み、まず、相違点3-8について検討する。 引用文献7~10には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上11.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明6において、相違点3-8に係る本件発明3の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点3-7、3-9を検討するまでもなく、本件発明3は、引用発明6に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 エ 本件発明4について (ア)対比 本件発明4と引用発明6とを対比する。 上記ア(ア)及びイ(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明4と引用発明6との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点3-2> 「異なるサイズの吸収性物品の揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品と、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品と、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品と、を含む、前記揃い。」 <相違点3-10> 本件発明4は、「5つの」異なるサイズの吸収性物品「を含むパッケージ」の揃いであり、該揃いは、「第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージ」と「第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージ」を含むのに対し、引用発明6は、3つのサイズのパンツ型おむつがパッケージで包装されるのか不明である点。 <相違点3-11> 本件発明4は、「成人用」であり、前記第1、第2、第3、「第4及び第5」のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「15.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明6は、「ベビー用全般に提供する」ものであり、製品サイズM、L、ビッグのパンツ型おむつのベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点3-12> 本件発明4は、前記第1、第2、第3、「第4及び第5」のパッケージが、「同一のブランド名及びサブブランド名を含む」のに対し、引用発明6は、そのような構成がない点。 (イ)相違点についての判断 事情に鑑み、まず、相違点3-11について検討する。 引用文献7~10には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上15.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明6において、相違点3-11に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点3-10、3-12を検討するまでもなく、本件発明4は、引用発明6に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 オ 本件発明5について (ア)対比 本件発明5と引用発明6とを対比する。 上記ア(ア)及びイ(ア)で説示した事項を踏まえると、本件発明5と引用発明6との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点3-2> 「異なるサイズの吸収性物品の揃いであって、前記揃いが、 第1のサイズを有する第1の吸収性物品と、 第2のサイズを有する第2の吸収性物品と、 第3のサイズを有する第3の吸収性物品と、を含む、前記揃い。」 <相違点3-13> 本件発明5は、「6つの」異なるサイズの吸収性物品「を含むパッケージ」の揃いであり、該揃いは、「第4のサイズを有する第4の吸収性物品を含む第4のパッケージ」と「第5のサイズを有する第5の吸収性物品を含む第5のパッケージ」と「第6のサイズを有する第6の吸収性物品を含む第6のパッケージ」を含むのに対し、引用発明6は、3つのサイズのパンツ型おむつがパッケージで包装されるのか不明である点。 <相違点3-14> 本件発明5は、「成人用」であり、前記第1、第2、第3、「第4、第5及び第6」のパッケージの揃いのベルト弾性係数が、“揃いのベルト弾性係数試験”に基づいて計測された場合に、「19.1gf/mm以下且つ2gf/mm以上」であるのに対し、引用発明6は、「ベビー用全般に提供する」ものであり、製品サイズM、L、ビッグのパンツ型おむつのベルトの弾性係数は不明である点。 <相違点3-15> 本件発明5は、前記第1、第2、第3、「第4、第5及び第6」のパッケージが、「同一のブランド名及びサブブランド名を含む」のに対し、引用発明6は、そのような構成がない点。 (イ)相違点についての判断 事案に鑑み、まず、相違点3-14について検討する。 引用文献7~10には、成人用の吸収性物品のベルトの弾性係数が2gf/mm以上19.1gf/mm以下であることについて、何ら記載されておらず、他に、該下線で示した技術が、本件特許についての出願の優先日前の周知又は公知の技術であることを認めるに足る証拠もない。 したがって、引用発明6において、相違点3-14に係る本件発明5の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、相違点3-13、3-15を検討するまでもなく、本件発明5は、引用発明6に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 カ 本件発明6~15について 本件発明6~15は、本件発明1~5のいずれかの発明の全ての構成を含み、かつ、さらに限定を加えたものであるから、上記ア(イ)~オ(イ)で説示したのと同じ理由により、引用発明6に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては、本件請求項1~15に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-701034

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