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特許訂正審判

2018-390187

ゲームプログラム、ゲーム装置、および入力装置

審判番号
2018-390187
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2004-257370外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年11月30日
審決日
2019年05月24日
公報発行日
2019年08月30日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .851-Y (A63F) / P141 .852-Y (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第3734820号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第3734820号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1について訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 手続の経緯の概要は以下のとおりである。 平成16年 9月 3日 出願(特願2004-257370号) 平成17年10月14日 特許査定 平成17年10月28日 設定登録(特許第3734820号) 平成28年 6月14日 訂正審判の請求(訂正2016-390074号) 平成28年 8月 3日 審決(訂正を認める) 平成30年11月30日 本件訂正審判の請求(訂正2018-390187号) 第2 訂正の可否に対する判断 1 請求の趣旨及び訂正の内容 本件特許第3734820号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1について訂正することを認める,との審決を求める。 そして,その訂正内容は,以下のとおりである(下線は,当審で付した。以下も同じ。)。 (1) 請求項1の訂正 ア 訂正事項1 平成28年6月14日付け訂正審判の請求による訂正が認められた,特許請求の範囲の請求項1における(以下,単に「訂正前の」という。)「所定の座標系に基づいて,プレイヤの操作に応じて指定される座標情報を出力するタッチパネルによって操作されるゲーム装置のコンピュータに実行されるゲームプログラムであって,」を, 「表示部,および,当該表示部に設けられたタッチパネルを備え,所定の座標系に基づいて,プレイヤの操作に応じて指定される座標情報を出力する当該タッチパネルによって操作されるゲーム装置のコンピュータに実行されるゲームプログラムであって,」と訂正する。 イ 訂正事項2 訂正前の「ゲーム制御を行うステップであって」を, 「ゲームオブジェクトの移動制御を行うステップであって」と訂正する。 ウ 訂正事項3 訂正前の「前記指示座標が前記基準位置を中心とした所定半径を有する円領域からなる制限範囲を逸脱したときには,指示座標が前記制限範囲の外縁部にあるときの入力距離に基づいてゲーム制御を行う,ゲーム制御ステップと」を, 「前記指示座標が前記基準座標を中心とした所定半径を有する円領域からなる制限範囲を逸脱したときには,指示座標が前記制限範囲の外縁部にあるときの入力距離に基づいて前記ゲームオブジェクトの移動制御を行う,ゲーム制御ステップと」と訂正する。 エ 訂正事項4 訂正前の特許請求の範囲の請求項1における「ゲーム制御ステップと」と「を実行させる,ゲームプログラム。」の間に「前記制限範囲を表す画像を前記表示部に表示させる表示ステップと」を挿入して訂正する。 2 当審の判断 (1)訂正事項1について 訂正事項1は,2箇所の訂正があるため,「表示部,および,当該表示部に設けられたタッチパネルを備え,」に係る訂正を「訂正事項1-1」とし,「当該(タッチパネル)」に係る訂正を「訂正事項1-2」とする。 ア 訂正事項1-1 訂正事項1-1は,訂正前の【請求項1】にある「ゲーム装置」に対して,「表示部」を備えること,該「表示部」が「タッチパネル」を備えるものであることを限定するものであるから,訂正事項1-1は,特許請求の範囲の減縮に該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,願書に添付した明細書の段落【0030】に「図1において,本実施形態のゲーム装置1は,2つの液晶表示器(LCD)11および12を所定の配置位置となるように,ハウジング18に収納して構成される。具体的には,第1液晶表示器(以下,「LCD」という)11および第2LCD12を互いに上下に配置して収納する場合は,ハウジング18が下部ハウジング18aおよび上部ハウジング18bから構成され,上部ハウジング18bが下部ハウジング18aの上辺の一部で回動自在に支持される。」と記載されているとおり,ゲーム装置1には,液晶表示器(LCD)である第2LCD12が設けられており,当該「第2LCD12」は,液晶表示器であるから,「表示部」に他ならない。 さらに,同段落【0032】に「また,第2LCD12の上面には,本発明の入力装置の一例としてタッチパネル13(図1における破線領域)が装着される。」と記載されているとおり,「表示部」である「第2LCD12」の上面に「タッチパネル13」が設けられており,「表示部」が「タッチパネル」を備えるものである。 したがって,訂正事項1-1によって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項1-1によって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,訂正事項1-1は特許法第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項1-2 訂正事項1-2は,上記のとおり,訂正事項1-1によって,タッチパネルが,表示部に設けられたタッチパネルであることを限定されたため,これを受けて「所定の座標系に基づいて,プレイヤの操作に応じて指定される座標情報を出力するタッチパネル」の箇所の「タッチパネル」についても,同じく「表示部に設けられたタッチパネル」であることを限定するものであるから,訂正事項1-2は,特許請求の範囲の減縮に該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,訂正事項1-2によって訂正された事項は,訂正事項1-1によって限定された事項と同じであるから,上記「ア 訂正事項1-1」で述べたとおり,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項1-2によって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,訂正事項1-1は特許法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2 訂正事項2は,訂正前の【請求項1】にある「ゲーム制御を行うステップ」に対して,「ゲームオブジェクトの移動制御を行うステップ」と,どのような制御を行うかを限定するものであるから,訂正事項2は,特許請求の範囲の減縮に該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,願書に添付した明細書の段落【0008】に「なお,特許文献1には,プレイヤの指の移動軌跡にあわせ相対的にカーソルを移動させる方式も開示されている。また,特許文献2では,プレイヤがタッチパネルをタッチした指の動きのベクトルに応じた動きで,タッチして選択された対象をゲーム画面上で移動させる方式が開示されている。しかしながら,これらの方式では,プレイヤの指が移動しない限り入力がされないため,ジョイスティックを模した入力を実現することができない。なぜなら,上述したように実際のジョイスティックはレバーを所定位置で保持しているときに一定の入力が継続して出力されるものであるからである。より具体的に言えば,特許文献2で開示された方式を用いてタッチした指の動きのベクトルに応じた動きでゲームオブジェクトを移動させる場合,ゲームオブジェクトを移動させるためには指を動かし続けなければならない。」,および,同段落【0009】に「それ故に,本発明の目的は,ポインティングデバイスを用いてジョイスティックを模した操作において,プレイヤにおける操作の混乱を防ぐゲームプログラム,ゲーム装置,および入力装置を提供することである。」と記載されているとおり,本件特許は,ポインティングデバイスを用いてジョイスティックを模した操作における,「ゲームオブジェクトの移動制御」を行うステップを有するゲームプログラムである。 したがって,訂正事項2によって限定された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項2によって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,訂正事項2は特許法第126条第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は,2箇所の訂正があるため,「前記基準座標」に係る訂正を「訂正事項3-1」とし,「前記ゲームオブジェクトの移動制御」に係る訂正を「訂正事項3-2」とする。 ア 訂正事項3-1 訂正事項3-1は,訂正前の【請求項1】にある「前記基準位置」を,「前記基準座標」とするものである。 ここで,訂正前の「前記基準位置」について,請求項1において,当該記載より前に「基準位置」なる語句はなく,また,願書に添付した明細書においても「基準位置」なる語句はない。 そして,「所定半径を有する円領域からなる制限範囲」について検討すると,願書に添付した明細書の段落【0057】に「次に,CPUコア21は,指示点が原点に設けられた制限範囲を逸脱しているか否かを判断する(ステップ46)。図8に示すように,原点(ox,oy)を中心とした所定領域は,制限範囲として設定される。例えば,制限範囲は,原点(ox,oy)を中心とした所定半径を有する円領域で設定される。」と記載されているとおり,「制限範囲」は,「原点(ox,oy)を中心とした所定半径を有する円領域で設定」されるものである。 さらに,同段落【0048】に「図4において,CPUコア21は,接触フラグをONに設定する(ステップ55)。そして,CPUコア21は,現在プレイヤがタッチパネル13をタッチ操作している接触点(以下,単に接触点と記載する)をタッチパネル13の原点(基準座標)に設定し記憶する(ステップ56)。具体的には,上記タッチパネル座標系において,接触点を(tx,ty),原点を(ox,oy)とすると,CPUコア21は, ox=tx oy=ty として,原点座標を設定する。」と記載されているとおり,「原点である(ox,oy)を原点座標を設定」して,原点は「原点(基準座標)」でもあるから,「所定半径を有する円領域からなる制限範囲」は,「基準座標」を中心としていることになる。 したがって,訂正前の【請求項1】にある「前記基準位置」は,「前記基準座標」の誤記であることは明らかであり,訂正事項3-1は,誤記の訂正に該当し,特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,上述したとおり,訂正事項3-1によって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項3-1によって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,訂正事項3-1は特許法第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項3-2 「(訂正事項3-2に係る)ゲーム制御」は,「前記指示座標が前記基準座標を中心とした所定半径を有する円領域からなる制限範囲を逸脱したときには,指示座標が前記制限範囲の外縁部にあるときの入力距離に基づいたゲーム制御」(以下,「訂正事項3-2ゲーム制御」という。)」のことであり,この「訂正事項3-2ゲーム制御」は,「(訂正事項2に係る)ゲーム制御」である「基準座標から前記指示座標への方向である入力方向および前記基準座標から前記指示座標までの距離である入力距離に基づいたゲーム制御」を,ある特定の条件の下で行われた場合の制御として,さらに限定したものである。 したがって,訂正事項3-2は,訂正事項2によって「(訂正事項2に係る)ゲーム制御」が「ゲームオブジェクトの移動制御」と訂正されたことにともない,対応する「訂正事項3-2ゲーム制御」に係る「ゲーム制御」を,同様に「ゲームオブジェクトの移動制御」とし,さらに,先出の「ゲームオブジェクトの移動制御」を受けて「前記ゲームオブジェクトの移動制御」としたものであるから,明瞭でない記載の釈明に該当し,特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,訂正事項2によって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項3-2によって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,訂正事項3-2は特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4 訂正事項4は,訂正前の【請求項1】に「前記制限範囲を表す画像を前記表示部に表示させる表示ステップ」を付加して,限定するものであるから,訂正事項4は,特許請求の範囲の減縮に該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,願書に添付した明細書の段落【0093】に「また,上記実施例で説明した原点および当該原点を中心に設定される制限範囲の少なくとも一方を表す画像を,第2LCD12に表示してもかまわない。本発明は,プレイヤがタッチパネル13を視認しなくても感覚的に原点位置を認識できるものであるが,タッチパネル13が覆う第2LCD12に原点や制限範囲を表示することによって,さらにプレイヤにタッチパネル13における原点や制限範囲の位置をリアルタイムに示すことができる。」と記載されているとおり,「制限範囲」を「表示部」である「第2LCD12」に表示してもよいことが記載されているから,訂正事項4によって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項4によって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,訂正事項4は特許法第126条第6項の規定に適合する。 (5)訂正事項1,2,3-1,および4によって訂正された訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができる発明であるかについて 本件特許に係る侵害訴訟事件(平成29年(ワ)第43185号)において,被告(株式会社コロプラ)が提出している各証拠(乙1,2,22ないし38号証(枝番号を含む))についても検討したが,各証拠には,特に訂正後の特許請求の範囲の請求項1における発明特定事項のうち「指示座標が基準座標を中心とした所定半径を有する円領域からなる制限範囲」を有し,該制限範囲について「制限範囲を表す画像を表示部に表示させる」表示ステップを実行させるゲームプログラムについては,記載も示唆もなく,当該発明特定事項が周知技術や設計的事項であるとする根拠もない。 したがって,これらの証拠によっては,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができないとすることはできない。 その他に,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。 以上のとおりであるから,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができないとすることはできない。 第3 むすび 以上のとおりであるから,本件訂正審判の請求は,特許法126条1項ただし書1号,2号,および3号に掲げる事項を目的とするものである。 また,同条5項,6項,及び7項の規定にも適合する。 よって,結論のとおり審決する。

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2018-390187

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