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特許訂正審判

2019-390120

3-フェノキシ-4-ピリダジノール誘導体を含有する農薬

審判番号
2019-390120
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2004-035672外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年11月29日
審決日
2020年02月12日
公報発行日
2020年05月29日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .853-Y (A01N) / P141 .852-Y (A01N) / P141 .841-Y (A01N) / P141 .854-Y (A01N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項特許法126条6項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第4567345号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第4567345号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第4567345号発明(以下、「本件特許」という。)は、平成16年2月12日(優先権主張 平成15年2月12日 日本国)の出願であって、その請求項1~19に係る発明について、平成22年8月13日に特許権の設定登録がなされたものである。 そして、令和1年11月29日に本件訂正審判の請求がなされたものである(本件訂正審判に係る訂正を以下「本件訂正」ともいう。)。 第2 請求の趣旨及び内容 本件訂正審判請求の趣旨は、「特許第4567345号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものであって、その訂正の内容は以下のとおりである。 [訂正事項] 特許請求の範囲の請求項1に、 「【請求項1】 一般式・・・ 置換基群Eは、ハロゲン原子、C1~C6アルキル基、C1~C6ハロアルキル基、水酸基、置換されてよいフェニルスルホニル基(当該置換基は、上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)及びジ(C1~C6アルキル)スルファモイル基からなる群である。] で表される化合物、その塩及びそのエステル誘導体を有効成分として含有する農薬、 ただし、上記農薬は、4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1,3-ジメチル-5-ピラゾリル-p-トルエンスルホネート、・・・からなる群から選ばれる1種又は2種以上の第二除草活性化合物を有効成分として含有しない、農薬。」とあるのを(下線は、当審にて追加した。以下同様。)、 「【請求項1】 一般式・・・ 置換基群Eは、ハロゲン原子、C1~C6アルキル基、C1~C6ハロアルキル基、水酸基、置換されてよいフェニルスルホニル基(当該置換基は、上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)及びジ(C1~C6アルキル)スルファモイル基からなる群である。] で表される化合物、その塩又はそのエステル誘導体を有効成分として含有する農薬、 ただし、上記農薬は、4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1,3-ジメチル-5-ピラゾリル-p-トルエンスルホネート、・・・からなる群から選ばれる1種又は2種以上の第二除草活性化合物を有効成分として含有しない、農薬。」と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~19も同様に訂正される)。 第3 当審の判断 1 一群の請求項について 訂正事項に係る訂正前の請求項1~19について、請求項2~19は、請求項1を引用するものであるから、訂正事項によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~19に対応する訂正後の請求項1~19は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 2 訂正の目的要件について 訂正事項は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「化合物、その塩及びそのエステル誘導体を有効成分として含有する」を「化合物、その塩又はそのエステル誘導体を有効成分として含有する」に訂正するものである。 本件特許明細書の段落【0001】には、 「【0001】 本発明は、3-フェノキシ-4-ピリダジノール化合物、その塩、そのエステル誘導体及びそれを有効成分として含有する農薬に関する。」と、 また段落【0008】~【0012】には、 「【0008】 本発明は、一般式 【0009】 【化4】 ・・・ 【0012】 ・・・ 置換基群Eは、ハロゲン原子、C1~C6アルキル基、C1~C6ハロアルキル基、水酸基、置換されてよいフェニルスルホニル基(当該置換基は、上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)及びジ(C1~C6アルキル)スルファモイル基からなる群である。]で表される化合物、その塩又はそのエステル誘導体、 それらを有効成分として含有する農薬(好適には、水田除草剤又は畑作除草剤)である。」との記載があり、また段落【0495】~【1421】の実施例・製造例において記載されているのは、いずれも特定の単一の化合物、塩あるいはエステル誘導体のみであり、これらの混合物を用いた実施例・製造例についての記載はない。 これらの記載事項からすると、本件特許明細書には、一般式(I)で表される化合物、その塩又はそのエステル誘導体のいずれかを単一の有効成分として含む農薬が記載されていたものといえる。 さらに、農薬分野においては、化合物、その塩あるいはそのエステル誘導体は、そのいずれか一種類を農薬の有効成分として用いることが技術常識であるといえる。 そうすると、訂正前の請求項1における「・・・化合物、その塩及びそのエステル誘導体を有効成分として含有する」との記載は、その文言のとおり、化合物、その塩及びそのエステル誘導体の三者を含むと解釈されるものであるのか、本件特許明細書の記載及び技術常識を参酌して、化合物、その塩又はそのエステル誘導体を有効成分として含有すると解釈されるものであるのかが不明瞭になっており、結果的に請求項1を不明確なものとしていると認められる。 そして、訂正前の請求項1における当該記載が、「・・・化合物、その塩又はそのエステル誘導体を有効成分として含有する」ことの特定を意図することは、本件特許明細書および技術常識から明らかである。 したがって、上記訂正事項は、請求項1と本件特許明細書の記載との関係における不合理を解消するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであると認められる。 3 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であるか否か(新規事項の追加の有無)について 上記訂正事項は、上記2で述べたとおり、訂正前の明細書の段落【0001】、【0012】及び実施例・製造例に記載された事項であるか、それらの記載から農薬分野の技術常識に照らして自明な事項であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。 4 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 上記訂正事項は、上記2で述べたとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、訂正前の特許請求の範囲の記載は明瞭ではなかったものの、その範囲には、「・・・化合物、その塩又はそのエステル誘導体」が含まれていたといえるし、上記3で述べたとおり、新規事項を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 5 審判請求人の主張について 上記で述べたとおり、上記訂正事項は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであると当審は判断するが、審判請求人は、審判請求書の第2頁~3頁(3)アにおいて、本件訂正が、特許法第126項第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである旨主張しているので検討する。 特許請求の範囲の記載について、誤記の訂正を目的とする訂正が認められるためには、特許がされた特許請求の範囲の記載に誤記が存在し、それ自体で、又は設定登録時の明細書あるいは図面の他の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ正しい記載が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面から自明な事項として定まる必要がある。 この点、訂正前の「・・・化合物、その塩及びそのエステル誘導体を有効成分として含有する」との記載自体は、技術的に不可能なものではないから、当該記載に接した当業者が、これが誤記であることに必ずしも気付くものとはいえないし、たとえ当該記載が誤記であると当業者が認識したとしても、その誤記の本来あるべき記載が「・・・化合物、その塩又はそのエステル誘導体を有効成分として含有する」であったとまではいえない。他にも考えられる文言として、「・・・化合物、その塩及び/又はそのエステル誘導体を有効成分として含有する」や「・・・化合物、その塩及びそのエステル誘導体からなる群から選ばれる1以上を有効成分として含有する」等が挙げられるところ、本来あるべき記載がこれらの文言ではなく、「・・・化合物、その塩又はそのエステル誘導体を有効成分として含有する」であったとはいえない。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-390120

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