特許訂正審判
2018-390087
磁気エンコーダ及びその製造方法並びに転がり軸受ユニット
- 審判番号
- 2018-390087
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2004-289967
- 登録番号
- 特許第4178412号(P4178412)
- 請求日
- 2018年05月21日
- 審決日
- 2018年08月06日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本精工 株式会社
- 【請求人代理人】松山 美奈子
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 紀史
- 審判官 須原 宏光
- 審判官 中塚 直樹
- 分類
- P141 .851-Y (G01D) / P141 .857-Y (G01D) / P141 .853-Y (G01D) / P141 .852-Y (G01D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4178412号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4178412号の明細書、及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第4178412号に係る出願は、平成16年10月1日付けで特願2004-289967号として出願されたものであって、平成20年9月5日に特許権の設定登録がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第4178412号の明細書、及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおりに訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1、2、4~8を削除する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載の磁気エンコーダ」とあるうち、請求項1を引用するものについて「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」に特定した上で、独立形式に改め、
「回転体に取付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダであって、
前記磁石部は、磁性体粉を86~92重量%含有した熱可塑性樹脂をバインダーとするプラスチック磁石材料からなり、
前記磁石部は、インサート成形時に硬化反応が進むフェノール樹脂接着剤によって、磁性材料からなる前記固定部材と化学的に接合されており、
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミドをハードセグメントとするポリアミド系熱可塑性エラストマーと、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一つとを含む混合物からなることを特徴とする磁気エンコーダ。」に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載の磁気エンコーダ」とあるうち、請求項2を引用するものについて「接着剤」を「フェノール樹脂系接着剤」に特定した上で、独立形式に改め、
「回転体に取付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダであって、
前記磁石部は、磁性体粉を86~92重量%含有した熱可塑性樹脂をバインダーとするプラスチック磁石材料からなり、
前記磁石部は、インサート成形時に硬化反応が進むフェノール樹脂系接着剤によって、磁性材料からなる前記固定部材と化学的に接合されており、
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミドをハードセグメントとするポリアミド系熱可塑性エラストマーと、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一つとを含む混合物からなり、
前記固定部材は、粗面化された鉄系磁性材料からなることを特徴とする磁気エンコーダ。」に訂正し、新たに請求項9とする。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「請求項1~3のいずれかに記載の磁気エンコーダ」とあるうち、請求項3を引用するものについて、訂正後の請求項3又は9を引用する形式に改め、
「前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド12のハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド12系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする請求項3又は9に記載の磁気エンコーダ。」に訂正し、新たに請求項10とする。
5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1~4のいずれかに記載の磁気エンコーダ」とあるうち、請求項3を引用するものについて訂正後の請求項3又は9を引用する形式に改め、請求項4を引用するものについて訂正後の請求項10を引用する形式に改め、
「前記磁性体粉は少なくともストロンチウムフェライトを含有することを特徴とする請求項3、9~10のいずれかに記載の磁気エンコーダ。」に訂正し、新たに請求項11とする。
6 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7に「請求項1~6のいずれかに記載の磁気エンコーダ」とあるうち、請求項3を引用するものについて訂正後の請求項3又は9を引用する形式に改め、請求項4を引用するものについて訂正後の請求項10を引用する形式に改め、請求項5を引用するものについて訂正後の請求項11を引用する形式に改め、
「前記磁石部の磁石材料としての最大エネルギー積BHmaxが1.63~2.38MGOeの範囲とすることを特徴とする請求項3、9~11のいずれかに記載の磁気エンコーダ。」に訂正し、新たに請求項12とする。
7 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8に「請求項1~7のいずれかに記載の磁気エンコーダ」とあるうち、請求項3を引用するものについて訂正後の請求項3又は9を引用する形式に改め、請求項4を引用するものについて訂正後の請求項10を引用する形式に改め、請求項5を引用するものについて訂正後の請求項11を引用する形式に改め、請求項7を引用するものについて訂正後の請求項12を引用する形式に改め、
「固定輪と、回転輪と、前記固定輪と前記回転輪との間で周方向に転動自在に配設された複数の転動体と、前記回転輪に固定される請求項3、9~12のいずれかに記載の磁気エンコーダとを備えたことを特徴とする転がり軸受ユニット。」に訂正し、新たに請求項13とする。
8 訂正事項8
明細書の段落【0001】の「磁気エンコーダ、及びその製造方法、並びに転がり軸受ユニット」との記載を「磁気エンコーダ、及び転がり軸受ユニット」に訂正し、明細書の段落【0010】及び【0012】の「エンコーダ、及びその製造方法、並びに転がり軸受ユニット」との記載を「エンコーダ、及び転がり軸受ユニット」に訂正する。
9 訂正事項9
明細書の段落【0011】の
「(1) 回転体に取り付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダであって、
前記磁石部は、磁性体粉を86~92重量%含有した熱可塑性樹脂をバインダーとするプラスチック磁石材料からなり、
前記磁石部は、インサート成形時に硬化反応が進む接着剤によって、磁性材料からなる前記固定部材と化学的に接合されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
(2) 前記固定部材は、粗面化された鉄系磁性材料からなることを特徴とする(1)に記載の磁気エンコーダ。
(3) 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミドをハードセグメントとするポリアミド系熱可塑性エラストマーと、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一つとを含む混合物からなることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
(4) 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド12のハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド12系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
(5) 前記磁性体粉は少なくともストロンチウムフェライトであることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
(6) 前記接着剤は、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤の群から選ばれる少なくとも一つである(1)に記載の磁気エンコーダ。
(7) 前記磁石部の磁石材料としての最大エネルギー積BHmaxが1.63~2.38MGOeの範囲とすることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
(8) 固定輪と、回転輪と、前記固定輪と前記回転輪との間で周方向に転動自在に配設された複数の転動体と、前記回転輪に固定される(1)~(7)のいずれかに記載の磁気エンコーダとを備えたことを特徴とする転がり軸受ユニット。」との記載を
「(1)回転体に取付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダであって、
前記磁石部は、磁性体粉を86~92重量%含有した熱可塑性樹脂をバインダーとするプラスチック磁石材料からなり、
前記磁石部は、インサート成形時に硬化反応が進むフェノール樹脂系接着剤によって、磁性材料からなる前記固定部材と化学的に接合されており、
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミドをハードセグメントとするポリアミド系熱可塑性エラストマーと、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一つとを含む混合物からなることを特徴とする磁気エンコーダ。
(2)回転体に取付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダであって、
前記磁石部は、磁性体粉を86~92重量%含有した熱可塑性樹脂をバインダーとするプラスチック磁石材料からなり、
前記磁石部は、インサート成形時に硬化反応が進むフェノール樹脂系接着剤によって、磁性材料からなる前記固定部材と化学的に接合されており、
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミドをハードセグメントとするポリアミド系熱可塑性エラストマーと、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一つとを含む混合物からなり、
前記固定部材は、粗面化された鉄系磁性材料からなることを特徴とする磁気エンコーダ。
(3) 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド12のハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド12系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
(4) 前記磁性体粉は少なくともストロンチウムフェライトであることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
(5) 前記磁石部の磁石材料としての最大エネルギー積BHmaxが1.63~2.38MGOeの範囲とすることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
(6) 固定輪と、回転輪と、前記固定輪と前記回転輪との間で周方向に転動自在に配設された複数の転動体と、前記回転輪に固定される(1)~(5)のいずれかに記載の磁気エンコーダとを備えたことを特徴とする転がり軸受ユニット。」に訂正する。
10 訂正事項10
明細書の段落【0059】の「促進させせずに」との記載を「促進させず」に訂正する。
11 訂正事項11
明細書の段落【0068】の「硬化反応進が行せず」との記載を「硬化反応が進行せず」に訂正する。
第3 当審の判断
訂正事項について、訂正の適否を検討する。
1 訂正事項1
(1)訂正の目的
訂正事項1は、請求項1、2、4~8を削除するものであるから、当該訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1は、請求項1、2、4~8を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び同第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正事項1は、請求項1、2、4~8を削除するものであるから、訂正後の請求項1、2、4~8に係る発明について、特許法第126条第7項に規定する要件を問うまでもない。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項3が請求項1又は2の記載を引用する記載であるところ、請求項2を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立項形式へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
また、訂正事項2は、訂正前の請求項1を引用する請求項3の「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
(2)新規事項の有無について
訂正事項2のうち、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正については、何ら実質的な内容変更を伴うものでない。
また、願書に添付した明細書に(第1実施形態)として、「バインダーとしては、・・・ポリアミド12等のポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを主要な構成成分とし、・・・ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一種類の通常のポリアミドを更に混合した混合物としてもよい。」(段落【0020】)、「使用可能な接着剤としては、・・・フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。」(段落【0043】)と記載されていることからみて、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」に限定する訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2のうち、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正については、何ら実質的な内容変更を伴うものでない。
また、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」に限定する訂正は、「接着剤」という発明特定事項を概念的により下位の「フェノール樹脂接着剤」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないし、解決するべき新たな課題を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項2のうち、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」に限定する訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項3に係る発明(以下、「本件訂正発明3」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明3は、特許出願の際独立して特許を受けることができた特許第4178412号の請求項3に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明3について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明3については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
3 訂正事項3
(1)訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の請求項3が請求項1又は2の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用しないものとした上で、請求項2を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立項形式へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
また、訂正事項3は、訂正前の請求項2を引用する請求項3の「接着剤」を「フェノール樹脂系接着剤」に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
(2)新規事項の有無について
訂正事項3のうち、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正については、何ら実質的な内容変更を伴うものでない。
また、願書に添付した明細書に(第1実施形態)として、「バインダーとしては、・・・ポリアミド12等のポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを主要な構成成分とし、・・・ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一種類の通常のポリアミドを更に混合した混合物としてもよい。」(段落【0020】)、「使用可能な接着剤としては、・・・フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。」(段落【0043】)と記載されていることからみて、「接着剤」を「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項3のうち、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正については、何ら実質的な内容変更を伴うものでない。
また、「接着剤」を「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、「接着剤」という発明特定事項を概念的により下位の「フェノール樹脂系接着剤」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないし、解決するべき新たな課題を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項3のうち、「接着剤」を「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項9に係る発明(以下、「本件訂正発明9」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明9は、特許出願の際独立して特許を受けることができた特許第4178412号の請求項3に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明9について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明9については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
4 訂正事項4
(1)訂正の目的
訂正事項4は、訂正前の請求項4が「請求項1~3のいずれか」の記載を引用する記載であるところ、請求項1~2を引用しないものとした上で、請求項3を引用するものについて、訂正後の請求項3(訂正前の請求項1を引用する請求項3)又は訂正後の請求項9(訂正前の請求項2を引用する請求項3)を直接的に引用する形式に改めるための訂正であり、訂正前の請求項1又は2を直接的に引用することがなくなり、引用請求項を減少させているので、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項4は、訂正後の請求項3に記載された「フェノール樹脂接着剤」又は訂正後の請求項9に記載された「フェノール樹脂系接着剤」との記載を引用することにより、訂正前の請求項1又は2を引用する請求項3の「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定するものであり、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項4のうち、訂正前の請求項4を、訂正後の請求項3又は9を直接的に引用する形式に改めるための訂正は、引用請求項を減少させるもので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、願書に添付した明細書に(第1実施形態)として、「バインダーとしては、・・・ポリアミド12等のポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを主要な構成成分とし、・・・ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一種類の通常のポリアミドを更に混合した混合物としてもよい。」(段落【0020】)、「使用可能な接着剤としては、・・・フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。」(段落【0043】)と記載されていることからみて、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項4は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項4のうち、訂正前の請求項4を、訂正後の請求項3又は9を直接的に引用する形式に改めるための訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
また、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、「接着剤」という発明特定事項を概念的により下位の「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないし、解決するべき新たな課題を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項4は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項10に係る発明(以下、「本件訂正発明10」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明10は、特許出願の際独立して特許を受けることができた特許第4178412号の請求項4に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明10について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明10については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項4は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
5 訂正事項5
(1)訂正の目的
訂正事項5は、訂正前の請求項5が「請求項1~4のいずれか」の記載を引用する記載であるところ、請求項1~2を引用しないものとした上で、請求項3又は4を引用するものについて、訂正後の請求項3(訂正前の請求項1を引用する請求項3)、訂正後の請求項9(訂正前の請求項2を引用する請求項3)又は訂正後の請求項10(訂正前の請求項3を引用する請求項4)を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正であり、訂正前の請求項1又は2を直接的に引用することがなくなり、引用請求項を減少させているので、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項5は、訂正後の請求項3に記載された「フェノール樹脂接着剤」又は訂正後の請求項9に記載された「フェノール樹脂系接着剤」との記載を引用することにより、訂正前の請求項1又は2を引用する請求項3の「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定するものであり、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項5のうち、訂正前の請求項5を、訂正後の請求項3、9、10を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正は、引用請求項を減少させるもので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、願書に添付した明細書に(第1実施形態)として、「バインダーとしては、・・・ポリアミド12等のポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを主要な構成成分とし、・・・ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一種類の通常のポリアミドを更に混合した混合物としてもよい。」(段落【0020】)、「使用可能な接着剤としては、・・・フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。」(段落【0043】)、「磁性体粉としては、耐侯性を考慮すると、ストロンチウムフェライト等のフェライトが最も好適であり」(段落【0019】)と記載されていることからみて、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項5のうち、訂正前の請求項5を、訂正後の請求項3、9、10を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
また、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、「接着剤」という発明特定事項を概念的により下位の「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないし、解決するべき新たな課題を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項11に係る発明(以下、「本件訂正発明11」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明11は、特許出願の際独立して特許を受けることができた特許第4178412号の請求項5に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明11について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明11については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項5は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
6 訂正事項6
(1)訂正の目的
訂正事項6は、訂正前の請求項7が「請求項1~6のいずれか」の記載を引用する記載であるところ、請求項1~2及び6を引用しないものとした上で、請求項3~5のいずれかを引用するものについて、訂正後の請求項3(訂正前の請求項1を引用する請求項3)、訂正後の請求項9(訂正前の請求項2を引用する請求項3)、訂正後の請求項10(訂正前の請求項3を引用する請求項4)又は訂正後の請求項11(訂正前の請求項3又は4を引用する請求項5)を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正であり、訂正前の請求項1、2、6を直接的に引用することがなくなり、引用請求項を減少させているので、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項6は、訂正後の請求項3に記載された「フェノール樹脂接着剤」又は訂正後の請求項9に記載された「フェノール樹脂系接着剤」との記載を引用することにより、訂正前の請求項1又は2を引用する請求項3の「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定するものであり、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項6のうち、訂正前の請求項7を、訂正後の請求項3、9~11を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正は、引用請求項を減少させるもので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、願書に添付した明細書に(第1実施形態)として、「バインダーとしては、・・・ポリアミド12等のポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを主要な構成成分とし、・・・ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一種類の通常のポリアミドを更に混合した混合物としてもよい。」(段落【0020】)、「使用可能な接着剤としては、・・・フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。」(段落【0043】)、「磁性体粉としては、耐侯性を考慮すると、ストロンチウムフェライト等のフェライトが最も好適であり」(段落【0019】)、「最大エネルギー積BHmaxを有し、具体的には、1.63~2.38MGOe(13~19kJ/m3)の範囲」(段落【0035】)と記載されていることからみて、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項6は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項6のうち、訂正前の請求項7を、訂正後の請求項3、9~11を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
また、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、「接着剤」という発明特定事項を概念的により下位の「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないし、解決するべき新たな課題を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項6は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項12に係る発明(以下、「本件訂正発明12」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明12は、特許出願の際独立して特許を受けることができた特許第4178412号の請求項7に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明12について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明12については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項6は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
7 訂正事項7
(1)訂正の目的
訂正事項7は、訂正前の請求項8が「請求項1~7のいずれか」の記載を引用する記載であるところ、請求項1~2及び6を引用しないものとした上で、請求項3~5、7のいずれかを引用するものについて、訂正後の請求項3(訂正前の請求項1を引用する請求項3)、訂正後の請求項9(訂正前の請求項2を引用する請求項3)、訂正後の請求項10(訂正前の請求項3を引用する請求項4)、訂正後の請求項11(訂正前の請求項3又は4を引用する請求項5)又は訂正後の請求項12(訂正前の請求項3、4又は5を引用する請求項7)を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正であり、訂正前の請求項1、2を直接的に引用すること、及び訂正前の請求項6を直接的又は間接的に引用することがなくなり、引用請求項を減少させているので、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項7は、訂正後の請求項3に記載された「フェノール樹脂接着剤」又は訂正後の請求項9に記載された「フェノール樹脂系接着剤」との記載を引用することにより、訂正前の請求項1又は2を引用する請求項3の「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定するものであり、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項7のうち、訂正前の請求項8を、訂正後の請求項3、9~12を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正は、引用請求項を減少させるもので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、願書に添付した明細書に(第1実施形態)として、「バインダーとしては、・・・ポリアミド12等のポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテル成分のソフトセグメントを持つブロック共重合体であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを主要な構成成分とし、・・・ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド612の群から選ばれる少なくとも一種類の通常のポリアミドを更に混合した混合物としてもよい。」(段落【0020】)、「使用可能な接着剤としては、・・・フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好ましい。」(段落【0043】)、「磁性体粉としては、耐侯性を考慮すると、ストロンチウムフェライト等のフェライトが最も好適であり」(段落【0019】)、「最大エネルギー積BHmaxを有し、具体的には、1.63~2.38MGOe(13~19kJ/m3)の範囲」(段落【0035】)、「本発明の実施形態の一例として、・・・軸受ユニット2aに、本発明を適用した場合について示している。」(段落【0014】)と記載されていることからみて、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項7は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項7のうち、訂正前の請求項8を、訂正後の請求項3、9~12を直接的又は間接的に引用する形式に改めるための訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
また、「接着剤」を「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」に限定する訂正は、「接着剤」という発明特定事項を概念的により下位の「フェノール樹脂接着剤」又は「フェノール樹脂系接着剤」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないし、解決するべき新たな課題を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項7は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項7は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項13に係る発明(以下、「本件訂正発明13」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明13は、特許出願の際独立して特許を受けることができた特許第4178412号の請求項8に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明13について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明13については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項7は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
8 訂正事項8
(1)訂正の目的
訂正前の明細書段落【0001】、【0010】及び【0012】には、本発明が磁気エンコーダ、及びその製造、方法、並びに転がり軸受ユニットである旨の記載があるが、特許請求の範囲には磁気エンコーダの製造方法は記載されていないため、特許請求の範囲と明細書の記載との間で本発明に関する記載が一致せず、不明瞭である。
訂正事項8は、明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項8は、明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、訂正事項8は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
よって、訂正事項8は、特許法第126条第5項及び同第6項の規定に適合する。
9 訂正事項9
(1)訂正の目的
訂正前の明細書段落【0011】には、訂正前の特許請求の範囲に対応する記載がなされていたところ、訂正事項1~7による訂正後の特許請求の範囲の記載と一致せず、不明瞭となる。
訂正事項9は、明細書の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項9は、明細書の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、訂正事項9は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
よって、訂正事項9は、特許法第126条第5項及び同第6項の規定に適合する。
10 訂正事項10
(1)訂正の目的
訂正前の明細書の段落【0059】の「促進させせずに」は、日本語として意味をなさず、その前後の記載を含めた「前記硬化促進剤としては、常温では硬化反応を促進させせずに充分な保存安定性を有し、100℃以上の高温になったときに速やかに硬化反応を進行させるものが好ましく」の記載で解釈すると、明らかに「促進させずに」の誤記である。
よって、訂正事項10は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項10は、単に明細書中の明白な誤記を訂正するものであって、その正しい記載が「促進させずに」であることも訂正前の明細書の記載から明らかであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、訂正事項10は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
よって、訂正事項10は、特許法第126条第5項及び同第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正事項10は、単に明細書中の明白な誤記を訂正するものであって、その正しい記載が「促進させずに」であることも訂正前の明細書の記載から明らかであるから、独立特許要件が満たされなくなることはなく、特許法第126条第7項の規定に適合する。
11 訂正事項11
(1)訂正の目的
訂正前の明細書の段落【0068】の「硬化反応進が行せず」は、日本語として意味をなさず、その前後の記載を含めた「一液型エポキシ接着剤は、常温ではほとんど硬化反応進が行せず、例えば80~120℃程度で半硬化状態となり、120~180℃の高温の熱を加えることによって完全に熱硬化反応が進むものである。」の記載で解釈すると、明らかに「硬化反応が進行せず」の誤記である。
よって、訂正事項11は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項11は、単に明細書中の明白な誤記を訂正するものであって、その正しい記載が「硬化反応が進行せず」であることも訂正前の明細書の記載から明らかであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、訂正事項11は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
よって、訂正事項11は、特許法第126条第5項及び同第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正事項11は、単に明細書中の明白な誤記を訂正するものであって、その正しい記載が「硬化反応が進行せず」であることも訂正前の明細書の記載から明らかであるから、独立特許要件が満たされなくなることはなく、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-390087