2020-390089
遊技機
- 審判番号
- 2020-390089
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2019-123559外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年09月30日
- 審決日
- 2020年11月17日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第44条第1項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本件特許第6717415号(以下「本件特許」という。)は、特願2015-93743号(出願日:平成27年4月30日)の一部を特許法第44条第1項の規定により新たな特許出願として、令和1年7月2日に特許出願(特願2019-123559号)したものであり、令和2年6月15日に特許権の設定の登録がされ、その後、同年9月30日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に、
「前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、複数の異なる遊技状態より1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させることが可能な可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定することが可能な決定手段と、を有し、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球は、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間に配置された誘導路を所定期間以上転動した後に前記第2可変入球手段へと誘導されることが可能であり、前記複数の異なる可変パターンには、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記所定期間以上経過した後の期間に前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる状態で開放状態が設定される有利可変パターンと、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記第1可変入球手段に入球せずに前記誘導路を前記所定期間転動することで前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過不可能となるように前記開放状態が設定される不利可変パターンとが少なくとも設定されているものであり、」と記載されているものを、
「前記第2可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、複数の異なる遊技状態より1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させることが可能な可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定することが可能な決定手段と、を有し、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球は、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間に配置された誘導路を所定期間以上転動した後に前記第2可変入球手段へと誘導されることが可能であり、前記複数の異なる可変パターンには、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記所定期間以上経過した後の期間に前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過可能となる状態で開放状態が設定される有利可変パターンと、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記第1可変入球手段に入球せずに前記誘導路を前記所定期間転動することで前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過不可能となるように前記開放状態が設定される不利可変パターンとが少なくとも設定されているものであり、」に訂正する(下線は、当審が付した。以下同様。)。
2 訂正事項2
願書に添付した明細書の【0007】及び【0011】にそれぞれ、
「前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、複数の異なる遊技状態より1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させることが可能な可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定することが可能な決定手段と、を有し、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球は、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間に配置された誘導路を所定期間以上転動した後に前記第2可変入球手段へと誘導されることが可能であり、前記複数の異なる可変パターンには、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記所定期間以上経過した後の期間に前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる状態で開放状態が設定される有利可変パターンと、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記第1可変入球手段に入球せずに前記誘導路を前記所定期間転動することで前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過不可能となるように前記開放状態が設定される不利可変パターンとが少なくとも設定されているものであり、」と記載されているものを、
「前記第2可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、複数の異なる遊技状態より1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特典遊技として前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを所定の可変パターンで可変させることが可能な可変制御手段と、その可変制御手段により可変される前記可変パターンを複数の異なる可変パターンより決定することが可能な決定手段と、を有し、前記第1可変入球手段に入球しなかった遊技球は、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段との間に配置された誘導路を所定期間以上転動した後に前記第2可変入球手段へと誘導されることが可能であり、前記複数の異なる可変パターンには、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記所定期間以上経過した後の期間に前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過可能となる状態で開放状態が設定される有利可変パターンと、前記第1可変入球手段が閉鎖状態となった後に、前記第1可変入球手段に入球せずに前記誘導路を前記所定期間転動することで前記第2可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過不可能となるように前記開放状態が設定される不利可変パターンとが少なくとも設定されているものであり、」に訂正する。
第4 当審における判断
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
訂正事項1に係る訂正は、本件訂正前の請求項1において、「特定領域」について、第9段落では、「遊技球が入球可能な特定領域」であると特定されている一方、続く第10段落では、「その特定領域を遊技球が通過したこと」と特定されること、及び、第15段落では、「遊技球が前記特定領域に入球可能」であると特定される一方、同段落の続く記載では、「遊技球が前記特定領域を通過不可能」であると特定されることにより、「特定領域」に「遊技球」が「入球」するのか、あるいは、「通過」するのかという点で記載上の不整合が生じていたところ、当該記載上の不整合を解消して明確になるように、「特定領域」について、「入球」乃び「に入球」という記載を、それぞれ、「通過」乃び「を通過」と訂正するものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。
(2)訂正事項2
訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正により本件特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、明細書の【0007】及び【0011】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するように訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(3)小括
上記(1)、(2)より、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1について
ア 本件特許請求の範囲に記載された「第2可変入球手段」、「特定領域」に対応する実施例はそれぞれ、本件特許明細書に記載された「第1可変入賞装置65」、「確変スイッチ65e3」であると認められる。
イ そして、「特定領域(確変スイッチ65e3)」と「遊技球」との関係について、本件特許明細書には、例えば、次の記載がある(下線は、当審が付した。)。
(ア)「【0499】・・・遊技球が第1可変入賞装置65へ到達するタイミングによって第1可変入賞装置65内に設けられた確変スイッチ65e3へ遊技球が通過可能か否か(容易か困難か)を設定できるよう構成している。」
(イ)「【0567】また、第1可変入賞装置65の切替部材65hは、第1特定入賞口65aが開状態(アタッカ65bがオン)になるのと同時に、遊技球が確変スイッチ65e3を通過可能な態様に動作(V開放動作がオン)するように制御されており、その態様(V開放動作がオンの状態)を所定期間t5(本実施形態では2秒)継続し、所定期間(V開放期間)t5経過後に遊技球が確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)な態様に動作(V開放動作がオフ)するように制御されている。」
(ウ)「【0631】・・・具体的には、遊技状態に応じて、V動作として遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)可能に切替部材65hの動作を制御する開放パターン(V可)と、遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)不可能(困難)に切替部材65hの動作を制御する開放パターン(V不可)の何れかが設定される。」
ウ そうすると、本件特許明細書には、「特定領域(確変スイッチ65e3)」を遊技球が通過すること乃び通過可能であることが記載されていると認められるから、訂正事項1は、本件特許明細書より導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の【0007】及び【0011】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正と同様の理由により、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)小括
上記(1)、(2)より、本件訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1について
ア 「特定領域」に「遊技球」が「入球」するのか、あるいは、「通過」するのかという点に関し、本件特許明細書における【0631】(第4 2(1)イ(ウ))の説明を参照すると、「・・・遊技球が確変スイッチ65e3を通過(入球)可能に・・・確変スイッチ65e3を通過(入球)不可能(困難)に・・・」というように、「通過」と「入球」を並列して記載しており、相互に言い換え可能な表現として扱っているといえる。
イ また、「特定領域」に入球した遊技球について、本件特許請求の範囲において、「その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する」と特定されることは、すなわち、遊技球は、「特定領域」を通過することを特定しており、「特定領域(確変スイッチ65e3)」に遊技球が留まることは想定していない。
このことは、本件特許明細書の【0052】に、「図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサーで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。」(下線は、当審が付した。)と記載されることからも裏付けられる。
そうすると、訂正事項1に係る訂正により、「入球」乃び「に入球」という記載を、それぞれ、「通過」乃び「を通過」と訂正しても、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の【0007】及び【0011】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(3)小括
上記(1)、(2)より、本件訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 特許法第126条第7項(独立特許要件)について
上記1で検討したとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とする訂正であるので、同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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