特許訂正審判
2018-390189
通信ゲームシステム
- 審判番号
- 2018-390189
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2011-180122外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年11月30日
- 審決日
- 2019年06月21日
- 公報発行日
- 2019年09月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .852-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項4号特許法126条5項特許法126条6項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第5項、特許法第131条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5595991号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5595991号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2、3、〔4-6〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第5595991号の請求項1~9に係る特許についての出願は、平成17年7月27日に出願した特願2005-217404号(優先権主張平成17年5月6日)の一部を平成23年4月15日に新たな特許出願とした特願2011-91194号の一部を平成23年8月22日に新たな特許出願(特願2011-180122号)としたものであって、平成26年8月15日にその特許権の設定登録がされ、平成30年11月30日に訂正審判の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、本件訂正請求に対して、令和1年5月7日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年同月22日に意見書、並びに審判請求書及び訂正特許請求の範囲を補正する手続補正書の提出がされたものである。
第2 訂正拒絶理由の概要
当審が令和1年5月7日付けで通知した訂正拒絶理由の概要は次のとおりである。
「訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書に掲げる何れの事項を目的とするものではなく、又、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるから、特許法第126条第6項に適合するものではない。」
「訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書に掲げる何れの事項を目的とするものではなく、又、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるから、特許法第126条第6項に適合するものではない。」
「一群の請求項について、請求項1及び4、5、6からなる一群の請求項に係る訂正事項1及び4は、上記1のとおり訂正事項1-2が、特許法第126条第1項ただし書に掲げるいずれの事項を目的とするものではなく、又、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであって、特許法第126条第6項に適合するものではないから、これを認めることができない。」
第3 手続補正の適否
令和1年5月22日に提出され手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)の内容は、実質的に、訂正事項1及び訂正事項5を削除することをその内容とするものである。
本件補正の内容は、審判請求の趣旨の減縮的変更に該当するものであるから、審判請求書の要旨を変更するものとはいえない。
したがって、本件補正は、特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、これを認める。
以上、本件補正により、当審による訂正拒絶理由は解消された。
第4 請求の趣旨
上記第3のとおり、本件補正が認められることから、本件訂正審判請求の請求の趣旨は、本件補正により補正された審判請求書に記載されたとおり、「特許第5595991号の特許請求の範囲を、本審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~6について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第5 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、次のとおりである。(注:下線部分は訂正箇所を示す。)
1 請求項2に係る訂正(訂正事項1)
特許請求の範囲における請求項2に、
「前記各ゲーム装置は、前記登録手段によって登録された相手識別情報から任意の相手識別情報を選択する選択手段をさらに備え、
前記通信手段は、前記選択手段によって選択された相手識別情報に対応する他のゲーム装置との間でネットワーク通信を行う、請求項1記載の通信ゲームシステム。」とあるのを、独立形式に改め、
「各々に識別情報が付与されており、他のゲーム装置とネットワーク通信を行う通信手段を備える複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムであって、
各ゲーム装置毎に他のゲーム装置の前記識別情報である相手識別情報をリストに登録する登録手段、
前記複数のゲーム装置のうちの第1ゲーム装置において相手識別情報が指定されたときに、当該相手識別情報に対応する第2ゲーム装置の前記リストに当該第1ゲーム装置の識別情報が登録されているか否かを判断する判断手段、および
前記判断手段によって前記リストに前記第1ゲーム装置の前記識別情報が登録されていると判断されたことを条件として、前記第1ゲーム装置が前記通信手段を用いて前記第2ゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可する許可手段を備え、
前記各ゲーム装置は、前記登録手段によって登録された相手識別情報から任意の相手識別情報を選択する選択手段をさらに備え、
前記通信手段は、前記選択手段によって選択された相手識別情報に対応する他のゲーム装置との間でネットワーク通信を行う、通信ゲームシステム。」と訂正する。
2 請求項3に係る訂正(訂正事項2)
特許請求の範囲における請求項3に、
「前記各ゲーム装置は、前記他のゲーム装置との間で通信ゲームを実行する通信ゲーム実行手段をさらに備え、
前記登録手段は、前記通信ゲーム実行手段によって通信ゲームが実行された後、前記他のゲーム装置の識別情報である相手識別情報を前記リストに登録する、請求項1または2記載の通信ゲームシステム。」とあるうち、請求項1の記載を引用するものに限り、これを独立形式に改めるとともに、
「各々に識別情報が付与されており、他のゲーム装置とネットワーク通信を行う通信手段を備える複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムであって、
各ゲーム装置毎に他のゲーム装置の前記識別情報である相手識別情報をリストに登録する登録手段、
前記複数のゲーム装置のうちの第1ゲーム装置において相手識別情報が指定されたときに、当該相手識別情報に対応する第2ゲーム装置の前記リストに当該第1ゲーム装置の識別情報が登録されているか否かを判断する判断手段、および
前記判断手段によって前記リストに前記第1ゲーム装置の前記識別情報が登録されていると判断されたことを条件として、前記第1ゲーム装置が前記通信手段を用いて前記第2ゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可する許可手段を備え、
前記各ゲーム装置は、前記他のゲーム装置との間で通信ゲームを実行する通信ゲーム実行手段をさらに備え、
前記登録手段は、前記第1ゲーム装置および前記第2ゲーム装置の識別情報が前記複数のゲーム装置のうちの第3ゲーム装置の前記リストに登録されている場合に、通信ゲーム実行手段によって前記第1ゲーム装置と前記第2ゲーム装置との通信ゲームが実行された後、前記第2ゲーム装置の前記リストに前記第1ゲーム装置の前記識別情報を登録する指示がなされたことに応じて、前記第1ゲーム装置の前記識別情報である相手識別情報を前記第2ゲーム装置の前記リストに登録する、通信ゲームシステム。」と訂正する。
3 請求項4に係る訂正(訂正事項3)
特許請求の範囲における請求項4に、
「各ゲーム装置は、前記他のゲーム装置と近距離無線通信を行う第2通信手段を更さらに備え、
前記登録手段は、前記第2通信手段による前記近距離無線通信で前記他のゲーム装置から受信した前記相手識別情報を前記リストに登録する、請求項1記載の通信ゲームシステム。」とあるのを、独立形式に改め、
「各々に識別情報が付与されており、他のゲーム装置とネットワーク通信を行う通信手段を備える複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムであって、
各ゲーム装置毎に他のゲーム装置の前記識別情報である相手識別情報をリストに登録する登録手段、
前記複数のゲーム装置のうちの第1ゲーム装置において相手識別情報が指定されたときに、当該相手識別情報に対応する第2ゲーム装置の前記リストに当該第1ゲーム装置の識別情報が登録されているか否かを判断する判断手段、および
前記判断手段によって前記リストに前記第1ゲーム装置の前記識別情報が登録されていると判断されたことを条件として、前記第1ゲーム装置が前記通信手段を用いて前記第2ゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可する許可手段を備え、
各ゲーム装置は、前記他のゲーム装置と近距離無線通信を行う第2通信手段を更さらに備え、
前記登録手段は、前記第2通信手段による前記近距離無線通信で前記他のゲーム装置から受信した前記相手識別情報を前記リストに登録する、通信ゲームシステム。」と訂正する(請求項4の記載を直接的又は間接的に引用する請求項5又は請求項6も同様に訂正する)。
6 別の請求単位とする求め
審判請求人は、訂正後の請求項3について、当該請求項の訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。
第6 当審の判断
1 請求項2に係る訂正(訂正事項1)について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項2の記載が訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記(1)のとおり、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであって、訂正前の請求項2に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、訂正前の請求項2の記載が訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載された範囲内でするものであることは明らかである。
(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同ただし書第1号または第2号に掲げる事項を目的とするものではないから、請求項2に係る訂正事項1に関して、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
3 請求項3に係る訂正(訂正事項2)について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項3の記載が訂正前の請求項1または請求項2の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用するもののみ請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正(以下「訂正事項2-1」という。)、及び、訂正前の請求項3に記載の「登録手段」について、「前記第1ゲーム装置および前記第2ゲーム装置の識別情報が前記複数のゲーム装置のうちの第3ゲーム装置の前記リストに登録されている場合に、通信ゲーム実行手段によって前記第1ゲーム装置と前記第2ゲーム装置との通信ゲームが実行された後、前記第2ゲーム装置の前記リストに前記第1ゲーム装置の前記識別情報を登録する指示がなされたことに応じて、前記第1ゲーム装置の前記識別情報である相手識別情報を前記第2ゲーム装置の前記リストに登録する」と限定したものである(以下「訂正事項2-2」という。)。
そして、訂正事項2-1は、請求項1の記載を引用するもののみ請求項1の記載を引用しないものとするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものに該当し、また、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものでもある。
また、訂正事項2-2は、「登録手段」を限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものに該当する。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2-1は、上記(1)のとおり、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであって、訂正事項2-2は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、訂正前の請求項3に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2-1は、訂正前の請求項3の記載が訂正前の請求項1または請求項2の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用するもののみ請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載された範囲内でするものであることは明らかである。
訂正事項2-2に関連する記載として、願書に添付した明細書等の発明の詳細な説明には、「この実施例では、あるゲーム装置10の友達リストに登録されている友達同士が友達ではない場合には、両者を紹介するようにしている。つまり、ゲーム装置10は、通信ゲームを行った友達の友達であるゲーム装置10がインターネットに接続中である場合には、友達からその友達のゲーム装置10の情報を取得することができる。そして、紹介された友達同士で通信ゲームを実行することができ、お友達リストデータに相手の識別情報を登録することができる。」(【0097】)及び「たとえば、操作スイッチ20またはタッチパネル22から登録を指示する入力データが検出されたか否かを判断する。この場合には、プレイヤは希望する相手の識別情報のみをお友達リストに登録することができる。」(【0138】)と記載されていることから、訂正事項2-2は、願書に添付した明細書等に記載された事項に基づくものであって、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載された事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件特許に係る侵害訴訟事件(平成29年(ワ)第43185号)において、被告(株式会社コロプラ)が提出している各証拠(乙44~46)についても検討したが、各証拠には、訂正後の特許請求の範囲の請求項3における発明特定事項のうち、「前記登録手段は、前記第1ゲーム装置および前記第2ゲーム装置の識別情報が前記複数のゲーム装置のうちの第3ゲーム装置の前記リストに登録されている場合に、通信ゲーム実行手段によって前記第1ゲーム装置と前記第2ゲーム装置との通信ゲームが実行された後、前記第2ゲーム装置の前記リストに前記第1ゲーム装置の前記識別情報を登録する指示がなされたことに応じて、前記第1ゲーム装置の前記識別情報である相手識別情報を前記第2ゲーム装置の前記リストに登録する」ことについては、記載も示唆もない。
よって、訂正後の特許請求の範囲の請求項3に記載された事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
4 請求項4に係る訂正(訂正事項3)について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項4の記載が訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項3は、上記(1)のとおり、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであって、訂正前の請求項4に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、訂正前の請求項4の記載が訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載された範囲内でするものであることは明らかである。
(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同ただし書第1号または第2号に掲げる事項を目的とするものではないから、請求項4に係る訂正事項3に関して、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
5 小括
訂正後の請求項2及び請求項3に係る訂正事項1及び訂正事項2は、引用関係の解消を目的とする訂正であって、特許権者から、訂正後の請求項3について訂正が認められるときは請求項2とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、請求項3は、請求項2とは別途訂正することを認めるものである。
以上のことから、本件特許請求の範囲を訂正請求された特許請求の範囲のとおり、請求項2、3、〔4-6〕について、訂正することを認める。
第7 むすび
以上のとおりであって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に規定する事項を目的とするものである。
また、特許法第126条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。
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