特許訂正審判
2025-390098
遊技機
- 審判番号
- 2025-390098
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2024-050399
- 登録番号
- 7700913
- 請求日
- 2025年07月24日
- 審決日
- 2025年10月15日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社三洋物産
- 【請求人代理人】弁理士法人真明センチュリー
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 三橋 健二
- 審判官 秋田 将行
- 分類
- P141 .852-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7700913号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7700913号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7700913号(以下「本件特許」という。)は、令和2年6月3日に特許出願された特願2020-96640の一部が令和6年3月26日に新たに特許出願(特願2024-50399)されたものであって、令和7年6月23日にその特許権の設定登録がされ、その後、同年7月24日に本件訂正審判が請求されたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、次のとおりである(下線は当審で付した。以下同様。)。
<訂正事項1>
本件特許の特許請求の範囲における請求項1に「・・・所定の孔部が前記1手段に形成され・・・」とあるのを、「・・・所定の孔部が前記第1手段に形成され・・・」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正の目的
(1)本件特許請求の範囲の記載
本件特許の願書に添付した特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
第1手段および第2手段と、前記第1手段および前記第2手段に第1係合体および第2係合体がそれぞれ係合可能に構成される係合手段と、を備え、前記第1手段に配設される第1配設体の少なくとも一部が前記第1手段の少なくとも一部と前記係合手段の前記第1係合体との間に介在され得るように構成され、前記第2手段に配設される第2配設体の少なくとも一部が前記第2手段の少なくとも一部と前記係合手段の前記第2係合体との間に介在され得るように構成される遊技機において、
前記第1配設体の所定部へ向けて突設され得る態様で構成される第1係合体側突部を前記第1係合体が備え、前記第1係合体と前記第1手段とが係合された状態において、前記第1係合体が前記第1手段との係合を解除する方向に変位される場合に、前記第1係合体側突部の少なくとも一部が前記第1配設体に当接され得るように構成され、
前記第2配設体の特定部へ向けて突設され得る態様で構成される第2係合体側突部を前記第2係合体が備え、前記第2係合体と前記第2手段とが係合された状態において、前記第2係合体が前記第2手段との係合を解除する方向に変位される場合に、前記第2係合体側突部の少なくとも一部が前記第2配設体に当接され得るように構成され、
前記第1係合体および前記第2係合体を連結可能に構成される連結体を前記係合手段が備え、前記第1係合体と前記第1手段とが係合され前記第2係合体と前記第2手段とが係合された状態において、前記連結体の前記第1係合体側の複数箇所および前記連結体の前記第2係合体側の他の複数箇所が切断された場合に、前記第1係合体が前記第1手段に係合された状態で維持され得るように構成され、前記第2係合体が前記第2手段に係合された状態で維持され得るように構成され、
前記第1係合体と前記連結体との連結状態を維持した状態で、前記第1係合体が前記第1配設体の所定部に対して前記第1係合体側突部を近接または離間し得るように構成され、
前記第1手段の前記少なくとも一部を貫通する所定の孔部が前記1手段に形成され、前記所定の孔部が塞がり得る態様で前記第1配設体が前記第1手段に配設されるように構成されることを特徴とする遊技機。」
(2)判断
訂正前の「前記1手段」との記載は、「1手段」の前に「前記」が付加されていることから、「前記1手段」との記載よりも前に記載された「1手段」を示すものである。しかしながら、「前記1手段」との記載よりも前に「1手段」との記載はないから、「前記1手段」との記載には何らかの誤りがある。
ここで、本件特許請求の範囲には、「前記1手段」との記載の前に「第1手段および第2手段と、前記第1手段および前記第2手段に第1係合体および第2係合体がそれぞれ係合可能に構成される係合手段と、を備え」との記載があることから、訂正前の「遊技機」は、「第1手段」、「第2手段」及び「係合手段」を備えるものである(なお、本件特許請求の範囲には、「第1手段」、「第2手段」及び「係合手段」以外の、他の「手段」を備えることは明記されていない。)。
そうすると、「前記1手段」は、「第1手段」、「第2手段」又は「係合手段」のいずれかの手段を示すものである。
そして、本件特許請求の範囲に記載された「前記第1手段の前記少なくとも一部を貫通する所定の孔部」によれば、「所定の孔部」は「前記第1手段の前記少なくとも一部を貫通する」ものであるところ、このことは、「前記1手段」が「第1手段」を示すこと、すなわち、「・・・所定の孔部が前記1手段に形成され・・・」とあるのを「・・・所定の孔部が前記第1手段に形成され・・・」に訂正することと整合する。
これに対し、「第1手段」は、「第2手段」や「係合手段」とは異なる「手段」であるところ、「前記1手段」を、「第2手段」又は「係合手段」に置き換えると、「前記第1手段の前記少なくとも一部を貫通する所定の孔部が前記第2手段に形成され」るか、又は、「前記第1手段の前記少なくとも一部を貫通する所定の孔部が前記係合手段に形成され」ることになり、記載全体を通しての意味が不明なものになる。
したがって、訂正前の「前記1手段」を「前記第1手段」とする訂正は、訂正前の「前記1手段」を、本来その意であることが明らかである「前記第1手段」に正すものであるから、誤記の訂正である。
よって、本件特許請求の範囲における「前記1手段」を「前記第1手段」に訂正する訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものである。
2 新規事項の追加
訂正事項1は、誤記を訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許請求の範囲の拡張又は変更
上記1で述べたように、本件特許請求の範囲における「前記1手段」が、本件特許請求の範囲の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ、本件特許請求の範囲における記載全体から、「前記第1手段」という正しい記載が自明な事項として定まるから、その誤りを正しい記載にする訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 独立特許要件
訂正後の特許請求の範囲における請求項1に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないとの要件(独立特許要件)を満たす必要があるところ、見直すべき新たな事情は存在しないから、独立特許要件を満たす。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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