特許訂正審判
2023-390025
計算装置
- 審判番号
- 2023-390025
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-174270
- 登録番号
- 6964056
- 請求日
- 2023年02月21日
- 審決日
- 2023年05月31日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 東芝
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 林 毅
- 審判官 稲垣 良一
- 審判官 吉田 美彦
- 分類
- P141 .853-Y (G06F) / P141 .852-Y (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第7項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6964056号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6964056号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6964056号(以下「本件特許」という。)は、平成30年9月18日を出願日とする出願であって、令和3年10月20日に特許権の設定登録がなされ、令和5年2月21日に本件審判請求書が提出されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6964056号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件特許の訂正(以下、「本件訂正」という。)は、以下の訂正事項1-6のとおりである。(下線は、訂正箇所を示す。)
1.訂正事項1
請求項1に「前記N個の第1変数は、前記N個のスピンに対応し、」と記載されているのを、「前記N個の第1変数は、N個のスピンに対応し、」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2-27も同様に訂正する)。
2.訂正事項2
請求項1に「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」と記載されているのを、「前記N個の第1中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の第1中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2-27も同様に訂正する)。
3.訂正事項3
請求項1に「前記N個の中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」と記載されているのを、「前記N個の第2中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2-27も同様に訂正する)。
4.訂正事項4
明細書の段落【0007】の「前記N個の第1変数は、前記N個のスピンに対応し、」と記載されているのを、「前記N個の第1変数は、N個のスピンに対応し、」に訂正する。
5.訂正事項5
明細書の段落【0007】の「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値である。」と記載されているのを、「前記N個の第1中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の第1中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値である。」に訂正する。
6.訂正事項6
明細書の段落【0007】の「前記N個の中間変数は、前記N個の第2変数に対応する。」と記載されているのを、「前記N個の第2中間変数は、前記N個の第2変数に対応する。」に訂正する。
第4 当審の判断
1.訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に記載された初出の「N個のスピン」の直前の「前記」を削除するものであり、それ自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じているために不明瞭となっている記載を正すものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に添付した明細書の段落【0012】には、「式(1)において、Nはスピンの数を表す。siは、i番目のスピンの状態を表す。例えば、si=±1である。sjは、j番目のスピンの状態を表す。例えば、sj=±1である。iおよびjは、0以上、(N-1)以下の整数である。」と記載されている。また、明細書の段落【0016】には、「式(2)、式(3)、式(4)において、Nは、質点の数を表し、2以上の整数である。Nは、スピンの数に対応する。xiは、i番目の質点の位置を表す実数である。yiは、i番目の質点の運動量を表す実数である。iおよびjは、0から(N-1)までの整数である。」と記載されている。また、明細書の段落【0044】には、「そして、出力部24は、終了時刻TにおけるN個の第1変数xiの符号を表す値(例えば、+1,-1)を、イジングモデルにおけるN個のスピンの状態の組み合わせの最適解として出力する。」と記載されている。明細書の段落【0012】及び段落【0016】の記載から、iはインデックスを表し、0からN-1までの整数を表すものであることが読み取れるから、x1とs1とが対応し、x2とs2とが対応し、・・・、x(N-1)とs(N-1)とが対応していることは明らかである。よって、これらの記載から明細書には、「N個の第1変数は、N個のスピンに対応する」ことが記載されているものと読み取れる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記1.(1)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、それ自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じているために不明瞭となっている記載を正すものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記1.(1)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定(独立特許要件)に適合するか否かについての判断を要しない。
2.訂正事項2について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の請求項1には、「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」と記載されている。当該記載より前には、「N個の第1中間変数」及び「N個の第2中間変数」という記載は存在するが、「N個の中間変数」の記載は存在しない。また、願書に最初に添付した明細書には、「N個の第1中間変数xi´」(段落【0052】ほか)及び「N個の第2中間変数bi」(段落【0053】ほか)という記載は存在するが、「N個の中間変数」という記載は存在しない。
したがって、本件訂正前の請求項1に記載の「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」における「前記N個の中間変数」の記載が誤記であることは明らかである。
また、明細書の段落【0052】には、「S13において、演算部20は、N個の第1変数xiのそれぞれに、サンプリング期間(微小時間)dtと、予め設定された係数cとを乗じることにより、N個の第1中間変数xi′を算出する。すなわち、S13において、演算部20は、下記の式(21)の演算を実行する。
xi′=dt×c×xi…(21)」
との記載がある。また、上記1.(2)で検討したとおり、明細書の段落【0012】及び段落【0016】の記載から、iはインデックスを表し、0からN-1までの整数を表すものであることが読み取れるから、x1′とx1とが対応し、x2′とx2とが対応し、・・・、x(N-1)′とx(N-1)とが対応していることは明らかである。よって、これらの記載から、本件訂正前の請求項1の「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」における「前記N個の中間変数」という記載は、「前記N個の第1中間変数」が正しい記載であることが読み取れる。
そうすると、本件訂正前の請求項1に「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」と記載されているのを、「前記N個の第1中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の第1中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」とする訂正事項2は、明らかな誤記を訂正するものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記2.(1)で検討したとおり、願書に最初に添付した明細書の段落【0012】、段落【0016】及び段落【0052】の記載から、願書に最初に添付した明細書には、「前記N個の第1中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の第1中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値」であることが記載されているものと読み取れる。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記2.(1)で検討したとおり、訂正事項2に係る訂正は、請求項1における明らかな誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記2.(1)で検討したとおり、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、当該要件について検討すると、訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。
したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定(独立特許要件)に適合するものである。
3.訂正事項3について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の請求項1には、「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、前記N個の中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」と記載されている。当該記載より前には、「N個の第1中間変数」及び「N個の第2中間変数」という記載は存在するが、「N個の中間変数」の記載は存在しない。また、願書に最初に添付した明細書には、「N個の第1中間変数xi´」(段落【0052】ほか)及び「N個の第2中間変数bi」(段落【0053】ほか)という記載は存在するが、「N個の中間変数」という記載は存在しない。
したがって、本件訂正前の請求項1に記載の「前記N個の中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値であり、」における「前記N個の中間変数」の記載が誤記であることは明らかである。
また、明細書の段落【0055】には、「続いて、S15において、演算部20は、N個の第2変数yiのそれぞれに、対応する第2中間変数biを加算することにより、N個の第2変数yiを更新する。すなわち、S15において、演算部20は、下記の式(23)の演算を実行する。
yi+=bi…(23)」
との記載がある。また、上記1.(2)で検討したとおり、明細書の段落【0012】及び段落【0016】の記載から、iはインデックスを表し、0からN-1までの整数を表すものであることが読み取れるから、b1とy1とが対応し、b2とy2とが対応し、・・・、b(N-1)とy(N-1)とが対応していることは明らかである。よって、これらの記載から、本件訂正前の請求項1の「前記N個の中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」における「前記N個の中間変数」という記載は、「前記N個の第2中間変数」が正しい記載であることが読み取れる。
そうすると、本件訂正前の請求項1に「前記N個の中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」と記載されているのを、「前記N個の第2中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」とする訂正事項3は、明らかな誤記を訂正するものである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記3.(1)で検討したとおり、願書に最初に添付した明細書の段落【0012】、段落【0016】及び段落【0055】の記載から、願書に最初に添付した明細書には、「前記N個の第2中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」ことが記載されているものと読み取れる。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記3.(1)で検討したとおり、訂正事項3に係る訂正は、請求項1における明らかな誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記3.(1)で検討したとおり、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、当該要件について検討すると、訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。
したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定(独立特許要件)に適合するものである。
4.訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正事項4に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正により請求項1を訂正することに伴い、明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するように訂正するものである。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記1.(2)で検討したとおり、願書に添付した明細書の段落【0012】、段落【0016】及び段落【0044】の記載から、明細書には、「N個の第1変数は、N個のスピンに対応する」ことが記載されていると読み取れる。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記4.(1)で検討したとおり、訂正事項4に係る訂正は、明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するようにするための訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではない。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記4.(1)で検討したとおり、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定(独立特許要件)に適合するか否かについての判断を要しない。
5.訂正事項5について
(1)訂正の目的について
訂正事項5に係る訂正は、訂正事項2に係る訂正により請求項1を訂正することに伴い、明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するように訂正するものである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記2.(2)で検討したとおり、願書に添付した明細書の段落【0012】、段落【0016】及び段落【0052】の記載から、明細書には、「前記N個の第1中間変数は、前記N個の第1変数に対応し、前記N個の第1中間変数のそれぞれは、前記N個の第1変数のうちの対応する第1変数または前記対応する第1変数に予め設定された係数を乗じた値」であることが記載されているものと読み取れる。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記5.(1)で検討したとおり、訂正事項5に係る訂正は、明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するようにするための訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記5.(1)で検討したとおり、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定(独立特許要件)に適合するか否かについての判断を要しない。
6.訂正事項6について(1)訂正の目的について
訂正事項6に係る訂正は、訂正事項3に係る訂正により請求項1を訂正することに伴い、明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するように訂正するものである。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記3.(2)で検討したとおり、願書に添付した明細書の段落【0012】、段落【0016】及び段落【0055】の記載から、明細書には、「前記N個の第2中間変数は、前記N個の第2変数に対応する」ことが記載されているものと読み取れる。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記6.(1)で検討したとおり、訂正事項6に係る訂正は、明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するようにするための訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではない。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記6.(1)で検討したとおり、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定(独立特許要件)に適合するか否かについての判断を要しない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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