特許訂正審判
2019-390048
衝撃吸収式ステアリングコラム装置
- 審判番号
- 2019-390048
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2000-307709
- 登録番号
- 特許第4524899号(P4524899)
- 請求日
- 2019年04月16日
- 審決日
- 2019年06月04日
- 公報発行日
- 2019年08月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本精工 株式会社
- 【請求人代理人】松山 美奈子
- 審判長/審判官
- 審判長 島田 信一
- 審判官 岡▲さき▼ 潤
- 審判官 氏原 康宏
- 分類
- P141 .853-Y (B62D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4524899号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4524899号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許第4524899号の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成12年10月6日に特許出願され、平成22年6月11日にその特許権の設定登録がされ、そして、平成31年4月16日付けで本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4524899号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 本件訂正内容
本件訂正の内容は、次のとおりである。なお、下線部分が訂正箇所である。
1 訂正事項1
本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。さらに、図面を併せたものを「本件明細書等」という。)【0026】に、
「同図中の実線は、この際(大作動荷重時)の試験結果を示している」と記載されているのを、
「同図中の実線は、この際(大作動荷重時)の移動ストロークを示している」に訂正する。
2 訂正事項2
本件明細書【0030】に、
「図13中の破線はこの際(小作動荷重時)の試験結果を示しており」と記載されているのを、
「図13中の破線はこの際(小作動荷重時)の移動ストロークを示しており」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の本件明細書等には、「この際(大作動荷重時)の試験結果」に関し、「試験」において用いられるステアリングコラムの形式(形態)や、荷重の大きさ、荷重をかけるための具体的方法等の条件が記載されていないので該「試験」の具体的内容が明らかでないことに加え、図13中の実線が「試験結果」による作動荷重と移動ストロークの関係を示しているものか明らかでなかったものを、訂正後に「同図中の実線は、この際(大作動荷重時)の移動ストローク」と訂正し、図13の内容を説明している記載に改めるものであるから、訂正事項1の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)新規事項の追加の有無について
本件明細書の段落【0026】には「大作動荷重時(比較的大きな衝突エネルギの吸収が実現される時)」における図13中の実線に関して、「その結果、エネルギ吸収プレート61は左右4箇所で両しごきピン113,115に順次巻き回されるかたちでしごかれ、比較的大きな衝突エネルギの吸収が実現される。図13はステアリングコラム21の移動ストロークと作動荷重との関係を示すグラフであり、同図中の実線はこの際(大作動荷重時)・・・」と記載されている。
また、本件明細書の段落【0030】には「小作動荷重時(衝突エネルギの吸収量が小さくなる時)」における図13中の破線に関して、「その結果、エネルギ吸収プレート61は左右2箇所の固定側しごきピン113だけにしごかれることになり、衝突エネルギの吸収量が小さくなると共に、運転者が小柄な女性等であっても、ステアリングコラム21の前進が円滑に行われ、運転者の胸部や頭部に大きな衝撃が加わることがなくなるのである。図13中の破線はこの際(小作動荷重時)・・・、小作動荷重が大作動荷重に対して有意に小さくなることが判る。」と記載されている。
さらに、図13には、横軸を「移動ストローク」を示すものと記載されている。
ここで、本件明細書の段落【0026】の「図13はステアリングコラム21の移動ストロークと作動荷重との関係を示すグラフであり」との記載及び図13の横軸を示す「移動ストローク」との記載を踏まえると、図13には、縦軸上の各作動荷重に対して移動ストロークが実線及び破線でプロットされたグラフが示されているといえる。また、図13には、横軸上で同一の移動ストロークでは縦軸上の作動荷重に関して、破線のほうが実線より小さいことも示されている。
そうすると、本件明細書の段落【0026】に記載された「同図中の実線」は、「この際(大作動荷重時)」の「移動ストローク」を示しているといえる。
したがって、訂正事項1の訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項1は、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、新規事項を導入するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否について
上記1(1)で検討したのと同様に、訂正前の本件明細書等には、「この際(小作動荷重時)の試験結果」に関し、該「試験」の具体的内容が明らかでないことに加え、図13中の破線が「試験結果」による作動荷重と移動ストロークの関係を示しているものか明らかでなかったものを、訂正後に「図13中の破線はこの際(小作動荷重時)の移動ストローク」と訂正し、図13の内容を説明している記載に改めるものであるから、訂正事項2の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)新規事項の追加の有無について
上記1(2)における検討を踏まえると、本件明細書の段落【0030】に記載された「同図中の破線」は、「この際(小作動荷重時)」の「移動ストローク」を示しているといえる。
したがって、訂正事項2の訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項2は、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、新規事項を導入するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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