特許訂正審判
2018-390099
自動車車輪用センサ付転がり軸受及びその製造方法
- 審判番号
- 2018-390099
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2004-028332
- 登録番号
- 特許第4725020号(P4725020)
- 請求日
- 2018年06月15日
- 審決日
- 2018年08月08日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本精工 株式会社
- 【請求人代理人】松山 美奈子
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 紀史
- 審判官 清水 稔
- 審判官 中村 説志
- 分類
- P141 .851-Y (G01D) / P141 .853-Y (G01D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第4項第1号、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4725020号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4725020号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第4725020号に係る出願は、平成16年2月4日に特願2004-28332号として出願されたものであって、平成23年4月22日に特許権の設定登録がなされ、平成30年6月15日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨と訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4725020号の明細書、及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである(なお、下線は請求人が付したものである。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の【請求項1】に「前記磁石材料の前記バインダが、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイドの群から選ばれた熱可塑性樹脂であって、数平均分子量が10000~18000であり、」とあるのを、「前記磁石材料の前記バインダが、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11の群から選ばれた熱可塑性樹脂であって、数平均分子量が10000~18000であり、」に訂正する。
2 訂正事項2
明細書の段落【0007】に「前記磁石材料の前記バインダが、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイドの群から選ばれた熱可塑性樹脂であって、数平均分子量が10000~18000であり、」とある記載を、「前記磁石材料の前記バインダが、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11の群から選ばれた熱可塑性樹脂であって、数平均分子量が10000~18000であり、」に訂正する。
3 訂正事項3
明細書の段落【0045】表1中の「実施例3」及び「実施例4」との記載を「参考例3」及び「参考例4」にそれぞれ訂正し、同段落【0033】の「実施例3」との記載を「参考例3」に訂正し、同段落の「第3の実施例」との記載を、「第3の参考例」に訂正し、同段落【0034】の「実施例4」との記載を「参考例4」に訂正し、同段落の「第4の実施例」との記載を「第4の参考例4」に訂正する。
4 訂正事項4
明細書の段落【0047】表3中の「実施例9」との記載を「参考例9」に訂正し、同段落【0039】の「実施例9」との記載を「参考例9」に訂正し、同段落の「第9の実施例」との記載を「第9の参考例」に訂正する。
5 訂正事項5
明細書の段落【0030】の「第1~第9の実施例及び第1~第4の比較例」との記載を「実施例1、2、5~8、参考例3、4、9、及び比較例1~4」に訂正し、同段落【0030】及び【0044】の「各実施例または比較例」との記載を「各実施例、参考例または比較例」に訂正し、同段落【0049】の「実施例1~実施例9」との記載を「実施例1、2、5~8、参考例3、4、9、」に訂正する(なお、審判請求書第3頁第6-12行の「オ 訂正事項5」では、「9」に続く読点が遺漏しているので、段落【0049】についての訂正事項5の訂正内容は、訂正明細書の段落【0049】のとおりに記載した。)。
第3 当審の判断
以下、訂正事項1-5の適否について判断する。
1 訂正事項1
(1)訂正の目的
訂正前の請求項1の発明特定事項である「前記磁石材料の前記バインダが、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイドの群から選ばれた熱可塑性樹脂であって、数平均分子量が10000~18000であり、」を、「前記磁石材料の前記バインダが、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11の群から選ばれた熱可塑性樹脂であって、数平均分子量が10000~18000であり、」と訂正することは、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂についての択一的記載の要素を削除するものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、請求項2-3は、上記訂正に係る請求項1の記載を直接的または間接的に引用するものであるから、請求項2-3についても、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである(なお、本件訂正前の請求項3に係る発明は、訂正事項1による削除の対象とされた「ポリフェニレンサルファイド」を選択するものではないから、実質的な変更はない。)。
(2)新規事項の有無
訂正事項1は、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂について、訂正前にあった択一的記載の要素から、「ポリフェニレンサルファイド」を削除するものである。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂についての択一的記載の要素から、「ポリフェニレンサルファイド」を削除するものに過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定を満たすものである
(4)独立特許要件
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂についての択一的記載の要素から、「ポリフェニレンサルファイド」を削除するものである。
よって、本件訂正後の請求項1-3に記載された事項により特定される発明について、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、また、この訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるようなものでもない。そして、本件訂正後の請求項1-3に記載された事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件を満たすものといえる。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正(磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂についての択一的記載の要素から、「ポリフェニレンサルファイド」を削除する訂正)に伴い、明細書の段落【0007】の記載を、訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
訂正事項2は、訂正前の明細書の段落【0007】に記載された、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂についての択一的記載の要素から、「ポリフェニレンサルファイド」を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項2は、明細書の段落【0007】の記載を、訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものに過ぎず、この訂正によって、特許請求の範囲が実質的に拡張又は変更されることにはならないから、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
3 訂正事項3
(1)訂正の目的
本件訂正前の明細書の段落【0045】表1、段落【0033】及び段落【0034】には、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂として、訂正事項1による削除の対象とされた「ポリフェニレンサルファイド」を用いた例が、「実施例3」及び「実施例4」、あるいは「第3の実施例」及び「第4の実施例」として記載されているところ、訂正事項3は、上記訂正事項1による訂正に伴い、本件訂正後の請求項1-3に記載された事項により特定される発明には対応しないものとなった「実施例3」及び「実施例4」、あるいは「第3の実施例」及び「第4の実施例」を、「参考例3」及び「参考例4」、あるいは「第3の参考例」及び「第4の参考例」とすることにより、明細書の段落【0045】表1、段落【0033】及び段落【0034】における記載を、本件訂正後の請求項1-3に記載された事項により特定される発明に整合させるものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
訂正事項3は、上記(1)のとおり、本件訂正後の請求項1-3に記載された事項により特定される発明に対応しない実施例を参考例とするものに過ぎないから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項3は、上記(1)のとおり、本件訂正後の請求項1-3に記載された事項により特定される発明に対応しないものとなった「実施例3」及び「実施例4」、あるいは「第3の実施例」及び「第4の実施例」を、「参考例3」及び「参考例4」、あるいは「第3の参考例」及び「第4の参考例」とするものに過ぎず、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
4 訂正事項4
(1)訂正の目的
本件訂正前の明細書の段落【0047】表3、及び段落【0039】には、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂として、「ポリアミド6」を用いた例が「実施例9」あるいは「第9の実施例」として記載されているところ、特許請求の範囲の請求項1-4に係る発明は、磁石材料のバインダに用いられる熱可塑性樹脂として、「ポリアミド6」を用いるものではないことから、訂正事項4は、本件訂正前の明細書の段落【0047】表3、及び段落【0039】に記載された「実施例9」あるいは「第9の実施例」を、「参考例9」あるいは「第9の参考例」とすることにより、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるものである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
訂正事項4は、上記(1)のとおり、「実施例9」あるいは「第9の実施例」を、「参考例9」あるいは「第9の参考例」とするものに過ぎないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項4は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の請求項1-4に係る発明に対応しない「実施例9」あるいは「第9の実施例」を、「参考例9」あるいは「第9の参考例」とするものに過ぎず、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
5 訂正事項5
(1)訂正の目的
上記訂正事項3、4に伴い、「実施例3」、「実施例4」、「第3の実施例」、「第4の実施例」、「実施例9」、及び「第9の実施例」が、それぞれ、「参考例3」、「参考例4」、「第3の参考例」、「第4の参考例」、「参考例9」、及び「第9の参考例」と書き改められたことから、訂正事項5は、本件訂正前の明細書の段落【0030】に「第1~第9の実施例及び第1~第4の比較例」と記載されていたところを「実施例1、2、5~8、参考例3、4、9、及び比較例1~4」と書き改め、同段落【0030】及び【0044】に「各実施例または比較例」と記載されていたところを「各実施例、参考例または比較例」と書き改め、さらに、同段落【0049】に「実施例1~実施例9」と記載されていたところを「実施例1、2、5~8、参考例3、4、9、」と書き改めることで、明細書の段落【0030】、【0044】、及び【0049】の記載を、上記訂正事項3、4による訂正後の明細書の記載に整合させるものである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
訂正事項5は、上記(1)のとおり、上記訂正事項3、4に伴い、「第1~第9の実施例及び第1~第4の比較例」を「実施例1、2、5~8、参考例3、4、9、及び比較例1~4」と書き改め、「各実施例または比較例」を「各実施例、参考例または比較例」と書き改め、さらに、「実施例1~実施例9」を「実施例1、2、5~8、参考例3、4、9、」と書き改めるものに過ぎないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項5は、上記(1)のとおり、上記訂正事項3、4によって、「実施例3」、「実施例4」、「第3の実施例」、「第4の実施例」、「実施例9」、及び「第9の実施例」が、それぞれ、「参考例3」、「参考例4」、「第3の参考例」、「第4の参考例」、「参考例9」、及び「第9の参考例」と書き改められたことに伴う、派生的な文章の訂正に過ぎず、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定を満たすものである。
よって、結論のとおり審決する。
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