特許異議申立
2017-700674
スロットマシン
- 審判番号
- 2017-700674
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2016-090214外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年07月10日
- 審決日
- 2018年01月25日
- 公報発行日
- 2018年04月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 分類
- P1651.113-YAA(A63F) / P1651.121-YAA(A63F) / P1651.537-YAA(A63F) / P1651.5 -YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第2号、特許法第113条第2号、特許法第39条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第113条第4号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6058189号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6058189号の明細書、特許請求の範囲及び図面を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。
特許第6058189号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許第6058189号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は,平成19年6月15日に出願した特願2007-158696号の一部を平成24年5月24日に新たな特許出願である特願2012-118770号として出願され,そのまた一部を平成26年7月1日に新たな特許出願である特願2014-135851号として出願され,そのまた一部を平成28年4月28日に新たな特許出願である特願2016-90214号として出願され,平成28年12月16日に特許権の設定登録がされ,平成29年7月10日にその特許に対し,特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立てがなされ,同年9月12日付けで取消理由が通知され,特許権者である株式会社三共より同年11月14日付けで意見書及び訂正請求書が提出され,これに対して,特許異議申立人より同年12月27日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件特許の訂正の内容は,次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させる終了入賞と,前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,」とあるのを,
「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,」に訂正する(下線部は訂正箇所を意味する。以下同様。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に
「前記終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,」とあるのを,
「前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に
「前記事前決定手段は,
前記一の遊技状態において前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,を決定可能であり,」とあるのを,
「前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に
「前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」とあるのを,
「前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」に訂正する。
(5)訂正事項5
上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」の後に,
「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,」を加える。
(6)訂正事項6
願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の【0005】に
「上記課題を解決するために,本発明の請求項1に記載のスロットマシンは,
前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させる終了入賞と,前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
前記終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
前記事前決定手段は,
前記一の遊技状態において前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,を決定可能であり,
前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴としている。」とあるのを,
「上記課題を解決するために,本発明の請求項1に記載のスロットマシンは,
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,
前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴としている。」に訂正する。
(7)訂正事項7
本件特許明細書の【0006】に
「本発明の手段1の遊技システムは,」とあるのを,
「手段1の遊技システムは,」に訂正する。
(8)訂正事項8
本件特許明細書の【0007】に
「本発明の手段2の管理装置は,」とあるのを,
「手段2の管理装置は,」に訂正する。
(9)訂正事項9
本件特許明細書の【0008】に
「本発明の手段3のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段3のスロットマシンは,」に訂正する。
(10)訂正事項10
本件特許明細書の【0011】に
「本発明の手段4のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段4のスロットマシンは,」に訂正する。
(11)訂正事項11
本件特許明細書の【0013】に
「本発明の手段5のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段5のスロットマシンは,」に訂正する。
(12)訂正事項12
本件特許明細書の【0014】に
「本発明の手段6のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段6のスロットマシンは,」に訂正する。
(13)訂正事項13
本件特許明細書の【0015】に
「本発明の手段7のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段7のスロットマシンは,」に訂正する。
(14)訂正事項14
本件特許明細書の【0016】に
「本発明の手段8のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段8のスロットマシンは,」に訂正する。
(15)訂正事項15
本件特許明細書の【0017】に
「本発明の手段9のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段9のスロットマシンは,」に訂正する。
(16)訂正事項16
本件特許明細書の【0117】に
「図6は,当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは,メイン制御部41のROM41bに予め格納されており,内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して,抽選が行われる順番に割り当てられた役番号(0~19)が登録されている。」とあるのを,
「図6は,当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは,メイン制御部41のROM41bに予め格納されており,内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して,抽選が行われる順番に割り当てられた役番号(0~20)が登録されている。」に訂正する。
(17)訂正事項17
本件特許明細書の【0118】に
「このスロットマシン1における役としては,特別役としてビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナスが,小役としてスイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベルが,再遊技役としてリプレイ(1),リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が定められている。また,スロットマシン1における役の組み合わせとしては,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4)が定められている。ただしリプレイ(2)~(4)は単独で抽選の対象となることはなく,必ずリプレイ(1)との組み合わせが抽選の対象となるため,役及び役の組み合わせの合計は20となっている。」とあるのを,
「このスロットマシン1における役としては,特別役としてビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナスが,小役としてスイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベルが,再遊技役としてリプレイ(1),リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が定められている。また,スロットマシン1における役の組み合わせとしては,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4)が定められている。ただしリプレイ(2)~(4)は単独で抽選の対象となることはなく,必ずリプレイ(1)との組み合わせが抽選の対象となるため,役及び役の組み合わせの合計は21となっている。」に訂正する。
(18)訂正事項18
本件特許明細書の【0120】に
「図6に示すように,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,「2」のいずれかが設定されている場合には,ビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナス,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれかの特別役が持ち越されている状態,すなわち状態番号として「3」,「4」,[5]のいずれかが設定されている場合には,リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号11以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号14以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。」とあるのを,
「図6に示すように,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,「2」のいずれかが設定されている場合には,ビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナス,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれかの特別役が持ち越されている状態,すなわち状態番号として「3」,「4」,[5]のいずれかが設定されている場合には,リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号11以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号15以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。」に訂正する。
(19)訂正事項19
図面の図6に[役番号11]としてリプレイ(1)を加え,図6の[役番号11]~[役番号19]を[役番号12]~[役番号20]に訂正すると共に,リプレイ(2)の「赤7-ベル-ANY」を「赤7-リプレイ-リプレイ」に訂正し,リプレイ(3)の「白7-ベル-ANY」を「白7-リプレイ-リプレイ」に訂正する。
2 訂正の適否の判断
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は,「事前決定手段」が決定する「終了入賞」が「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,」であることを明らかにすることで特許請求の範囲を減縮し,「事前決定手段」が決定する機能として,新たに「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮し,「事前決定手段」が決定する「継続入賞」が「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞」であることを明らかにすることで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0196】には「また,初期遊技状態においてリプレイ(2)~(4)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上にリプレイ(2)~(4)の役が揃ったとき)に,特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが,リプレイ(1)~(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり,かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1を超えるリプレイタイム(2)(RT(2))に制御する。」と記載され,本件特許明細書の【0198】には「RT(2)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は,図9の抽選確率によれば1.13であり,1ゲームあたり約0.39枚ずつメダルが増加することとなる。」と記載され,初期遊技状態においてリプレイ(2)~(3)(第1終了入賞)のいずれかが入賞したとき,1ゲームあたり約0.39枚ずつメダルが増加するリプレイタイム(2)(遊技者にとって有利な有利状態)に制御する事項が導き出せることから,上記訂正事項1の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,」なる訂正事項が導き出せる。
また,本件特許明細書の【0195】には「本実施例では,初期遊技状態において1枚(1)~(3)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上に1枚(1)~(3)の役が揃ったとき)に,特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが,リプレイ(1)~(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり,かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1以下となるリプレイタイム(1)(RT(1))に制御する。」と記載され,本件特許明細書の【0198】には「RT(1)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は,図8の抽選確率によれば0.41であり,1ゲームあたり約1.78枚ずつメダルが減少することとなる」と記載され,初期遊技状態において1枚(1)~(2)(第2終了入賞)のいずれかが入賞したとき,1ゲームあたり約1.78枚のメダルが減少するリプレイタイム(1)(遊技者にとって不利な不利状態)へ移行する事項が導き出せることから,上記訂正事項1の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,」なる訂正事項が導き出せる。
そして,本件特許明細書の【0118】には「このスロットマシン1における役としては,・・・再遊技役としてリプレイ(1),リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が定められている。」と記載され,本件特許明細書の【0196】には「また,初期遊技状態においてリプレイ(2)~(4)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上にリプレイ(2)~(4)の役が揃ったとき)に,・・・リプレイタイム(2)(RT(2))に制御する。」と記載されていることから,リプレイ(1)が入賞したときには,通常遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく通常遊技状態を継続させる事項が導き出せることから,上記訂正事項1の「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,」なる訂正事項が導き出せる。
したがって,上記訂正事項1は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下,「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項1は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項1は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は,上記訂正事項1に係る訂正により,訂正前の請求項1の「終了入賞」を「第1終了入賞」に訂正したことで,記載表現が一致しなくなった請求項1の記載を整合させるための訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項2は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項2は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項2は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する「終了入賞」を「第1終了入賞」にする訂正は,上記訂正事項1に係る訂正により,訂正前の請求項1の「終了入賞」を「第1終了入賞」に訂正したことで,記載表現が一致しなくなった請求項1の記載を整合させるための訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また,訂正事項3のうち,「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正は,「前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,」であることを明らかにすることで特許請求の範囲を減縮する訂正と,「前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項3のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する「終了入賞」を「第1終了入賞」にする訂正については,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
また,訂正事項3のうち,「第3決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0129】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,[2]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号0~20の役及び役の組み合わせ,すなわちビッグボーナス(1)[役番号0],ビッグボーナス(2)[役番号1],レギュラーボーナス[役番号2],ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号3],ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号4],ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号5],ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号6],ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号7],ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号8],ビッグボーナス(1)+1枚(3)[役番号9],ビッグボーナス(2)+1枚(3)[役番号10],リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されていることから,内部抽選の対象役として,リプレイ(1)(継続入賞:第3決定),リプレイ(1)+リプレイ(2)(第1終了入賞),リプレイ(1)+リプレイ(3)(第1終了入賞),1枚(1)(第2終了入賞),1枚(2)(第2終了入賞)が順に導き出せることから,上記訂正事項3の「前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,」なる訂正事項が導き出せる。
そして,訂正事項3のうち,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0188】には「初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10~12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3~5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0195】には「本実施例では,初期遊技状態において1枚(1)~(3)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上に1枚(1)~(3)の役が揃ったとき)に,特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが,リプレイ(1)~(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり,かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1以下となるリプレイタイム(1)(RT(1))に制御する。」と記載され,本件特許明細書の【0198】には「RT(1)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は,図8の抽選確率によれば0.41であり,1ゲームあたり約1.78枚ずつメダルが減少することとなる」と記載されていることから,1枚(1)(第2終了入賞)の発生を許容する旨を決定する1枚(1)の当選(第4決定)と,1枚(2)(第2終了入賞)の発生を許容するものであり1枚(1)の当選とは異なる1枚(2)の当選(第5決定)なる事項が導き出せることから,上記訂正事項3の「前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,」なる訂正事項が導き出せる。
したがって,訂正事項3は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項3は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項3は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する訂正は,上記訂正事項1に係る訂正により,訂正前の請求項1の「終了入賞」を「第1終了入賞」に訂正したことで,記載表現が一致しなくなった請求項1の記載を整合させ,加えて「前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる事項は「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり」のときであることを明瞭にすると共に,「前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる事項は「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり」のときであることを明瞭にするための訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また,訂正事項4のうち,「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正は,導出制御手段の機能として新たに「前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」,「前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項4のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する「終了入賞」を「第1終了入賞」にする訂正については,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
また,訂正事項4のうち,「第1決定」に関する「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ」を追加する訂正については,本件特許明細書の【0174】には「リプレイ(2)の当選時には,領域番号3~9(左リール第1停止以外の場合は領域番号4~8)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10~21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1~3,9~21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。・・・ただし,本実施例では,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が必ずリプレイ(1)と同時に当選することとなるため,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)を取りこぼした場合でも,リプレイ(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞することとなる。」と記載されていることから,リプレイ(2)の当選時(第1決定)には,リプレイ(2)の組合せが揃うタイミング以外で停止操作がなされた場合にはリプレイ(2)を取りこぼすこととなるが,その場合でもリプレイ(1)の組合せが入賞ラインに揃って入賞する事項が導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる訂正事項が導き出せる。
そして,訂正事項4のうち,「第2決定」に関する「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ」を追加する訂正については,本件特許明細書の【0174】には「このため,リプレイ(2)の当選時には,領域番号3~9(左リール第1停止以外の場合は領域番号4~8)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10~21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1~3,9~21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。・・・ただし,本実施例では,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が必ずリプレイ(1)と同時に当選することとなるため,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)を取りこぼした場合でも,リプレイ(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞することとなる。」と記載されていることから,リプレイ(3)の当選時(第2決定)には,リプレイ(3)の組合せが揃うタイミング以外(リプレイ(2)の組合せがいずれかの入賞ラインに揃うタイミングである領域番号3~9)で停止操作がなされた場合にはリプレイ(3)を取りこぼすこととなるが,その場合でもリプレイ(1)の組合せが入賞ラインに揃って入賞する事項が導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる訂正事項が導き出せる。
次に,訂正事項4のうち,「第4決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0188】には「初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10~12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3~5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0173】には「ビッグボーナス(1),1枚(1)の当選時には,領域番号3~9のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10~21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,ビッグボーナス(2),1枚(2)の当選時には,領域番号10~16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1~9,17~21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載されているから,1枚(1)が当選(第4決定)しているときに,領域番号3~9のタイミング(第3手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「赤7・スイカ・白BAR」(第2終了入賞)を表示結果として導出し,1枚(1)が当選(第4決定)しているときに,領域番号10~16のタイミング(第3手順と異なる第4手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「赤7・スイカ・白BAR」(第2終了入賞)を表示結果として導出しないことが導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」なる訂正事項が導き出せる。
加えて,訂正事項4のうち,「第5決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0188】には「初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10~12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3~5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0173】には「ビッグボーナス(1),1枚(1)の当選時には,領域番号3~9のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10~21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,ビッグボーナス(2),1枚(2)の当選時には,領域番号10~16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1~9,17~21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載されているから,1枚(2)が当選(第5決定)しているときに,領域番号10~16のタイミング(第4手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「白7・オレンジ・リプレイ」(第2終了入賞)を表示結果として導出し,1枚(2)が当選(第5決定)しているときに,領域番号3~9のタイミング(第3手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「白7・オレンジ・リプレイ」(第2終了入賞)を表示結果として導出されないことが導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」なる訂正事項が導き出せる。
したがって,訂正事項4は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項4は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項4は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は,特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0174】には「このため,リプレイ(2)の当選時には,領域番号3~9(左リール第1停止以外の場合は領域番号4~8)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10~21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1~3,9~21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,リプレイ(3)の当選時には,領域番号10~16(左リール第1停止以外の場合は領域番号11~15)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1~9,17~21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1~10,16~21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載され,本件特許明細書の【0188】には「特に,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10~12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3~5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17~19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0173】には「ビッグボーナス(1),1枚(1)の当選時には,領域番号3~9のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10~21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,ビッグボーナス(2),1枚(2)の当選時には,領域番号10~16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1~9,17~21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載されている。これらのことから,リプレイ(2)の当選時には,領域番号3~9が通過するタイミング(第1手順)で左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,1枚(1)のみが当選しているときには,領域番号3~9が通過するタイミング(第3手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「赤7・スイカ・白BAR」(第2終了入賞)を表示結果として導出することから,第1手順と第3手順とは,領域番号3~9が通過するタイミングで左リールの停止操作がなされた場合という点で共通しているので,上記訂正事項5の「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,」なる訂正事項は導き出せる。
同様に,リプレイ(3)の当選時には,領域番号10~16が通過するタイミング(第2手順)で左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,1枚(2)のみが当選しているときには,領域番号10~16が通過するタイミング(第4手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「白7・オレンジ・リプレイ」(第2終了入賞)を表示結果として導出することから,第2手順と第4手順とは領域番号10~16が通過するタイミングで左リールの停止操作がなされた場合という点で共通しているので,上記訂正事項5の「前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,」なる訂正事項は導き出せる。
したがって,上記訂正事項5は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項5は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項5は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は,上記「(1)訂正事項1」~「(5)訂正事項5」の訂正に伴い,訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正を行った結果,記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の【0005】の不明瞭な記載を,訂正後の請求項1の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項6は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項6は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項6は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(7)訂正事項7~15
ア 訂正の目的について
訂正事項7~15は,本件特許明細書の【0006】~【0008】,【0011】,【0013】~【0017】の「本発明の手段」なる記載から「本発明の」なる記載を削除して,請求項に記載された発明と手段との関係を明確にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項7~15は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項7~15は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項7~15は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(8)訂正事項16
ア 訂正の目的について
訂正事項16は,本件特許明細書の【0129】~【0131】の記載と一致しない不明瞭な記載である,本件特許明細書の【0117】の「役番号(0~19)」という記載を,【0129】~【0131】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0129】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,[2]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号0~20の役及び役の組み合わせ,すなわちビッグボーナス(1)[役番号0],ビッグボーナス(2)[役番号1],レギュラーボーナス[役番号2],ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号3],ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号4],ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号5],ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号6],ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号7],ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号8],ビッグボーナス(1)+1枚(3)[役番号9],ビッグボーナス(2)+1枚(3)[役番号10],リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と,本件特許明細書の【0130】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれかの特別役が持ち越されている状態,すなわち状態番号として「3」,「4」,[5]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号11~20の役及び役の組み合わせ,すなわちリプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と,本件特許明細書の【0131】には「遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号15~20の役及び役の組み合わせ,すなわちスイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,0~20の役番号のいずれかが内部抽選の対象役となることが記載されているから,訂正事項16は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項16は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項16は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(9)訂正事項17
ア 訂正の目的について
訂正事項17は,本件特許明細書の【0129】の記載と一致しない不明瞭な記載である,本件特許明細書の【0118】の「役及び役の組み合わせの合計は20」という記載を,【0129】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0129】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,[2]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号0~20の役及び役の組み合わせ,すなわちビッグボーナス(1)[役番号0],ビッグボーナス(2)[役番号1],レギュラーボーナス[役番号2],ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号3],ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号4],ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号5],ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号6],ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号7],ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号8],ビッグボーナス(1)+1枚(3)[役番号9],ビッグボーナス(2)+1枚(3)[役番号10],リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,役及び役の組み合わせの合計は21であることが記載されているから,訂正事項17は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項17は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項17は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(10)訂正事項18
ア 訂正の目的について
訂正事項18は,本件特許明細書の【0131】の記載と一致しない不明瞭な記載である,本件特許明細書の【0120】の「状態番号として「6」が設定されている場合には・・・役番号14以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象」という記載を,【0131】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0131】には「遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号15~20の役及び役の組み合わせ,すなわちスイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,状態番号として「6」が設定されている場合には,役番号15以降の役及び役の組み合わせが内部当選の対象となることが記載されているから,訂正事項18は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項18は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項18は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(11)訂正事項19
ア 訂正の目的について
訂正事項19は,本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載と一致しない不明瞭な記載である,願書に添付した図面である図6の記載を,【0122】,【0129】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0122】には「リプレイ(2)は,初期遊技状態,RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「赤7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は,初期遊技状態,RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「白7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(4)は,初期遊技状態,RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「黒BAR-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。」と,本件特許明細書の【0129】には「リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,役と役番号11~20との対応関係が,リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20],であり,リプレイ(2)は「赤7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせ,リプレイ(3)は「白7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせ,リプレイ(4)は「黒BAR-リプレイ-リプレイ」の組み合わせであることが導き出せるから,訂正事項19は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項19は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項19は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
3 むすび
以上のとおりであるから,本件訂正請求に係る訂正事項1,訂正事項3の「第1決定」及び「第2決定」に関する訂正,訂正事項4の「第1決定」及び「第2決定」に関する訂正,訂正事項5は,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し,訂正事項2,訂正事項3の「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正,訂正事項4の「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正,訂正事項6~19は,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので,本件訂正請求に係る訂正を認める。
第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下,「本件発明」という。)は,その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,次のとおりのものである(A~Kは,特許権者及び特許異議申立人の主張を考慮して,当審で付与した。)。
「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
B 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
C 遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
E 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
F 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
G 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
G1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
G2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
G3 前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
G4 前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
G5 前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
H 前記導出制御手段は,
H1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H6 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H7 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
H8 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H9 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
I 前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
J 前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,
K 前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い,スロットマシン。」
2 特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は,特許異議申立書において,証拠方法として甲第1~17号証を提出し,訂正前の請求項1に係る発明は,甲第17号証に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり,仮に相違点があったとしても,甲第17号証に記載された発明及び甲第1~16号証に記載された周知技術に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである旨主張すると共に,訂正前の請求項1に係る発明は,特許法第36条第6項第2号の規定に違反してなされたものであり,特許法第113条第4号に該当し,取り消されるべきものである旨主張し,更に,訂正前の請求項1に係る発明は,甲第18号証に記載された発明と同一であるから,特許法第39条第2項の規定に違反してされたものであり,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである旨主張している。
(証拠方法)
甲第17号証:特開2006-346473号公報
甲第1号証:特開平5-177041号公報
甲第2号証:特開平5-154248号公報
甲第3号証:特開2007-130176号公報
甲第4号証:特開2006-68443号公報
甲第5号証:特開2006-51267号公報
甲第6号証:特開2006-15000号公報
甲第7号証:特開平11-178982号公報
甲第8号証:特開2001-145723号公報
甲第9号証:特開2002-239088号公報
甲第10号証:特開2007-7344号公報
甲第11号証:特開2004-236888号公報
甲第12号証:特開2005-65862号公報
甲第13号証:特開2005-65863号公報
甲第14号証:特開2001-161895号公報
甲第15号証:特開2006-175121号公報
甲第16号証:特開2006-212113号公報
甲第18号証:特許第5932895号公報
3 平成29年9月12日付け取消理由の概要
訂正前の請求項1に係る特許に対して平成29年9月12日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は,次のとおりである。
【理由1】(29条1項3号)
訂正前の請求項1に係る発明は,本件特許の原出願(特願2007-158696号)の出願時より前に,日本国内において頒布された甲第17号証に記載された発明であり,特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである。
【理由2】(29条2項)
訂正前の請求項1に係る発明は,本件特許の原出願(特願2007-158696号)の出願時より前に,日本国内において頒布された甲第17号証に記載された発明及び甲第3~4号証に記載された周知技術に基づいてその出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである。
【理由3】(36条6項2号)
訂正前の請求項1に係る発明は,特許を受けようとする発明が下記の点で明確でないため,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから,特許法第113条第4号に該当し,取り消されるべきである。
記
【理由3-1】(36条6項2号)
【課題を解決するための手段】の欄の記載である本件特許明細書の【0006】(「本発明の手段1の遊技システムは,」の記載以降)~【0018】には,【特許請求の範囲】に記載された発明との関係が不明な「コード情報」,「コード情報生成手段」等が記載されており,これらの記載が本件発明の解釈を不明確にしているから,本件発明は不明確である。
したがって,本件発明に係る特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものである。
【理由3-2】(36条6項2号)
本件特許明細書の【0122】には「リプレイ(2)は,・・・「赤7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は,・・・「白7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。」と記載され,【0129】には「リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13]」と記載されているが,図6には,「リプレイ(1)[役番号11]」(本件発明の「第3の決定」に相当)が記載されておらず,「リプレイ(2)」(本件発明の「終了入賞」に相当)の図柄組合せとして「赤7-ベル-ANY」が,「リプレイ(3)」(本件発明の「終了入賞」に相当)の図柄組合せとして「白7-ベル-ANY」が記載されているから,本件発明の構成が不明確である。
したがって,本件発明に係る特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものである。
4 平成29年11月14日付け意見書(特許権者)の概要
特許権者は,理由1及び2に関しては,甲第17号証に記載された発明,甲第3~4号証には,構成C,G,G1,G2,G4,G5,H,H1~H4,H6~H9,I,Jは存在せず,周知でもないから,本件発明は甲第17号証に記載された発明と同一でなく,甲第17号証に記載された発明に甲第3~4号証の記載事項及び周知技術を適用しても本件発明を想到し得るものではない旨主張している。
また,理由3-1に関しては,本件特許明細書の【0006】~【0008】,【0011】~【0017】の「本発明の」なる記載を削除する訂正をし,本件発明がより明確になるようにした旨主張し,理由3-2に関しては,図6を本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載に整合させて訂正し,本件発明の構成は明確である旨主張している。
なお,「本発明の」なる記載を削除する訂正をしたのは,上記第2 1(7)~(15),及び上記第2 2(7)にも記載されているが,本件特許明細書の【0006】~【0008】,【0011】,【0013】~【0017】である。
5 平成29年12月27日付け意見書(特許異議申立人)の概要
特許異議申立人は,平成29年12月27日付け意見書において,今回の訂正請求は,訂正要件違反の訂正を含んでいるので,訂正は認められない旨主張している。
6 刊行物の記載
特許異議申立人が特許異議申立書で主張するように,甲第17号証が主たる証拠であるが,甲第1号証から順番に,甲第1~18号証について記載する。
(1)甲第1号証(特開平5-177041号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し,詳しくは,複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を有する可変表示装置を含み,前記可変表示部の可変停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。」
(イ)「【0007】
【作用】
本発明によれば,複数種類の識別情報を表示可能な表示部の表示結果が所定の識別情報となった場合に,確率変動手段の働きにより,前記可変表示部の表示結果が特定の識別情報となる確率が変動される。」
(ウ)「【0096】
(1) 電源投入後普通可変表示装置4または特別可変表示装置14により所定回数の可変表示が行なわれた場合に確率向上させてもよい。また,特別可変表示装置14の表示結果が大当り図柄と異なる確率向上図柄の組合せあるいは大当り図柄のうちの或る図柄と同じ確率向上図柄の組合せになった場合に確率を向上させてもよい。また,前述したリーチ状態が発生した場合に確率を向上させてもよい。さらに,普通可変表示装置の表示結果が所定の識別情報となった場合に確率を向上させてもよい。この所定の識別情報とは当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示,さらには普通可変表示装置4の当りとなるすべての表示等が考えられる。なお,特別可変表示装置14が大当りとなる識別情報の組合せとなった場合に確率を向上させる際においては,大当りの発生とともに確率を向上させてもよい。
・・・
【0102】
次に,確率向上状態を終了させる条件として,以下のものを終了条件にしてもよい。
【0103】
(1) 特別可変表示装置14や普通可変表示装置4の表示結果が所定の識別情報となった場合に終了させてもよい。この所定の識別情報とは,当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示が考えられる。また,前述したリーチ状態の発生により終了されるようにしてもよい。」
(2)甲第2号証(特開平5-154248号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,パチンコ遊技機やコイン遊技機やスロットマシン等で代表される遊技機に関し,詳しくは,複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し,該可変表示装置の可変停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になった場合に所定の遊技価値が付与可能な遊技機に関する。」
(イ)「【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は,複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し,該可変表示装置の可変停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になった場合に所定の遊技価値が付与可能な遊技機であって,前記可変表示装置の停止時の表示結果が前記特定の識別情報になる確率を予め手動により設定する設定操作手段を含み,該設定操作手段は,設定操作状態が機械的に保持されることを特徴とする。」
(ウ)「【0090】
(1) 電源投入後普通可変表示装置4または特別可変表示装置14により所定回数の可変表示が行なわれた場合に確率向上させてもよい。また,特別可変表示装置14の表示結果が大当り図柄と異なる確率向上図柄の組合せになった場合のみ確率を向上させてもよい。また,前述したリーチ状態が発生した場合に確率を向上させてもよい。さらに,普通可変表示装置の表示結果が所定の識別情報となった場合に確率を向上させてもよい。この所定の識別情報とは当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示,さらには普通可変表示装置4の当りとなるすべての表示等が考えられる。なお,特別可変表示装置14が大当りとなる識別情報の組合せとなった場合に確率を向上させる際においては,大当りの発生とともに確率を向上させてもよい。
・・・
【0096】
次に,S111に示した確率向上状態を終了させる条件として,以下のものを終了条件にしてもよい。
【0097】
(1) 特別可変表示装置14や普通可変表示装置4の表示結果が所定の識別情報となった場合に終了させてもよい。この所定の識別情報とは,当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示が考えられる。また,前述したリーチ状態の発生により終了されるようにしてもよい。」
(3)甲第3号証(特開2007-130176号公報)には,以下のように記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関し,特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。
・・・
【0003】
特許文献1で提案されたスロットマシンでは,所定の当たり遊技が終了したタイミングで,抽選で再遊技役が当選する確率が高くなるように設定されている。また,再遊技役の当選確率を高くするか否かを抽選で定めて,遊技の進行に変化を持たせることも提案されている。しかし,再遊技役の当選確率が高い状態に遊技の態様を変更した後,再び,元の遊技の態様に戻すタイミングについては,再遊技役の当選確率が高い状態に変更後,所定回数の遊技を消化したときに,元の遊技の態様に戻す設定になっている。従って,長く遊技を続けると遊技としては単調になりがちで,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることは困難である。
【0004】
従って,本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に遊技性のある内容を含ませ,更に,遊技者の判断により遊技の進行に変化を与えることができて,遊技者の遊技に対する関心を高めることができるスロットマシンを提供することにある。
・・・
【0012】
再遊技選択高状態に変更するための「所定の開始要件」については,例えば,所定回数の遊技を消化したことを開始要件にすることも可能であるし,所定の役に当選し,かつその役に応じた図柄が停止して入賞することを開始要件にすることも可能である。また,後述するように,当たり遊技のような特定の遊技状態が終了したことを開始要件にすることも可能であるし,その他の様々な事象を,開始要件に設定することが可能である。」
(イ)「【0104】
図柄番号1~3の一般役1~3は,入賞図柄として何れもチェリーが設定されている。まず,図柄番号1の一般役1は,役抽選における当選確率が1/240であって,左リールの図柄が白チェリーであれば,残り2つのリールの図柄については,何れの図柄であっても入賞するように設定されている。図柄番号2の一般役2は,役抽選における当選確率が1/240であって,左リールの図柄が赤チェリーであれば,残り2つのリールの図柄については,何れの図柄であっても入賞するように設定されている。図柄番号3の一般役3は,役抽選における当選確率が1/240であって,左リールの図柄が青チェリーであれば,残り2つのリールの図柄については,何れの図柄であっても入賞するように設定されている。
・・・
【0108】
NRTは,初期状態では0に設定されており,RT作動状態の開始要件が満たされたとき,具体的には,BB遊技が終了したときにNRTの値に1をインプットする(図10のステップS107,図11のステップS134参照)ようになっている。また,RT作動状態において,RT作動状態の解除要件が満たされたとき,具体的には,RT作動状態における遊技数が所定回数に達したとき(図6のステップS41),BB役に当選したとき(図7のステップS54参照),及び一般役1~3が入賞したとき(図14のステップS183参照)に,NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除する。」
(ウ)「【0198】
そして,ステップS227の判断で,もし,全停止信号を受信した(YES)と判別したときには,次に,点灯している一般役ランプを全て消灯して(ステップS228),本サブルーチンを終了する。
なお,本実施形態では,役抽選で一般役1~3に入賞したときには,左リール40Lで図柄チェリーが停止すれば,他のリールの停止図柄に関わらず入賞する設定になっている。また,RT作動状態において一般役1~3が入賞したときには,RT作動状態を解除する設定になっておいる。従って,RT作動状態では,リールの停止順として,左リール40Lが最後に停止するような停止操作を行なうことによって,この演出の最も絞り込まれた情報を利用しながら停止操作が行なうことができるので,RT作動状態が継続する可能性がより高い遊技の進行を期待することができる。
【0199】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では,RT作動時に一般役1~3が入賞したときに,RT作動状態を解除するように設定しているが,解除要件となる役は,一般役1~3(図柄チェリー)には限られず,その他の一般役や当たり役等あらゆる役を設定することができる。」
(4)甲第4号証(特開2006-68443号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。」
(イ)「【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に変化を与え,更に遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」
(ウ)「【0015】
再遊技選択高状態に変更するための「所定の開始要件」については,例えば,当たり遊技のような特定の遊技状態が終了したことを開始要件にすることも可能であるし,当たり遊技のような所定の遊技が終了した後,所定回数の遊技を消化したことを開始要件にすることも可能である。また,所定の役に当選し,かつその役に応じた図柄が停止して入賞することを開始要件にして,遊技性のある設定を行なうことも可能である。また,その他の様々な事象を,開始要件に設定することが可能である。
【0016】
「所定の図柄が停止する」とは,再遊技高状態の解除条件として定めれば,全てのリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれるし,一部のリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれる。また,予め定められた図柄は,全てのリールで同一の図柄に設定することもできるし,リールによって異なる図柄を設定することもできる。
【0017】
所定の図柄が停止するのを「回避する」とは,上記の「所定の図柄が停止する」に該当するための要件を,満たさないようにすることを意味する。従って,例えば,要件とされているリールのうち,一部のリールで所定の図柄が停止しないときでも,「回避する」ことになる。もちろん,要件とされた全てのールで所定の図柄が停止しないときも,「回避する」ことになる。
【0018】
この実施態様によれば,遊技者は,例えばリールの停止操作によって,所定の図柄が停止することを意図的に回避することもできる。従って,遊技者は,遊技的な面白さを感じながら,有利な遊技状態を継続させることができるので,遊技者の遊技に対する関心を高め継続させることが期待できる。」
(エ)「【0117】
ここで,はずれ制御抽選表の実施例を,図22に示す。このはずれ制御抽選表には,リールの停止制御の態様が異なる「はずれ1」,「はずれ2」,及び「はずれ3」の3つの態様が含まれる。はずれ1は,左リール40Lに図柄赤7が停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なうものである。また,他の中央リール40C,右リール40Rについても,同様に,図柄ベルが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なう。
【0118】
はずれ2は,左リール40Lに図柄青7が停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なうものである。また,他の中央リール40C,右リール40Rについても,同様に,図柄ベルが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なう。
【0119】
はずれ3は,左リール40Lに図柄BARが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なうものである。また,他の中央リール40C,右リール40Rについても,同様に,図柄ベルが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なう。
【0120】
後述するように,RT作動状態において,左リール40Lに,赤7,青7,またはBARが停止し,中央,右リール40C,Rにベルが停止したときには,NRTの値を0にして(図16のステップS204参照),RT作動状態を解除するように設定されている。なお,図22に示すように,本実施形態では,ステップS164の制御抽選処理でハズレ1,ハズレ2,ハズレ3が選択される確率は,各々1/3に設定されており,RT作動状態において,役抽選処理の結果がハズレの場合には,制御抽選処理によって,はずれ1,はずれ2,はずれ3のうちの何れか1つが選択されるようになっている。
【0121】
また,本実施形態のリールの図柄配置を図24に示す。図24では,左リール以外のリールの図柄は記載されておらず,また,左リールについても,図柄赤7,青7,BAR以外の図柄については記載されていない。図24から明らかなように,この図柄配置では,左リールにおいて,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらす停止制御を行えば,赤7,青7,BARのうちの何れか1つの図柄を表示枠内に停止させることが可能である。」
(5)甲第5号証(特開2006-51267号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。
・・・
【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に変化を与え,更に遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」
(イ)「【0182】
以上のように,本サブルーチンでは,RT作動状態において制御抽選処理ではずれ1が当選したときに,この報知画像をリールの回転中に表示するので,遊技者は,この報知画像の情報に基づいてリ-ルの停止操作を行い,図柄Aを揃えることも可能であるし,逆に,図柄Aを揃えないにようにすることも可能である。従って,遊技者は,RT作動状態の継続,解除について自由にコントロールすることができるので,遊技的な面白さ感じて遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0183】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では,RT作動状態を解除する実施形態として,逆押しでリールを停止させて図柄Aを揃えることが示されているが,リールを停止させる順番としては,その他のあらゆる順番が考えられ,また,所定の図柄を停止させる方法についても,リールの停止順だけでなく,停止操作のタイミングを含めて,その他あらゆる停止方法が考えられる。
【0184】
また,他に,RT作動状態を解除する実施形態として,役抽選処理でRB,BB役等の当たり役に当選したときに,RT作動状態を解除することが示されているが,本発明はそれだけに限られず,一般役を含むその他のあらゆる役が当選したときに,RT作動状態を解除する制御を行なうことができる。」
(6)甲第6号証(特開2006-15000号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。
・・・
【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に,遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」
(イ)「【0158】
そして,全てのリールが停止した(YES)と判別したときに,画像消去信号を表示駆動装置220へ送信して,表示装置70に表示されている報知画像を消去して(ステップS207),本サブルーチンを終了する。
以上のように,本サブルーチンでは,RT作動状態開始後,遊技がX回(X=NRTMAX-SHURYO)行なわれる間だけ,図柄3に当選した時に,報知画像をリールの回転中に表示する。従って,遊技者はこの報知画像によって図柄3の当選を知り,図柄3を停止させたり,停止させなかったりする操作を行なって,RT作動状態を継続させるか解除するかについて,遊技を行なうことができる。
【0159】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では,役抽選処理でRB,BB役等の当たり役に当選したときに,RT作動状態を解除する制御が行なわれているが,本発明はそれだけに限られず,一般役を含むその他のあらゆる役が当選したときに,RT作動状態を解除する制御を行なうことができる。」
(7)甲第7号証(特開平11-178982号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,集中役モードを当選したときはコインの出玉率を高めるスロットマシンに関する。」
(イ)「【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので,その目的は,集中役モードを当選したときはコインの出玉率を高める構成において,集中役モードの終了を遊技性を確保しながら遊技客に確実に報知することができるスロットマシンを提供することにある。
・・・
【0010】このような構成によれば,集中役モードを当選したときは,コインの出玉率が高くなるので,遊技客の手持ちコインは増加傾向となる。ここで,制御手段は,集中役モードの終了を当選したときは特定図柄の引込み停止動作を実行し,特定図柄を表示できたときは集中役モードを終了する。これにより,遊技客は,特定図柄が表示されることにより集中役モードの終了を確認することができるので,集中役モードの終了にまごつくことはなくなり,遊技に熱中することができる。」
(8)甲第8号証(特開2001-145723号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,スロットマシンに関し,特に入賞判定の内容を特定の場合に外部に報知しようとするものである。」
(イ)「【0043】前記択一的入賞判定結果報知決定手段171による前記判定結果報知は,特定の報知条件が成就することにより報知するようにしてもよく,報知条件には,特定の図柄で入賞したこと,特定の図柄が表示窓10に停止表示されたこと,遊技回数(特別遊技中の一般遊技の回数を含む)が所定回数に達したこと,メダルの獲得枚数(純贈枚数を含む)が所定枚数に達したこと,特定の外部表示が行われたこと,などがある。また,上記報知条件は,開始条件としてだけではなく,報知の終了条件としてもよい。」
(9)甲第9号証(特開2002-239088号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,遊技台に関し,特に,スロットマシンやパチンコといった遊技台に関する。」
(イ)「【0009】
また,前述のその他の従来例によれば,特定遊技の開始タイミングは,遊技者の思うがままにならず,ゲーム性が少ないため,遊技者が特定遊技を獲得しても喜びが少なかった。
【0010】
このような問題点に鑑み,本発明の目的は,初心者から熟練者に至るまでよりゲーム性を楽しめる遊技台を提供することにある。」
(ウ)「【0018】
停止時の絵柄組合せが所定の絵柄組合せである場合に,前記蓄積モードに入るか又は前記蓄積モードを終了することも好適である。
・・・
【0029】
停止時の絵柄組合せが所定の絵柄組合せである場合に,前記放出モードに入るか又は前記放出モードを終了する特徴とする。」
(エ)「【0118】
1.蓄積・放出期間の開始条件
A.所定の蓄積開始絵柄をリール上に設け,この絵柄が揃ったら開始するものとしてもよい。入賞判定処理で,蓄積開始絵柄が揃ったか否かを判断し,そろえば,蓄積モードに入るようにすればよい。これは,蓄積フラグというものを新たに設け,ステップS110の前に,蓄積フラグを確認し,蓄積フラグがONの時に蓄積モードであると判断して蓄積処理が行なわれるようにすればよい。
B.毎ゲーム抽選を行い,当選時に開始してもよい。S5の抽選処理の後,蓄積又は放出期間の開始抽選を行い,当選時に,前述の蓄積フラグ又は放出フラグをONするようにすればよい。
C.BB内部あたり後,無条件で開始してもよい。S5の抽選処理で,BBに当選したと判定したら,前述の蓄積フラグ又は放出フラグをONするようにすればよい。
D.BB終了後,無条件で開始してもよい。ステップS207の後,前述の蓄積フラグ又は放出フラグをONするようにすればよい。
E.BB終了後,所定ゲーム数が消化された場合に開始してもよい。BB終了後,所定ゲーム数(例1000ゲーム)はまった場合などの救済措置として使用できる。この場合,専用のカウンタを設けてカウントすればよい。
F.前回の蓄積期間又は放出期間から所定ゲーム数が消化された場合に開始してもよい。この場合も専用のカウンタを設けてカウントすればよい。
G.専用のボタンを設け,その専用のボタンが押下された場合に,開始してもよい。
【0119】
2.蓄積又は放出期間の終了条件
A.所定の蓄積終了絵柄をリール上に設け,この絵柄が揃った場合に終了してもよい。この絵柄は,上記した蓄積開始絵柄と同じでもかまわない。終了時には,前述の蓄積フラグをOFFにすればよい。
B.毎ゲーム抽選を行い,当選時に終了してもよい。
C.BB内部あたり後,終了してもよい。蓄積又は放出期間中であることをLCD上等で常時表示しておけば,BB内部あたりの報知としても利用できる。
D.BB入賞時,終了してもよい。
E.BB終了後,所定ゲーム数が消化された場合に終了してもよい。
F.前回の蓄積又は放出期間から所定ゲーム数が消化された場合に終了してもよい。
G.専用のボタンを設け,その専用のボタンが押下された場合に,終了してもよい。」
(10)甲第10号証(特開2007-7344号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,スロットマシンに関し,特に入賞表示結果の導出の許容に関する決定(いわゆる内部抽選)と,該決定に基づく入賞表示結果の導出に対して遊技者に付与する配当との関係に関する。」
(イ)「【0007】
しかしながら,特許文献1のスロットマシンでは,小役の取りこぼし(特に取りこぼしたメダル枚数)を何ゲームにも亘ってカウントするカウンタ(逸失枚数記憶手段160)が必要となり,制御負担が大きくなるという問題があった。また,遊技者にとっては,遊技内容が変更されるタイミングが分かりにくいという問題があった。遊技内容が変更されるタイミングが分かったとしても,変更前との遊技内容の違いが遊技者に分かりにくいという問題もあった。このため,小役の取りこぼしによる損失の補填が本当にされているのかどうか遊技者に不信感を感じさせてしまう虞もあった。」
(ウ)「【0243】
上記の実施の形態では,演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATとなってグループ1~グループ9に当選した場合において組み合わせ小役に入賞させるための手順が報知されるのは,遊技制御基板101の側で制御する遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)で提供された場合を含む)かRTにある場合であった。これに対して,演出制御基板102の側で制御する遊技状態をATとする条件は,これに限るものではなく,例えば,可変表示装置2の表示結果として所定の結果が導出されたことを条件として,演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATになるものとしてもよい。ATの終了条件も,上記の実施の形態に限られるものではなく,例えば,AT開始からの経過時間が所定時間となったことや,可変表示装置2の表示結果として所定の結果が導出されたこととしてもよい。遊技制御基板101の側の制御とは完全に独立して,演出制御基板102のCPU121が決定するものとしてもよい。」
(11)「甲第11号証(特開2004-236888号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,機械式の抽選手段を備えた遊技機およびその制御方法に関する。」
(イ)「【0016】
なお,サブ処理では,所定の移行条件が充足されると,第1の状態から第2の状態へ移行させる場合だけでなく,第2の状態から第1の状態に移行させる場合もありえる。例えば,機械抽選の結果に基づいて,ATゲーム等の特別ゲーム(第2の状態)を終了するか,あるいは継続するかを決定してもよい。」
(ウ)「【0172】
(7)また,サブ処理では,所定の移行条件が充足されると,通常ゲーム(第1の状態)からATゲーム等の特別ゲーム(第2の状態)へ移行させる場合だけでなく,ATゲーム(第2の状態)から通常ゲーム(第1の状態)に移行させる場合に,上述したルーレット等による機械抽選の結果に基づいて,ATゲーム等の特別ゲーム(第2の状態)を終了するか,あるいは継続するかを決定してもよい。
【0173】
例えば,ATゲーム中(第2の状態)に,特定の役(例えば,チェリー役)に当選すると,ルーレット抽選を実行し,これに当選した場合にATゲームを終了させて通常ゲーム(第1の状態)に戻してもよい。あるいは,第1~第4の穴のうち,第1の穴にATゲームの終了を,第2の穴にATゲーム数の変化なしを,第3の穴にATゲーム数の10ゲーム加算を,第4の穴にATゲーム数の20ゲーム加算を割り当てて,抽選結果に応じてゲーム状態を変化させてもよい。
【0174】
さらに,ゲーム状態として,ATゲームへの突入確率が高確率である状態(第2の状態)と低確率である状態(第1の状態)とを有する場合には,高確率状態(第2の状態)で,特定の役(例えば,チェリー役)に当選すると,ルーレット抽選を実行し,これに当選した場合に低確率状態(第1の状態)に移行させてもよい。あるいは,第1~第4の穴のうち,第1の穴に高確率状態の終了を,第2の穴に高確率状態のゲーム数の変化なしを,第3の穴に高確率状態のゲーム数の10ゲーム加算を,第4の穴に高確率状態のゲーム数の20ゲーム加算を割り当てて,抽選結果に応じてゲーム状態を変化させてもよい。」
(12)甲第12号証(特開2005-65862号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
この発明は,遊技者に付与可能な利益の大きさが異なる複数種類の特殊遊技を行わせることができる遊技機に関するものである。」
(イ)「【0003】
しかし,上記した従来の遊技機では,特殊遊技の内容やその後の遊技の内容を変化させることにより,遊技者の期待感を段階的に高めていく遊技形態を作り出すことはできなかった。
【0004】
そこで,各請求項にそれぞれ記載された各発明は,上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,次の点にある。」
(ウ)「【0021】
そして,前記特殊遊技制御手段(120)は,遊技者に付与可能な利益の大きさがそれぞれ異なる複数の特殊遊技を行わせることができるとともに,遊技中の特定条件該当により,通常遊技から特殊遊技に昇格させるか否かの昇格抽選を行い,特殊遊技中の特定条件該当により,その特殊遊技からさらに大きな利益を付与可能な特殊遊技に昇格させるか否かの昇格抽選を実行可能な変更抽選手段(122)を有し,前記変更抽選手段(122)の決定に基づいて,特殊遊技を実行可能に形成されていることを特徴とする。
【0022】
前記特殊遊技制御手段(120)が実行可能な複数の特殊遊技は,同種の特殊遊技であって遊技者に付与可能な利益の大きさがそれぞれ異なるものである。例えば,アシストタイム遊技について,報知確率,報知頻度,報知当選役,報知方法などが異なる遊技を実行可能とすることができる。
・・・
【0024】
ここで,「昇格」とは,遊技状態が,遊技者に付与可能な利益の大きさが大きくなる遊技状態に変更されることを意味し,特殊遊技からより多くの利益を付与可能な特殊遊技への変更だけでなく,通常遊技から特殊遊技への変更も「昇格」に含まれる。アシストタイム遊技を例にすれば,通常遊技から当選報知付きの遊技への変更,当選報知付き遊技から,より報知確率の高い遊技,より報知頻度の高い遊技,入賞によりより多くの払い出しがされる当選役を報知する遊技への変更が「昇格」にあたる。なお,特殊遊技間の「昇格」は,複数段階設けてもよい。
【0025】
また,「遊技中の特定条件」とは,特定の当選又は不当選,特定の入賞,特定の抽選(当選抽選手段(110)以外の手段が行う抽選)に当選,などが挙げられる。「遊技中」には,通常遊技及び特殊遊技が含まれる。」
(エ)「【0040】
すなわち,請求項5記載の発明は,前記変更抽選手段(122)は,特殊遊技中に特定条件に該当した場合には,その特殊遊技を当該遊技よりも付与可能利益の少ない遊技に降格させるか否かの降格抽選を実行可能に形成されていることを特徴とする。
【0041】
ここで,降格抽選には,ある特殊遊技をその一つ下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技をその一つ以上下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技を通常遊技に降格させるか否かの抽選が含まれる。また,降格抽選の契機となる「特定条件」は,昇格抽選の抽選契機と同一であってもよいし,異なるものであってもよい。」
(13)甲第13号証(特開2005-65863号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
この発明は,遊技者に付与可能な利益の大きさが異なる複数種類の特殊遊技を行わせることができる遊技機に関するものである。」
(イ)「【0003】
しかし,上記した従来の遊技機では,特殊遊技の内容やその後の遊技の内容を変化させることにより,遊技者の期待感を段階的に高めていく遊技形態を作り出すことはできなかった。
【0004】
そこで,各請求項にそれぞれ記載された各発明は,上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,次の点にある。」
(ウ)「【0026】
ここで,「昇格」とは,遊技状態が,遊技者に付与可能な利益の大きさが大きくなる遊技状態に変更されることを意味し,特殊遊技からより多くの利益を付与可能な特殊遊技への変更だけでなく,通常遊技から特殊遊技への変更も「昇格」に含まれる。上記した例による具体例を述べると,通常遊技からグループ図柄Aについて優先的に当選報知する当選報知遊技への変更や,グループ図柄Aの当選報知付き遊技から,グループ図柄Bについて優先的に当選報知する当選報知遊技への変更が「昇格」にあたる。なお,「昇格」は,遊技ランク順に一段階ずつ昇格させることもできるし,ある遊技ランクを飛び越して昇格させるようにしてもよい。
【0027】
「遊技中の特定条件」とは,特定の当選又は不当選,特定の入賞,特定の抽選(当選抽選手段(110)以外の手段が行う抽選)に当選,などが挙げられる。「遊技中」には,通常遊技及び特殊遊技が含まれる。」
(エ)「【0053】
すなわち,請求項6記載の発明は,前記変更抽選手段(122)は,特殊遊技中に特定条件に該当した場合には,その特殊遊技を当該遊技よりも付与可能利益の少ない遊技に降格させるか否かの降格抽選を実行可能に形成されていることを特徴とする。
【0054】
ここで,降格抽選には,ある特殊遊技をその一つ下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技をその一つ以上下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技を通常遊技に降格させるか否かの抽選が含まれる。また,降格抽選の契機となる「特定条件」は,昇格抽選の抽選契機と同一であってもよいし,異なるものであってもよい。」
(14)甲第14号証(特開2001-161895号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,特定小役の当選可能性を報知するようにしたスロットマシンに関するものである。」
(イ)「【0085】
(6)報知遊技態様が選択された場合において特定小役が当選したときは,第1実施形態ではBBゲームの一般遊技中に一律に報知するようにし,また,第2実施形態ではBBゲームの終了後の規定回数の通常遊技で一律に報知するようにした。しかし,これに限られることなく,例えば第1の方法として,1遊技ごと,あるいは複数回の遊技ごとに,遊技態様選択手段62により報知遊技態様とするか非報知遊技態様とするかの抽選を行い,報知遊技態様と非報知遊技態様とを切り替えるようにしても良い。また,第2の方法として,特殊な図柄の組合せが停止表示されたときに,報知遊技態様と非報知遊技態様とを切り替えるようにしても良い。」
(15)甲第15号証(特開2006-175121号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。」
(イ)「【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に変化を与え,更に遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」
(ウ)「【0014】
再遊技選択高状態に変更するための「所定の開始要件」については,例えば,当たり遊技のような特定の遊技状態が終了したことを開始要件にすることも可能であるし,当たり遊技のような所定の遊技が終了した後,所定回数の遊技を消化したことを開始要件にすることも可能である。また,所定の役に当選し,かつその役に応じた図柄が停止して入賞することを開始要件にして,遊技性のある設定を行なうことも可能である。また,その他の様々な事象を,開始要件に設定することが可能である。
「対応する図柄が停止する(停止させる)」とは,例えば,各リールについて役に対応して定められた図柄が,所定の有効ライン上に停止して,予め定められた図柄が揃うことを意味する。この場合,全てのリールで所定の図柄が停止する設定も含まれるし,一部のリールで所定の図柄が停止する設定も含まれる。また,所定の図柄は,全てのリールで同一の図柄に設定することもできるし,リールによって異なる図柄を設定することもできる。」
(エ)「【0113】
NRTは,初期状態では0に設定されており,RT作動状態の開始要件が満たされたとき,具体的には,BB1遊技が終了したときにNRTの値に1をインプットし(図10のステップS108,図11のステップS135参照),BB2遊技が終了したときにNBBの値に2をインプットする(図10のステップS109,図11のステップS136参照)ようになっている。また,RT作動状態において,RT作動状態の解除要件が満たされたとき,具体的には,RT作動状態における遊技数が所定回数に達したとき(図6のステップS45),BB役に当選したとき(図7のステップS55参照),及び一般役2が入賞したとき(図14のステップS183参照)に,NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除する。」
(オ)「【0219】
また,上述の実施形態では,RT作動時に一般役2に対応する図柄が停止して入賞すると,RT作動状態を解除するように設定されているが,解除要件となる役は,一般役2(図柄ベル)には限られず,その他の一般役(例えば図柄チェリー)や当たり役等あらゆる役を設定することができる。
【0220】
また,上述の実施形態では,RT作動状態の解除要件として,BB役に当選した場合や,所定回数の遊技を行なった場合が設定されているが,必ずしも,これらの要件を設定する必要はなく,また,その他の要件を設定することも可能である。」
(16)甲第16号証(特開2006-212113号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,1遊技で,複数の役に重複当選する機会を持たせたスロットマシンに関するものである。」
(イ)「【0048】
そして,役抽選テーブル62aが用いられている遊技中に,小役4(特定小役)に当選し,かつ小役4に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(小役4の入賞時)は,次遊技以降,RT遊技を開始するように制御するとともに,役抽選テーブル切替え手段63は,役抽選テーブル62aから役抽選テーブル62bに切り替える。
【0049】
すなわち,RT遊技の最初は,役抽選テーブル62bが用いられる。そして,役抽選テーブル62bが用いられている遊技で,特別役に当選したとき(特別役とリプレイとに重複当選したとき)は,次遊技以降のRT遊技では,役抽選テーブル切替え手段63は,(役抽選テーブル62bから)役抽選テーブル62dに切り替える。
【0050】
そして,そのRT遊技は,所定遊技回数(本実施形態では200遊技)を終了するまで継続される。RT遊技を開始してから遊技回数が200回に到達したときは,次遊技以降は,非RT遊技が実行される。RT遊技の最後の遊技で役抽選テーブル62bが用いられていたとき,すなわちRT遊技中に特別役に当選しなかったときは,次遊技以降の非RT遊技では,非内部中の非RT遊技が実行され,役抽選テーブル62bから役抽選テーブル62aに切り替えられる。」
(ウ)「【0108】
さらにまた,役抽選テーブル62aが用いられている遊技で小役4が入賞し,RT遊技に移行すると,遊技回数が200回に到達するまでRT遊技が実行される。RT遊技では,先ず,役抽選テーブル62bが用いられるが,このときに特別役に当選し,当該遊技で特別役が入賞しなければ,次遊技以降,役抽選テーブル62dが用いられる。
そして,役抽選テーブル62bが用いられている遊技で特別役に当選することなく,200遊技を消化した後は,RT遊技が終了し,次遊技からは,役抽選テーブル62aが用いられる。」
(エ)「【0115】
(3)本実施形態では,小役4が入賞したことを条件としてRT遊技を実行し,遊技回数が200回に到達するまでRT遊技を継続することとした。
しかし,これに限らず,どのような契機でRT遊技に移行するか,及びどのような契機でRT遊技を終了するかは,種々の条件を任意に設定することが可能であり,本実施形態で示したものに限定されるものではない。例えば,特別遊技の終了後の所定回数の遊技で,RT遊技を実行するようにしても良い。」
(17)甲第17号証(特開2006-346473号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0011】
かかる目的を達成するために,第1発明は,各々に複数種類の図柄を有し,複数種類の図柄を可変表示可能な複数の表示列(R1~R3)と,複数の表示列の可変表示の開始の指示を受け付ける開始受付手段(12)と,複数の表示列(R1~R3)の各々に対応して設けられ,可変表示の各々の停止の指示を受け付ける複数の停止受付手段(13a~13c)と,停止した状態の表示列(R1~R3)の各々が有する図柄の複数の表示列(R1~R3)に亘っての並びからなる入賞ライン(L1~L5)が所定の表示位置(U1~3,M1~3,D1~3)に設定され,入賞ライン(L1~L5)上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞し,入賞した賞に応じて予め定められた遊技価値を付与し,通常ゲーム,第1確率変動ゲーム,第2確率変動ゲーム及び特別ゲームを含む複数の種類のゲームを管理するゲーム管理手段(101,S110~S111)を備え,特別ゲーム終了後に第2確率変動ゲームを開始し,有体(メダル)又は電気的若しくは磁気的に記憶した無体(クレジット)の遊技媒体の受け付けでゲームを開始する遊技機(1)であって,賞が,入賞態様が,第1役であった場合に付与する遊技価値が遊技媒体の受け付けなしにゲームを開始させる第1再遊技賞及び第2役であった場合に付与する遊技価値が遊技媒体の受け付けなしにゲームを開始させる第2再遊技賞を含む複数の再遊技賞と,入賞態様が特別役であった場合に付与する遊技価値が通常ゲームから特別ゲームへ移行させることである特別開始賞とを含み,抽選を実行して抽選結果を示す抽選情報を生成し,通常ゲーム,第1確率変動ゲーム及び第2確率変動ゲームの抽選対象に第1再遊技賞,第2再遊技賞及び特別開始賞を含ませ,第1確率変動ゲームにおける第1再遊技賞を抽選で選択する当選確率を,通常ゲームにおける第1再遊技賞を抽選で選択する当選確率及び第2再遊技賞を抽選で選択する当選確率より高く設定し,第2確率変動ゲームにおける第2再遊技賞を抽選で選択する当選確率を,通常ゲームにおける第2再遊技賞を抽選で選択する当選確率より高く設定する抽選手段(101,S103~S105)と,表示列(R1~R3)に対応する停止受付手段(13a~13c)が停止の指示を受け付けたタイミングで,表示列(R1~R3)上の図柄位置を示す図柄情報(PN)を取得する図柄情報取得手段(101,S109c,S109j,S109p)と,取得した図柄情報が示す図柄位置から所定範囲(4コマ)内で移動させて表示列(R1~R3)を所定の表示位置に停止させる停止制御手段(101,S109)とを有し,停止制御手段(101,S109)が,抽選情報が第2再遊技賞の当選結果を示す抽選情報が生成されたゲームで,取得した図柄情報が示す図柄位置から所定範囲(4コマ)内で移動させた場合に,表示列(R1~R3)で第2役を構成する図柄を入賞ライン(L1~L5)上に表示できるとき,図柄を入賞ライン(L1~L5)上に表示するように表示列(R1~R3)を移動させて停止させ,ゲーム管理手段(101,S110~S111)が,抽選情報が第2再遊技賞の当選結果を示す抽選情報が生成された第2確率変動ゲームで,入賞態様が第2役を示す場合,遊技媒体の受け付けなしに次のゲームを開始するとともに,ゲームの種類を第1確率変動ゲームとする。」
(イ)「【0050】
左ストップボタン13aは,遊技者から見て左側に配置された左リールR1の回転を停止させるための指示を遊技者が入力するための構成であり,操作部OPにおける左リールR1の下方であってスタートレバー12の右方に配置される。右ストップボタン13cは,遊技者から見て右側に配置された右リールR3の回転を停止させるための指示を遊技者が入力するための構成であり,操作部OPにおける右リールR3の下方であってスタートレバー12の右方に配置される。中ストップボタン13bは,上記した左リールR1と右リールR3との間に配置された中リールR2の回転を停止させるための構成であり,操作部OPにおける中リールR2の下方であって左ストップボタン13aと右ストップボタン13cとの間に一列に配置される。」
(ウ)「【0108】
(4-2)スロットマシン1の賞と役
次に,本実施例においてスロットマシン1に設定されている賞と役とについて,以下に図面と共に詳細に説明する。図6は,スロットマシン1に設定されている賞の種類と,各賞に対応づけられた役とを説明するための図である。図6に示すような予め定められた図柄の組み合わせ(役)が,そのゲームで有効化されている入賞ライン上に揃うと入賞となる。入賞した場合,役ごとに定められた配当数に基づいて,15枚の遊技メダルを最大とした配当が付与される小役賞や,特定種類のゲームが実行される期間を開始させる開始賞や,ベット操作なしに次ゲームを開始する権利を付与する再遊技賞などが遊技価値として遊技者に付与される。」
(エ)「【0111】
(4-2-3)再遊技賞
本実施例による再遊技賞には,再遊技1賞(第1再遊技賞)と再遊技2A賞(個別第2再遊技賞)と再遊技2B賞(個別第2再遊技賞)とが含まれる。再遊技1賞は,遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり,例えば「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役(第1役)」ともいう)が対応づけられている。再遊技2A賞(個別第2再遊技賞)は,遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり,例えば「プラム-プラム-赤7」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム赤7役(個別第2役)」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役」(第1役)ともいう)との2つが対応づけられている。再遊技2B賞(個別第2再遊技賞)は,遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり,例えば「プラム-プラム-白7」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム白7役(個別第2役)」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役」(第1役)ともいう)との2つが対応づけられている。
・・・
【0113】
また,スロットマシン1は,再遊技賞にかかる役のうち,「プラム赤7役」及び「プラム白7役」が入賞ライン上に表示された場合,次のゲームから所定ゲーム回数(例えば100ゲーム)の間,再遊技1賞の内部抽選の当選確率を変動させたRT1ゲーム(第1確率変動ゲーム)を実行する。すなわち,「プラム赤7役」及び「プラム白7役」はRT1ゲームの開始契機となるRT開始出目として機能する。
【0114】
(4-2-4)100%引き込み可能図柄
本実施例において,「プラム」図柄及び「ベル」図柄は,図3の図柄の配列に示すように,どのリールにおいても,同一リール上で,ある「プラム」図柄から次の「プラム」図柄までの図柄の間隔と,ある「ベル」図柄から次の「ベル」図柄までの図柄の間隔とが,どちらも4図柄(4コマ)以内に配置されている。また,本実施例によるスロットマシン1は,後述するリールの停止制御により,賞を構成する図柄を入賞ライン上に停止させる際,最大4コマまで図柄を引き込むことが可能である。したがって,「プラム」図柄及び「ベル」図柄それぞれを,各同一図柄間が4コマ間隔以内になるようにリール帯58a~58cに配置させることによって,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン(13a,13b,13c)を操作したとしても,入賞ライン上に「プラム」図柄又は「ベル」図柄を引き込んで停止させることが可能となる。このような「プラム」図柄及び「ベル」図柄を,本実施例では100%引き込み可能図柄という。なお,賞を構成する図柄の組み合わせが,全てこの100%引き込み可能図柄で構成された「ベル役」や「プラム役」は,それらの賞のみが当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン(13a,13b,13c)を操作したとしても必ず入賞する。このような役で構成される賞を,本実施例では100%入賞可能賞という。」
(オ)「【0120】
(4-3-5)RT2ゲーム
図7(a)に示すように,スロットマシン1は,BBゲームが終了した場合,最後のBBゲームの次ゲームから3ゲームを上限としたRT2ゲーム(第2確率変動ゲーム)を開始する。RT2ゲームは,再遊技2賞の内部抽選での当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。このため,RT開始出目となる「プラム赤7役」及び「プラム白7役」を表示する確率も高くなる。すなわち,このRT2ゲームは,RT1ゲームを開始する契機となるゲームとして機能する。
【0121】
(4-3-6)RT1ゲーム
図7(b)に示すように,再遊技2賞が当選したゲームでRT開始出目が入賞ライン上に揃った場合,スロットマシン1は,次ゲームから100ゲームのRT1ゲーム(第1確率変動ゲーム)を開始する。RT1ゲームは,再遊技1賞の内部抽選での当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。したがって,通常ゲームと比較して内部抽選でハズレとなることが減る。これにより,遊技者に要するベット操作が減少するので,遊技者が所有する遊技メダルの消費を抑えることができる。そのため,遊技者が,多くの遊技メダルを獲得できたBBゲームの終了を契機として,遊技を止めてしまうことを防止することができる。すなわち,BBゲームやRBゲームなどの特別ゲーム終了後にも,高い遊技性を継続的に提供することが可能となる。」
(カ)「【0129】
・ステップS103~S105:内部抽選処理
次に,CPU101は,内部抽選処理を実行することで,当選させる賞を決定する。この内部抽選処理では,CPU101は,まず,乱数抽選を行うことで,0000Hから3FFFH(0~16383)の範囲に含まれる数値を1つ取得する(S103)。この乱数抽選では,図示しないカウンタ回路が用いられる。カウンタ回路は,カウンタ値を0000Hから3FFFH(0~16383)の範囲で10ナノ秒毎に1つずつインクリメントすると共に,約1.6ミリ秒で0000Hから3FFFH(0~16383)の範囲を1巡回する動作を継続的に繰り返す。また,CPU101は,例えばスタートレバー12が操作された際に生成される開始操作指示信号112を検出したタイミングでカウンタ回路を参照し,このときのカウンタ値を入出力ポート107を介して取得する。このように,乱数抽選を行うことで乱数値を取得すると,次にCPU101は,各ゲーム種別フラグを参照して当選したゲームの種類に応じた賞抽選テーブルを選択する(S104)。その後,CPU101は,選択した賞抽選テーブルを使用して,ステップS103で取得した乱数値が賞抽選テーブル上の賞ごとに設定されたどの数値の範囲に属するかの判定を行い,該当する賞の当選フラグをセットする(S105)。」
(キ)「【0133】
・ステップS108:リール回転開始
次に,CPU101は,3つのリールを駆動するためリール駆動信号154a~154cにパルスを供給して,ステッピングモータを順次又は同時に回転させる(S108)。具体的には,CPU101は,複数の巻線相を励磁するための複数本の駆動信号ラインを介して,リール駆動信号154a~154cを,所定の位相パターンで各リール駆動モータ(54a~54c)に供給する。各リール駆動モータ(54a~54c)は,このパルス信号であるリール駆動信号154a~154cを受けることで各リール(R1~R3)を回転させる。その後,CPU1V01は,10ステップの加速期間を経て3つのリール(R1~R3)を全て一定回転速度に移行させる。次に,CPU101は,3つのリール(R1~R3)が一定回転速度に到達したことを検出した時点を基準時点とし,この基準時点から予め定めた自動停止時間が経過するまでの残り時間の計測を開始するとともに,各ストップボタン(13a~13c)に内蔵したLEDを点灯させることで,各ストップボタン(13a~13c)の受け付けができることを遊技者に知らせる。具体的には,CPU101は,ステッピングモータである各リール駆動モータ(54a~54c)の駆動信号ラインに供給するリール駆動信号154a~154cのパルス幅が一定となったことを検出し,この検出時点を基準時点とし,2ミリ秒毎に0までカウントダウンするタイマ値の初期値として30秒の自動停止時間を示す値を設定する。また,このとき各リールに対応するストップボタンに内蔵されているLEDを点灯させる。
・・・
【0135】
・ステップS109:リール停止処理
次に,CPU101は,3つのリール(R1~R3)を停止させるリール停止処理を行う(S109)。詳しくは後述するが,リール停止処理では,CPU101は,停止操作指示信号113a~113cを検出し,遊技者による各ストップボタン(13a~13c)の操作があった場合には,ステップS106で選択した停止リンクテーブルに基づき,各ストップボタン(13a~13c)の操作タイミングで得られたリール上の図柄位置と停止データテーブル群の停止データから停止させる図柄番号PNを決定し,全ての巻線相を同時に励磁する全相励磁によってブレーキ力を与えて,全相励磁を開始してから15ステップ相当分の惰性で回転して停止させるリール停止処理をそれぞれのリールに対して行う一方,基準時点から自動停止時間が経過すると,停止操作が行われなかったリール(R1~R3)を自動的に停止する。」
(ク)「【0139】
(5-2)賞抽選テーブル決定処理
次に,本実施例による賞抽選テーブルを図面と共に詳細に説明する。図9(a)は,ステップS104の賞抽選テーブル決定処理で選択される賞抽選テーブルの一例を示す説明図である。図9(a)に示す例では,通常ゲーム中,小役C賞,小役B賞,小役A賞,RB賞,BB2賞,BB1賞,再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞又はハズレのいずれかを内部抽選で決定するための当選確率は,それぞれ「120/16384」,「510/16384」,「64/16384」,「30/16384」,「25/16384」,「25/16384」,「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」,「13364/16384」と設定されている。CPU101は,図9(a)に示すように当選確率を示すデータが記憶された賞抽選テーブルTBL11を使用して内部抽選を行うことで,当選した賞の当選フラグをセットする。
【0140】
・賞抽選テーブルTBL11
図9(a)に示す賞抽選テーブルTBL11をより詳細に説明する。賞抽選テーブルTBL11において,テーブル格納アドレスADR11が示す賞抽選テーブルの先頭記憶領域には小役C賞の抽選区分データ「120」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が0~119の範囲に属している場合は小役C賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から02Hオフセットした記憶領域には小役B賞の抽選区分データ「510」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が120~629の範囲に属している場合は小役B賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から04Hオフセットした記憶領域には小役A賞の抽選区分データ「64」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が630~693の範囲に属している場合は小役A賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から06Hオフセットした記憶領域にはRB賞の抽選区分データ「30」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が694~723の範囲に属している場合はRB賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から08Hオフセットした記憶領域にはBB2賞の抽選区分データ「25」が記憶されている。したがって,724~748の範囲に属している場合はBB2賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から0AHオフセットした記憶領域にはBB1賞の抽選区分データ「25」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が749~773の範囲に属している場合はBB1賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から0CHオフセットした記憶領域には再遊技1賞の抽選区分データ「2244」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が774~3017の範囲に属している場合は再遊技1賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から0EHオフセットした記憶領域には再遊技2B賞の抽選区分データ「1」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が3018と一致している場合は再遊技2B賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から10Hオフセットした記憶領域には再遊技2A賞の抽選区分データ「1」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が3019と一致している場合は再遊技2A賞に当選したことを示す。ただし,図9に示す賞抽選テーブルTBL11は,ハズレに属する数値の幅のデータを記憶していない。したがって,CPU101は,取得した乱数値を小役C賞から再遊技2A賞まで順次抽選区分データと比較判定し,いずれの範囲にも属していないと判定した場合にハズレと判定する。なお,後述する賞抽選テーブルTBL12~17も抽選する対象とする賞や数値の幅が異なる以外は賞抽選テーブルTBL11と同じであるため,ここでは詳細な説明を省略する。」
(ケ)「【0211】
以上のように,再遊技2A賞停止リンクテーブルTBL22Aが参照する停止データテーブルは,停止操作タイミングで取得した停止操作図柄番号に応じて,再遊技2A賞が入賞すると共にRT開始出目となる「プラム-プラム-赤7」(「プラム赤7役」)か,再遊技2A賞の入賞のみとなる「プラム-プラム-プラム」(「プラム役」)のどちらかを表示させるデータとなっている。
【0212】
・再遊技2A賞又は再遊技2B賞の停止態様
図20は,再遊技2A賞又は再遊技2B賞が当選したゲームにおける停止態様を説明するための説明図である。上記に説明したとおり,スロットマシン1では,第2再遊技賞として,再遊技2A賞と再遊技2B賞の2つが設けられ,右リールR3のリール上の図柄位置に応じて,再遊技2A賞と再遊技2B賞とで入賞ライン上に表示する停止態様が切り替えられる。すなわち,停止操作図柄番号が「1」~「7」(図柄位置1)の場合には,図20(A)に示す再遊技2A賞の当選ゲームにおいて再遊技2A賞の役及びRT開始出目である「プラム-プラム-赤7」が表示され,図20(B)に示す再遊技2B賞の当選ゲームでは再遊技2A賞の役である「プラム-プラム-プラム」が表示される。また,停止操作図柄番号が「8」~「14」(図柄位置2)の場合には,図20(C)に示す再遊技2A賞の当選ゲームでは再遊技2B賞の役である「プラム-プラム-プラム」が表示され,図20(D)に示す再遊技2B賞の当選ゲームでは再遊技2B賞の役及びRT開始出目である「プラム-プラム-白7」が表示される。なお,図柄位置1が停止操作図柄番号「1」~「7」となり,図柄位置2が停止操作図柄番号「8」~「14」となるのは,右リールR3が最初に停止操作された場合である。これに対し,右リールR3が最後に停止操作された場合は,入賞する図柄位置の範囲が7コマから5コマに減り,RT開始出目が表示されないこととなる図柄位置が増えることになるが,再遊技2A賞と再遊技2B賞の双方でRT開始出目を表示する共通の図柄位置がないことには変わりないので制御上不都合が生じない。このように,本実施例では,再遊技2A賞が当選した場合と再遊技2B賞が当選した場合との双方でRT開始出目を表示する共通のリール上の図柄位置がない。」
(コ) 図6には「賞の種類」,「付与される遊技価値」,「再遊技賞」,「再遊技1 プラム-プラム-プラム 再ゲームの開始」,「再遊技2A プラム-プラム-赤7 再ゲームの開始 RT開始出目」,「再遊技2B プラム-プラム-白7 再ゲームの開始 RT開始出目」と記載されている。このことから,図6には,「プラム-プラム-赤7」,「プラム-プラム-白7」,及び「プラム-プラム-プラム」は,賞の種類としていずれも再ゲームの開始という遊技価値の付与が含まれる再遊技賞である点が図示されているといえる。
(サ) 図8には「リール回転開始S108」後に,「リール停止処理S109」を実行する点が図示されている。
(シ) 図8には「リール回転開始S108」の前に,S103~S105を実行する点が図示されている。また,【0133】の「各リール(R1~R3)を回転」という記載,【0129】の「ステップS103~S105:内部抽選処理」という記載を参照すると,図8には,リールR1~R3回転開始(S108)前に,内部抽選処理(S103~S105)を実行する点が図示されているといえる。
(ス) 図9(a)には「TBL11 ・・・ RB賞 BB2賞 BB1賞 再遊技1賞 再遊技2B賞 再遊技2A賞」と記載されている。また,【0139】の「図9(a)に示すように・・・賞抽選テーブルTBL11を使用して内部抽選を行う」という記載を参照すると,図9(a)には,賞抽選テーブルTBL11が,再遊技1賞,再遊技2A賞及び再遊技2B賞を含む点が図示されているといえる。
上記(ア)~(ケ)の記載事項及び上記(コ)~(ス)の図示された内容から,以下のことがいえる(認定)。
なお,(a)~(k)は,本願補正発明の構成A~Kに対応した事項を示している。
(a) 上記【0011】には「複数種類の図柄を可変表示可能な複数の表示列(R1~R3)と,・・・を備え」と記載され,上記【0133】には「3つのリール(R1~R3)」と記載されている。
これらのことから,上記【0011】及び【0133】には,複数種類の図柄を可変表示可能な3つのリールR1~R3を備えた点が記載されているといえる。
(b) 上記【0011】には「複数の表示列の可変表示の開始・・・可変表示の各々の停止・・・停止した・・・表示列(R1~R3)の・・・入賞ライン(L1~L5)上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞・・・する遊技機(1)」と記載され,上記【0133】には「3つのリール(R1~R3)」と記載され,上記【0108】には「スロットマシン1」と記載され,上記(サ)に示したように,図8には,リール回転開始S108後に,リール停止処理S109を実行する点が図示されている。
これらのことから,上記【0011】,【0108】,【0133】及び図8には,リールR1~R3の可変表示を開始した後,可変表示を停止し,停止したリールR1~R3の入賞ラインL1~L5上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞するスロットマシン1が記載されているといえる。
(c) 上記【0121】には「RT1ゲームは,再遊技1賞の・・・当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。・・・通常ゲーム」と記載され,上記【0120】には「RT2ゲームは,再遊技2賞の・・・当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。」と記載されている。
これらのことから,上記【0120】~【0121】には,通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームがある点が記載されているといえる。
また,上記【0139】には「図9(a)に示す例では,通常ゲーム中,・・・再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞,・・・のいずれかを内部抽選で決定する・・・。CPU101は,図9(a)に示すように・・・賞抽選テーブルTBL11を使用して内部抽選を行う」と記載されている。しかしながら,上記【0140】には「賞抽選テーブルTBL11において,・・・再遊技1賞の抽選区分データ「2244」が記憶され・・・取得した乱数値が774~3017の範囲に属している場合は再遊技1賞に当選し・・・再遊技2B賞の抽選区分データ「1」が記憶され・・・取得した乱数値が3018と一致している場合は再遊技2B賞に当選し・・・再遊技2A賞の抽選区分データ「1」が記憶され・・・取得した乱数値が3019と一致している場合は再遊技2A賞に当選し」と記載され,上記(ス)に示したように,図9(a)には,賞抽選テーブルTBL11が,再遊技1賞,再遊技2A賞及び再遊技2B賞を含む点が図示されているから,上記【0139】の「再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞」は「再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞」の誤記であるといえる。
加えて,上記(シ)に示したように,図8には,リールR1~R3回転開始(S108)前に,内部抽選処理(S103~S105)を実行する点が図示されている。
これらのことから,上記【0139】~【0140】及び図8,9(a)には,通常ゲームにおいて,リールR1~R3回転開始(S108)前に,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101が記載されているといえる。
そして,上記【0111】には「再遊技1賞は,・・・「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役(・・・「プラム役・・・」ともいう)が対応づけられている。再遊技2A賞・・・は,・・・「プラム-プラム-赤7」・・・で構成される役(・・・「プラム赤7役・・・」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役・・・が対応づけられている。再遊技2B賞・・・は,・・・「プラム-プラム-白7」・・・で構成される役(・・・「プラム白7役・・・」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役・・・が対応づけられている。」と記載され,上記【0113】には「「プラム赤7役」及び「プラム白7役」はRT1ゲームの開始契機となる」と記載されている。
これらのことから,上記【0111】及び【0113】には,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞が記載されているといえる。
以上のことから,上記【0111】,【0113】,【0120】~【0121】,【0139】~【0140】及び図8,9(a)には,通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームのうちの通常ゲームにおいて,リールR1~R3回転開始(S108)前に,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101が記載されているといえる。
(g,g1~3,5) 上記(c)において検討したように,上記【0139】~【0140】及び図8,9(a)には,通常ゲームにおいて,リールR1~R3回転開始(S108)前に,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101が記載されているといえると共に,上記【0111】及び【0113】には,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞が記載されているといえる。
これらのことから,【0111】,【0113】,【0139】~【0140】及び図8,9(a)には,内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101は,通常ゲームにおいて,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞と,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞と,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞とを含むいずれかに決定する点が記載されているといえる。
(h1~2) 上記【0211】には「停止操作タイミングで取得した停止操作図柄番号に応じて・・・表示させる」と記載され,上記【0212】には「右リールR3の・・・停止操作図柄番号が「1」~「7」(図柄位置1)の場合には,・・・再遊技2A賞の当選ゲームにおいて・・・「プラム-プラム-赤7」が表示され・・・停止操作図柄番号が「8」~「14」(図柄位置2)の場合には,・・・再遊技2A賞の当選ゲームでは・・・「プラム-プラム-プラム」が表示され・・・図柄位置1が停止操作図柄番号「1」~「7」となり,図柄位置2が停止操作図柄番号「8」~「14」となるのは,右リールR3が最初に停止操作された場合である」と記載されている。
これらのことから,上記【0211】~【0212】には,再遊技2A賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」~「7」の場合には,「プラム-プラム-赤7」が表示され,停止操作図柄番号が「8」~「14」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示される点が記載されているといえる。
(h3~4) 上記【0211】には「停止操作タイミングで取得した停止操作図柄番号に応じて・・・表示させる」と記載され,上記【0212】には「右リールR3の・・・停止操作図柄番号が「1」~「7」(図柄位置1)の場合には,・・・再遊技2B賞の当選ゲームでは・・・「プラム-プラム-プラム」が表示され・・・停止操作図柄番号が「8」~「14」(図柄位置2)の場合には,・・・再遊技2B賞の当選ゲームでは・・・「プラム-プラム-白7」が表示され・・・図柄位置1が停止操作図柄番号「1」~「7」となり,図柄位置2が停止操作図柄番号「8」~「14」となるのは,右リールR3が最初に停止操作された場合である」と記載されている。
これらのことから,上記【0211】~【0212】には,再遊技2B賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「8」~「14」の場合には,「プラム-プラム-白7」が表示され,停止操作図柄番号が「1」~「7」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示される点が記載されているといえる。
(h5) 上記【0114】には「入賞ライン上に「プラム」図柄・・・停止させることが可能・・・「プラム役」・・・の賞のみが当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン(13a,13b,13c)を操作したとしても必ず入賞する」と記載され,上記【0111】には「再遊技1賞は,・・・「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役(・・・「プラム役・・・」ともいう)が対応づけられている」と記載されている。
これらのことから,上記【0111】及び【0114】には,再遊技1賞が当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても必ず「プラム-プラム-プラム」を停止させ入賞した点が記載されているといえる。
(k) 上記(c)で検討したように,上記【0139】の「再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞」は「再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞」の誤記であるから,上記【0139】には「通常ゲーム中,・・・再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞・・・の当選確率は,それぞれ・・・「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」,・・・と設定されている」ことが記載されているといえる。
また,上記【0108】には「スロットマシン1」と記載されている。
これらのことから,上記【0108】及び【0139】には,通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されているスロットマシン1が記載されているといえる。
上記(イ)【0050】,(キ)【0135】の記載事項,(コ)の図示内容,及び上記(a)~(c),(g),(h1)~(h4)の認定事項から,甲第17号証には,次の発明(以下,「甲17発明」という。a~h4は,本件発明の分説(A~H4)に対応させて,当審にて付与。)が開示されていると認められる。
「a 複数種類の図柄を可変表示可能な3つのリールR1~R3を備え(認定事項(a)),
b リールR1~R3の可変表示を開始した後,可変表示を停止し,停止したリールR1~R3の入賞ラインL1~L5上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞するスロットマシン1において(認定事項(b)),
c 通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームのうちの通常ゲームにおいて,リールR1~R3回転開始(S108)前に,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101と(認定事項(c)),
d 遊技者がリールR1~R3の回転を停止させるためのストップボタン13a,13b,13cと(【0050】),
e 3つのリールR1~R3を停止させるリール停止処理を行うCPU101と(【0135】),
f 「プラム-プラム-赤7」,「プラム-プラム-白7」,及び「プラム-プラム-プラム」は,賞の種類としていずれも再ゲームの開始という遊技価値の付与が含まれる再遊技賞であり(図示内容(コ)),
g 内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101は,通常ゲームにおいて,
g1 「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞と,
g2 「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞と,
g3 「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞と,
g5 を含むいずれかに決定し(認定事項(g,g1~3,5)),
h リール停止処理を行うCPU101は(【0135】),
h1 再遊技2A賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」~「7」の場合には,「プラム-プラム-赤7」が表示され,
h2 停止操作図柄番号が「8」~「14」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され(認定事項(h1~2)),
h3 再遊技2B賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「8」~「14」の場合には,「プラム-プラム-白7」が表示され,
h4 停止操作図柄番号が「1」~「7」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され(認定事項(h3~4)),
h5 再遊技1賞が当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても必ず「プラム-プラム-プラム」を停止させ入賞し(認定事項(h5)),
k 通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されているスロットマシン1(認定事項(k))」
(18)甲第18号証(特許第5932895号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させる終了入賞と,前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
前記終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
前記事前決定手段は,
前記一の遊技状態において前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,を決定可能であり,
前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,
前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴とするスロットマシン。」
(イ)また,甲第18号証の特許である特許第5932895号は,平成28年12月7日に特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立て(異議2016-701121)がなされ,平成29年7月28日付けの異議決定で,訂正が認められると共に特許が維持されており,維持された特許は,平成29年7月28日付けの異議決定の第3 1に記載された,次の発明(以下,「甲18発明」という。)である(異議決定に記載されたA~Kは,当審でa~kに修正すると共に,kは本件発明の構成Kと構成が異なるので,k’した。)。
「【請求項1】
a 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
b 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
c 遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
d 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
e 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
f 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
g 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
g1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
g2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
g3 前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
g4 前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
g5 前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
h 前記導出制御手段は,
h1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
h3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
h5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
h6 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h7 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
h8 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h9 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
i 前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
j 前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,
k’前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴とするスロットマシン。」
第3 当審の判断
1 【理由1】(29条1項3号)及び【理由2】(29条2項)
本件発明は,甲17発明と同一であるか,又は甲17発明及び甲第3~4号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるか検討する。
本件発明と甲17発明を対比する。
(a)甲17発明の「図柄」,「可変表示可能」及び「リールR1~R3」は,それぞれ,本件発明の「識別情報」,「変動表示可能」及び「可変表示部」に相当する。
甲17発明の「複数種類の図柄」は,遊技者がどの図柄か把握できるように,各々が識別可能であることは明らかである。
これらのことから,甲17発明の「複数種類の図柄を可変表示可能な3つのリールR1~R3を備え」は,本件発明の「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え」に相当する。
(b)甲17発明の「停止したリールR1~R3の入賞ラインL1~L5上の図柄の組合せ」及び「スロットマシン1」は,それぞれ,本件発明の「表示結果」及び「スロットマシン」に相当する。
このことから,甲17発明の「リールR1~R3の可変表示を開始した後,可変表示を停止し,停止したリールR1~R3の入賞ラインL1~L5上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞するスロットマシン1」は,
本件発明の「前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン」に相当する。
(c)甲17発明の「通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲーム」,「通常ゲーム」,「リールR1~R3回転開始(S108)前」及び「内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101」は,それぞれ,本件発明の「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態」,「一の遊技状態」,「表示結果が導出される前」,及び「事前決定手段」に相当する。
また,甲17発明の「RT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」」,及び「RT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」」は,RT1ゲームの開始契機であり,通常ゲーム中に入賞することによりRT1ゲームに移行し,RT1ゲームに移行することにより通常ゲームは終了することになると共に,「RT1ゲーム」は「再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定され」ており,「通常ゲーム」より遊技者にとって有利な状態であることは明らかであるから,本件発明の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞」に相当する。
そして,甲17発明の「プラム-プラム-プラム」は,RT1ゲームの開始契機ではなく,通常ゲーム中に入賞しても他の遊技状態に移行せず通常ゲームを継続することになるから,本件発明の「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞」に相当する。
これらのことから,甲17発明の「通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームのうちの通常ゲームにおいて,リールR1~R3回転開始(S108)前に,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101」は,
本件発明と「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と」,「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段」である点で共通している。
(d)甲17発明の「ストップボタン13a,13b,13c」は,本件発明の「導出操作手段」に相当する。
甲17発明の「リールR1~R3の回転を停止させるため」の「ストップボタン13a,13b,13c」は,「リールR1~R3の回転」が停止することにより,甲17発明の構成bのように「停止したリールR1~R3の入賞ラインL1~L5上の図柄の組合せ」が表示されるから,表示結果を導出させるために操作するものであるといえる。
これらのことから,甲17発明の「遊技者がリールR1~R3の回転を停止させるためのストップボタン13a,13b,13c」は,本件発明の「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段」に相当する。
(e)甲17発明の「リール停止処理を行うCPU101」は,本件発明の「導出制御手段」に相当する。
このことから,甲17発明の「3つのリールR1~R3を停止させるリール停止処理を行うCPU101」は,本件発明の「表示結果を導出する制御を行う導出制御手段」に相当する。
(f)甲17発明の「再ゲーム」及び「再遊技賞」は,それぞれ,本件発明の「再遊技」及び「再遊技入賞」に相当する。
このことから,甲17発明の「「プラム-プラム-赤7」,「プラム-プラム-白7」,及び「プラム-プラム-プラム」は,いずれも再ゲームの開始という遊技価値の付与が含まれる再遊技賞であり」は,
本件発明の「前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり」に相当する。
(g,g1~3,5)甲17発明の「再遊技2A賞」,「再遊技2B賞」及び「再遊技1賞」は,それぞれ,本件発明の「第1決定」,「第2決定」及び「第3決定」に相当する。
また,「再遊技1賞」は,RT1ゲームの開始契機となる図柄の組合せが対応付けられていないから,第1終了入賞の発生を許容するものではない。
これらのことから,甲17発明の「内部抽選処理(S103~105)を実行するCPU101は,通常ゲームにおいて,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞と,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞と,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞とを含むいずれかに決定し」は,
本件発明と「前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記第1終了入賞の発生を許容する旨」を「許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と」,「を決定可能であ」る点で共通している。
(h,h1~2)甲17発明の「右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」~「7」の場合」は,本件発明の「第1手順」に相当し,甲17発明の「右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが」「停止操作図柄番号が「8」~「14」の場合」は,本件発明の「第2手順」に相当する。
このことから,甲17発明の「リール停止処理を行うCPU101は,再遊技2A賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」~「7」の場合には,「プラム-プラム-赤7」が表示され,停止操作図柄番号が「8」~「14」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され」は,
本件発明の「前記導出制御手段は,前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し」に相当する。
(h3~4)甲17発明の「再遊技2B賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「8」~「14」の場合には,「プラム-プラム-白7」が表示され,停止操作図柄番号が「1」~「7」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され」は,
本件発明の「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し」に相当する。
(h5)甲17発明の「遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても」は,本件発明の「前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても」に相当する。
このことから,甲17発明の「再遊技1賞が当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても必ず「プラム-プラム-プラム」を停止させ入賞し」は,
本件発明の「前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し」に相当する。
(k)甲17発明の「当選確率」は,本件発明の「確率」に相当する。
また,甲17発明では,「通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されて」いるから,通常ゲーム中において,再遊技2A賞「当選確率:1/16384」が当選する確率よりも,再遊技1賞「当選確率:2244/16384」が当選する確率の方が高く,再遊技2B賞「当選確率:1/16384」が当選する確率よりも,再遊技1賞「当選確率:2244/16384」が当選する確率の方が高いといえる。
これらのことから,甲17発明の「通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されているスロットマシン1」は,
本件発明の「前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い,スロットマシン。」に相当する。
上記(a)~(k)から,本件発明と甲17発明とは,
[一致点]
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
B 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
C’遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
E 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
F 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
G 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
G1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
G2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
G3’前記第1終了入賞の発生を許容する旨を許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
G5’を決定可能であり,
H 前記導出制御手段は,
H1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
K 前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い,スロットマシン。」
である点で一致し,以下の点で相違している。
[相違点1](構成Cに関して)
「事前決定手段」が「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において」,「発生を許容するか否かを決定する」,「複数種類の入賞」に関して,
本件発明は,「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞」を含むのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。
[相違点2](構成G3~5[構成G]に関して)
「前記事前決定手段」が「前記一の遊技状態において」「決定可能」な決定に関して,
本件発明は,「前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と」を含むのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。
[相違点3](構成H6~9[構成H,H1~5]に関して)
「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出」する「前記導出制御手段」に関して,
本件発明は,「前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出」しないのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。
[相違点4](構成I~Jに関して)
本件発明は,「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であ」るのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。
イ 判断
上記相違点について検討する。
(ア)相違点1について
甲17発明には,通常ゲーム(一の遊技状態)において,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム(遊技者にとって有利な有利状態)の開始契機となる再遊技2A賞(第1終了入賞)と再遊技2B賞(第1終了入賞)と,再遊技1賞(継続入賞)と,を含むいずれかに決定する内部抽選処理を実行する点は記載されているが,一の遊技状態において,遊技者にとって不利な不利状態に移行させる点が記載されていない。
また,甲第3~4号証には,一の遊技状態において,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,を含むいずれかに決定する点は,記載も示唆もされておらず,周知であるともいえない。
それに,甲第1~2,5~16号証にも,一の遊技状態において,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,を含むいずれかに決定する点は,記載も示唆もされておらず,周知であるともいえない。
そして,本件発明は,上記相違点1に係る構成を備えることにより,一の遊技状態では,遊技者にとって有利な有利状態,または遊技者にとって不利な不利状態のどちらか一方にのみ移行するのではなく,第1終了入賞及び第2終了入賞のうちどちらの終了入賞が先に発生するかにより,有利状態にも不利状態にも移行し得るため,一の遊技状態における興趣を高めることができるという効果を奏するものである。
したがって,本件発明の上記相違点1に係る構成は,甲17発明及び周知技術(甲第3~4号証,及び甲第1~2,5~16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
(イ)相違点2について
相違点2に係る本件発明の構成には,「第2終了入賞の発生を許容する」構成が含まれ,上記構成は上記相違点1に係る構成を有することを前提とした構成である。
上記「(ア)相違点1について」において既に検討したように,上記相違点1に係る本件発明の構成は,甲17発明及び周知技術(甲第3~4号証,及び甲第1~2,5~16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえないから,上記相違点1に係る本件発明の構成を有することを前提とした,上記相違点2に係る本件発明の構成とすることも,当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
ウ 小括
以上のことから,上記相違点1~2に係る本件発明の構成とすることは,甲17発明及び周知技術(甲第3~4号証,及び甲第1~2,5~16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものではない。
したがって,上記相違点3~4について検討するまでもなく,本件発明は甲17発明と同一ではなく,甲17発明及び周知技術(甲第3~4号証,及び甲第1~2,5~16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
2 【理由3】(36条6項2号)
(1)【理由3-1】(36条6項2号)
【課題を解決するための手段】の欄の記載である本件特許明細書の【0006】~【0018】の記載が,不明確であるかについて検討する。
平成29年11月14日付け訂正請求書の訂正事項7~15において,本件特許明細書の【0006】~【0008】,【0011】,【0013】~【0017】の「本発明の」なる記載を削除する訂正を行うことにより,本件特許明細書の【0005】の「本発明の請求項1に記載のスロットマシン」の記載は,本件特許明細書の【0006】~【0018】の本発明と関係のない記載と区別して記載されていることが明確になったから,本件発明は明確であるといえる。
(2)【理由3-2】(36条6項2号)
本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載と,図6の記載とが一致しないため,本件発明の構成が不明確であるかについて検討する。
平成29年11月14日付け訂正請求書の訂正事項19において,図6の記載を,本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載に整合させる訂正を行うことにより,本件発明は明確になったといえる。
したがって,本件特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。
3 特許異議申立理由について
特許異議申立書(第81頁第6行~第83頁第6行[【理由3-3】],第115頁第24行~第118頁第15行[【理由4】])では,当審による平成29年9月12日付け取消理由通知で言及したこと以外で,以下の【理由3-3】及び【理由4】の取消理由がある旨主張している。
(1)【理由3-3】(36条6項2号)
特許請求の範囲の発明特定事項である「終了入賞」「継続入賞」「事前決定手段」「導出操作手段」「導出制御手段」「第1決定」「第2決定」「第3決定」「第1手順」「第2手順」なる語句が,【発明を実施するための形態】に記載されていないため,これらの発明特定事項の意味が不明であり,本願発明が不明確である旨主張している。
しかしながら,本件出願の原出願である特願2014-135851号の平成26年11月20日提出上申書,平成27年11月5日提出意見書にも説明があり,これらの発明特定事項は理解できるから,本件発明は明確であるといえる。
したがって,本件特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。
(2)【理由4】(39条2項)
訂正前の請求項1に係る発明は,特許第5932895号(甲第18号証)に記載された発明と同一であり,特許法第39条第2項の規定に違反してされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである旨主張している。
訂正後の上記第3 1に記載された本件発明と,上記第3 6 (18)(イ)に記載した,特許異議の申立て(異議2016-701121)の平成29年7月28日付けの異議決定に記載された発明である甲18発明とが同一であるか検討する。
本件発明と甲18発明とを比較するすると,本件発明と甲18発明とは,
[一致点]
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
B 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
C 遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
E 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
F 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
G 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
G1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
G2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
G3 前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
G4 前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
G5 前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
H 前記導出制御手段は,
H1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H6 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H7 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
H8 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H9 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
I 前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
J 前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順である,
K’スロットマシン。」
である点で一致し,以下の点で相違している。
[相違点](構成Kに関して)
本件発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」のに対して,
甲18発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」点。
[判断]
上記相違点について検討する。
本件発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」発明であり,「前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が」低い場合を含む。
しかしながら,甲18発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」発明であり,「前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が」低い場合を含まないから,本件発明は,甲18発明と同一であるとはいえない。
したがって,本件発明は,甲18発明と同一であるとはいえず,特許法第39条第2項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。
4 特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は,平成29年12月27日付け意見書において,今回の訂正請求は,訂正要件違反の訂正を含んでいるので,訂正は認められない旨主張している。
具体的には,概ね以下のように主張している。
(1)訂正事項1において「不利状態」を追加したが,本件特許明細書等(【0195】,【0198】,図7~8)の記載から,「初期遊技状態」(一の遊技状態)よりも「リプレイタイム(1)(RT(1))」(不利状態)の方が不利な状態であるか不明確であるから,訂正は認められない。
(2)訂正事項1において「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる」の記載を追加するためには,「リプレイタイム(1)(RT(1))」(不利状態)が,「初期遊技状態」(一の遊技状態)よりも,(a)特別役の当選確率を低下させる,(b)小役の抽選確率を低下させる,(c)再遊技役の抽選確率を低下させる,のいずれかの条件を満たす必要があるが,(a)~(c)のいずれかの条件を満たす点は記載されていないので,訂正事項1は本件特許明細書等の範囲内の訂正でないから,訂正は認められない。
しかしながら,訂正事項1の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞」という記載における「遊技者にとって不利な不利状態」とは,「一の遊技状態」と比較して不利な状態ではなく,ゲームを続けるとメダルが減少するという「遊技者にとって不利な不利状態」のことであり,上記第2 2 (1)イにおいて既に検討したように,「遊技者にとって不利な不利状態」と訂正した点は,本件特許明細書の【0195】,【0198】の記載から導き出せるから,特許異議申立人の平成29年12月27日付け意見書における主張(上記(1)~(2)の主張)を採用することはできない。
第4 むすび
以上のことから,上記取消理由,並びに,特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては,訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
よって,結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2017-700674