特許訂正審判
2018-390061
遊技機
- 審判番号
- 2018-390061
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-086993外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年03月27日
- 審決日
- 2018年05月08日
- 公報発行日
- 2018年08月31日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6298097号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6298097号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 事案の概要
1 手続の経緯
特願2016-86993号は、平成25年3月4日に出願した特願2013-41407号の一部を平成28年4月25日に新たな特許出願としたものであるところ、平成30年2月2日に特許査定され、その後、請求項1に係る発明について、平成30年3月2日に特許権の設定の登録がされた(特許第6298097号、以下「本件特許」という。)。
2 請求の趣旨及び訂正の内容
平成30年3月27日、特許権者は、訂正審判を請求した。
請求の趣旨は、「特許第6298097号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」である。また、請求人が求める訂正の内容は、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「特定表示」と記載されているのを「保留表示」に訂正する。
すなわち、本件特許の特許請求の範囲の請求項1に、
「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示に対応する特定表示を表示する特定表示手段と、
前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段とを備え、
特定表示の表示態様は、通常態様と特殊態様と特別態様とを含み、
前記判定手段の判定結果にもとづいて、特定表示を特別態様により表示する特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、
特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とをさらに備え、
特殊態様により表示されている特定表示は、通常態様により表示されている特定表示よりも特別態様に変化しやすく、
前記示唆演出実行手段は、
特定表示が特殊態様により表示されているときに、示唆演出を実行する場合と、実行しない場合とがあり、
演出後に保留表示の表示態様が変化する第1示唆演出と、演出後に保留表示の表示態様が変化しない第2示唆演出とを実行可能であり、
特定表示が特殊態様により表示されているときには、特定表示が特殊態様により表示されていないときに比べて高い頻度で第2示唆演出を実行し、
複数種類の示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。」
と記載されているのを、
「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示に対応する保留表示を表示する保留表示手段と、
前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段とを備え、
保留表示の表示態様は、通常態様と特殊態様と特別態様とを含み、
前記判定手段の判定結果にもとづいて、保留表示を特別態様により表示する特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、
保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とをさらに備え、
特殊態様により表示されている保留表示は、通常態様により表示されている保留表示よりも特別態様に変化しやすく、
前記示唆演出実行手段は、
保留表示が特殊態様により表示されているときに、示唆演出を実行する場合と、実行しない場合とがあり、
演出後に保留表示の表示態様が変化する第1示唆演出と、演出後に保留表示の表示態様が変化しない第2示唆演出とを実行可能であり、
保留表示が特殊態様により表示されているときには、保留表示が特殊態様により表示されていないときに比べて高い頻度で第2示唆演出を実行し、
複数種類の示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。」
と訂正する。
なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所を表す。以下同様。
(2)訂正事項2
本件特許の明細書に
「【0009】
(手段1)本発明による遊技機は、可変表示(例えば、第1特別図柄や第2特別図柄、演出図柄の変動表示)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示する特定表示手段と、有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段とを備え、特定表示の表示態様は、通常態様(本例では「○」:図42(A)参照)と特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている:図43(B)参照)と特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる:図42(B1)参照、「○」内に「×」が2つ含まれる:図42(B2)参照)とを含み、判定手段の判定結果にもとづいて、特定表示を特別態様により表示する特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とをさらに備え、特殊態様により表示されている特定表示は、通常態様により表示されている特定表示よりも特別態様に変化しやすく、示唆演出実行手段は、特定表示が特殊態様により表示されているときに、示唆演出を実行する場合と、実行しない場合とがあり、演出後に保留表示の表示態様が変化する第1示唆演出と、演出後に保留表示の表示態様が変化しない第2示唆演出とを実行可能であり、特定表示が特殊態様により表示されているときには、特定表示が特殊態様により表示されていないときに比べて高い頻度で第2示唆演出を実行し、複数種類の示唆演出を実行可能であることを特徴とする。
そのような構成により、遊技興趣を向上させることができる。
【0010】
(手段2)手段1において、特別演出実行手段は、所定条件が成立したとき(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS67107で先読み演出を第2先読み演出パターンで実行すると決定し、ステップS67112を実行したとき(始動入賞のタイミング)や、始動入賞後からその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングまたはその他の任意のタイミングで通常態様から特殊態様に変化させると決定し、そのタイミングに至ったとき)に特定表示を特殊態様で表示し、該特定表示に対応する可変表示が開始されるまでの第1タイミング(例えば、始動入賞後に1回目の保留表示のシフトが行われるタイミングや、任意のタイミング)または該第1タイミングとは異なる第2タイミング(例えば、始動入賞後に2回目の保留表示のシフトが行われるタイミングや、任意のタイミング)において該特定表示を特殊態様から特別態様に変化させて表示することが可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS1803,S1811,S1813,S1845等を実行する部分。図31,図43~図44参照)、判定手段が有利状態に制御されると判定したときと有利状態に制御されないと判定したときとで、異なる割合により第1タイミングまたは第2タイミングにおいて特定表示を特殊態様から特別態様に変化させて表示する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67108等を実行する部分。図31参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、特定表示が特殊態様で表示されたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0011】
(手段3)手段1または手段2において、特定表示が特殊態様で表示されているときには新たに特定表示を特殊態様で表示することを制限する制限手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67101,S67111等を実行する部分)を備えるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、複数の特定表示が特殊態様で表示されたときに、どの特定表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
【0012】
(手段4)手段1から手段3のうちのいずれかにおいて、特別演出実行手段は、判定手段が有利状態に制御されると判定したときには、有利状態に制御されないと判定したときに比べて高い割合で判定対象となった可変表示に対応する特定表示を第2特別態様で表示する特別演出を実行し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67106,S67114,S1813,S1845等を実行する部分。図29(B)参照)、特定表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する特別演出パターン(例えば、第2先読み演出パターン)により特別演出を行うときに、第1演出(例えば、黒い矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン))を行い特定表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときと、該第1演出とは異なる第2演出(例えば、白い矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン))を行い特定表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときとがあり、第1演出が行われるとき第2演出が行われるときとで異なる割合により特定表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67106,S67110,S1813,S1845等を実行する部分。図29(B),図32参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、特定表示が特殊態様で表示されたときに、第1演出と第2演出とのいずれが行われるかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。」と記載されているのを、
「【0009】
(手段1)本発明による遊技機は、可変表示(例えば、第1特別図柄や第2特別図柄、演出図柄の変動表示)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、可変表示に対応する保留表示を表示する保留表示手段と、有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段とを備え、保留表示の表示態様は、通常態様(本例では「○」:図42(A)参照)と特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている:図43(B)参照)と特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる:図42(B1)参照、「○」内に「×」が2つ含まれる:図42(B2)参照)とを含み、判定手段の判定結果にもとづいて、保留表示を特別態様により表示する特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とをさらに備え、特殊態様により表示されている保留表示は、通常態様により表示されている保留表示よりも特別態様に変化しやすく、示唆演出実行手段は、保留表示が特殊態様により表示されているときに、示唆演出を実行する場合と、実行しない場合とがあり、演出後に保留表示の表示態様が変化する第1示唆演出と、演出後に保留表示の表示態様が変化しない第2示唆演出とを実行可能であり、保留表示が特殊態様により表示されているときには、保留表示が特殊態様により表示されていないときに比べて高い頻度で第2示唆演出を実行し、複数種類の示唆演出を実行可能であることを特徴とする。
そのような構成により、遊技興趣を向上させることができる。
【0010】
(手段2)手段1において、特別演出実行手段は、所定条件が成立したとき(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS67107で先読み演出を第2先読み演出パターンで実行すると決定し、ステップS67112を実行したとき(始動入賞のタイミング)や、始動入賞後からその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングまたはその他の任意のタイミングで通常態様から特殊態様に変化させると決定し、そのタイミングに至ったとき)に保留表示を特殊態様で表示し、該保留表示に対応する可変表示が開始されるまでの第1タイミング(例えば、始動入賞後に1回目の保留表示のシフトが行われるタイミングや、任意のタイミング)または該第1タイミングとは異なる第2タイミング(例えば、始動入賞後に2回目の保留表示のシフトが行われるタイミングや、任意のタイミング)において該保留表示を特殊態様から特別態様に変化させて表示することが可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS1803,S1811,S1813,S1845等を実行する部分。図31,図43~図44参照)、判定手段が有利状態に制御されると判定したときと有利状態に制御されないと判定したときとで、異なる割合により第1タイミングまたは第2タイミングにおいて保留表示を特殊態様から特別態様に変化させて表示する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67108等を実行する部分。図31参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、保留表示が特殊態様で表示されたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0011】
(手段3)手段1または手段2において、保留表示が特殊態様で表示されているときには新たに保留表示を特殊態様で表示することを制限する制限手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67101,S67111等を実行する部分)を備えるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、複数の保留表示が特殊態様で表示されたときに、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
【0012】
(手段4)手段1から手段3のうちのいずれかにおいて、特別演出実行手段は、判定手段が有利状態に制御されると判定したときには、有利状態に制御されないと判定したときに比べて高い割合で判定対象となった可変表示に対応する保留表示を第2特別態様で表示する特別演出を実行し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67106,S67114,S1813,S1845等を実行する部分。図29(B)参照)、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する特別演出パターン(例えば、第2先読み演出パターン)により特別演出を行うときに、第1演出(例えば、黒い矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン))を行い保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときと、該第1演出とは異なる第2演出(例えば、白い矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン))を行い保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときとがあり、第1演出が行われるとき第2演出が行われるときとで異なる割合により保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS67106,S67110,S1813,S1845等を実行する部分。図29(B),図32参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、保留表示が特殊態様で表示されたときに、第1演出と第2演出とのいずれが行われるかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。」
と訂正する。
第2 当合議体の判断
以下、本件訂正前の請求項1を、「訂正前請求項1」という。また、訂正前請求項1に係る発明を、「訂正前発明1」という。
訂正後についても、「訂正前」を「訂正後」に変えて同様に、「訂正後請求項1」、「訂正後発明1」という。
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
ア 訂正前請求項1において、例えば「特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とをさらに備え、・・・前記示唆演出実行手段は、特定表示が特殊態様により表示されているときに、示唆演出を実行する場合と、実行しない場合とがあり、演出後に保留表示の表示態様が変化する第1示唆演出と、演出後に保留表示の表示態様が変化しない第2示唆演出とを実行可能であり、特定表示が特殊態様により表示されているときには、特定表示が特殊態様により表示されていないときに比べて高い頻度で第2示唆演出を実行し、」との記載や、他の「特定表示」の記載のように、表示態様が変化し得る表示として、「特定表示」及び「保留表示」の記載が存在しており、両者が同一の「表示」を意味するのかが不明瞭であった。
イ 訂正事項1は、「特定表示」を「保留表示」に変更して記載を統一し、両者が同一の「表示」を意味するものとしたから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
(2)訂正事項2
訂正事項1において特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、請求項1に対応した事項が記載されている、明細書の段落【0009】~【0012】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
(3)小括
訂正事項1及び2は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1について
請求項1の訂正についてみると、本件特許の明細書の段落【0243】、【0257】、【0286】、【0327】及び【0329】等の記載から、通常態様と特殊態様と特別態様を含むとともに表示態様が変化し得る「表示」は、「保留表示」であることは自明であるから、訂正後発明1は、願書に添付した明細書又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載されているといえる。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0009】~【0012】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2は、訂正事項1と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、本件特許明細書等の記載に接した当業者ならば、訂正前発明1を訂正後発明1のとおり理解したことは当然である。
したがって、請求項1についての訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0009】~【0012】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
第3 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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