特許訂正審判
2025-390051
ゲームプログラム、ゲームシステム、情報処理装置、および情報処理方法
- 審判番号
- 2025-390051
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2024-032983外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7528390
- 請求日
- 2025年04月21日
- 審決日
- 2025年06月19日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .857-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項4号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7528390号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7528390号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2、4〕、3について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7528390号(以下「本件特許」という。)は、令和3年12月22日に出願した特願2021-208276の一部を令和5年9月11日に新たな特許出願(特願2023-146784)とし、さらにその一部を令和6年3月5日に新たな特許出願(特願2024-32983)としたものであって、同年7月26日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和7年4月21日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、「特許第7528390号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示すために合議体が付した。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」
と記載されているのを、
「空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても、前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合には、前記仮想空間内に前記空中用搭乗キャラクタを出現させ、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、前記現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」
に訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に、
「前記コンピュータにさらに、
前記プレイヤキャラクタが所定の基準を超える高さから、又は、所定の基準を超える速度で空中から地面に落下した場合に、前記プレイヤキャラクタに所定のダメージを与えさせる、請求項1又は2に記載のゲームプログラム。」
と記載されているのを、
「情報処理装置のコンピュータに、
仮想空間内において、操作入力に基づいてプレイヤキャラクタを制御させ、
前記プレイヤキャラクタが空中にいるか否かの判定をさせ、
前記プレイヤキャラクタが所有する所有キャラクタのうち、前記プレイヤキャラクタが搭乗可能な複数種類の搭乗キャラクタのいずれかが選択されて搭乗指示が行われた場合、前記プレイヤキャラクタを当該選択された前記搭乗キャラクタに搭乗させて、移動可能な状態にさせ、
空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても、前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合には、前記仮想空間内に前記空中用搭乗キャラクタを出現させ、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、前記現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、
前記プレイヤキャラクタが前記空中用搭乗キャラクタに搭乗中に、操作入力に基づいて前記空中用搭乗キャラクタに搭乗した前記プレイヤキャラクタを空中において移動させ、
前記プレイヤキャラクタが所定の基準を超える高さから、又は、所定の基準を超える速度で空中から地面に落下した場合に、前記プレイヤキャラクタに所定のダメージを与えさせる、ゲームプログラム。」
に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4に、「請求項1から3のいずれか記載のゲームプログラム」と記載されているのを、「請求項1又は2に記載のゲームプログラム」に訂正する。
第4 訂正の適否についての判断
1 訂正事項1について
(1) 特許法第126条第1項ただし書に規定する要件について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、「前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」としていたのを、「空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても、前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合には、前記仮想空間内に前記空中用搭乗キャラクタを出現させ、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、前記現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」とすることにより、「プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合」において、現在選択されている搭乗キャラクタと出現させる「空中用搭乗キャラクタ」の関係及び現在選択されている搭乗キャラクタと搭乗させる「空中用搭乗キャラクタ」の関係について何も特定されていなかったものを、「空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても」、「仮想空間内に前記空中用乗キャラクタを出現させ」、「現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させ」ると特定されたものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2) 特許法第126条第5項に規定する要件について
本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の【0099】には、「図11の上図に示されるように、プレイヤキャラクタ70が通常の状態において、プレイヤの操作入力に基づいて、プレイヤキャラクタ70がジャンプ動作を行う。当該ジャンプ動作によってプレイヤキャラクタ70が地面71から離れ、一時的に空中にいる状態となる。プレイヤキャラクタ70が一時的に空中にいる間、図11の上図に示されるように、プレイヤキャラクタ70の近辺には、Aボタン53の押下を促す表示とともに、鳥キャラクタ78を示す表示が行われる。このとき、Aボタン53が押下されると、図11の下図に示されるように、鳥キャラクタ78が出現し、プレイヤキャラクタ70が鳥キャラクタ78に搭乗した状態となる。図11の上図に示されるように、選択画像76として、鳥キャラクタ78以外の搭乗キャラクタ(例えば、馬キャラクタ77)を示す画像が表示されているときでも、プレイヤキャラクタ70が空中にいるときにAボタン53が押下された場合には、プレイヤキャラクタ70は鳥キャラクタ78に搭乗する。すなわち、プレイヤキャラクタ70が空中にいるときは、搭乗キャラクタの選択操作が行われなくても、Aボタン53の押下に応じて、プレイヤキャラクタ70は鳥キャラクタ78に搭乗する。」と記載されている。
そして、【0099】の「プレイヤキャラクタ70が一時的に空中にいる間」、「Aボタン53が押下されると、図11の下図に示されるように、鳥キャラクタ78が出現し」、「選択画像76として、鳥キャラクタ78以外の搭乗キャラクタ(例えば、馬キャラクタ77)を示す画像が表示されているときでも、プレイヤキャラクタ70が空中にいるときにAボタン53が押下された場合には、プレイヤキャラクタ70は鳥キャラクタ78に搭乗する」との記載を踏まえると、本件特許明細書等には、訂正事項1に係る「空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても、前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合には、前記仮想空間内に前記空中用乗キャラクタを出現させ、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、前記現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させ」る構成が記載されているといえる。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3) 特許法第126条第6項に規定する要件について
訂正事項1は、上記(1)で検討したように、本件特許の特許請求の範囲の請求項1において、発明特定事項を限定したものであるから、特許請求の範囲の拡張又は変更には該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1) 特許法第126条第1項ただし書に規定する要件について
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項3において、「前記コンピュータにさらに、前記プレイヤキャラクタが所定の基準を超える高さから、又は、所定の基準を超える速度で空中から地面に落下した場合に、前記プレイヤキャラクタに所定のダメージを与えさせる、請求項1又は2に記載のゲームプログラム。」としていたのを、「情報処理装置のコンピュータに、
仮想空間内において、操作入力に基づいてプレイヤキャラクタを制御させ、
前記プレイヤキャラクタが空中にいるか否かの判定をさせ、
前記プレイヤキャラクタが所有する所有キャラクタのうち、前記プレイヤキャラクタが搭乗可能な複数種類の搭乗キャラクタのいずれかが選択されて搭乗指示が行われた場合、前記プレイヤキャラクタを当該選択された前記搭乗キャラクタに搭乗させて、移動可能な状態にさせ、
空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても、前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合には、前記仮想空間内に前記空中用搭乗キャラクタを出現させ、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、前記現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、
前記プレイヤキャラクタが前記空中用搭乗キャラクタに搭乗中に、操作入力に基づいて前記空中用搭乗キャラクタに搭乗した前記プレイヤキャラクタを空中において移動させ、
前記プレイヤキャラクタが所定の基準を超える高さから、又は、所定の基準を超える速度で空中から地面に落下した場合に、前記プレイヤキャラクタに所定のダメージを与えさせる、ゲームプログラム。」
とすることにより、
ア 訂正前の「請求項1又は2」を引用するとの特定を、訂正前の請求項3が引用する請求項1の構成を用いた特定を行うことで、請求項3を独立項形式に改め、
イ 上記アの訂正に伴い、訂正前の請求項1において、「前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」としていたのを、「空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても、前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合には、前記仮想空間内に前記空中搭乗キャラクタを出現させ、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、前記現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」との特定をし、
ウ 上記ア、イの訂正に加え、訂正前の請求項1における「情報処理装置のコンピュータ」に、「前記プレイヤキャラクタが空中にいるか否かの判定をさせ」ることを特定するものである。
上記アの訂正は、訂正前の請求項3の記載が訂正前の請求項1又は2の記載を引用する記載であったものを、請求項1を引用する請求項2について請求項間の引用関係を解消し、請求項2の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めることで、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。
上記イの訂正は、上記1(1)で検討したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
上記ウの訂正に関して、訂正前の請求項1において、「プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合」との特定がされているものの、「プレイヤキャラクタが空中にいる」ことを判定する処理が特定されていなかったが、上記ウの訂正において、訂正後の請求項3では、「情報処理装置のコンピュータ」に、「プレイヤキャラクタが空中にいるか否かの判定をさせ」ることが特定されたものであることから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮及び第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。
(2) 特許法第126条第5項に規定する要件について
ア 上記(1)アの訂正について
訂正前の「請求項1又は2」を引用するとの特定を、訂正前の請求項3が引用する請求項1の構成を用いた特定を行うことで、請求項3を独立項形式に改めること自体は、訂正前の請求項1に記載された発明特定事項を用いるものであって、訂正前後で実質的な意味の変わる内容は含まれていないから、上記(1)アの訂正は、新たな技術的事項を導入するものではない。
イ 上記(1)イの訂正について
上記1(2)で検討したように、上記(1)イの訂正は、新たな技術的事項を導入するものではない。
ウ 上記(1)ウの訂正について
本件特許明細書等の【0159】には、「一方、ステップS205において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタ70が空中にいるか否かを判定する。プロセッサ81は、ステップS205でYESと判定した場合は、次にステップS206の処理を行い、ステップS205でNOと判定した場合は、次にステップS208の処理を行う。なお、プロセッサ81は、ステップS205でYESと判定した場合、Aボタン53の押下を促す表示とともに、空中用搭乗キャラクタ(例えば、鳥キャラクタ78)を示す表示を行う(図11参照)。」と記載されている。
そして、【0159】の「プロセッサ81は、プレイヤキャラクタ70が空中にいるか否かを判定する」ことは、訂正事項2に係る「情報処理装置のコンピュータに」、「プレイヤキャラクタが空中にいるか否かの判定をさせ」ることに対応するものといえ、上記(1)ウの訂正は、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、上記ア~ウで検討したように、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3) 特許法第126条第6項に規定する要件について
訂正事項2は、上記(1)で検討したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるから、特許請求の範囲の拡張又は変更には該当しない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1) 特許法第126条第1項ただし書に規定する要件について
ア 訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4において、「請求項1から3のいずれか記載のゲームプログラム」としていたのを、「請求項1又は2に記載のゲームプログラム」とすることにより、訂正前の請求項4の記載が、訂正前の請求項1から3のいずれかを引用する記載であったものを、請求項3について請求項間の引用関係を解消し、請求項3の記載を引用しないものとすることで、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。
イ 上記アの訂正に伴い、訂正前の請求項1における「前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」としていたのを、「空中を移動可能な空中用搭乗キャラクタ以外のいずれかの搭乗キャラクタが現在選択されている搭乗キャラクタであっても、前記プレイヤキャラクタが空中にいるときに第1の操作入力が行われた場合には、前記仮想空間内に前記空中用搭乗キャラクタを出現させ、前記プレイヤキャラクタを前記搭乗キャラクタのうち、前記現在選択されている搭乗キャラクタではなく、当該空中用搭乗キャラクタに搭乗させて、空中において移動可能な状態にさせ、」との特定をすることは、上記1(1)で検討したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮及び第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。
(2) 特許法第126条第5項に規定する要件について
ア 上記(1)アの訂正について
訂正前の請求項4の記載が、訂正前の請求項1から3のいずれかを引用する記載であったものを、請求項3について請求項間の引用関係を解消し、請求項3の記載を引用しないものとすること自体は、訂正前後で実質的な意味の変わる内容は含まれていないから、上記(1)アの訂正は、新たな技術的事項を導入するものではない。
イ 上記(1)イの訂正について
上記1(2)で検討したように、上記(1)イの訂正は、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、上記ア、イで検討したように、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3) 特許法第126条第6項に規定する要件について
訂正事項3は、上記(1)で検討したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるから、特許請求の範囲の拡張又は変更には該当しない。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 特許法第126条第7項に規定する要件について
訂正事項1~3は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮及び第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
そこで検討するに、本件訂正前の請求項1~4に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないとして特許を受けることができたものと認められるところ、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする本件訂正後の請求項1~4に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由が新たに発見される事情はない。
よって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
5 本件訂正請求に係る訂正の単位について
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項1~4について、請求項2は請求項1を引用し、請求項3は請求項1又は請求項2を引用し、請求項4は請求項1~3を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1~4に対応する訂正後の請求項1~4は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
(2)別の訂正単位とする求めについて
請求人は、訂正後の請求項3については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。
6 まとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第7項の規定に適合し、本件訂正請求に係る訂正は認められる。
そして、請求人の求めのとおり、訂正後の請求項3については、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することが認められるものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2025-390051