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特許拒絶査定不服審判

2019-012298

複数の範囲を備えるプロセス変数測定及びローカルなディスプレイ

審判番号
2019-012298
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-567121外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年09月17日
審決日
2020年06月15日
公報発行日
2020年12月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G01L) / P18 .575-Z (G01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-567121号「複数の範囲を備えるプロセス変数測定及びローカルなディスプレイ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月29日国際公開、WO2016/209705、平成30年7月12日国内公表、特表2018-518684〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成28年6月16日を国際出願日とする外国語特許出願(パリ条約による優先権主張、外国庁受理2015年6月26日、米国)であって、平成30年2月8日に翻訳文が提出され、同年7月25日付けの拒絶理由通知に対し、平成31年1月21日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和元年5月29日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ(原査定の謄本の送達日:同年6月4日)、これに対して、同年9月17日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に特許請求の範囲についての補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 本件補正の概要 本件補正は、以下の(1)に示される本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下の(2)に示される本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正することを含むものである。下線は、補正箇所を示す。 (1)本件補正前 「【請求項1】 プロセス変数とともに変化する電気特性を有するプロセス変数センサと、 前記プロセス変数センサに結合され、前記電気特性に基づく信号を提供するように構成された測定回路と、 第1の範囲及び第2の範囲を備え、複数の数字インジケータを有する視覚的出力インターフェイスであって、前記第1の範囲は数字インジケータの間に第1の間隔を含み、前記第2の範囲は数字インジケータの間に第2の間隔を含み、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは異なる視覚的出力インターフェイスと、 前記測定回路に結合されたプロセッサであって、前記信号に基づいてプロセス変数を計算し、複数の範囲のうちでいずれの範囲内に前記プロセス変数があるかを判定し、前記プロセス変数と前記判定された範囲とに基づいて、ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサと、 を備える、プロセス変数インジケータ。」 (2)本件補正後 「【請求項1】 プロセス変数とともに変化する電気特性を有するプロセス変数センサと、 前記プロセス変数センサに結合され、前記電気特性に基づく信号を提供するように構成された測定回路と、 第1の範囲及び第2の範囲を備え、複数の数字インジケータを有する視覚的出力インターフェイスであって、前記第1の範囲は数字インジケータの間に第1の間隔を含み、前記第2の範囲は数字インジケータの間に第2の間隔を含み、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは異なる視覚的出力インターフェイスと、 前記測定回路に結合されたプロセッサであって、前記信号に基づいてプロセス変数を計算し、複数の範囲のうちで前記プロセス変数が前記第1の範囲内にあることを判定し、前記第1の範囲内にある前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイスに、ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサと、 を備える、プロセス変数インジケータ。」 2 本件補正についての当審の判断 (1)補正事項 以下では、本件補正前及び本件補正後を単にそれぞれ「補正前」及び「補正後」ともいう。 本件補正前後の請求項1の記載を対比すると、「前記測定回路に結合され」「前記信号に基づいてプロセス変数を計算」する「ように構成された」「プロセッサ」について、補正前は、「複数の範囲のうちでいずれの範囲内に前記プロセス変数があるかを判定し、前記プロセス変数と前記判定された範囲とに基づいて、ローカルな視覚的出力を生成する」とあったのを、補正後は、「複数の範囲のうちで前記プロセス変数が前記第1の範囲内にあることを判定し、前記第1の範囲内にある前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイスに、ローカルな視覚的出力を生成する」とするものである。 (2)補正の適否 上記補正事項は、「前記プロセス変数」が「複数の範囲のうちでいずれの範囲内に」「あるか」という「判定」を、「複数の範囲のうちで前記第1の範囲内にあること」の「判定」に変更して、その「判定」の内容を限定し、また、「ローカルな視覚的出力」の「生成」が「前記第1の範囲内にある前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイス」においてなされることを特定して、上記「判定」の結果に基づいて上記「生成」が行われる場所を限定するものである。 そして、補正前の請求項1に記載された発明と、補正後の請求項1に記載される発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、以下では、補正後における請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件補正発明1」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について検討する。 (2-1)本件補正発明1 本件補正発明1は、上記「1 本件補正の概要」の「(2)本件補正後」において示した次に特定されるとおりのものである。 符号A~Eについては、構成を分説するため当審で付した。 「【請求項1】 A プロセス変数とともに変化する電気特性を有するプロセス変数センサと、 B 前記プロセス変数センサに結合され、前記電気特性に基づく信号を提供するように構成された測定回路と、 C 第1の範囲及び第2の範囲を備え、複数の数字インジケータを有する視覚的出力インターフェイスであって、前記第1の範囲は数字インジケータの間に第1の間隔を含み、前記第2の範囲は数字インジケータの間に第2の間隔を含み、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは異なる視覚的出力インターフェイスと、 D 前記測定回路に結合されたプロセッサであって、前記信号に基づいてプロセス変数を計算し、複数の範囲のうちで前記プロセス変数が前記第1の範囲内にあることを判定し、前記第1の範囲内にある前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイスに、ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサと、 E を備える、プロセス変数インジケータ。」 (2-2)引用文献 ア 引用文献1 原査定の拒絶の理由において引用された特表2013―531318号公報(平成25年8月1日国内公表。以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 「【0010】 図1は、プロセス送信機12を備えた本発明のプロセス制御システム10を示し、このプロセス送信機12は、スケーラブルレンジアビリティを有する通信プロトコルを使用する。プロセス制御システム10は、プロセス送信機12、機器ディスプレイ14、管16、および制御室18を備える。制御室18は、制御ループ20により送信機12に接続され、ワークステーション22を備える。ワークステーション22は、電源および通信インタフェース等の、送信機12と相互作用する種々の構成部品を備える。プロセス送信機12は、管16等のプロセス源に接続され、種々のプロセス変量センサを使用して、差圧ΔPおよび温度T等の、プロセス流体Fのプロセス変量に関連する信号を生成する。プロセス送信機12は、異なる範囲にわたって圧力読取値を示す複数の圧力センサを備えることができる。同様に、プロセス送信機12は、広範囲にわたって温度読取値を示す温度センサを備えることができる。送信機12は、各センサの出力範囲について較正される。本発明のスケーラブルレンジアビリティ技術を使用すると、送信機12は、プロセス変量についてのアナログ制御ループを通じて、異なるレベルの分解能を有するデータを送信することができる。」 「【0012】 ディスプレイ14を使用することにより、送信機12から情報を局所的に得ることができる。ディスプレイ14は、異なる分解能における差圧ΔPおよび温度Tに関連する情報を示す。制御室18で、送信機12から遠隔で情報を得ることもできる。送信機12は、デジタルおよびアナログの両方の制御システムを通じて通信を行い、種々の分解能レベルでデータを制御室18に送信することができる。送信機12は、電子機器モジュール36が無線または有線ネットワークを通じて制御室18とデジタル通信を行うことができるようにする一体型電子機器を備える。種々の実施形態では、プロセス送信機12が、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)またはFOUNDATION(商標)フィールドバスネットワークプロトコルを通じて通信可能である。このようなデジタル通信プロトコルにより、複数のプロセス変量についてのデータを、送信機12から制御室18へ最大分解能で送信することが可能になる。」 「【0021】 システム10は、動作中に管16内に非常に高い差圧(ΔP)を発生させる性能を有する。正常範囲内で、管16内の流れ状態により、例えば0~9psi(約62.1kPa)の小さい差圧のみが発生する。しかし、管16のプロセスが、正常範囲を超えて、管16内の流れ状態がより大きな差圧、例えば9psi(約62.1kPa)~36psi(約248.2kPa)を発生させる拡張範囲に入ることがある。予期しない、流れに無関係の状況により、プロセス圧力が拡張範囲圧力を超えて、さらに大きい差圧(例えば36psi(約248.2kPa)~1000psi(約6.89MPa))が管16内に発生する異常範囲に入ることがある。したがって、正常動作中にプロセスを監視するために、発生する可能性のある差圧の全範囲を監視する場合と比べて、操作者は、対象の小領域における差圧を監視すればよい。正常動作外のプロセスを監視するためには、正常範囲の対象の小領域における差圧を超えて、拡張範囲および異常範囲に入るのを見ることが必要になる。」 「【0032】 図4は、送信機12がスケーラブルレンジアビリティを有する送信機信号をどのように生成するかを示すブロック図である。送信機12は、管16に流体接続され、ワークステーション22に電気的に接続される。送信機12は、ディスプレイ14、差圧センサ58、絶対圧センサ74A、74B、センサ基板56、出力インタフェース70、および送信機回路72を備え、送信機回路72は、信号プロセッサ79およびコントローラ80を備える。差圧センサ58および絶対圧センサ74A、74Bは、管16内で液圧充填流体システム等を通して圧力源に接続され、適切な電気的接続によりセンサ基板56に接続される。センサ基板56は、ケーブル76(図2)により送信電子機器72に接続される。信号プロセッサ79およびコントローラ80は、ケーブル78(図2)を通して出力インタフェース70と直列に接続される。コントローラ80は、局所ディスプレイ14にも結合される。出力インタフェース70は、制御ループ20を通して制御室18のワークステーション22に接続される。ワークステーション22は、入力インタフェース81およびキャラクタライザ82を備える。キャラクタライザ82は、プロセス制御部84およびプロセス警報部86等の制御システムからの出力を供給する。 【0033】 出力インタフェース70および入力インタフェース81は、制御ループ20を通じてアナログループ信号、ループ電流ILをもたらす。ワークステーション22は、送信機12に電力を供給する。送信機12の電源88は、送信機12の電子機器に調整された電力を供給する。コントローラ80は、圧力とアナログ電流との関係に基づいて適切なループ電流を維持する。回路72は、本発明のスケーラブルレンジアビリティ技術を実行する。したがって、4mA~20mAのループ電流ILが、送信機12とワークステーション22の入力インタフェース81との間で送られ、ループ電流ILの大きさは、センサ58またはセンサ74A、74Bにより検出された差圧に基づいてコントローラ80により調節される。 【0034】 本実施形態によれば、圧力センサ58、74A、74Bは、圧力P1、P2の変化として静電容量が変化することにより、管16内の圧力を検出する。センサ58は、P1、P2間の差が0~9psi(0~約62.1kPa)の間で変化したことに応じて、静電容量を変化させる。各センサ74A、74Bは、圧力P1、P2それぞれが0~5000psi(0~約34.5MPa)で変化したことに応じて、静電容量を変化させる。0~9psi(0~約62.1kPa)の検出差圧を表す第1のアナログ信号が、センサ58から生成される。計算された差圧P1-P2を表す第2のアナログ信号が生成される。温度センサ75もセンサ基板56に配置されて、送信機12の温度を表す温度信号を生成する。検出された温度を使用して、信号プロセッサ79により導き出された差圧値を訂正することができる。 【0035】 送信電子機器72の信号プロセッサ79は、センサ58、74A、74Bによるアナログセンサ信号出力をセンサ基板56から得る。信号プロセッサ79は、検出された静電容量の関数であるデジタルセンサ信号を生成する。信号プロセッサ79は、アナログ-デジタル変換、信号調整およびフィルタリングを含む種々の機能を果たすこともできる。信号プロセッサ79は、センサ58、74A、74B用の静電容量-デジタル変換器またはアナログ-デジタル変換器を備える。一実施形態では、3つの変換器が、各センサにつき1つずつ使用される。別の実施形態では、すべてのセンサのそれぞれについての単一の変換器とともに、追加された混合器が使用される。さらに別の実施形態では、2つの変換器が使用され、一方がセンサ58用であり、他方がセンサ74A、74Bにより共有される。 いずれの実施形態においても、信号プロセッサ79は、さらに処理可能なデジタルセンサ信号を生成する。 【0036】 デジタルセンサ信号が、送信機回路72のコントローラ80に送信される。コントローラ80は、マイクロプロセッサを備え、メモリ等の種々の構成部品を備える。センサ75からの入力を使用して、コントローラ80は、当該技術分野で公知のように、温度変化についてのデジタル信号のそれぞれを補償する。信号プロセッサ79のデジタルセンサ信号は、コントローラ80により、例えば、メモリに記憶され、プロセス範囲、センサ範囲、センサ特性等に関連する情報がプログラムされた、参照テーブルまたは式を使用して、デジタル測定圧力値に変換される。コントローラ80は、ディスプレイ制御信号をディスプレイ14に供給して、任意の望ましい分解能で、測定された圧力値をディスプレイ14に直接表示する。これにより、コントローラ80は、検出された圧力が正常範囲、拡張範囲、異常範囲のどれにあるかを判定することができる。 【0037】 コントローラ80は、測定圧力値、および当該測定圧力値を表し出力インタフェース70により制御ループ20を通じて送信されるループ電流ILを生成するために、どのデジタルセンサ信号を使用するかを判定する。コントローラ80は、信号プロセッサ79を制御して、デジタルセンサ信号のいずれかまたはすべてを得ることができる。一実施形態では、コントローラ80に、センサ58からの出力の代わりにセンサ74A、74Bからの出力を使用する特定の圧力遮断レベルがプログラムされる。例えば、コントローラ80に、センサ58が9psi(約62.1kPa)以下の差圧ΔPのみを検出可能であることを示す情報がプログラムされる。またコントローラ80は、センサ58から求められた差圧ΔPを、センサ74A、74Bの信号から計算された差圧ΔPと比較するようにプログラムされる。計算された差圧が正常プロセス動作範囲(9psi(約62.1kPa)未満)内の場合、センサ58から出力された差圧ΔPを使用して、ILとして送信される測定値を生成する。計算された差圧ΔPが正常プロセス動作範囲外であってセンサ58が適切に機能しない場合、計算された差圧ΔPに基づくセンサ74A、74Bからの出力が送信される。 【0038】 (省略) 【0039】 コントローラ80は、本発明のスケーラブルレンジアビリティ計算を実行して、制御ループ20を通じて送信されるアナログ制御信号を生成するようにプログラムされたソフトウェアを含む。より詳細には、コントローラ80は、4mA~20mAにわたって分布したループ電流ILに対応付けられた測定圧力値の分解能を求める。測定圧力を求め、測定圧力を得るためにどのセンサ出力を使用するか、そのままのセンサ出力か、混合したセンサ出力のどちらを使用するかを判定した後、コントローラ80は、プロセスが正常範囲、拡張範囲、異常範囲のどれにあるかを判定する。コントローラ80は、図3A~3Cに例を示すように、アナログ制御信号に対応してプロセスの範囲が設定されている。コントローラ80は、4mA~20mAのスケールのどれだけを検出された圧力に割り当てるべきかを判定する。例えば、コントローラ80は、正常範囲内で検出された圧力が、図3Cに示すように4mA~16mAのループ電流ILを必要とすることを判定する。拡張範囲内で検出された圧力については、16mA~18mAのループ電流ILが必要であり、異常範囲内で検出された圧力については、図3Cに示すように18mA~20mAのループ電流ILが必要である。」 「【図1】 」 「【図3C】 」 「【図4】 」 上記記載内容及び図示内容を総合すれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 [引用発明] 「プロセス送信機12、機器ディスプレイ14、管16、および制御室18を備えるプロセス制御システム10であって、(【0010】、【図1】) 前記プロセス送信機12は、前記管16等のプロセス源に接続された差圧センサ58を備え、差圧ΔP等の、プロセス流体Fのプロセス変量に関連する信号を生成し、プロセス変量についての制御ループ20を通じて、異なるレベルの分解能を有するデータを送信することができるものであり、 (【0010】、【0032】) 前記機器ディスプレイ14は、前記プロセス送信機12から情報を局所的に得て、異なる分解能における差圧ΔPに関連する情報を示すものであり、(【0012】) 前記制御室18は、前記プロセス送信機12から遠隔で送信される種々の分解能レベルでデータを得ることができるものであり、(【0012】) 前記プロセス送信機12は、センサ基板56、出力インタフェース70、および信号プロセッサ79とコントローラ80とからなる送信機回路72を備え、 前記センサ基板56は、前記差圧センサ58に電気的に接続され、ケーブル76により前記送信機回路72に接続され、 前記コントローラ80は、前記機器ディスプレイ14に結合されるものであり、(【0032】、【図4】) 前記差圧センサ58は、圧力P1、P2間の差が0~9psiの間で変化したことに応じて、静電容量を変化させるものであり、(【0034】) 前記送信機回路72の信号プロセッサ79は、アナログ-デジタル変換、信号調整およびフィルタリングを含む種々の機能を果たし、前記差圧センサ58によるアナログセンサ信号出力をセンサ基板56から得て、検出された静電容量の関数であるデジタルセンサ信号を生成するものであり、 (【0035】) 前記デジタルセンサ信号は、マイクロプロセッサを備える前記コントローラ80に送信され、前記コントローラ80により、メモリに記憶され、プロセス範囲、センサ範囲、センサ特性等に関連する情報がプログラムされた、参照テーブルまたは式を使用して、デジタル測定圧力値に変換され、 (【0036】) 前記コントローラ80は、ディスプレイ制御信号を前記機器ディスプレイ14に供給して、任意の望ましい分解能で、測定された圧力値を前記機器ディスプレイ14に直接表示するものであり、(【0036】) 前記コントローラ80は、検出された差圧に基づいてループ電流ILの大きさを調節し、前記出力インタフェース70により制御ループ20を通じて送信されるループ電流ILに対応付けられた測定圧力値の分解能を求めて、プロセスが正常範囲(差圧0~9psi)、拡張範囲(差圧9~36psi)、異常範囲(差圧36~1000psi)のどれにあるかを判定するものである、 (【0033】、【0037】、【0039】、【0021】、【図3C】) プロセス制御システム10。」 イ 引用文献2 原査定の拒絶の理由において引用された実願平4-21419号(実開平5-73526号)のCD-ROM(平成5年10月8日発行。以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 「  【0013】 第1考案~第3考案の各領域T、T1、T2では、目盛りの有無について何ら触れていない。これは、第1考案~第3考案が、領域Tにおいて、直接目盛りを読み取る測定と、各領域T1、T2における指針31の振れ幅を目測で官能評価する測定とがあるからである。ところで上記第3考案の構成は、官能評価測定よりも、直接読み取り測定の方が便利である。そこで、目盛りを表示することとしたが、固定表示では対応できないため、本第4考案で対応することとしたものである。」 「  【0015】 【実施例】 本考案の実施例を図1~図5を参照して以下詳しく説明する。尚、図5は、単独では、従来の指針式ゲージを説明する図でもある。そこで、図1~図4は、従来技術の欄で説明した図5の対応させ、いずれも車両用の指針式丸形水温計3に関する実施例の図とした。尚、本考案に係わる指針式ゲージは、勿論、丸形や水温計だけに限る必要はなく、長手方向移動指針や、圧力計、速度計、位置表示計等各種に適用できる。 【0016】 図1は第1考案の第1実施例を示す図であって、水温計3の全指針振れ領域Tは単位振れ幅の広い領域T1と、単位振れ幅の狭い領域T2とで構成されている。領域T1は80°C~120°Cの常用水温領域であり、他方領域T2は50°C~80°Cの始動時域又はオーバクール領域T21と、120°C~135°Cのオーバヒート領域T22とで構成した。これは、領域T1が、車両のオペレータにとって常時視認する領域であるためであり、拡大して読み取りを容易にしたものである。」 「  【0020】 図4は第2考案の実施例を示す図である。尚、同図は、後述する第3考案の実施例も併記してあるため、幾分参照し難いところもある。同図において、第2考案の実施例は、次の如く構成されている。 【0021】 第1考案に基づく指針式ゲージ3(例えば上述の図1、図2又は図3の各実施例)がマイコン2を経てセンサ1に接続される。マイコン2は、第1考案で既説の全指針振れ領域Tと、領域T1と、領域T2とに対応して、全検出領域Tsと、検出値領域Ts1と、検出値領域Ts2とを予め記憶している。さらに、第1考案で既説の通り、検出値領域Ts1に相当する検出値tが領域T1では指針31が拡大されて振れるように、他方検出値領域Ts2に相当する検出値tが領域T2では指針31が縮小されて振れるように、検出値領域Ts1から領域T1への換算式f(t)と、検出値領域Ts2から領域T2への換算式g(t)とを予め記憶している。 それ故、センサ1から検出値tが入力されると、マイコン2は、先ず該検出値tが両領域Ts1、Ts2のいずれかであるかを判別する。そしてこの結果に基づき、該当する換算式f(t)又は式g(t)で該検出値tを指針振れ幅θtに換算し、この値θtだけ指針31を振らせる。」 「【図1】 」 「【図4】 」 上記記載内容及び図示内容を総合すれば、引用文献2には、以下の技術事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 [引用文献2記載事項] 「指針式ゲージ3がマイコン2を経てセンサ1に接続された水温計において、前記指針式ゲージ3の全指針振れ領域Tは単位振れ幅の広い領域T1と、単位振れ幅の狭い領域T2とで構成されており、 前記領域T1は80°C~120°Cの常用水温領域であり、前記領域T2は50°C~80°Cの始動時域又はオーバクール領域T21と、120°C~135°Cのオーバヒート領域T22とで構成されており、 前記マイコン2は、前記全指針振れ領域Tと、領域T1と、領域T2とに対応して、全検出領域Tsと、検出値領域Ts1と、検出値領域Ts2とを予め記憶しており、前記検出値領域Ts1に相当する検出値tが、前記領域T1では指針31が拡大されて振れるように、前記検出値領域Ts2に相当する検出値tが前記領域T2では指針31が縮小されて振れるように、前記検出値領域Ts1から前記領域T1への換算式f(t)と、前記検出値領域Ts2から前記領域T2への換算式g(t)とを予め記憶しており、 前記センサ1から検出値tが入力されると、前記マイコン2は、先ず、前記検出値tが両領域Ts1、Ts2のいずれかにあるかを判別し、この結果に基づき、該当する換算式f(t)又は式g(t)で前記検出値tを指針振れ幅θtに換算し、この値θtだけ指針31を振らせるようにしたこと。 また、この指針式ゲージ3は、水温計だけに限る必要はなく、圧力計にも適用できること。 さらに、この指針式ゲージ3の領域Tには目盛りがあり、測定は直接目盛りを読み取ることにより行われること。」 ウ 引用文献5 原査定の拒絶の理由において引用された米国特許出願公開第2010/0162822号明細書(2010年7月1日発行。以下、「引用文献5」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 「[0005]A conventional analog refrigerant pressure gauge 11 is shown in FIG.1. When such an analogpressure gauge 11 is used to service an HVAC system, the main analogscale 13 of the analog pressure gauge 11 indicates pressure inPSI (pounds per square inch) or KPa (metric Kilo-Pascals). Additional inner analog scales (circular bands of numbers) 15 are alsoprinted on the face of the analog pressure gauge 11. The additionalinner scales 15 indicate the saturated vapor equivalent temperaturefor different refrigerants at the measured refrigerantpressure. Because of the limited space on the analog pressure gaugeface, only two or three different inner scales for differentrefrigerants can fit onto the face of any one analog pressure gauge.FIG.1 shows a typical prior art analog pressure gauge with only twosaturated vapor equivalent temperature scales (refrigerants R-22 andR-134a) on its face.」 [日本語訳] 「従来のアナログ式冷媒圧力ゲージ11が図1に示されている。このようなアナログ式冷媒圧力ゲージ11がHVACシステムを稼働するために用いられるとき、アナログ式冷媒圧力ゲージ11のメインのアナログスケール13は、PSI(インチ四方あたりのパウンド数)又はKPa(計量キロパスカル)単位で圧力を表示する。追加的な内側のアナログスケール15(円周上に配置された数字群)もまた、アナログ式圧力ゲージ11の表面に印刷されている。追加的な内側スケール15は、異なる冷媒に対して、測定された冷媒圧力における飽和蒸気等価温度を表示する。アナログ式圧力ゲージの表面の空間は限られているため、どんなアナログ式圧力ゲージであっても、その表面には、異なる冷媒に対して、2つか3つの異なる内側スケールしか設けられない。図1は、アナログ式圧力ゲージの典型的な先行技術を示しており、飽和蒸気等価温度のスケールが2つだけ(冷媒R-22とR-134a)その表面に設けてある。」 「Fig 1 」 上記記載内容及び図示内容を総合すれば、引用文献5には、以下の技術事項(以下、「引用文献5記載事項」という。)が記載されていると認められる。 [引用文献5記載事項] 「測定された冷媒の圧力をPSI又はKPa単位でメインのアナログスケール13に表示するアナログ式冷媒圧力ゲージ11において、前記アナログスケール13には、測定値を示す数字が目盛りを付して設けられており、隣接する数字及び目盛りは所定の間隔だけ離れて設けられていること。」 (2-3)対比 本件補正発明1と引用発明とを対比する。 なお、対比の見出しは(a)~(e)とし、本件補正発明1の構成の分説に対応させている。 (a)引用発明の「差圧ΔP等の、プロセス流体Fのプロセス変量」は、本件補正発明1の「プロセス変数」に相当し、引用発明の「圧力P1、P2間の差が0~9psiの間で変化したことに応じて」「変化」する「静電容量」は、本件補正発明1の「プロセス変数とともに変化する電気特性」に相当する。 よって、引用発明の「管16等のプロセス源に接続された差圧センサ58」は、本件補正発明1の構成Aの「プロセス変数とともに変化する電気特性を有するプロセス変数センサ」に相当する。 (b)引用発明の「送信機回路72の信号プロセッサ79」は、「前記差圧センサ58によるアナログセンサ信号出力をセンサ基板56から得て」おり、「前記差圧センサ58」に接続されているといえるから、このことは、本件補正発明1の「前記プロセス変数センサに結合され」ることに相当する。 また、引用発明の「送信機回路72の信号プロセッサ79」は、「検出された静電容量の関数であるデジタルセンサ信号を生成するもの」であり、この「検出された静電容量の関数であるデジタルセンサ信号」は、本件補正発明1の「前記電気特性に基づく信号」に相当する。 そして、引用発明では、「前記デジタルセンサ信号は、マイクロプロセッサを備える前記コントローラ80に送信され」るから、このことは、本件補正発明1の「前記電気特性に基づく信号を提供するように構成された」ことに相当する。 よって、引用発明の「送信機回路72の信号プロセッサ79」は、本件補正発明1の構成Bの「前記プロセス変数センサに結合され、前記電気特性に基づく信号を提供するように構成された測定回路」に相当する。 (c)引用発明の「機器ディスプレイ14」は、「プロセス送信機12から情報を局所的に得て、異なる分解能における差圧ΔPに関連する情報を示すもの」であるから、本件補正発明1の構成Cの「視覚的出力インターフェイス」に相当する。 (d)引用発明の「マイクロプロセッサを備えるコントローラ80」は、 「信号プロセッサ79」で「生成」された「デジタルセンサ信号」を受信しており、上記「コントローラ80」の「マイクロプロセッサ」は、「信号プロセッサ79」に電気的に接続されているといえるから、引用発明の「コントローラ80」の「マイクロプロセッサ」は、本件補正発明1の「前記測定回路に結合されたプロセッサ」に相当する。 また、引用発明の「マイクロプロセッサを備えるコントローラ80」は、「前記デジタルセンサ信号」を「参照テーブルまたは式を使用して、デジタル測定圧力値に変換」しているから、このことは、本件補正発明1の「前記信号に基づいてプロセス変数を計算」することに相当する。 さらに、引用発明の「マイクロプロセッサを備えるコントローラ80」は、「ディスプレイ制御信号を前記機器ディスプレイ14に供給して、任意の望ましい分解能で、測定された圧力値を前記機器ディスプレイ14に直接表示するもの」であるから、このことは、本件補正発明1の「プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイス」に「視覚的出力を生成する」ことに相当する。 そして、「前記機器ディスプレイ14」で表示される「異なる分解能における差圧ΔPに関連する情報」は、「前記プロセス送信機12から」「局所的に得」られるものであるから、引用発明の「前記機器ディスプレイ14」で表示される「異なる分解能における差圧ΔPに関連する情報」は、本件補正発明1の「ローカルな視覚的出力」に相当する。 そうすると、本件補正発明1と引用発明とは、「前記測定回路に結合されたプロセッサであって、前記信号に基づいてプロセス変数を計算し、前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイスに、ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサ」を備える点で共通する。 (e)引用発明の「機器ディスプレイ14」は、「プロセス送信機12から情報を局所的に得て、異なる分解能における差圧ΔPに関連する情報を示す」から、このような「機器ディスプレイ14」を備えた引用発明の「プロセス制御システム10」は、本件補正発明1の構成Eの「プロセス変数インジケータ」に相当する。 上記(a)~(e)の対比により、本件補正発明1と引用発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点1及び2で相違する。 [一致点] 「プロセス変数とともに変化する電気特性を有するプロセス変数センサと、 前記プロセス変数センサに結合され、前記電気特性に基づく信号を提供するように構成された測定回路と、 視覚的出力インターフェイスと、 前記測定回路に結合されたプロセッサであって、前記信号に基づいてプロセス変数を計算し、前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイスに、ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサと、 を備える、プロセス変数インジケータ。」 [相違点1] 「視覚的出力インターフェイス」について、本件補正発明1では、「第1の範囲及び第2の範囲を備え、複数の数字インジケータを有する視覚的出力インターフェイスであって、前記第1の範囲は数字インジケータの間に第1の間隔を含み、前記第2の範囲は数字インジケータの間に第2の間隔を含み、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは異なる視覚的出力インターフェイス」である(構成C)のに対して、引用発明では、そのように構成されたものであるか明らかではない点。 [相違点2] 「ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサ」について、本件補正発明1では、「複数の範囲のうちで前記プロセス変数が前記第1の範囲内にあることを判定し、前記第1の範囲内にある前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイスに、ローカルな視覚的出力を生成する」(構成D)のに対して、引用発明では、そのような構成を備えていない点。 (2-4)判断 ア 相違点1について (ア) 上記引用文献2記載事項では、「指針式ゲージ3の前記指針式ゲージ3の全指針振れ領域Tは単位振れ幅の広い領域T1と、単位振れ幅の狭い領域T2とで構成されており」、この「単位振れ幅の広い領域T1」及び「単位振れ幅の狭い領域T2」が、本件補正発明1の「視覚的出力インターフェイス」の「第1の範囲」及び「第2の範囲」にそれぞれ相当する。 (イ) また、上記引用文献2記載事項の「指針式ゲージ3」の「全指針振れ領域T」には、測定の際、直接読み取られる「目盛り」があり、この「目盛り」は、測定値を表すものであるから、本件補正発明1の「複数の」「インジケータ」に相当する。 (ウ) 上記(ア)及び(イ)の検討内容を踏まえると、上記引用文献2記載事項の「指針式ゲージ3」は、本件補正発明1の「第1の範囲及び第2の範囲を備え、複数の」「インジケータを有する視覚的出力インターフェイス」に相当する。 (エ) ここで、本件補正発明1の「第1の範囲」及び「第2の範囲」にある「数字インジケータの間」の「第1の間隔」及び「第2の間隔」に関して、本願明細書の段落【0009】には、以下の記載がある。下線は当審が付与した。 「 図1は、本発明の一実施例によるプロセス変数インジケータの概略図である。図1に示された例では、装置100は、プロセス継手102に結合されたプロセス流体の圧力を示す。プロセス流体の圧力は、圧力センサまたは圧力検知カプセル等の圧力検知コンポーネントにおける変化を生成する。そして、検出された圧力は装置100の面106をわたって放射状に動く物理的な針104の動きと相関する。このように、0~200psiの間の圧力読み取りは、ほぼ一定の角度間隔で行われる。したがって、この第1の間隔の内部の所与の圧力変化について、針は、第1の角度変化を通して動く。例えば、20~100psiの圧力変化(80psiの差分)は、約90度の針の角度的移動を生成する。しかしながら、200psiを超えて最大800psiまで、はるかに小さい角度間隔が用いられる。この範囲において、圧力は、ユーザ指定の動作範囲を超えるが、装置100は、規模圧力の表示の提供に依然として有効である。この範囲において、所与の圧力変化は、針が第1の動作範囲内にあるときよりも著しく小さな針の角度的移動を生成する。加えて、圧力が800psiを超えるケースでは、針は、800psiのマークを超えて時計回りに動いて過剰圧力を示す。このように、図1に示された実施形態は、その面上に示された複数の範囲で動作する物理的インジケータを有するプロセス変数測定及びディスプレイ装置である。」 「【図1】 」 (オ) 上記記載から、本件補正発明1の「数字インジケータの間」の「第1の間隔」及び「第2の間隔」の「間隔」とは、いずれも、面106に設けられた隣接する数字どうしの物理的な距離(数字の配置間隔)や隣接する目盛りどうしの物理的な距離(目盛りの配置間隔)を意味するのではなく、図1に示されているように、面106における数字や目盛りの配置は均等(ほぼ等間隔)にしておきながら、隣接する主要な目盛り(一番長い目盛り)の上にある数字から読み取れる測定値の変化の度合いを表すと解するのが相当である。 (図1において、例えば、面106上にある「100」の数字と「120」の数字では、それらの数字から読み取れる測定値の変化の度合いは20であるから、その場合の「数字インジケータの間」の「間隔」は20であり、「200」の数字と「500」の数字とでは、それらの数字から読み取れる測定値の変化の度合いは300であるから、その場合の「数字インジケータの間」の「間隔」は300である。) (カ)他方、上記引用文献2記載事項の「指針式ゲージ3」の「全指針振れ領域T」にある「目盛り」が、どのように設けられているかについては明示されていないものの、「前記領域T1は80°C~120°Cの常用水温領域であり、前記領域T2は50°C~80°Cの始動時域又はオーバクール領域T21と、120°C~135°Cのオーバヒート領域T22とで構成されて」いるから、少なくとも、これらの各領域の上限及び下限に該当する箇所には、その旨を示す目盛りが設けられていると認められる。 実際、図1の(a)には、領域T1とT22の境界(t=120℃に該当する箇所)に目盛りが明示されており、また、測定値の変化を読み取るための主要な節目である、領域T21の下限(t=50℃)、領域T21とT1の境界(t=80℃)、T1の中央部(t=100℃)、領域T1とT22の境界(t=120℃)、T22の上限(t=135℃)では、図1の(a)と(b)が点線が結ばれていることから、これらに該当する箇所に目盛りが設けられていると考えるのは自然なことである。 (キ) そして、上記引用文献2記載事項の領域T21の上限と下限に設けられた目盛りの間で読み取れる測定値の変化の度合いは、80-50=30であり、領域T1の上限、中央部及び下限に設けられた目盛りの間で読み取れる測定値の変化の度合いは、100-80=120-100=20であり、領域T22の上限と下限に設けられた目盛りの間で読み取れる測定値の変化の度合いは、135-120=15であるから、各領域での隣接する目盛りの間で読み取れる測定値の変化の度合いは異なっており、このことは、上記(オ)で述べた「間隔」に係る解釈に照らせば、「数字」から測定値を読み取るか「目盛り」から測定値を読み取るかという相違はあるにせよ、本件補正発明1の「第1の間隔」と「第2の間隔」とが「異なる」ことに対応する。 (ク) 上記(ア)~(キ)の検討内容を踏まえると、上記引用文献2記載事項の「指針式ゲージ3」は、本件補正発明1の「第1の範囲及び第2の範囲を備え、複数の」「インジケータを有する視覚的出力インターフェイスであって、前記第1の範囲は」「インジケータの間に第1の間隔を含み、前記第2の範囲は」「インジケータの間に第2の間隔を含み、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは異なる視覚的出力インターフェイス」に対応する。 (ケ) ここで、上記引用文献2記載事項では、「この指針式ゲージ3は、水温計だけに限る必要はなく、圧力計にも適用できる」とされているから、上記引用文献2記載事項を引用発明の「異なる分解能における差圧ΔPに関連する情報を示す」「機器ディスプレイ14」に適用し、同時に、例えば、引用文献5記載事項に開示された慣用技術(スケールに測定値を示す数字が目盛りを付して設けられ、隣接する数字は所定の間隔だけ離れて設けられていること)を採用して、上記引用文献2記載事項の「目盛り」(「インジケータ」)を数字付きの目盛り(「数字インジケータ」)とすることにより、「数字」からも測定値を読み取れるようにして、上記相違点1に係る本件補正発明1の構成Cとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点2について (ア) 上記引用文献2記載事項の「マイコン2」は、「センサ1から検出値tが入力されると」、「前記検出値t」が「単位振れ幅の広い領域T1」と「単位振れ幅の狭い領域T2」に対応した記憶された「領域Ts1、Ts2のいずれかであるかを判別し」ており、「単位振れ幅の広い領域T1」と「単位振れ幅の狭い領域T2」は、本件補正発明1の「複数の範囲」に相当し、「前記検出値t」が「単位振れ幅の広い領域T1」に対応した記憶された「領域Ts1」にあると「判別」することは、本件補正発明1の「複数の範囲のうちで前記プロセス変数が前記第1の範囲内にあることを判定」することに相当する。 (イ) また、上記引用文献2記載事項の「マイコン2」が、「前記検出値t」が「単位振れ幅の広い領域T1」に対応した記憶された「領域Ts1」にあると判別し」た「結果」に「基づき」、「前記検出値領域Ts1から前記領域T1への換算式f(t)」で「前記検出値tを指針振れ幅θtに換算し、この値θtだけ指針31を振らせるようにしたこと」は、本件補正発明1の「前記第1の範囲内にある前記プロセス変数の前記視覚的出力インターフェイスに、ローカルな視覚的出力を生成する」ことに相当する。 (ウ) ここで、上記引用文献2記載事項では、「この指針式ゲージ3は、水温計だけに限る必要はなく、圧力計にも適用できる」とされているから、上記引用文献2記載事項の「マイコン2」が行う処理内容を、引用発明の「コントローラ80」が行うように適用することにより、上記相違点2に係る本件補正発明1の構成Dとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 請求人の主張について 審判請求書において、請求人は、 「 上述した引用文献1の記載には、スケーラブルレンジアビリティを有する信号をワークステーションに送信することは記載されていますが、プロセス変数が特定の範囲にあることを判定すること、判定した特定の範囲に視覚的出力を生成することは記載されていません。即ち、引用文献1は、信号に基づいてプロセス変数を計算し、複数の範囲のうちでプロセス変数が第1の範囲内にあることを判定し、第1の範囲内にあるプロセス変数の視覚的出力インターフェイスにローカルな視覚的出力を生成することは開示も示唆もしていません。 また、引用文献2~5も、信号に基づいてプロセス変数を計算し、複数の範囲のうちでプロセス変数が第1の範囲内にあることを判定し、第1の範囲内にあるプロセス変数の視覚的出力インターフェイスにローカルな視覚的出力を生成することは開示も示唆もしていません。」 と主張している(下線は、当審が付した。)。 しかしながら、上記イにおいて検討したとおり、上記引用文献2記載事項の「マイコン2」が行う処理内容を、引用発明の「コントローラ80」が行うように適用することにより、上記相違点2に係る本件補正発明1の構成Dとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 また、本件補正発明1の奏する効果についても、引用発明及び上記引用文献2、5記載事項から当業者が予測可能な範囲内のものにすぎず、格別顕著なものであるということはできない。 したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。 よって、本件補正発明1は、引用発明及び上記引用文献2、5記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 小括 以上のとおりであるから、本件補正については、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記第2において述べたとおり却下されたので、本願の請求項1~18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明18」という。)は、平成31年1月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~18に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち、本願発明1は次のとおりである。 (本件補正発明1と同じ構成については、同じ符号A~C、Eをそれぞれ用いており、異なる構成については、符号D’を用いている。) [本願発明1] 「【請求項1】 A プロセス変数とともに変化する電気特性を有するプロセス変数センサと、 B 前記プロセス変数センサに結合され、前記電気特性に基づく信号を提供するように構成された測定回路と、 C 第1の範囲及び第2の範囲を備え、複数の数字インジケータを有する視覚的出力インターフェイスであって、前記第1の範囲は数字インジケータの間に第1の間隔を含み、前記第2の範囲は数字インジケータの間に第2の間隔を含み、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは異なる視覚的出力インターフェイスと、 D’ 前記測定回路に結合されたプロセッサであって、前記信号に基づいてプロセス変数を計算し、複数の範囲のうちでいずれの範囲内に前記プロセス変数があるかを判定し、前記プロセス変数と前記判定された範囲とに基づいて、ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサと、 E を備える、プロセス変数インジケータ。」 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由のうち、本願発明1についての理由は、 本願発明1は、下記の引用文献1、2及び5に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1:特表2013-531318号公報 引用文献2:実願平04-021419号(実開平5-73526号) のCD-ROM 引用文献5:米国特許出願公開第2010/0162822号明細書 というものである。 3 引用文献に記載された事項 上記引用文献1、2及び5は、それぞれ上記「(2-2)引用文献」において引用した引用文献1、2及び5であり、上記引用文献1には、上記「[引用発明]」において認定したとおりの「引用発明」が記載されていると認められ、上記引用文献2及び5には、それぞれ上記「[引用文献2記載事項]」及び「[引用文献5記載事項]」において認定したとおりの技術事項が記載されていると認められる。 4 本願発明1に係る対比・判断 (1)対比 ア 本願発明1は、本件補正発明1の構成Dを「 D’ 前記測定回路に結合されたプロセッサであって、前記信号に基づいてプロセス変数を計算し、複数の範囲のうちでいずれの範囲内に前記プロセス変数があるかを判定し、前記プロセス変数と前記判定された範囲とに基づいて、ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサ」としたものであり、その他の構成は、本件補正発明1の構成A~C、Eと同じである。 イ 本願発明1と引用発明を対比すると、上記「(2-3)対比」の(a)~(e)において検討した内容が同様に当てはまるから、本願発明1と引用発明とは、上記一致点と同じ内容で一致し、上記相違点1と同じ内容で相違するとともに以下の相違点2’で相違する。 [相違点2’] 「ローカルな視覚的出力を生成するように構成された、プロセッサ」について、本願発明1では、「複数の範囲のうちでいずれの範囲内に前記プロセス変数があるかを判定し、前記プロセス変数と前記判定された範囲とに基づいて、ローカルな視覚的出力を生成する」(構成D’)のに対して、引用発明では、そのような構成を備えていない点。 (2)判断 ア 上記相違点1については、上記「(2-4)判断」「ア 相違点1について」で検討した内容が同様に当てはまり、引用発明及び上記引用文献2、5記載事項に基づいて、上記相違点1に係る本願発明1の構成Cとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 上記相違点2’については、上記「(2-4)判断」「イ 相違点2について」で検討した内容も考慮すると、 (ア) 上記引用文献2記載事項の「単位振れ幅の広い領域T1」と「単位振れ幅の狭い領域T2」は、本願発明1の「複数の範囲」に相当し、「前記検出値t」が「単位振れ幅の広い領域T1」と「単位振れ幅の狭い領域T2」に対応した記憶された「領域Ts1、Ts2のいずれかであるかを判別」することは、本願発明1の「複数の範囲のうちでいずれの範囲内に前記プロセス変数があるかを判定」することに相当する。 (イ) また、上記引用文献2記載事項の「マイコン2」が、「前記検出値tが両領域Ts1、Ts2のいずれかにあるかを判別し、この結果に基づき、該当する換算式f(t)又は式g(t)で前記検出値tを指針振れ幅θtに換算し、この値θtだけ指針31を振らせるようにしたこと」は、本願発明1の「前記プロセス変数と前記判定された範囲とに基づいて、ローカルな視覚的出力を生成する」ことに相当する。 (ウ) ここで、上記引用文献2記載事項では、「この指針式ゲージ3は、水温計だけに限る必要はなく、圧力計にも適用できる」とされているから、上記引用文献2記載事項の「マイコン2」が行う処理内容を、引用発明の「コントローラ80」が行うように適用することにより、上記相違点2に係る本願発明1の構成D’とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 上記ア及びイの検討内容をまとめると、本願発明1は、引用発明及び上記引用文献2、5記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-012298

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