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特許拒絶査定不服審判

2018-012605

測定装置、測定システム、測定方法、及び測定装置を備える電子機器

審判番号
2018-012605
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-064134外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年09月20日
審決日
2019年07月22日
公報発行日
2019年10月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014- 64134「測定装置、測定システム、測定方法、及び測定装置を備える電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月22日出願公開、特開2015-181908〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年3月26日の出願であって、平成29年7月6日付けで拒絶理由が通知され、同年9月4日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年2月8日付けで拒絶理由が通知され、同年4月9日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月30日付けで拒絶査定されたところ、同年9月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。その後当審において平成31年4月18日付けで拒絶理由が通知され、令和元年6月18日に意見書及び手続補正書(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。 第2 本願発明 本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。 「測定部に接触する被検部位の血液中のグルコースの濃度を測定する測定装置であって、 前記被検部位に光を照射する照射部と、 前記被検部位からの反射光を受光する受光部と、 ユーザが前記被検部位を押し当てた状態における前記測定部における圧力を検出する圧力検出部と、 前記圧力が第1の範囲のときの前記受光部の出力と、前記圧力が第2の範囲のときの前記受光部の出力との差分に基づき、前記成分の濃度を算出する算出部と を備え、 前記第1の範囲の圧力は、毛細血管にグルコースが流れる範囲の圧力であり、 前記第2の範囲の圧力は、毛細血管にグルコースが流れない範囲の圧力である、測定装置。」 第3 拒絶の理由 平成31年4月18日の当審が通知した拒絶理由のうち理由1は、次のとおりのものである。 本願発明は、本願の出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2004-298408号公報 引用文献2:特表2002-519130号公報 第4 引用文献の記載等 1 引用文献1の記載 引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。 (引1ア) 「(57)【要約】 【課題】非侵襲的なグルコース濃度測定装置において、S/N比を上げて測定精度を向上する。 【解決手段】測定端面11に配され近赤外光を生体内に照射する光照射部16と生体A内で拡散あるいは透過した光を生体A外部において検出する検出器17とを備える測定ヘッド14と、該測定ヘッド14の測定端面11に加わる圧力を検出する圧力検出手段15と、前記検出器17により検出された受光信号に基づいて生体A内のグルコース濃度を算出する演算手段39とを備え、該演算手段39は、前記圧力検出手段15により検出された圧力が所定の条件を満たしたときに得られる受光信号に基づいて演算を行うグルコース濃度測定装置1を提供する。」 (引1イ) 「【0012】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の第1実施形態に係るグルコース濃度測定装置について図面を参照して説明する。 本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、図1に示すように、測定部ユニット10と、測定部ユニット10に接続された制御部30と、制御部30に接続された表示部50とを備えている。 【0013】 前記測定部ユニット10は、測定端面11に開口部12を有する容器状のユニット本体13と、該ユニット本体13の開口部12に出没可能に配置された測定ヘッド14と、測定ヘッド14に加わる圧力を検出する圧力検出手段15とを備えている。 【0014】 前記測定ヘッド14は、その内部に配置された光ファイバ16と、該光ファイバ16の周囲に配置された複数のPbSセンサ17と、測定ヘッド端面14aに配置された可視光カットフィルタ18と、測定ヘッド14の側面に設けられたストッパ19とを備えている。 前記光ファイバ16は、測定ヘッド端面14aと光ファイバ端面16aとが面一になるように、測定ヘッド14の中央に配置されている。 前記PbSセンサ17は、測定ヘッド14の内部に開口部20に向けて配置されている。また、PbSセンサ17としては、例えば、P2532-01(浜松ホトニクス社製)が使用される。 前記可視光カットフィルタ18は、光ファイバ16の周囲に、開口部20を塞ぐように配置され、測定ヘッド14内部のPbSセンサ17に開口部20を通して近赤外光以外の光が進入するのを防いでいる。また、前記ストッパ19は、測定ヘッド14の側面から大きく半径方向に突出している。 また、測定部ユニット10には貫通穴23が形成されている。この貫通穴23には、光ファイバ16及びPbSセンサ17からの出力信号を外部に伝送するための配線が通されている。 【0015】 前記圧力検出手段15は、ユニット本体13内部の前記開口部12に対向する内壁面に配置されたリング状の圧力センサ21と、ユニット本体13内に配され測定ヘッド14を開口部12から突出する方向に付勢するコイルスプリング22とを備えている。 前記コイルスプリング22は、測定ヘッド14と圧力センサ21との間に若干圧縮された状態で配置されている。これにより、測定ヘッド14はコイルスプリング22によって開口部12から突出する方向に常時付勢されている。したがって、圧力センサ21には、測定ヘッド端面14aが押圧されていない状態においても一定の圧力が加えられている。そして、測定ヘッド端面14aに押圧力が加えられていない状態においては、測定ヘッド14はストッパ19を開口部12周辺の内壁面に突き当てることにより、鎖線に示す位置まで突出量が制限されている。また、測定ヘッド端面14aに押圧力が加えられるとコイルスプリング22が圧縮する方向に変位させられ、その変位量に比例して増加した押圧力が圧力センサ21により検出されるようになっている。 【0016】 前記制御部30は、光源31と、該光源31から発せられた光をコリメートするコリメートレンズ32と、コリメートされた光を一定の偏光方向に偏光するポラライザ33と、入力された高周波の周波数に応じて、ポラライザ33において偏光された光を分光して特定の波長の光(近赤外光)のみをさらに偏光して出射する音響光学可変波長フィルタ(AOTF:Acousto-Optic Tunable Filter)34と、音響光学可変波長フィルタ34に高周波を供給して制御するフィルタ制御部35と、音響光学可変波長フィルタ34において偏光された特定の波長の光のみを通過させるアナライザ36と、アナライザ36を通過させられた光を集光させ、光ファイバ16に光を入射されるための集光レンズ37と、PbSセンサ17により検出された受光信号を増幅するアンプ38と、アンプ38による増幅された受光信号に基づいてグルコース濃度を演算する演算装置39と、圧力センサ21に接続されている判断装置40とを備えている。 【0017】 また、前記フィルタ制御部35は、前記判断装置40からのスキャン開始指令を受けると作動するようになっている。また、音響光学可変波長フィルタ34に対して特定の周波数の高周波を供給するのと同期して、その周波数に応じて音響光学可変波長フィルタ34から出射されている光の波長信号を演算装置39に供給するようになっている。さらに、このフィルタ制御部35は、音響光学可変波長フィルタ34に供給する高周波の周波数を順次変更してスキャンすることが可能となっている。 【0018】 前記演算装置39は、アンプ38を介して各PbSセンサ17から得た受光信号と、フィルタ制御部35から得られた各受光信号に対応する波長信号とから得られる受光信号のスペクトル分布に基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1.5μm近傍の領域における出力信号値からグルコース濃度を演算するようになっている。また、この演算装置39は、光の波長信号を供給されると同時に作動するようになっている。前記光源31は、例えば、ハロゲンランプである。また、前記表示部50は、前記演算装置39から出力されたグルコース濃度値を表示するようになっている 【0019】 前記判断装置40は、圧力センサ21により検出された圧力信号を受けて、この圧力信号とあらかじめ設定されている圧力閾値αとを比較し、検出された圧力信号が圧力閾値α以上であればスキャン開始指令をフィルタ制御部35に送るようになっている。 【0020】 このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置の作用について、以下に説明する。 本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内部の血液のグルコース濃度を測定するには、まず、測定端面11を生体Aの表面に対し密着させ、光源31を作動させる。 【0021】 この状態において、生体Aの表面から測定ヘッド端面14aに押圧力が加わると、測定ヘッド13は実線に示す位置まで開口部12内に押し入れられる。このとき、生体Aの表面から測定ヘッド端面14aに加えられる押圧力により、コイルスプリング22が圧縮させられる。そして、圧力センサ21により検出される圧力信号はコイルスプリング22の変位量に比例して増加する。この場合において、判断装置40は、検出された圧力信号と圧力閾値αとを常に比較しており、検出された圧力信号が圧力閾値α以上となった時点で、スキャン開始指令をフィルタ制御部35に送る。 【0022】 スキャン開始指令を受けたフィルタ制御部35は、音響光学可変波長フィルタ34に高周波の周波数を供給し、光源31から発せられた近赤外光を音響光学可変波長フィルタ34により分光する。分光された光は集光レンズ37により集光され、光ファイバ16内に入射させられる。光ファイバ16内を伝播した光は、光ファイバ端16aから生体A内に入射される。 【0023】 このようにして、生体A内に入射された近赤外光は、入射方向に沿って生体A内を進行する間に、生体組織内の体液成分に応じて、特定の波長領域の光を吸収される。したがって、生体A内で拡散され、生体A外部に出射された光は、体組織内の体液成分に応じた特定の波長領域の光量が低下している。このようにして生体A外部に出射した光のうち、開口部20に向かって拡散した光は、PbSセンサ17により検出され、受光信号がアンプ38によって増幅された後に演算装置39に入力される。入力されたPbSセンサ17により検出された受光信号に基づいて演算装置39により解析され、グルコース濃度が求められ、表示部50においてグルコース濃度の値が表示される。 【0024】 すなわち、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、判断装置40において、圧力センサ21により検出された圧力信号が圧力閾値α以上となった状態において得られる受光信号に基づいてグルコース濃度を求めているので、生体Aに対し、所定の圧力を加えた測定条件下において、グルコース濃度を測定することが可能となる。その結果、複数回にわたって測定する場合においても、同一測定条件に整えて測定結果のばらつきを低減することができる。また、適正測定条件下においてのみ測定を許容することにより測定精度を向上することができる。」 (引1ウ) 「【0026】 次に、本発明の第2実施形態に係るグルコース濃度測定装置について図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を用いてその説明は省略する。 本実施形態に係るグルコース濃度測定装置2は、図2に示すように、測定ヘッド14がユニット本体13に固定されている点、圧力センサ(圧力検出手段)24の形態、及び報知手段が設けられている点において、第1実施形態に係るグルコース濃度測定装置1と相違している。 【0027】 前記測定ヘッドは、開口部12から若干突出してユニット本体13に固定されている。 前記圧力センサ24は、測定端面11上に測定ヘッド端面14aと面一となるように測定ヘッド14の周囲に配置され、リング状に形成されている。この圧力センサ24は、図3に示すように4分割され、センサ部25,26がX軸方向に沿う圧力分布を図4(a)に示すように検出し、センサ部27,28がY軸方向に沿う圧力分布を図4(b)に示すように検出するようになっている。図4中符号Bは圧力センサ24の中心点である。 【0028】 前記報知手段は判断装置60と表示部50とにより構成されている。前記判断装置60には、圧力範囲β~γがあらかじめ設定されている。そして、判断装置60は、まず、X軸方向のセンサ部25,26からの出力信号のピーク値C,Dを比較するようになっている。その結果、いずれかが大きいときは両者の値が略均等となるように表示部50に表示を行うようになっている。例えば、表示部50には、図5に示される指示画面51が表示される。ここで、指示画面51は、被検者の指を模式的に示す画像52と、矢印53~56とを含んでいる。例えば、X軸方向のセンサ部25により検出されるピーク値Cがセンサ部26により検出されたピーク値Dより大きいときは、矢印54を点灯又は点滅するようになっている。また、Y軸方向のセンサ部27,28からの出力信号のピーク値E,Fに対しても上述と同様にして比較が行われるようになっている。 【0029】 次に、判断装置60は、センサ部25,26及びセンサ部27,28における圧力値がそれぞれバランスされた状態で、その圧力値が前記設定圧力範囲に入っているか否かをそれぞれ判断するようになっている。その結果、全体的に設定圧力範囲を超えているときは、指示画面51内のメッセージ表示部57に、例えば、「押す力を緩めて下さい」との指示を表示させ、全体的に設定圧力範囲に満たないときは、例えば、「強く押して下さい」との指示を表示部50に表示させるようになっている。 このようにして、各センサ部25~28により検出されたピーク値C~Fがすべて設定圧力範囲内であれば、判断装置60は、スキャン開始指令をフィルタ制御部35に送るようになっている。 【0030】 このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置の作用について、以下に説明する。 本実施形態に係るグルコース濃度測定装置2を用いて生体A内部の血液のグルコース濃度を測定するには、まず、測定端面11を生体Aに対し密着させ、光源31を作動させる。 【0031】 この状態において、生体Aの表面から測定端面11に押圧力が加わると、各圧力センサ部25~28により、図4に示すような圧力分布が検出される。そして、判断装置60において、X軸方向のセンサ部25,26により検出されたピーク値C,D及びY軸方向のセンサ部27,28により検出されたピーク値E,Fが比較される。例えば図4に示す例では、X軸方向の圧力分布は略均等であるが、Y軸方向の圧力分布は、センサ部28により検出されたピーク値Fの方がピーク値Eよりも大きくなっている。このため、判断装置60の作動により、表示部50において矢印55が点灯させられる。被検者は、この指示画面51を見ることにより、測定端面11に対し手前側に圧力を加えるように促されることになる。そして、判断装置60において、ピーク値C~Fがすべて設定圧力範囲内となった時点で、スキャン開始指令をフィルタ制御部35に送る。そして、スキャン開始指令を受けたフィルタ制御部35は、第1実施形態と同様にして、近赤外光を生体A内に入射させ、演算装置39によりグルコース濃度が求められる。 【0032】 すなわち、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置2は、判断装置60において、各センサ部25~28により検出された圧力のピーク値C~Fがすべて設定圧力範囲内となった測定に適した状態において得られる受光信号に基づいてグルコース濃度を精度良く測定することができる。」 (引1エ)図2 (引1オ)図5 2 引用発明 (1)測定端面11を生体Aに対し密着させ、生体A内部の血液のグルコース濃度を測定するグルコース濃度測定装置2(【0030】)は、【0028】の記載及び図5をみると、生体Aが「被検者の指」であることが分かる。 (2)したがって、上記(1)を含め上記1の記載事項及び図面を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「被検者の指内部の血液のグルコース濃度を測定するグルコース濃度測定装置2であって、 まず、測定端面11を被検者の指に対し密着させ、光源31を作動させ、 この状態において、被検者の指の表面から測定端面11に押圧力が加わると、各圧力センサ部25~28により、圧力が検出され、 そして、判断装置60において、X軸方向のセンサ部25,26により検出されたピーク値C,D及びY軸方向のセンサ部27,28により検出されたピーク値E,Fがすべて設定圧力範囲内となった時点、すなわち測定に適した状態となった時点で、スキャン開始指令をフィルタ制御部35に送り、 スキャン開始指令を受けたフィルタ制御部35は、音響光学可変波長フィルタ34に高周波の周波数を供給し、光源31から発せられた近赤外光を音響光学可変波長フィルタ34により分光し、分光された光は、光ファイバ16内に入射させられ、光ファイバ16内を伝播した光は、光ファイバ端16aから被検者の指内に入射され、 このようにして被検者の指外部に出射した光のうち、測定端面11の開口部20に向かって拡散した光は、PbSセンサ17により検出され、受光信号が演算装置39に入力され、入力されたPbSセンサ17により検出された受光信号に基づいて演算装置39により解析され、グルコース濃度が求められる、 グルコース濃度測定装置2。」 3 引用文献2の記載 引用文献2には、以下の事項が記載されている。 (引2ア) 「  【請求項1】 生体の血液中の検体の濃度を決定する非侵襲的な方法であって、 (a)光源の光を前記生体の組織の領域に照射するステップと、 (b)前記組織の領域によって放出され、放出されたスペクトルの量が血液量を示す蛍光スペクトルを収集するステップと、 (c)ある波長範囲で前記検体に対応した前記組織の領域によって放出され、放出されたスペクトルの量が検体の量を示すラマンスペクトルを収集するステップと、 (d)単位あたりの血液量での検体の濃度に比例した数値を得るために、前記収集された蛍光スペクトルで前記収集されたラマンスペクトルを除するステップとを含む、組織変調処理方法。 【請求項2】 前記蛍光スペクトルおよび前記ラマンスペクトルは、前記組織の領域が血液充満の状態である間に収集され、かつ前記組織の領域が血液枯渇の状態である間に収集され、 さらに、前記組織の領域が前記血液充満の状態である間に収集されたスペクトルと前記組織の領域が前記血液枯渇の状態である間に収集されたスペクトルとの間の相違である正味の収集されたスペクトルの積分を決定するステップを含み、 前記ステップ(d)は、前記波長範囲で前記検体に対応した前記正味の収集されたラマンスペクトルの積分を前記正味の収集された蛍光スペクトルの積分で除することによって行われる、請求項1に記載の方法。 ・・・ 【請求項4】 さらに、(i)前記正味の収集されたスペクトルに基づいて61ないし501点の隣接する点の平均の平滑化操作を行うステップと、 (ii)前記平滑化されたスペクトルを前記正味の収集されたスペクトルから減じるステップと、 (iii)前記ステップ(ii)の結果に基づいて3ないし27の点の隣接する点の平均の平滑化操作を行うステップとによって、収集されたスペクトルを増強させるステップを含む、請求項2に記載の方法。 【請求項5】 前記ステップ(i)の隣接する点の平均の平滑化操作は、85ないし201の点の平滑化操作である、請求項4に記載の方法。 【請求項6】 前記ステップ(i)の隣接する点の平均の平滑化操作は、101の点の平滑化操作である、請求項5に記載の方法。 【請求項7】 前記ステップ(iii)の隣接する平均の平滑化操作は、7の点の平滑化操作である、請求項4に記載の方法。 【請求項8】 前記光源は、約785nmないし約850nmの波長を有する光を放出する、請求項1に記載の方法。 【請求項9】 前記波長は約785nmである、請求項8に記載の方法。 ・・・ 【請求項12】 前記検体は、グルコース、尿素、クレアチニン、総蛋白質、遊離脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセライド、クレアチニン、アルファ螺旋露光された交換可能な蛋白質関連アミド陽子、コレステロール、ピルベート、チロシン、トリプトファン、重炭酸塩、電解質、乳酸、薬剤、O2、CO2またはNOである、請求項1に記載の方法。 【請求項13】 前記組織の領域は指先の組織の領域である、請求項1に記載の方法。 【請求項14】 前記血液枯渇の状態は、前記組織に止血体を取り付けることによって、または前記組織を表面で押圧することによって達成される、請求項2に記載の方法。」 (引2イ) 「  【0017】 【発明の実施の形態】 本発明は、生体の可動性および非可動性の組織の組織変調および非侵襲的な分光分析の方法を提供する。本発明は、組織変調を適用された組織中の検体に関係する分光情報の分析のための数学的アルゴリズムの発見に基づいている。組織の分光測定は、組織が組織変調によってもたらされた血液充満の状態および血液枯渇の状態にある間に行われる。本発明の組織変調処理方法は、ラマン、吸収および蛍光のような非侵襲的な分光方法であり、皮膚および血液を含む組織の種々の特徴の分析に用いられる。本発明は、皮膚の欠陥および残留物のような外来の要因による影響を減じ、血液量および血液検体に関係づけられた情報を分離する方法を提供する。 【0018】 本発明の組織変調処理方法は、仮骨、排泄物および石鹸残留物、およびその他の可能性のある外来的な分光信号の源泉による影響を直接的に減少させることを可能にする。本発明の組織変調処理方法は、吸収、蛍光、ラマン、レイリー、燐光、核磁気共鳴、誘電損失および物質と電磁放射線との相互作用が量的関係である他の様式の分光方法に適用することができる。本発明の組織変調処理方法は、血液の相互作用に由来する効果を、周囲の組織に影響するこれらの相互作用から分離することを可能にする。本発明の組織変調処理方法は、測定のノイズに対する信号の比を改善することのできる、分光信号の時間的および空間的な変調を可能にする。」 (引2ウ) 「  【0038】 このやり方は、分光学者が押圧された状態または血液枯渇の状態の毛細血管床に関して安定した状態の測定を行うことを必要とし、最低周波数の変調に対応している。押圧された状態たとえば相対的に空である毛細血管床に関する安定状態での測定を、血液が満たされている毛細血管床に関して得られた安定状態での測定から減算処理した結果は、たとえば0Hzのような可能な最低周波数の変調にDC信号を与える。」 (引2エ) 「 【0154】 例4 蛍光に基づく血液量の決定を用いた人間生体からの血液検体測定 【0155】 この例は、上記の非侵襲的な分析方法は、従来の侵襲的な方法を用いて同じ生体から行われた非常に綿密に近似した測定である血中グルコース測定を得るのに用いることができることを証明する。この例は、また、上記の平滑化操作を用いたスペクトル情報の増強と同様に蛍光に基づく血液量の決定の利用を証明する。 【0156】 物質および方法 【0157】 用いる装置は、光源と、入射および放出の光が通過可能な穴を有する金属板と、検出器と、信号処理器とを有する。装置の適した構成部分および特定の具体例は、本発明の属する技術分野で知られている他のラマンスペクトル装置から適合される(たとえば米国特許第5,553,616号、同第5,510,894号および同第5,615,673号を参照のこと)。金属板の穴の端部は、調べられる組織の血液の含有量を変調するために指が押し当てられる表面である。ここに示すデータのために、光源は、785nmで放出する外部空洞ダイオードレーザとした(米国カリフォルニア州サンタ・クララのエス・ディー・エル社(SDL Inc.)製)。検出器はCCD群とした(米国ニュー・ジャージー州トレントンのプリンストン・インスツルメンツ社(Princeton Instruments)製)。光は、250mmf1.4のニコン社のレンズによって収集された。光は、まずホログラフィックノッチフィルタによって濾過され、ホログラフィック分光写真機によって分光させられた(いずれも、米国ミシガン州アナーバーのカイザー・オプティカル・システムズ社(Kaiser Optical Systems)製)。信号処理は、標準のパーソナルコンピュータで行われた。 【0158】 生体は、アルミニウム板の1/4インチの穴に対して指先を置き、血液枯渇の状態を達成するために指を板に対して押すこと、および血液充満の状態を達成するために指を板に対して押すことを解除することを交替させて行った。785nmの入射光は、金属板の穴を経て生体の指先に通され、収集されたスペクトルは下記のように分析された。光は、13cmの焦点距離の平凸レンズを用いて指に合焦させられた。指先での入射レーザパワーは50mワットで、スペクトル帯域幅は約1cm-1であった。 【0159】 結果 【0160】 図2は、人の指が装置の金属板に対して押されている(下の線)間および指が金属板に対して押されない(上の線)間において生体から収集された波数において示されたラマンシフトでの典型的な何万もの生スペクトルカウント数を示している。図3は、図2の上の線(非押圧)と図2の下の線(押圧)との間の差を示している。この曲線の下方の面積は、調べられた指先の領域における組織変調による血液量の変化に比例している。 【0161】 図4は、図2に示す生データを採用し、101の点の隣接する点の平均の平滑化操作を実行し、生データから平滑化されたデータを減じ、その結果について7の点の隣接する点の平均の平滑化操作を実行することよって、描かれたグラフである。上の線(非押圧条件)は、表示された線の重なりを避けるために20,000カウント数だけ上方に移動されている。図5は、図4に示す2つの線間の差を示している。この減算は、血液に帰因するラマン特徴を明らかにする。495波数と560波数との間の領域における曲線とゼロとの間の面積(矢印)は、血中グルコースの含有量に対応する値を得るために積分されている。図4に示す曲線の下方の面積に対するこの値の比(生じた正規化された積分された単位数)は、血中グルコースの濃度に比例している。 【0162】 図6は、2人の糖尿病患者および1人の正常な生体に関して得られたグラフであり、同じ生体から採取された血液から測定され、米国カリフォルニア州ミッション・ビエホ(Mission Viejo)のヘマキュー社(HemaCue, Inc.)製のヘマキュー(商標)・キット(HemaCueTM kit)を用いて製造業者の取扱手順にしたがって医師によって分析された、実際の血中グルコース濃度(単位mg/dlでの)に対してプロットされた、積分された正規化された単位数(血液量によって分けられたラマン信号)の直線適合を示しいる。0.89977の相関を表し、0.0001未満のpの値を有する、直線の回帰分析の結果が表示されている。」 4 引用文献2記載の技術事項 上記3の記載を総合すると、引用文献2には、次の技術事項が記載されていると認められる。 「金属板の穴に対して指先を置き、毛細血管床の血液中のグルコースの濃度を求める血中グルコース濃度装置であって、 光源と、入射および放出の光が通過可能な穴を有する金属板と、検出器と、信号処理器とを有し、 785nmの入射光が金属板の穴を経て指先に通され、 指先を金属板に対して押すことを解除した毛細血管床が血液充満の状態で収集された495波数と560波数との間の領域におけるラマンスペクトルから、指先を金属板に対して押した毛細血管床が血液枯渇の状態で収集された495波数と560波数との間の領域におけるラマンスペクトルを減算することによって、血液中のグルコースの濃度を求める、 血中グルコース濃度装置。」 第5 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 1 引用発明の「測定端面11」、「被検者の指」、「血液のグルコース濃度」及び「グルコース濃度測定装置2」は、それぞれ、本願発明の「測定部」、「被検部位」、「血液中のグルコースの濃度」及び「測定装置」に相当する。 よって、引用発明の「測定端面11を被検者の指に対し密着させ、」「被検者の指内部の血液のグルコース濃度を測定するグルコース濃度測定装置2」は、本願発明の「測定部に接触する被検部位の血液中のグルコースの濃度を測定する測定装置」に相当する。 2  引用発明の「近赤外光」及び「光ファイバ16」は、それぞれ、本願発明の「光」及び「照射部」に相当する。 よって、引用発明の「近赤外光を」「被検者の指内に入射」する「光ファイバ16」は、本願発明の「前記被検部位に光を照射する照射部」に相当する。 3 引用発明の「拡散した光」及び「PbSセンサ17」は、それぞれ、本願発明の「反射光」及び「受光部」に相当する。 よって、引用発明の「被検者の指外部に出射した光のうち、測定端面11の開口部20に向かって拡散した光」を「検出」する「PbSセンサ17」は、本願発明の「前記被検部位からの反射光を受光する受光部」に相当する。 4 引用発明の「被検者」及び「各圧力センサ部25~28」は、それぞれ、本願発明の「ユーザ」及び「圧力検出部」に相当する。 よって、引用発明の「測定端面11を被検者の指に対し密着させ」「た状態において、」「被検者の指の表面から測定端面11に押圧力が加わる」際の「圧力」を「検出」する「各圧力センサ部25~28」は、本願発明の「ユーザが前記被検部位を押し当てた状態における前記測定部における圧力を検出する圧力検出部」に相当する。 5 引用発明の「設定圧力範囲」は、本願発明の「第1の範囲の圧力」に相当する。 そして、引用発明の「X軸方向のセンサ部25,26により検出されたピーク値C,D及びY軸方向のセンサ部27,28により検出されたピーク値E,Fがすべて設定圧力範囲内となった」「圧力」は、「被検者の指内部の血液のグルコース濃度」の「測定に適した状態」の「圧力」であって、「被検者の指内部の血液のグルコース濃度」を測定するには、被検者の指内部の血管に血液が存在する状態であることは自明である。 よって、引用発明の「X軸方向のセンサ部25,26により検出されたピーク値C,D及びY軸方向のセンサ部27,28により検出されたピーク値E,Fがすべて設定圧力範囲内となった」「圧力」と、本願発明の「毛細血管にグルコースが流れる範囲の圧力であ」る「第1の範囲の圧力」とは、「被検部位内部の血管に血液が存在する状態の圧力であ」る「第1の範囲の圧力」である点で共通する。 6 引用発明の「演算装置39」は、本願発明の「算出部」に相当する。 よって、引用発明の「X軸方向のセンサ部25,26により検出されたピーク値C,D及びY軸方向のセンサ部27,28により検出されたピーク値E,Fがすべて設定圧力範囲内となった時点」での「PbSセンサ17により検出された受光信号に基づいて」「グルコース濃度」を「求め」る「演算装置39」と、本願発明の「前記圧力が第1の範囲のときの前記受光部の出力と、前記圧力が第2の範囲のときの前記受光部の出力との差分に基づき、前記成分(当審注:「前記成分」は「グルコース」であると認める。)の濃度を算出する算出部」とは、「前記圧力が第1の範囲のときの前記受光部の出力に基づき、前記成分(グルコース)の濃度を算出する算出部」である点で共通する。 したがって、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 (一致点) 「測定部に接触する被検部位の血液中のグルコースの濃度を測定する測定装置であって、 前記被検部位に光を照射する照射部と、 前記被検部位からの反射光を受光する受光部と、 ユーザが前記被検部位を押し当てた状態における前記測定部における圧力を検出する圧力検出部と、 前記圧力が第1の範囲のときの前記受光部の出力に基づき、前記成分(グルコース)の濃度を算出する算出部と を備え、 前記第1の範囲の圧力は、被検部位内部の血管に血液が存在する状態の圧力である、測定装置。」 (相違点) 本願発明では、算出部が、「前記圧力が」「毛細血管にグルコースが流れる範囲の圧力であ」る「第1の範囲のときの受光部の出力」と、「前記圧力が」「毛細血管にグルコースが流れない範囲の圧力である」「第2の範囲のときの前記受光部の出力との差分に基づき、」グルコースの濃度を算出するのに対し、引用発明では、「判断装置60において、X軸方向のセンサ部25,26により検出されたピーク値C,D及びY軸方向のセンサ部27,28により検出されたピーク値E,Fがすべて設定圧力範囲内となった時点、すなわち測定に適した状態となった時点で」の「入力されたPbSセンサ17により検出された受光信号に基づいて」「グルコース濃度が求められる」点。 第6 判断 上記相違点について検討する。 1 引用文献2には、上記第4 4で示した引用文献2記載の技術事項が記載されており、上記相違点に係る本願発明の構成と、引用文献2記載の技術事項とを対比すると、引用文献2の「指先を金属板に対して押すことを解除した毛細血管床が血液充満の状態」及び「指先を金属板に対して押した毛細血管床が血液枯渇の状態」は、それぞれ、本願発明の「毛細血管にグルコースが流れる範囲の圧力であ」る「第1の範囲の圧力」及び「毛細血管にグルコースが流れない範囲の圧力である」「第2の範囲の圧力」に相当するところ、引用文献2には、本願発明の用語に倣うと、ユーザが被検部位を押し当てた状態における測定部における圧力が、毛細血管にグルコースが流れる範囲の圧力である第1の範囲のときの受光部の出力と、圧力が毛細血管にグルコースが流れない範囲の圧力である第2の範囲のときの受光部の出力との差分に基づき、グルコースの濃度を算出することが記載されているといえる。 また、引用発明の「被検者の指内部の血液のグルコース濃度」の「測定に適した状態」は、上記第5 5で示したとおり、被検者の指内部の血管に血液が存在する状態であることが自明であるところ、上記引用文献2記載の技術事項に鑑みると、「毛細血管床が血液充満の状態」であるといえることから、引用発明の「X軸方向のセンサ部25,26により検出されたピーク値C,D及びY軸方向のセンサ部27,28により検出されたピーク値E,Fがすべて設定圧力範囲内となった」「圧力」は、本願発明の「毛細血管にグルコースが流れる範囲の圧力であ」る「第1の範囲の圧力」に相当するといえる。 2 そして、引用発明及び引用文献2記載の技術事項は、ともに、ユーザが被検部位を測定部に押し当てた状態で、被検部位からの反射光に基づいて血液中のグルコース濃度を算出するものであるから、同じ技術分野に属するものであり、その課題は、S/N比向上(引用文献1の【要約】及び引用文献2の【0018】などを参照。)という測定装置に求められる普遍的な課題であって、そのために種々の工夫をすることは普通のこと(例えば、引用文献1では、S/N比向上のため、「測定に適した圧力状態」とする以外に、可視光カットフィルタ18を用いて外乱光を防止している。)であるから、引用発明に引用文献2記載の技術事項を適用する動機付けは存在するといえる。 3 してみると、引用発明は、引用文献2記載の技術事項を適用することで、毛細血管にグルコースが流れる範囲の圧力である第1の範囲の圧力が検出された際に受光部から出力がなされるだけなく、毛細血管にグルコースが流れない範囲の圧力である第2の範囲の圧力が検出された際にも受光部から出力がなされ、その差分に基づきグルコースの濃度を算出することになるから、上記相違点に係る本願発明の構成は、引用発明及び引用文献2記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得ることである。 4 そして、本願発明によってもたらされる効果が、引用文献1及び2の記載から当業者が予測し得る程度を超えた格別なものとは認められない。 5 請求人は、令和元年6月18日にされた意見書において、「引用文献1に開示された発明は、同一測定条件での測定を担保するために、1つの圧力状態での測定条件下においてグルコース濃度を測定することを本旨としており、2つ以上の異なる圧力状態での測定については、記載も示唆もありません。・・・2つの異なる状態で測定をするという引用文献2に記載された技術に、引用文献1に記載された技術を組み合わせることは、前述の引用文献1の本旨からすると阻害要因があるものと考えます。」と主張するが、2つ以上の異なる圧力状態での測定について記載も示唆もないことが、阻害要因になるとはいえず、逆に、上記2のとおり、適用する動機付けが存在することから、請求人の上記主張は採用できない。 6 よって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-012605

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