特許訂正審判
2017-390080
車両のテールゲート構造
- 審判番号
- 2017-390080
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2003-309484外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年08月15日
- 審決日
- 2017年12月18日
- 公報発行日
- 2018年03月30日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (B60J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第3904213号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第3904213号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第3904213号は、平成15年9月2日に出願され、平成19年1月19日に特許権の設定登録がされ、その後、平成29年8月15日に本件訂正審判の請求がされ、同年9月5日に手続補正指令がされ、同年9月25日に手続補正書が提出されたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第3904213号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 本件訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「前記ヒンジ基部の上部を覆うヒンジカバー部材が、前記接合溝部に嵌装され、かつ前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結されている」とあるのを、「前記ヒンジ基部の上部を覆うヒンジカバー部材が、前記接合溝部に嵌装され、かつ前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対してルーフモールの後端に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結されている」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項4及び5も同様に訂正する。)。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項6に、「当該ヒンジ基部を覆うヒンジカバー部材の一端を前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結し、」とあるのを、「当該ヒンジ基部を覆うヒンジカバー部材の一端を前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対してルーフモールの後端に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結し、」に訂正する。
3 訂正事項3
願書に添付した明細書の段落【0008】を、以下のとおり訂正する。
「【0008】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車両の後方開口部の上部左右両端に配設したテールゲートヒンジ部材によってテールゲートを開閉自在に取り付ける車両のテールゲート構造であって、前記テールゲートヒンジ部材が、ルーフパネルの側端辺と、サイドフレームの上側端辺との接合部に、車両の前後方向に延設され、かつ上方に開口する断面コ字状の接合溝部の後端底部に固着されたヒンジ基部と、前記テールゲートに装着されるとともに、前記ヒンジ基部に回動自在に枢支されたゲートヒンジ部とを備え、前記ヒンジ基部の上部を覆うヒンジカバー部材が、前記接合溝部に嵌装され、かつ前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結されていることを特徴とする車両のテールゲート構造を発明の構成とする。」
とあるのを、
「【0008】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車両の後方開口部の上部左右両端に配設したテールゲートヒンジ部材によってテールゲートを開閉自在に取り付ける車両のテールゲート構造であって、前記テールゲートヒンジ部材が、ルーフパネルの側端辺と、サイドフレームの上側端辺との接合部に、車両の前後方向に延設され、かつ上方に開口する断面コ字状の接合溝部の後端底部に固着されたヒンジ基部と、前記テールゲートに装着されるとともに、前記ヒンジ基部に回動自在に枢支されたゲートヒンジ部とを備え、前記ヒンジ基部の上部を覆うヒンジカバー部材が、前記接合溝部に嵌装され、かつ前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対してルーフモールの後端に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結されていることを特徴とする車両のテールゲート構造を発明の構成とする。」
4 訂正事項4
願書に添付した明細書の段落【0009】を、以下のとおり訂正する。
「【0009】
この車両のテールゲート構造において、ルーフパネルの側端辺と、サイドフレームの上側端辺との接合部に、車両の前後方向に延設され、かつ上方に開口する断面コ字状の接合溝部を有する構造のルーフ、いわゆるモヒカンルーフを備える車両において、前記接合溝部にテールゲートヒンジ部材のヒンジ基部を固着することによって、ヒンジ基部に回動自在に枢支されたゲートヒンジ部が装着されたテールゲートが開閉可能に支持される。また、前記接合溝部に嵌装されるヒンジカバー部材によって前記ヒンジ基部の上部が覆われる。これによって、車両の外観を損なわずに、テールゲートヒンジ部材が外部に露出するのを防止することができる。さらに、ヒンジカバー部材が、ルーフモールの延在方向に対して相対変位可能にルーフモールの後端に連結されることによって、ヒンジカバー部材と他の部材、例えば、ルーフモール、テールゲートヒンジ部材のヒンジ基部との合わせ組み付け性の向上を図ることができる。」
とあるのを、
「【0009】
この車両のテールゲート構造において、ルーフパネルの側端辺と、サイドフレームの上側端辺との接合部に、車両の前後方向に延設され、かつ上方に開口する断面コ字状の接合溝部を有する構造のルーフ、いわゆるモヒカンルーフを備える車両において、前記接合溝部にテールゲートヒンジ部材のヒンジ基部を固着することによって、ヒンジ基部に回動自在に枢支されたゲートヒンジ部が装着されたテールゲートが開閉可能に支持される。また、前記接合溝部に嵌装されるヒンジカバー部材によって前記ヒンジ基部の上部が覆われる。これによって、車両の外観を損なわずに、テールゲートヒンジ部材が外部に露出するのを防止することができる。さらに、ヒンジカバー部材が、ルーフモールの延在方向に対してルーフモールの後端に対して相対変位可能にルーフモールの後端に連結されることによって、ヒンジカバー部材と他の部材、例えば、ルーフモール、テールゲートヒンジ部材のヒンジ基部との合わせ組み付け性の向上を図ることができる。」
5 訂正事項5
願書に添付した明細書の段落【0018】を、以下のとおり訂正する。
「【0018】
請求項6に記載の発明は、ルーフパネルの側端辺と、サイドフレームの上側端辺との接合部に、車両の前後方向に延設され、かつ上方に開口する断面コ字状の接合溝部の後端底部にテールゲートヒンジ部材のヒンジ基部を固着した後、当該ヒンジ基部を覆うヒンジカバー部材の一端を前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結し、他端を前記ヒンジ基部のカバー取り付け部に係着することを特徴とするテールゲートヒンジ部材の取り付け方法を発明の構成とする。」
とあるのを、
「【0018】
請求項6に記載の発明は、ルーフパネルの側端辺と、サイドフレームの上側端辺との接合部に、車両の前後方向に延設され、かつ上方に開口する断面コ字状の接合溝部の後端底部にテールゲートヒンジ部材のヒンジ基部を固着した後、当該ヒンジ基部を覆うヒンジカバー部材の一端を前記接合溝部に車両の前後方向に沿って嵌装されるルーフモールの延在方向に対してルーフモールの後端に対して相対変位可能に前記ルーフモールの後端に連結し、他端を前記ヒンジ基部のカバー取り付け部に係着することを特徴とするテールゲートヒンジ部材の取り付け方法を発明の構成とする。」
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否
訂正前の請求項1に係る発明では、「ヒンジ基部の上部を覆うヒンジカバー部材」が、「ルーフモールの延在方向に対して相対変位可能に前記ルーフモール後端に連結されている」ものであり、文理上、「ヒンジカバー部材」が相対変位する際の基準となる箇所は「ルーフモールの後端」であると解されるが、その明示がなかった。
これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、「ヒンジカバー部材」が相対変位する際の基準となる箇所が「ルーフモールの後端」であることが明らかとなっている。
同様に、訂正後の請求項4及び5は、訂正後の請求項1を引用することにより、訂正後の請求項4及び5に係る発明の「ヒンジカバー部材」が相対変位する際の基準となる箇所が「ルーフモールの後端」であることが明らかとなっている。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否か
上記(1)のとおり、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否か
願書に添付した明細書の【0040】の「さらに、図8(a)に示すとおり、ヒンジカバー部材5を接合溝部8に嵌装されたルーフモール36の後端に連結する場合、ヒンジカバー部材5のモール連結部26の上係止突条30と下係止突条31の間にルーフモール36の後端が把持される。そのため、モール連結部26は、ルーフモール36の後端を挟んで、幅方向に対しては変位不能であるが、長手方向には変位可能となる。」との記載、及び、【図8】等の記載から、「ヒンジカバー部材」が相対変位する際の基準となる箇所が「ルーフモールの後端」であることは明らかである。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否
訂正前の請求項6に係る発明では、「ヒンジ基部の上部を覆うヒンジカバー部材」を、「ルーフモールの延在方向に対して相対変位可能に前記ルーフモール後端に連結し、」というものであり、文理上、「ヒンジカバー部材」が相対変位する際の基準となる箇所は「ルーフモールの後端」であると解されるが、その明示がなかった。
これに対して、訂正後の請求項6に係る発明では、「ヒンジカバー部材」が相対変位する際の基準となる箇所が「ルーフモールの後端」であることが明らかとなっている。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否か
上記(1)のとおり、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否か
願書に添付した明細書の【0040】の「さらに、図8(a)に示すとおり、ヒンジカバー部材5を接合溝部8に嵌装されたルーフモール36の後端に連結する場合、ヒンジカバー部材5のモール連結部26の上係止突条30と下係止突条31の間にルーフモール36の後端が把持される。そのため、モール連結部26は、ルーフモール36の後端を挟んで、幅方向に対しては変位不能であるが、長手方向には変位可能となる。」との記載、及び、【図8】等の記載から、「ヒンジカバー部材」が相対変位する際の基準となる箇所が「ルーフモールの後端」であることは明らかである。
したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合するものである。
3 訂正事項3ないし5について
訂正事項3ないし5は、訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明との整合を図るためのものである。
したがって、訂正事項3ないし5は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
また、上記1及び2と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、同法第126条第6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、同法第126条第5項に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、また、同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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