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特許異議申立

2016-700342

撮像装置および撮像方法

審判番号
2016-700342
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-044044
登録番号
特許第5796650号(P5796650)
請求日
2016年04月21日
審決日
2017年06月30日
公報発行日
2017年11月24日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社リコー
  • 【権利者代理人】西脇 民雄
  • 【異議申立人】キヤノン 株式会社
  • 【異議申立人代理人】阿部 琢磨
審判長/審判官
  • 審判長 藤井 浩
  • 審判官 清水 正一
  • 審判官 小池 正彦
分類
P1651.121-ZAA(H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5796650号発明「撮像装置および撮像方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5796650号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3、5~8〕,4,〔9~11、13~16〕,12について訂正することを認める。 特許第5796650号の請求項1,3,5,6,8,9,11,13,14,16に係る特許を取り消す。 特許第5796650号の請求項2,4,7,10,12,15に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件特許第5796650号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし16に係る特許についての出願は、平成21年12月7日に出願した特願2009-277555号の一部を平成26年3月6日に新たな特許出願としたものであって、平成27年8月28日にその特許権の設定登録(特許公報発行日 平成27年10月21日)がされた。 その特許について、平成28年4月21日に特許異議申立人キヤノン株式会社により請求項1ないし16に対して特許異議の申立てがなされた。 その後の手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 8月 2日  取消理由通知 平成28年10月 3日  訂正請求・意見書の提出(特許権者) 平成28年11月28日  意見書の提出(特許異議申立人) 平成29年 1月31日  取消理由通知(決定の予告) 平成29年 4月 4日  訂正請求・意見書の提出(特許権者) 平成29年 5月22日  意見書の提出(特許異議申立人) 第2 訂正の適否 1.訂正請求の要旨 特許権者が請求する訂正請求の要旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~16について訂正することを求めるというものである。 2.訂正事項 (1)一群の請求項1~3、5~8に係る訂正 ア.訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「領域指定手段と、 を備え、」とあるのを、「領域指定手段と、 を備え、 前記第二の領域は横長の帯状形状であり、」に訂正し、「自動合焦動作指示手段を有し、」とあるのを、「自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、」に訂正し、「自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域に設定される」とあるのを、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」に訂正する。 イ.訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 ウ.訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「領域指定手段と、 を備え、」とあるのを、「領域指定手段と、 を備え、 前記第二の領域は横長の帯状形状であり、」に訂正し、「前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示する」とあるのを、「自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、 前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し、 前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」に訂正する。 エ.訂正事項4 特許請求の範囲の請求項6に「識別可能に表示することを特徴とする請求項1、2、5のいずれか1項に記載の」とあるのを、「識別可能に表示することを特徴とする請求項1、5のいずれか1項に記載の」に訂正する。 オ.訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 カ.訂正事項6 特許請求の範囲の請求項8に「識別可能に表示することを特徴とする請求項1~3、5~7のいずれか1項に記載の」とあるのを、「識別可能に表示することを特徴とする請求項1、3、5、6のいずれか1項に記載の」に訂正する。 キ.訂正事項7 明細書の段落【0011】に「領域指定手段と、 を備え、」とあるのを、「領域指定手段と、 を備え、 前記第二の領域は横長の帯状形状であり、」に訂正し、「自動合焦動作指示手段を有し、」とあるのを、「自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、」に訂正し、「自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域に設定される」とあるのを、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」に訂正する。 (2)請求項4に係る訂正 ア.訂正事項8 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (3)一群の請求項9~11、13~16に係る訂正 ア.訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9に「またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、」とあるのを、「またはぼかし処理を施さない横長の帯状形状である第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、」に訂正し、「自動合焦動作指示工程を有し、」とあるのを、「自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、」に訂正し、「自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域に設定される」とあるのを、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」に訂正する。 イ.訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 ウ.訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11に「またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、」とあるのを、「またはぼかし処理を施さない横長の帯状形状である第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、」に訂正し、「前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示する」とあるのを、「自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、 前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し、 前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」に訂正する。 エ.訂正事項12 特許請求の範囲の請求項14に「識別可能に表示することを特徴とする請求項9、10、13のいずれか1項に記載の」とあるのを、「識別可能に表示することを特徴とする請求項9、13のいずれか1項に記載の」に訂正する。 オ.訂正事項13 特許請求の範囲の請求項15を削除する。 カ.訂正事項14 特許請求の範囲の請求項16に「識別可能に表示することを特徴とする請求項9~11、13~15のいずれか1項に記載の」とあるのを、「識別可能に表示することを特徴とする請求項9、11、13、14のいずれか1項に記載の」に訂正する。 (4)請求項12に係る訂正 ア.訂正事項15 特許請求の範囲の請求項12を削除する。 3.訂正の適合性の判断 (1)一群の請求項について ア.請求項1~3、5~8についての訂正 訂正事項1~6に係る訂正前の請求項1~3、5~8について、請求項5~8は請求項1~3のいずれかを直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1~3によって記載が訂正される請求項1~3のいずれかに連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~3、5~8は、特許法施行規則第45条の4に規定する関係を有する一群の請求項であるといえ、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。 イ.請求項9~11、13~16についての訂正 訂正事項9~14に係る訂正前の請求項9~11、13~16について、請求項13~16は請求項9~11のいずれかを直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項9~11によって記載が訂正される請求項9~11のいずれかに連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項9~11、13~16は、特許法施行規則第45条の4に規定する関係を有する一群の請求項であるといえ、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。 (2)訂正の目的について ア.訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1における「第二の領域」を、「横長の帯状形状」のものに特定して限定する訂正、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、撮像装置が「記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段」を有し、「前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」ことを特定して限定する訂正、及び、訂正前の特許請求の範囲の請求項1における「自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域に設定される」という撮像装置の動作を、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定される」というように特定して限定する訂正である。 よって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ.訂正事項3 訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項3における「第二の領域」を、「横長の帯状形状」のものに特定して限定する訂正、訂正前の特許請求の範囲の請求項3において、撮像装置が「自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段」を有し、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され」ということを特定して限定する訂正、及び、訂正前の特許請求の範囲の請求項3において、撮像装置が「記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段」を有し、「前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」ことを特定して限定する訂正である。 よって、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 ウ.訂正事項9 訂正事項9は、訂正前の特許請求の範囲の請求項9における「第二の領域」を、「横長の帯状形状」のものに特定して限定する訂正、訂正前の特許請求の範囲の請求項9において、ミニチュア写真の撮像方法が「記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程」を有し、「前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」ことを特定して限定する訂正、及び、訂正前の特許請求の範囲の請求項9における「自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域に設定される」というミニチュア写真の撮像方法の動作を、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定される」というように特定して限定する訂正である。 よって、訂正事項9は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 エ.訂正事項11 訂正事項11は、訂正前の特許請求の範囲の請求項11における「第二の領域」を、「横長の帯状形状」のものに特定して限定する訂正、訂正前の特許請求の範囲の請求項11において、ミニチュア写真の撮像方法が「自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程」を有し、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され」ということを特定して限定する訂正、及び、訂正前の特許請求の範囲の請求項11において、ミニチュア写真の撮像方法が「記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程」を有し、「前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」ことを特定して限定する訂正である。 よって、訂正事項11は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 オ.訂正事項2,5,8,10,13,15 訂正事項2,5,8,10,13,15は、特許請求の範囲の請求項2,4,7,10,12,15を削除するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 カ.訂正事項4,6,12,14 訂正事項4,6,12,14は、訂正事項2,5,8,10,13,15に係る特許請求の範囲の請求項2,4,7,10,12,15を削除する訂正に伴って、訂正前の特許請求の範囲の請求項6,8,14,16において、それらの請求項が引用する請求項から削除される請求項を除くものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 キ.訂正事項7 訂正事項7は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の請求項1の訂正に伴って、請求項1の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 ク.まとめ 以上のように、訂正事項1~15は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号の規定に適合するものである。 (3)訂正の範囲、及び特許請求の範囲の拡張・変更について ア.訂正事項1,3,9,11 訂正事項1,3,9,11の「第二の領域」が「横長の帯状形状」であることは、本件特許の明細書の段落【0041】の「図12(a),(b)の矩形の注目領域設定の場合」、図12(a),(b)、図13(a),(b)に示される「横長の領域」に基づくものである。 訂正事項1,3,9,11の「自動合焦動作指示手段(工程)」を有しており、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段(工程)により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定される」ことは、本件特許の明細書の段落【0041】の「また、モニタリング時にぼかし領域18bを変更する旨のユーザ要求があった場合(S17)、これを確認すると(処理S17のYes)、ぼかし領域18bの設定画面へ移行する(S18)。」、段落【0042】の「この処理S18において、領域が変更されると、例えば処理S16へ戻り、変更されて領域に基づきぼかし処理を行って、モニタリングする。」、段落【0043】の「このように、ユーザは注目領域18cやぼかし領域18bを設定することが可能である。このとき、第1レリーズを押下するとAF領域をユーザが設定変更したぼかし領域18bにあわせてAF処理を行う。図13(b)の場合は、注目領域18cは狭く中心は上に設定されている。(中略)この場合においては、AF領域20bも同様に狭く中心を上にもっていき領域の範囲も狭くなる。」の記載に基づくものである。 訂正事項1,3,9,11の「記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段(工程)」を有しており、「前記記録指示手段(工程)により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」ことは、本件特許の明細書の段落【0034】の「圧縮された画像データは、デジタルカメラのファイルフォーマットExif準拠となるよう、撮像時の条件やデジタルカメラの機種名をJPEGデータのヘッダーとして付加し、撮像したJPEGファイルとしてメモリ部(揮発性:SDRAM)26に一時保管される。外部メモリカードI/F部17は、コンパクトフラッシュ(登録商標)や、SDカードなど複数種類発売されているが、脱着可能に設けられ、前述のJPEGファイルを格納する。」、段落【0045】の「第2レリーズが押されると(処理S21のYes)、AF領域のAF処理、露出領域の露出処理、ぼかし領域の処理の制限等を行い撮像の準備を行う(S22)。シャッター制御を行って、CCD/CMOS部20から主画像が、画像処理部25へ転送され、メモリ部26に展開される(S23)。これを第1画像とする。また、展開された第1画像をメモリ部26の別の領域に複製する(S24)。複製された画像を第2画像とする。」、段落【0046】の「第1,第2画像はそれぞれ圧縮され、JPEG画像として画像ファイル化され、SDカードに蓄積される(S26)。」の記載に基づくものである。 以上のことから、訂正事項1,3,9,11は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 また、訂正事項1,3,9,11は、発明特定事項を限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 イ.訂正事項2,5,8,10,13,15 訂正事項2,5,8,10,13,15は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2,4,7,10,12,15を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 ウ.訂正事項4,6,12,14 訂正事項4,6,12,14は、訂正事項2,5,8,10,13,15に係る特許請求の範囲の請求項2,4,7,10,12,15を削除する訂正に伴って、訂正前の特許請求の範囲の請求項6,8,14,16において、それらの請求項が引用する請求項から削除される請求項を除くものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 エ.訂正事項7 訂正事項7は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の請求項1の訂正に伴って、請求項1の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 オ.まとめ 以上のように、訂正事項1~15は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (4)明細書の訂正について 願書に添付した明細書の訂正である訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項1の記載との整合を図るための訂正であり、訂正事項7と関係する一群の請求項(請求項1~3、5~8)の全てが請求の対象とされている。 よって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に適合するものである。 (5)むすび 以上のとおり、上記訂正請求は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的としており、かつ、同条第4項及び同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合している。 したがって、訂正後の請求項〔1~3、5~8〕,4,〔9~11、13~16〕,12についての訂正を認める。 第3 当審の判断 1.本件訂正発明 上記訂正請求により訂正された本件特許の特許請求の範囲の請求項1~16に係る発明(以下、項番にしたがい「本件訂正発明1」~「本件訂正発明16」という。)は、それぞれ、本件訂正請求書に添付した特許請求の範囲の請求項1~16に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 【請求項1】 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示手段と、 前記表示手段に表示された表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理手段と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定手段と、 を備え、 前記第二の領域は横長の帯状形状であり、 画像の撮像を行う際のモニタリング状態において、 前記領域指定手段は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示手段の表示領域内を移動し、 前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、 前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録されることを特徴とする撮像装置。 【請求項2】(削除) 【請求項3】 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示手段と、 前記表示手段に表示された表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理手段と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定手段と、 を備え、 前記第二の領域は横長の帯状形状であり、 画像の撮像を行う際のモニタリング状態において、 前記領域指定手段は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示手段の表示領域内を移動し、 前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、 前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し、 前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録されることを特徴とする撮像装置。 【請求項4】(削除) 【請求項5】 前記画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光手段をさらに備え、 前記測光領域は、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項6】 前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示することを特徴とする請求項1、5のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項7】(削除) 【請求項8】 前記表示手段に、前記第一の領域、または前記第二の領域の少なくともどちらか一方を識別可能に表示することを特徴とする請求項1、3、5、6のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項9】 ミニチュア写真の撮像方法であって、 被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示部において、前記表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理工程と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない横長の帯状形状である第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定工程と、 を備え、 モニタリング状態において、 前記領域指定工程は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示部の表示領域内を移動し、 前記ぼかし処理工程は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、 前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録されることを特徴とする撮像方法。 【請求項10】(削除) 【請求項11】 ミニチュア写真の撮像方法であって、 被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示部において、前記表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理工程と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない横長の帯状形状である第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定工程と、 を備え、 モニタリング状態において、 前記領域指定工程は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示部の表示領域内を移動し、 前記ぼかし処理工程は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、 前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し、 前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録されることを特徴とする撮像方法。 【請求項12】(削除) 【請求項13】 前記画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光工程をさらに備え、 前記測光領域は、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なるように設定されて撮像を行うことを特徴とする請求項9に記載の撮像方法。 【請求項14】 前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示することを特徴とする請求項9、13のいずれか1項に記載の撮像方法。 【請求項15】(削除) 【請求項16】 前記表示部に、前記第一の領域、または第二の領域の少なくともどちらか一方を識別可能に表示することを特徴とする請求項9、11、13、14のいずれか1項に記載の撮像方法。 2.本件訂正発明1について (1)本件訂正発明1 本件訂正発明1は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(1A)ないし(1F)の記号を当審において付与した。以下、構成1A、構成1B等と称することにする。 (本件訂正発明1) (1A)被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、 (1B)前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示手段と、 (1C)前記表示手段に表示された表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理手段と、 (1D)前記表示画像において、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定手段と、 を備え、 (1D-1)前記第二の領域は横長の帯状形状であり、 (1E)画像の撮像を行う際のモニタリング状態において、 (1E-1)前記領域指定手段は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示手段の表示領域内を移動し、 (1E-2)前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 (1E-3)前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 (1E-4)自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、 (1E-5)前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 (1E-6)前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される (1F)ことを特徴とする撮像装置。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について (ア)甲第1号証に記載された事項 取消理由に引用した甲第1号証(米国特許出願公開2006/0087578号)には、「METHOD OF CONTROLLING DIGITAL PHOTOGRAPHING APPARATUS FOR OUT-FOCUSING OPERATION AND DIGITAL PHOTOGRAPHING APPARATUS ADOPTING THE METHOD」(発明の名称:アウトフォーカシング動作のためのデジタル撮影装置を制御する方法及び該方法を採用するデジタル撮影装置)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。 なお、括弧内に当審で作成した日本語仮訳を添付する。 「[0007] Various embodiments of the present invention provide a digital photographing apparatus and a method of controlling the same which enable general users, i.e. those without knowledge about camera lenses, to easily perform out-focusing. [0008] According to an embodiment of the present invention, there is provided a method of controlling a digital photographing apparatus that displays an image of a photograph region on a display panel, generates an image signal of the photograph region in response to signals generated by the manipulation of a shutter release button, and stores image data of the image signal in a storage medium. When the digital photographing apparatus is operating in an out-focusing mode, the method includes low-pass filtering image data of regions excluding a setting region in the photograph region. [0009] In the method, when a user sets an out-focusing mode, a setting region becomes clear while the remaining out-focusing region becomes blurred. Accordingly, general users without knowledge about camera lenses can easily perform out-focusing.」 ([0007]本発明の様々な実施形態は、一般ユーザ、すなわちカメラレンズに関する知識のないユーザがアウトフォーカシングを簡単に行うことができるような、デジタル撮影装置及びその制御方法を提供する。 [0008]本発明の一実施形態によれば、表示パネル上に写真領域の画像を表示し、シャッタレリーズボタンの操作によって生成された信号に応答して、写真領域の画像信号を生成し、画像信号の画像データを記憶媒体に記憶するデジタル撮影装置を制御する方法が提供される。デジタル撮影装置がアウトフォーカシングモードで動作しているとき、この方法は、写真領域内の設定領域以外の領域の画像データにローパスフィルタをかけることを含む。 [0009]この方法では、ユーザがアウトフォーカシングモードを設定すると、設定領域が明瞭になり、一方、残りのアウトフォーカシング領域はぼやける。従って、カメラレンズに関する知識がない一般ユーザが、簡単にアウトフォーカシングを行うことができる。) 「[0026] Referring to FIG.1, the front part of an embodiment of a digital camera 1 according to the present invention includes a microphone MIC, a self-timer lamp 11, a flash 12, a shutter release button 13, a viewfinder 17a, a flash light intensity sensor 19, a power switch 31, a lens unit 20, and a remote receiver 41. [0027] In a self-timer mode, the self-timer lamp 11 operates for a set period of time from the time when the shutter release button 13 is pressed to the time when an image starts to be captured. When the flash 12 operates, the flash light intensity sensor 19 senses the intensity of the light generated by the flash 12 and relays the sensed intensity of the light to a digital camera processor (DCP) 507 of FIG.3 via a micro-controller 512 of FIG.3. The remote receiver 41 receives command signals, for example, a photographing command signal, from a remote controller (not shown) and relays the photographing command signal to the DCP 507 via the micro-controller 512. [0028] The shutter release button 13 has two levels. In other words, referring to FIGS.4 and 6, when a user lightly depresses the shutter release button 13 (see FIG.1) to a first level, a first level signal S1 from the shutter release button 13 is turned on. When the user fully depresses the shutter release button 13 to a second level, a second level signal S2 from the shutter release button 13 is turned on. [0029] Referring to FIG.2, the back of the digital camera 1 according to an embodiment of the present invention includes a mode dial 14, functional buttons 15, a manual focus/delete button 36, a manual adjust/reproduce/terminate button 37, a reproduction mode button 42, a speaker SP, a monitor button 32, an automatic focusing lamp 33, a viewfinder 17b, a flash standby lamp 34, a color LCD panel 35, a wide-angle zoom button 39W, a telephoto zoom button 39T, and an external interface unit 21. [0030] The mode dial 14 is used for selecting the operating modes of the digital camera 1, such as an out-focusing mode 14OF, a simple photographing mode, a character photographing mode 14ML, a night view photographing mode, a manual photographing mode, a moving-image photographing mode 14MP, a user-setting mode 14MY, and an audio recording mode 14V. [0031] When a photograph is taken in the out-focusing mode 14OF, image data of regions except for a setting region in the photograph region is low-pass filtered. When the user sets the out-focusing mode 14OF, the setting region becomes clear and the regions except for the setting region become blurred. Therefore, even ordinary users without knowledge about camera lenses can easily perform the out-focusing mode 14OF. The out-focusing mode 14OF will be described in detail later with reference to FIGS. 6 through 13.」 ([0026]図1を参照すると、本発明に係るデジタルカメラ1の一実施形態の前面部は、マイクロフォンMIC、セルフタイマーランプ11、フラッシュ12、シャッタレリーズボタン13、ビューファインダ17a、フラッシュ光強度センサ19、電源スイッチ31、レンズユニット20、及び遠隔レシーバ41を備えている。 [0027]セルフタイマーモードにおいて、セルフタイマーランプ11が、シャッタレリーズボタン13が押された時間から画像の取り込みが開始される時間までの設定された時間の間、動作する。フラッシュ12が作動すると、フラッシュ光強度センサ19がフラッシュ12によって生成された光の強度を検出し、光の検出強度を図3のマイクロコントローラ512を介して図3のデジタルカメラプロセッサ(DCP)507へ伝える。遠隔レシーバ41は、コマンド信号、例えば、リモートコントローラ(図示せず)からの撮影コマンド信号を受けて、マイクロコントローラ512を介して、撮影コマンド信号をDCP507に伝える。 [0028]シャッタレリーズボタン13は、2つのレベルを有している。換言すれば、図4及び図6を参照すると、ユーザがシャッタレリーズボタン13を第1レベルまで軽く押すと(図1参照)、シャッタレリーズボタン13から第1レベル信号S1がオンになる。ユーザがレリーズボタン13を第2レベルまで完全に押すと、シャッタレリーズボタン13から第2レベル信号S2がオンになる。 [0029]図2を参照すると、本発明の一実施形態に係るデジタルカメラ1の裏面は、モードダイアル14、機能ボタン15、マニュアルフォーカシング/削除ボタン36、マニュアル調整/再生/終了ボタン37、再生モードボタン42、スピーカSP、モニタボタン32、自動合焦ランプ33、ビューファインダ17b、フラッシュ待機ランプ34、カラーLCDパネル35、広角ズームボタン39W、望遠ズームボタン39T、及び外部インタフェースユニット21を備えている。 [0030]モードダイヤル14は、デジタルカメラ1の動作モード、例えば、アウトフォーカシングモード14OF、簡単撮影モード、人物撮影モード14ML、夜景撮影モード、マニュアル撮影モード、動画撮影モード14MP、ユーザ設定モード14MY、及び、音声記録モード14V、などを選択するために用いられる。 [0031]アウトフォーカシングモード14OFで写真を撮影すると、写真領域内の設定領域以外の領域の画像データにローパスフィルタがかけられる。ユーザが、アウトフォーカシングモード14OFを設定すると、設定領域が明瞭になり、設定領域以外の領域がぼやける。それゆえに、カメラレンズに関する知識を持たない普通のユーザでも、アウトフォーカシングモード14OFを簡単に実行することができる。アウトフォーカシングモード14OFについては、後に図6から図13を参照して詳細に説明する。) 「[0044] An optical system (OPS) including the lens unit 20 and a filter unit optically processes light. The lens unit 20 of the OPS includes a zoom lens, a focal lens, and a compensation lens.」 ([0044]レンズユニット20及びフィルタユニットを含む光学システム(OPS)が光学的に光を処理する。OPSのレンズユニット20は、ズームレンズ、単焦点レンズ、補償レンズを備えている。) 「[0049] A photoelectric conversion unit (OEC) of a charge coupled device or a complementary metal oxide (CMOS) semiconductor converts light from the OPS into an analog electrical signal. Here, the DCP 507 controls a timing circuit 502 to control the operations of the OEC and a correlation-double-sampler-and-analog-to-digital converter (CDS-ADC) 501. The CDS-ADC 501 processes an analog signal from the OEC, eliminates high frequency noise, adjusts amplitude, and then converts the analog signal into a digital signal.」 ([0049]電荷結合素子又は相補型金属酸化膜(CMOS)半導体の光電変換ユニット(OEC)は、OPSからの光をアナログ電気信号に変換する。ここで、DCP507は、タイミング回路502を制御して、OECと相関二重サンプラ及びアナログ/デジタルコンバータ(CDS-ADC)501の動作を制御する。このCDS-ADC501は、OECからのアナログ信号を処理して、高周波ノイズを除去し、振幅を調整し、そしてアナログ信号をデジタル信号に変換する。) 「[0055] A main program of the DCP 507 of FIG.3 will be now described with reference to FIGS.1 through 4. [0056] When power is applied to the digital camera 1, the DCP 507 is initialized (S1). After the initialization (S1), the DCP 507 performs a preview mode (S2). In the preview mode, an image input is displayed on the color LCD panel 35. An operation related to the preview mode will be described in detail later with reference to FIG.5. [0057] When the first level signal S1 from the shutter release button 13 is on after a user presses the shutter release button 13 to the first level (S3), the DCP 507 performs a current photographing mode (S4). The photographing mode (S4) algorithm will be described later with reference to FIGS.6 through 13.」 ([0055]図3のDCP507のメインプログラムについて図1から図4を参照しながら説明する。 [0056]デジタルカメラ1に電力が供給されると、DCP507が初期化される(S1)。初期化(S1)の後、DCP507はプレビューモード(S2)を実行する。プレビューモードでは、入力された画像がカラーLCDパネル35に表示される。プレビューモードに関する動作については、後に図5を参照して詳細に説明される。 [0057]ユーザがシャッタレリーズボタン13を第1レベルまで押した後に、シャッタレリーズボタン13から第1レベル信号S1がオンになると(S3)、DCP507は現在の撮影モードを行う(S4)。撮影モード(S4)アルゴリズムは、図6から図13を参照しながら後述する。) 「[0061] The preview mode (S2) algorithm of FIG.4 will now be described with reference to FIGS.1 through 3 and FIG.5. [0062] The DCP 507 performs automatic white balancing (AWB) and sets parameters related to the white balance (S201). The DCP 507 performs automatic exposure (AE) and automatic focusing (AF) (S202 and S203). [0063] The DCP 507 performs gamma correction on input image data (S204) and scales the gamma corrected image data to meet display standards (S205). The DCP 507 converts the scaled input image data from an RGB (red, green, and blue) format into a luminance-chrominance format (S206). The DCP 507 processes the input image data depending on resolution and display location, and filters the input image data (S207). [0064] The DCP 507 temporarily stores the input image data in the DRAM 504 of FIG.3 (S208). The DCP 507 synthesizes the data temporarily stored in the DRAM 504 of FIG.3 and on-screen display (OSD) data (S209). The DCP 507 converts the synthesized image data from the RGB format into the luminance-chromaticity format (S210) and outputs the image data in the converted format via the LCD driver 514 of FIG.3 (S211). [0065] FIG.6 is a flowchart of the photographing mode (S4) program illustrated in FIG.4. The photographing mode (S4) program will now be described with reference to FIGS.1 through 3 and FIG.6. Here, the present position of the zoom lens is already set. [0066] The DCP 507 inspects the remaining capacity of the memory card (S401) and determines whether the memory card has enough capacity to store a digital image signal (S402). If the memory card does not have enough storage capacity, the DCP 507 indicates the lack of capacity of the memory card and ends the photographing mode (S403). If the memory card has enough storage capacity, the following operations are performed. [0067] The DCP 507 sets white balance and parameters related to the white balance according to a present photographing condition (S404). In the automatic exposure mode (S405), the DCP 507 calculates the exposure by measuring incident luminance, drives the aperture driving motor MA according to the calculated exposure, and sets the exposure time (S406). [0068] When in the out-focusing mode 14OF, the DCP 507 does out-focusing (S407 and S408b). When not in the out-focusing mode 14OF, the DCP 507 does normal focusing (S407 and S408a). The out-focusing mode 14OF (S408b) algorithm will be described in detail later with reference to FIGS.7 through 13. [0069] When the first level signal S1 from the shutter release button 13 is on (S409), the DCP 507 continues to perform the following operations. [0070] The DCP 507 identifies whether the second level signal S2 is on (S410). When the second level signal S2 is not on, it means that the user did not press the shutter release button 13 to the second level to take a photograph. Then, the DCP 507 repeats operations S405 through S410. [0071] When the second level signal S2 is on, it means that the user pressed the shutter release button 13 to the second level and the DCP 507 creates an image file in the memory card (S411). Next, the DCP 507 captures an image (S412). In other words, the DCP 507 receives still-image data from the CDS-ADC 501. [0072] When in the out-focusing mode 14OF, the DCP 507 low-pass-filters image data in an out-focusing region, i.e., a region except for a setting region determined through out-focusing (S413 and S414). Accordingly, the setting region becomes clear whereas the remaining out-focusing region becomes blurred.」 ([0061]図4のプレビューモード(S2)アルゴリズムについて、図1から図3及び図5を参照しながら説明する。 [0062]DCP507は、オートホワイトバランス(AWB)を実行し、ホワイトバランスに関するパラメータを設定する(S201)。DCP507は、自動露出(AE)、オートフォーカシング(AF)を実行する(S202及びS203)。 [0063]DCP507は、入力画像データにガンマ補正を施し(S204)、ガンマ補正された画像データを表示標準に合うようにスケーリングする(S205)。DCP507は、スケーリングされた入力画像データを、RGB(赤、緑、及び青)フォーマットから、輝度色度フォーマットに変換する(S206)。DCP507は、解像度及び表示位置に応じて入力された画像データを処理して、入力画像データをフィルタリングする(S207)。 [0064]DCP507は、図3のDRAM504に入力された画像データを一時的に記憶する(S208)。DCP507は、図3のDRAM504に一時保存されたデータと、オンスクリーン表示(OSD)データを合成する(S209)。DCP507は合成された画像データを、RGBフォーマットから輝度色度フォーマットに変換し(S210)、画像データを変換されたフォーマットで図3のLCDドライバ514を介して出力する(S211)。 [0065]図6は、図4に示した撮影モード(S4)プログラムのフローチャートである。撮影モード(S4)プログラムについて、図1から図3及び図6を参照しながら説明する。ここで、ズームレンズの現在位置は既に設定されている。 [0066]DCP507はメモリカードの残存容量を検査し(S401)、メモリカードがデジタル画像信号を格納するのに十分な容量を有するかどうかを判定する(S402)。メモリカードが十分な記憶容量を有していない場合、DCP507はメモリカードの容量の不足を示し、撮影モードを終了する(S403)。メモリカードが十分な記憶容量を有している場合には、以下の動作が行われる。 [0067]DCP507は、現在の撮影条件に応じてホワイトバランスとそのホワイトバランスに関するパラメータを設定する(S404)。自動露光モード(S405)において、DCP507は入射輝度を測定することによって露出を計算し、計算された露出に応じて絞り駆動モータMAを駆動し、露光時間を設定する(S406)。 [0068]アウトフォーカシングモード14OFの場合、DCP507はアウトフォーカシングを行う(S407及びS408b)。アウトフォーカシングモード14OFでない場合、DCP507は通常のフォーカシングを行う(S407及びS408a)。アウトフォーカシングモード14OF(S408b)アルゴリズムは、図7から図13を参照しながら後に詳細に説明する。 [0069]シャッタレリーズボタン13からの第1レベル信号S1がオンである場合(S409)、DCP507は次のような動作を実行し続ける。 [0070]DCP507は、第2レベル信号S2がオンであるか否かを判断する(S410)。第2レベル信号S2がオンされていない場合には、ユーザがシャッタレリーズボタン13を第2レベルまで押さず写真を撮影しなかったことを意味する。DCP507はS405からS410の動作を繰り返す。 [0071]第2レベル信号S2がオンである場合は、ユーザがシャッタレリーズボタン13を第2レベルまで押したことを意味し、DCP507はメモリカード内に画像ファイルを生成する(S411)。次に、DCP507は画像を取得する(S412)。つまり、DCP507はCDS-ADC501から静止画像データを受信する。 [0072]アウトフォーカシングモード14OFでは、DCP507はアウトフォーカシング領域、すなわち、アウトフォーカシングを通して決定された設定領域以外の領域の画像データにローパスフィルタをかける(S413及びS414)。よって、設定領域は明瞭となり、残りのアウトフォーカシング領域はぼやける。) 「[0075] The DCP 507 compresses the received still-image data (S415). The DCP 507 stores the compressed still-image data in the image file (S416). [0076] Referring to FIG.7, in the out-focusing operation (S408b) illustrated in FIG.6, if the type of the out-focusing mode 14OF set by the user is optional, the DCP 507 performs optional out-focusing (S701 and S702). If the type of the out-focusing mode 14OF set by the user is automatic, the DCP 507 performs automatic out-focusing (S701 and S703). [0077] FIG. 8 is a flowchart of the optional out-focusing (S702) program of FIG.7. FIG.9 illustrates a screen displayed on the color LCD panel 35 of FIGS.2 and 3 as a result of performing operation S801 of FIG.8 according to an embodiment of the present invention. The optional out-focusing (S702) program will now be described with reference to FIGS.1 through 3, 8, and 9. [0078] The DCP 507 displays a target window on the color LCD panel 35 using the well-known graphic user interface (GUI) method (S801). Here, the target window 35a is smaller than the photograph region. [0079] The DCP 507 changes the position and size of the target window 35a according to signals input by the user (S802 through S805). Specifically, if the user generates a direction signal by pressing the self-timer/right button 15R, the flash/left button 15L, the macro/down button 15D, or the voice-memo/up button 15U, the DCP 507 moves the target window 35a in response to the direction signal (S802 and S803). In addition, the DCP 507 reduces or enlarges the target window 35a in response to a zooming signal generated by the wide angle-zoom button 39W or the telephoto-zoom button 39T (S804 and S805). Operations S802 through S805 are repeated until a confirmation signal is generated by the menu/select-confirm button 15M. [0080] When the confirmation signal is generated by the menu/select-confirm button 15M, the DCP 507 sets regions excluding a region of the target window 35a as the out-focusing region (S806 and S807). Last, the DCP 507 performs normal focusing on the region of the target window 35a (S808).」 ([0075]DCP507は、受信した静止画像データを圧縮する(S415)。DCP507は、圧縮された静止画像データを画像ファイルに保存する(S416)。 [0076]図7を参照すると、図6に示した合焦動作(S408b)において、ユーザによって設定されたアウトフォーカシングモード14OFのタイプが選択的である場合、DCP507は選択的アウトフォーカシングを行う(S701及びS702)。ユーザによって設定されたアウトフォーカシングモード14OFのタイプが自動であれば、DCP507は自動アウトフォーカシングを行う(S701及びS703)。 [0077]図8は、図7の選択的アウトフォーカシング(S702)プログラムのフローチャートである。図9は、本発明の一実施形態に係る図8の操作S801を実行した結果として、図2及び図3のカラーLCDパネル35に表示される画面を示す。選択的アウトフォーカシング(S702)プログラムは、図1から図3、図8、及び図9を参照して説明される。 [0078]DCP507は周知のグラフィックユーザインターフェース(GUI)方式を用いて、カラーLCDパネル35に対象ウィンドウを表示する(S801)。対象ウィンドウ35aは、写真領域よりも小さい。 [0079]DCP507は、ユーザにより入力された信号に応じて対象ウィンドウ35aの位置及びサイズを変更する(S802からS805)。具体的には、ユーザがセルフタイマー/右ボタン15R、フラッシュ/左ボタン15L、マクロ/下ボタン15D、又は音声メモ/上ボタン15Uを押して方向信号を生成すると、DCP507は方向信号に応じて対象ウィンドウ35aを移動させる(S802及びS803)。さらに、DCP507は、広角ズームボタン39Wや望遠ズームボタン39Tによって生成されるズーム信号に応答して、対象ウィンドウ35aを縮小又は拡大する(S804及びS805)。確認信号がメニュー/選択確認ボタン15Mによって生成されるまで、動作802からS805が繰り返される。 [0080]メニュー/選択確認ボタン15Mによって確認信号が生成されると、DCP507は対象ウィンドウ35aの領域を除いた領域をアウトフォーカシング領域として設定する(S806及びS807)。最後に、DCP507が対象ウィンドウ35aの領域において、通常のフォーカシングを実行する(S808)。) (イ)甲第1号証に記載された発明 上記甲第1号証の記載事項及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して甲第1号証に記載された発明を認定する。 a.デジタルカメラ [0007]~[0009],[0030],[0031]の記載によれば、甲第1号証には、アウトフォーカシングを簡単に行うことができる『アウトフォーカシングモードを有するデジタルカメラ』に関する発明が記載されている。 b.デジタルカメラの構成 [0026]~[0029],図1~図3の記載によれば、デジタルカメラは、『デジタルカメラプロセッサ(DCP)』、第1レベルと第2レベルの2つのレベルを有するシャッタレリーズボタン、モードダイヤル、機能ボタン等の各種操作ボタン、カラーLCDパネル等を備えており、[0044],[0049],[0071]の記載によれば、『光学システム(OPS)からの光を変換して画像データを出力する光電変換ユニット、相関二重サンプラ及びアナログ/デジタルコンバータ』を備えている。 また、[0030],[0031]の記載によれば、モードダイヤルによりアウトフォーカシングモードを選択して写真を撮影すると、写真領域内の設定領域以外の領域の画像データにローパスフィルタがかけられる。 c.プレビューモード [0055]~[0057],[0061]~[0064],図4,図5の記載によれば、デジタルカメラは、電源が供給されるとDCPの制御によりプレビューモードが実行される。プレビューモードでは、入力された画像データがカラーLCDパネルに表示され、自動露出(AE)、オートフォーカシング(AF)が実行される。 よって、デジタルカメラは『入力された画像データが表示されるカラーLCDパネル』を備えている。 d.撮影モード(第1レベル) [0057],[0065]~[0068],[0070],[0076]~[0080],図4,図6~図9の記載によれば、デジタルカメラは、シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押されると、DCPの制御により撮影モードが実行される。ここで、アウトフォーカシングモードのタイプが選択的アウトフォーカシングに設定されていると、DCPはカラーLCDパネルに写真領域より小さい選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウを表示する。このとき、カラーLCDパネルには、プレビューモードに引き続いて入力された画像データが表示されているから、対象ウィンドウは、図9に示されるように、画像データの一部の矩形領域を示すものとして表示される。 そして、DCPは、ユーザの各種操作ボタンによる指示に応じて、対象ウィンドウの位置を移動させる。 さらに、メニュー/選択確認ボタンによって確認信号が生成されると、DCPは、対象ウィンドウの領域を除いた領域をアウトフォーカシング領域として設定し、対象ウィンドウの領域において通常のフォーカシングを実行する。 また、シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押されていない場合には、これらの動作を繰り返すこととなる。 すなわち、デジタルカメラのDCPは、『シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態において、入力された画像データが表示されるカラーLCDパネルに画像データの一部の矩形領域を示す選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウを表示し、ユーザの各種操作ボタンによる指示に応じて、対象ウィンドウの位置を移動させ、メニュー/選択確認ボタンによって確認信号が生成されると、対象ウィンドウの領域を除いた領域をアウトフォーカシング領域として設定し、対象ウィンドウの領域において通常のフォーカシングを実行し、シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押されていない場合には、これらの動作を繰り返す』ものである。 e.撮影モード(第2レベル) [0069]~[0072],[0075],図6の記載によれば、デジタルカメラのDCPは、シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押されると、画像を取得して画像データを受信し、画像データのアウトフォーカシング領域にローパスフィルタをかけ、メモリカード内の画像ファイルに保存する。 すなわち、デジタルカメラのDCPは、『シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データのアウトフォーカシング領域にローパスフィルタをかけ、メモリカード内の画像ファイルに保存』する。 f.まとめ 以上より、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。 なお、説明のために(1a)ないし(1h)の記号を当審において付与した。以下、構成1a、構成1b等と称することにする。 (甲1発明1) (1a)アウトフォーカシングモードを有するデジタルカメラであって、 (1b)デジタルカメラプロセッサ(DCP)と、 (1c)光学システム(OPS)からの光を変換して画像データを出力する光電変換ユニット、相関二重サンプラ及びアナログ/デジタルコンバータと、 (1d)入力された画像データが表示されるカラーLCDパネルと、 を備え、 (1e)デジタルカメラプロセッサ(DCP)は、 (1f)シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態において、 (1f-1)入力された画像データが表示されるカラーLCDパネルに画像データの一部の矩形領域を示す選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウを表示し、 (1f-2)ユーザの各種操作ボタンによる指示に応じて、対象ウィンドウの位置を移動させ、 (1f-3)メニュー/選択確認ボタンによって確認信号が生成されると、対象ウィンドウの領域を除いた領域をアウトフォーカシング領域として設定し、対象ウィンドウの領域において通常のフォーカシングを実行し、 (1f-4)シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押されていない場合には、これらの動作を繰り返し、 (1g)シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データのアウトフォーカシング領域にローパスフィルタをかけ、メモリカード内の画像ファイルに保存する、 (1h)デジタルカメラ。 イ.甲第2号証について 取消理由に引用した甲第2号証(特開2007-124279号公報)には、「画像処理装置」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。 【0023】 <スルー画撮影動作> 本実施形態の撮像装置は、静止画本撮影動作を行う際に、操作部材7からレリーズ釦の半押し操作に基づく半押し操作信号が制御回路5へ入力されると、上述したAF動作を伴ったスルー画撮影動作を行う。スルー画撮影動作は、所定のフレームレートで繰り返し行われており、レリーズ釦の半押し操作中、スルー画撮影動作と並行して、上述したAF動作が行われ、撮影されたスルー画像がモニタ13に表示される。 【0044】 ステップS104において、制御回路5は、スルー画用の映像信号のうち、ステップS103で抽出した主要被写体以外の領域(すなわち背景領域)に対する画像ぼけの付加をデータ処理回路10へ指示し、ステップS105へ進む。データ処理回路10が画像ぼけの付加および解像度変換処理を施した信号を表示制御回路14へ出力することにより、画像ぼけが付加されたスルー画像がモニタ13に表示される。 【0061】 ステップS114において、制御回路5は、本撮影で得た画像信号に対し、全押し操作信号が入力される直前のスルー画像に対して付加していた画像ぼけと同様の画像ぼけを付加する処理(画像ぼけを付加する対象領域および画像ぼけの付加量を同様にする)を行う。この点について説明する。本撮影で得た画像とスルー画像では、画素数が異なる。通常、画像の空間周波数は、単位距離(例えば1mm)の間にいくつの縞があるかで定義される。上記の「同様の画像ぼけを付加する」とは、空間周波数を、画像の画面の大きさを基準として正規化したもの(上記の単位距離を画面の大きさとしたもの。すなわち、画面内のある領域に何本の縞があるかについて、1画面の縦、横などの大きさを基準として正規化して示したもの。例えば画面のある領域に縦縞があるときに、これが画面の横方向いっぱいまであった場合に何本の縞になるか。)で考え、画像ぼけ付加後の、両画像の光学的なぼけを含む空間周波数特性が略同じになるように設定することを意味する。 上記の記載事項によれば、甲第2号証には次の発明(以下、「甲2発明1」という。)が記載されていると認められる。 (甲2発明1) 撮像装置において、スルー画用の映像信号のうち主要被写体以外の領域(すなわち背景領域)に対して画像ぼけの付加を施して画像ぼけが付加されたスルー画像をモニタに表示し、本撮影で得た画像信号に対し全押し操作信号が入力される直前のスルー画像に対して付加していた画像ぼけと同様の画像ぼけを付加する処理を行うこと。 (3)対比 本件訂正発明1と甲1発明1とを対比する。 ア.本件訂正発明1の構成1Aと甲1発明1の構成1cとの対比 甲1発明1の「光学システム(OPS)からの光を変換して画像データを出力する光電変換ユニット、相関二重サンプラ及びアナログ/デジタルコンバータ」は、被写体を撮像して画像データを出力するものといえ、本件訂正発明1の「被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段」に相当する。 イ.本件訂正発明1の構成1Bと甲1発明1の構成1dとの対比 甲1発明1の「入力された画像データが表示されるカラーLCDパネル」は、撮影された画像データに基づいた表示画像を表示するものといえ、本件訂正発明1の「前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示手段」に相当する。 ウ.本件訂正発明1の構成1Cと甲1発明1の構成1b、1e、1gとの対比 甲1発明1は、「デジタルカメラプロセッサ(DCP)」が、「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データのアウトフォーカシング領域にローパスフィルタをかける」ものであるので、DCPは、取得された画像データの少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施す手段として機能している。 よって、甲1発明1は、本件訂正発明1と『画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理手段』を備えているという点で一致する。 ただし、当該ぼかし処理手段が処理の対象とする画像は、本件訂正発明1では「前記表示手段に表示された表示画像」であるのに対し、甲1発明1は、「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」である点で両者は相違する。 エ.本件訂正発明1の構成1D、1D-1と甲1発明1の構成1b、1e、1f-1との対比 甲1発明1は、「デジタルカメラプロセッサ(DCP)」が、「入力された画像データが表示されるカラーLCDパネルに画像データの一部の矩形領域を示す選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウを表示」するものである。 ここで、甲1発明1の「選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウ」は、構成1f-3にあるように、「対象ウィンドウの領域を除いた領域をアウトフォーカシング領域として設定」するものであり、構成1gにあるように、「取得された画像データのアウトフォーカシング領域にローパスフィルタをかける」ものであるから、対象ウィンドウの領域を除いた領域、すなわちアウトフォーカシング領域が画像データにローパスフィルタをかける領域であり、対象ウィンドウの領域が画像データにローパスフィルタをかけない領域となる。 そして、アウトフォーカシング領域は、本件訂正発明1のぼかし処理を施す第一の領域に相当し、対象ウィンドウの領域は、本件訂正発明1のぼかし処理を施さない第二の領域に相当するものといえ、甲1発明1のカラーLCDパネルに対象ウィンドウを表示するデジタルカメラプロセッサ(DCP)は、対象ウィンドウあるいはアウトフォーカシング領域を規定するものであるから、ぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域を指定する手段として機能している。 よって、甲1発明1は、本件訂正発明1と『前記表示画像において、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定手段』を備えているという点で一致する。 ただし、ぼかし処理手段が処理の対象とする画像が、本件訂正発明1と甲1発明1とでは異なることは、上記ウにおいて認定したとおりである。 また、甲1発明1の「選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウ」は「矩形領域」を示すものであり、本件訂正発明1の「横長の帯状形状」も矩形領域といえるから、甲1発明1は、本件訂正発明1と『前記第二の領域は矩形領域であり』という点で一致する。 ただし、矩形領域に関し、本件訂正発明1では「横長の帯状形状」であるのに対し、甲1発明1では、そのようなものであるとは特定されていない点で両者は相違する。 オ.本件訂正発明1の構成1Eないし1E-6と甲1発明1の構成1b、1e、1fないし1f-4、1gとの対比 本件訂正発明1は、構成1Eの「画像の撮像を行う際のモニタリング状態」において、構成1E-1から1E-6の処理を行うものであり、この点を踏まえて検討する。 (ア)構成1Eについて 甲1発明1は、構成1fの「シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態」において、構成1f-1から1f-4、1gの処理を行うものである。 ここで、「シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態」とは、構成1d、1f-1にあるようにカラーLCDパネルに画像データが表示された状態であり、構成1gにあるように、その状態からシャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態になると画像データが取得されて保存されるから、撮影しようとする画像をモニタリングしている状態であるといえる。 よって、甲1発明1の構成1fの「シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態」は、本件訂正発明1の構成1Eの「画像の撮像を行う際のモニタリング状態」に相当するものといえる。 (イ)構成1E-1について 甲1発明1のデジタルカメラプロセッサ(DCP)は、構成1f-2にあるように「ユーザの各種操作ボタンによる指示に応じて、対象ウィンドウの位置を移動させ」ており、対象ウィンドウは、大きさを変えずにカラーLCDパネル表示される画像データ内を移動するものといえる。 そして、対象ウィンドウはぼかし処理を施さない第二の領域に相当するものであるから、領域指定手段として機能しているDCPは、本件訂正発明1の構成1E-1の「前記領域指定手段は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示手段の表示領域内を移動し」という構成に相当するものである。 (ウ)構成1E-2について 甲1発明1のデジタルカメラプロセッサ(DCP)は、上記ウにおいて検討したように、「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」に対してぼかし処理を施すものであり、「表示手段に表示された表示画像」に対してぼかし処理を施すものではないから、モニタリング状態においてぼかし処理を施すものではない。 よって、甲1発明1は、本件訂正発明1の構成1E-2の「前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し」という構成を有していない点で相違する。 (エ)構成1E-3について 甲1発明1のデジタルカメラプロセッサ(DCP)は、構成1f-3にあるように「メニュー/選択確認ボタンによって確認信号が生成されると」、「対象ウィンドウの領域において通常のフォーカシングを実行」するものであるから、「メニュー/選択確認ボタン」を操作すると、「対象ウィンドウの領域」の画像を用いて自動合焦動作(オートフォーカス)を行うものである。 そして、「対象ウィンドウの領域」は、ぼかし処理を施さない第二の領域に相当するものであり、「対象ウィンドウの領域」の画像を用いて自動合焦動作(オートフォーカス)を行うことは、「対象ウィンドウの領域」に対応する画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とすることといえる。 すなわち、「対象ウィンドウの領域」の画像を用いて自動合焦動作(オートフォーカス)を行うことは、本件訂正発明1の構成1E-3の「前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域」とすることに相当する。 (オ)構成1E-4について 上記(エ)において検討したように、甲1発明1のデジタルカメラプロセッサ(DCP)は「メニュー/選択確認ボタン」を操作すると「対象ウィンドウの領域」の画像を用いて自動合焦動作(オートフォーカス)を行うものであるから、甲1発明1の「メニュー/選択確認ボタン」は、自動合焦動作の実行を指示するものといえ、本件訂正発明1の構成1E-4の「自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段」に相当する。 また、甲1発明1のデジタルカメラプロセッサ(DCP)は、構成1gのように「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データのアウトフォーカシング領域にローパスフィルタをかけ、メモリカード内の画像ファイルに保存する」ものである。 すなわち、甲1発明1の「第2レベルまで押された状態とされるシャッタレリーズボタン」は、その操作により画像データをメモリカードに保存するものであるから、本件訂正発明1の構成1E-4の「記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段」に相当する。 よって、甲1発明1が「メニュー/選択確認ボタン」と「シャッタレリーズボタンの第2レベル」を有していることは、本件訂正発明1の構成1E-4の「自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、」と一致する。 (カ)構成1E-5について 上記(エ)、(オ)において検討したように、甲1発明1の「メニュー/選択確認ボタン」を操作すると「対象ウィンドウの領域」の画像を用いて自動合焦動作(オートフォーカス)を行うことは、「自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段」の指示により、「第二の領域に対応する画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とする」ことに相当する。 さらに、甲1発明1の「対象ウィンドウの領域」の画像を用いて自動合焦動作(オートフォーカス)を行うことは、「オートフォーカス評価値を取得する領域」の中心が「第二の領域に対応する画像データの領域」に含まれることでもある。 また、甲1発明1は、構成1f-4にあるように、シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押されていない場合には、対象ウィンドウの位置を移動させ、対象ウィンドウの領域おいてフォーカシングを実行する動作を繰り返すものであり、フォーカシングを実行する領域は対象ウィンドウの位置を移動に応じて更新されるものであるから、「オートフォーカス評価値を取得する領域」は「第二の領域の移動に基づき」変更されるものである。 これらのことから、甲1発明1の構成1f-3及び構成1f-4は、本件訂正発明1の構成1E-5の「前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定される」ことに相当する。 ただし、本件訂正発明1の構成1E-5は、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で」前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されるものであるのに対し、甲1発明1のDCPは、上記(ウ)において検討したように、モニタリング状態においてぼかし処理を施すものではない。 したがって、本件訂正発明1は、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で」前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されるものであるのに対し、甲1発明1は、そのような構成を有していない点で両者は相違する。 (キ)構成1E-6について 上記(オ)において検討したように、甲1発明1の構成1gの「第2レベルまで押された状態とされるシャッタレリーズボタン」は、「記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段」に相当するものである。 そして、構成1gの「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」は、構成1f-3において「対象ウィンドウの領域において通常のフォーカシングが実行」された画像データであるから、本件訂正発明1の「設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データ」に相当する。 これらのことから、甲1発明1の構成1gは、本件訂正発明1の「前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」ことに相当する。 カ.本件訂正発明1の構成1Fと甲1発明1の構成1a、1hとの対比 甲1発明1の「アウトフォーカシングモードを有するデジタルカメラ」は、本件訂正発明1の「撮像装置」に相当する。 キ.まとめ 上記ア~カのとおりであるから、本件訂正発明1と甲1発明1は、以下の点で一致ないし相違している。 <一致点> 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示手段と、 画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理手段と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定手段と、 を備え、 前記第二の領域は矩形領域であり、 画像の撮像を行う際のモニタリング状態において、 前記領域指定手段は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示手段の表示領域内を移動し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、 前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される ことを特徴とする撮像装置。 <相違点> (相違点1)ぼかし処理手段が処理の対象とする画像は、本件訂正発明1では「前記表示手段に表示された表示画像」であるのに対し、甲1発明1は、「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」である点。 (相違点2)矩形領域に関し、本件訂正発明1では「横長の帯状形状」であるのに対し、甲1発明1では、そのようなものであるとは特定されていない点。 (相違点3)甲1発明1は、「画像の撮像を行う際のモニタリング状態において」、「前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し」という構成を有していない点。 (相違点4)本件訂正発明1は、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で」前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されるものであるのに対し、甲1発明1は、そのような構成を有していない点。 (4)相違点の判断 ア.相違点1、相違点3、相違点4について 相違点1、相違点3、相違点4は、本件訂正発明1では「ぼかし処理手段」が施すぼかし処理が「前記表示手段に表示された表示画像」に対してぼかし処理を施すものであり、「前記表示手段に表示された表示画像」にぼかし処理を施された状態で、自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されるのに対し、甲1発明1では、「ぼかし処理手段」が施すぼかし処理が「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」であって、「前記表示手段に表示された表示画像」に対してぼかし処理は施されないために、「前記表示手段に表示された表示画像」にぼかし処理を施された状態で、自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されるものではないということであるから、相違点1、相違点3、相違点4をまとめて検討する。 甲1発明1の「シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態」は、撮影する画像をモニタリングしている状態であるから、カラーLCDパネルに表示される画像を撮影される画像に近いものとする周知の技術を適用することを、当業者は普通に考え得る。 そして、甲第2号証には、上記(2)イに示したように、甲2発明1として、「撮像装置において、スルー画用の映像信号のうち主要被写体以外の領域(すなわち背景領域)に対して画像ぼけの付加を施して画像ぼけが付加されたスルー画像をモニタに表示し、本撮影で得た画像信号に対し全押し操作信号が入力される直前のスルー画像に対して付加していた画像ぼけと同様の画像ぼけを付加する処理を行うこと」が記載されているように、ぼけを付加する撮像装置において、撮影する画像をモニタリングしている状態において、撮影した画像に付加されるぼけと同様のぼけを表示画像に付加することが、公知の技術であったといえる。 よって、甲1発明1のぼけを付加する撮像装置であるアウトフォーカシングモードを有するデジタルカメラの「シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態」において、撮影した画像に付加されるぼけと同様のぼけを表示画像に付加するものとすることは、当業者が容易に想到し得ることであり、そうすることにより、相違点1に係る『ぼかし処理手段が処理の対象とする画像を、前記表示手段に表示された表示画像』とし、相違点3に係る『画像の撮像を行う際のモニタリング状態において、前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施』すものとし、相違点4に係る『前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されるもの』とすることは、当業者が容易になし得ることといえる。 なお、特許権者は平成28年10月3日付け意見書において、「また、甲第2号証記載の発明では、AF動作の後に、AF動作によりフォーカス領域から抽出された主要被写体以外の領域を除いた領域に対してぼけの付加が行われ、ぼけが付加されたスルー画像をモニタに表示する技術が開示されているに過ぎません。すなわち、甲第2号証記載の発明では、スルー画像へのぼかし処理は、操作部材7(レリーズ釦)の半押し操作とAF動作がされた後でないと行われません。」(6頁21~26行)というように、甲第2号証記載の発明は、『スルー画像へのぼかし処理は、AF動作がされた後でないと行われません』と主張している。 また、特許権者は平成29年4月4日付け意見書において、『したがって、本件特許発明1の合焦は、「ミニチュア写真化」を行うために「自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される」ための合焦であり、審判長殿が記載されたようなスルー画像の表示におけるある程度焦点を合わせるための処理とは全く異なります。 さらに、甲第2号証には、レリーズ釦の半押し操作がなされた後にAF動作を開始させ(甲第2号証の段落【0038】、【0039】)、AF動作後の合焦画像であるスルー画用の映像信号に画像ぼけを付加し(段落【0044】)、本撮影で得た画像信号に対し全押し操作信号が入力される直前のスルー画像に対して付加していた画像ぼけと同様の画像ぼけを付加して記録する構成が開示されています(段落【0061】、【0066】)。 すなわち、甲第2号証では、スルー画像に対するAF動作はぼけの付加とは密接に関連して行われています。 このことは、甲第2号証において、AF動作の前提となるレリーズ釦の半押し操作を解除すれば画像ぼけの付加を解除することが明示されていることからも(段落【0057】、【0058】)、明らかです。 したがって、「甲第2号証に記載される発明において、スルー画像に対するAF動作はぼけの付加とは密接に関連して行われているものとはいえず、甲第2号証からスルー画像に対してぼけを付加する技術のみを発明として抽出する」という審判長殿のご認定は、本件特許発明1を前提にして、事後分析的になされたものではないかと思料します。よって、甲1発明1と甲2発明1とを組み合わせて本件特許発明1に想到することについては阻害要因があると思料します。』(11頁13行~12頁5行)というように、『甲第2号証では、スルー画像に対するAF動作はぼけの付加とは密接に関連して行われており、このことは、甲第2号証において、AF動作の前提となるレリーズ釦の半押し操作を解除すれば画像ぼけの付加を解除することが明示されていることからも明らかである。』と主張している。 しかしながら、一般に、スルー画像は、撮影する画像をモニタリングするための画像であるから、焦点が全く合っていない画像が表示されても意味は無く、ある程度焦点が合わされた(AF動作が行われた)画像であることは、デジタルカメラの技術においては当然のことである。 このことは、甲第1号証において、アウトフォーカシング領域を設定しフォーカシングを実行する(S808)([0080])以前に、プレビューモードにおいてオートフォーカシング(AF)を実行し(S203)ている([0061],[0062])ことからも明らかである。 よって、甲第2号証に記載される発明において、スルー画像に対するAF動作はぼけの付加とは密接に関連して行われているものとはいえず、甲第2号証からスルー画像に対してぼけを付加する技術のみを発明として抽出することは特別恣意的なものではない。 さらに、特許権者は平成29年4月4日付け意見書において、『また、甲1発明1と甲2発明1は、いずれも自動合焦動作の指示の後にぼかし処理を行うものにすぎませんから、本件特許発明1の「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示される」ことに対して、甲1発明1に甲2発明1を組み合わせることについては何ら動機付けがありません。』(12頁6~11行)と主張している。 しかしながら、上述したように、甲1発明1に、甲2発明1のような「ぼけを付加する撮像装置において、撮影する画像をモニタリングしている状態において、撮影した画像に付加されるぼけと同様のぼけを表示画像に付加する」技術を適用すれば、甲1発明1の、フォーカシングを実行する前の「シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態」であり、カラーLCDパネルに画像データが表示される段階で、表示画像にぼけを付加することは、業者が容易に想到し得ることである。 イ.相違点2について 本件訂正発明1の第二の領域は「横長の帯状形状」であるということは、ぼかし処理を施さない領域が、横長で細長い矩形の形状という意味と捉えられる。 甲1発明1の、アウトフォーカシング(ぼけ)領域を規定し、フォーカシング(自動合焦)を実行する領域を規定する対象ウィンドウに関し、対象ウィンドウの形状は、撮影しようとする被写体に応じて任意に決定することができるものといえ、横長で細長い矩形の形状、すなわち「横長の帯状形状」とすることも、当業者が適宜なし得ることに過ぎないものである。 よって、甲1発明1において、対象ウィンドウの形状を「横長の帯状形状」とし、相違点2に係る構成を採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。 (5)まとめ 上記のとおりであるから、本件訂正発明1は、甲1発明1、甲2発明1及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 なお、本件訂正発明1が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 3.本件訂正発明3について (1)本件訂正発明3 本件訂正発明3は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために本件訂正発明1と同じ構成には(1A)ないし(1F)の記号を、本件訂正発明1と異なる構成には(3E-5)の記号を当審において付与した。 (本件訂正発明3) (1A)被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、 (1B)前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示手段と、 (1C)前記表示手段に表示された表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理手段と、 (1D)前記表示画像において、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定手段と、 を備え、 (1D-1)前記第二の領域は横長の帯状形状であり、 (1E)画像の撮像を行う際のモニタリング状態において、 (1E-1)前記領域指定手段は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示手段の表示領域内を移動し、 (1E-2)前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 (1E-3)前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 (1E-4)自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、 (3E-5)前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し、 (1E-6)前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される (1F)ことを特徴とする撮像装置。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「2.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明1)が記載されている。 イ.甲第2号証にについて 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)が記載されている。 さらに、甲第2号証には、以下の事項が記載されている。 【0040】 制御回路5は、AF動作中においてスルー画像を上記フレームレートでモニタ13に逐次表示させるとともに、複数のフォーカス検出領域を示すAFマークをスルー画像に重ねて重畳表示させる。制御回路5は表示制御回路14へ指令を送り、合焦位置が検出(焦点検出)されたフォーカス検出領域に対応するAFマークの表示色を赤色から緑色に変更表示させる。なお、焦点検出を撮影者に報知するための表示は、モニタ13に重畳表示させる代わりにモニタ13と別のLEDなどによって表示させてもよい。 上記の記載事項によれば、甲第2号証には次の発明(以下、「甲2発明2」という。)が記載されていると認められる。 (甲2発明2) 撮像装置において、AF動作する際に、スルー画像上にフォーカス検出領域を示すAFマークを重ねて重畳表示させること。 (3)対比 本件訂正発明3と甲1発明1とを対比する。 上記「2.(3)対比」にける検討を踏まえれば、本件訂正発明3と甲1発明1とは、上記「2.(3)対比」における相違点1ないし相違点4において相違し、更に甲1発明1が、本件訂正発明3の構成3E-5の「前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し」という構成を有していない点で相違し、その余で一致する。 まとめると、本件訂正発明3と甲1発明1は、以下の点で一致ないし相違している。 <一致点> 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示手段と、 画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理手段と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理手段がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定手段と、 を備え、 前記第二の領域は矩形領域であり、 画像の撮像を行う際のモニタリング状態において、 前記領域指定手段は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示手段の表示領域内を移動し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示手段と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示手段と、を有し、 前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示手段により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される ことを特徴とする撮像装置。 <相違点> (相違点1)ぼかし処理手段が処理の対象とする画像は、本件訂正発明3では「前記表示手段に表示された表示画像」であるのに対し、甲1発明1は、「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」である点。 (相違点2)矩形領域に関し、本件訂正発明1では「横長の帯状形状」であるのに対し、甲1発明1では、そのようなものであるとは特定されていない点。 (相違点3)甲1発明1は、「画像の撮像を行う際のモニタリング状態において」、「前記ぼかし処理手段は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し」という構成を有していない点。 (相違点4)本件訂正発明3は、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示手段に表示された状態で」前記自動合焦動作指示手段により自動合焦動作の実行が指示されるものであるのに対し、甲1発明1は、そのような構成を有していない点。 (相違点5)甲1発明1は、「前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し」という構成を有していない点。 (4)相違点の判断 上記相違点1ないし相違点4に対する判断は、上記「2.(4)相違点の判断」と同じである。 相違点5について検討すると、撮像装置におけるオートフォーカス機能において、オートフォーカスを行う際のオートフォーカス領域、すなわちオートフォーカスのための評価値を取得する領域が、複数設定可能にされており、その領域をビューファインダのモニタリング画像の上に重畳表示することは、上記(2)イに甲2発明2として示されるように、当該技術分野における周知の技術である。 よって、甲1発明1において、フォーカシングを行う際にフォーカシングの対象とする領域をカラーLCDパネルの画像データの上に重畳表示することは、当業者が容易に想到し得ることであり、そうすることにより、相違点5に係る「前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し」という構成を設けることは、当業者が容易になし得ることといえる。 したがって、本件訂正発明3は、甲1発明1、甲2発明1、甲2発明2及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.本件訂正発明5について (1)本件訂正発明5 本件訂正発明5は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(5A)、(5B)の記号を当審において付与した。以下、構成5A、構成5Bと称することにする。 (本件訂正発明5) (5A)前記画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光手段をさらに備え、 前記測光領域は、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なるように設定される (5B)ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「2.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明1)が記載されている。 イ.甲第2号証について 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)が記載されている。 ウ.甲第3号証について 取消理由に引用した甲第3号証(特開2008-70562号公報)には、「撮像装置および露出制御方法」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。 【0012】 本実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラを用いた場合について説明する。図1は、本実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。 【0019】 顔検出部106は、画像処理部105から出力されたデジタル画像信号が示す画像から主被写体として人の顔の領域を検出し、この領域に係る情報を制御部102に通知する。制御部102はこの情報を受けると、画像において検出された人の顔の領域に測距枠が位置するようにAF処理部108に指示すると共に、この人の顔の領域の露出が適正となるようにAE処理部109に指示する。制御部102からの指示に基づいて、AF処理部108はレンズ108aに含まれるフォーカスレンズの位置などを制御すると共に、AE処理部109は露出機構109aを制御する。 上記の記載事項によれば、甲第3号証には次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。 (甲3発明) デジタルカメラにおいて、デジタル画像信号が示す画像から主被写体として人の顔の領域を検出し、画像において検出された人の顔の領域に測距枠が位置するようにAF処理を行うと共に、この人の顔の領域の露出が適正となるようにAE処理を行うこと。 (3)対比 本件訂正発明5と甲1発明1とを対比する。 本件訂正発明5は本件訂正発明1を引用する発明であるところ、本件訂正発明1を引用する構成については、上記「2.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4において相違する。 更に、本件訂正発明5の構成5Aについて検討すると、甲1発明1は、構成5Aに対応する構成を有していない点で相違する。 すなわち、本件訂正発明5は、甲1発明1と上記「2.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4において相違し、更に次の相違点を有している。 (相違点6)甲1発明1は、本件訂正発明5の「前記画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光手段をさらに備え、前記測光領域は、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なるように設定される」という構成を有していない点。 (4)相違点の判断 相違点1ないし相違点4に対する判断は、上記「2.(4)相違点の判断」と同じである。 相違点6について検討すると、撮像装置において、画像データの特定の領域の明るさを測定し、その領域が適正露出となるように自動露出(AE)制御を行うことは、例えば、上記(2)ウに甲3発明として示されるように、当該技術分野における周知の技術である。 よって、甲1発明1においても、画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光手段を設けることは当業者が容易になし得ることである。 そして、甲1発明1における対象ウィンドウは、ぼかし処理を施さずフォーカシングを行う注目領域であり、その注目領域を含む領域を自動露出(AE)制御のための測光領域とすることも、当業者であれば当然に想到し得る技術的事項である。 したがって、甲1発明1において、上記相違点5に係る「前記画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光手段をさらに備え、前記測光領域は、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なるように設定される」という構成を設けることは、当業者が容易になし得ることといえる。 したがって、本件訂正発明5は、甲1発明1、甲2発明1、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 5.本件訂正発明6について (1)本件訂正発明6 本件訂正発明6は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(6A)、(6B)の記号を当審において付与した。以下、構成6A、構成6Bと称することにする。 (本件訂正発明6) (6A)前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示する (6B)ことを特徴とする請求項1、5のいずれか1項に記載の撮像装置。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「2.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明1)が記載されている。 イ.甲第2号証について 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)、及び上記「3.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明2)が記載されている。 ウ.甲第3号証について 甲第3号証には、上記「4.(2)ウ.甲第3号証について」に示したとおりの発明(甲3発明)が記載されている。 (3)対比 本件訂正発明6と甲1発明1とを対比する。 本件訂正発明6は本件訂正発明1または本件訂正発明5を引用する発明であるところ、本件訂正発明1を引用する構成については、上記「2.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4において相違する。また、本件訂正発明5を引用する構成については、上記「4.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4および相違点6において相違する。 更に、本件訂正発明6の構成6Aについて検討すると、甲1発明1は、構成6Aに対応する構成を有していない点で相違する。 すなわち、本件訂正発明6は、甲1発明1と、本件訂正発明1を引用する構成については、上記「2.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4において相違し、また、本件訂正発明5を引用する構成については、上記「4.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4および相違点6において相違し、更に次の相違点を有している。 (相違点7)甲1発明1は、本件訂正発明6の「前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示する」という構成を有していない点。 (4)相違点の判断 相違点1ないし相違点4に対する判断は、上記「2.(4)相違点の判断」と同じであり、相違点6に対する判断は、上記「4.(4)相違点の判断」と同じである。 相違点7について検討すると、相違点7は上記「3.(3)対比」において検討した相違点5の『甲1発明1は、「前記表示手段に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し」という構成を有していない点』と同じ相違点である。 そうすると、相違点5が、上記「3.(4)相違点の判断」において検討したように、甲2発明2に示されるような周知の技術から当業者が容易になし得たものであるから、相違点7も、同様に甲2発明2に示されるような周知の技術から当業者が容易になし得たものである。 したがって、本件訂正発明6は、甲1発明1、甲2発明1、甲2発明2、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 6.本件訂正発明8について (1)本件訂正発明8 本件訂正発明8は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(8A)、(8B)の記号を当審において付与した。以下、構成8A、構成8Bと称することにする。 (本件訂正発明8) (8A)前記表示手段に、前記第一の領域、または前記第二の領域の少なくともどちらか一方を識別可能に表示する (8B)ことを特徴とする請求項1、3、5、6のいずれか1項に記載の撮像装置。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「2.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明1)が記載されている。 イ.甲第2号証について 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)、及び上記「3.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明2)が記載されている。 ウ.甲第3号証について 甲第3号証には、上記「4.(2)ウ.甲第3号証について」に示したとおりの発明(甲3発明)が記載されている。 (3)対比 本件訂正発明8と甲1発明1とを対比する。 本件訂正発明8は本件訂正発明1、本件訂正発明3、本件訂正発明5または本件訂正発明6を引用する発明であるところ、本件訂正発明1を引用する構成については、上記「2.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4において相違する。本件訂正発明3を引用する構成については、上記「3.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点5において相違する。本件訂正発明5を引用する構成については、上記「4.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4および相違点6において相違する。また、本件訂正発明6を引用する構成については、上記「5.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4、相違点6および相違点7において相違する。 更に、本件訂正発明8の構成8Aについて検討すると、上記「2.(3)対比」のエ.において認定したように、甲1発明1は、構成1b、1e、1f-1のように「デジタルカメラプロセッサ(DCP)」が、「入力された画像データが表示されるカラーLCDパネルに画像データの一部の矩形領域を示す選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウを表示」するものであり、これは『表示手段に、前記第一の領域、または前記第二の領域の少なくともどちらか一方を識別可能に表示する』ものといえる。 よって、甲1発明1は、本件訂正発明8の構成8Aを備えているものといえる。 すなわち、本件訂正発明8は、甲1発明1と、本件訂正発明1を引用する構成については、上記「2.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4において相違し、本件訂正発明3を引用する構成については、上記「3.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点5において相違し、本件訂正発明5を引用する構成については、上記「4.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4および相違点6において相違し、また、本件訂正発明6を引用する構成については、上記「5.(3)対比」における一致点において一致し、相違点1ないし相違点4、相違点6および相違点7において相違する。 (4)相違点の判断 相違点1ないし相違点4に対する判断は、上記「2.(4)相違点の判断」と同じであり、相違点5に対する判断は、上記「3.(4)相違点の判断」と同じであり、相違点6に対する判断は、上記「4.(4)相違点の判断」と同じであり、さらに、相違点7に対する判断は、上記「5.(4)相違点の判断」と同じである。 したがって、本件訂正発明8は、甲1発明1、甲2発明1、甲2発明2、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 7.本件訂正発明9について (1)本件訂正発明9 本件訂正発明9は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(9A)ないし(9F)の記号を当審において付与した。以下、構成9A、構成9B等と称することにする。 (本件訂正発明9) (9A)ミニチュア写真の撮像方法であって、 (9B)被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、 (9C)前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示部において、前記表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理工程と、 (9D)前記表示画像において、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない横長の帯状形状である第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定工程と、 を備え、 (9E)モニタリング状態において、 (9E-1)前記領域指定工程は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示部の表示領域内を移動し、 (9E-2)前記ぼかし処理工程は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 (9E-3)前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 (9E-4)自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、 (9E-5)前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 (9E-6)前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される (9F)ことを特徴とする撮像方法。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 上記「2.(2)ア.(ア)甲第1号証に記載された事項」に基づき、上記「2.(2)ア.(イ)甲第1号証に記載された発明」の認定を援用しつつ甲第1号証に記載される方法の発明を認定すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明2」という。)が記載されていると認められる。 なお、説明のために(9a)ないし(9f)の記号を当審において付与した。以下、構成9a、構成9b等と称することにする。 (甲1発明2) (9a)画像データのアウトフォーカシング領域にアウトフォーカシングを行う撮影方法であって、 (9b)光学システム(OPS)からの光を光電変換ユニットにより変換して画像データを出力する工程と、 (9c)入力された画像データがカラーLCDパネルに表示される工程と、 を備え、 (9d)シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態において、 (9d-1)入力された画像データが表示されるカラーLCDパネルに画像データの一部の矩形領域を示す選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウを表示し、 (9d-2)ユーザの各種操作ボタンによる指示に応じて、対象ウィンドウの位置を移動させ、 (9d-3)メニュー/選択確認ボタンによって確認信号が生成されると、対象ウィンドウの領域を除いた領域をアウトフォーカシング領域として設定し、対象ウィンドウの領域において通常のフォーカシングを実行し、 (9d-4)シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押されていない場合には、これらの動作を繰り返し、 (9e)シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データのアウトフォーカシング領域にローパスフィルタをかけ、メモリカード内の画像ファイルに保存する、 (9f)撮影方法。 イ.甲第2号証について 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)が記載されている。 (3)対比 本件訂正発明9と甲1発明2とを対比すると、本件訂正発明9は「ミニチュア写真の撮像方法」であるのに対し、甲1発明2は「画像データアウトフォーカシング領域にアウトフォーカシングを行う撮影方法」である点で相違するが、甲1発明2は、画像データの一部の領域にローパスフィルタをかけてぼかす処理を施すものであるから、本件訂正発明9と、「画像データの一部の領域にぼかす処理を施す撮像方法」という点で一致する。 その他の構成についても、上記「2.(3)対比」における判断を援用して検討すると、本件訂正発明9と甲1発明2は、以下の点で一致ないし相違している。 <一致点> 画像データの一部の領域にぼかす処理を施す撮像方法であって、 被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示部を有し、 画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理工程と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない矩形領域の第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定工程と、 を備え、 モニタリング状態において、 前記領域指定工程は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示部の表示領域内を移動し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、 前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域であって当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される ことを特徴とする撮像方法。 <相違点> (相違点8)「画像データの一部の領域にぼかす処理を施す撮像方法」に関し、本件訂正発明9では「ミニチュア写真の撮像方法」であるのに対し、甲1発明2では「画像データのアウトフォーカシング領域にアウトフォーカシングを行う撮影方法」である点。 (相違点9)ぼかし処理工程が処理の対象とする画像は、本件訂正発明9では「前記表示画像」であるのに対し、甲1発明2は、「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」である点。 (相違点10)矩形領域に関し、本件訂正発明9では「横長の帯状形状」であるのに対し、甲1発明2では、そのようなものであるとは特定されていない点。 (相違点11)甲1発明2は、「モニタリング状態において」、「前記ぼかし処理工程は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し」という構成を有していない点。 (相違点12)本件訂正発明9は、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で」前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されるものであるのに対し、甲1発明2は、そのような構成を有していない点。 (4)相違点の判断 ア.相違点8について 「ミニチュア写真の撮像方法」について検討すると、銀塩フィルムカメラの時代から、アオリレンズ(シフトレンズ、ティルトレンズ)を用いて、被写界深度を極端に狭くして撮影することにより、ミニチュア風の写真を撮影する技術が周知であった。 また、画像処理により画像の特定領域以外にぼかし処理を施すことで、被写界深度の狭い画像を生成し、ミニチュア風の写真に変更する技術も周知の技術である。 そして、デジタルカメラにおいても、そのような画像処理の技術を搭載し、アオリレンズを用いることなくミニチュア風の写真を撮影するモードを有するデジタルカメラは、本件出願時に周知のものであった(例えば、ニコン「D3000」、リコー「CX2」、ペンタックス「K-x」、オリンパス・ペン「E-P2」など)。 すなわち、画像の特定領域以外に画像処理によりぼかし処理を施して、被写界深度の狭い画像を生成し、ミニチュア風の写真を撮影する技術は周知の技術である。 したがって、甲1発明2の「画像データアウトフォーカシング領域にアウトフォーカシングを行う撮影方法」を、ミニチュア風の写真を撮影する機能として動作させ、相違点7に係る「ミニチュア写真の撮像方法」に変更することは、当業者が容易になし得ることである。 イ.相違点9ないし相違点12について 相違点9ないし相違点12は、上記「2.(3)対比」において認定した相違点1ないし相違点4と同様のものである。 そうすると、相違点9ないし相違点12は、上記「2.(4)相違点の判断」における判断と同様に、甲1発明2、甲2発明1及び周知技術から、当業者が容易になし得ることでといえる。 (5)まとめ 上記のとおりであるから、本件訂正発明9は、甲1発明2、甲2発明1及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 なお、本件訂正発明9が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 8.本件訂正発明11について (1)本件訂正発明11 本件訂正発明11は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために本件訂正発明9と同じ構成には(9A)ないし(9F)の記号を、本件訂正発明1と異なる構成には(11E-5)の記号を当審において付与した。 (本件訂正発明11) (9A)ミニチュア写真の撮像方法であって、 (9B)被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、 (9C)前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示部において、前記表示画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理工程と、 (9D)前記表示画像において、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない横長の帯状形状である第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定工程と、 を備え、 (9E)モニタリング状態において、 (9E-1)前記領域指定工程は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示部の表示領域内を移動し、 (9E-2)前記ぼかし処理工程は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し、 (9E-3)前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 (9E-4)自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、 (11E-5)前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し、 (9E-6)前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される (9F)ことを特徴とする撮像方法。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「7.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明2)が記載されている。 イ.甲第2号証にについて 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)、及び上記「3.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明2)が記載されている。 (3)対比 本件訂正発明11と甲1発明2とを対比する。 上記「7.(3)対比」にける検討を踏まえれば、本件訂正発明11と甲1発明2とは、上記「7.(3)対比」における相違点8ないし相違点12において相違し、更に甲1発明2が、本件訂正発明11の構成11E-5の「前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し」という構成を有していない点で相違し、その余で一致する。 まとめると、本件訂正発明11と甲1発明2は、以下の点で一致ないし相違している。 <一致点> 画像データの一部の領域にぼかす処理を施す撮像方法であって、 被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、 前記画像データに基づいた表示画像を表示する表示部を有し、 画像の少なくとも一部の領域に、画像処理によりぼかし処理を施すぼかし処理工程と、 前記表示画像において、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域、またはぼかし処理を施さない矩形領域の第二の領域の少なくともどちらか一方を指定することで、前記ぼかし処理工程がぼかし処理を施す第一の領域を指定する領域指定工程と、 を備え、 モニタリング状態において、 前記領域指定工程は、前記第二の領域を形状と大きさを保って前記表示部の表示領域内を移動し、 前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なる領域を、オートフォーカス評価値を取得する領域とし、 自動合焦動作の実行を指示する自動合焦動作指示工程と、記録媒体への画像データの記録を指示する記録指示工程と、を有し、 前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されると、前記オートフォーカス評価値を取得する領域が、前記第二の領域の移動に基づき当該オートフォーカス評価値を取得する領域の中心が前記第二の領域に対応する前記画像データの領域に含まれる領域に設定され、 前記記録指示工程により画像データの記録が指示されると、前記設定された領域に基づく自動合焦動作がなされた撮像による画像データが前記記録媒体に記録される ことを特徴とする撮像方法。 <相違点> (相違点8)「画像データの一部の領域にぼかす処理を施す撮像方法」に関し、本件訂正発明11では「ミニチュア写真の撮像方法」であるのに対し、甲1発明2では「画像データのアウトフォーカシング領域にアウトフォーカシングを行う撮影方法」である点。 (相違点9)ぼかし処理工程が処理の対象とする画像は、本件訂正発明11では「前記表示画像」であるのに対し、甲1発明2は、「シャッタレリーズボタンが第2レベルまで押された状態において取得された画像データ」である点。 (相違点10)矩形領域に関し、本件訂正発明11では「横長の帯状形状」であるのに対し、甲1発明2では、そのようなものであるとは特定されていない点。 (相違点11)甲1発明2は、「モニタリング状態において」、「前記ぼかし処理工程は前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理を施し」という構成を有していない点。 (相違点12)本件訂正発明11は、「前記第二の領域の移動に基づき前記第一の領域についてぼかし処理が施された画像が前記表示部に表示された状態で」前記自動合焦動作指示工程により自動合焦動作の実行が指示されるものであるのに対し、甲1発明2は、そのような構成を有していない点。 (相違点13)甲1発明2は、「前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し」という構成を有していない点。 (4)相違点の判断 上記相違点8ないし相違点12に対する判断は、上記「7.(4)相違点の判断」と同じである。 相違点13について検討すると、相違点13は、上記「3.(3)対比」において認定した相違点5と同様のものである。 そうすると、相違点13は、上記「3.(4)相違点の判断」における相違点5に係る判断と同様に、甲1発明2及び甲2発明2のような周知技術から、当業者が容易になし得ることでといえる。 したがって、本件訂正発明11は、甲1発明2、甲2発明1、甲2発明2及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 9.本件訂正発明13について (1)本件訂正発明13 本件訂正発明5は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(13A)、(13B)の記号を当審において付与した。以下、構成13A、構成13Bと称することにする。 (本件訂正発明13) (13A)前記画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光工程をさらに備え、 前記測光領域は、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なるように設定されて撮像を行う (13B)ことを特徴とする請求項9に記載の撮像方法。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「7.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明2)が記載されている。 イ.甲第2号証について 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)が記載されている。 ウ.甲第3号証について 甲第3号証には、上記「4.(2)ウ.甲第3号証について」に示したとおりの発明(甲3発明)が記載されている。 (3)対比 本件訂正発明13と甲1発明2とを対比する。 本件訂正発明13は本件訂正発明9を引用する発明であるところ、本件訂正発明9を引用する構成については、上記「7.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12において相違する。 更に、本件訂正発明13の構成13Aについて検討すると、甲1発明2は、構成13Aに対応する構成を有していない点で相違する。 すなわち、本件訂正発明13は、甲1発明2と上記「7.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12において相違し、更に次の相違点を有している。 (相違点14)甲1発明2は、本件訂正発明13の「前記画像データの少なくとも一部の領域を測光領域として測光する測光工程をさらに備え、前記測光領域は、前記第二の領域に対応する前記画像データの領域と少なくとも一部が重なるように設定されて撮像を行う」という構成を有していない点。 (4)相違点の判断 相違点8ないし相違点12に対する判断は、上記「7.(4)相違点の判断」と同じである。 相違点14について検討すると、相違点14は、上記「4.(3)対比」において認定した相違点6と同様のものである。 そうすると、相違点14は、上記「4.(4)相違点の判断」における相違点6に係る判断と同様に、甲1発明2及び甲3発明のような周知技術から、当業者が容易になし得ることでといえる。 したがって、本件訂正発明13は、甲1発明1、甲2発明1、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 10.本件訂正発明14について (1)本件訂正発明14 本件訂正発明14は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(14A)、(14B)の記号を当審において付与した。以下、構成14A、構成14Bと称することにする。 (本件訂正発明14) (14A)前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示する (14B)ことを特徴とする請求項9、13のいずれか1項に記載の撮像装置。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「7.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明2)が記載されている。 イ.甲第2号証について 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)、及び上記「3.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明2)が記載されている。 ウ.甲第3号証について 甲第3号証には、上記「4.(2)ウ.甲第3号証について」に示したとおりの発明(甲3発明)が記載されている。 (3)対比 本件訂正発明14と甲1発明2とを対比する。 本件訂正発明14は本件訂正発明9または本件訂正発明13を引用する発明であるところ、本件訂正発明9を引用する構成については、上記「7.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12において相違する。また、本件訂正発明13を引用する構成については、上記「9.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12および相違点14において相違する。 更に、本件訂正発明14の構成14Aについて検討すると、甲1発明2は、構成14Aに対応する構成を有していない点で相違する。 すなわち、本件訂正発明14は、甲1発明2と、本件訂正発明9を引用する構成については、上記「7.(3)対比」における一致点において一致し、相違点7ないし相違点10において相違し、また、本件訂正発明13を引用する構成については、上記「9.(3)対比」における一致点において一致し、相違点7ないし相違点10および相違点12において相違し、更に次の相違点を有している。 (相違点15)甲1発明2は、本件訂正発明14の「前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示する」という構成を有していない点。 (4)相違点の判断 相違点8ないし相違点12に対する判断は、上記「7.(4)相違点の判断」と同じであり、相違点14に対する判断は、上記「9.(4)相違点の判断」と同じである。 相違点15について検討すると、相違点15は上記「8.(3)対比」において検討した相違点13の『甲1発明2は、「前記表示部に、前記オートフォーカス評価値を取得する領域を識別可能に表示し」という構成を有していない点』と同じ相違点である。 そうすると、相違点13が、上記「8.(4)相違点の判断」において検討したように、甲2発明2に示されるような周知の技術から当業者が容易になし得たものであるから、相違点15も、同様に甲2発明2に示されるような周知の技術から当業者が容易になし得たものである。 したがって、本件訂正発明14は、甲1発明1、甲2発明1、甲2発明2、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 11.本件訂正発明16について (1)本件訂正発明16 本件訂正発明16は、以下に再掲したとおりのものである。 なお、説明のために(16A)、(16B)の記号を当審において付与した。以下、構成16A、構成16Bと称することにする。 (本件訂正発明16) (16A)前記表示部に、前記第一の領域、または前記第二の領域の少なくともどちらか一方を識別可能に表示する (16B)ことを特徴とする請求項9、11、13、14のいずれか1項に記載の撮像装置。 (2)甲号証に記載された発明 ア.甲第1号証について 甲第1号証には、上記「7.(2)ア.甲第1号証について」に示したとおりの発明(甲1発明2)が記載されている。 イ.甲第2号証について 甲第2号証には、上記「2.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明1)、及び上記「3.(2)イ.甲第2号証について」に示したとおりの発明(甲2発明2)が記載されている。 ウ.甲第3号証について 甲第3号証には、上記「4.(2)ウ.甲第3号証について」に示したとおりの発明(甲3発明)が記載されている。 (3)対比 本件訂正発明16と甲1発明2とを対比する。 本件訂正発明16は本件訂正発明9、本件訂正発明11、本件訂正発明13または本件訂正発明14を引用する発明であるところ、本件訂正発明9を引用する構成については、上記「7.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12において相違する。本件訂正発明11を引用する構成については、上記「8.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点13において相違する。本件訂正発明13を引用する構成については、上記「9.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12および相違点14において相違する。また、本件訂正発明14を引用する構成については、上記「10.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12、相違点14および相違点15において相違する。 更に、本件訂正発明16の構成16Aについて検討すると、上記「7.(2)ア.甲第1号証について」において認定したように、甲1発明2は、構成9d、9d-1の「シャッタレリーズボタンが第1レベルまで押された状態において」、「入力された画像データが表示されるカラーLCDパネルに画像データの一部の矩形領域を示す選択的アウトフォーカシングの対象ウィンドウを表示」するものであり、これは、上記「2.(3)対比」のエ.における認定を援用すれば、『表示部に、前記第一の領域、または前記第二の領域の少なくともどちらか一方を識別可能に表示する』ものといえる。 よって、甲1発明2は、本件訂正発明16の構成16Aを備えているものといえる。 すなわち、本件訂正発明16は、甲1発明2と、本件訂正発明9を引用する構成については、上記「7.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12において相違し、本件訂正発明11を引用する構成については、上記「8.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点13において相違し、本件訂正発明13を引用する構成については、上記「9.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12および相違点14において相違し、また、本件訂正発明14を引用する構成については、上記「10.(3)対比」における一致点において一致し、相違点8ないし相違点12、相違点14および相違点15において相違する。 (4)相違点の判断 相違点8ないし相違点12に対する判断は、上記「7.(4)相違点の判断」と同じであり、相違点13に対する判断は、上記「8.(4)相違点の判断」と同じであり、相違点14に対する判断は、上記「9.(4)相違点の判断」と同じであり、さらに、相違点15に対する判断は、上記「10.(4)相違点の判断」と同じである。 したがって、本件訂正発明16は、甲1発明1、甲2発明1、甲2発明2、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正発明1,3,5,6,8,9,11,13,14,16は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件訂正発明1,3,5,6,8,9,11,13,14,16に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件訂正発明1,3,5,6,8,9,11,13,14,16に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、請求項2,4,7,10,12,15に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項2,4,7,10,12,15に対して特許異議申立人キヤノン株式会社がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2016-700342

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