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特許拒絶査定不服審判

2018-010320

樹脂付リードフレーム、リードフレーム、半導体装置および樹脂付リードフレームの製造方法

審判番号
2018-010320
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-230454外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年07月27日
審決日
2019年03月12日
公報発行日
2019年06月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-WZ (H01L) / P18 .121-WZ (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-230454「樹脂付リードフレーム、リードフレーム、半導体装置および樹脂付リードフレームの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 4月20日出願公開、特開2017- 76806〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、特願2015-47242号の一部を平成28年11月28日(遡及日:平成22年1月19日)に新たな特許出願としたものであって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。 平成28年11月29日:出願審査請求書・手続補正書の提出 平成29年 8月25日:拒絶理由通知(9月1日発送) 同年10月13日:手続補正書・意見書の提出 同年12月28日:拒絶理由通知(1月9日発送) 平成30年 2月19日:手続補正書・意見書の提出 同年 4月23日:補正の却下の決定(4月27日送達) 同年 4月23日;拒絶査定(4月27日送達。以下「原査定」 という。) 同年 7月27日:審判請求書・手続補正書の提出 第2 平成30年7月27日付け手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成30年7月27日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [補正却下の決定の理由] 1 補正内容 本件補正は、特許請求の範囲についてするものであり、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項2(平成29年10月13日付け手続補正後のもの)について、 「【請求項1】 LED素子を載置する載置面を有するダイパッドと、 前記ダイパッドの周囲に空間を介して設けられ、ボンディングワイヤが接続されるボン ディング面を有するリード部とを備えたリードフレームにおいて、 前記ダイパッドと前記リード部は、それぞれ空間を介して互いに対向する対向面を有し、 前記ダイパッド又は前記リード部のうち、外側樹脂部が形成される領域における表面側に、前記載置面及び前記ボンディング面よりも裏面側に凹む凹部が形成され、前記外側樹脂部が形成される領域における裏面側に湾曲部が形成され、 前記湾曲部が形成された領域における前記ダイパッド又は前記リード部の表面は、前記凹部を除き、前記載置面及び前記ボンディング面と同一平面上に位置することを特徴とするリードフレーム。 【請求項2】 請求項1記載のリードフレームと、 前記リードフレームの前記ダイパッド及び前記リード部に設けられた外側樹脂部とを備えたことを特徴とする樹脂付リードフレーム。」とあったものを、 本件補正後の請求項1の 「【請求項1】 LED素子を載置する載置面を有するダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に空間を介して設けられ、ボンディングワイヤが接続されるボンディング面を有するリード部とを備えたリードフレームと、 前記リードフレームの前記ダイパッド及び前記リード部に設けられた外側樹脂部とを備え、 前記ダイパッドと前記リード部は、それぞれ空間を介して互いに対向する対向面を有し、 前記ダイパッド又は前記リード部のうち、外側樹脂部が形成される領域における表面側に、前記載置面及び前記ボンディング面よりも裏面側に凹む凹部が形成され、前記外側樹脂部が形成される領域における裏面側に湾曲部が形成され、 前記湾曲部が形成された領域における前記ダイパッド又は前記リード部の表面は、前記凹部を除き、前記載置面及び前記ボンディング面と同一平面上に位置し、 断面視で、前記凹部の一部と前記湾曲部の一部とが、前記ダイパッドと前記リード部との配置方向に互いに重なり、 前記凹部に充填された外側樹脂部と前記湾曲部に充填された外側樹脂部とにより、前記ダイパッド又は前記リード部が挟持されることを特徴とする樹脂付リードフレーム。」と補正する内容を含むものである(下線は、当審で付したものである。)。 2 補正目的 上記「1」の補正内容は、本件補正前の請求項1を引用する請求項2に係る発明を特定するために必要な「凹部」と「湾曲部」について、断面視で、それぞれの一部が、ダイパッドとリード部との配置方向に互いに重なるとともに、「凹部に充填された外側樹脂部」と「湾曲部に充填された外側樹脂部」とにより、ダイパッド又はリード部が挟持されることを特定するものであって、その補正前後で、発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 よって、本件補正後の請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものと認められることから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)について、これが特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)を、以下に検討する。 3 独立特許要件 (1)本願補正発明 本願補正発明は、上記「第2 1」に、本件補正後の請求項1として記載したとおりのものである。 (2)引用文献に記載の事項 原査定の拒絶の理由に引用された、米国特許出願公開第2008/0261339号明細書(2008年10月23日発行。以下「引用文献」という。)には、図とともに以下の記載がある(なお、下線は、当審で付した。以下同じ。)。 ア 「BACKGROUND OF THE INVENTION [0001] 1.Field of Invention [0002] The present invention relates to a packaging method to manufacture a package for a light emitting diode, and more particularly to a packaging method to manufacture a package for a high-power light emitting diode, which provides different pass ways for conducting heat and electricity. Therefore, the present invention improves heat conduction of the light emitting diode.」 (日本語訳 [0001]発明の分野 [0002]本発明は、発光ダイオード用パッケージを製造するパッケージング方法に係り、特に、高出力発光ダイオード、熱及び電気を伝導するための異なる方法を提供するためのパッケージを製造するパッケージング方法に関する。したがって、本発明は、発光ダイオードの熱伝導を改善する。) イ 「DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION [0018] With further reference to FIGS. 2B and 4A to 4F, a packaging method to manufacture quantities of the high-power LED packages in accordance with the present invention comprises steps of: (a) obtaining a metal board (300), (b) treating the metal board (300) to form an after-treating metal board (301), (c) molding a cell matrix (320) with multiple reflective bases (230) on the after-treating metal board (301) to form a after-molding board (302), (d) attaching LED chips (240) onto the dissipating boards (210) and bonding conductive wires (250) in each corresponding reflective base (230) of the cell matrix (320) of the after-molding board (302), (e) encapsulating the LED chips (240) and conductive wires (250) in the reflective base of the cell matrix (320) to form a after-packaging board (303) and (f) cutting off the after-packaging board (303) to form multiple individual high-power LED packages (330). [0019] The step of (a) obtaining a metal board (300) comprises obtaining a metal board (300) (as shown in FIG. 4A ). [0020] The step of (b) treating the metal board (300) comprises treating the metal board (300) using etching or machining (such as punching) to form an after-treating metal board (301) with a margin (310) and multiple units (as shown in FIG. 4B ). The after-treating metal board (301) comprises the margin (310) and multiple units to connect integrally to each other. Each unit has at least one pair of electrodes (220), a dissipating board (210) and multiple gaps (311). Each electrode (220) connects to an electrode (220) of an adjacent unit. The electrode (220) adjacent to the margin (310) further connect to the margin (310). Each dissipating board (210) is surrounded by at least one pair of the electrodes (220) and connects to a dissipating board (210) of an adjacent unit. The dissipating boards (210) adjacent to the margin (310) further connect to the margin (310). The gaps (311) are formed between each one pair of the electrodes (220) and the dissipating board (210). [0021] The step of (c) molding the cell matrix (320) comprises forming a cell matrix (320) on the after-treating metal board (301) and filling the gaps (311) with an insulating material simultaneously to form an after-molding board (302) with multiple substrates (200). The step of (c) molding the cell matrix (320) may be using injection-compression molding (as shown in FIG. 4C ). The insulating material may be resin, ceramic or the like. The cell matrix (320) has multiple reflective bases (230). The reflective bases (230) correspond respectively to the units. Each substrate (200) comprises at least one pair of electrodes (220), a dissipating board (210) and a reflective base (230). Each reflective base (230) has a recess (233). At least a portion of an upper surface of the dissipating board (210) and at least a portion of an upper surface of the electrode (220) are exposed to the recess (233) and at least a portion of an lower surface of the dissipating board (210) and at least a portion of an lower surface of the electrodes (220) are exposed from a lower surface of the reflective base (230). [0022] The step of (d) attaching LED chips (240) and bonding a pair of conductive wires (250) comprises wire bonding at least one LED chip (240) onto the dissipating boards (210) of each substrate (200) to connect electrically to the electrodes (220) by the conductive wires (250) (as shown in FIG. 4D ). [0023] The step of (e) encapsulating the LED chips (240) and conductive wires (250) comprises filling the recesses (233) in the reflective bases (230) of the cell matrix (320) with an encapsulant (260) that is pervious to light to form an after-packaging board (303) (as shown in FIG. 4E ). [0024] The step of (f) cutting off the after-packaging board (303) comprises separating the reflective bases (230) of the cell matrix (320) and the units of the after-treating metal board (301) to obtain multiple individual packages (330) for high-power LEDs (as shown in FIG. 4F ). [0025] …… [0028] With reference to FIGS. 2A , 2B, 3A and 3B, each package for a high-power light emitting diode (LED) in accordance with the present invention, manufactured by the packaging method outlined above, has a substrate (200), at least one LED chip (240), at least one pair of conductive wires (250) and an encapsulant (260).」 (日本語訳 [0018]図2B及び図4A乃至図4Fを参照すると、本発明による高出力LEDパッケージを製造するパッケージング方法は以下の工程を含む:(a)金属基板(300)を得る工程、(b)前記金属基板(300)は、後の処理用金属板(301)を形成するように処理する工程と、(c)該細胞基質(320)の成形後処理用金属基板(301)上の複数の反射性ベース(230)と後板(302)を形成すること、(d)LEDチップ(240)を取り付ける放熱板(210)に、成形基板のセルマトリックス(320)のそれぞれ対応する反射ベース(230)に導電ワイヤ(250)、(302)、(e)は、細胞基質(320)の反射ベースのLEDチップ(240)及び導線(250)を封止した後のパッケージング基板(303)を形成し、(f)の後に、実装基板を切断する(303)複数の個々の高出力LED封止体(330を形成する。 [0019](a)金属基板(300)を取得するステップは、金属基板(300)(図4Aに示すように)を得ることを含む。 [0020](b)は、金属基板(300)を処理する工程は、エッチングまたは機械加工(例えば、パンチ)を用いて金属基板(300)を処理するマージン(310)と、複数のユニット(図4Bに図示されるような)後処理用金属板(301)を形成することを含む。後処理用金属板(301)は、縁部(310)に一体に接続するために複数のユニットを含む。各ユニットは、少なくとも1つの電極(220)は、放熱基板(210)および複数のギャップ(311)が形成されている。各電極(220)は、隣接するユニットの電極(220)に接続されている。縁(310)に隣接する電極(220)は、縁部(310)に接続されている。各放熱板(210)は、電極(220)の少なくとも1つの対によって囲まれており、隣接するユニットの放熱板(210)に接続されている。縁(310)に隣接する放熱板(210)は、縁部(310)に接続されている。ギャップ(311)は、それぞれ一対の電極(220)と放熱板(210)との間に形成されている。[0021](c)成形マトリックス(320)の工程後処理用金属板(301)上にマトリクス(320)を形成するとともに、上記ギャップ(311)を充填する絶縁材料と同時に、複数の基板(200)と後板(302)を形成することを含む。(c)成形マトリックス(320)が射出圧縮成形を利用することができる(図4(c)に示すように)。絶縁材料は、樹脂、セラミック等であってもよい。成形セルマトリックス(320)は、複数の反射性ベース(230)を有する。反射性ベース(230)は、ユニットにそれぞれ対応している。各基板(200)は、少なくとも1つの電極(220)、放熱板(210)とベース(230)とを備えている。反射材(230)は凹部(233)を有している。放熱板(210)の上部表面と電極(220)の上面の少なくとも一部の少なくとも一部は凹部(233)に露出され、放熱基板(210)の下面と電極の下部表面(220)の少なくとも一部分の少なくとも一部は、反射ベース(230)の下面から露出している。 [0022](d)LEDチップ(240)を装着し、一対の導電性ワイヤ(250)を接合する工程は、各基板(200)の放熱基板(210)上に少なくとも1つのLEDチップをワイヤボンディングすること(240)を含むことを特徴とする導電性ワイヤ(250)(図4(d)に示すように)によって電極(220)を電気的に接続する。 [0023](e)LEDチップ(240)を封入し、導電性ワイヤ(250)の成形マトリックス(320)のベース(230)の凹部(233)を充填した後、包装ボード(303)を形成する光透過性の封止材(260)(図4(e)に示す)を含む。 [0024] (f)の後に、実装基板をカットする工程(303)は、マトリックス(320)および後処理用金属基板のユニット(301)のベース(230)を分離して、高出力LED(図4Fに示すように)のための複数の個々のパッケージ(330)を得ることを含む。 [0025] …… …… [0028]図2a、図2b、図3a及び図3bを参照して、本発明の高出力発光ダイオード(LED)用のパッケージは、上述のパッケージ製造方法により製造された、基材(200)と、少なくとも1つのLEDチップ(240)では、少なくとも1対の導電性ワイヤ(250)、封止材(260)を有している。) ウ 図2A及び図2Bは、以下のものである。 エ 図4Aないし図4ACは、以下のとおりである。 (3)引用文献に記載された発明 ア 上記(2)ア及びイの記載を踏まえて、図を見ると、以下のことが理解できる。 (ア)「後処理用金属板(301)」は、「金属基板(300)」を加工することによって得られること。 (イ)「放熱基板(210)」は、LEDチップ(240)を載置する載置面を有すること。 (ウ)「(2つの)電極(220)」は、導電性ワイヤ(250)が接続されるボンディング面及びその外縁から水平方向に突出する突出部を有すること。 (エ)「(2つの)電極(220)」は、放熱基板(210)の左右にギャップ(311)を介して設けられていること。 (オ)「放熱基板(210)」と「(2つの)電極(220)」は、それぞれ、ギャップ(311)を介して互いに対向する対向面を有していること。 (カ)「成形マトリックス(320)」は、反射性ベースの樹脂とギャップ(311)を埋める樹脂とからなること。 (キ)「(2つの)電極(220)」及び「放熱基板(210)」の下面は、成形マトリックス(320)の下面から露出していること。 (ク)「(それぞれの)ギャップ(311)」は、「金属基板(300)」の、電極(220)及び放熱基板(210)の表面側及び裏面側の一部を取り除くように形成されていること。 (ケ)「ギャップ(311)」が形成された領域における放熱基板(210)及び電極(220)の表面は、LEDチップ(240)を載置する載置面及び導電性ワイヤ(250)が接続されるボンディング面と同一平面上に位置すること。 イ 上記アの検討を踏まえると、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「金属基板(300)を加工した、高出力LEDパッケージの製造に用いられる後処理用金属板(301)であって、 LEDチップ(240)を載置する載置面を有する放熱基板(210)と、 前記放熱基板(210)の左右にギャップ(311)を介して設けられ、かつ、導電性ワイヤ(250)が接続されるボンディング面及びその外縁から水平方向に突出する突出部を有する2つの電極(220)と、 前記後処理用金属板(301)上に形成された成形マトリクス(320)とを備え、 前記放熱基板(210)と前記2つの電極(220)は、それぞれ、ギャップ(311)を介して互いに対向する対向面を有し、 前記成形マトリックス(320)は、反射性ベースの樹脂と前記ギャップ(311)を埋める樹脂とからなり、 前記2つの電極(220)及び前記放熱基板(210)の下面は、前記成形マトリックス(320)の下面から露出し、 前記ギャップ(311)は、前記金属基板(300)の、前記2つの電極(220)及び前記放熱基板(210)の表面側及び裏面側の一部を取り除くように形成されており、 前記ギャップ(311)が形成された領域における前記放熱基板(210)及び前記2つの電極(220)の表面は、前記載置面及び前記ボンディング面と同一平面上に位置する、高出力LEDパッケージの製造に用いられる後処理用金属板(301)。」 (4)対比 ア 本願補正発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 引用発明の「LEDチップ(240)」は、本願補正発明の「LED素子」に相当する。 以下、同様に、 「放熱基板(210)」は、「ダイパッド」に、 「導電性ワイヤ(250)」は、「ボンディングワイヤ」に、 「2つの電極(220)」は、「リード部」に、 「ギャップ(311)」は、「空間」に、それそれ相当する。 イ 本願補正発明の「外側樹脂部」とは、本願明細書(【0029】)の記載からして、「空間13に埋設された埋設樹脂部23a」と「リードフレーム10の上方に突設する突設樹脂部23b」からなるものであり、引用発明の「『反射性ベースの樹脂とギャップ(311)を埋める樹脂』とからなる『成形マトリックス(320)』」は、本願補正発明の「外側樹脂部」に相当する。 ウ 上記ア及びイを整理すると、 本願補正発明と引用発明は、「LED素子を載置する載置面を有するダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に空間を介して設けられ、ボンディングワイヤが接続されるボンディング面を有するリード部とを備えたリードフレームと、 前記リードフレームの前記ダイパッド及び前記リード部に設けられた外側樹脂部とを備え、 前記ダイパッドと前記リード部は、それぞれ空間を介して互いに対向する対向面を有する」点で一致する。 エ 引用発明の「ギャップ(311)」は、「金属基板(300)の、2つの電極(220)及び放熱基板(210)の表面側及び裏面側の一部を取り除くように形成されて」いることから、本願補正発明と引用発明とは、「ダイパッド又はリード部のうち、外側樹脂部が形成される領域における裏面側に切り欠き部が形成され」ている点で一致する。 オ また、引用発明においては、「ギャップ(311)が形成された領域における放熱基板(210)及び2つの電極(220)の表面は、載置面及びボンディング面と同一平面上に位置する」ことから、本願補正発明と引用発明とは、「切り欠き部が形成された領域におけるダイパッド又はリード部の表面は、載置面及びボンディング面と同一平面上に位置」する点で一致する。 カ さらに、引用発明の「後処理用金属板(301)」上には、「成形マトリックス(320)」が形成されているから、「樹脂付リードフレーム」とよべるものである。 キ 以上のことから、本願補正発明と引用発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> 「LED素子を載置する載置面を有するダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に空間を介して設けられ、ボンディングワイヤが接続されるボンディング面を有するリード部とを備えたリードフレームと、 前記リードフレームの前記ダイパッド及び前記リード部に設けられた外側樹脂部とを備え、 前記ダイパッドと前記リード部は、それぞれ空間を介して互いに対向する対向面を有し、 前記ダイパッド又は前記リード部のうち、前記外側樹脂部が形成される領域における裏面側に切り欠き部が形成され、 前記切り欠き部が形成された領域における前記ダイパッド又は前記リード部の表面は、前記載置面及び前記ボンディング面と同一平面上に位置する、樹脂付リードフレーム。」 ク 一方、両者は、以下の点で相違する。 <相違点> 本願補正発明は、 (ア)「ダイパッド又はリード部のうち、外側樹脂部が形成される領域における表面側に、載置面及びボンディング面よりも裏面側に凹む凹部が形成され」、 (イ)「(ダイパッド又はリード部のうち、)外側樹脂部が形成される領域における裏面側に湾曲部が形成され」、 (ウ)「断面視で、凹部の一部と湾曲部の一部とが、ダイパッドとリード部との配置方向に互いに重なり、 前記凹部に充填された外側樹脂部と前記湾曲部に充填された外側樹脂部とにより、前記ダイパッド又は前記リード部が挟持される」のに対して、 引用発明は、上記(ア)ないし(ウ)の構成を備えていない点。 (5)判断 ア まず、上記<相違点>のうち、(イ)について検討する。 (ア)引用文献の[0020]の記載によれば、引用発明の「後処理用金属板(301)」は、図4Aに示された「金属基板(300)」を「エッチングまたは機械加工(例えば、パンチング)」を用いて処理することで得られるものであって、引用発明の「ギャップ(311)」は、「金属基板(300)の、2つの電極(220)及び放熱基板(210)の表面側及び裏面側の一部を取り除くように形成され」たものであるから、引用発明の「ギャップ(311)」をエッチングにより形成することは、当業者が引用文献の記載に基づいて容易になし得たことである。 (イ)その際、上記「ギャップ(311)」を「金属基板(300)」の両側からエッチングして形成することになるから、原査定の拒絶の理由において、周知例として引用した特開2004-247613号公報の図3や図9等に示されているように、「湾曲部」が形成されることになる。 必要ならば、下記の文献も参照。 特表2009-507394号公報(図8を参照。) 特開2009-302209号公報(図6を参照。) 特開2003-306783号公報(図1を参照。) 特開2002-208664号公報(図6を参照。) 特開2001-177160号公報(図4を参照。) ちなみに、特開2002-208664号公報の図6は、以下のものである。 イ 次に、上記<相違点>のうち、(ア)及び(ウ)について検討する。 (ア)上記アで検討したように、引用発明の「ギャップ(311)」に「湾曲部」を形成することは、当業者が引用文献の記載に基づいて容易になし得たことである。 (イ)ところで、引用発明の「『電極(220)』の『外縁から水平方向に突出する突出部』」は、「電極(220)」と「成形マトリクス(320)」との密着性を向上させるものであることは当業者にとって明らかであるところ、さらに、「電極(220)」と「成形マトリクス(320)」との密着性を向上させるために、「電極(220)」の表面側に「載置面及びボンディング面よりも裏面側に凹む凹部」を設けることは、当業者が必要に応じて適宜なし得ることである。 必要ならば、原査定の拒絶の理由において、周知例として引用した特開2004-247613号公報(【0059】及び図3等)を参照。 (ウ)上記(イ)のようにした引用発明においては、 断面視で、「凹部の一部」と「湾曲部の一部」とが、「放熱基板(210)」と「2つの電極(220)」との配置方向に互いに重なり、「2つの電極(220)」は、「(表面側の)凹部に充填された『反射性ベースの樹脂』」と「(裏面側の)『(湾曲部を有する)ギャップ(311)を埋める樹脂』」とにより挟持されることになる。 ウ 上記ア及びイの検討からして、 引用発明において、上記<相違点>の(ア)ないし(ウ)に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が容易になし得ることである。 (6)審判請求書における主張 請求人は、審判請求書(第9頁後段)において、以下のように主張していることから、この点について検討する。 「しかしながら、引用文献2において、『リード部1c』の、外側樹脂部が形成される領域における裏面側に『湾曲部』が形成されている旨の記載はない(下記図3(c)参照)。」 ア 平成29年12月28日付け拒絶理由(最後)において、審査官が指摘しているのは、「リードフレーム」を加工をする際の周知の加工方法である「エッチング」を採用すれば、引用文献2の図面に示されているように、必然的に「湾曲形状」になるということであって、引用文献2の図面に示された具体的な形状を採用することを意図している訳ではない。 イ 仮に、請求人の主張が、引用文献2の図3(c)に示された形状は「連続した湾曲面」ではないという趣旨であるとしても、図9(従来技術)には、連続した湾曲面が示されている。 ウ よって、請求人の上記主張は、上記「(5)判断」の判断を左右するものではない。 (7)独立特許要件についてのまとめ 以上のとおりであるから、引用発明において、上記<相違点>の(ア)ないし(ウ)に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が引用文献の記載に基づいて容易になし得たことである。 そして、本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果から予測し得る範囲内のものであり、上記<相違点>の(ア)ないし(ウ)を総合判断しても、本願補正発明は、当業者が引用発明に基づいて容易になし得たことであるというほかない。 よって、本願補正発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明することができたものである。 4 補正却下の決定の理由のむすび 上記「3」のとおり、本願補正発明は特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反する。 したがって、本件補正は、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたため、本願の請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2 1」にて、本件補正前の請求項1を引用する請求項2に係る発明として記載した、以下のとおりのものである(再掲)。 「【請求項1】 LED素子を載置する載置面を有するダイパッドと、 前記ダイパッドの周囲に空間を介して設けられ、ボンディングワイヤが接続されるボン ディング面を有するリード部とを備えたリードフレームにおいて、 前記ダイパッドと前記リード部は、それぞれ空間を介して互いに対向する対向面を有し、 前記ダイパッド又は前記リード部のうち、外側樹脂部が形成される領域における表面側に、前記載置面及び前記ボンディング面よりも裏面側に凹む凹部が形成され、前記外側樹脂部が形成される領域における裏面側に湾曲部が形成され、 前記湾曲部が形成された領域における前記ダイパッド又は前記リード部の表面は、前記凹部を除き、前記載置面及び前記ボンディング面と同一平面上に位置することを特徴とするリードフレーム。 【請求項2】 請求項1記載のリードフレームと、 前記リードフレームの前記ダイパッド及び前記リード部に設けられた外側樹脂部とを備えたことを特徴とする樹脂付リードフレーム。」 2 引用文献 引用文献の記載事項は、上記「第2 3(2)及び(3)」に記載したとおりである。 3 対比・判断 (1)本願発明は、上記「第2 2」で検討した本願補正発明から「断面視で、前記凹部の一部と前記湾曲部の一部とが、前記ダイパッドと前記リード部との配置方向に互いに重なり、 前記凹部に充填された外側樹脂部と前記湾曲部に充填された外側樹脂部とにより、前記ダイパッド又は前記リード部が挟持される」との限定を省いたものである。 (2)そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、更に他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 3(4)及び(5)」で対比・判断したとおり、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 4 まとめ よって、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件出願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-010320

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