特許異議申立
2017-700771
印刷装置及び印刷出力方法
- 審判番号
- 2017-700771
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2014-248380
- 登録番号
- 特許第6075364号(P6075364)
- 請求日
- 2017年08月08日
- 審決日
- 2018年02月14日
- 公報発行日
- 2018年05月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社リコー
- 【権利者代理人】酒井 宏明
- 【異議申立人】キヤノン 株式会社
- 【異議申立人代理人】阿部 琢磨
- 【異議申立人代理人】黒岩 創吾
- 審判長/審判官
- 審判長 篠原 功一
- 審判官 小池 正彦
- 審判官 鳥居 稔
- 分類
- P1651.121-YAA(H04N) / P1651.832-YAA(H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6075364号発明「印刷装置及び印刷出力方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6075364号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕、8について訂正することを認める。
特許第6075364号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6075364号の請求項1~8に係る特許についての出願は、平成19年1月9日に出願された特願2007-1731号の一部を数次の分割を経て平成26年12月8日に新たな特許出願としたものであって、平成29年1月20日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人キヤノン株式会社により特許異議の申立てがされ、平成29年10月2日付けで取消理由が通知され、平成29年12月4日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人キヤノン株式会社から平成30年1月12日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)、(2)のとおりである。なお、以下の訂正事項の番号は、本件訂正請求における訂正事項の番号とした。
(1)請求項1~7に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「印刷設定画面を表示させるためのボタン」と記載されているのを、「印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタン」に訂正する。(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2-7も同様に訂正する)。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」と記載されているのを、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」に訂正する。(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2-7も同様に訂正する)。
ウ 訂正事項5
明細書の段落【0005】の「印刷設定画面を表示させるためのボタン」と記載されているのを、「印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタン」に訂正する。
エ 訂正事項6
明細書の段落【0005】の「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」と記載されているのを、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」に訂正する。
(2)請求項8に係る発明
ア 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項8に「印刷設定画面を表示させるためのボタン」と記載されているのを、「印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの、一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタン」に訂正する。
イ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項8に「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」と記載されているのを、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」に訂正する。
2 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)請求項1~7に係る訂正
ア 訂正事項1
明細書の発明の詳細な説明の段落【0076】、【0080】には、
「【0076】
図13は、タッチパネル600上に表示されるサムネイル画像の一覧の例を示した図である。図13に示すように、表示処理部504は、サムネイル画像データ毎に、ファイル名及び当該画像データの作成日を表示する。これらのデータはフォルダデータ取得部513が外部装置から取得したものとする。そして、使用者がサムネイル画像を選択すると、表示処理部504は、チェックしたことを示すチェックマーク(例えばチェックマーク1301)を表示する。そして、選択部505が、使用者が選択したサムネイル画像の生成元の画像データを、印刷対象として選択する。」
「【0080】
図9に戻り、使用者が、図13又は図14で示した画面から、所望のサムネイルを選択して「OK」ボタンを選択すると、表示処理部504は、タッチパネル600上に図15に示すようなメイン画面を表示する(ステップS8)。このメイン画面には、表示態様(例えばキーの色など)が変化した「電子文書」キー99’が表示され、電子データを取得済みであることを使用者に認識させることができる。続いて、使用者は、上記取得した電子データを印刷処理する場合には、図7や図8に示すメイン画面と同様に、出力用紙の選択や、印刷カラーの選択等を行い、通常の印刷設定と同じ設定を行う。これにより、印刷部506が、使用者が選択したサムネイル画像に係る画像データである本画像データを印刷出力することができる。」
と記載があり、この記載によると、使用者がサムネイル画像の一覧から、所望のサムネイルを選択して「OK」ボタンを選択すると、通常の印刷設定と同じ設定を行うメイン画面(印刷設定画面)が表示されるから、明細書には、「印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタン」が記載されていると認められる。
異議申立人は、意見書において、「一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための」「ボタン」に対応するのはサムネイル画像であり、「OK」ボタンではないと主張している。しかしながら、上記のとおり、明細書記載の「OK」ボタンは、選択されたサムネル画像を決定するためのボタンであるから、異議申立人の主張は採用できない。
訂正事項1の訂正は、明細書に記載された事項の範囲内において「印刷設定画面を表示させるためのボタン」を限定したものといえるから、特許請求の範囲の限定を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正事項2
明細書の発明の詳細な説明の段落【0049】には、「読取原稿及び出力用紙がそれぞれ片面印刷か両面印刷かの選択を受け付ける両面受付領域88」と記載され、図7には、領域「88」が示されている。さらに、段落【0080】には、「図9に戻り、使用者が、図13又は図14で示した画面から、所望のサムネイルを選択して「OK」ボタンを選択すると、表示処理部504は、タッチパネル600上に図15に示すようなメイン画面を表示する(ステップS8)。このメイン画面には、表示態様(例えばキーの色など)が変化した「電子文書」キー99’が表示され、電子データを取得済みであることを使用者に認識させることができる。続いて、使用者は、上記取得した電子データを印刷処理する場合には、図7や図8に示すメイン画面と同様に、出力用紙の選択や、印刷カラーの選択等を行い、通常の印刷設定と同じ設定を行う。これにより、印刷部506が、使用者が選択したサムネイル画像に係る画像データである本画像データを印刷出力することができる。」と記載されている。
そうすると、明細書には、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」が記載されていると認められる。
異議申立人は、意見書において、「外部装置の」「フォルダに格納されているファイルの一覧の中から」「印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける」「一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷化の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」の根拠となる記載はないと主張しているが、上記のとおりであり、異議申立人の主張は採用できない。
訂正事項2の訂正は、明細書に記載された事項の範囲内において「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面」を限定したものといえるから、特許請求の範囲の限定を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 訂正事項5、6
訂正事項5、6は、訂正事項1、2の訂正により特許請求の範囲の限定がされたされたことに伴い、明細書の記載を特許請求の範囲の記載と整合を図るための訂正であって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、新規事項の追加に該当せず、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
エ 一群の請求項
上記訂正事項1、2、5、6は、一群の請求項に対して請求されたものである。
(2)請求項8に係る訂正
請求項8は、請求項1に係る発明のカテゴリーが異なる発明であり、訂正事項3、4は、上記訂正事項1、2と同じである。
したがって、訂正事項3、4は、上記訂正事項1、2と同じ理由で、特許請求の範囲の限定を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項1~8について訂正を認める。
第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1~8(以下「本件発明1」~「本件発明8」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~8に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
ただし、(1A)~(8E)は当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件1A」等という。
(本件発明1)
(1A)ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置であって、
(1B)前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
(1C)前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
(1D)前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(1E)を有することを特徴とする印刷装置。
(本件発明2)
(2A)前記フォルダの選択を受け付ける選択受付画面を前記タッチパネル上に表示させる第3の表示手段をさらに有し、
(2B)前記選択受付画面で前記フォルダの選択を受け付けると、前記第1の表示手段が前記一覧画面を前記タッチパネル上に表示させること
(2C)を特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
(本件発明3)
(3A)前記一覧画面は、前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイル名の一覧を表示する画面であり、該ファイル名の一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける画面であること
(3B)を特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
(本件発明4)
(4A)前記一覧画面には、それぞれのファイルの作成日時が含まれていること
(4B)を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷装置。
(本件発明5)
(5A)前記ネットワークは、インターネットであること
(5B)を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷装置。
(本件発明6)
(6A)前記外部装置の前記フォルダは、少なくともJPEG形式のファイルを含むこと
(6B)を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷装置。
(本件発明7)
(7A)前記外部装置の前記フォルダは、少なくともプレゼンテーションファイル形式のファイルを含むこと
(7B)を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の印刷装置。
(本件発明8)
(8A)ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置における、ファイルの印刷出力方法であって、
(8B)前記印刷装置が、前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示ステップと、
(8C)前記印刷装置が、前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示ステップと、
(8D)前記印刷装置が、前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷ステップと、
(8E)を有する印刷出力方法。
2 取消理由の概要
訂正前の請求項1~8に係る特許に対して平成29年10月2日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)請求項1~5、8に係る特許は、甲第1号証に記載された発明である、又は甲第1号証に記載された発明に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1~5、8に係る特許は、取り消されるべきものである。
請求項6~7に係る特許は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された発明、又は甲第3号証に記載された発明に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項6~7に係る特許は、取り消されるべきものである。
(2)請求項1~8に係る特許は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された発明に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1~8に係る特許は、取り消されるべきものである。
3 甲号証の記載及び甲号証に記載された発明
(1)甲第1号証
甲第1号証(特開2001-352419号公報。以下「甲1」という。)には、「画像形成システム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審が付与した。)。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にネットワーク通信機能及び電子ソート機能を備えたデジタル複写機等の画像形成装置を有する画像形成システムに関するものである。」
「【0035】また、パーソナルボックスプリントにおいて、例えばTCP/IPプロトコルで他のデジタル複写機のネットワークインターフェイス部7と通信し、他のデジタル複写機のコア部10を通じ、他のデジタル複写機のリーダ部1の画像処理部211内における図5の画像記憶部255のハードディスク257内のパーソナルボックスにある原稿を読み出し、他の複写機のコア部10、ネットワークインターフェイス部7を介して、原稿画像をTCP/IPプロトコルで受け取る。
【0036】上記他のデジタル複写機から受け取った原稿画像は、ネットワークインターフェイス部7から受け取り、コア部10、リーダ部1を経由してプリンタ部2に転送し、プリントアウトする。」
「【0047】図6は操作部500の液晶表示パネルの基本画面を示す説明図である。
【0048】この画面はタッチパネルとなっており、それぞれ表示される機能の枠内を触れることにより、その機能が実行される。」
「【0081】701はアプリケーションソフト上の印刷ウインドウであり、アプリケーションのメニューで印刷を指定したときに表示されるウインドウである。702は現在設定されているプリンタ名、例えば本実施例の場合はネットワーク接続されるデジタル複写機名である。703は印刷範囲の設定欄であり、文書全ページを印刷あるいはパーソナルボックスに入れるか、文書の何ページから何ページまでを印刷あるいはパーソナルボックスに入れるかを設定する。全ページ指定かページ範囲指定かは、該当する方の□マークにマウスをクリックしてチェックマークを入れて選択する。
【0082】705は部数の設定欄であり、何部印刷するか、あるいはパーソナルボックスに入れる文書を後で印刷する場合に何部印刷するかを設定する。710はパーソナルボックス指定欄であり、□マークにマウスをクリックしてチェックマークを入れた場合、文書データを印刷するのでなく、後述するパーソナルボックスウインドウで設定した内容で文書データをパーソナルボックスに入れる。この□マークにマウスをクリックしてチェックマークを入れた場合は、通常印刷を行う。
【0083】706はパーソナルボックスの設定ボタンであり、後述するパーソナルボックス番号の指定等を行う。709は詳細ボタンであり、例えば印刷する解像度等を設定する。707はOKボタンであり、設定が完了し、印刷を開始するかあるいは指定したパーソナルボックス番号へ文書の転送を開始する。708はキャンセルボタンであり、印刷あるいはパーソナルボックスの設定を無効にし、印刷ウインドウ701を閉じる場合に押す。
【0084】図11はPC/WS11においてアプリケーションソフト上で文書データを印刷、あるいはパーソナルボックスを指定しようとするときの印刷ウインドウ701において、パーソナルボックスの設定ボタン706を押したときに開くパーソナルボックスウインドウの様子を示す図である。
【0085】720は上述のパーソナルボックスのウインドウであり、アプリケーションソフトの文書データをデジタル複写機の電子ソータのハードディスク上にあるパーソナルボックスのどの番号に格納するか、またユーザが後でデジタル複写機の前でその文書データを印刷する場合にどのように印刷するのかのコピーモードの設定を行う。
【0086】721は格納ボックス番号の指定欄であり、例えば図10の例で田中という名前のユーザが自分のボックスにアプリケーションの文書データを格納したい場合、自分のボックス番号である1を指定する。また、田中という名前のユーザが加藤という名前のユーザにアプリケーションの文書データを渡したい場合、加藤という名前のユーザのボックス番号である9を指定する。この場合は、通常の電子メールと同様、パスワードの入力は必要としない。
【0087】723は片面印刷設定欄であり、□マークをマウスでクリックしてチェックマークを入れたとき、パーソナルボックスに格納した文書データのジョブを後で印刷する場合に片面印刷するように設定する。724は両面印刷設定欄であり、□マークをマウスでクリックしてチェックマークを入れたとき、パーソナルボックスに格納した文書データのジョブを後で印刷する場合に両面印刷するように設定する。
【0088】725はノンソート設定欄であり、□マークをマウスでクリックしてチェックマークを入れたとき、パーソナルボックスに格納した文書データのジョブを後で印刷する場合にノンソート印刷するように設定する。726はソート設定欄であり、□マークをマウスでクリックしてチェックマークを入れたとき、パーソナルボックスに格納した文書データのジョブを後で印刷する場合に電子ソート印刷するように設定する。727はソート設定欄であり、パーソナルボックスに格納した文書データのジョブを後で印刷する場合に、グループ印刷するように設定する。
【0089】728は用紙設定欄であり、パーソナルボックスに格納した文書データのジョブを後で印刷する場合に、使用する用紙のサイズを設定する。例えば、右の▽マークをマウスでクリックすれば、A4,A5,B4等の紙サイズの選択肢が表示されて選べるようになっている。729は給紙段設定欄であり、パーソナルボックスに格納した文書データのジョブを後で印刷する場合に、使用するカセット段を設定する。例えば、右の▽マークをマウスでクリックすれば、上段、下段などの選択肢が表示されて選べるようになっている。図示のように「オート」の場合は、指定された用紙サイズのコピー紙が格納されているカセット段が自動的に給紙される。
【0090】732は詳細設定ボタンであり、例えば2in1,4in1などの縮小レイアウトを行う場合、このボタン732を押す。530はOKボタンであり、パーソナルボックスに関する設定が終了し、設定内容を有効にする場合に押す。押した後は、図10のウインドウ701に戻り、OKボタン707を押すことで、アプリケーションの文書をデジタル複写機の指定番号のパーソナルボックスに転送開始する。731はキャンセルボタンであり、パーソナルボックスに関する設定を無効にし、上記のウインドウ701に戻る場合に押す。」
「【0107】また、表示欄824では、3月11日の21:14に、「B会議資料」という文書を、ホスト装置からこのボックスに入れたことを示している。この欄で、一番右の「プリント可」とは、この文書をパーソナルボックスに入れてからまだプリントを行っておらず、プリントが可能であることを示す。そして、このラインをタッチすることにより、図示のように、このジョブのライン表示が反転する。
【0108】816は詳細情報キーであり、上記反転させたラインのジョブの詳細を表示するものである。このキー816を押すと、ホスト装置のアプリケーションの印刷ウインドウで設定した情報、例えば「A4用紙で片面で3部コピーする」などのジョブ情報が詳細に表示される。この表示画面830で、ユーザの都合により、例えば部数を3部から5部に変更するなど、ジョブ情報の変更も可能となる。また、ページを範囲指定し、例えばP.1~P.6を等倍コピー、P.7~P.10を4in1コピーというように、ページ毎にジョブの変更が可能となっている。
【0109】817はプリントキーであり、反転したラインのジョブのラスターイメージで保存されている印刷データをホスト装置からパーソナルボックスに転送するときに、図10,図11で指定した印刷ジョブ設定内容(詳細情報キー816で表示される)に応じてプリントを開始する。818は消去キーであり、反転したラインのジョブを消去するときに押す。819,820は上,下スクロールキーであり、一画面では表示しきれない多数のジョブを表示する場合に、画面をスクロールする。822はファックス状況キーであり、これを押すことで、ファックス送受信の状態を確認することができる。821は閉じるキーであり、図12のパーソナルボックスのメイン画面801に戻る場合に押す。
【0110】図15は図12のメイン画面801で他の機器キー805を押した後、他の機器のパーソナルボックスの内容を覗き、そこから原稿画像データをプリントするための設定画面を示す図であり、ユーザがホスト装置からPDLデータを総務課GPのパーソナルボックスに投入したが、総務課GPが他人により使用中で操作部500からプリントできず、営業1課GPからネットワーク経由で総務課GPのパーソナルボックスを覗き、営業1課GPのプリンタにプリントしようとするときの営業1課GPの操作部を示している。」
「【0120】また、ボックスを選んだ後は、図13,図14,図15で説明した操作フローとなり、ホスト装置から総務課GPのパーソナルボックスに対して投入したPDL展開データを営業1課GPの操作部500からプリントキー817を押したタイミングで引き出し、営業1課GPのプリンタでプリントすることができる。」
「【0128】図16において、総務課GPのボックスを選択した後は、S102と同じステップをたどる。但し、S103でのボックス選択画面は図16の画面であり、営業1課GPの操作部500から総務課GPのパーソナルボックスの内容をネットワーク経由で覗いている様子となる。また、S108においてプリントする場合は、総務課GPのパーソナルボックスの画像データが格納されているハードディスク257より画像データを読み出し、制御部252,インターフェイス部213,インターフェイス部322,データ処理部321,インターフェイス部320,ネットワークインターフェイス部7経由し、ネットワークを通じて営業1課GPのネットワークインターフェイス部7,インターフェイス部320,データ処理部321,インターフェイス部322,インターフェイス部213,画像処理部211,プリンタ部2という経路で、S114で自動変更された変更内容に従って、営業1課GPのプリンタでプリントする。」
「【図10】
」
「【図11】
」
「【図14】
」
甲1の段落【0035】、【0036】によると、甲1記載の画像形成装置は、原稿画像(画像データ)を格納するパーソナルボックスを備える他のデジタル複写機13(外部装置)とネットワークを介して通信可能である。
甲1の段落【0047】、【0048】によると、甲1記載の画像形成装置の操作部500はタッチパネルを備える。
甲1の図14によると、甲1記載の画像形成装置の操作部500で選択されたパーソナルボックスの内容を表示する表示画面830には、パーソナルボックスに格納された文書(画像データ)の一覧(表示欄823、824)が配置される。
甲1の段落【0120】、【0128】によると、甲1記載の画像形成装置における自装置内のパーソナルボックスの操作と、他装置内のパーソナルボックスの操作とは、パーソナルボックスに格納された文書の違いを除き共通である。
甲1の図14によると、甲1記載の画像形成装置の操作部500の表示画面830には、詳細情報キー816が配置されている。
甲1の段落【0108】によると、甲1記載の画像形成装置の操作部500の表示欄823、824で、文書を選択し、詳細情報キー816を選択することで、表示画面830には、文書の詳細情報が画面に表示され、詳細情報には、図10、図11で指定されている印刷ジョブ設定内容が含まれる。
甲1の段落【0081】~【0090】によると、図10、図11では、甲1記載の画像形成装置の印刷ジョブの設定内容は、印刷範囲、部数、通常印刷/ボックス、ボックス番号、片面/両面印刷、ソート/ノンソート、用紙サイズ、給紙段、縮小レイアウトに関する設定である。
甲1の段落【0108】によると、甲1記載の画像形成装置の操作部500の表示欄823、824で、文書を選択し、詳細情報キー816を選択することで,ジョブ情報の変更を行うことができる。
甲1の段落【0109】によると、甲1記載の画像形成装置は、表示画面830のプリントキー817を選択することで、文書の印刷を開始できる。
以上によると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。
(甲1発明1)
(1-1a)画像データを格納可能なパーソナルボックスを有する外部装置(13)とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部(500)を有する印刷装置であって、
(1-1b)前記外部装置(13)の前記パーソナルボックスに格納されている画像データの一覧(823、824)の中から前記印刷装置で印刷させる画像データの選択を受け付ける一覧画面(830)であって、
印刷設定の変更が可能なジョブ詳細情報の画面を表示させるための詳細情報キー(816)を含む前記一覧画面(830)を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
(1-1c)前記一覧画面(830)上に表示されている原稿データの一覧の中から印刷させる画像データの選択を受け付けた後、前記一覧画面(830)に含まれる前記ボタン(816)が選択されたことに応じて、前記印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
(1-1d)前記タッチパネル上に表示されたジョブ詳細情報の画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部(500)上でのプリントキー(817)の選択に応じて、前記外部装置(13)の有する前記パーソナルボックスに格納された画像データのうちの選択された画像データを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(1-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
((1-1a)~(1-1e)は、甲1発明1の構成を識別するために付与した。以下各構成を「構成1a」等という。)
(2)甲第2号証
甲第2号証(特開2004-222202号公報。以下「甲2」という。)には、「画像形成装置及び画像形成方法」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審が付与した。)。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク機能を備えた画像形成装置に関し、特に、ネットワーク上の機器をディスプレイ表示する画像形成装置及び画像形成方法に関する。」
「【0048】初めに、図10のフローチャートにおいて、電源が投入された複合型画像形成装置であるデジタルカラー複写機は、コントロールパネル40のパネルCPU41の働きとして、液晶表示部42に図示しない初期画面を表示する(S31)。次に、この初期画面からファイリング(ネットワーク)の領域がユーザによるタッチパネル操作等により選択されれば(S32)、図1の遷移画面におけるステップS11のファイリング(ネットワーク)画面を表示するべく、例えば、インタフェース部122,123を用いて、ネットワーク上の各機器124-1~124-nの識別情報が収集される(S33)。次に、メインCPU31及びコントロールパネル40のパネルCPU41の働きとして、収集した複数の識別情報に基づき、階層的なネットワークを示す画像情報を生成して、液晶表示部42にこれを表示する(S34)。
【0049】この操作画面は、図1の操作画面S11が示すものであり、更に、図3のファイリング初期画面S21の一例が示すものである。ファイリング初期画面S21において、ネットワーク上の機器であるMFP_001と、共用ノートPCと、個人用のノートPCとが、ツリー状の構造として示されており、更に、それに続くネットワーク上の機器が、操作により参照可能な情報として用意されている。更に、この画面では、MFP_001が有するフォルダとして、『Aフォルダ』と、『Bフォルダ』、『VCIフォルダ』が示されている。更に、画面の中央から右半分には、『Bフォルダ』が有しているファイルの一部が画面表示されており、ここでは、『提案企画書.doc』、『提案プレゼンテーション.xls』、『製品イメージ.tif』、『MFPカタログ.pdf』、『第1回規格会議議事録.doc』、『規格会議議事録資料.ppt』、『ラフレンダリング.bmp』、『MFPについて.txt』、『操作画面説明.ppt』が示されており、更に、フォルダ内のファイルを操作により表示させることができる。」
「【0052】すなわち、印刷の場合、ネットワーク上の一つの機器の一つのフォルダがユーザによるタッチパネル操作等により選択され、更に、一つのファイルが操作画面S12のように選択されると、次に、印刷のための様々なパラメータ、例えば、両面片面印刷、用紙サイズ、拡大縮小倍率、オートカラー・フルカラー・ブラック等の印字モード、4in1等の応用モード等のパラメータが設定画面S13のようにユーザによるタッチパネル操作等により又はデフォルトとして設定される。この際に設定画面S12では、印刷結果がメインCPU31及び又はパネルCPU41の働きにより予測されて画面表示される。このとき、図4が示す設定画面S22のように、印刷のためのパラメータをユーザによるタッチパネル操作等により変更すると、再び、この設定変更に応じた印刷結果がメインCPU31及び又はパネルCPU41の働きにより予測されて画面表示がなされる。
【0053】図4においては、ユーザによりコントロールパネル上で選択されたネットワーク上の機器と通信を確立し(S36)、この機器に格納されている特定のファイル内の画像情報を取り込む(S37)。この時、図4に示すように、片面→片面として、4in1、ソート、ノンステープル、A4原稿をA4用紙に、50%の縮小率で印刷するべくパラメータが設定されている場合、4in1で印刷した場合の印刷結果がメインCPU31及び又はパネルCPU41の働きにより予測されて設定画面S22として表示される。
【0054】すなわち、印刷結果は4in1として印刷する前に表示されるため、ユーザは印刷する以前に自分の設定したパラメータによる印刷結果を知ることにより、更に、パラメータ、例えば、印字モードをオートカラーからフルカラーに変更したり、縮小率を微調整する等の操作が可能である。そして、パラメータを変更する度に、変更後のパラメータに応じる印刷結果がメインCPU31及び又はパネルCPU41の働きにより予測されて設定画面S22として表示される。
【0055】ここで、図4の操作画面S22上に示される“Nin1”とは、一枚の用紙(記録媒体)上に、例えば、4枚分の原稿画像を縮小して合成し印刷する印刷モードの一つをいう。これは、4in1に限らず、2in1、8in1等の設定が可能であり、更に、両面印刷を併せることにより、印刷用紙を非常に少なくすることが可能となる印刷モードである。
【0056】その後、スタートボタンを押下することにより、取り込んだ画像情報を与えられた条件でプリンタ部2の働きにより用紙上に印刷し出力する(S38)。
【0057】これにより、ユーザは、ネットワーク上のどこに格納されている画像情報に対しても、操作パネル上でネットワークのツリー構造を表示しながら、ネットワーク構造を容易に理解し、更に、直感的な操作によりネットワーク上の特定の機器及び特定のファイルを指定することができる。このように容易に操作したファイルの画像情報について、例えば、4in1等の所望の印刷仕様により、事前に印刷結果を確認した上で印刷することが可能となる。従って、ネットワーク上に存在する画像情報を自由に選択し、又、所望の印刷仕様により、印刷することができる。」
「【図3】
」
「【図4】
」
「【図6】
」
甲2の段落【0049】によると、甲2記載の画像形成装置は、ファイルを格納するフォルダを備えるネットワーク上の機器(124-1~124-n)とネットワークを介して通信可能である。
甲2の段落【0048】~【0050】及び図3によると、甲2記載の画像形成装置のコントロールパネル40は、タッチパネル操作でき、画像形成装置の液晶表示部42の操作画面には、ネットワーク上の機器内のフォルダと、フォルダ内に格納されたファイルの一部を一覧で表示する。図3の画面は、一覧画面といえる。
甲2の段落【0052】及び図4によると、甲2記載の画像形成装置は、ユーザによるタッチパネル操作等により、一覧画面から印刷するファイルを選択することができ、また、選択したファイルの印刷設定を設定画面で設定でき、印刷設定の項目は両面印刷を含む。
甲2の段落【0056】によると、甲2記載の画像形成装置は、ユーザによるスタートボタン319の押下げにより印刷が開始される。
以上によると、甲2には、次の発明(以下「甲2発明1」という。)が記載されていると認められる。
(甲2発明1)
(2-1a)ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置(124-1~124-n)とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含むコントロールパネル(40)を有する印刷装置であって、
(2-1b)前記外部装置(124-1 ~124-n)の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、
前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
(2-1c)前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
(2-1d)前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのスタートボタンの押下に応じて、前記外部装置(124-1~124-n)の有する前記ファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(2-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
((2-1a)~(2-1e)は、甲2発明1の構成を区別するために付与した。)
(3)甲第3号証
甲第3号証(特開2005-161728号公報。以下「甲3」という。)には、「画像形成装置、情報端末装置、画像形成方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審が付与した。)。
「【0001】
本発明は、画像形成装置、情報端末装置、画像形成方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、外部デバイスに格納されているファイルをダイレクトプリントするために用いて好適なものである。」
「【0012】
以上のような機能を有するプリンタ101は、プリンタ101の処理動作を統括制御するCPUと、制御プログラムなどを格納するROMと、前記制御プログラムをCPUが実行する際のワークメモリなどとして機能するRAMと、外部デバイス102~104などと通信を行うための通信インターフェースと、本体操作パネル(例えば液晶ディスプレイ装置)や操作ボタンなどを含むユーザインターフェースと、外部デバイス102~104に格納されているファイルの内容を用紙に可視化させるためのプリント機構とを備えて構成されている。
【0013】
102~104は、このプリンタ101に接続してダイレクトプリントを行う外部デバイスである。具体的に、102はデジタルカメラ、103はストレージメディア、104はPDAである。また、外部デバイス102~104は、プリンタ101と接続媒体105を使用して接続する。この接続媒体としては、例えば、USBや、IEEE1394ケーブルなどを用いればよい。」
「【0035】
次に、ステップS705において、プリンタ101は、ストレージデバイス103に保存されているファイルのリストを取得する。
次に、ステップS706において、ユーザがダイレクトプリントを行うファイルを選択するために、プリンタ101は、本体操作パネルに、ステップS705で取得したファイルのリストを表示する。
図10は、ステップS706でプリンタ101の本体操作パネルに表示される画面の一例を示した図である。図10において、1001は印刷ファイル選択画面である。1002は、ファイルをすべて選択するためのチェックボックスである。1003~1007は、ステップS705のステップで取得したファイルを選択するためのファイルリストチェックボックスである。1008および1009は、ファイルを一画面に表示できない場合に印刷ファイル選択画面1001をスクロールするためのボタンである。1010は、設定を無効にして終了するためのキャンセルボタンである。1011は、設定を有効にして印刷操作を次のステップに進めるためのボタンである。ここでは、印刷するファイルを"Meisaisho021209.pdf"と"Teiansho021209.pdf"とする。すなわち、印刷ファイルを選択するために、ユーザが、ファイルのチェックボックス1003、1005を選択したとする(ステップS707)。そして、これらのファイルのダイレクトプリントを行うため、ユーザはOKボタン1011を押下する(ステップS708のYES)。
【0036】
以上のようにしてユーザによりファイルが選択され、選択されたファイルをダイレクトプリントすることが指示されると、印刷属性を設定する手順に移る。
まず、ステップS709において、プリンタ101は、ダイレクトプリント印刷属性設定テーブル601から、適用デバイス607の項目にストレージデバイス103が設定されているプリントジョブ格納ボックスを選択する。図6に示したテーブル601では、ストレージデバイス103に適用する印刷属性をもつプリントジョブ格納ボックスは、プリントジョブ格納ボックス(00番)307と、プリントジョブ格納ボックス(02番)309と、プリントジョブ格納ボックス(03番)310であることが分かる。そこで、プリンタ101は、図11に示すような、ダイレクトプリント画面を表示する。
図11に示すダイレクトプリント画面1101は、図9に示したダイレクトプリント画面901と略同じであるが、1107、1108、および1109は、ステップS709において、ストレージデバイス103に適した印刷属性をもつプリントジョブ格納ボックスを表示する欄である、すなわち、1107、1108、および1109は、プリントジョブ格納ボックス(00番)307と、プリントジョブ格納ボックス(02番)309と、プリントジョブ格納ボックス(03番)310とをラジオボタンとして表示する欄である。ここで、ユーザは、ストレージデバイス103に入っているファイルのうち、印刷ファイル選択画面1101で指定した2つのファイルを左上ステープルで印刷することとする。ユーザは、左上ステープルの印刷属性で印刷をするため、ラジオボタン1109を選択する(ステップS710)。
ここまでのステップで印刷する準備が整ったため、ユーザは印刷ボタン1115を押下することにより(ステップS711)、ステップS712において、プリンタ101は、印刷を実行する。」
「【図1】
」
「【図10】
」
「【図11】
」
甲3の段落【0012】、【0013】及び図1によると、甲3記載のダイレクトプリントシステムのプリンタ101は、接続媒体を介して、外部装置(デジタルカメラ102、ストレージデバイス103、PDA104)と通信可能である。
甲3の段落【0035】、【0036】及び図10によると、甲3記載のダイレクトプリントシステムの外部装置にはファイルが格納されており、甲3記載のプリンタ101の本体操作パネルに表示される印刷ファイル選択画面(1001)において、一覧表示できる。また、印刷ファイル選択画面(1001)には、OKボタンが配置されており、OKボタンが選択されることで、ダイレクトプリント画面(1101)が表示され、ダイレクトプリント画面(1011)において、ユーザが印刷属性が登録されたボックスを選択することで印刷設定を行うことができる。
甲3の段落【0036】によると、甲3記載のプリンタ101は、ユーザがダイレクトプリント画面(1011)の印刷ボタン(1115)を押下することで、選択されたファイルが指定された印刷設定で印刷される。
以上によると、甲3には、次の発明(以下「甲3発明1」という。)が記載されていると認められる。
(甲3発明1)
(3-1a)ファイルを格納可能な外部装置(102,103,104)と接続媒体を介して接続可能であり、押下操作が可能な画面を含む操作パネルを有する印刷装置であって、
(3-1b)前記外部装置(102,103,104)に格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面(1001)であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面(1101)を表示させるためのボタン(1011)を含む前記一覧画面を、前記操作パネル上に表示させる第1の表示手段と、
(3-1c)前記一覧画面(1011)上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタン(1011)が選択されたことに応じて、前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定が登録されたボックス(1108)の選択を受け付ける前記印刷設定画面(1101)を、前記操作パネル上に表示させる第2の表示手段と、
(3-1d)前記操作パネル上に表示された前記印刷設定画面(1101)に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作パネル上でのプリントキー(1105)の選択に応じて、前記外部装置(102,103,104)に格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(3-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
((3-1a)~(3-1e)は、甲3発明1の構成を区別するために付与した。)
(4)甲第4号証
甲第4号証(特開2000-200247号公報。以下「甲4」という。)には、「画像形成装置および画像意データ処理方法」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審が付与した。)。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、World Wide Webサーバ(以後WWWサーバと呼ぶ)へアクセスする機能を有する画像形成装置および画像データ処理方法に関するものである。」
「【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る実施例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施例に係る画像形成システムの構成図である。本システムの中心的役割を.果たすデジダル複写機1は、画像データ等や各種プログラムを格納しておくためのハードディスク3と、ネットワークを介して外部機器と通信を行うためのネットワークインターフェース部4と、デジタル複写機1上で自機に対する動作指示を行うための操作部5と、ネットワークを介して外部機器より送られてきたプリントデータをデジタル複写機1でプリント可能なフォーマットに変換するPSフォーマッタ部6と、デジタル画像読み取り部(以下「リーダー」という)7と、その下に配置されたデジタル画像を印刷出力するデジタル画像プリント部(以下「プリンタ」という)8と、これら全ての構成要素を統合して協調動作させるためのコア部2とから成る。また、ネットワークには、上記デジタル複写機に対してURLおよび印刷指示を行うための外部クライアント(コンピュータ)9と、インターネットを経由してURLで指示されるWWW(World Wide Web)サーバ10とが接続されている。」
「【0042】次に、デジタル複写機1の操作部5を使用してWeb Pull Printを要求する方法について説明する。図14、図15は操作部5の各種キーを示すものであって、300Aは、タッチキーを兼ねた表示パネルを示す。また、図14、図15はコピーモードを選択したときの表示例である。300の表示画面は現在の状態を表示するウィンドウであり、現在はコピー可能状態/A4用紙サイズ/拡大率100%/1部印刷であることを表示している。
【0043】301はガイドキーであり、操作がわからない時に適切なアドパイスを表示する。302~304はモード変更キーであり、302を押すとコピーモード、304でWebプリントモードに変更される。305は現在表示できないモードキーを表示するキーであり、このボタンを押すとプリンタモードキーが表示される。306は用紙選択キーであり、このキーを押すと図15の(a)が表示され、カセット204,205に収納されている用紙サイズを選択することができる。307は画像処理にかかわる設定をおこなう処理メニューが表示され、トリミング、マスキング、ネガ/ポジ反転、影処理等の設定を行える。308は両面印刷にかかわる処理設定を行うメニューであり、片面原稿から片面原稿、片面原稿から両面原稿、両面原稿から両面原稿にコピーをする3つの設定を行う。応用ズーム309は縦と横の拡大率を変更することができるように設定するメニュー画面を表示するキーである。」
「【0046】図16のウィンドウ300には、現在Web Pull Printプリントモードであることが表示されており、A4用紙サイズ/拡大率100%/1部印刷であることを表示している。URLボタン331上には、アクセスするWWWサーバのドメイン名、取得するHTML形式のデータのファイル名を表示している。このボタンを押すことにより図示していないアルファベットキーボードが表示され文宇列を入力することが可能となる。印刷時刻ボタン332は、Web Pull Printを開始する日付、時間等を設定するウィンドウ(図17)を開くためのボタンである。このウィンドウ内で設定するパラメータの内容は図9のそれと同様であるため、詳しい説明は割愛する。BOOKMARKキー334を押下すると図18のBOOKMARKウィンドウが表示される。時刻指定リストボタン335を押下すると図19の時刻指定リストウィンドウが表示される。待機ジョブリストキー336を押下すると図16の待機ジョブリストウィンドウが表示される。ログボタン337を押下すると図21のログリストウィンドウが表示される。詳細設定ボタン338は、Web Pull Printに関する詳細なパラメータをセットするためのメニューウィンドウを表示するキーである。このウィンドウ内で設定されるパラメータは、表1のリストから印刷用紙サイズ/両面印刷/ソーター/URL/スケジュール印刷設定/曜日指定/日付指定/時刻指定/間隔指定を除いた全てのものである。
【0047】図18のB00KMARKウィンドウには、既に登録済みであるURLのリスト350から354が表示され、上矢印キー356を押すとURLリストは上にスクロールし、下矢印キー357を押すとURLリストは下にスクロールする。登録キー355を押すことにより、図16のURLボタン331で上に表示されているURLがこのリストに追加登録される。また、URL350から354の何れかを選択して反転表示させた後にOKボタン359を押下することで、選択したURLがURLボタン331上にセットされる。同じく反転表示させた後に削除ボタン358を押すことで、選択したURLがURLリストから削除される。」
「【0051】上述したWeb Pull Printに関する各設定ウィンドウにて必要なパラメータを設定した後、最終的に図16のスタートボタン319を押下することで、操作部5からコア部2のコマンド受け取り処理に対してWeb Pull Print要求コマンドが発行される。以上が、操作部5を使用してWeb Pull Printを要求する方法についての説明である。」
「【0054】図22において、S504ではHTTPクライアントはWWWサーバからS502で指定されたURLのホームページのデータであるHTMLデータ、画像データ等を取得するように動作する。」
「【0056】キャンセルフラグが立っていない場合、HTMLParser(S506)に処理が移る。HTMLParserはWWWサーバから取得したデータを基にプリンタ部8にて印刷が行えるように画像を作成するプログラムである。」
「【0058】キャンセルフラグが立っていない場合は、HTML Parserにて作成した画像をコア部2へ送信(S508)する。画像を受け取ったコア部2はプリンタ部8へ画像を転送し、カセット204あるいは205に収納されている用紙に印刷を行ってWeb Pull Printの実行を完了する。」
「【図16】
」
「【図18】
」
甲4の段落【0016】によると、甲4記載のデジタル複写機1は、WEBページデータが格納されたサーバ10とインターネットを介して通信することができる。
甲4の段落【0042】、【0046】、【0047】、【0056】、図18によると、甲4記載のデジタル複写機1の操作部5は、タッチキーを兼ねた表示パネルを備え、前記表示パネルは、BOOKMARKウインドウ(図18)に、WEBページのURL一覧を表示し、ユーザが、URLを選択し、OKボタン(359)を選択することで、BOOKMARKウインドウのURL指定操作が完了し、Web Pull Printモードの画面(図16)のURLボタン359に、指定されたURLがセットされた状態になる。
甲4の段落【0043】、【0046】によると、甲4記載のデジタル複写機1の表示パネルのWeb Pull Printモードの画面(図16)には、両面印刷キー308が配置されており、片面原稿から片面原稿、片面原稿から両面原稿、、両面原稿から両面原稿等の設定ができる。
甲4の段落【0051】によると、甲4記載のデジタル複写機1は、Web Pull Printに関する各種設定後、スタートキー319が押し下げされることで、指定されたWEBページの印刷が開始される。
以上によると、甲4には、次の発明(以下「甲4発明1」という。)が記載されていると認められる。
(甲4発明1)
(4-1a)WEBページデータを格納可能なサーバ(10)とネットワークを介して接続可能であり、タッチキーを兼ねた表示パネルを備える操作部(5)を有する印刷装置であって、
(4-1b)URLが登録されたWEBページの一覧(350~353)の中から前記印刷装置で印刷させるWEBページの選択を受け付ける一覧画面(図18)であって、
印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面(図16)を表示させるためのボタン(359)を含む前記一覧画面(図18)を、前記表示パネル上に表示させる第1の表示手段と、
(4-1c)前記一覧画面(図18)上に表示されているWEBページの一覧の中から印刷させるWEBページの選択を受け付けた後、前記一覧画面(図18)に含まれる前記ボタン(359)が選択されたことに応じて、前記印刷設定として少なくとも両面印刷キー(308)の選択を受け付ける前記印刷設定画面(図16)を、前記表示パネル上に表示させる第2の表示手段と、
(4-1d)前記表示パネル上に表示された前記印刷設定画面(図16)に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部(5)上でのスタートキー(319)の押下に応じて、前記サーバに格納されたWEBページのうちの選択されたWEBページを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(4-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
((4-1a)~(4-1e)は、甲4発明1の構成を区別するために付与した。)
4 判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア 甲1に記載された発明に基づく新規性及び容易想到性
(ア)本件発明1
a 本件発明1、甲1発明1
本件発明1と甲1発明1とを対比するにあたり、本件発明1と甲1発明1とを再掲する。
(本件発明1)
(1A)ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置であって、
(1B)前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
(1C)前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
(1D)前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(1E)を有することを特徴とする印刷装置。
(甲1発明1)
(1-1a)画像データを格納可能なパーソナルボックスを有する外部装置(13)とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部(500)を有する印刷装置であって、
(1-1b)前記外部装置(13)の前記パーソナルボックスに格納されている画像データの一覧(823、824)の中から前記印刷装置で印刷させる画像データの選択を受け付ける一覧画面(830)であって、
印刷設定の変更が可能なジョブ詳細情報の画面を表示させるための詳細情報キー(816)を含む前記一覧画面(830)を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
(1-1c)前記一覧画面(830)上に表示されている原稿データの一覧の中から印刷させる画像データの選択を受け付けた後、前記一覧画面(830)に含まれる前記ボタン(816)が選択されたことに応じて、前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
(1-1d)前記タッチパネル上に表示されたジョブ詳細情報の画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部(500)上でのプリントキー(817)の選択に応じて、前記外部装置(13)の有する前記パーソナルボックスに格納された画像データのうちの選択された画像データを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(1-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
b 対比
本件発明1と甲1発明1とを対比する。
(a)構成要件1Aと構成1-1aとを対比する。
構成1-1aの「画像データを格納可能なパーソナルボックスを有する外部装置」は、構成要件1Aの「ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置」に相当する。
したがって、構成要件1Aと構成1-1aとは、「ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置」として一致する。
(b)構成要件1Bと構成1-1bとを対比する。
構成1-1bの「前記外部装置(13)の前記パーソナルボックスに格納されている画像データの一覧(823、824)の中から前記印刷装置で印刷させる画像データの選択を受け付ける一覧画面(830)」は、構成要件1Bの「前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面」に相当する。
構成1-1bの「印刷設定の変更が可能なジョブ詳細情報の画面を表示させるための詳細情報キー(816)」は、「印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタン」といえる。
そうすると、構成要件1Bと構成1-1bとは、「前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段」として共通する。
しかしながら、「印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタン」が、本件発明1においては、さらに、「前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するため」のボタンであるのに対し、甲1発明1においては、「前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するため」のボタンでない点で相違する。
(c)構成要件1Cと構成1-1cとを対比すると、「前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段」として一致する。
(d)構成要件1Dと構成1-1dとを対比すると、「前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段」として一致する。
(e)構成要件1Eと構成1-1eとを対比すると、「印刷装置」として一致する。
c 一致点、相違点
以上によると、一致点、相違点は次のとおりである。
(一致点)
ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置であって、
前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
(相違点)
「印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタン」が、本件発明1においては、さらに、「前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するため」のボタンであるのに対し、甲1発明1においては、「前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するため」のボタンでない点。
d 判断
上記のとおり、本件発明1と甲1発明1とを対比すると、相違点があるから、本件発明1は、甲1発明1ではない。
次に、相違点について検討すると、甲1発明1における「印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタン」を、さらに、「前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するため」のボタンとする構成、あるいはこれを示唆する技術思想は、甲2~4の記載にはなく、このことが自明のこととも認められない。
したがって、本件発明1は、当業者であっても、甲1発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(イ)本件発明2~7
本件発明2~5は、本件発明1を引用するから、本件発明1と同じ理由で、甲1発明1ではなく、当業者が甲1発明1に基づいて容易になし得るものではない。
本件発明6~7は、本件発明1を引用するから、本件発明1と同じ理由で、当業者であっても、甲1発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(ウ)本件発明8
本件発明8は、本件発明1の「装置」の発明とカテゴリーの異なる方法の発明であるから、本件発明1と同様に、甲1に記載された発明ではなく、当業者であっても、甲1に記載された発明に基づいて容易になし得るものではない。
イ 甲2に記載された発明に基づく容易想到性
(ア)本件発明1
a 甲2発明1
本件発明1と甲2発明1とを対比するにあたり、甲2発明1を再掲する。
(甲2発明1)
(2-1a)ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置(124-1~124-n)とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含むコントロールパネル(40)を有する印刷装置であって、
(2-1b)前記外部装置(124-1 ~124-n)の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、
前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
(2-1c)前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
(2-1d)前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのスタートボタンの押下に応じて、前記外部装置(124-1~124-n)の有する前記ファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(2-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
b 対比
本件発明1と甲2発明1とを対比する。
(a)構成要件1Aと構成2-1aとを対比する。
構成2-1aの「コントロールパネル」は、構成要件1Aの「操作部」に相当する。
したがって、構成要件1Aと構成2-1aとは、「ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置」として一致する。
(b)構成要件1Bと構成2-1bとを対比する。
構成2-1bの「前記外部装置(124-1 ~124-n)の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面」は、構成要件1Bの「前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面」に相当する。
したがって、構成要件1Bと構成2-1bとは、「前記外部装置(124-1 ~124-n)の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段」として共通する。
しかしながら、「一覧画面」が、本件発明1においては、「印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む」のに対し、甲2発明1においては、当該ボタンを含むと特定されていない点で相違する。
(c)構成要件1Cと構成2-1cとを対比すると、
「前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段」として共通する。
しかしながら、本件発明1においては、「前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、」印刷設定画面を表示させるのに対し、甲2発明1においては、「前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、」印刷設定画面を表示させると特定されておらず、
さらに、「両面印刷の設定」が、本件発明1においては、「片面印刷か両面印刷か」の設定であるのに対し、甲2発明1においては、「片面印刷か両面印刷か」の設定でない点で相違する。
(d)構成要件1Dと構成2-1dとを対比する。
構成2-1dの「スタートボタンの押下」は、構成要件1Dの「ユーザ操作」に相当する。
したがって、構成要件1Dと構成2-1dとは、「前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段」として一致する。
(e)構成要件1Eと構成2-1eとを対比すると、「印刷装置」として一致する。
c 一致点、相違点
以上によると、一致点、相違点は次のとおりである。
(一致点)
ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置であって、
前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも両面印刷の設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
(相違点1)
「一覧画面」が、本件発明1においては、「印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む」のに対し、甲2発明1においては、当該ボタンを含むと特定されていない点。
(相違点2)
前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段が、本件発明1においては、「前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、」印刷設定画面を表示させるのに対し、甲2発明1においては、「前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、」印刷設定画面を表示させると特定されておらず、
「両面印刷の設定を受け付ける印刷設定画面」が、本件発明1においては、「片面印刷か両面印刷か」の設定であるのに対し、甲2発明1においては、「片面印刷か両面印刷か」の設定ではない点。
d 判断
相違点1、2について検討する。
甲3発明1における「ボタン」は、「前記一覧画面(1011)上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタン(1011)が選択されたことに応じて、前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定が登録されたボックス(1108)の選択を受け付ける前記印刷設定画面(1101)を、前記操作パネル上に表示させる」(構成3-1c)ものであって、甲2発明1に甲3発明1を適用すると、甲2発明の「一覧画面」上に当該ボタンを設けることになる。
しかしながら、設けた「ボタン」を押下した後に表示される画面は、「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定が登録されたボックス(1108)の選択を受け付ける前記印刷設定画面」であって、当該印刷設定画面は、「片面印刷か両面印刷か」の設定に係る入力を受け付けるものではない。
そうすると、本件発明1は、当業者であっても、甲2発明1及び甲3発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(イ)本件発明2~7
本件発明2~7は、本件発明1を引用するから、本件発明1と同じ理由で、当業者であっても、甲2発明1及び甲3発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(ウ)本件発明8
本件発明8は、本件発明1の「装置」の発明とカテゴリーの異なる方法の発明であるから、本件発明1と同様に、当業者であっても、甲2発明1及び甲3発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、本件発明1~8は、甲3乃至甲4に記載された発明並びに周知技術から、容易になし得た発明であると主張する。
しかしながら、上記主張に理由はない。
詳細は以下のとおりである。
ア 甲3に記載された発明に基づく容易想到性
(ア)本件発明1
a 甲3発明1
本件発明1と甲3発明1とを対比するにあたり、甲3発明1を再掲する。
(甲3発明1)
(3-1a)ファイルを格納可能な外部装置(102,103,104)と接続媒体を介して接続可能であり、押下操作が可能な画面を含む操作パネルを有する印刷装置であって、
(3-1b)前記外部装置(102,103,104)に格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面(1001)であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面(1101)を表示させるためのボタン(1011)を含む前記一覧画面を、前記操作パネル上に表示させる第1の表示手段と、
(3-1c)前記一覧画面(1011)上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタン(1011)が選択されたことに応じて、前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定が登録されたボックス(1108)の選択を受け付ける前記印刷設定画面(1101)を、前記操作パネル上に表示させる第2の表示手段と、
(3-1d)前記操作パネル上に表示された前記印刷設定画面(1101)に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作パネル上でのプリントキー(1105)の選択に応じて、前記外部装置(102,103,104)に格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(3-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
b 対比
本件発明1と甲3発明1とを対比する。
(a)構成要件1Aと構成3-1aとを対比する。
構成3-1aの「接続媒体」、「押下操作が可能な画面を含む操作パネル」は、それぞれ構成要件1Aの「ネットワーク」、「タッチパネルを含む操作部」に相当する。
したがって、構成要件1Aと構成3-1aとは、「ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置」として一致する。
(b)構成要件1Bと構成3-1bとを対比すると、「前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段」として一致する。
(c)構成要件1Cと構成3-1cとを対比すると、「前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段」として共通する。
しかしながら、「印刷設定画面」が、構成要件1Cにおいては、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける」ものであるのに対し、構成3-1cにおいては、「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定が登録されたボックス(1108)の選択を受け付ける」ものである点で相違する。
(d)構成要件1Dと構成3-1dとを対比すると、「前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段」として一致する。
(e)構成要件1Eと構成3-1eとを対比すると、「印刷装置」として一致する。
c 一致点、相違点
以上によると、一致点、相違点は次のとおりである。
(一致点)
ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置であって、
前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
(相違点)
「印刷設定画面」が、本件発明1においては、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける」ものであるのに対し、甲3発明1においては、「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定が登録されたボックス(1108)の選択を受け付ける」ものである点。
d 判断
甲3発明1において、「前記印刷設定として少なくとも両面印刷の設定が登録されたボックス(1108)の選択を受け付ける」「印刷設定画面」を「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける」「印刷設定画面」にする構成、あるいはこれを示唆する技術思想は、甲1、2、4の記載にはなく、このことが自明のこととも認められない。
したがって、本件発明1は、当業者であっても、甲3発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(イ)本件発明2~7
本件発明2~7は、本件発明1を引用するから、本件発明1と同じ理由で、当業者であっても、甲3発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(ウ)本件発明8
本件発明8は、本件発明1の「装置」の発明とカテゴリーの異なる方法の発明であるから、本件発明1と同様に、当業者であっても、甲3発明1に基づいて容易になし得るものではない。
イ 甲4に記載された発明に基づく容易想到性
(ア)本件発明1
a 甲4発明1
本件発明1と甲4発明1とを対比するにあたり、甲4発明1を再掲する。
(甲4発明1)
(4-1a)WEBページデータを格納可能なサーバ(10)とネットワークを介して接続可能であり、タッチキーを兼ねた表示パネルを備える操作部(5)を有する印刷装置であって、
(4-1b)URLが登録されたWEBページの一覧(350~353)の中から前記印刷装置で印刷させるWEBページの選択を受け付ける一覧画面(図18)であって、
印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面(図16)を表示させるためのボタン(359)を含む前記一覧画面(図18)を、前記表示パネル上に表示させる第1の表示手段と、
(4-1c)前記一覧画面(図18)上に表示されているWEBページの一覧の中から印刷させるWEBページの選択を受け付けた後、前記一覧画面(図18)に含まれる前記ボタン(359)が選択されたことに応じて、前記印刷設定として少なくとも両面印刷キー(308)の選択を受け付ける前記印刷設定画面(図16)を、前記表示パネル上に表示させる第2の表示手段と、
(4-1d)前記表示パネル上に表示された前記印刷設定画面(図16)に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部(5)上でのスタートキー(319)の押下に応じて、前記サーバに格納されたWEBページのうちの選択されたWEBページを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
(4-1e)を有することを特徴とする印刷装置。
b 対比
本件発明1と甲4発明1とを対比する。
(a)構成要件1Aと構成4-1aとを対比する。
構成4-1aの「サーバ」、「タッチキーを兼ねた表示パネルを備える操作部」は、それぞれ構成要件1Aの「外部装置」、「タッチパネルを含む操作部」に相当する。
したがって、構成要件1Aと構成4-1aとは、「外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置」として共通する。
しかしながら、「外部装置」が、構成要件1Aにおいては、「ファイルを格納可能なフォルダを有する」ものであるのに対し、構成4-1aにおいては、「WEBページデータを格納可能」である点で相違する。
(b)構成要件1Bと構成4-1bとを対比すると、「データの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるデータの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたデータの一覧の中から印刷させるデータを決定するための前記ボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段」として共通する。
しかしながら、「データ」が、構成要件1Bにおいては、「前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイル」であるのに対し、構成要件4-1bにおいては、「URLが登録されたWEBページ」である点で相違する。
(c)構成要件1Cと構成4-1cとを対比すると、「前記一覧画面上に表示されているデータの一覧の中から印刷させるデータの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段」として共通する。
しかしながら、「データ」が、構成要件1Cにおいては、「ファイル」であるのに対し、構成4-1cにおいては、「WEBページ」である点で相違し、さらに、「印刷設定画面」が、構成要件1Cにおいては、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける」ものであるのに対し、構成4-1cにおいては、「前記印刷設定として少なくとも両面印刷キー(308)の選択を受け付ける」ものである点で相違する。
(d)構成要件1Dと構成4-1dとを対比する。
構成4-1dの「前記操作部(5)上でのスタートキー(319)の押下に応じて」は、構成要件1Dの「前記操作部上でのユーザ操作に応じて」に相当する。
したがって、構成要件1Dと構成4-1dとは、「前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記データに格納されたデータのうちの選択されたデータを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段」として共通する。
しかしながら、「データ」が、構成要件1Dにおいては、「ファイル」であるのに対し、構成4-1dにおいては、「WEBページ」である点で相違する。
(e)構成要件1Eと構成3-1eとを対比すると、「印刷装置」として一致する。
c 一致点、相違点
以上によると、一致点、相違点は次のとおりである。
(一致点)
ファイルを格納可能なフォルダを有する外部装置とネットワークを介して接続可能であり、タッチパネルを含む操作部を有する印刷装置であって、
前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイルの一覧の中から前記印刷装置で印刷させるファイルの選択を受け付ける一覧画面であって、印刷設定の入力を受け付ける印刷設定画面を表示させるためのボタンであり前記一覧画面に表示されたファイルの一覧の中から印刷させるファイルを決定するための前記ボタンを含む前記一覧画面を、前記タッチパネル上に表示させる第1の表示手段と、
前記一覧画面上に表示されているファイルの一覧の中から印刷させるファイルの選択を受け付けた後、前記一覧画面に含まれる前記ボタンが選択されたことに応じて、前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける前記印刷設定画面を、前記タッチパネル上に表示させる第2の表示手段と、
前記タッチパネル上に表示された前記印刷設定画面に対する印刷設定の入力を受け付けた後、前記操作部上でのユーザ操作に応じて、前記外部装置の有する前記フォルダに格納されたファイルのうちの選択されたファイルを、入力を受け付けた前記印刷設定に基づいて印刷出力する印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
(相違点1)
「外部装置」が、本件発明1においては、「ファイルを格納可能なフォルダを有する」ものであるのに対し、甲4発明1においては、「WEBページデータを格納可能」である点で相違し、それに伴い、「データ」が、本件発明においては、「前記外部装置の前記フォルダに格納されているファイル」、「ファイル」であるのに対し、甲4発明1においては、「URLが登録されたWEBページ」、「WEBページ」である点。
(相違点2)
「印刷設定画面」が、本件発明1においては、「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける」ものであるのに対し、甲4発明1においては、「前記印刷設定として少なくとも両面印刷キー(308)の選択を受け付ける」ものである点。
d 判断
相違点2について検討する。
甲4発明1における「前記印刷設定として少なくとも両面印刷キー(308)の選択を受け付ける前記印刷設定画面」を「前記一覧画面で選択されたファイルの印刷設定として少なくとも片面印刷か両面印刷かの設定に係る入力を受け付ける」「印刷設定画面」にする構成、あるいはこれを示唆する技術思想は、甲1~3の記載にはなく、このことが自明のこととも認められない。
したがって、本件発明1は、当業者であっても、甲4発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(イ)本件発明2~7
本件発明2~7は、本件発明1を引用するから、本件発明1と同じ理由で、当業者であっても、甲4発明1に基づいて容易になし得るものではない。
(ウ)本件発明8
本件発明8は、本件発明1の「装置」の発明とカテゴリーの異なる方法の発明であるから、本件発明1と同様に、当業者であっても、甲4発明1に基づいて容易になし得るものではない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり決定する。
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2017-700771