特許訂正審判
2024-390076
遊技機
- 審判番号
- 2024-390076
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-000202
- 登録番号
- 7443066
- 請求日
- 2024年07月26日
- 審決日
- 2024年09月24日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社三共
- 審判長/審判官
- 審判長 長井 真一
- 審判官 眞壁 隆一
- 審判官 三橋 健二
- 分類
- P141 .853-Y (A63F) / P141 .854-Y (A63F) / P141 .855-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7443066号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7443066号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7443066号(以下「本件特許」という。)は、令和2年1月6日に特許出願されたものであり、令和6年2月26日に特許権の設定登録がなされ、その後、同年7月26日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである(下線は合議体が付した。以下同じ。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記ユーザープログラムの開始後、前記開始前初期化において前記特定レジスタに格納された0が前記ユーザープログラムによって書き換えられる前の特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記開始前初期化により0が格納されている前記特定レジスタのデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、
前記ユーザープログラムの開始に伴う特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記ユーザープログラムの開始後、前記特定レジスタに格納されているデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」とあるのを、
「前記ユーザープログラムの開始後、前記開始前初期化において前記特定レジスタに格納された0が前記ユーザープログラムによって書き換えられる前の特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記開始前初期化により0が格納されている前記特定レジスタのデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」に訂正する。
2 訂正事項2
明細書の段落【0006】に
「前記ユーザープログラムの開始後、前記開始前初期化において前記特定レジスタに格納された0が前記ユーザープログラムによって書き換えられる前の特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記開始前初期化により0が格納されている前記特定レジスタのデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、
前記ユーザープログラムの開始に伴う特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記ユーザープログラムの開始後、前記特定レジスタに格納されているデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」とあるのを、
「前記ユーザープログラムの開始後、前記開始前初期化において前記特定レジスタに格納された0が前記ユーザープログラムによって書き換えられる前の特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記開始前初期化により0が格納されている前記特定レジスタのデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」に訂正する。
第4 訂正の適否についての判断
1 特許法第126条第1項ただし書に規定する要件について
(1) 訂正事項1について
本件訂正前の請求項1における訂正事項1に係る記載中には、「前記ユーザープログラムの開始後、前記開始前初期化において前記特定レジスタに格納された0が前記ユーザープログラムによって書き換えられる前の特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記開始前初期化により0が格納されている前記特定レジスタのデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0と」すること(以下「特定事項1」という。)と、「前記ユーザープログラムの開始に伴う特定契機で前記出力ポートを初期化する場合に、前記ユーザープログラムの開始後、前記特定レジスタに格納されているデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0と」すること(以下「特定事項2」という。)と、が特定されている。
ここで、特定事項1と特定事項2との関係について検討する。
特定事項1は、「前記ユーザープログラムの開始後、前記開始前初期化において前記特定レジスタに格納された0が前記ユーザープログラムによって書き換えられる前の特定契機」において出力ポートを初期化する場合について特定し、特定事項2は、「前記ユーザープログラムの開始に伴う特定契機」において出力ポートを初期化する場合について特定するところ、両特定事項においては、いずれも「特定契機」という同じ用語を用いており、特定事項1に続けて記載される特定事項2においては、「前記」と付されて「前記ユーザープログラムの開始に伴う特定契機」と記載されていることを踏まえると、特定事項2における「特定契機」は、特定事項1における「特定契機」と同じ「契機」を指しているものと解するのが自然である。
そうすると、本件訂正前の請求項1には、同じ「特定契機」における「前記出力ポートを初期化する場合」について、「前記開始前初期化により0が格納されている前記特定レジスタのデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」との特定(特定事項1)と「前記ユーザープログラムの開始後、前記特定レジスタに格納されているデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」との特定(特定事項2)という、「出力ポート」の「初期化」内容について重複して特定する二つの特定事項が存在しており、特定事項1と特定事項2がいかなる関係にあるのかについて不明瞭であった。
そこで、訂正事項1に係る訂正は、「特定契機」における「前記出力ポートを初期化する場合」について、同じ「出力ポート」の「初期化」方法を内容とする特定事項1及び特定事項2のうち、特定事項2を削除し、特定事項1のみを残すことで、不明瞭であった特定事項1と特定事項2との関係を解消するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項に規定する要件について
(1) 訂正事項1について
訂正事項1による訂正は、上記1(1)のとおり、本件訂正前に特許請求の範囲に記載のあった特定事項1のみとするものであり、新たな発明特定事項を追加するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正と同様に、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項に規定する要件
(1) 訂正事項1について
上記1(1)のとおり、訂正事項1に係る訂正は、同じ「特定契機」における「出力ポート」の「初期化」内容について重複して特定する関係にある、本件訂正前の請求項1の特定事項1及び特定事項2のうち、特定事項2を削除するものである。
ここで、特定事項1における「前記開始前初期化により0が格納されている前記特定レジスタのデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」は、特定事項2における「前記ユーザープログラムの開始後、前記特定レジスタに格納されているデータを0とする命令を実行した後、前記特定出力命令を実行することで前記出力ポートから出力されるデータを0とし、」において、「前記特定レジスタに格納されているデータを0とする命令を実行」する前の「前記特定レジスタに格納されているデータ」が、「開始前初期化」により「0」となっていることを特定したものである点で、特定事項2をより下位に限定したものである。
そうすると、訂正事項1に係る訂正は、特定事項1及び特定事項2のうち、上位の概念である特定事項2を削除するものであるから、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、訂正事項1に係る訂正と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 特許法第126条第7項に規定する要件
訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5、6項の規定に適合するものである。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正は適法にされたものであるから、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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