特許訂正審判
2020-390058
水洗大便器
- 審判番号
- 2020-390058
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-045835
- 登録番号
- 特許第6202476号(P6202476)
- 請求日
- 2020年07月20日
- 審決日
- 2020年09月28日
- 公報発行日
- 2020年12月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】TOTO 株式会社
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】須田 洋之
- 【請求人代理人】弟子丸 健
- 【請求人代理人】松下 満
- 【請求人代理人】倉澤 伊知郎
- 【請求人代理人】山本 泰史
- 【請求人代理人】渡邊 誠
- 審判長/審判官
- 審判長 住田 秀弘
- 審判官 秋田 将行
- 審判官 森次 顕
- 分類
- P141 .851-Y (E03D) / P141 .853-Y (E03D) / P141 .841-Y (E03D) / P141 .854-Y (E03D) / P141 .855-Y (E03D) / P141 .856-Y (E03D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第126条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6202476号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6202476号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6202476号(以下「本件特許」という。)は、平成28年3月9日に特許出願され、平成29年9月8日にその特許権の設定登録がなされ、その後、令和2年7月20日に本件訂正審判が請求されたものである。
2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正すること認める、との審決を求めるものであって、その請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「リム吐水口を形成し」と記載されているのを、「単一のリム吐水口を形成し」に訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2から請求項7も同様に訂正する。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0008】に「リム吐水口を形成し」と、2箇所記載されているのを、それぞれ「単一のリム吐水口を形成し」に訂正する。
3 当審の判断
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明においては、「上記リム吐水部は、・・・リム吐水口を形成し、」と規定して、リム吐水口が形成されることを特定しつつ、形成するリム吐水口の数を特定していないところ、訂正後の請求項1に係る発明においては、形成するリム吐水口の数を1つに限定して、「上記リム吐水部は、・・・単一のリム吐水口を形成し、」と訂正するものであるから、当該訂正事項1の請求項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
同様に、訂正後の請求項2ないし請求項7は、訂正後の請求項1に記載された「単一のリム吐水口を形成し」との記載を引用することにより、訂正後の請求項2ないし請求項7に係る発明において、形成するリム吐水口の数を1つに限定するものであるから、訂正事項1の請求項2ないし請求項7に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
(ア)本願特許明細書及び図面には、以下の記載がある。
a 「【0020】
つぎに、図3に示すように、ボウル部20は、前後方向に二等分する左右方向に延びる中心線C1に対して前方側である前方側領域F1と後方側である後方側領域R1を備えており、このボウル部20の前方側領域F1内の左右の一方の側のリム部18、すなわち、便器本体2の前方から見てボウル部20の前方側領域F1内の右側のリム部18の内部には、リム吐水部の一部であるリム通水路24(詳細は後述する)が形成されている。
また、このリム通水路24の下流端には、リム吐水部の一部であるリム吐水口26(詳細は後述する)が形成されている。
さらに、図3に示すように、リム通水路24の上流側は、洗浄水源である水道(図示せず)から供給される洗浄水をリム通水路24に供給する導水路である導水管28に接続されている。この導水管28の上流側は、洗浄水源である水道(図示せず)に直結されており、この水道の給水圧力を利用して、導水管28からリム通水路24内に供給された洗浄水は、リム通水路24内で前方へ導かれ、その後、内側且つ後方側に屈曲し、下流側のリム吐水口26まで導かれるようになっている。
そして、リム吐水口26に導かれた洗浄水は、後方に向けて吐水(リム吐水)され、リム吐水口26の下流側近傍に形成される通水路30(詳細は後述する)を経てボウル部20内を旋回することにより、ボウル部20内に旋回流が形成されるようになっている。
なお、リム部18に設けられ洗浄水を吐水してボウル部20内に旋回流を形成する吐水口は、リム吐水口26のみである。
【0021】
なお、本実施形態の水洗大便器1においては、リム吐水部であるリム通水路24及びリム吐水口26について、便器本体2の前方から見てボウル部20の前方側領域F1内の右側のリム部18の内部に配置した形態について説明するが、このような形態に限定されず、リム吐水口を便器本体2の前方から見てボウル部20の前方側領域F1内の左側のリム部18に配置して後方に向けてリム吐水を行うようにしてもよい。
要するに、リム吐水部であるリム通水路及びリム吐水口ついては(審決注:「リム吐水口ついて」は、「リム吐水口について」の誤記と認める。)、ボウル部20の前方側領域F1内の左右の何れか一方の側のリム部18に配置して後方に向けてリム吐水を行うような形態であればよい。
また、本実施形態の水洗大便器1においては、リム吐水部であるリム通水路24及びリム吐水口26は、陶器を加工することで便器本体2に一体に形成されているが、例えば、樹脂等で便器本体2とは別体として形成し、便器本体2に取り付ける構成としてもよい。」
b 「【0025】
つぎに、図1~図7を参照して、本発明の第1実施形態による水洗大便器1のリム通水路24及びリム吐水口26の詳細について説明する。
図4は、図3に示す本発明の第1実施形態による水洗大便器の便器本体部分において、リム部の内部に形成されるリム通水路の部分を拡大した部分拡大平面図であり、図5は、図4のV-V線に沿ったリム部の部分拡大断面図である。
また、図6Aは、図4に示すリム通水路のA断面であり、図6Bは、図4に示すリム通水路のB断面である。さらに、図6Cは、図4に示すリム通水路のC断面であり、図6Dは、図4に示すリム通水路のD断面である。図6Eは、図4に示すリム通水路のE断面である。」
c 図3ないし図5
d 上記aに摘記したように、リム吐水部であるリム通水路及びリム吐水口は、ボウル部20の前方側領域F1内の左右の何れか一方の側のリム部18に配置しているところ、上記a及びbに摘記した記載を踏まえると、図3ないし図5には、リム吐水部(リム通水路24及びリム吐水口26)の一部である吐水口26が一つ形成されていることが看て取れる。
(イ)上記(ア)の記載からみて、本件特許明細書及び図面には、リム吐水部は、単一のリム吐水口を形成するものであることが記載されていたといえるから、訂正事項1は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張、又は変更について
上記アに示したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものであり、請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項2ないし7で引用される請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2から請求項7の記載について訂正するものではなく、請求項2から請求項7に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
エ 独立特許要件について
上記アで検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載されている事項により特定される請求項1ないし7に係る発明(以下「訂正後発明1」等という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、当該要件について検討すると、訂正後発明1ないし7が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。
したがって、訂正後発明1ないし7は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるから、請求項1ないし7についての訂正事項1に係る訂正は、特許法126条7項の規定に適合する。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正により訂正された請求項1ないし7について、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の段落【0008】に「リム吐水口を形成し」と2箇所記載されているのを、それぞれ訂正後の「単一のリム吐水口を形成し」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項について
上記(1)イのとおり、訂正事項1は願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるところ、訂正事項2は、訂正事項1により訂正された請求項1ないし7について、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正である。
よって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張、又は変更について
訂正事項2は、上記アのとおり、訂正事項1により訂正された請求項1ないし7について、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
4 むすび
以上のとおり、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第1号または第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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