特許訂正審判
2017-390139
ベルト式無段変速機のプーリ支持構造、およびベルト式無段変速機
- 審判番号
- 2017-390139
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2010-544195
- 登録番号
- 特許第5423687号(P5423687)
- 請求日
- 2017年12月04日
- 審決日
- 2018年03月13日
- 公報発行日
- 2018年06月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本精工 株式会社
- 【請求人代理人】松山 美奈子
- 審判長/審判官
- 審判長 平田 信勝
- 審判官 内田 博之
- 審判官 滝谷 亮一
- 分類
- P141 .851-Y (F16H) / P141 .853-Y (F16H) / P141 .854-Y (F16H) / P141 .855-Y (F16H) / P141 .856-Y (F16H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第131条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5423687号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5423687号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5423687号についての出願は、2009年12月28日(優先権主張2008年12月26日、日本国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1ないし6に係る発明について、平成25年12月6日に特許権の設定登録がなされ、平成29年12月4日に本件訂正審判の請求がなされ、平成30年1月10日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年1月25日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 審判請求書及び訂正明細書の補正及びその適否
当審において平成30年1月10日付けの訂正拒絶理由で訂正事項4は特許法第126条第1項ただし書各号のいずれをも目的としたものでない旨を通知し、「なお書き」として、審判請求書の誤記を指摘した。
特許権者は平成30年1月25日付けで審判請求書及び訂正明細書を補正する手続補正書を提出した。当該手続補正書による補正の内容は、以下のとおりである。
1 訂正事項4の削除
審判請求書に添付された訂正明細書の段落[0061]の記載(訂正事項4に関する記載)を本件訂正審判の請求前の記載に戻すとともに、審判請求書の「6.請求の理由」の「(2)訂正事項」から「エ 訂正事項4」を削除し、「(3)訂正の理由」の「ア 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」から「(エ)訂正事項4」を削除する。
2 誤記の訂正
審判請求書の6(2)アの括弧書きの「(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4~6も同様に訂正する)」との記載を「(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~6も同様に訂正する)」に、6(3)ア(ア)a及びcの「請求項4~6」との記載を「請求項2~6」に、6(3)ア(ウ)a~cの「請求項1及び3~6」との記載を「請求項1~6」に、それぞれ訂正する。
上記1 訂正事項4の削除及び上記2 誤記の訂正は、いずれも審判請求書の要旨を変更するものではない。
したがって、特許法特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、上記補正を認める。
そして、当審による訂正拒絶理由は解消した。
第3 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の趣旨は、「特許第5423687号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」ものであり、その訂正の内容は次のとおりである。(下線は特許権者が付した。以下同様。)
1 訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「使用時におけるラジアル方向隙間が-30μm以上10μm以下であり」との記載を、「使用時におけるラジアル方向隙間が-20μm以上10μm以下であり」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~6も同様に訂正する)。
2 訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項3の「使用時におけるラジアル方向隙間が-30μm以上-3μm以下であり」との記載を、「使用時におけるラジアル方向隙間が-20μm以上-3μm以下であり」に訂正する(請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4~6も同様に訂正する)。
3 訂正事項3
訂正前の明細書の段落[0010]、[0014]、[0024]、[0033]、[0034]及び[0062]の使用時におけるラジアル方向隙間についての「-30μm以上10μm以下」との記載を、「-20μm以上10μm以下」に訂正し、訂正前の明細書の段落[0014]の使用時におけるラジアル方向隙間についての「-30μm以上-3μm以下」との記載を、「-20μm以上-3μm以下」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項1の使用時におけるラジアル方向隙間についての下限を「-30μm以上」から「-20μm以上」に減縮するものであり、請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~6も、使用時におけるラジアル方向隙間についての下限を同様に減縮するものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項1におけるラジアル方向隙間についての下限「-20μm以上」に関して、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落[0058][表3]の試験軸受13の、ラジアル方向隙間の欄に「-0.02mm」と記載されており、最大接触面圧の欄には「2500MPa」と記載されている。
また、前記[表3]の試験軸受13~19に関する記載からは、ラジアル方向隙間が-0.02mm以上(-20μm以上)であれば、最大接触面圧が2500MPa以下になることが把握できる。
さらに、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)の請求項1には、「最大接触面圧が2500MPa以下」と記載されている。
そうすると、最大接触面圧が2500MPa以下となるラジアル方向隙間を-20μm以上とすることは、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項1において、「使用時におけるラジアル方向隙間」についての下限を「-20μm以上」に減縮するものであるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、訂正事項1は、請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~6についても同様に、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)特許独立要件について
訂正事項1により訂正された訂正後の特許請求の範囲の請求項1~6に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された本件特許請求の範囲の請求項1~6に係る発明を減縮したものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でないことは明らかであり、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項3の使用時におけるラジアル方向隙間についての下限を「-30μm以上」から「-20μm以上」に減縮するものであり、請求項3を直接的又は間接的に引用する請求項4~6も、使用時におけるラジアル方向隙間についての下限を同様に減縮するものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項2におけるラジアル方向隙間についての下限「-20μm以上」に関して、本件特許明細書の段落[0058][表3]の試験軸受13の、ラジアル方向隙間の欄に「-0.02mm」と記載されており、最大接触面圧の欄には「2500MPa」と記載されている。
また、前記[表3]の試験軸受13~19に関する記載からは、ラジアル方向隙間の欄が-0.02mm以上(-20μm以上)であれば、最大接触面圧が2500MPa以下になることが把握できる。
さらに、本件特許請求の範囲の請求項1には、「最大接触面圧が2500MPa以下」と記載されている。
そうすると、最大接触面圧が2500MPa以下となるラジアル方向隙間を-20μm以上とすることは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項3において、「使用時におけるラジアル方向隙間」についての下限を「-20μm以上」に減縮するものであるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、訂正事項2は、請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4~6についても同様に、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)特許独立要件について
訂正事項2により訂正された訂正後の特許請求の範囲の請求項3~6に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された本件特許請求の範囲の請求項3~6に係る発明を減縮したものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でないことは明らかであり、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
3 訂正事項3
(1)訂正の目的
訂正事項3は、訂正事項1及び2に係る訂正(請求項1,3の減縮)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、本件特許明細書の段落[0010]及び[0014]を訂正し、また、発明の詳細な説明の発明を実施するための形態中における記載が整合するように段落[0024]、[0033]、[0034]及び[0062]を訂正し、使用時におけるラジアル方向隙間についての「-30μm以上10μm以下」との記載を、「-20μm以上10μm以下」に訂正し、段落[0014]の使用時におけるラジアル方向隙間についての「-30μm以上-3μm以下」との記載を、「-20μm以上-3μm以下」に訂正するものである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無
訂正事項3における使用時におけるラジアル方向隙間についての下限を「-20μm以上」とする訂正は、上記訂正事項1及び2と同様に、本件特許明細書の段落[0058][表3]の試験軸受13~19に関する記載に基くと解されるから、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項3に係る訂正は、上記(1)のとおり訂正事項1及び2により訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであり、また、特許明細書中において記載の整合を図るものであり、訂正事項1及び2と同様に、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定を満たすものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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