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特許異議申立

2022-700625

エアゾール組成物および害虫駆除方法

審判番号
2022-700625
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-229861
登録番号
6990096
請求日
2022年07月12日
審決日
2023年04月28日
公報発行日
2023年08月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】アース製薬株式会社
  • 【権利者代理人】深井 敏和
  • 【異議申立人】川▲崎▼ 義孝
審判長/審判官
  • 審判長 木村 敏康
  • 審判官 野田 定文
  • 審判官 関 美祝
分類
P1651.113-YAA(A01N) / P1651.121-YAA(A01N) / P1651.537-YAA(A01N) / P1651.851-YAA(A01N) / P1651.841-YAA(A01N) / P1651.854-YAA(A01N) / P1651.855-YAA(A01N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第1項第3号、特許法第113条第2号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6990096号発明「エアゾール組成物および害虫駆除方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6990096号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕、4について訂正することを認める。 特許第6990096号の請求項1~4に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6990096号(以下「本件特許」という。)の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成29年11月30日の出願であって、令和3年12月7日にその特許権の設定登録がされ、令和4年1月12日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その特許の全請求項に対し、同年7月12日に特許異議申立人 川崎 義孝(「崎」の字はたつさき。以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされ、同年12月5日付けで当審合議体は取消理由を通知し、その指定期間内である令和5年2月7日に特許権者により意見書及び訂正請求書が提出され、同年同月20日付けで当審合議体により特許法第120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知がされ、同年3月17日付けで申立人より意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否 1 訂正の趣旨 令和5年2月7日付けの訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の趣旨は、「特許第6990096号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを求める。」である。 2 訂正の内容 本件訂正の内容は、次の訂正事項1~2のとおりである。なお、以下の下線は、訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 ア 訂正事項1-1 特許請求の範囲の請求項1に 「6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分と、」 と記載されているのを 「6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分(但し、6未満のLogP値を有する殺虫成分および1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤の少なくとも1種を含有する油相成分を除く)と、」 に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2及び3も同様に訂正する。 イ 訂正事項1-2 特許請求の範囲の請求項1の「水と、噴射剤と、を含み、」との記載の後に、 「前記噴射剤が、液化石油ガス、ジメチルエーテルまたは1,3,3,3-テトラフルオロプロペンであり、」との記載を追加して訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2及び3も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 ア 訂正事項2-1 特許請求の範囲の請求項4に 「6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分と、」 と記載されているのを 「6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分(但し、6未満のLogP値を有する殺虫成分および1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤の少なくとも1種を含有する油相成分を除く)と、」 に訂正する。 イ 訂正事項2-2 特許請求の範囲の請求項4の「水と、噴射剤と、を含み、」との記載の後に、 「前記噴射剤が、液化石油ガス、ジメチルエーテルまたは1,3,3,3-テトラフルオロプロペンであり、」との記載を追加して訂正する。 3 判断 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1-1は、訂正前の請求項1のエアゾール組成物に含まれる油相成分から「6末満のLogP値を有する殺虫成分および1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤の少なくとも1種を含有する油相成分」を除くものである。 また、訂正事項1-2は、訂正前の請求項1のエアゾール組成物に含まれる噴射剤を特定のものに限定するものである。 したがって、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 請求項1の記載を引用する請求項2及び3も同様である。 イ 新規事項の有無について 訂正事項1-1は、本件特許明細書【0011】の「成分(A)としては、・・・挙げられる。6未満のLogPを有する殺虫成分を使用すると、油相と水相とに分離しやすく安定な乳化状態が維持されない。」との記載及び同【0012】の「油相成分に含まれる(B)は、・・・であれば限定されない。この特定のノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を使用すると、殺虫成分を含む油相と水との乳化安定性が低下し、液分離が早める。」との記載に基づき、これらのうち少なくとも一種を含有する油相成分を除くとするものである。 また、訂正事項1-2は、同【0017】の「エアゾール組成物に含まれる噴射剤は特に限定されず、例えば、液化石油ガス、ジメチルエーテル、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、窒素ガス、炭酸ガス、などが挙げられる。」との記載に基づくものである。 したがって、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1は、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、本件訂正前の特許請求の範囲及び特許明細書の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 請求項1の記載を引用する請求項2及び3も同様である。 ウ 特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項1-1及び1-2は、「特許請求の範囲の減縮」のみを目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1-1及び1-2からなる訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 請求項1の記載を引用する請求項2及び3も同様である。 (2)訂正事項2について 訂正事項2-1及び2-2は、いずれも実質的に訂正事項1-1及び1-2と同じ訂正事項である。 よって、訂正事項2-1及び2-2からなる訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当し、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (3)一群の請求項について 訂正事項1に係る訂正前の請求項1~3について、その請求項2及び3はいずれも直接又は間接的に請求項1を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~3に対応する訂正後の請求項1~3に係る訂正事項1の訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してされたものである。 4 まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕、4について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2のとおり本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1~4に係る発明は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 以下、本件特許の請求項1~4に係る発明を、それぞれ請求項順に、「本件特許発明1」などといい、これらをまとめて「本件特許発明」ともいう。 「【請求項1】 6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分(但し、6未満のLogP値を有する殺虫成分および1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤の少なくとも1種を含有する油相成分を除く)と、 水と、 噴射剤と、 を含み、 前記噴射剤が、液化石油ガス、ジメチルエーテルまたは1,3,3,3-テトラフルオロプロペンであり、 前記成分(A)と前記成分(B)とが、1≦成分(A)/成分(B)≦10を満足する質量比で配合され、前記油相成分と前記水とが、0.05≦油相成分/水を満足する体積比で配合され、前記油相成分および前記水の総量と前記噴射剤とが、0.1≦油相成分および水の総量/噴射剤≦2を満足する体積比で配合されていることを特徴とするエアゾール組成物。 【請求項2】 前記成分(A)がエトフェンプロックス、ペルメトリン、シフルトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、フェンプロパトリンおよびフェノトリンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載のエアゾール組成物。 【請求項3】 前記成分(B)がソルビタン脂肪酸エステルである請求項1または2に記載のエアゾール組成物。 【請求項4】 6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分(但し、6未満のLogP値を有する殺虫成分および1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤の少なくとも1種を含有する油相成分を除く)と、 水と、 噴射剤と、 を含み、 前記噴射剤が、液化石油ガス、ジメチルエーテルまたは1,3,3,3-テトラフルオロプロペンであり、 前記成分(A)と前記成分(B)とが、1≦成分(A)/成分(B)≦10を満足する質量比で配合され、前記油相成分と前記水とが、0.05≦油相成分/水を満足する体積比で配合され、前記油相成分および前記水の総量と前記噴射剤とが、0.1≦油相成分および水の総量/噴射剤≦2を満足する体積比で配合されていることを特徴とするエアゾール組成物を処理することを特徴とする害虫駆除方法。」 なお、本件特許発明1及び4における「(但し、6未満のLogP値を有する殺虫成分および1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤の少なくとも1種を含有する油相成分を除く)」との記載によって除かれる範囲は、特許権者が令和5年2月7日付けで提出した意見書4ページにおいて、「請求項1及び4の「含有する」との記載を「のみからなる」との記載に訂正・・・のご示唆に基づいて、訂正後の請求項1及び4の記載のように「・・・(但し、・・・を除く)」と訂正した」旨主張しているところ、本件特許明細書【0011】の「成分(A)としては、・・・挙げられる。6未満のLogPを有する殺虫成分を使用すると、油相と水相とに分離しやすく安定な乳化状態が維持されない。」との記載及び同【0012】の「油相成分に含まれる(B)は、・・・であれば限定されない。この特定のノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を使用すると、殺虫成分を含む油相と水との乳化安定性が低下し、液分離が早める。」との記載を参酌するに、油相成分に「6未満のLogP値を有する殺虫成分」を含有する場合、油相成分に「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤」を含有する場合、並びに油相成分に「6未満のLogP値を有する殺虫成分」及び「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤」の両方を含有する場合の、3つの場合の全てが除かれることを意味すると解釈されるものである。 第4 特許異議申立理由及び取消理由 1 特許異議申立人が申し立てた理由 申立人は、訂正前の請求項1~4に係る発明の特許について、証拠方法として甲第1号証~甲第11号証を提出し、次の申立理由1~2を主張している(特許異議申立書7ページ(3))。 なお、以下、甲第1号証~甲第11号証について、それぞれ順に、「甲1」~「甲11」という。 (1)申立理由1(新規性) 本件の請求項1-4に係る発明は、甲1に記載された発明であることから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、本件の請求項1-4に係る発明に対してされた特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 (2)申立理由2(進歩性) 本件の請求項1-4に係る発明は、甲1に記載された発明または甲1に記載された発明ないしそれらに周知技術を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件の請求項1-4に係る発明に対してされた特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 (3)証拠方法 甲1:特許第2985389号公報(発行日:平成11年11月29日) 甲2:特開2000-178101号公報 甲3:特開平7-206604号公報 甲4:特公昭61-45601号公報 甲5:住友化学株式会社、バイオスリンの安全データシートの印刷物 (作成改定日:2015年7月10日) 甲6:花王ケミカル製品、「レオドールSP-L10」のウェブページ の印刷物(印刷日:2021年12月24日) 甲7:Indian J Med Res 129,May 2009, p.593-598及び翻訳文 甲8:薬生審査発0325第7号(平成28年3月25日) 甲9:National Environment Agency (2022年6月27日改訂) 甲10:Mama Online Storeの Facebook(2012年12月31日)及び翻訳文 甲11:Bio-X(登録商標)3-In-1 Aersolの Waybackmachineの記録(2017年8月11日) 及び翻訳文 2 当審合議体が通知した取消理由 訂正前の請求項1~4に係る発明の特許について、当審合議体が令和4年12月5日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (1)取消理由1(明確性要件) 本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 請求項1の「前記油相成分と前記水とが、0.05≦油相成分/水を満足する体積比で配合」との記載、及び「前記油相成分および前記水の総量と前記噴射剤とが、0.1≦油相成分および水の総量/噴射剤≦2を満足する体積比で配合」との記載にある「体積比」は、温度や圧力などの周囲環境の条件によって変動するパラメータであり、エアゾール組成物の「体積比」が、ある温度条件で上記所定の体積比を満たしても、別の温度条件で上記所定の体積比を満たし得ない場合が生じるので、温度や圧力などの各種の条件を明確に特定できなければ、特許の付与された発明の技術的範囲が不明確となり、第三者に不測の不利益を及ぼすこととなる。 そして、上記「体積比」を特定するためには、製造時又は使用時の周囲環境における、請求項1に記載の「6以上のLogPを有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分」に含まれる各成分と「噴射剤」の成分の、比重や密度を特定する必要があるところ、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、上記「体積比」を決定するために必要な事項についての記載がなく、上記「体積比」を決定するために必要な事項が当業者の出願時における技術常識であるとも認められない。 したがって、本件特許の請求項1の記載は、上記「体積比」に関する発明特定事項が「第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確である」から、特許法第36条第6項第2号に適合するものではない。 請求項1と同じ記載がある請求項4及び請求項1を引用する請求項2~3も同様である。 (2)取消理由2(サポート要件) 本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 請求項1~3に係る発明の「エアゾール組成物」及び請求項4に係る発明の「害虫駆除方法」は、発明の詳細な説明の【0011】の「6未満のLogPを有する殺虫成分を使用すると、油相と水相とに分離しやすく安定な乳化状態が維持されない。」との作用機序に基づき、油相成分に含まれる殺虫成分(A)の種類を「6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)」に特定し、同【0012】の「この特定のノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を使用すると、殺虫成分を含む油相と水との乳化安定性が低下し、液分離が早める。」との作用機序に基づき、油相成分に含まれる界面活性剤(B)の種類を「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)」に特定しているものと認められる。 これに対して、請求項1及び4に係る発明の「6以上のLogPを有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分」は、その「含有する」との記載にあるように、殺虫成分として「6未満のLogPを有する殺虫成分」を含み、界面活性剤として「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤」を含み得るとしている。 そうすると、上記【0011】及び【0012】の記載を含む発明の詳細な説明の記載からみて、請求項1~4に係る発明のもの全てが、上記「植物に対して悪影響を及ぼしにくく環境への負荷を低減することができ、処理する際に油相と水相とが分離せずに、優れた害虫駆除効果を発揮するエアゾール組成物および害虫駆除方法を提供すること」という課題を解決できると認識できる範囲にあるとは認められない。 したがって、請求項1~4に係る発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、本件特許の請求項1~4の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。 (3)取消理由3(新規性) 本件特許の請求項1~2及び4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、本件特許の請求項1~2及び4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (4)取消理由4(進歩性) 本件特許の請求項1~4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 引用文献1:特許第2985389号公報(甲1) 第5 当審合議体の判断 当審合議体は、本件請求項1~4に係る特許は、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立人が申し立てた理由によっては、取り消すことはできないと判断する。その理由は以下のとおりである。 なお、以下の下線は、当審合議体で追加した。また、証拠の転記はすべて全角で表記する。本決定全体についても同様である。 1 取消理由1(明確性要件)について 本件特許発明1及び4の記載について、特許権者が令和5年2月7日付けで提出した意見書の2~3ページにおいて「まず、訂正後の請求項1の記載から明らかなように、噴射剤については、液化された噴射剤に限定しました。液体は、ガス(気体)よりも温度による体積変化がかなり小さくなるためです。 次に、当業者の出願時における技術常識として、殺虫成分を含むエアゾール組成物(いわゆる殺虫スプレー)は、人間の生活環境下で、害虫が活発に活動し得る温度下で使用されます。そもそも害虫が生存できない温度下や活発に活動しない温度下では、殺虫成分を含むエアゾール組成物を使用する必要はありません。このような技術常識を考慮すると、殺虫成分を含むエアゾール組成物が使用される温度は、せいぜい10℃~40℃程度です。エアゾール剤を製造する環境についても、過酷な環境下で行われる訳ではなく、使用される環境とほぼ同じです。例えば、使用される環境下では固化するなどの問題があり、製造時に高温条件下にしないと製造できないようなものは、そもそもエアゾール組成物として体を成しません。 エアゾール組成物が使用される温度環境や製造される温度環境において、液体の体膨張率を考慮すると、液体の体積変化はごく僅かであり、ほとんど変化しないと考えられます。さらに、ごく僅かに体積変化が生じたとしても、水の体積や噴射剤の体積は変化せずに、油相成分の体積のみが変化するようなことはあり得ません。体積変化は、油相成分、水および噴射剤のいずれかに生じるわけではなく、油相成分、水および噴射剤の全てにおいて生じます。そのため、「油相成分/水」や「油相成分および水の総量/噴射剤」といった体積比に及ぼす影響は、誤差程度のごく僅かであり、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとは言えません。 さらに、審判官殿は、比重や密度について指摘されています。しかし、体積比を求めるために、比重や密度は関係ありません。例えば、油相成分と水との体積比(油相成分/水)は、油相成分の体積と水の体積を直接計量して求めます。具体的には、油相成分を100mおよび水を50mL計量すれば体積比は2と算出され、体積比を求めるために、比重(密度)を必要としません。実施例においても、油相成分、水および噴射剤のいずれも体積(mL)を直接計量しています。 現に、エアゾール組成物に関する特許第4027451号、特許第4166766号、特許第4570334号および特許第6714411号は、体積比(容積比)が発明特定事項として記載されているものの、体積比を特定するための温度や圧力、比重や密度については特定されていません。それにもかかわらず、これらの特許において、体積比に関する発明特定事項に対する拒絶理由、取消理由および無効理由のいずれも、一切指摘されていません。その理由としては、体積比(容積比)が発明特定事項として記載されているものの、体積比を特定するための温度や圧力、比重や密度が特定されていなくても、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確なものではないとの認識に基づくものと考えられます。 本件特許についても、これらの特許と同様、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確なものではありません。したがって、訂正後の請求項1に係る発明および訂正後の請求項1を引用する訂正後の請求項2および3に係る発明、ならびに訂正後の請求項1に係る発明と同様の要件を具備する訂正後の請求項4に係る発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていると確信します。」と主張する。 してみると、害虫が活動し得る温度範囲での使用を前提とした本件特許の「エアゾール組成物および害虫駆除方法」に関する発明について、使用時の周囲環境における「体積比」が大きく変動するとは解せないので、本件特許の請求項1及び4に記載の「体積比」に関する発明特定事項が「第三者に不足の不利益を及ぼすほどに不明確である」とはいえない。 したがって、本件特許の請求項1及び4並びにその従属項の記載は、特許を受けようとする発明が明確ではないとはいえないから、特許法第36条第6項第2号に適合しないものではなく、取消理由1(明確性要件)に理由はない。 2 取消理由2(サポート要件)について 取消理由2(サポート要件)で記載不備とした点は、本件特許明細書の【0011】の「6未満のLogPを有する殺虫成分を使用すると、油相と水相とに分離しやすく安定な乳化状態が維持されない。」との記載、及び同【0012】の「この特定のノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を使用すると、殺虫成分を含む油相と水との乳化安定性が低下し、液分離が早める。」との記載に照らし、油相成分に「6未満のLogP値を有する殺虫成分」を含有する場合、及び油相成分に「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤」を含有する場合が除かれなければ、同【0006】の記載から把握される「処理する際に油相と水相とが分離せずに、優れた害虫駆除効果を発揮するエアゾール組成物および害虫駆除方法を提供すること」という課題を解決できると認識できる範囲にないという点である。 そして、本件訂正により、油相成分に「6未満のLogP値を有する殺虫成分」を含有する場合、及び油相成分に「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤」を含有する場合が除かれたので、取消理由2(サポート要件)に理由はない。 3 取消理由3(新規性)及び取消理由4(進歩性)について (1)甲1に記載された事項 (甲1a)「【請求項1】2,3,5,6-テトラフルオロベンジル 3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキシラートと、2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル 3-フェノキシベンジル エーテルとを有効成分として含有することを特徴とする殺虫、殺ダニ組成物。」 (甲1b)「【0003】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、数多くのピレスロイド系化合物の中から無数の組合わせについて鋭意検討を行った結果、式 化1 【化1】 [図:0001400451000001.jpg] で示される2,3,5,6-テトラフルオロベンジル 3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキシラート(以下、化合物〔I〕と記す。)と、式 化2 【化2】 [図:0001400451000002.jpg] で示される2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル 3-フェノキシベンジル エーテル(以下、化合物〔II〕と記す。)とを有効成分とする殺虫、殺ダニ組成物(以下、本発明組成物と記す。)がその相乗的な作用により、致死効力においても速効性においても、また、残効性においても非常に優れた性質を有することを見いだし本発明に至った。化合物〔I〕と化合物〔II〕との混合割合は、通常、重量比で95:5~5:95、好ましくは50:50~10:90の範囲である。」 (甲1c)「【0007】・・・本発明において化合物〔I〕には立体異性体が存在するが、本発明にはそれらのうち殺虫、殺ダニ活性を有する任意の立体異性体およびその混合物が含まれる。 【0008】 【実施例】以下、本発明を製剤例および試験例にしてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。尚、以下の製剤例および試験例において、化合物は表1の化合物記号で示す。また、製剤例中の部は重量部を示す。 【表1】 [図:0001400451000003.jpg] 【0009】製剤例1 ・・・ 製剤例30 化合物〔I-a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比は重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:90)1部、乳化剤〔レオドールMO-60(花王株式会社登録商標)とレオドールTW-0120(花王株式会社登録商標)との4:1混合物またはレオドールSP─L10(花王株式会社登録商標)〕1部および灯油8部を混合溶解したものとイオン交換水50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して水性エアゾールを得る。」 (2)甲1に記載された発明 甲1には、化合物〔I〕と化合物〔II〕とを有効成分とし、その相乗的な作用により、致死効力においても速効性においても、また、残効性においても非常に優れた性質を有することを見いだし本発明に至った(甲1b)ことが記載され、その具体例として、化合物〔I〕の立体異性体である化合物〔I-a〕を用いた製造例30(甲1c)が記載されている。 してみると、甲1には、製剤例30の具体例として、次の「甲1発明」が記載されているものと認める。 甲1発明: 「2,3,5,6-テトラフルオロベンジル(1R)-トランス-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキシラート(化合物〔I-a〕)と2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル 3-フェノキシベンジル エーテル(化合物〔II〕)との混合比が重量比で10:90の混合物1部、乳化剤としてレオドールMO-60(花王株式会社登録商標)とレオドールTW-0120(花王株式会社登録商標)との4:1混合物1部及び灯油8部を混合溶解したものとイオン交換水50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填した水性エアゾール。」 (3)本件特許発明1について ア 対比 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明の「2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル 3-フェノキシベンジル エーテル(化合物〔II〕)」は、一般名がエトフェンプロックスであり、本件特許明細書の【0011】に記載されているように、そのLogP値は7.05であるから、本件特許発明1の「6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)」に相当する。 (イ)甲1発明の「乳化剤」である「レオドールMO-60(花王株式会社登録商標)」は、特開2009-91353号公報の「【0054】・・・グリセロールモノオレエート(「レオドールMO-60」花王社製,HLB:2.8)」との記載からみて、2.8のHLBを有する非イオン性界面活性剤であるグリセロールモノオレエートであるから、本件特許発明1の「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)」に相当する。 (ウ)甲1発明の「灯油」は、本件特許発明1の「10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)」に該当することは、技術常識である。 (エ)甲1発明の「噴射剤(液化石油ガス)」は、本件特許発明1の「噴射剤」であって、「前記噴射剤が、液化石油ガス、ジメチルエーテルまたは1,3,3,3-テトラフルオロプロペンであり」に相当し、甲1発明の「水性エアゾール」は、本件特許発明1の「エアゾール組成物」に相当する。 (オ)甲1発明の「2,3,5,6-テトラフルオロベンジル(1R)-トランス-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキシラート(化合物〔I-a〕)」は、甲5の7/12ページの「LogPow:5.46」との記載からみて、本件特許発明1の除くクレームの「6未満のLogP値を有する殺虫成分」に該当し、「レオドールTW-0120(花王株式会社登録商標)」は、特開2009-91353号公報の「【0054】・・・ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(「レオドールTW-0120」花王社製,HLB:15.0)」との記載からみて、本件特許発明1の除くクレームの「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤」に該当する。 (カ)したがって、両発明は、次の一致点及び相違点1~2を有する。 一致点: 「6以上のLogP値を有する殺虫成分(A)、1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤(B)、および10~20個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素(C)を含有する油相成分と、 水と、 噴射剤と、 を含み、 前記噴射剤が、液化石油ガス、ジメチルエーテルまたは1,3,3,3-テトラフルオロプロペンである、エアゾール組成物。」である点。 相違点1: 本件特許発明1は、エアゾール組成物について、「(但し、6未満のLogP値を有する殺虫成分および1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤の少なくとも1種を含有する油相成分を除く)と特定し、油相成分に「6未満のLogP値を有する殺虫成分」を含有する場合、及び油相成分に「1~10のHLBを有するノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤」を含有する場合を除外しているのに対し、 甲1発明の「水性エアゾール」は、6未満のLogP値を有する殺虫成分である「2,3,5,6-テトラフルオロベンジル(1R)-トランス-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキシラート(化合物〔I-a〕)」を含有し、また、1~10以外のHLBを有するノニオン性界面活性剤である「レオドールTW-0120(花王株式会社登録商標)」を含有する点。 相違点2: 本件特許発明1は、「前記油相成分と前記水とが、0.05≦油相成分/水を満足する体積比で配合され、前記油相成分および前記水の総量と前記噴射剤とが、0.1≦油相成分および水の総量/噴射剤≦2を満足する体積比で配合され」ているのに対し、 引用発明1は、体積比が不明である点。 イ 判断 上記相違点1について検討する。 (ア)新規性について 本件特許発明1は、本件特許明細書の【0011】の「6未満のLogPを有する殺虫成分を使用すると、油相と水相とに分離しやすく安定な乳化状態が維持されない。」との記載からみて、「6未満のLogPを有する殺虫成分」の含有を除外することで、安定な乳化状態を維持できるという効果を奏するに至ったものであるから、上記相違点1に係る構成の具備は、技術的に無意味な構成要件の付加に相当するものではなく、実質的な相違点である。 したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1に記載された発明ではない。 (イ)進歩性について 甲1に記載された発明は、化合物〔I〕と化合物〔II〕とを有効成分とし、その相乗的な作用により、致死効力においても速効性においても、また、残効性においても非常に優れた性質を有することを見いだした点に特徴がある発明であるから(甲1b)、甲1発明の必須成分である化合物〔I-a〕の有効成分の含有を除外することには、相当の阻害事由があるといえる。このため、甲1発明を主引用例とした場合に、上記相違点1に係る構成を導き出すことが当業者にとって容易であるとはいえない。 そして、本件特許発明1は、上記相違点1に係る構成を具備することにより、安定な乳化状態を維持できるという格別の効果を奏するに至ったものであるところ、甲1~甲11の全ての記載を精査しても、甲1発明の「6未満のLogP値を有する殺虫成分」を油相成分に含有させないことで、上記効果を得られることについては、示唆を含めて記載が見当たらない。 したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1に記載された発明及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件特許発明2~4について 本件特許発明2~3は、それぞれ、本件特許発明1を引用して、成分(A)又は成分(B)について更に限定する発明であり、本件特許発明4は、本件特許発明1のエアゾール組成物を用いて処理する害虫駆除方法に関する発明である。 そうすると、上記(3)で検討したのと同様の理由により、本件特許発明1を更に限定した本件特許発明2及び本件特許発明1と同様の事項を発明特定事項とする本件特許発明4は、甲1に記載された発明ではなく、また、本件特許発明1を更に限定した本件特許発明2~3及び本件特許発明1と同様の事項を発明特定事項とする本件特許発明4は、甲1に記載された発明及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (5)小括 よって、取消理由3(新規性)及び取消理由4(進歩性)には、理由がない。 4 申立理由1(新規性)及び申立理由2(進歩性)について (1)申立人の申立理由1(新規性)及び申立理由2(進歩性)のうち、本件特許発明3の新規性に関する申立ての理由以外は、上記3の取消理由3(新規性)及び取消理由4(進歩性)で採用したものであるから、取消理由で採用されなかった申立理由には該当しない。 そして、本件特許発明1を更に限定した本件特許発明3については、上記3で検討したのと同様の理由により、甲1に記載された発明ではない。 (2)申立人の主張について 申立人は、令和5年3月17日付けの意見書において、甲1発明の「6未満のLogP値を有する殺虫成分」である「2,3,5,6-テトラフルオロベンジル(1R)-トランス-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキシラート(化合物〔I-a〕)」は、ノックダウン作用に優れた成分とする一方、「6以上のLogP値を有する殺虫成分」である「2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル 3-フェノキシベンジル エーテル(化合物〔II〕)」は、致死作用に優れた成分であることが周知の技術的事項であること、甲1の試験例には、これらを5:5の比で組み合わせた場合と、1:9で組み合わせた場合とで、死虫率は同じであるから、ノックダウン作用を重視しないのであれば後者を単独で使用するという発想に容易に想到し得るなどを主張する。 しかしながら、甲1に記載された発明は、化合物〔I〕と化合物〔II〕とを有効成分とし、その相乗的な作用により、致死効力においても、また、残効性においても非常に優れた性質を有することを見出した点に特徴がある発明であるから、甲1発明の必須成分である化合物〔I-a〕の有効成分の含有を除外することには、相当の阻害事由があることは、上記3(3)イで述べたとおりである。 よって、申立人の主張は採用できない。 (3)小括 よって、申立理由1(新規性)及び申立理由2(進歩性)には、理由がない。 第6 むすび 以上のとおり、取消理由通知書に記載した取消理由並びに申立人の特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~4に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、ほかに請求項1~4に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700625

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