特許拒絶査定不服審判
2017-002752
感知装置
- 審判番号
- 2017-002752
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-186253
- 請求日
- 2017年02月27日
- 審決日
- 2018年06月05日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヤン シャンミン
- 【請求人代理人】廣瀬 隆行
- 【請求人】ヤン,ツーリン
- 【請求人代理人】廣瀬 隆行
- 【請求人】ヤン,ハオ
- 【請求人代理人】廣瀬 隆行
- 審判長/審判官
- 審判長 中塚 直樹
- 審判官 清水 稔
- 審判官 須原 宏光
- 分類
- P18 .121-WZ (G01L) / P18 .113-WZ (G01L) / P18 .537-WZ (G01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-186253「感知装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月28日出願公開、特開2016- 14684〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成21年1月24日を国際出願日とする特願2011-546564号の一部を、平成27年9月24日に新たな特許出願としたものであって、平成27年10月19日付けで手続補正がなされ、平成28年7月7日付けで拒絶理由が通知され、平成28年10月5日付けで手続補正がなされたが、平成28年10月24日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成29年2月27日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされ、当審において、平成29年10月11日付けで拒絶理由が通知され、平成30年3月27日付けで手続補正がなされたものである。
第2 本願発明について
本願の請求項1-10に係る発明は、平成30年3月27日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】
使用者の姿勢を決定するための感知装置において、
ベース材料層と、
前記ベース材料層に設置された複数のセンサと、を含み、
前記複数のセンサが接続されて、前記複数のセンサのうちの一又は複数のセンサに加えられた外力によって変化する1つの回路出力を出力するように構成された2つの出力端を有する1つの回路が形成されており、
前記複数のセンサのそれぞれは、固有のセンサ感応値を出力するように構成されており、
前記複数のセンサのうちのあるセンサのセンサ感応値は、前記複数のセンサのうちの他の全てのセンサのセンサ感応値と異なり、
ある一又は複数のセンサのセンサ感応値を加算して得られた合計値は、他の一又は複数のセンサのセンサ感応値を加算して得られた合計値と全て異なる
感知装置。」
第3 当審における拒絶理由の概要
当審において、平成29年10月11日付けで通知した拒絶理由の「理由3(進歩性)」の概要は、次のとおりである。
「理由3 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1-3、5、7-8
・引用文献等 1
・請求項 6
・引用文献等 1、2
・請求項 9
・引用文献等 1、3
<引用文献等一覧>
1.特開平6-4742号公報
2.特開2007-035586号公報
3.登録実用新案第3024717号公報」
第4 引用文献、引用発明等
当審における上記拒絶理由で引用した、本願の原出願の国際出願日前に頒布された刊行物である引用文献1(特開平6-4742号公報) には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。)。
「(57)【要約】
【目的】 取り扱い商品のアイテム数が多い場合であってもワイヤーハーネスの配線数の削減を実現できる商品選択装置を提供することを目的とする。
【構成】 商品選択スイッチ1a~1dを直列接続するとともに、各商品選択スイッチに重み付けされた抵抗器9a~9dを並列接続し、直列接続して構成された商品選択スイッチ群2の直列抵抗から何れの商品選択スイッチが操作されたかを判別する演算手段10を設け、商品選択スイッチ群2と演算手段10との間を2本の配線だけで接続しするだけで、複数の商品選択スイッチの何れが操作されたかを検出できる。」(なお、「2本の配線だけで接続しするだけで、」は「2本の配線だけで接続するだけで、」の誤記である。)」
「【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動販売機の商品選択装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動販売機の接客面には取り扱い商品ごとに商品選択スイッチが設けられており、利用者は購入を希望する商品に対応した商品選択スイッチを操作して商品の払い出しを受けるように構成されている。」
「【0005】本発明はワイヤーハーネス8の配線数の削減を実現できる商品選択装置を提供することを目的とする。」
「【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1と図2に基づいて説明する。なお、従来例を示す図3と図4と同様の作用をなすものには、同一の符号を付けて説明する。
【0009】本発明の商品選択装置は図1に示すように構成されている。この図1では4個の商品選択スイッチ1a~1dの操作を監視する場合を示しており、商品選択スイッチ1a~1dを直列接続するとともに各商品選択スイッチ1a~1dごとに重み付けされた抵抗器9a~9dを並列接続して商品選択スイッチ群2が構成されている。商品選択スイッチ群2の直列抵抗値を監視して商品選択スイッチ1a~1dのうちの何れの商品選択スイッチが操作されたかを識別する演算手段10は、A/D変換器11と演算部12とで構成されている。
【0010】具体的には、抵抗器9a~9dは次のように設定されている。
抵抗器9a 1KΩ
抵抗器9b 2KΩ
抵抗器9c 4KΩ
抵抗器9d 8KΩ
にそれぞれ設定されており、A/D変換器11でデジタル変換されたデータを処理する演算部12は次のように構成されている。
【0011】演算部12はA/D変換器11を介して商品選択スイッチ群2の直列抵抗値のデータを受け入れて、データで与えられる直列抵抗値が“ 14KΩ(2KΩ+4KΩ+8KΩ)”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1aが操作されていると識別して出力ポートO1 ~O4 のうちの出力ポートO1 をローレベルに反転させる。同様に、データで与えられる直列抵抗値が“ 13KΩ(1KΩ+4KΩ+8KΩ)”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1bが操作されていると識別して出力ポートO1 ~O4 のうちの出力ポートO2 をローレベルに反転させる。データで与えられる直列抵抗値が“ 11KΩ(1KΩ+2KΩ+8KΩ)”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1cが操作されていると識別して出力ポートO1 ~O4のうちの出力ポートO3 をローレベルに反転させる。データで与えられる直列抵抗値が“ 7KΩ(1KΩ+2KΩ+4KΩ)”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1dが操作されていると識別して出力ポートO1 ~O4 のうちの出力ポートO4 をローレベルに反転させる。なお、演算部12はデータで与えられる直列抵抗値が“ 14KΩ ”“ 13KΩ ”“ 11KΩ ”“ 7KΩ ”の各近傍の値でない場合には、商品選択スイッチ1a~1dのうちの複数が同時に操作されているかまたは操作されていないと認識して、出力ポートO1 ~O4 の全てを規定時間にわたってハイレベルに維持するように構成されている。
【0012】抵抗器9a~9dは図2に示すように商品選択スイッチ1a~1dのスイッチとしてのタクトスイッチ13と同一のプリント配線板14に実装されており、商品選択スイッチ群2と演算手段10はコネクタ15と2本のコード16a,16bで接続されている。
【0013】このように構成したため、取り扱い商品のアイテム数に応じて商品選択スイッチの数が増加しても、各商品選択スイッチに並列接続する重み付けの抵抗値をその他と異ならせることによって、対応することができる。
【0014】したがって、2本のコード16a,16bを引き回すだけで実装することができるため、細いワイヤーハーネス8の引き回しだけで実装することができ、コネクタ15も小型のもので済む。
【0015】上記の実施例の商品選択スイッチ1a~1dは、操作されていない状態でオフ状態で操作されたときにオン状態になるものとして説明したが、操作されていない状態でオン状態で操作されたときにオフ状態になるものであっても同様に実施することができる。具体的には、抵抗器9a~9dが上記の実施例と同じように1KΩ,2KΩ,4KΩ,8KΩの場合に、演算部12はA/D変換器11を介して商品選択スイッチ群2の直列抵抗値のデータを受け入れて、データで与えられる直列抵抗値が“ 1KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1aが操作されていると識別して出力ポートO1 ~O4 のうちの出力ポートO1 をローレベルに反転させる。同様に、データで与えられる直列抵抗値が“ 2KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1bが操作されていると識別して出力ポートO1~O4 のうちの出力ポートO2 をローレベルに反転させる。データで与えられる直列抵抗値が“ 4KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1cが操作されていると識別して出力ポートO1 ~O4 のうちの出力ポートO3 をローレベルに反転させる。データで与えられる直列抵抗値が“ 8KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1dが操作されていると識別して出力ポートO1 ~O4 のうちの出力ポートO4 をローレベルに反転させる。なお、演算部12はデータで与えられる直列抵抗値が“ 1KΩ ”“ 2KΩ ”“ 4KΩ ”“ 8KΩ”の各近傍の値でない場合には、商品選択スイッチ1a~1dのうちの複数が同時に操作されているかまたは操作されていないと認識して、出力ポートO1 ~O4 の全てを規定時間にわたってハイレベルに維持するように構成される。」
これらのことから、引用文献1には、操作されていない状態でオン状態で操作されたときにオフ状態になる商品選択スイッチ1a~1dを用いる場合(段落【0015】参照。)について、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「商品選択スイッチ1a~1dを直列接続するとともに、各商品選択スイッチに重み付けされた抵抗器9a~9dを並列接続し、直列接続して構成された商品選択スイッチ群2の直列抵抗から何れの商品選択スイッチが操作されたかを判別する演算手段10を設け、商品選択スイッチ群2と演算手段10との間を2本の配線だけで接続するだけで、複数の商品選択スイッチの何れが操作されたかを検出できる(フロントページ、【構成】より。以下、同様。)、商品選択装置(【0005】)であって、
利用者は購入を希望する商品に対応した商品選択スイッチを操作して商品の払い出しを受けるように構成され(【0002】)、
抵抗器9a~9dは商品選択スイッチ1a~1dのスイッチとしてのタクトスイッチ13と同一のプリント配線板14に実装されており、商品選択スイッチ群2と演算手段10はコネクタ15と2本のコード16a,16bで接続され【0012】)、各商品選択スイッチに並列接続する重み付けの抵抗値をその他と異ならせ(【0013】)、
商品選択スイッチ1a~1dは、操作されていない状態でオン状態で操作されたときにオフ状態になるものであって、具体的には、抵抗器9a~9dが1KΩ,2KΩ,4KΩ,8KΩの場合に、演算部12は、商品選択スイッチ群2の直列抵抗値のデータを受け入れて、データで与えられる直列抵抗値が“ 1KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1aが操作されていると識別し、同様に、データで与えられる直列抵抗値が“ 2KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1bが操作されていると識別し、データで与えられる直列抵抗値が“ 4KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1cが操作されていると識別し、データで与えられる直列抵抗値が“ 8KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1dが操作されていると識別し、データで与えられる直列抵抗値が“ 1KΩ ”“ 2KΩ ”“ 4KΩ ”“ 8KΩ”の各近傍の値でない場合には、商品選択スイッチ1a~1dのうちの複数が同時に操作されているかまたは操作されていないと認識する(【0015】)、
商品選択装置(【0005】)。」
第4 対比・判断
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明1とを対比する。
(ア)引用文献1における「商品選択装置」は、「複数の商品選択スイッチの何れが操作されたかを検出」するものであるから、本願発明1における「使用者の姿勢を決定するための感知装置」とは、「使用者の状況を決定するための感知装置」の点で共通するといえる。
(イ)引用文献1における「プリント配線板14」が、本願発明1における「ベース材料層」に相当する。
(ウ)引用文献1において、「直列接続」された「商品選択スイッチ1a~1d」と、「各商品選択スイッチ」に「並列接続」された「抵抗器9a~9d」とは、「複数の商品選択スイッチの何れが操作されたかを検出」するのに用いられているから、本願発明1における「複数のセンサ」に相当する。
(エ)上記(イ)(ウ)を踏まえると、引用文献1における「同一のプリント配線板14に実装され」た、「抵抗器9a~9d」と「商品選択スイッチ1a~1dのスイッチ」とが、本願発明1における「前記ベース材料層に設置された複数のセンサ」に相当する。
(オ)引用文献1における「商品選択スイッチ」は「タクトスイッチ13」であるから、引用文献1における「商品選択スイッチ」が、「利用者」によって加えられた外力によって「操作」されることは明らかである。
そして、引用発明1における「商品選択スイッチ1a~1dは、操作されていない状態でオン状態で操作されたときにオフ状態になるものであって、具体的には、抵抗器9a~9dが1KΩ,2KΩ,4KΩ,8KΩの場合に、演算部12は、商品選択スイッチ群2の直列抵抗値のデータを受け入れて、データで与えられる直列抵抗値が“ 1KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1aが操作されていると識別し、同様に、データで与えられる直列抵抗値が“ 2KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1bが操作されていると識別し、データで与えられる直列抵抗値が“ 4KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1cが操作されていると識別し、データで与えられる直列抵抗値が“ 8KΩ ”近傍の値の場合には商品選択スイッチ1dが操作されていると識別し、データで与えられる直列抵抗値が“ 1KΩ ”“ 2KΩ ”“ 4KΩ ”“ 8KΩ”の各近傍の値でない場合には、商品選択スイッチ1a~1dのうちの複数が同時に操作されているかまたは操作されていないと認識」しているから、引用発明1における「商品選択スイッチ群2と演算手段10」とを「2本のコード16a,16bで接続」する「コネクタ15」の(商品選択スイッチ群2側の)2つの端子には、「利用者」によって加えられた外力によって「操作」(「複数が同時に操作され」ることもある。)された「商品選択スイッチ」に「並列接続」された「抵抗器」の抵抗値(「複数が同時に操作され」た場合には、抵抗値の合計値)が出力されていることは明らかである。
よって、引用発明1における、「利用者」によって「操作」される(「複数が同時に操作され」ることもある。)「商品選択スイッチ群2」を、「演算手段10」に「2本のコード16a,16bで接続」する「コネクタ15」の(商品選択スイッチ群2側の)2つの端子を含む回路が、本願発明1における「前記複数のセンサが接続されて、前記複数のセンサのうちの一又は複数のセンサに加えられた外力によって変化する1つの回路出力を出力するように構成された2つの出力端を有する1つの回路」に相当するといえる。
(カ)引用発明1における「各商品選択スイッチ」に「並列接続」された「抵抗器9a~9d」は、「重み付けされ」ており、「具体的には、抵抗器9a~9dが1KΩ,2KΩ,4KΩ,8KΩ」であるから、引用発明1における「各商品選択スイッチ」が、「重み付けされ」た抵抗値として、「具体的には、抵抗器9a~9dが1KΩ,2KΩ,4KΩ,8KΩ」を出力することが、本願発明1における「前記複数のセンサのそれぞれは、固有のセンサ感応値を出力するように構成されており、前記複数のセンサのうちのあるセンサのセンサ感応値は、前記複数のセンサのうちの他の全てのセンサのセンサ感応値と異な」ることに相当する。
(キ)引用発明1における「重み付けされ」た抵抗値は、「具体的には、抵抗器9a~9dが1KΩ,2KΩ,4KΩ,8KΩ」であるから、一又は複数の「商品選択スイッチ」に「並列接続」された「抵抗器」の抵抗値を加算して得られた合計値は、他の一又は複数の「商品選択スイッチ」に「並列接続」された「抵抗器」の抵抗値と全て異なるものである。
よって、引用発明1における「各商品選択スイッチ」に「並列接続」された「抵抗器9a~9d」は、「重み付けされ」ており、「具体的には、抵抗器9a~9dが1KΩ,2KΩ,4KΩ,8KΩ」であることが、本願発明1における「ある一又は複数のセンサのセンサ感応値を加算して得られた合計値は、他の一又は複数のセンサのセンサ感応値を加算して得られた合計値と全て異なる」ことに相当する。
イ 以上のことから、本願発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「使用者の状況を決定するための感知装置において、
ベース材料層と、
前記ベース材料層に設置された複数のセンサと、を含み、
前記複数のセンサが接続されて、前記複数のセンサのうちの一又は複数のセンサに加えられた外力によって変化する1つの回路出力を出力するように構成された2つの出力端を有する1つの回路が形成されており、
前記複数のセンサのそれぞれは、固有のセンサ感応値を出力するように構成されており、
前記複数のセンサのうちのあるセンサのセンサ感応値は、前記複数のセンサのうちの他の全てのセンサのセンサ感応値と異なり、
ある一又は複数のセンサのセンサ感応値を加算して得られた合計値は、他の一又は複数のセンサのセンサ感応値を加算して得られた合計値と全て異なる
感知装置。」
(相違点1)
本願発明1では、使用者の状況を決定するための感知装置が「使用者の姿勢を決定するための」ものであるのに対し、引用発明は、「利用者」によって「複数の商品選択スイッチの何れが操作されたかを検出できる」、「商品選択装置」であって、人の姿勢を決定するためのものではない点。
(2)判断
そこで、上記相違点1について検討すると、例えば、実願昭48-136193号(実開昭50-84160号)のマイクロフィルムに、「体重を受けて接点を閉じる機能を有する開閉器と報知器で構成されるスキー練習器で」、「スキーヤーの体重の落ちる場所を感知し、前頃又は後傾姿勢を報知する」( 明細書第1頁、「2.実用新案登録請求の範囲」欄)と記載され、また、特開平3-140106号公報に「なお、実施例では、姿勢検知部8に複数の感圧センサ81~8Nを用いた場合について説明したが、姿勢検知部8は、複数のスイッチ、光ファイバー、加圧導電ゴム等で構成でき、同様に、姿勢を電気的に検出することができる。」(第4頁左上欄第2~6行)と記載されているように、開閉器(スイッチ)により、人の姿勢を検知することは、周知の事項である。
そして、引用発明1と上記周知の事項とは、開閉器(スイッチ)の開閉状態を特定する技術である点で共通するから、引用発明1の「商品選択装置」に用いられた特徴的な構成、つまり、「商品選択スイッチ群2と演算手段10との間を2本の配線だけで接続するだけで、複数の商品選択スイッチの何れが操作されたかを検出できる」ようにする構成を、上記周知の事項に転用し、引用発明1における上記特徴的な構成が、人の姿勢を検知するためのものとなるようにして、上記相違点1に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことと認められる。
また、本願発明1の奏する作用効果は、引用発明1の上記特徴的な構成が奏する作用効果(つまり、配線数の削減)、及び周知の事項(開閉器(スイッチ)により、人の姿勢を検知すること)から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
よって、本願発明1は、引用発明1及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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