特許訂正審判
2018-390031
制御システム及び制御装置
- 審判番号
- 2018-390031
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-567702
- 登録番号
- 特許第6113381号(P6113381)
- 請求日
- 2018年02月15日
- 審決日
- 2018年04月10日
- 公報発行日
- 2018年07月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】三菱電機 株式会社
- 【請求人代理人】高村 順
- 審判長/審判官
- 審判長 安久 司郎
- 審判官 松田 岳士
- 審判官 千葉 輝久
- 分類
- P141 .852-Y (G06F) / P141 .853-Y (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条3項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第3項、特許法第126条第7項、特許法第126条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6113381号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6113381号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕、〔7-8〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許出願第6113381号(以下,「本件特許」という。)は,平成27年12月8日を国際出願日とする出願である特願2016-567702号の請求項1-8に係る発明について,平成29年3月24日に特許権の設定登録がなされ,平成30年2月15日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は,本件特許の明細書,特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書,訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の一群の請求項1-6,訂正後の一群の請求項7-8及び訂正後の明細書の段落【0007】について訂正することを認める,との審決を求めるというものである。
第3 訂正事項
本件訂正審判で請求された訂正の内容は,以下のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置と,前記第1の制御装置に1つ以上接続された第2の制御装置と,」とあるのを「機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置と,前記駆動系制御装置に1つ以上接続された第2の制御装置と,」に訂正する。
請求項1を引用する請求項2-6も同様に訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記制御システムは,ファクトリーオートメーション分野の設備を制御する制御システムであり,前記第1の制御装置は,駆動系制御装置であり,前記第2の制御装置は,前記駆動系制御装置が前記機器の情報を取得して記憶している間,待機状態を維持する待機系制御装置であり,」とあるのを「前記制御システムは,ファクトリーオートメーション分野の設備を制御する制御システムであり,前記第2の制御装置は,前記駆動系制御装置が前記機器の情報を取得して記憶している間,待機状態を維持する待機系制御装置であり,」に訂正する。
請求項2を引用する請求項3-6も同様に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に「前記第2の記憶先切り換え部は,前記第1の制御装置に備えられる」とあるのを「前記第2の記憶先切り換え部は,前記駆動系制御装置に備えられる」に訂正する。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項7に「前記第1の記憶先切り換え部は,前記外部記憶媒体の空き容量が増加した後,前記第2の制御装置から受信した前記記憶媒体に記憶されている情報を前記外部記憶媒体に記憶する」とあるのを「前記第1の記憶先切り換え部は,前記外部記憶媒体の空き容量が増加した後,前記他の制御装置から受信した前記記憶媒体に記憶されている情報を前記外部記憶媒体に記憶する」に訂正する。
請求項7を引用する請求項8も同様に訂正する。
5 訂正事項5
明細書の段落【0007】に「上述した課題を解決し,目的を達成するために,本発明は,機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置と,第1の制御装置に1つ以上接続された第2の制御装置と,」とあるのを「上述した課題を解決し,目的を達成するために,本発明は,機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置と,駆動系制御装置に1つ以上接続された第2の制御装置と,」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的
下記ア-オを勘案すると,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものと認められる。
ア 訂正前の請求項1には,「前記第1の制御装置」との記載があるものの,この記載よりも前に「第1の制御装置」という記載がないから,この「前記第1の制御装置」が誤った記載であることは明らかである。
イ 一方,訂正前の請求項1には,「機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置」及び「前記第2の制御装置から受信した前記記憶媒体に記憶されている情報を前記外部記憶媒体に記憶させる」との記載がある。この記載から,「外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する」のは「駆動系制御装置」であって,「前記第2の制御装置から受信した」「情報を前記外部記憶媒体に記憶させる」のであるから,「駆動系制御装置」が「第2の制御装置」から情報を受信すること,すなわち,「駆動系制御装置」が「第2の制御装置」に接続されていることが明らかである。
ウ 訂正前の請求項1は,「駆動系制御装置」,「第1の制御装置」及び「第2の制御装置」という3つの制御装置があるかような記載となっているが,「前記第1の制御装置」よりも前に記載された制御装置は「駆動系制御装置」しかなく,また,上記イのとおり,「駆動系制御装置」が「第2の制御装置」から情報を受信するのであるから,「第1の制御装置」は,「駆動系制御装置」の誤りであることが推測される。
エ そして,本件特許の明細書の段落【0018】の「駆動系制御装置5は,第1の制御装置及び制御装置であり,待機系制御装置5は,第2の制御装置及び他の制御装置である。」との記載より,本件特許の明細書では,「第1の制御装置」と「駆動系制御装置5」は同義であるから,訂正前の請求項1では,本件特許の明細書における「駆動系制御装置5」に対応する「駆動系制御装置」と,この「駆動系制御装置」と同義である「第1の制御装置」とを混在させる誤記があるものと認められる。
オ よって,訂正事項1は,訂正前の請求項1の「機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置と,前記第1の制御装置に1つ以上接続された第2の制御装置と,」との記載における「前記第1の制御装置」という誤記を,同義である「駆動系制御装置」という用語に統一することで,「機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置と,前記駆動系制御装置に1つ以上接続された第2の制御装置と,」に訂正することを目的とするものと認められる。
(2)一群の請求項ごとの訂正であるかについて
訂正前の請求項2-6は,訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用したものであるから,訂正前の請求項1-6は,一群の請求項を構成する。
よって,訂正事項1は,特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
(3)新規事項追加の有無について
訂正事項1は,願書に最初に添付した明細書の段落【0018】に基づいて誤記を訂正するものであるから,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内のものと認められる。
よって,訂正事項1は,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(4)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について
訂正事項1は,請求項1の「前記第1の制御装置」という誤記を,同義である「駆動系制御装置」という用語に統一するものである。
したがって,訂正事項1は,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
よって,訂正事項1は,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(5)独立特許要件について
訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲の請求項1-6に係る発明は,特許出願の際に独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないものである。
よって,訂正事項1は,特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的
訂正事項2は,特許請求の範囲の請求項2に「前記制御システムは,ファクトリーオートメーション分野の設備を制御する制御システムであり,前記第1の制御装置は,駆動系制御装置であり,前記第2の制御装置は,前記駆動系制御装置が前記機器の情報を取得して記憶している間,待機状態を維持する待機系制御装置であり,」とあるのを「前記制御システムは,ファクトリーオートメーション分野の設備を制御する制御システムであり,前記第2の制御装置は,前記駆動系制御装置が前記機器の情報を取得して記憶している間,待機状態を維持する待機系制御装置であり,」に訂正するもの,すなわち,訂正前の請求項2にあった「前記第1の制御装置は,駆動系制御装置であり,」との記載を削除するものである。
この訂正事項2は,訂正事項1に係る訂正に伴い,請求項1の記載との整合性を得るために訂正をするものであるから,特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。
(2)一群の請求項ごとの訂正であるかについて
訂正前の請求項3-6は,訂正前の請求項2を直接的又は間接的に引用したものであるから,訂正前の請求項2-6は,一群の請求項を構成する。
よって,訂正事項2は,特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
(3)新規事項追加の有無について
訂正事項2は,訂正事項1に係る訂正に伴い,請求項2の「前記第1の制御装置は,駆動系制御装置であり,」との不要な記載を削除して請求項1の記載との整合性を得るためにするものであるから,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内のものと認められる。
よって,訂正事項2は,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(4)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について
訂正事項2は,請求項2の「前記第1の制御装置は,駆動系制御装置であり,」との不要な記載を削除するものである。
したがって,訂正事項2は,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
よって,訂正事項2は,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的
訂正前の請求項5には,「前記第1の制御装置」との記載があるものの,この記載よりも前に「第1の制御装置」という記載があるのは,上記(1)で検討した訂正前の請求項1の「機器から取得した情報を着脱自在な外部記憶媒体に記憶する記憶手段を有する駆動系制御装置と,前記第1の制御装置に1つ以上接続された第2の制御装置と,」という記載及び上記(2)で検討した訂正前の請求項2の「前記制御システムは,ファクトリーオートメーション分野の設備を制御する制御システムであり,前記第1の制御装置は,駆動系制御装置であり,前記第2の制御装置は,前記駆動系制御装置が前記機器の情報を取得して記憶している間,待機状態を維持する待機系制御装置であり,」という記載のみである。
したがって,訂正事項3は,訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正に伴い,請求項1,2の記載との整合性を得るために訂正するものといえるから,特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。
(2)新規事項追加の有無について
訂正事項3は,訂正事項1と同様の理由により,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内のものと認められる。
よって,訂正事項3は,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について
訂正事項3は,請求項5の「前記第1の制御装置」という誤記を,同義である「駆動系制御装置」という用語に統一するものである。
したがって,訂正事項3は,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
よって,訂正事項3は,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的
下記ア-オを勘案すると,上記訂正事項4は,特許法第126条第1項ただし書き第2項の誤記の訂正を目的とするものと認められる。
ア 訂正前の請求項7には,「前記第2の制御装置」に対応する「第2の制御装置」という記載がないから,この「前記第2の制御装置」が誤った記載であることは明らかである。
イ 一方,訂正前の請求項7には「前記情報の記憶先を前記外部記憶媒体から前記他の制御装置の記憶媒体に切換える第1の記憶先切り換え部」及び「前記第1の記憶先切り換え部は,前記外部記憶媒体の空き容量が増加した後,前記第2の制御装置から受信した前記記憶媒体に記憶されている情報を前記外部記憶媒体に記憶することを特徴とする制御装置」との記載がある。この記載から,「記憶媒体」を有するのは「前記他の制御装置」であって,「制御装置」は「前記記憶媒体に記憶されている情報」を「受信」すること,すなわち,「制御装置」は「他の制御装置」の「記憶媒体に記憶されている情報」を「受信」することが明らかである。
ウ 訂正前の請求項7は,「他の制御装置」,「制御装置」及び「第2の制御装置」という3つの制御装置があるかような記載となっているが,上記アのとおり,訂正前の請求項7には「前記第2の制御装置」よりも前に「第2の制御装置」という記載はなく,また,上記イのとおり,「制御装置」が「他の制御装置」から情報を「受信」するのであるから,「前記第2の制御装置」は,「前記他の制御装置」の誤りであることが推測される。
エ そして,明細書の段落【0018】の「駆動系制御装置5は,第1の制御装置及び制御装置であり,待機系制御装置5は,第2の制御装置及び他の制御装置である。」との記載から,本件特許明細書では,「第2の制御装置」と「他の制御装置」は同義であるから,訂正前の請求項7では,この「他の制御装置」と同義である「第2の制御装置」とを混在させる誤記があるものと認められる。
オ よって,上記訂正事項4は,訂正前の請求項7の「前記第1の記憶先切り換え部は,前記外部記憶媒体の空き容量が増加した後,前記第2の制御装置から受信した前記記憶媒体に記憶されている情報を前記外部記憶媒体に記憶する」との記載における「前記第2の制御装置」という誤記を,同義である「他の制御装置」という用語に統一することで,「前記第1の記憶先切り換え部は,前記外部記憶媒体の空き容量が増加した後,前記他の制御装置から受信した前記記憶媒体に記憶されている情報を前記外部記憶媒体に記憶する」に訂正することを目的とするものと認められる。
(2)一群の請求項ごとの訂正であるかについて
訂正前の請求項8は,訂正前の請求項7を直接的又は間接的に引用したものであるから,訂正前の請求項7-8は,一群の請求項を構成する。
よって,訂正事項4は,特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
(3)新規事項追加の有無について
訂正事項4は,願書に最初に添付した明細書の段落【0018】に基づいて誤記を訂正するものであるから,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内のものと認められる。
よって,訂正事項4は,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(4)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について
訂正事項4は,請求項7の「前記第2の制御装置」という誤記を,同義である「他の制御装置」という用語に統一するものである。
したがって,訂正事項4は,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
よって,訂正事項4は,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(5)独立特許要件について
訂正事項4による訂正後の特許請求の範囲の請求項7-8に係る発明が,特許出願の際に独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないものである。
よって,訂正事項4は,特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
5 訂正事項5について
(1)訂正の目的
訂正事項5は,訂正事項1に係る訂正に伴い,請求項1の記載との整合性を得るために訂正をするものであり,特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。
(2)一群の請求項ごとの訂正であるかについて
訂正事項5は,段落【0007】に係る一群の請求項1-6の全てについてなされている。
よって,訂正事項5は,特許法第126条第4項の規定に適合するものである。
(3)新規事項追加の有無について
訂正事項5は,訂正事項1に係る訂正に伴い,請求項1の記載との整合性を得るために訂正をするものであるから,訂正事項1と同様に,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内のものと認められる。
よって,訂正事項5は,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(4)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について
訂正事項5は,訂正事項1に係る訂正に伴い,請求項1の記載との整合性を得るために訂正をするものであるから,訂正事項1と同様に,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
よって,訂正事項5は,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから,本件審判の請求は,いずれの一群の請求項に係る訂正についても特許法第126条第1項ただし書き第2号又は第3号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第3項ないし第7項の規定に適合するものといえる。
よって,結論のとおり審決する。
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