特許拒絶査定不服審判
2024-015574
インクジェット印刷方法、及び、このインクジェット印刷方法により形成された立体印刷部を有するスポーツ用品
- 審判番号
- 2024-015574
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-050941
- 請求日
- 2024年09月30日
- 審決日
- 2025年09月17日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】グローブライド株式会社
- 【請求人代理人】水野 浩司
- 審判長/審判官
- 審判長 川俣 洋史
- 審判官 門 良成
- 審判官 山本 一
- 分類
- P18 .121-Z (B41J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 行政事件訴訟法46条特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2021-50941「インクジェット印刷方法、及び、このインクジェット印刷方法により形成された立体印刷部を有するスポーツ用品」拒絶査定不服審判事件〔令和4年10月6日出願公開、特開2022-149021〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年3月25日を出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和6年 1月23日付け:拒絶理由通知書
同年 3月27日 :意見書、手続補正書の提出
同年 6月25日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 7月 4日 :原査定の謄本の送達)
同年 9月30日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和7年 1月27日付け:前置報告書
第2 本願発明
本願の請求項3に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年9月30日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
なお、令和6年9月30日に提出された手続補正書により、請求項3の記載は変更されていない。
「 【請求項3】
インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて立体印刷部が形成されたスポーツ用品において、
前記立体印刷部が、
複数のインク液滴を印刷ヘッドから対象物に吐出する第1工程と、
前記インク液滴を硬化させ、硬化したインクにより印刷層を形成する第2工程と、
下に位置する前記印刷層に対し、前記印刷ヘッドから前記インク液滴をずらして吐出して次の印刷層を重ねて形成する第3工程と、を備えており、
前記第3工程は、前記印刷ヘッドの異なる位置から前記インク液滴を吐出することで前記インク液滴をずらし、相対的に下に位置する前記印刷層に生じた隙間の少なくとも一部を、前記ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成するインクジェット印刷方法により形成されたことを特徴とするスポーツ用品。」
第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。
(進歩性)この出願の請求項3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1及び3に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
1.国際公開第2010/021377号
3.特開2016-182705号公報
第4 当審の判断
1 引用文献、引用発明
(1)引用文献1
前記第3の原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に発行された国際公開第2010/021377号(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同じ。)。
ア 「[0024] なお、本実施形態では、インクジェットプリンタ100のコントローラ130に、第1制御部130a、第2制御部130b、および他の制御部130cを設けることとした。しかし、第1制御部130a、第2制御部130b、および他の制御部130cの少なくとも一つを、外部のコンピュータ133に設けるようにしてもよい。また、第1制御部130a、第2制御部130b、および他の制御部130cは概念的なものであり、それらはソフトウェアで実現されていてもよく、専用のハードウェアとして構成されていてもよい。第1制御部130a、第2制御部130b、および他の制御部130cは、互いに独立していてもよく、一体化されていてもよい。すなわち、例えばコントローラ130の所定の部位が、第1制御部130a、第2制御部130b、および他の制御部130cの全ての機能を果たすようになっていてもよい。」
イ「[0027] 前述したように、インクジェットプリンタ100は、立体印刷が可能である。図4を参照しながら立体印刷について説明する。
・・・
[0030] その後、コントローラ130は、ステップS106、S108およびS110において、透明インクによる立体印刷を行う。立体印刷は、後述する第1および第2の印刷によって行われる。まず、コントローラ130の第1制御部130aは、ステップS106にて第1の印刷を行う。第1の印刷では、吐出された透明インクを所定の時間Tが経過する前に硬化させる。ここで、所定の時間Tは5秒としているが、5秒に限られず、適宜変更することができる。第1制御部130aは、記録媒体WKを前方に搬送しつつ、記録ヘッドユニット120を左右方向に移動させる。記録ヘッドユニット120が左右方向に移動している間に、記録ヘッド122bは透明インクを吐出し、第1照射装置11および第2照射装置12が紫外線を照射する。詳しくは、記録ヘッドユニット120が左方向に移動している間と右方向に移動している間との両方において、記録ヘッド122bは透明インクを吐出する。記録媒体WKに付着した透明インクは直ちに硬化し、インクの硬化層が形成される。第1の印刷では、透明インクの吐出および硬化が複数回行われ、記録媒体WK上に複数の硬化層が積み重ねられる。ここで「複数回」とは、記録ヘッドユニット120が左方向に移動している間と右方向に移動している間の両方において、記録ヘッド122bがインクを吐出する、所謂、双方向印刷をする場合は、記録ヘッドユニット120が主走査方向に複数回往復することを意味する。なお、記録ヘッドユニット120が左方向に移動している間、もしくは右方向に移動している間の一方においてのみ、記録ヘッド122bがインクを吐出する、所謂、単方向印刷をする場合は、「複数回」とは、記録ヘッドユニット120が主走査方向の一方から他方へ移動することを複数回繰り返すことを意味する。記録ヘッド122bは、形成された硬化層の上に、さらに透明インクを吐出する。第1照射装置11および第2照射装置12は、硬化層の上に付着したインクを硬化させる。
[0031] 図5(A)~図6(C)は、第1の印刷によって形成される硬化層を模式的に表した図である。符号GはステップS102で形成された画像を示し、符号Dは硬化された透明インクを表す。第1の印刷では、吐出された透明インクに対して、特に第1照射装置11から直ちに紫外線が照射される。例えば、第1の印刷においては、記録ヘッドユニット120が右方向に移動する工程において、透明インクを吐出する記録ヘッド122bから吐出されたインクに対しては、約2秒後に紫外線が照射されるので、透明インクは周囲に広がる前に硬化される。すなわち、記録ヘッド122bから透明インクが吐出されてから所定の時間T(ここでは5秒)が経過する前に透明インクが硬化される。そのため、透明インクは粒状の状態で硬化される。言い換えると、透明インクは、互いに混和して一体化する前に硬化される。透明インクは、互いの独立性を保ちながら硬化される。そのため、硬化層の表面は、凹凸の大きな表面となり、光沢感が小さい所謂マット調の表面となる。図5に示すように、3つの硬化層が積層される場合、第1の硬化層L1の上に第2の硬化層L2が形成され、第2の硬化層L2の上に第3の硬化層L3が形成される。なお、硬化層の数は何ら限定されない。硬化層の数は、ユーザが適宜に設定することができる。以下では、第1~第3の硬化層L1~L3の全体を硬化層Lと総称する。
[0032] 本実施形態では、第1~第3の硬化層L1~L3は、記録媒体WKを停止させた状態で形成される。すなわち、第1制御部130aは、記録媒体WKの搬送を停止したまま、記録ヘッドユニット120を左右方向に移動させながら、透明インクの吐出および紫外線の照射を1.5回、すなわち、1往復半繰り返す。なお、透明インクの吐出および紫外線の照射を繰り返す回数は1.5回に限られず、要求される硬化層Lの厚みに応じて変更することが可能である。そして、第3の硬化層L3を形成した後、記録媒体WKを所定の搬送量Jだけ前方へ搬送し、上述の動作を繰り返す。これにより、画像Gの全体の上に、第1~第3の硬化層L1~L3が形成される。
[0033] ただし、第1~第3の硬化層L1~L3を形成できる限り、記録媒体WKの搬送方法は何ら限定される訳ではない。例えば、記録媒体WKの搬送量を前記搬送量Jの1/3とし、記録媒体WKを当該搬送量J/3だけ搬送する度に、透明インクの吐出および硬化を行うようにしてもよい。例えば、図6(A)に示すように、透明インクD1を吐出し且つ硬化させた後、記録媒体WKをJ/3だけ搬送し、透明インクD2を吐出し且つ硬化させ(図6(B)参照)、記録媒体WKを更にJ/3だけ搬送した後、透明インクD3を吐出し且つ硬化させる(図6(C)参照)。なお、図6(A)~(C)に示す例では、記録ヘッド122bには、前後方向に並ぶ3つのノズル125が設けられているものとする。斜線を付した透明インクD1~D3は、それぞれ図6(A)~(C)に示すタイミングで吐出された透明インクである。このような方法によっても、第1~第3の硬化層L1~L3を形成することができる。この場合、第1の印刷における搬送量は、第2の印刷における搬送量の1/3となり、第2の印刷における搬送量よりも少なくなる。ここで「搬送量」とは、断続的に記録媒体WKを搬送するときの1回当たりの搬送量のことである。なお、透明インクの吐出および硬化は、必ずしも記録媒体WKを停止させた状態で行う必要はなく、記録媒体WKが前方に移動している間に行ってもよい。」
ウ「[図6]
[図:0001429726000001.jpg]
」
エ 前記ウ[図6]から、前後方向に並ぶ3つのノズル125のノズル間距離と、搬送量Jの1/3(J/3)が等しいことが看取できる。
オ 前記イ[0031]の「図5に示すように、3つの硬化層が積層される場合、第1の硬化層L1の上に第2の硬化層L2が形成され、第2の硬化層L2の上に第3の硬化層L3が形成される。」との記載、及び前記イ[0033]の「ただし、第1~第3の硬化層L1~L3を形成できる限り、記録媒体WKの搬送方法は何ら限定される訳ではない。例えば、記録媒体WKの搬送量を前記搬送量Jの1/3とし、記録媒体WKを当該搬送量J/3だけ搬送する度に、透明インクの吐出および硬化を行うようにしてもよい。例えば、図6(A)に示すように、透明インクD1を吐出し且つ硬化させた後、記録媒体WKをJ/3だけ搬送し、透明インクD2を吐出し且つ硬化させ(図6(B)参照)、記録媒体WKを更にJ/3だけ搬送した後、透明インクD3を吐出し且つ硬化させる(図6(C)参照)。」との記載から、「録媒体WKの搬送量を前記搬送量Jの1/3とし、記録媒体WKを当該搬送量J/3だけ搬送する度に、透明インクの吐出および硬化を行うようにして」も、「第1の硬化層L1の上に第2の硬化層L2が形成され、第2の硬化層L2の上に第3の硬化層L3が形成される」といえる。
カ 前記オをふまえると、前記ウ[図6]から、硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち記録媒体WKの搬送方向後端に位置する透明インクの上に、硬化層L2を構成するD1が重なることが看取できる。
キ 前記ア~カから、引用文献1には下記の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「透明インクの吐出および硬化が複数回行われた記録媒体WKであって([0030])、
インクジェットプリンタ100のコントローラ130は、ステップS106において、透明インクによる立体印刷を行い([0024]、[0027]、[0030])、
コントローラ130の第1制御部130aは、ステップS106にて第1の印刷を行い([0030])、
第1の印刷においては、記録ヘッドユニット120が右方向に移動する工程において、透明インクを吐出する記録ヘッド122bから吐出されたインクに対しては、互いに混和して一体化する前に硬化され([0031])、
記録ヘッド122bには、前後方向に並ぶ3つのノズル125が設けられており([0033])、
前後方向に並ぶ3つのノズル125のノズル間距離は、搬送量J/3と等しく(前記ウ)、
記録媒体WKを搬送量J/3だけ搬送する度に、透明インクの吐出および硬化を行い、透明インクD1を吐出し且つ硬化させた後、記録媒体WKをJ/3だけ搬送し、透明インクD2を吐出し且つ硬化させ、記録媒体WKを更にJ/3だけ搬送した後、透明インクD3を吐出し且つ硬化させる方法を行い、([0033])、
硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち記録媒体WKの搬送方向後端に位置する透明インクの上に、硬化層L2を構成するD1が重なる(前記カ)、
記録媒体WK。」
(2)引用文献3
前記第3の原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に発行された特開2016-182705号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「【0024】
インクジェットプリンター10は、中空の棒状部材90の外周面90aの少なくとも一部に印刷を実行する装置である。
【0025】
棒状部材90としては、例えば、歩行用の杖、スキー用やウォーキング用のストック、ゴルフのクラブのシャフト、釣竿、カーテンレール、自転車のパイプなど、種々の用途の棒状の部材が採用されることが可能である。」
イ 前記アから、引用文献3には下記の事項(以下「引用文献3技術事項」という。)が記載されていると認められる。
「中空の棒状部材90の外周面90aの少なくとも一部に印刷を実行するインクジェットプリンター10であって、
棒状部材90として、スキー用のストック、ゴルフのクラブのシャフト、自転車のパイプなど、種々の用途の棒状の部材が採用される、
インクジェットプリンター10。」
2 対比
本願発明と引用発明1を対比する。
(1)後者の「記録媒体WK」は、前者の「対象物」に相当する。
(2)後者の「インクジェットプリンタ100のコントローラ130」の「第1制御部130a」は、「記録ヘッドユニット120が右方向に移動する工程」を有する「第1の印刷」を行うものであるから、後者の「インクジェットプリンタ100」は、「記録ヘッドユニット120」を有するものであって、「記録ヘッドユニット120」は、インクジェット方式の記録ヘッドユニットであるといえる。
(3)後者の「第1の印刷」は、「ステップS106」にて行われること、及び前記(2)をふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」に相当する。
(4)後者の「記録ヘッド122b」は、技術常識をふまえると「記録ヘッドユニット120」に搭載されるものであるから、前記(2)をふまえると、前者の「印刷ヘッド」に相当し、後者の「透明インク」は、「記録媒体WK」を搬送量J/3だけ搬送する度に吐出されるものであるから、複数回吐出されるといえる。
また、後者の「記録媒体WK」は、「透明インクの吐出および硬化が複数回行われた」ものであるから、「透明インク」が「吐出」される対象であるといえる。
そうすると、前記(3)もふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「複数のインク液滴を印刷ヘッドから対象物に吐出する第1工程」を備える方法である点で一致する。
(5)後者の「透明インク」は、「吐出および硬化」が行われるものであるから、前記(4)をふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「インク液滴を硬化させ(る)第2工程」を備える方法である点で一致する。
(6)後者の「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インク」は、後者の「透明インク」が「吐出および硬化」が行われるものであることをふまえると、前者の「「硬化したインクにより」「形成」された「印刷層」」に相当する。
そうすると、前記(5)もふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「インク液滴を硬化させ、硬化したインクにより印刷層を形成する第2工程」を備える方法である点で一致する。
(7)後者の「記録ヘッドユニット120」が「右方向に移動する工程」を有するものであることをふまえると、後者の「硬化層L2を構成するD1」は、透明インクが主走査方向に複数並んだ列状のものであることは自明である。
そして、後者の「硬化層L2を構成するD1」は、「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち記録媒体WKの搬送方向後端に位置する透明インク」の上に重なるものであるから、前者の「次の印刷層」に相当する。
そうすると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「下に位置する前記印刷層に対し、次の印刷層を重ねて形成する第3工程」を備える方法である点で一致する。
(8)後者の「第1の印刷」は、「記録媒体WKを搬送量J/3だけ搬送する度に、透明インクの吐出および硬化を行い、透明インクD1を吐出し且つ硬化させた後、記録媒体WKをJ/3だけ搬送し、透明インクD2を吐出し且つ硬化させ、記録媒体WKを更にJ/3だけ搬送した後、透明インクD3を吐出し且つ硬化させる方法」を含むものであるから、「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち記録媒体WKの搬送方向後端に位置する透明インク」を吐出した「ノズル125」と、当該透明インクの上に重なる「硬化層L2を構成するD1」を吐出した「ノズル125」は、後者の「前後方向に並ぶ3つのノズル125」のノズル間距離が搬送量J/3と等しいことをふまえると、隣り合うノズルであるといえる。
そうすると、前記(7)もふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「下に位置する前記印刷層に対し、前記印刷ヘッドから前記インク液滴をずらして吐出して次の印刷層を重ねて形成する」工程を備える方法である点で一致する。
(9)後者の「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち記録媒体WKの搬送方向後端に位置する透明インク」の着弾位置がずれて間隔が生じたとすると、当該間隙の少なくとも一部は、「硬化層L2を構成するD1」により覆われることになる。
そうすると、前記(8)もふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「前記印刷ヘッドの異なる位置から前記インク液滴を吐出することで前記インク液滴をずらし、相対的に下に位置する前記印刷層に生じた隙間の少なくとも一部を、前記ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成する」「第3工程」を備える方法である点で一致する。
(10)前記(3)~(9)をふまえると、後者の「第1の印刷」によって「記録媒体WK」に「吐出および硬化」された複数の「透明インク」は、前者の「「インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて」「形成された」「立体印刷部」」に相当する。
(11)前記(1)~(10)をふまえると、前者の「スポーツ用品」と、後者の「透明インクの吐出および硬化が複数回行われた記録媒体WK」は、「インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて立体印刷部が形成された用品」である点で一致する。
(12)そうすると、本願発明と引用発明1は、
[一致点]
「インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて立体印刷部が形成された用品において、
前記立体印刷部が、
複数のインク液滴を印刷ヘッドから対象物に吐出する第1工程と、
前記インク液滴を硬化させ、硬化したインクにより印刷層を形成する第2工程と、
下に位置する前記印刷層に対し、前記印刷ヘッドから前記インク液滴をずらして吐出して次の印刷層を重ねて形成する第3工程と、を備えており、
前記第3工程は、前記印刷ヘッドの異なる位置から前記インク液滴を吐出することで前記インク液滴をずらし、相対的に下に位置する前記印刷層に生じた隙間の少なくとも一部を、前記ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成するインクジェット印刷方法により形成された用品。」
で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
本願発明は、「スポーツ用品」であるのに対し、引用発明1の「透明インクの吐出および硬化が複数回行われた記録媒体WK」がスポーツ用品であるか否か不明である点。
3 判断
(1)相違点1について
ア 引用文献3技術事項の「スキー用のストック、ゴルフのクラブのシャフト、自転車のパイプ」は、本願発明の「スポーツ用品」に相当する。
イ そして、引用発明1と引用文献3記載事項は、インクジェット印刷に関する技術分野に属している点で一致しており、媒体に対してインクジェット印刷を施す機能が共通しているので、引用発明1の「第1の印刷」を、引用文献3記載事項の「スキー用のストック、ゴルフのクラブのシャフト、自転車のパイプ」に対して実行する動機付けはあるといえる。
そうすると、引用発明1の「記録媒体WK」を、引用文献3記載事項の「スキー用のストック、ゴルフのクラブのシャフト、自転車のパイプ」として、前記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。
ウ また、本願発明の効果も、引用発明1、及び引用文献3記載事項から、当業者が予測し得る程度のものといえる。
(2)令和6年3月27日に提出された意見書の主張について
ア 審判請求人の主張の概要
審判請求人は、令和6年3月27日に提出された意見書の(2)、(3)において、概略次の主張をしている。
「補正した本発明は、そのずらし量について、
(ア)下に位置する印刷層に生じた隙間(印刷ヘッドの欠損等で生じている)の少なくとも一部を、ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成する
ようにしております。
・・・
拒絶理由通知書で挙げられた引用文献1には、画質が良好な立体画像を得る方法として、印刷層の上に、透明インクによる複数の硬化層を積み上げる方法が開示されています(図5、図6で示すL1、L2、L3は、透明インクによる硬化層)。この硬化層を積み上げる一例として、明細書の[0033]、図6等には、記録媒体の送り量を所定の搬送量の1/3となるように遅くして、透明インクをノズルの数に対応した層数分、一度に積み上げることが開示されています。
これは、本発明の問題点に着目して、下に位置する印刷層に生じた隙間(印刷ヘッドの欠損等で生じている)の少なくとも一部を、ずらして吐出されたインク液滴により隠して次の印刷層を重ねて形成するものではございません。引用文献1の技術思想は、透明インクによる複数の硬化層を形成するために、図6に示すように、搬送量を遅くして透明インクを吐出して複数の透明層を形成することを開示したものです。
引用文献1は、本発明で指摘した問題点、及び、その問題点を解決するように、上記(ア)の構成にすることについて、開示、示唆するものではないものと思料致します。」
イ 審判請求人の主張についての見解
(ア)前記2(3)~(9)のとおり、本願発明の「インクジェット印刷方法」と、引用発明1の「第1の印刷」は相違するものではなく、引用発明1は、前記アに示した審判請求人が主張する(ア)の構成も有するものである。
(イ)したがって、審判請求人の主張は、前記2、3(1)の判断を左右するものでなく採用できない。
(3)令和6年9月30日に提出された審判請求書の主張について
ア 審判請求人の主張の概要
審判請求人は、令和6年9月30日に提出された審判請求書の(1)~(5)において、概略次の主張をしている。
(ア)「(1)補正した本願発明
同時に提出する手続補正書で補正する請求項1に係る本発明は、令和6年3月27日付の手続補正書で補正した請求項1に関し、以下の限定事項を付与したものである。
・・・
また、請求項3についても、請求項1と重複する部分について、上記請求項1と同様の補正を行った。
(2)補正した本発明の具体的な内容
・・・
この目的を達成するため、同時に提出する手続補正書で補正した本発明を構成要件毎に分説明すると、
(ア)インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて立体印刷部を形成するインクジェット印刷方法において、
(イ)複数のインク液滴を、印刷ヘッドの複数のインクジェットノズルのそれぞれから対象物に吐出する第1工程と、
(ウ)前記第1工程で吐出されたインク液滴を硬化させ、硬化したインクにより印刷層を形成する第2工程と、
(エ)下に位置する前記印刷層に対し、前記印刷ヘッドから前記インク液滴を吐出して次の印刷層を重ねて形成する第3工程と、を備えており、
(オ)前記第3工程は、下に位置する前記印刷層に対し、同じ位置に対して使用したインクジェットノズルを変更して、前記下に位置する前記印刷層に対して重ねられる前記インク液滴の位置をずらして吐出することで次の印刷層を重ねて形成し、相対的に下に位置する前記印刷層に生じた隙間の少なくとも一部を、前記ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成する
ことを特徴としている。
すなわち、上記した(オ)のように、下の印刷層で用いたインクジェットノズルとは異なるノズルからのインク液滴で上層を印刷することにより、一部のインクジェットノズルの目詰まり等により印刷に欠損が生じた場合であっても、その欠損位置の上層には正常なノズルからの正常なインク液滴が重ねられることとなり、欠損箇所を特定せずに立体印刷の平滑性をある程度保つことができる(図4、図5等)。したがって、簡便な構成で印刷品質を維持でき、一定以上の印刷品質を確保するにあたっての費用対効果においても利点がある。」
(イ)「(5)本発明と引用文献に係る発明との対比
・・・
(5-1)引用文献1には、明細書の記載内容や図6等を参照すると、本発明の上記した構成要件(ア)~(エ)に対応する構成を開示していると認められるものの、構成要件(オ)については開示していない。
引用文献1の開示する印刷方法は、図6に示すように、前後に並ぶ3つのノズル125から吐出されるインクのぞれぞれがL1~L3層を同時に形成していくものである。引用文献1の明細書の[0033」には、「例えば、図6(A)に示すように、透明インクD1を吐出し且つ硬化させた後、記録媒体WKをJ/3だけ搬送し、透明インクD2を吐出し且つ硬化させ(図6(B)参照)、記録媒体WKをさらにJ/3だけ搬送した後、透明インクD3を吐出し且つ硬化させる(図6(C)参照)」と記載されている。つまり、3つのノズルが半往復する度に記録媒体WKをJ/3だけ搬送することにより、図6において左側のノズルからのインクがL3層、中央のノズルからのインクがL2層、右側のノズルからのインクがL1層となる、ノズルの動きに沿った3層のインク列D1、D2、D3が順次形成されるものであり、本発明の(オ)のような下に位置する印刷層に対して次の印刷層を重ねて形成するものではない。
なお、上記のとおり引用文献1の印刷方法では、各ノズルからのインクがL1~L3層をそれぞれ形成するため、いずれかのノズルに欠損があった場合、そのノズルに対応する印刷層全体が欠損することとなる。例えば、図6において、一番左のノズルに欠損が生じた場合、L3層そのものが形成されなくなる。
したがって、引用文献1には、本発明の課題であるノズルの欠損によって生じる筋等の凹凸不良はそもそも生じ得ず、前記凹凸不良を別のノズルから吐出されたインク液滴により隠して次の印刷層を重ねようとする構成を容易に着想する動機付けはない。
よって、構成要件(オ)については、引用文献1と本発明との間の相違点である。」
イ 審判請求人の主張についての見解
(ア)令和6年9月30日に提出された手続補正書により、請求項3の記載は変更されていないから、審判請求書の主張は請求項の記載に基づくものではなく、採用できない。
念のため、仮に請求項1を前記審判請求書に記載のとおりに補正し、請求項3についても、請求項1と重複する部分について、請求項1と同様の補正を行ったとして、下記(イ)に記載する請求項3(以下「仮の請求項3」という。)について検討する。
(イ)「【請求項3】
インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて立体印刷部が形成されたスポーツ用品において、
前記立体印刷部が、
複数のインク液滴を、印刷ヘッドの複数のインクジェットノズルのそれぞれから対象物に吐出する第1工程と、
前記第1工程で吐出されたインク液滴を硬化させ、硬化したインクにより印刷層を形成する第2工程と、
下に位置する前記印刷層に対し、前記印刷ヘッドから前記インク液滴を吐出して次の印刷層を重ねて形成する第3工程と、を備えており、
前記第3工程は、下に位置する前記印刷層に対し、同じ位置に対して使用したインクジェットノズルを変更して、前記下に位置する前記印刷層に対して重ねられる前記インク液滴の位置をずらして吐出することで次の印刷層を重ねて形成し、相対的に下に位置する前記印刷層に生じた隙間の少なくとも一部を、前記ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成するインクジェット印刷方法により形成されたことを特徴とするスポーツ用品。」
(ウ)仮の請求項3に係る発明と引用発明1を対比する。
a 後者の「記録媒体WK」は、前者の「対象物」に相当する。
b 後者の「インクジェットプリンタ100のコントローラ130」の「第1制御部130a」は、「記録ヘッドユニット120が右方向に移動する工程」を有する「第1の印刷」を行うものであるから、後者の「インクジェットプリンタ100」は、「記録ヘッドユニット120」を有するものであって、「記録ヘッドユニット120」は、インクジェット方式の記録ヘッドユニットであるといえる。
そうすると、後者の「ノズル125」は、前者の「インクジェットノズル」に相当する。
c 後者の「第1の印刷」は、「ステップS106」にて行われること、及び前記bをふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」に相当する。
d 後者の「記録ヘッド122b」は、技術常識をふまえると「記録ヘッドユニット120」に搭載されるものであるから、前記bをふまえると、前者の「印刷ヘッド」に相当し、後者の「透明インク」は、「記録媒体WK」を搬送量J/3だけ搬送する度に吐出されるものであるから、複数回吐出されるといえる。
また、後者の「記録媒体WK」は、「透明インクの吐出および硬化が複数回行われた」ものであるから、「透明インク」が「吐出」される対象であるといえる。
さらに、前記1(1)イ[0033]の「斜線を付した透明インクD1~D3は、それぞれ図6(A)~(C)に示すタイミングで吐出された透明インクである。」との記載から、「前後方向に並ぶ3つのノズル125」のそれぞれから、透明インクが同時に吐出されるといえる。
そうすると、前記cもふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「複数のインク液滴を、印刷ヘッドの複数のインクジェットノズルのそれぞれから対象物に吐出する第1工程」を備える方法である点で一致する。
e 後者の「透明インク」は、「吐出および硬化」が行われるものであるから、前記dをふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「第1工程で吐出されたインク液滴を硬化させ(る)第2工程」を備える方法である点で一致する。
f 後者の「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インク」は、後者の「透明インク」が「吐出および硬化」が行われるものであることをふまえると、前者の「「硬化したインクにより」「形成」された「印刷層」」に相当する。
そうすると、前記eもふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「第1工程で吐出されたインク液滴を硬化させ、硬化したインクにより印刷層を形成する第2工程」を備える方法である点で一致する。
g 後者の「記録ヘッドユニット120」が「右方向に移動する工程」を有するものであることをふまえると、後者の「硬化層L2を構成するD1」は、透明インクが主走査方向に複数並んだ列状のものであることは自明である。
そして、後者の「硬化層L2を構成するD1」は、「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち記録媒体WKの搬送方向後端に位置する透明インク」の上に重なるものであるから、前者の「次の印刷層」に相当する。
そうすると、前記d~fもふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「下に位置する前記印刷層に対し、前記印刷ヘッドから前記インク液滴を吐出して次の印刷層を重ねて形成する第3工程」を備える方法である点で一致する。
h 後者の「第1の印刷」は、「記録媒体WKを搬送量J/3だけ搬送する度に、透明インクの吐出および硬化を行い、透明インクD1を吐出し且つ硬化させた後、記録媒体WKをJ/3だけ搬送し、透明インクD2を吐出し且つ硬化させ、記録媒体WKを更にJ/3だけ搬送した後、透明インクD3を吐出し且つ硬化させる方法」であるから、「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち記録媒体WKの搬送方向後端に位置する透明インク」を吐出した「ノズル125」と、当該透明インクの上に重なる「硬化層L2を構成するD1」を吐出した「ノズル125」は、後者の「前後方向に並ぶ3つのノズル125」のノズル間距離が搬送量J/3と等しいことをふまえると、隣り合うノズルであるといえる。
そうすると、前記gもふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「下に位置する前記印刷層に対し、同じ位置に対して使用したインクジェットノズルを変更して、前記下に位置する前記印刷層に対して重ねられる前記インク液滴の位置をずらして吐出することで次の印刷層を重ねて形成」する工程を備える方法である点で一致する。
i 後者の「硬化層L1を構成する複数の透明インクであってD1の吐出以前に吐出された複数の透明インクのうち右端に位置する透明インク」の着弾位置がずれて間隔が生じたとすると、当該間隙の少なくとも一部は、「硬化層L2を構成するD1」により覆われることになる。
そうすると、前記hもふまえると、前者の「インクジェット印刷方法」と、後者の「第1の印刷」は、「下に位置する前記印刷層に対し、同じ位置に対して使用したインクジェットノズルを変更して、前記下に位置する前記印刷層に対して重ねられる前記インク液滴の位置をずらして吐出することで次の印刷層を重ねて形成し、相対的に下に位置する前記印刷層に生じた隙間の少なくとも一部を、前記ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成する」「第3工程」を備える方法である点で一致する。
j 前記c~iをふまえると、後者の「第1の印刷」によって「記録媒体WK」に「吐出および硬化」された複数の「透明インク」は、前者の「「インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて」「形成された」「立体印刷部」」に相当する。
k 前記a~jをふまえると、前者の「スポーツ用品」と、後者の「透明インクの吐出および硬化が複数回行われた記録媒体WK」は、「インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて立体印刷部が形成された用品」である点で一致する。
l そうすると、仮の請求項3に係る発明と引用発明1は、
[一致点]
「インクジェット印刷により複数の印刷層を重ねて立体印刷部が形成された用品において、
前記立体印刷部が、
複数のインク液滴を、印刷ヘッドの複数のインクジェットノズルのそれぞれから対象物に吐出する第1工程と、
前記第1工程で吐出されたインク液滴を硬化させ、硬化したインクにより印刷層を形成する第2工程と、
下に位置する前記印刷層に対し、前記印刷ヘッドから前記インク液滴を吐出して次の印刷層を重ねて形成する第3工程と、を備えており、
前記第3工程は、下に位置する前記印刷層に対し、同じ位置に対して使用したインクジェットノズルを変更して、前記下に位置する前記印刷層に対して重ねられる前記インク液滴の位置をずらして吐出することで次の印刷層を重ねて形成し、相対的に下に位置する前記印刷層に生じた隙間の少なくとも一部を、前記ずらして吐出された前記インク液滴により隠して前記次の印刷層を重ねて形成するインクジェット印刷方法により形成された用品。」
で一致し、以下の点で相違する。
[相違点2]
仮の請求項3に係る発明は、「スポーツ用品」であるのに対し、引用発明1の「透明インクの吐出および硬化が複数回行われた記録媒体WK」がスポーツ用品か否か不明である点。
(エ)判断
前記3(1)のとおり、引用発明1の「記録媒体WK」を、引用文献3記載事項の「スキー用のストック、ゴルフのクラブのシャフト、自転車のパイプ」として、前記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。
また、仮の請求項3に係る発明の効果も、引用発明1、及び引用文献3記載事項から、当業者が予測し得る程度のものといえる。
(オ)見解
前記(ウ)、(エ)のとおりであるから、仮の請求項3に係る発明の「インクジェット印刷方法」と、引用発明1の「第1の印刷」は相違するものではなく、前記アの主張は採用できない。
よって、念のため仮の請求項3について検討しても拒絶理由を覆すことができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明1、及び引用文献3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
したがって、結論のとおり審決する。
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2024-015574