2021-014839
検品方法、検品プログラム、検品装置、基準画像生成装置、画像形成システム、基準画像生成方法、および基準画像生成プログラム
- 審判番号
- 2021-014839
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-007221外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年11月02日
- 審決日
- 2021年12月21日
- 公報発行日
- 2022年03月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コニカミノルタ株式会社
- 【請求人代理人】八田国際特許業務法人
- 分類
- P18 .121-Z (B41J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 手続の経緯
本願は、平成31年1月18日の出願であって、令和3年7月28日に手続補正書が提出され、同年8月5日付けで拒絶理由が通知され、同年9月8日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月16日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対して同年11月2日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同年11月22日に上申書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1乃至22に係る発明は、令和3年9月8日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至22に記載された事項により特定されるとおりのものであって、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、つぎのとおりのものである。
「【請求項1】検品対象となる用紙上に形成された画像の読み取り画像と、前記画像の検品の基準となる、用紙上に形成された画像に基づいて生成された基準画像とを比較して品質を判定し結果を出力する検品ステップを有する検品方法であって、前記用紙がインデックス紙であるページは検品の対象外とする検品方法。」
第3 原査定の拒絶の理由
拒絶査定の理由である、令和3年8月5日付け拒絶理由通知の理由は、次の理由を含むものである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項1,4-7,10-12,14-15,17-19,21-22,24
・引用文献等 1-4
・請求項2,8
・引用文献等 1-6
・請求項3,9
・引用文献等 1-7
・請求項13,20
・引用文献等 1-9
<引用文献等一覧>
1.特開2014-185941号公報
2.特開2007-148027号公報
3.特開2011-118564号公報
4.特開2009-025652号公報
5.特開2015-118050号公報
6.特開2003-136818号公報
7.特開2017-056668号公報
8.特開2015-230687号公報
9.特開2016-061659号公報
第4 当審の判断
1 引用例
本願の出願日前の平成30年7月12日に公報が発行され、原査定の拒絶の理由に引用された特開2014-185941号公報(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「【技術分野】【0001】本発明は、画像検査システム、画像検査装置、プログラム、および、画像データ出力方法に関する。」
(2)「【発明が解決しようとする課題】【0004】本発明の目的は、検査装置によって検査された画像を人が確認する際の利便性を高めることにある。」
(3)「【0008】以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる画像形成システムの全体構成を示した図である。本実施形態の画像形成システム1は、記録材の一例である用紙Pに対して画像を形成する画像形成装置100、画像形成装置100によって用紙P上に形成された画像を検査する検査装置200、検査装置200から排出された用紙Pを収容する用紙収容装置300を備えている。さらに、画像形成システム1には、検査装置200によって用紙P上に形成されたコード画像(詳細は後述)を読み取るコード画像読み取り装置400が設けられている。なお、本実施形態の画像形成システム1は、用紙P上に形成された画像を検査する機能も有しているため、画像検査システムとして捉えることも可能である。続きを表示(全34行)【0009】画像形成手段として機能する画像形成装置100は、不図示のPC(PersonalComputer)などから、形成される画像の元となる画像データ(以下、「原画像データ」と称する)を取得し、取得したこの原画像データに基づき、トナーなどの画像形成材を用いて用紙Pに対して画像を形成する。なお、本実施形態において、用紙Pに画像を形成する機構は特に限定されず、いわゆる電子写真方式やインクジェット方式等、既存の種々の方式が用いられる。【0010】検査装置200には端末装置210が設けられている。この端末装置210は、タッチパネル方式のモニタ211を有しユーザ(オペレータ)からの操作を受け付けるとともにユーザに対し情報の表示を行う。さらに、検査装置200には、画像形成装置100から排出された用紙Pが搬送される用紙搬送経路Rが設けられている。また、用紙搬送経路Rの脇に設けられ、用紙Pの先端部のエッジを検知するエッジ検知センサ212、エッジ検知センサ212を通過した用紙Pをさらに下流側へ送り出す第1送りローラ213が設けられている。【0011】さらに、検査装置200には、第1送りローラ213よりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられ、用紙Pをさらに下流側へ送り出す第2送りローラ214が設けられている。また、第1送りローラ213よりも下流側且つ第2送りローラ214よりも上流側には、用紙Pに形成された画像を読み取る画像読み取り装置220が設けられている。【0012】また、第2送りローラ214よりも下流側には、用紙搬送経路R上の用紙Pに対してコード画像を形成するコード画像形成ヘッド215が設けられている。さらに、検査装置200には、コード画像形成ヘッド215によるコード画像の形成処理を制御する制御部240が設けられている。なお、コード画像形成ヘッド215は、例えばインクジェットヘッドによって構成される。【0013】画像読み取り手段の一例としての画像読み取り装置220には、用紙搬送経路Rの一方の脇に配置され(図中、用紙搬送経路Rよりも上方に配置され)、用紙Pの表面に形成された画像を読み取る表面画像読み取り装置221、用紙搬送経路Rの他方の脇に配置され(図中、用紙搬送経路Rよりも下方に配置され)、用紙Pの裏面に形成された画像を読み取る裏面画像読み取り装置222が設けられている。【0014】ここで、表面画像読み取り装置221および裏面画像読み取り装置222の各々の画像読み取り装置には、用紙Pに光を照射する光源225と、用紙Pからの反射光を複数の受光素子にて受光し画像データ(以下、「読み取り画像データ」と称する)を生成するラインセンサ226と、用紙Pからの反射光をこのラインセンサ226に導く反射鏡227とが設けられている。さらに、各々の画像読み取り装置には、反射鏡227により導かれた用紙Pからの反射光を、ラインセンサ226に結像させる結像光学系228が設けられている。【0015】次に、制御部240について説明すると、制御部240には、表面画像読み取り装置221および裏面画像読み取り装置222から出力されてきた読み取り画像データを蓄積する第1バッファメモリ241が設けられている。また、画像形成装置100やPC(不図示)などから送信されてきた原画像データを蓄積する第2バッファメモリ242が設けられている。【0016】さらに、制御部240には、第1バッファメモリ241および第2バッファメモリ242から照合処理部244への画像データ(原画像データ、読み取り画像データ)の出力を制御する出力制御部243を備えている。なお、本実施形態では、この照合処理部244において、読み取り画像データと原画像データとの照合を行う。なお、この照合をより行いやすくするため、第2バッファメモリ242へ原画像データの格納を行う際などに、原画像データに対しグレースケール変換や解像度変換などの処理を行っておくとよい。【0017】ここで、出力制御部243は、第1バッファメモリ241に格納されている読み取り画像データの第1バッファメモリ241からの出力タイミングと、第2バッファメモリ242に格納されている原画像データの第2バッファメモリ242からの出力タイミングとが同じとなるように、第1バッファメモリ241および第2バッファメモリ242からの画像データの出力を制御する。【0018】より具体的に説明すると、出力制御部243は、第1バッファメモリ241および第2バッファメモリ242から、1ページ分(用紙1枚分)の原画像データおよび読み取り画像データを順次出力していくが、この際(各ページの画像データの出力を開始する際)、例えば、各ページの先頭に形成される画像に対応した画像データから出力を開始し、最後に、各ページの後端に形成される画像に対応した画像データを出力する。【0019】さらに、本実施形態では、第1バッファメモリ241からの読み取り画像データの出力開始タイミングと、第2バッファメモリ242からの原画像データの出力開始タイミングとを一致させるとともに、各ページの後端に形成される画像に対応した画像データを出力する際にも、読み取り画像データの出力タイミングと原画像データの出力タイミングとを一致させる。これにより、本実施形態では、原画像データと読み取り画像データとが照合処理部244において比較される際、原画像データにより特定される画像の用紙P上における位置と、読み取り画像データにより特定される画像の用紙P上における位置とが一致するようになる。【0020】さらに説明すると、本実施形態では、エッジ検知センサ212からの出力が出力制御部243へ出力され、出力制御部243は、エッジ検知センサ212への用紙Pの先端部の到達を把握する。また、第1バッファメモリ241には、表面画像読み取り装置221、裏面画像読み取り装置222から、画像の読み取りに同期したクロック信号が読み取り画像データとともに送信されてくる。さらに、第2バッファメモリ242には、原画像データとともに、ページ同期信号が送られてくる。出力制御部243は、エッジ検知センサ212からの出力、クロック信号、ページ同期信号などに基づき、原画像データおよび読み取り画像データの出力を行う際のタイミングを決定する。【0021】制御部240についてさらに説明すると、制御部240には、第1バッファメモリ241から出力された読み取り画像データと第2バッファメモリ242から出力された原画像データとを照合する照合処理部244が設けられている。さらに、照合処理部244による照合の結果を保持する結果保持部245が設けられている。また、照合処理部244による照合の結果に基づき、コード画像形成ヘッド215の制御を行うコード画像形成制御部246が設けられている。【0022】なお、照合処理部244では、第1バッファメモリ241から送られてくる読み取り画像データおよび第2バッファメモリ242から送られてくる原画像データのそれぞれを予め定められた領域に分割するとともに、各領域毎に、パターンマッチング処理を行い、形成された画像に不良が発生しているか否かを判断する。付言すると、判断手段として機能する照合処理部244では、第1バッファメモリ241から送られてくる読み取り画像データおよび第2バッファメモリ242から送られてくる原画像データに基づき、用紙P上に形成された画像が予め定められた条件で形成されているか否かを判断する。【0023】なお、パターンマッチング処理の典型的な手法としては、例えば、比較対象となっている二つの領域の各々に含まれる複数の画素毎に、濃度値などの予め定められたパラメータを比較し、この二つのパラメータ間における差分を求める。そして、各画素の比較により得られた複数の差分の絶対値和を求め、この絶対値和が予め定められた閾値を超えているか否かを判断する。そして、絶対値和が予め定められた閾値を超えている場合に、画像(の一部)に不良が発生していると判断する。」
(4)「【0028】図3は、本実施形態の画像形成システム1にて実行される処理の流れを示したフローチャートである。本実施形態では、不図示のスタートボタンがユーザにより押圧されることで、印刷ジョブに基づく画像形成処理が開始される(ステップ101)。具体的には、まず、ユーザから提供された原画像データが画像形成装置100に入力され(ステップ102)、これにより、画像形成装置100において画像形成処理が実行される(ステップ103)。なお、ユーザから提供された原画像データは、検査装置200(図1参照)の第2バッファメモリ242にも格納され、後述する照合処理にも用いられる。【0029】続きを表示(全36行)その後、画像形成処理に伴い画像形成装置100から順次排出される用紙Pが検査装置200に送り込まれ、検査装置200にて、用紙P上の画像の読み取りが行われる(ステップ104)。なお、この読み取りにより得られた読み取り画像データは、図1にて示した第1バッファメモリ241に格納される。その後、本実施形態では、検査装置200の照合処理部244が照合処理を実行する(ステップ105)。具体的には、第1バッファメモリ241に格納された読み取り画像データと、第2バッファメモリ242に格納された原画像データとが用いられ、上記パターンマッチング処理が行われる。【0030】次いで、照合処理部244は、パターンマッチング処理に基づき、用紙P上に形成された画像に不良が発生しているか否かを判断する(ステップ106)。そして、不良が発生していないと照合処理部244が判断した場合、不図示のメイン制御部にて、印刷ジョブが全て終了しているか否かが判断され(ステップ110)、印刷ジョブが全て終了していると判断された場合は全体の処理を終了する。その一方で、印刷ジョブが終了していないと判断された場合は、ステップ102以降の処理が再度実行される。【0031】一方、ステップ106において、不良が発生していると判断された場合、照合処理部244は、不良が発生しているページのページ情報(ページ番号)、不良の発生位置(ページ内における位置)、不良の程度、不良の個数、原画像データ、読み取り画像データなどにより構成される不良状況データと、この不良状況データを他の不良状況データと識別するための識別情報(ID)とを対応づけたうえで、この不良状況データおよび識別情報を、記憶手段として機能する結果保持部245に出力する。【0032】これにより、互いに関連付けられた不良状況データおよび識別情報が、結果保持部245によって保持されるようになる(ステップ107)。その後、コード画像形成制御部246(図1参照)が、上記識別情報に基づきコード画像を生成し、不良が発生していると判断された用紙Pに対して、コード画像形成ヘッド215を用い、生成したこのコード画像を形成する(ステップ108)。付言すると、本実施形態では、識別画像形成手段として機能するコード画像形成制御部246によって、他の用紙Pとの識別を可能とする識別画像が、不良が発生していると判断された用紙Pに対し形成される。【0033】なお、コード画像が形成された用紙Pは、用紙積載部320(図1参照)上に積載されることとなるが、この際、移動機構340(図2参照)によって送り出しローラ330が移動し、コード画像が形成された用紙Pは、オフセットされた状態で用紙積載部320上に積載される(ステップ109)。その後、ステップ110において、印刷ジョブが全て終了しているか否かを判断され、印刷ジョブが全て終了していると判断された場合は全体の処理を終了する。その一方で、印刷ジョブが終了していないと判断された場合は、ステップ102以降の処理が再度実行される。【0034】図4は、用紙Pに形成されたコード画像を示した図である。本実施形態における画像形成装置100は、図中「印字データ領域」で示す矩形の領域内に画像を形成する。さらに、画像形成装置100は、同図に示すように、矩形状に形成された用紙の四隅の各々であって、「印字データ領域」よりも外側に位置する箇所に、十字のマークMK1を形成(印字)する。【0035】さらに、本実施形態では、互いに隣り合う十字のマークMK1の間に、T字状のマークMK2が形成される。ここで、本実施形態では、製本時等に、マークMK1およびマークMK2よりも外側に位置する領域が、切り落とされる。そして、本実施形態では、この切り落とされる部分に対し上記コード画像が形成される。これにより、本実施形態では、コード画像が用紙P上に残った状態で製本等されることが防止される。なお、コード画像は特に限定されないが、例えば、1次元のバーコードや、QRコード(登録商標)などの2次元のバーコードなどを用いることができる。【0036】ここで、本実施形態では、用紙Pが搬送される際の搬送方向(検査装置200における用紙搬送方向、図4において矢印4Aで示す搬送方向)において、用紙Pの後端部側に、コード画像が形成される。ここで、検査装置200(図1参照)をより小型にできるため、コード画像形成ヘッド215を、用紙Pの搬送方向において、より上流側に配置し、画像読み取り装置220に対しコード画像形成ヘッド215を接近させることが好ましい。その一方で、コード画像形成ヘッド215を画像読み取り装置220に接近させすぎると、コード画像形成ヘッド215によるコード画像の形成時に、コード画像形成ヘッド215よりも下流側に用紙Pが位置し、コード画像の形成ができなくなるという不具合が起こりうる。【0037】このため、本実施形態では、コード画像形成ヘッド215による用紙Pへのコード画像の形成が可能になる箇所のうち、最も上流側に、コード画像形成ヘッド215を配置するようにし、コード画像の形成ができなくなるという上記不具合の発生を抑制しつつ、検査装置200の小型化を図っている。なお、この場合、上記のとおり、用紙Pの搬送方向において、用紙Pの後端部側に、コード画像が形成される。【0038】用紙Pへの画像の形成が終了後、ユーザによって、不良が発生していると判断された画像の質が確認されることがある。かかる場合、本実施形態では、まず、用紙積載部320(図1参照)において、ユーザにより、積載されている用紙Pの中から、不良が発生していると判断された画像が形成された用紙P(検査装置200によって不良が発生していると判断された画像が形成された用紙P)(以下、「不良用紙P」と称することがある)が見出される。ここで、本実施形態では、不良用紙Pに対しては、不良用紙Pの側部に対して上記コード画像が形成されており、ユーザは、このコード画像の有無により、不良用紙Pを見出す。【0039】その後、本実施形態では、図1にて示したコード画像読み取り装置400がユーザにより操作され、不良用紙P上のコード画像が読み取られる。なお、コード画像読み取り装置400は可搬できる装置となっており、コード画像の読み取りは、用紙積載部320に不良用紙Pが積載されている状態にて行われる。さらに説明すると、不良用紙Pは、不良の程度によっては、取り除かれずそのまま用紙積載部320に残されることもあり、本実施形態では、ユーザは、用紙積載部320に未だ積載されている状態の不良用紙Pからコード画像の読み取りを行う。【0040】そして、不良用紙P上のコード画像の読み取りが行われると、モニタ211(図1参照)上に、不良についての情報が表示される。なお、上記では説明を省略したが、コード画像読み取り装置400としては、例えば、バーコードリーダが挙げられる。なお、バーコードリーダなどの専用の装置に限らず、カメラ付きの携帯電話やスマートフォンなどを、コード画像読み取り装置400として用いる構成としてもよい。【0041】図5は、モニタ211における表示画面の一例を示した図である。本実施形態では、モニタ211における表示画面の図中左上に、コード画像を読み取ることにより得られた上記識別情報(ID)が表示される。また、表示画面の右上には、表示画面上に現在表示しているページのページ番号が表示される。さらに、ページ番号が表示されている箇所の右側には、2つの三角形が表示され、ページを他のページに切り替える際にユーザにより操作(押圧)されるページ切り替え操作部411が表示される。【0042】また、本実施形態では、表示画面の中段且つ右側に、現在表示しているページの全体像419が表示される。なお、この全体像419には、4つの丸いマークMK3が表示されており、本実施形態では、この4つの丸いマークMK3が表示されている箇所にて不良が発生していることを示している。付言すると、本実施形態では、表示画面に表示される全体像419に、不良が発生している箇所を指し示す情報(画像)が表示されるようになっている。また、本実施形態では、表示画面の中段且つ中央に、不良が発生している箇所を拡大して表示する拡大表示部412が設けられている。【0043】付言すると、表示画面の中段且つ中央には、不良が発生している箇所の読み取り画像データに基づく画像を拡大して表示する拡大表示部412が設けられている。なお、本実施形態では、上記4つのマークMK3のうち、拡大表示部412にて表示されている不良(不良画像)を取り囲んでいるマークMK3(図中、最も上に位置するマークMK3)は、太い線で表示され、強調表示されている。これにより、ユーザは、全体像419にて複数表示されている不良の何れの不良が、拡大表示部412にて拡大表示されているかを認識しやすくなる。【0044】さらに、本実施形態では、表示画面の中段且つ左側に(拡大表示部412の左側に)、原画像データに基づく画像を表示する原画像表示部413が設けられている。付言すると、表示画面の中段且つ左側に、原画像データのうち、不良が発生している箇所に対応した原画像データに基づく画像を拡大して表示する原画像表示部413が設けられている。ここで、本実施形態では、このように、拡大表示部412と原画像表示部413とが互いに隣接した状態で表示され、拡大表示部412に表示されている画像と、原画像表示部413に表示されている画像とを見比べやすくなっている。」
(5)上記(4)【0028】の記載からすると、【0028】~【0044】に記載された実施形態は、画像処理システム1にて実行される処理方法といえる。
(6)上記(4)【0029】より「照合処理」の具体例が「パターンマッチング処理」であるといえる。
上記(1)乃至(6)の事項より、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「画像処理システム1にて実行される処理方法であって、ユーザから提供され画像形成装置100に入力された原画像データと、検査装置200にて、用紙P上の画像の読み取りが行われて得られた読み取り画像データとを、検査装置200の照合処理部244で照合処理(パターンマッチング処理)し、用紙P上に形成された画像に不良が発生しているか否かを判断し、不良が発生していると判断された場合、照合処理部244は、不良が発生しているページのページ情報(ページ番号)、不良の発生位置(ページ内における位置)、不良の程度、不良の個数、原画像データ、読み取り画像データなどにより構成される不良状況データと、この不良状況データを他の不良状況データと識別するための識別情報(ID)とを対応づけ、コード画像形成制御部246は、上記識別情報に基づきコード画像を生成し、不良が発生していると判断された用紙Pに対して、コード画像形成ヘッド215を用い、生成したこのコード画像を形成し、コード画像読み取り装置400がユーザにより操作されると、不良用紙P上のコード画像が読み取られ、不良用紙P上のコード画像の読み取りが行われると、モニタ211上に、不良についての情報が表示される、画像処理システム1にて実行される処理方法。」
2 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「用紙P」、「読み取り画像」、「原画像」、及び「方法」は、それぞれ、本願発明の「用紙」、「読み取り画像」、「基準画像」、及び「方法」に相当する。
(2)引用発明の「用紙P」は、検査装置200にて、画像が読み取られるものであるから、「検品対象となる用紙」といえる。
そして、引用発明の「読み取り画像データ」は、用紙P上の画像が読み取りが行われて得られたものであるから、本願発明の「読み取り画像」と引用発明の「読み取り画像」とは、「検品対象となる用紙上に形成された画像」から読み取られた「読み取り画像」との概念で共通する。
(3)引用発明の「照合処理(パターンマッチング処理)」は、原画像データと読み取り画像データとを照合して、用紙P上に形成された画像に不良が発生しているか否かを判断する処理であるから、本願発明の「比較して品質を判定」する「ステップ」に相当する。
(4)引用発明の「原画像データ」は、読み取り画像データと、検査装置200の照合処理部244で照合処理(パターンマッチング処理)されて、用紙P上に形成された画像に不良が発生しているか否かを判断されるものであるから、本願発明の「基準画像」と、引用発明の「原画像データ」とは、「画像の検品の基準となる」ものとの概念で共通する。
(5)引用発明の「処理方法」は、「不良が発生していると判断された場合」、「モニタ211上に、不良についての情報が表示」されるものであるから、本願発明の「品質を判定し結果を出力する検品ステップ」を備えるといえる。
(6)上記(5)より、引用発明の「処理方法」が、「検品ステップ」を備えるといえるのであるから、引用発明の「処理方法」は、本願発明の「検品方法」に相当する。
したがって、両者は、
「検品対象となる用紙上に形成された画像の読み取り画像と、前記画像の検品の基準となる、基準画像とを比較して品質を判定し結果を出力する検品ステップを有する検品方法。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
本願発明の「基準画像」が、「用紙上に形成された画像に基づいて生成された」ものであるのに対し、引用発明の「原画像データ」は、「ユーザから提供され画像形成装置100に入力された」ものである点。
[相違点2]
本願発明の「検品方法」が、「用紙がインデックス紙であるページは検品の対象外とする」ものであるのに対し、引用発明の「処理方法」は、そのような特定がなされていない点。
3 判断
(1)[相違点1]について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2015-118050号公報(【0002】~【0003】参照。)、及び特開2003-136818号公報(【0087】~【0089】参照。)に示されているように、複数ある基準画像の出所のうち、印刷された画像から基準画像を生成することは、当該技術分野において、周知の技術手段(以下「周知技術1」という。)といえる。
してみると、引用発明において、ユーザから提供され画像形成装置100に入力された原画像に対し、上記周知技術1を適用し、印刷された画像から生成するようにし、上記相違点1の構成とすることは、当業者が容易になし得るものである。
(2)[相違点2]について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2007-148027号公報(【0102】~【0124】、【図13】参照。)、特開2011-118564号公報(【0026】参照。)、及び特開2009-25652号公報(【0038】~【0045】参照。)に示されているように、複数種類ある用紙の中から、特定の種類の用紙、例えば、インデックス紙(タブ紙)を検品の対象用紙としないことは、当該技術分野において、周知の技術手段(以下「周知技術2」という。)といえる。
そして、画像を形成する対象の用紙を何れの種類の用紙とするのかは、ユーザの設定に応じて適宜選択され得るものであるところからすれば、検品の対象の用紙を何れの種類の用紙とするのかは、当業者が適宜選択し得る事項である。
してみると、上記のとおり、インデックス紙(タブ紙)を検品の対象用紙としないことが、周知の技術手段であるのであるから、引用発明において、前記周知技術2を適用し、インデックス紙(タブ紙)を検品の対象用紙としないこととし、以て、上記相違点2の構成とすることは、当業者が適宜なし得るものである。
なお、請求人は、「なお、引用文献2には、チェックボックスの選択を外すことで、検品しないことの記載がありますが、これではユーザの手間がかかってしまい、本願発明の課題を解決することはできません。」、「引用文献3には、…タブ紙について、印刷されていない場合に画像検査を行わない旨が開示されているものの、印刷されている場合に画像検査を行わないことは記載されておりません。」、及び「引用文献4には、目視検査のサンプル出力の際に、インデックス紙は数が少ない特殊紙であるため、出力しない旨が記載されておりますが、本願発明の検品とは異なります。」と主張する。
しかし、上記引用文献2~4には、上述のとおり、インデックス紙(タブ紙)を検品の対象用紙としないことは記載されているのであって、対象外とするための手間や、印刷の有無など、本願発明には何ら特定されていないのであるから、上記請求人の主張は、本願の特許請求の範囲の記載に基づかない主張であって、採用し得ない、と言わざるを得ない。
また、本願発明の効果も、引用発明及び上記周知技術1及び2から、当業者が予測し得る程度のものといえる。
4 小括
以上検討したとおり、本願発明は、本願出願の出願前に出願公開された引用文献に記載された発明、上記周知技術1及び2より、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、本願出願の出願前に出願公開された引用文献に記載された発明、上記周知技術1及び2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-014839