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特許訂正審判

2018-390082

磁気エンコーダの製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法

審判番号
2018-390082
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2004-364752
登録番号
特許第4432764号(P4432764)
請求日
2018年05月17日
審決日
2018年06月27日
公報発行日
2018年09月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】日本精工 株式会社
  • 【請求人代理人】松山 美奈子
審判長/審判官
  • 審判長 中塚 直樹
  • 審判官 中村 説志
  • 審判官 小林 紀史
分類
P141 .851-Y (G01D) / P141 .852-Y (G01D) / P141 .853-Y (G01D) / P141 .857-Y (G01D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第36条第4項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第4432764号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第4432764号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第4432764号に係る出願は、平成16年12月16日(優先権主張 平成16年5月19日、平成16年7月5日)に特願2004-364752号として出願されたものであって、平成22年1月8日に特許権の設定登録がなされ、平成30年5月17日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨と訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4432764号の明細書、及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである(なお、下線は請求人が付したものである。)。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1、2、4及び5を削除する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載の磁気エンコーダの製造方法。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、磁性体粉の含有量を75体積%に特定した上で独立形式に改め、 「回転体に取り付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法であって、 接着剤を半硬化状態で焼き付けた前記固定部材をコアにして、磁性体粉と熱可塑性樹脂組成物とからなる磁石材料をインサート成形する工程と、 二次加熱によって、前記接着剤を硬化させる工程と、 前記磁石部を円周方向に多極着磁する工程と、 を備え、 前記磁石材料は、異方性用の磁性体粉を75体積%含有しており、前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイドを用いることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。」 に訂正する。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載の磁気エンコーダの製造方法。」とあるうち、請求項2を引用するものについて、磁性体粉の含有量を75体積%に特定し、さらに接着剤をフェノール樹脂を含有するものに特定した上で独立形式に改め、 「回転体に取り付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法であって、 接着剤を半硬化状態で焼き付けた前記固定部材をコアにして、磁性体粉と熱可塑性樹脂組成物とからなる磁石材料をインサート成形する工程と、 二次加熱によって、前記接着剤を硬化させる工程と、 前記磁石部を円周方向に多極着磁する工程と、 を備え、 前記磁石材料は、異方性用の磁性体粉を75体積%含有しており、前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイドを用い、 前記接着剤は少なくともフェノール樹脂を含有することを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。」 に訂正し、新たに請求項6とする。 4 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1~3のいずれかに記載の磁気エンコーダの製造方法」とあるうち、請求項3を引用するものについて、訂正後請求項3又は6を引用する形式に改め、 「前記磁石部が接着される前記固定部材の表面には、凹凸が形成されることを特徴とする請求項3又は6に記載の磁気エンコーダの製造方法。」 に訂正し、新たに請求項7とする。 5 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1~4のいずれかにより製造される」とあるうち、請求項3又は4を引用するものについて、訂正後請求項3、6又は7を引用する形式に改め、 「磁気エンコーダを有する車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法であって、 前記磁気エンコーダは、請求項3、6、7のいずれかにより製造されることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。」 に訂正し、新たに請求項8とする。 6 訂正事項6 明細書の段落【0010】の 「(1)回転体に取り付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法であって、 接着剤を半硬化状態で焼き付けた前記固定部材をコアにして、磁性体粉と熱可塑性樹脂組成物とからなる磁石材料をインサート成形する工程と、 二次加熱によって、前記接着剤を硬化させる工程と、 前記磁石部を円周方向に多極着磁する工程と、 を備えたことを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。 (2) 前記接着剤は少なくともフェノール樹脂あるいはエポキシ樹脂の一方を含有することを特徴とする(1)に記載の磁気エンコーダの製造方法。 (3)前記磁石材料は、異方性用の磁性体粉を60~80体積%含有しており、前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、及びポリフェニレンサルファイドを用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の磁気エンコーダの製造方法。 (4) 前記磁石部が接着される前記固定部材の表面には、凹凸が形成されることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の磁気エンコーダの製造方法。 (5) 磁気エンコーダを有する車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法であって、 前記磁気エンコーダは、(1)~(4)のいずれかの方法により製造されることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。」との記載を 「(1)回転体に取り付け可能な固定部材と、該固定部材に取り付けられ、円周方向に多極着磁された略円環状の磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法であって、 接着剤を半硬化状態で焼き付けた前記固定部材をコアにして、磁性体粉と熱可塑性樹脂組成物とからなる磁石材料をインサート成形する工程と、 二次加熱によって、前記接着剤を硬化させる工程と、 前記磁石部を円周方向に多極着磁する工程と、 を備え、 前記磁石材料は、異方性用のストロンチウムフェライト磁性体粉を75体積%含有しており、前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイドを用いることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。 (2)前記接着剤は少なくともフェノール樹脂を含有することを特徴とする(1)に記載の磁気エンコーダの製造方法。 (3) 前記磁石部が接着される前記固定部材の表面には、凹凸が形成されることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の磁気エンコーダの製造方法。 (4) 磁気エンコーダを有する車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法であって、 前記磁気エンコーダは、(1)~(3)のいずれかの方法により製造されることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。」に訂正する。 7 訂正事項7 明細書の段落【0030】の「亀裂等がはっせいする」との記載を「亀裂等が発生する」に訂正する。 8 訂正事項8 明細書の段落【0046】の「スリンガ40」との記載を「スリンガ50」に訂正する。 9 訂正事項9 明細書の段落【0066】の「促進させせずに」との記載を「促進させずに」に訂正する。 10 訂正事項10 明細書の段落【0075】の「硬化反応進が行せず」との記載を「硬化反応が進行せず」に訂正する。 11 訂正事項11 明細書の段落【0079】の「磁石部70がスリンガ72から」との記載を「磁石部60がスリンガ70から」に訂正する。 12 訂正事項12 明細書の段落【0086】の「対する)接着層」との記載を「対する接着層」に訂正する。 13 訂正事項13 明細書の段落【0115】の「実施例3~6」との記載を「参考例3~6」に訂正し、明細書の段落【0116】の【表2】の「実施例3」「実施例4」「実施例5」「実施例6」との記載を「参考例3」「参考例4」「参考例5」「参考例6」に訂正し、明細書の段落【0119】の「実施例3~実施例6」との記載を「参考例3~参考例6」に訂正する。 14 訂正事項14 明細書の段落【0122】の「実施例4の試験体」との記載を「実施例8の試験体」に訂正する。 15 訂正事項15 明細書の段落【0125】の「図3」との記載を「図6」に訂正する。 16 訂正事項16 明細書の段落【0136】【図4】の「第2実施形態」との記載を「第3実施形態」に訂正し、同段落【図5】の「第2実施形態」との記載を「第3実施形態」に訂正する。 17 訂正事項17 明細書の段落【0136】【図7】の「第3実施形態」との記載を「第4実施形態」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1 (1)訂正の目的 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1、2、4及び5を削除するというものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1、2、4及び5を削除するというものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであるから、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1、2、4及び5を削除するというものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 (4)独立特許要件 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1、2、4及び5を削除するというものであって、本件訂正後の、特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。したがって、訂正事項1は特許法第126条第7項に規定する要件を満たすものといえる。 2 訂正事項2、3 (1)訂正の目的 訂正事項2、3のうち、訂正前の請求項3が請求項1又は2の記載を引用していたものを、訂正事項1において請求項1、2を削除したことに伴い請求項1、2の記載を引用せずに書き下し、請求項1を引用するものを請求項3とし、請求項2を引用するものを新たに請求項6とすること(以下、「訂正事項A」という。)については、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 また、訂正事項2、3のうち、訂正前の請求項3の発明特定事項である磁石材料における磁性体粉の含有量を「60~80体積%」から「75体積%」に訂正すること(以下、「訂正事項B」という。)については、数値範囲を狭めるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 さらに、訂正事項3のうち、訂正前の請求項2の発明特定事項である接着剤の材料について、「少なくともフェノール樹脂あるいはエポキシ樹脂の一方を含有する」から「少なくともフェノール樹脂を含有する」へと訂正すること(以下、「訂正事項C」という。)については、択一的記載の要素を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 訂正事項2、3のうち、上記訂正事項Aについては、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項2、3のうち、上記訂正事項Bについては、訂正前の明細書の、実施例1~2、7~8における「プラスチック磁石材料(戸田工業製ストロンチウムフェライト含有12ナイロン系異方性プラスチック磁石コンパウンド「FEROTOP TP-A27N」(ストチウムフェライトの含有量75体積%))」(段落0105、0121)、実施例9~13における「プラスチック磁石材料(ストロンチウムフェライト含有ポリアミド樹脂組成物:バインダー樹脂はポリアミド12とポリアミド系ブロック共重合体とのアロイ材であり、ストロンチウムフェライトの含有量は75体積%)」(段落0128、0130)の数値のものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項3のうち、上記訂正事項Cについては、訂正前にあった択一的記載の要素を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無 訂正事項2、3のうち、上記訂正事項Aについては、実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項2、3のうち、上記訂正事項Bについては、「75体積%」は訂正前の「60~80体積%」に含まれ、「75体積%」に限定することにより新たな課題が解決されることになるわけでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項3のうち、上記訂正事項Cについては、訂正前にあった択一的記載の要素を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 (4)独立特許要件 訂正事項2、3は、そのうち、上記訂正事項B、Cについては特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるが、訂正事項Bは数値範囲を狭めるものであり、訂正事項Cは訂正前にあった択一的記載の要素を削除するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、また、この訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるようなものでもない。そして、本件訂正後の、特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。したがって、訂正事項2、3は、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件を満たすものといえる。 3 訂正事項4、5 (1)訂正の目的 訂正事項4のうち、訂正前の請求項4が請求項1~3のいずれかを引用していたものを、訂正前の請求項3のみを引用するように訂正すること、及び、訂正事項5のうち、訂正前の請求項5が請求項1~4のいずれかを引用していたものを、訂正前の請求項3又は4のみを引用するように訂正すること(以下、「訂正事項D」という。)は、多数項を引用している請求項の引用請求項数を減少するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項4のうち、訂正事項2、3により訂正前の請求項3に対応するものが訂正後の請求項の項番では請求項3又は6に変更されたことに伴い、訂正前の請求項4の項番を請求項7に繰り下げた上で、請求項7が請求項3又は6を引用するように訂正すること、及び、同様に、訂正事項5のうち、訂正事項2、3により訂正前の請求項3に対応するものが訂正後の請求項の項番では請求項3又は6に変更され、訂正事項4により訂正前の請求項4に対応するものが訂正後の請求項の項番では請求項7に変更されたことに伴い、訂正前の請求項5の項番を請求項8に繰り下げた上で、請求項8が請求項3、6、7のいずれかを引用するように訂正すること(以下、「訂正事項E」という。)は、引用する請求項の番号を請求項の項番の変更に整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 さらに、訂正後の請求項7、8は、上記訂正事項B、Cに係る請求項3、6の記載を引用するものであるから、訂正事項4、5は、上記「2」「(1)」に記載した点においても、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 訂正事項4、5のうち、上記訂正事項Dについては、多数項を引用している請求項の引用請求項数を減少するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項4、5のうち、上記訂正事項Eについては、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項4、5のうち、上記訂正事項B、Cについては、上記「2」「(2)」に記載したように、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無 訂正事項4、5のうち、上記訂正事項Dについては、多数項を引用している請求項の引用請求項数を減少するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項4、5のうち、上記訂正事項Eについては、実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 訂正事項4、5のうち、上記訂正事項B、Cについては、上記「2」「(3)」に記載したように、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 (4)独立特許要件 訂正事項4、5は、そのうち、上記訂正事項D及び訂正事項B、Cについては特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるが、上記訂正事項Dについては、多数項を引用している請求項の引用請求項数を減少するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、また、この訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるようなものでもない。また、上記訂正事項B、Cについては、上記「2」「(4)」に記載したとおりである。そして、本件訂正後の、特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。 したがって、訂正事項4、5は、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件を満たすものといえる。 4 訂正事項6 (1)訂正の目的 訂正前の明細書の段落【0010】には訂正前の特許請求の範囲の記載に対応する記載が存在していたところ、訂正事項1ないし5に係る訂正により、該段落【0010】の記載が、訂正後の特許請求の範囲の記載とは対応せずに不明瞭な記載となったことに伴い、訂正事項6は、明細書の段落【0010】の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載と対応させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 訂正事項6は、明細書の段落【0010】の記載を訂正事項1ないし5に係る訂正後の特許請求の範囲の記載と対応させるものであり、上記「1」「(2)」、「2」「(2)」、「3」「(2)」に記載したのと同様に、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無 訂正事項1ないし5は、上記「1」「(3)」、「2」「(3)」、「3」「(3)」に記載したように、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない訂正であるところ、訂正事項6は、明細書の段落【0010】の記載を訂正事項1ないし5に係る訂正後の特許請求の範囲の記載と対応させるものであるから、訂正事項1ないし5に係る訂正後の特許請求の範囲の記載と対応する事項については、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。また、訂正事項6には、その他、請求項に記載された事項の解釈に影響を与え、その結果、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更することに至るような事項も存在しない。 したがって、訂正事項6は、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 5 訂正事項7-12、14-17 (1)訂正の目的 訂正事項7-12、14-17は、明細書中の明らかな誤記を本来の正しい記載に訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 訂正事項7-12、14-17は、明細書中の明らかな誤記を本来の正しい記載に訂正するものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであるから、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無 訂正事項7-12、14-17は、明細書中の明らかな誤記を本来の正しい記載に訂正するものであり、また、その正しい記載が自明な事項として定まるものであって、請求項に記載された事項の解釈に影響を与えないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 (4)独立特許要件 訂正事項7-12、14-17は、明細書中の明らかな誤記を本来の正しい記載に訂正するものであり、また、その正しい記載が自明な事項として定まるものであって、本件訂正後の、特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。したがって、訂正事項7-12、14-17は特許法第126条第7項に規定する独立特許要件を満たすものといえる。 6 訂正事項13 (1)訂正の目的 訂正事項13は、請求項3、6における上記訂正事項Bに係る訂正(磁石材料における磁性体粉の含有量を「60~80体積%」から「75体積%」に訂正するもの)に伴い、訂正された特許請求の範囲の請求項3、6、7又は8に係る発明の発明特定事項である、磁石材料における磁性体粉の含有量の数値範囲に含まれないこととなった訂正前の明細書における実施例3ないし6について、実施例3ないし6という記載を参考例3ないし6と訂正することで、訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 訂正事項13は、訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるものであり、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものといえる。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無 訂正事項13は、訂正された特許請求の範囲の記載に含まれなくなった実施例を参考例と表現するよう訂正するものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものといえる。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定を満たすものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-390082

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    共通の審決分類: 851・G01D、852・G01D、853・G01D
  • 2018-390099訂正審判 / 2018-08-08 / 訂正認容自動車車輪用センサ付転がり軸受及びその製造方法
    共通の審決分類: 851・G01D、853・G01D
  • 2021-390156訂正審判 / 2021-11-25 / 訂正認容測定データ処理装置、測定システムおよび測定データ処理用プログラム
    共通の審決分類: 853・G01D

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