特許訂正審判
2025-390136
プロジェクタシステム、プロジェクタ、制御方法、およびプログラム
- 審判番号
- 2025-390136
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2011-207918
- 登録番号
- 5879864
- 請求日
- 2025年09月29日
- 審決日
- 2025年12月09日
- 公報発行日
- 2026年03月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ソニーグループ 株式会社
- 【請求人代理人】西川 孝
- 【請求人代理人】三浦 勇介
- 審判長/審判官
- 審判長 篠塚 隆
- 審判官 野崎 大進
- 審判官 久慈 渉
- 分類
- P141 .851-Y (G06F) / P141 .853-Y (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第4項第1号、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第5879864号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第5879864号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6、〔8、9〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第5879864号は、平成23年9月22日の出願であって、その請求項1ないし14に係る発明について、平成28年2月12日に特許権の設定登録がされたものであり、令和7年9月29日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、
「特許第5879864号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6、8、9について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであって、その訂正の内容は、次の訂正事項からなる。なお、下線部は訂正箇所を示す。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項6に
「前記指示装置情報は、前記指示装置によって指示されている指示位置情報であり、
前記指示装置情報取得手段は、前記指示位置情報を取得し、
前記判定手段は、前記指示位置情報に基づいて前記プロジェクタ又は前記外部装置のどちらの制御を行うかを判定する、
ことを特徴とする請求項4に記載のプロジェクタ。」
とあるのを
「前記指示装置情報は、前記指示装置によって指示されている指示位置情報であり、
前記指示装置情報取得手段は、前記指示位置情報を取得し、
前記判定手段は、前記指示位置情報に基づいて前記プロジェクタ又は前記外部装置のどちらの制御を行うかを判定し、
前記判定手段は、前記プロジェクタに設けられたメニューボタンが押下されたことに応じてプロジェクタ操作メニューが投影され、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタ操作メニュー上にある場合に、前記プロジェクタを制御すると判定する、
ことを特徴とする請求項4に記載のプロジェクタ。」
と訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8に
「前記判定手段は、前記指示位置および前記投影画像のうち少なくとも何れか一方に基づき判定を行うことを特徴とする請求項7に記載のプロジェク
タ。」
とあるのを
「前記指示装置は、電子ペンであり、
前記操作情報は、前記指示装置に対するクリック操作に関する情報を含み、
前記判定手段が前記外部装置の制御を行うと判定した場合に、前記外部装置が表示画面上のポインタの移動およびクリック動作の制御を行うために前記指示位置および前記操作情報を前記外部装置に送信する送信手段を備え、
前記判定手段は、前記指示装置の指示位置および前記投影画像のうち少なくとも何れか一方に基づき判定を行うことを特徴とする請求項7に記載のプロジェクタ。」
と訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する)。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項9に
「前記判定手段は、前記指示位置が前記プロジェクタを操作するために投影された前記投影画像上にある場合に前記プロジェクタを制御すると判定することを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。」
とあるのを
「前記位置検出手段は、赤外線を撮影するカメラであり、
前記判定手段は、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタを操作するために投影された前記投影画像上にある場合に前記プロジェクタを制御すると判定し、
前記判定手段は、前記プロジェクタに設けられたメニューボタンが押下されたことに応じてプロジェクタ操作メニューが投影され、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタ操作メニュー上にある場合に、前記プロジェクタを制御すると判定することを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。」
と訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1) 訂正の目的について
訂正事項1は、「前記プロジェクタ又は前記外部装置のどちらの制御を行うか」の判定について、「前記判定手段は、前記プロジェクタに設けられたメニューボタンが押下されたことに応じてプロジェクタ操作メニューが投影され、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタ操作メニュー上にある場合に、前記プロジェクタを制御すると判定する」ように訂正前の請求項6に係る発明を特定するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(2) 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であることについて
訂正事項1である「前記判定手段は、前記プロジェクタに設けられたメニューボタンが押下されたことに応じてプロジェクタ操作メニューが投影され、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタ操作メニュー上にある場合に、前記プロジェクタを制御すると判定する」は、願書に添付した明細書の段落【0012】、【0030】の記載に基づくものである。
段落【0030】には、PJ2に設けられたメニューボタンをユーザが押下し、プロジェクタ操作メニューが投影されている場合において、「指示位置がプロジェクタ操作メニュー上にある場合には、プロジェクタモードであると判定」することが記載されている。プロジェクタモードが「前記プロジェクタを制御する」モードであることについては、段落【0012】に記載されている。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。
(3) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについて
上記(1)において検討したとおり、訂正事項1は、発明特定事項を上位概念から下位概念に変更するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4) 独立特許要件について
訂正事項1は、上述のとおり訂正前の請求項6に係る発明を下位概念の発明に訂正するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在しない。また、本訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもないから、独立特許要件を満たす。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1) 一群の請求項について
訂正前の請求項8及び9について、請求項9は、請求項8を引用しているものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項8に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項8及び9に対応する訂正後の請求項8及び9は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。
(2) 訂正の目的について
ア 訂正事項2は、訂正前の請求項8に係る発明における「指示装置」を「前記指示装置は、電子ペンであ」るとして特定するものである(以下、訂正事項2-1という)。
また、訂正事項2は、「操作情報」を「前記操作情報は、前記指示装置に対するクリック操作に関する情報を含」む情報であるとして特定するものである(以下、訂正事項2-2という)。
さらに、訂正事項2は、「前記判定手段が前記外部装置の制御を行うと判定した場合に、前記外部装置が表示画面上のポインタの移動およびクリック動作の制御を行うために前記指示位置および前記操作情報を前記外部装置に送信する送信手段」をさらに備えるものとなるように訂正前の請求項8に係る発明を特定するものである(以下、訂正事項2-3という)。
上記訂正事項2-1、2-2、2-3は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
イ さらに、訂正事項2は、訂正前の請求項8に係る発明における「前記指示位置」を「前記指示装置の指示位置」と訂正するものである(以下、訂正事項2-4という)。
訂正事項2-4は、訂正事項2-3として「前記外部装置が表示画面上のポインタの移動およびクリック動作の制御を行うために前記指示位置および前記操作情報を前記外部装置に送信する」と訂正することに伴い、外部装置に対して送信される「前記指示位置」との違いを明らかにするものである。
したがって、訂正事項2-4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(3) 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であることについて
訂正事項2-1の「前記指示装置は、電子ペンであり、」は、願書に添付した明細書の段落【0011】の記載に基づくものである。
段落【0011】には、指示装置3として「ペン型の情報機器を用いることができる」ことが記載されている。情報機器は、電子部品によって構成され、情報処理を電子的に行う電子機器であるから、「ペン型の情報機器」は、「ペン型の電子機器」、すなわち「電子ペン」である。
訂正事項2-2の「前記操作情報は、前記指示装置に対するクリック操作に関する情報を含み、」は、願書に添付した明細書の段落【0021】の記載に基づくものである。
段落【0021】には、外部装置モードである場合に、PJ2の送信部24が操作情報および指示位置を外部装置4に送信し、外部装置4において外部装置4の制御が行われることが記載されている。また、外部装置4における制御の例として、指示装置3に対するクリック操作に基づき、クリック動作などの制御が行われることが記載されている。
送信部24が送信する操作情報に「前記指示装置に対するクリック操作に関する情報」が含まれることが段落【0021】に記載されているものと認められる。
訂正事項2-3の「前記判定手段が前記外部装置の制御を行うと判定した場合に、前記外部装置が表示画面上のポインタの移動およびクリック動作の制御を行うために前記指示位置および前記操作情報を前記外部装置に送信する送信手段を備え、」は、願書に添付した明細書の段落【0021】の記載に基づくものである。
段落【0021】には、外部装置モードである場合に、PJ2の送信部24が操作情報および指示位置を外部装置4に送信すること、および、その操作情報および指示位置が、外部装置4の表示画面上のポインタの移動やクリック動作の制御に外部装置4において用いられることが記載されている。
訂正事項2-4の「前記指示装置の指示位置」は、願書に添付した明細書の段落【0021】の記載に基づくものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについて
上記(2)において検討したとおり、訂正事項2は、発明特定事項を上位概念から下位概念に変更し、発明特定事項を直列的に付加し、記載の内容を明らかにするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4) 独立特許要件について
訂正事項2は、上述のとおり訂正前の請求項8に係る発明を下位概念の発明に訂正するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在しない。また、本訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもないから、独立特許要件を満たす。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項に適合するものである。
3 訂正事項3について
(1) 訂正の目的について
ア 訂正事項3は、訂正前の請求項9に係る発明における「位置検出手段」を「前記位置検出手段は、赤外線を撮影するカメラであ」るとして特定するものである(以下、訂正事項3-1という)。
また、訂正事項3は、「前記プロジェクタ又は前記外部装置のどちらの制御を行うか」の判定について、「前記判定手段は、前記プロジェクタに設けられたメニューボタンが押下されたことに応じてプロジェクタ操作メニューが投影され、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタ操作メニュー上にある場合に、前記プロジェクタを制御すると判定する」ように訂正前の請求項9に係る発明を特定するものである(以下、訂正事項3-2という)。
したがって、、訂正事項3-1、3-2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
イ さらに、訂正事項3は、訂正前の請求項9に係る発明における「前記指示位置」を「前記指示装置の指示位置」と訂正するものである(以下、訂正事項3-3という)。
訂正事項3-3は、訂正事項3-2として「前記判定手段は、前記プロジェクタに設けられたメニューボタンが押下されたことに応じてプロジェクタ操作メニューが投影され、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタ操作メニュー上にある場合に、前記プロジェクタを制御すると判定する」と訂正することに伴い、訂正事項3-2における「前記指示装置の指示位置」との関係を明らかにするものである。
したがって、訂正事項3-3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2) 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であることについて
訂正事項3-1の「前記位置検出手段は、赤外線を撮影するカメラであり、」は、願書に添付した明細書の段落【0029】の記載に基づくものである。
段落【0029】には、位置検出部26がカメラを備えることが記載されている。また、光源35が発した赤外線を撮影するカメラを用いることができることが記載されている。
訂正事項3-2の「前記判定手段は、前記プロジェクタに設けられたメニューボタンが押下されたことに応じてプロジェクタ操作メニューが投影され、前記指示装置の指示位置が前記プロジェクタ操作メニュー上にある場合に、前記プロジェクタを制御すると判定する」は、願書に添付した明細書の段落【0012】、【0030】の記載に基づくものである。
訂正事項3-3の「前記指示装置の指示位置」は、願書に添付した明細書の段落【0021】の記載に基づくものである。
よって、訂正事項3は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについて
上記(1)において検討したとおり、訂正事項3は、発明特定事項を上位概念から下位概念に変更するとともに、記載の内容を明らかにするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4) 独立特許要件について
訂正事項3は、上述のとおり訂正前の請求項9に係る発明を下位概念の発明に訂正するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在しない。また、本訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもないから、独立特許要件を満たしているといえる。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第7項に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号および第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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