2020-390007
遊技機
- 審判番号
- 2020-390007
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-072684外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年01月21日
- 審決日
- 2020年03月02日
- 公報発行日
- 2020年05月29日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6631576号(以下、「本件特許」という。)は、平成29年3月31日に特願2017-72684号として特許出願され、令和1年12月20日に特許権の設定登録がなされ、令和2年1月21日差出で訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1における
「その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段と、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球は、その後に前記第1入球手段と前記第2入球手段と前記第3入球手段とのいずれにも入球し得るように構成されていることを特徴とする遊技機。」という記載を、
「その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段と、を備え、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球は、その後に前記第1入球手段と前記第2入球手段と前記第3入球手段とのいずれにも入球し得るように構成されていることを特徴とする遊技機。」と訂正する(下線は訂正箇所を示す。以下同じ)。
2 訂正事項2
本件特許明細書の【課題を解決するための手段】の欄の【0006】における
「その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段と、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球は、その後に前記第1入球手段と前記第2入球手段と前記第3入球手段とのいずれにも入球し得るように構成されている。」という記載を、
「その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段と、を備え、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球は、その後に前記第1入球手段と前記第2入球手段と前記第3入球手段とのいずれにも入球し得るように構成されている。」と訂正する。
3 訂正事項3
本件特許明細書の【発明の効果】の欄の【0011】における
「その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段と、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球は、その後に前記第1入球手段と前記第2入球手段と前記第3入球手段とのいずれにも入球し得るように構成されている。」という記載を、
「その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段と、を備え、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球は、その後に前記第1入球手段と前記第2入球手段と前記第3入球手段とのいずれにも入球し得るように構成されている。」と訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には、
「遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与する第1特典付与手段と、遊技球が入球可能に構成され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の特典よりも有利度合いが低い第2の特典を付与する第2特典付与手段と、続きを表示(全12行)遊技盤における特定領域へと到達した遊技球が前記第1入球手段に入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域へと到達した遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能に構成された第1可変手段と、前記特定領域へと到達した遊技球が前記第2入球手段に入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも前記特定領域へと到達した遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能に構成された第2可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変される第1可変遊技を実行する第1可変遊技実行手段と、前記判別手段の判別とは無関係に成立する予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記第2可変手段が前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変される第2可変遊技を実行する第2可変遊技実行手段と、前記第1可変手段が前記第2位置に可変し、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段と、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球は、その後に前記第1入球手段と前記第2入球手段と前記第3入球手段とのいずれにも入球し得るように構成されていることを特徴とする遊技機。」と記載されている(下線は当審で付した。以下同じ)。
しかしながら、訂正前の請求項1には、「第1入球手段」、「第1特典付与手段」、「第2入球手段」、「第2特典付与手段」、「第1可変手段」、「第2可変手段」、「判別手段」、「第1可変遊技実行手段」、「第2可変遊技実行手段」、「第3入球手段」及び「排出手段」(以下「各手段」という。)が、どのような状態になっているのか記載されていないため、遊技機が上記各手段を備えているのか否か明らかでなく、不明瞭な記載であった。
訂正事項1は、遊技機が上記各手段を備えていることを明確にする訂正であり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明に該当する。
(2)新規事項の有無について
ア 「遊技機」が、「第1入球手段」、「第1特典付与手段」、「第2入球手段」及び「第2特典付与手段」を備える構成について
本件特許明細書の【1833】には、
「<手段>この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、・・・を備え、」と記載され、
本件特許明細書の【1801】には、
「遊技機S6において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与する第1特典付与手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の特典よりも少ない第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を備えることを特徴とする遊技機S7。」と記載され、
本件特許明細書の【1834】には、
「【1834】10 パチンコ機(遊技機)・・・111 払出制御装置(第1特典付与手段、第2特典付与手段)640L 左第2入球口(第2入球手段)・・・650Ra 右特定入賞口(第1入球手段)」と記載され、
本件特許明細書の【1293】には、
「なお、左第2入球口640Lへと入球した場合に付与される賞球数は1個に設定されているので、入球した分の個数の遊技球がそのまま賞球として返ってくるに過ぎず、持ち球が増加することはない。つまり、右特定入賞口650Raへと遊技球を入球させた場合(1個の入球に対して10個の賞球が付与される場合)よりも有利度合いが少なくなる。」と記載され、
本件特許明細書の【0181】には、
「払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。」と記載されている。
これらのことから、本件特許明細書の【0181】、【1293】、【1801】、【1833】~【1834】には、「遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与する第1特典付与手段と、遊技球が入球可能に構成され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の特典よりも有利度合いが低い第2の特典を付与する第2特典付与手段」「を備え」た「遊技機」が記載されている。
イ 「遊技機」が、「第1可変手段」及び「第2可変手段」を備える構成について
本件特許明細書の【1833】には、
「<手段>この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、・・・前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変する第1可変手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変する第2可変手段と、・・・を備え、」と記載され、
本件特許明細書の【1834】には、
「640L 左第2入球口(第2入球手段)640La 電動役物(第2可変手段)650Ra 右特定入賞口(第1入球手段)650Rb 可動部材(第1可変手段)」と記載され、
本件特許明細書の【0986】には、
「以上説明した通り、本第6実施形態におけるパチンコ機10では、特定領域に対して付与される特典が異なる2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、および右特定入賞口650Ra)を設ける構成とし、大当たり種別に応じて入球可能となる特定入賞口を可変させる構成とした。より具体的には、突出動作を行うことにより、特定領域へと流下した遊技球を左特定入賞口650Laへと誘導する傾斜を形成する可動部材650Lbと、特定領域へと流下した遊技球を右特定入賞口650Raへと誘導する傾斜を形成する可動部材650Rbとが、左特定入賞口650Laと、右特定入賞口650Raとの間に設けられている。」と記載され、
本件特許明細書の【1282】には、
「上述した第6実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中に入球可能な状態が設定される2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)を対向させて配置させると共に、特定入賞口の間に、各特定入賞口に対応する可動部材をそれぞれ配置させ、対応する可動部材を突出させることにより、対応する特定入賞口へと向かって下る向きの傾斜を形成する構成としていた。」と記載され、
本件特許明細書の【1283】には、
「これに対して本第12実施形態におけるパチンコ機10では、左特定入賞口650Laに代えて、第1入球口64と同一の性能を有する左第2入球口640Lを設ける構成としている。即ち、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとを対向させて配置させる構成とした。そして、普通図柄の当たりとなった場合には、第6実施形態における可動部材650Lbに代えて設けられている電動役物640Laを突出動作させることにより、左第2入球口640Lへと向かって下る向きの傾斜を形成する構成としている。」と記載され、
本件特許明細書の【1286】には、
「また、本第12実施形態における遊技盤13では、第6実施形態における左特定入賞口650Laに代えて、左第2入球口640Lが設けられている。・・・普通図柄の当たりになると、この電動役物640Laが突出位置に所定期間(2秒間×1回、または2秒間×2回)配置されることにより、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球が左第2入球口640Lへと入球し易い状態を形成する。」と記載され、
本件特許明細書の【1292】には、
「大当たりのラウンドが終了して可動部材650Rbが没入位置(埋没位置)に可動した」と記載され、
本件特許明細書の【1294】には、
「普通図柄の当たりに伴う開放期間が終了して、電動役物640Laが没入位置(埋没位置)に可動した」と記載されている。
これらのことから、本件特許明細書の【0986】、【1282】~【1283】、【1286】、【1292】、【1294】、【1833】~【1834】には、「遊技盤における特定領域へと到達した遊技球が前記第1入球手段に入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域へと到達した遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能に構成された第1可変手段と、前記特定領域へと到達した遊技球が前記第2入球手段に入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも前記特定領域へと到達した遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能に構成された第2可変手段」「を備え」た「遊技機」が記載されている。
ウ 「遊技機」が、「判別手段」を備える構成について
本件特許明細書の【1785】には、
「<特徴S群>(2つの入賞口間に設けられた振り分け部材により各入賞口の入賞可能状態を他方の入賞口の状態とは無関係に設定する)遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に対して所定距離を離間させて設けられ、且つ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変する第1可変手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変する第2可変手段と、前記第1可変手段を、予め定められた第1条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変させる第1可変制御手段と、前記第2可変手段を、予め定められた第2条件の成立に基づいて前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記第1条件は、前記第2可変手段の配置によらず成立し得るものであることを特徴とする遊技機S1。」と記載され、
本件特許明細書の【1804】には、
「遊技機S1からS7のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する入球判別手段と、その入球判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて前記第2可変手段が前記第2可変制御手段により所定回数、前記第3位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第1可変制御手段は、前記通過判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて前記第1可変手段を前記第1位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機S8。」と記載され、
本件特許明細書の【0100】には、
「この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。」と記載され、
本件特許明細書の【0101】には、
「パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。」と記載され、
本件特許明細書の【1282】には、
「上述した第6実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中に入球可能な状態が設定される2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)を対向させて配置させると共に、特定入賞口の間に、各特定入賞口に対応する可動部材をそれぞれ配置させ、対応する可動部材を突出させることにより、対応する特定入賞口へと向かって下る向きの傾斜を形成する構成としていた。」と記載され、
本件特許明細書の【1283】には、
「これに対して本第12実施形態におけるパチンコ機10では、左特定入賞口650Laに代えて、第1入球口64と同一の性能を有する左第2入球口640Lを設ける構成としている。」と記載されている。
また、本件特許明細書の【1804】の「入球判別手段」、本件特許明細書の【0100】及び【0101】の「主制御装置110」が、大当たりとなるかを判定する「判別手段」に相当する。
これらのことから、本件特許明細書の【0100】~【0101】、【1282】~【1283】、【1785】、【1804】には、「判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段」「を備え」た「遊技機」が記載されている。
エ 「遊技機」が、「第1可変遊技実行手段」を備える構成について
上記ウで検討したように、本件特許明細書の【1804】の「入球判別手段」、本件特許明細書の【0100】及び【0101】の「主制御装置110」が、大当たりであるかを判別する「判別手段」に相当する。
また、本件特許明細書の【1785】には、
「<特徴S群>(2つの入賞口間に設けられた振り分け部材により各入賞口の入賞可能状態を他方の入賞口の状態とは無関係に設定する)遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に対して所定距離を離間させて設けられ、且つ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変する第1可変手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変する第2可変手段と、前記第1可変手段を、予め定められた第1条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変させる第1可変制御手段と、前記第2可変手段を、予め定められた第2条件の成立に基づいて前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記第1条件は、前記第2可変手段の配置によらず成立し得るものであることを特徴とする遊技機S1。」と記載され、
本件特許明細書の【1804】には、
「遊技機S1からS7のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する入球判別手段と、その入球判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて前記第2可変手段が前記第2可変制御手段により所定回数、前記第3位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第1可変制御手段は、前記通過判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて前記第1可変手段を前記第1位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機S8。」と記載され、
本件特許明細書の【1833】には、
「<手段>この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、・・・前記第1可変手段を、予め定められた第1条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変させる第1可変制御手段と、・・・を備え、」と記載され、
本件特許明細書の【1834】には、
「650Ra 右特定入賞口(第1入球手段)650Rb 可動部材(第1可変手段)・・・S1021 第1可変遊技実行手段」と記載され、
本件特許明細書の【0983】には、
「大当たり制御処理6(図89参照)では、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングになったと判別された場合に(S1004:Yes)、可動種別格納エリア203aaに格納されているデータに対応する可動部材の突出動作を設定する(S1021)。より具体的には、可動種別格納エリア203aaに「01H」が格納されている場合には、可動部材650Rbの突出動作を設定することで右特定入賞口650Raに入球可能となるように設定する。」と記載され、
本件特許明細書の【0978】には、
「次に、図88、および図89を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。」と記載され、
本件特許明細書の【1290】には、
「大当たりにおけるラウンド期間中(可動部材650Rbが突出位置に可動されている期間中)において」と記載され、
本件特許明細書の【1292】には、
「大当たりのラウンドが終了して可動部材650Rbが没入位置(埋没位置)に可動した」と記載されている。
そして、本件特許明細書の【1785】の「第2入球手段」、本件特許明細書の【1834】の「第1入球手段」(右特定入賞口650Ra)が、本件特許明細書の【0983】の大当たり制御処理により入球可能となる「右特定入賞口650Ra」に相当する。
さらに、本件特許明細書の【1804】の「可変遊技実行手段」、本件特許明細書の【0978】の「主制御装置110のMPU201」が、本件特許明細書の【1834】「第1可変遊技実行手段」に相当する。
これらのことから、本件特許明細書の【0978】、【0983】、【1290】、【1292】、【1785】、【1804】、【1833】~【1834】には、「その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変される第1可変遊技を実行する第1可変遊技実行手段」「を備え」た「遊技機」が記載されている。
オ 「遊技機」が、「第2可変遊技実行手段」を備える構成について
本件特許明細書の【1785】には、
「<特徴S群>(2つの入賞口間に設けられた振り分け部材により各入賞口の入賞可能状態を他方の入賞口の状態とは無関係に設定する)遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に対して所定距離を離間させて設けられ、且つ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変する第1可変手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変する第2可変手段と、前記第1可変手段を、予め定められた第1条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変させる第1可変制御手段と、前記第2可変手段を、予め定められた第2条件の成立に基づいて前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記第1条件は、前記第2可変手段の配置によらず成立し得るものであることを特徴とする遊技機S1。」と記載され、
本件特許明細書の【1804】には、
「遊技機S1からS7のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する入球判別手段と、その入球判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて前記第2可変手段が前記第2可変制御手段により所定回数、前記第3位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第1可変制御手段は、前記通過判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて前記第1可変手段を前記第1位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機S8。」と記載され、
本件特許明細書の【1833】には、
「<手段>この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、・・・前記第1可変手段を、予め定められた第1条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変させる第1可変制御手段と、前記第2可変手段を、予め定められた第2条件の成立に基づいて前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変させる第2可変制御手段と、を備え、」と記載され、
本件特許明細書の【1834】には、
「640L 左第2入球口(第2入球手段)640La 電動役物(第2可変手段)650Ra 右特定入賞口(第1入球手段)650Rb 可動部材(第1可変手段)S542 第2可変遊技実行手段S1021 第1可変遊技実行手段」と記載され、
本件特許明細書の【1312】には、
「本第12実施形態における普通図柄変動処理12(図144参照)では、S520の処理において、普通図柄の時短中でない(確変フラグ203eがオフであり、且つ、時短中カウンタ203fの値が0である)と判別した場合は(S520:No)、電動役物640Laの開放パターンとして、「2秒間×1回」の開放時間および回数の開放パターンを設定し(S542)、処理をS523へと移行する。」と記載され、
本件特許明細書の【1310】には、
「図144を参照して、本第12実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。図144は、第6実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図26参照)に代えて実行される普通図柄変動処理12(S151)を示したフローチャートである。この第12実施形態における普通図柄変動処理12(S151)のうち、S501~S515,S517~S520、およびS523の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図26参照)のS501~S515,S517~S520、およびS523の各処理と同一の処理が実行される。」と記載され、
本件特許明細書の【1289】には、
「普通入球口(スルーゲート)67を遊技球が通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選で当たりになると、電動役物640Laが突出位置へと可動される。」と記載され、
本件特許明細書の【1290】には、
「普通図柄の当たりとなって(即ち、左第2入球口640Lの開放期間が開始されて)電動役物640aが突出位置に可動された」と記載され、
本件特許明細書の【1294】には、
「普通図柄の当たりに伴う開放期間が終了して、電動役物640Laが没入位置(埋没位置)に可動した」と記載されている。
また、本件特許明細書の【1785】の「第1入球手段」、本件特許明細書の【1834】の「第2入球手段」(左第2入球口640L)が、本件特許明細書の【1290】の普通図柄当たりにより開放される「左第2入球口640L」に相当する。
そして、本件特許明細書の【1785】、【1804】の「第1可変制御手段」、本件特許明細書の【1833】「第2可変制御手段」、本件特許明細書の【1310】の「主制御装置110のMPU201」が、本件特許明細書の【1834】の「第2可変遊技実行手段」に相当する。
これらのことから、本件特許明細書の【1289】~【1290】、【1294】、【1310】、【1312】、【1785】、【1804】、【1833】~【1834】には、「前記判別手段の判別とは無関係に成立する予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記第2可変手段が前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変される第2可変遊技を実行する第2可変遊技実行手段」「を備え」た「遊技機」が記載されている。
カ 「遊技機」が、「第3入球手段」及び「排出手段」を備える構成について
本件特許明細書の【1834】には、
「66 アウト口(第3入球手段)・・・640La 電動役物(第2可変手段)・・・650Rb 可動部材(第1可変手段)」と記載され、
本件特許明細書の【1296】には、
「なお、図示については省略したが、電動役物640Laと、可動部材650Rbとがほぼ時間差無く没入位置(埋没位置)に可動した場合は、上部領域に貯留(停留)されていた遊技球が左第2入球口640L、および右特定入賞口650Raのいずれにも入球することができず、遊技盤13の下方に設けられたアウト口66へと流下する。」と記載され、
本件特許明細書の【1286】には、
「普通図柄の当たりになると、この電動役物640Laが突出位置に所定期間(2秒間×1回、または2秒間×2回)配置されることにより、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球が左第2入球口640Lへと入球し易い状態を形成する。」と記載され、
本件特許明細書の【0106】には、
「更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。」と記載され、
本件特許明細書の【1034】には、
「アウト口66を介して排出される。」と記載され、
本件特許明細書の【1030】には、
「入球した遊技球をパチンコ機10の外部へと排出するための排出口656が設けられている。」と記載されているとともに、
入球した遊技球だけでなく、アウト口を介して排出される遊技球も、パチンコ機10の外部へと排出されることは明らかであり、「アウト口66」及び「球排出路」を「パチンコ機10」が備えていることも明らかである。
これらのことから、本件特許明細書の【0106】、【1030】、【1034】、【1286】、【1296】、【1834】には、「前記第1可変手段が前記第2位置に可変し、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態で前記特定領域へと到達した遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと入球した遊技球を遊技機の外部へと排出する排出手段」「を備え」た「遊技機」が記載されている。
キ まとめ
以上のことから、訂正事項1は、本件特許明細書の【0100】~【0101】、【0106】、【0181】、【0978】、【0983】、【0986】、【1030】、【1034】、【1282】~【1283】、【1286】、【1289】~【1290】、【1292】~【1294】、【1296】、【1310】、【1312】、【1785】、【1801】、【1804】、【1833】~【1834】に基づく訂正であって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1は、遊技機が上記各手段を備えていることを明確にする訂正であり、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、本件特許明細書の段落【0006】の記載を、上記第3「1 訂正事項1」による訂正後の記載に整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2は、本件特許請求の範囲の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は、本件特許明細書の段落【0011】の記載を、上記第3「1 訂正事項1」による訂正後の記載に整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項3は、本件特許請求の範囲の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
第5 むすび
したがって、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-390007