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特許拒絶査定不服審判

2025-003859

給紙装置および画像形成装置

審判番号
2025-003859
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-143429
請求日
2025年03月11日
審決日
2026年06月24日
公報発行日
2026年09月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】コニカミノルタ株式会社
  • 【請求人代理人】横井 幸喜
審判長/審判官
  • 審判長 濱本 禎広
  • 審判官 門 良成
  • 審判官 山本 一
分類
P18 .113-Z (B65H) / P18 .121-Z (B65H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023-143429「給紙装置および画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔令和5年10月26日出願公開、特開2023-158058〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成28年1月18日に出願した特願2016-7217の一部を、令和2年3月3日に新たな特許出願(特願2020-35528)としたものの一部を、令和3年8月27日に新たな特許出願(特願2021-139189)としたものの一部を、令和5年9月5日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和5年 9月 5日 :手続補正書の提出 令和6年 5月 7日付け:拒絶理由通知書 同年 6月28日 :意見書、手続補正書の提出 同年 8月19日付け:拒絶理由通知書 同年10月18日 :意見書の提出 同年12月16日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月24日 :原査定の謄本の送達) 令和7年 3月11日 :審判請求書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年6月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「 【請求項1】 画像形成媒体を収納して給紙する給紙装置であって、 給紙装置本体と、 前記給紙装置本体内に備えられて画像形成媒体を積載する画像形成媒体積載部と、 前記画像形成媒体積載部の昇降を行う昇降部と、 を備え、 前記給紙装置本体は、ユーザ操作により、前記給紙装置内に収まる画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第1の状態と、前記給紙装置内に収まりかつ前記第1の状態で積載する画像形成媒体よりも給紙方向に長い画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第2の状態とを取り、 前記第1の状態における前記画像形成媒体積載部は第1の位置まで下降可能であり、前記第2の状態における前記画像形成媒体積載部は前記第1の位置よりも高い第2の位置まで下降可能であることを特徴とする給紙装置。」 第3 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。 1.(新規性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。 2.(進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2002-338069号公報 第4 当審の判断 1 引用文献1 (1)記載事項 前記第3の原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に発行された特開2002-338069号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同じ。)。 「【請求項1】複数の用紙を積載収容可能であり且つ昇降可能な第1の給紙トレイと、第1の給紙トレイを昇降させる昇降駆動手段と、第1の給紙トレイから用紙を1枚ずつ給送する給紙手段と、複数の用紙を積載収容可能であり第1の給紙トレイに対して並列に固定して設けらた第2の給紙トレイと、第1の給紙トレイと第2の給紙トレイが略水平の状態で第2の給紙トレイに積載された用紙を第1の給紙トレイへ移送する用紙移送手段と、第1の給紙トレイに出没自在に設けられ第1の給紙トレイから突出した状態で第2の給紙トレイの用紙積載領域に延びる補助トレイを有していることを特徴とする給紙装置。」 「【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図16に基づいて説明する。先ず、図10に基づいて本実施形態における画像形成装置としての孔版印刷機30の構成及び印刷動作の概要を説明する。孔版印刷機30は、装置本体32の略中央部に設けられた画像形成部34と、該画像形成部34の下部に設けられたタンデム式の給紙装置2と、画像形成部34の上部に設けられた原稿読取部としての光学読取部38等を有している。画像形成部34は、印刷部40と、製版部42と、排版部44等を有している。印刷部40は、内部にインキ供給手段46を有する印刷ドラム48と、該印刷ドラム48に対して接離自在に設けられたプレスローラ50等を有している。インキ供給手段46は、印刷ドラム48の回転支軸を兼ねるインキ供給パイプ52と、インキローラ54と、ドクターローラ56を有している。インキ供給パイプ52から供給されるインキはインキローラ54とドクターローラ56間の楔状のインキ溜まりに滴下され、インキ溜まりのインキはドクターローラ56によって層厚みを規制されながらインキローラ54に供給される。インキローラ54に供給されたインキは印刷ドラム48の内周面に供給される。」 「【0030】次に、タンデム式の給紙装置2の構成及び機能を詳細に説明する。図11に示すように、給紙装置2には、段差を有する形状の給紙フレーム3が、給紙装置本体に対して給紙方向と直交する用紙幅方向に着脱自在に収納されている。給紙フレーム3には、同一サイズで複数の小サイズの用紙(例えばA4)を同一向きに収容する第1用紙収容部4と第2用紙収容部5が段差部を境界として並列に形成されている。第1用紙収容部4には昇降可能な第1の給紙トレイ11が設けられており、第2用紙収容部5の底面3aは固定された第2の給紙トレイとなっている。第1の給紙トレイ11と第2の給紙トレイ3aは略水平且つ並列に設けられている。第1の給紙トレイ11は内部に多数の補強リブを有しており、合成樹脂で一体成形されている。第1の給紙トレイ11は、昇降駆動手段12により昇降駆動される。昇降駆動手段12は、駆動モータ12aと、図示しない昇降機構を有しており、給紙フレーム3や第1の給紙トレイ11等が一体に組付けられた給紙ユニットが給紙装置本体にセットされると、第1の給紙トレイ11が該昇降機構に昇降可能に連結されるようになっている。 【0031】第1用紙収容部4に収容された、すなわち第1の給紙トレイ11に積載された小サイズの用紙P1Aの前端側上方(右側上方)には、用紙P1Aを送り出す給紙手段70が設けられている。給紙手段70は、用紙P1Aの上面に当接するピックアップローラ6と、ピックアップローラ6によって引き出された用紙P1Aを1枚に分離するフィードローラ7及びリバースローラ8を有している。図示しないが、ピックアップローラ6の近傍には、第1の給紙トレイ11に積載された用紙P1Aの有無を検知するペーパーエンド検知センサが設けられている。1枚に分離された用紙P1Aは搬送ローラ対9により画像形成部34へ送り込まれ、上述した画像形成過程を経る。」 「【0036】ピックアップローラ6の近傍に設けられた上記ぺーパーエンド検知センサにより、第1の給紙トレイ11に積載された用紙P1Aが全て給紙されて無くなったことが検知されると、図14に示すように、第1の給紙トレイ11は下限位置へ向けて下降する。ここでの下限位置は、図15に示すように、第1の給紙トレイ11の積載面が第2の給紙トレイ3aよりも若干下方になる位置である。換言すれば、第2の給紙トレイ3aに積載された用紙P1Bを第1の給紙トレイ11に移送する場合に、用紙P1Bが境界部を円滑に移動し、且つ、段差によるズレを生じない位置である。用紙有無検知センサ16の検知情報に基づいて第2の給紙トレイ3a上に用紙P1Bが存在すると判断された場合、制御手段はエンドフェンス14を第1の給紙トレイ11側へ移動させる。エンドフェンス14の移動により、用紙P1Bは第1の給紙トレイ11上に移送される。エンドフェンス14が移動する場合、用紙検知手段18の用紙検知レバー18aは図示しないアクチュエータにより用紙の搬送路外に退避するようになっている。 【0037】エンドフェンス14による用紙P1Bの移送が完了した後、第1の給紙トレイ11が用紙P1Aが積載されていたときと同様に最上部の用紙P1Bが所定の高さに保持されるように上昇する。ピックアップローラ6は最上の用紙P1Bと所定の圧力をもって接し、給紙待機状態となる。エンドフェンス14は第2用紙収容部5の左側のホームポジションへ戻される。図16に示すように、第2用紙収容部5に用紙が無い場合には、エンドフェンス14は動作せず、制御手段は操作パネルの液晶表示部等の表示手段を介して用紙無しを表示する。この表示を受けて第1用紙収容部4及び第2用紙収容部5、又はいずれか一方に比較的小サイズの用紙、例えばA4サイズの用紙がセットされる。セット後の給紙動作は上述した通りである。 【0038】以上はタンデム式の本来の使用形態であるが、第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がって大サイズの用紙を積載する使用形態を以下に説明する。図1は、第1の給紙トレイ11から補助トレイ72を引き出して大サイズの用紙、例えばA3サイズの用紙P2を積載する場合を示している。図1(b)に示すように、補助トレイ72は第1の給紙トレイ11の下限位置で引き出されており、第2の給紙トレイ3aの下面において第2の給紙トレイ3aの積載領域にオーバーラップした状態で延びている。この状態で用紙P2を第1の給紙トレイ11に積載しても用紙P2の略左半分は補助トレイ72には載らず、第2の給紙トレイ3a上に載る。大サイズの用紙P2をセットした場合、セット後、操作パネル等により用紙サイズ変更情報の入力を行う。用紙P2をセットした場合第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がるので、用紙検知手段18は用紙有りを検知することになるが、用紙サイズ変更情報の入力がなされた場合には制御手段はセット異常と判断しないようになっている。 【0039】図2に示すように、第1の給紙トレイ11が、最上部の用紙P2が所定の高さに保持されるように上昇する。補助トレイ72は第2の給紙トレイ3aの開口部3b,3bを通過するので、第2の給紙トレイ3aに載っていた略左半分は補助トレイ72に支持されて上昇する。すなわち、補助トレイ72は第1の給紙トレイ11の延長部として機能する。給紙動作は上述した小サイズ用紙の場合と同様である。」 「【0042】また、図6に示すように、補助トレイ72の反対側には、補助トレイ72の引き出し量を検知する多回転抵抗方式の引き出し量検知手段76が設けられており(図5では省略)、検知された抵抗値は制御手段へ出力される。制御手段のROMには抵抗値と用紙サイズとの関係データが予め記憶されており、制御手段は、図7に示すように、出力された抵抗値Vに基づいて補助トレイ72の引き出し量を用紙サイズに変換する。用紙サイズが検知されたら、制御手段はホームポジションに位置するエンドフェンス14を判断された用紙サイズ、すなわち積載される用紙のサイズに対応して適正位置に移動する。適正位置とは、用紙の給紙方向の位置ズレを防止できるエンドフェンス機能が得られる位置である。又は、逆に、用紙サイズ変更情報に基づいてエンドフェンス14を適正位置に移動してもよい。補助トレイ72の引き出し量又は引き出し量に対応した用紙サイズの検知は、第1の給紙トレイ11内に個別にセンサを設けて検知してもよく、あるいは第1の給紙トレイ11に設けた1つのセンサで補助トレイ72の定型サイズ位置のマークを読み取る方式としてもよい。大サイズの用紙を積載した後に用紙サイズ変更情報の入力を行うが、この用紙サイズ変更情報の入力を引き出し量検知手段76等の検知に基づいて、自動入力するようにしてもよい。この場合には用紙サイズ変更情報の入力をする手間を要しない利点がある。 【0043】昇降駆動手段12の駆動モータ12aの容量は、第1の給紙トレイ11に小サイズの用紙が積載される場合のみに対応して設定されている。上述のように、第2の給紙トレイ3aは固定されていて第1の給紙トレイ11に合わせて上昇しないので、例えばA3サイズの用紙を積載する場合にA4サイズの用紙の場合と同等の枚数を積載した場合、重量が2倍となり、駆動モータ12aの負荷トルクを超えることになる。もちろん、大サイズの用紙を満載して駆動できる大トルクのモータを用いてもよい。本実施形態では、駆動モータ12aをそのまま使用するために、すなわち駆動モータ12aの負荷トルクを略一定にするために、補助トレイ72の使用時には第1の給紙トレイ11への用紙積載量を制限するようにしている。 【0044】具体的には、第1の給紙トレイ11の下限位置を上方に設定する。図8は、A3サイズの用紙を積載する場合を示しており、この場合の下限位置DL1は第1の給紙トレイ11の上下ストロークの略中間位置であり、A4サイズの約半分の枚数しか積載できない位置である。図9は、B4サイズの用紙を積載する場合を示しており、この場合の下限位置DL2は、A3サイズの用紙の約1.3倍の枚数しか積載できない位置である。すなわち、補助トレイ72の引き出し量に応じて第1の給紙トレイ11への用紙積載制限量が変えられる。これらの下限位置は、個別にセンサを設けて検知してもよく、一旦最下限位置(A4サイズ用紙に対応した下限位置)に戻した後駆動モータ12aのステップ数を管理して位置決めしてもよい。 【0045】大サイズ用紙積載時の第1の給紙トレイ11の下限位置設定は制御手段により自動的になされる。この場合、引き出し量検知手段76等が補助トレイの使用状態を検知する手段として機能し、引き出し量検知手段76等が動作した場合、制御手段は補助トレイ72が引き出されたと判断し、引き出し量又は検知された用紙サイズに基づいて第1の給紙トレイ11を所定の下限位置に移動させる。第1の給紙トレイ11の下限位置を複数設けずに、大サイズの用紙を積載する場合には操作パネルの液晶表示部等の表示手段を介して小サイズの用紙の積載量よりも少ない量(例えば半分)を積載するように表示して駆動モータ12aの容量を維持するようにしてもよい。また、補助トレイ72が使用状態にないときに大サイズ用紙への用紙サイズ変更情報の入力がなされた場合には、制御手段は操作パネルの液晶表示部等の表示手段を介して警告を行うようにしてもよい。」 「【図1】 [図:0001438920000001.jpg] 」 「【図2】 [図:0001438920000002.jpg] 」 「【図8】 [図:0001438920000003.jpg] 」 「【図10】 [図:0001438920000004.jpg] 」 「【図16】 [図:0001438920000005.jpg] 」 (2)引用文献1の記載から認定できる事項 ア 前記(1)【0030】の「給紙装置2には、段差を有する形状の給紙フレーム3が、給紙装置本体に対して給紙方向と直交する用紙幅方向に着脱自在に収納されている。」との記載、前記(1)【0031】の「第1用紙収容部4に収容された、すなわち第1の給紙トレイ11に積載された小サイズの用紙P1Aの前端側上方(右側上方)には、用紙P1Aを送り出す給紙手段70が設けられている。」との記載、及び前記(1)【図1】(b)から、用紙の給紙方向は、用紙の幅方向に直交し、用紙の前端に向かう方向であるといえる(以下「認定事項ア」という。)。 イ 前記(1)の【0027】以降の記載における「第1の給紙トレイ11」、「昇降駆動手段12」、「給紙手段70」、「第2の給紙トレイ3a」、「補助トレイ72」、及び「給紙装置2」は、それぞれ前記(1)【請求項1】の記載における「第1の給紙トレイ」、「昇降駆動手段」、「給紙手段」、「第2の給紙トレイ」、「補助トレイ」、及び「給紙装置」に対応するといえるから、「給紙装置2」は、「昇降駆動手段12」を有しているといえる(以下「認定事項イ」という。)。 (3)引用発明1の認定 前記(1)、(2)をふまえると、引用文献1には下記の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。なお、「補助トレイ」、及び「補助トレイ72」の記載は、「補助トレイ72」に統一した。 「給紙フレーム3が、給紙装置本体に対して給紙方向と直交する用紙幅方向に着脱自在に収納され、昇降駆動手段12を有する給紙装置2であって(【0030】、認定事項イ)、 給紙方向は、用紙の幅方向に直交し、用紙の前端に向かう方向であり(認定事項ア)、 給紙フレーム3には、同一サイズで複数の小サイズの用紙を同一向きに収容する第1用紙収容部4と第2用紙収容部5が段差部を境界として並列に形成されており(【0030】)、 第1用紙収容部4には昇降可能な第1の給紙トレイ11が設けられており、第2用紙収容部5の底面3aは固定された第2の給紙トレイとなっており(【0030】)、 第1の給紙トレイ11は、昇降駆動手段12により昇降駆動され(【0030】)、 第1の給紙トレイ11に積載された用紙が全て給紙されて無くなったことが検知されると、第1の給紙トレイ11は、第1の給紙トレイ11の積載面が第2の給紙トレイ3aよりも若干下方になる位置である下限位置へ向けて下降し(【0036】)、 第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がって大サイズの用紙を積載する使用形態において、第1の給紙トレイ11から補助トレイ72を引き出して大サイズの用紙を積載し(【0038】)、 第1の給紙トレイ11の下限位置を上方であって、第1の給紙トレイ11の上下ストロークの略中間位置に設定し(【0044】)、 大サイズ用紙積載時の第1の給紙トレイ11の下限位置設定は制御手段により自動的になされ、引き出し量検知手段76等が補助トレイ72の使用状態を検知する手段として機能し、引き出し量検知手段76等が動作した場合、制御手段は補助トレイ72が引き出されたと判断し、引き出し量に基づいて第1の給紙トレイ11を所定の下限位置に移動させる(【0045】)、 給紙装置2。」 2 対比、判断 本願発明と引用発明1を対比する。 (1)後者の「用紙」、及び「給紙装置本体」は、前者の「画像形成媒体」、及び「給紙装置本体」に相当する。 (2)後者の「給紙フレーム3」は、「用紙」を収容する「第1用紙収容部4」と「第2用紙収容部5」が形成されたものであり、当該「第1用紙収容部4」は、積載された「用紙」が給紙される「第1の給紙トレイ11」が設けられたものであるところ、後者の「給紙装置2」は、「給紙装置本体」に「給紙フレーム3」が収納されたものであるから、前者の「画像形成媒体を収納して給紙する給紙装置」に相当する。 (3)後者の「第1の給紙トレイ11」は、「給紙装置本体」に収納された「給紙フレーム3」に形成された「第1用紙収容部4」に設けられており、「用紙」を積載するものであるから、前者の「前記給紙装置本体内に備えられて画像形成媒体を積載する画像形成媒体積載部」に相当する。 (4)後者の「昇降駆動手段12」は、「第1の給紙トレイ11」を昇降駆動するものであるから、前記(3)をふまえると、前者の「前記画像形成媒体積載部の昇降を行う昇降部」に相当する。 (5)後者の「給紙装置2」は、「昇降駆動手段12」を有するものであることと、前記(2)、(3)をふまえると、前者の「給紙装置」と後者の「給紙装置2」は、「給紙装置本体と、 前記給紙装置本体内に備えられて画像形成媒体を積載する画像形成媒体積載部と、 前記画像形成媒体積載部の昇降を行う昇降部と、 を備え」(スペースは改行を表す。)るものである点で一致する。 (6)後者の「第1用紙収容部4」に「小サイズの用紙」を収容する態様においては、「第1の給紙トレイ11」に「小サイズの用紙」が積載されることになり、「第1の給紙トレイ11に積載された用紙が全て給紙されて無くなったことが検知されると、第1の給紙トレイ11は、第1の給紙トレイ11の積載面が第2の給紙トレイ3aよりも若干下方になる位置である下限位置へ向けて下降」する。 そして、後者の「小サイズの用紙」は「第1用紙収容部4」に収容されるところ、当該「第1用紙収容部4」は「給紙フレーム3」に形成され、当該「給紙フレーム3」は「給紙装置本体」に対して収納されるものであるから、後者の「小サイズの用紙」は、前者の「前記給紙装置内に収まる画像形成媒体」に相当する。 そうすると、後者の「給紙装置2」において「第1の給紙トレイ11」が、その「積載面が第2の給紙トレイ3aよりも若干下方になる位置である下限位置」にある状態は、前者の「前記給紙装置内に収まる画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第1の状態」に相当する。 (7)後者の「第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がって大サイズの用紙を積載する使用形態」においては、「第1の給紙トレイ11の下限位置を上方であって、第1の給紙トレイ11の上下ストロークの略中間位置に設定」していることから、「第1の給紙トレイ11の上下ストローク」が最大であるといえる「第1用紙収容部4」に「小サイズの用紙」を収容する態様の、「第1の給紙トレイ11の積載面が第2の給紙トレイ3aよりも若干下方になる位置である下限位置」よりも上方に「第1の給紙トレイ11の下限位置」を設定しているといえる。 そして、後者の「大サイズの用紙」は、「第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がって」積載されるものであるところ、当該「第1用紙収容部」と「第2用紙収容部5」は「給紙フレーム3」に形成され、当該「給紙フレーム3」は「給紙装置本体」に対して収納されるものであって、「給紙方向」が「用紙の幅方向に直交し、用紙の前端に向かう方向」であることをふまえると、後者の「大サイズの用紙」は、前者の「前記給紙装置内に収まりかつ前記第1の状態で積載する画像形成媒体よりも給紙方向に長い画像形成媒体」に相当する。 そうすると、後者の「給紙装置2」において「第1の給紙トレイ11」が、「第1の給紙トレイ11の上下ストロークの略中間位置」にある状態は、前者の「前記給紙装置内に収まりかつ前記第1の状態で積載する画像形成媒体よりも給紙方向に長い画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第2の状態」に相当する。 (8)後者の「給紙装置2」は、「大サイズ用紙積載時の第1の給紙トレイ11の下限位置設定は制御手段により自動的になされ、引き出し量検知手段76等が補助トレイ72の使用状態を検知する手段として機能し、引き出し量検知手段76等が動作した場合、制御手段は補助トレイ72が引き出されたと判断し、引き出し量に基づいて第1の給紙トレイ11を所定の下限位置に移動させる」ものであるから、「補助トレイ72」が引き出されたか否かに応じて「給紙トレイ11」の「下限位置」を設定するといえる。 そして、後者の「補助トレイ72」は、「給紙装置2」の操作者によって引き出されることは自明であること、後者の「第1の給紙トレイ11」が設けられた「第1用紙収容部4」が「給紙フレーム3」に形成され、当該「給紙フレーム3」は「給紙装置本体」に対して収納されるものであること、及び前記(6)、(7)をふまえると、前者の「給紙装置本体」と後者の「給紙装置本体」は、「ユーザ操作により、前記給紙装置内に収まる画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第1の状態と、前記給紙装置内に収まりかつ前記第1の状態で積載する画像形成媒体よりも給紙方向に長い画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第2の状態とを取」るものである点で一致する。 (9)前記(7)で示したとおり、後者の「第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がって大サイズの用紙を積載する使用形態」においては、「第1の給紙トレイ11の下限位置を上方であって、第1の給紙トレイ11の上下ストロークの略中間位置に設定」していることから、「第1の給紙トレイ11の上下ストローク」が最大であるといえる「第1用紙収容部4」に「小サイズの用紙」を収容する態様の、「第1の給紙トレイ11の積載面が第2の給紙トレイ3aよりも若干下方になる位置である下限位置」よりも上方に「第1の給紙トレイ11の下限位置」を設定しているといえる。 そして、前記(6)、(7)をふまえると、前者の「給紙装置」と後者の「給紙装置2」は、「前記第1の状態における前記画像形成媒体積載部は第1の位置まで下降可能であり、前記第2の状態における前記画像形成媒体積載部は前記第1の位置よりも高い第2の位置まで下降可能である」ものである点で一致する。 (10)以上のとおりであるから、本願発明と引用発明1は、 「画像形成媒体を収納して給紙する給紙装置であって、 給紙装置本体と、 前記給紙装置本体内に備えられて画像形成媒体を積載する画像形成媒体積載部と、 前記画像形成媒体積載部の昇降を行う昇降部と、 を備え、 前記給紙装置本体は、ユーザ操作により、前記給紙装置内に収まる画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第1の状態と、前記給紙装置内に収まりかつ前記第1の状態で積載する画像形成媒体よりも給紙方向に長い画像形成媒体を前記画像形成媒体積載部に積載するための第2の状態とを取り、 前記第1の状態における前記画像形成媒体積載部は第1の位置まで下降可能であり、前記第2の状態における前記画像形成媒体積載部は前記第1の位置よりも高い第2の位置まで下降可能である給紙装置。」 で一致し、相違するところがない。 (11)したがって、本願発明は、引用発明1であるか、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 審判請求人の主張について (1)令和7年3月11日に提出された審判請求書の主張 審判請求人は、令和7年3月11日に提出された審判請求書の3.(d)において、概略次の主張をしている。 ア 「本願の請求項1に係る発明は、・・・すなわち、これから画像形成媒体を給紙装置本体内にセットする際の第1の状態と、第2の状態において、第2の状態は給紙方向に長い画像形成媒体をセットするときであり、第2の状態における画像形成媒体積載部は、第1の状態の第1の位置よりも高い第2の位置まで下降可能である給紙装置の発明である。」 イ 「引用文献1では、補助トレイが引き出されると、用紙のサイズに応じて所定の下限位置に移動させるものとしており、この際には、第1の給紙トレイには用紙が積載された状態である。上記しているように、第1の給紙トレイで小サイズの用紙なしの場合には、第1の給紙トレイは下限位置にまで給紙トレイが下降することが記載されており、小サイズの用紙なしの下限位置よりも上方に第1の給紙トレイがあって、補助トレイが引き出されると、用紙有りの状態で、所定の下限位置にまで給紙トレイが下降することが明記されている。」 ウ 「引用文献1の段落0045には、大サイズ用紙積載時において、引き出し量又は検知された用紙のサイズに基づいてトレイの位置が移動することの記載はあるが、ここでは積載時とあるように用紙がトレイに載っている状態である。段落0043から0045にかけて、駆動モータの負荷トルクを略一定にするために、大サイズ用紙積載量は小サイズの用紙積載量よりも少なくなるようにトレイの下限位置が設定される記載はある。しかし、上記した通り、本願のように、これから画像形成媒体をセットしようとするときに、すなわち、トレイに用紙が載っていない状態で、トレイの高さが、これからセットする給紙方向の長さに応じて変わることは、引用文献1には記載も示唆もない。 引用文献1で、大サイズの用紙を積載する際には、それまでに第1の給紙トレイに積載されている小サイズの用紙上に大サイズの用紙を積載すれば、用紙のしわ、折れを招くおそれがある。また、小サイズの用紙をより除いた後に大サイズの用紙を積載しようとすると、手間がかかり、作業効率が悪いという課題が生じる。 したがって、引用文献1では、トレイの高さ調整が用紙が載っていない状態で行うことは記載がなく、自明ではない。」 (2)審判請求人の主張についての見解 前記(1)ア~ウの主張について検討する。 ア 本願発明において、「これから画像形成媒体を給紙装置本体内にセットする際の第1の状態と、第2の状態」である点は特定されておらず、当該主張は請求項の記載に基づく主張とは認められない。 イ 仮に、本願発明が「これから画像形成媒体を給紙装置本体内にセットする際の第1の状態と、第2の状態において、第2の状態は給紙方向に長い画像形成媒体をセットするときであり、第2の状態における画像形成媒体積載部は、第1の状態の第1の位置よりも高い第2の位置まで下降可能である給紙装置の発明」であるとして検討する。 (ア)引用発明1の「第1用紙収容部4」に「小サイズの用紙」を収容する態様においては、「第1の給紙トレイ11」に「小サイズの用紙」が積載されることになり、「第1の給紙トレイ11に積載された用紙が全て給紙されて無くなったことが検知されると、第1の給紙トレイ11は、第1の給紙トレイ11の積載面が第2の給紙トレイ3aよりも若干下方になる位置である下限位置へ向けて下降」するから、この態様では、「小サイズの用紙」が積載される前に「下限位置」にあるといえる。 (イ)引用発明1は、「大サイズ用紙積載時の第1の給紙トレイ11の下限位置設定は制御手段により自動的になされ、引き出し量検知手段76等が補助トレイ72の使用状態を検知する手段として機能し、引き出し量検知手段76等が動作した場合、制御手段は補助トレイ72が引き出されたと判断し、引き出し量に基づいて第1の給紙トレイ11を所定の下限位置に移動させる」ものであって、「補助トレイ72」を引き出してから「大サイズの用紙」を積載することは当然のことであるから、引用発明1の「第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がって大サイズの用紙を積載する使用形態」では、「大サイズの用紙」が積載される前に「下限位置」にあるといえる。 なお、「積載時」との記載は、技術常識をふまえれば「(これから)積載するとき」を意味することは自明である。 ウ また、引用発明1が、「第1用紙収容部4と第2用紙収容部5に跨がって大サイズの用紙を積載する使用形態」では、「大サイズの用紙」が積載される前に「下限位置」にあるといえず、審判請求人の主張するように、用紙をトレイに積載している状態で「下限位置」まで移動することしか記載されていないとしても、用紙をトレイに積載していないと「補助トレイ72」を引き出せない理由もないから、装置の構成として異なるとはいえない。 エ よって、審判請求人の前記(1)の主張は、前記2の判断を左右するものでなく採用できない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1であり、特許法29条1項3号に該当するものであるから、特許を受けることができない。 また、本願発明は、引用発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-003859

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