特許訂正審判
2024-390114
弾球遊技機
- 審判番号
- 2024-390114
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-214133
- 登録番号
- 7125609
- 請求日
- 2024年10月09日
- 審決日
- 2024年12月17日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】サミー 株式会社
- 【請求人代理人】森下 賢樹
- 【請求人代理人】村田 雄祐
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 藤田 年彦
- 審判官 澤田 真治
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7125609号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7125609号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7125609号(以下「本件特許」という。)は、平成30年11月14日に特願2018-214133として出願され、令和4年7月4日付けで特許査定がされ、同年8月17日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和6年10月9日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。なお、下線は訂正箇所を示す。
・訂正事項
本件特許請求の範囲の請求項1に記載の、
「前記所定の演出とは異なる特殊演出が表示される場合に、前記特殊演出は、前記ミニ装飾図柄と重畳表示され得るが、前記特殊演出よりも表示優先度が高く、」
を、
「前記所定の演出とは異なる特殊演出が表示される場合に、前記特殊演出は、前記ミニ装飾図柄と重畳表示され得るが、前記ミニ装飾図柄は、前記特殊演出よりも表示優先度が高く、」
に訂正する。
第4 訂正事項の訂正の適否についての判断
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)
訂正前の特許請求の範囲の請求項1には、
「A 前記装飾図柄は、相対的に大きな表示領域に表示され得るメイン装飾図柄と、前記メイン装飾図柄より小さい表示領域に表示され得るミニ装飾図柄と、を含み、
B 前記メイン装飾図柄は、視覚的要素である第1要素と、前記第1要素とは異なる視覚的要素である第2要素により構成され、
C 前記ミニ装飾図柄は、視覚的要素である第1要素により構成される一方で、前記第1要素とは異なる視覚的要素である第2要素は含まず、
D 前記メイン装飾図柄は、その表示領域が所定の状況において移動可能である一方、前記ミニ装飾図柄は、その表示領域が前記所定の状況であっても移動せず、
E 所定の演出が表示される場合に、前記所定の演出は、前記メイン装飾図柄とは重畳表示され得るが、前記ミニ装飾図柄とは重畳表示されず、
F 前記所定の演出とは異なる特殊演出が表示される場合に、前記特殊演出は、前記ミニ装飾図柄と重畳表示され得るが、前記特殊演出よりも表示優先度が高く、」(A等は分説のため当審で付与した。)
と記載されている。
ここで、構成Fにおいては、「・・・場合に、前記特殊演出は、・・・重畳表示され得るが、前記特殊演出よりも表示優先度が高く、」と記載され、「前記特殊演出は」という主語に対して、「重畳表示され得るが」という述語が記載された後に、「前記特殊演出よりも表示優先度が高く」という述語が続くところ、直前の文節における主語と同じ「特殊演出」を比較の基準としたような記載が続くため、当該「前記特殊演出よりも表示優先度が高く」という述語に対応する主語が明らかではない。
そして、構成A~Fでは、装飾図柄が、メイン装飾図柄とミニ装飾図柄を含むことを特定しており、構成Eでは、「前記特殊演出は、前記ミニ装飾図柄と重畳表示され得るが、」と逆説の助詞を用いていることから、「前記特殊演出よりも表示優先度が高く」という述語の前に「前記ミニ装飾図柄は、」との主語が欠落していると推認することができる。
そこで、本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)の構成Fに対応する記載について検討すると、【0304】及び図34には次の記載がある。(下線は当審で付与した。以下同様。)。
「【0304】
本実施例におけるメイン装飾図柄601とミニ装飾図柄600については、以下に記載する仕様(メイン装飾図柄601とミニ装飾図柄600との関係性)を採用してもよい。
・・・
(7)メイン装飾図柄601はその他の予告演出(例えば、図34などにおける味方キャラクタ登場演出や敵キャラクタ登場演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。画面上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、ミニ装飾図柄600については、装飾図柄の表示状態を補償する役割を果たすため、ミニ装飾図柄600の表示領域は当該その他予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、画面全体に表示される背景予告)との関係性については、ミニ装飾図柄600の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(ミニ装飾図柄600のほうが当該特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。また、図32などに示される発射位置報知表示606についても、遊技者に対して必ず視認できるようにすることが望ましいため、ミニ装飾図柄600の表示領域と発射位置報知表示606の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、メイン装飾図柄601の表示領域が移動したり拡大されたりした場合など、メイン装飾図柄601の表示領域と発射位置報知表示606の表示領域とは重複する(重畳表示する)ようにしても良く、その場合は、メイン装飾図柄601の表示優先度を、発射位置報知表示606の表示優先度よりも低く設定する(メイン装飾図柄601のほうが発射位置報知表示606よりも後面に表示されるよう設定する)ことが好適である。」
「【図34】
[図:0001422339000001.jpg]
」
また、【0304】には、「・・・(7)メイン装飾図柄601はその他の予告演出(例えば、図34などにおける味方キャラクタ登場演出や敵キャラクタ登場演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。画面上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、ミニ装飾図柄600については、装飾図柄の表示状態を補償する役割を果たすため、ミニ装飾図柄600の表示領域は当該その他予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、画面全体に表示される背景予告)との関係性については、ミニ装飾図柄600の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(ミニ装飾図柄600のほうが当該特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。」と記載されていることから、「その他の予告演出」は、特許請求の範囲の請求項1の「所定の演出」に対応しているといえ、「特殊な予告演出」は、同「前記所定の演出とは異なる特殊演出」に対応しているといえる。
そうすると、【0304】には、ミニ装飾図柄600は、どうしても重複してしまうような特殊な予告演出に対応する特殊演出が表示される場合に、表示優先度を、特殊な予告演出に対応する特殊演出よりも高く設定することが記載されていることから、上記推認は、特許明細書等の記載と整合しており、「前記特殊演出よりも表示優先度が高く」の前に「前記ミニ装飾図柄は、」との主語が欠落していることは明らかである。
よって、上記訂正事項は、それ自体で記載内容が明らかでない記載を正すものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、訂正事項に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
2 特許法第126条第5項に規定する要件(新規事項の有無)
訂正事項に係る訂正は、上記1で検討したとおり、本件特許請求の範囲に記載の、「前記特殊演出よりも表示優先度が高く」の前に「前記ミニ装飾図柄は、」を追加することで、それ自体で記載内容が明らかでない記載を正すものであって、追加した内容は、【0304】及び図34に記載されているから、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでなく、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)に規定する要件
訂正事項に係る訂正は、上記1で検討したとおり、本件特許請求の範囲に記載の、「前記特殊演出よりも表示優先度が高く」の前に「前記ミニ装飾図柄は、」を追加することで、それ自体で記載内容が明らかでない記載を正すものであって、「前記ミニ装飾図柄は、前記特殊演出よりも表示優先度が高」いことを明瞭にするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
したがって、訂正事項は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正は適法にされたものであるから、本件訂正審判の請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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