特許訂正審判
2022-390154
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- 審判番号
- 2022-390154
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2007-302088外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 4937087
- 請求日
- 2022年09月12日
- 審決日
- 2023年01月10日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】本田技研工業 株式会社
- 【請求人代理人】鷺 健志
- 【請求人代理人】野村 明代
- 分類
- P141 .854-Z (G01C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第4937087号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続きの経緯
本件訂正審判に係る特許第4937087号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、2007年(平成19年)11月21日を出願日とする特願2007-302088号であって、平成24年3月2日にその特許権の設定登録(特許掲載公報発行日:平成24年5月23日)がなされ、令和4年9月12日に特許権者である本田技研工業株式会社より、本件訂正審判の請求がなされた。
これに対し、当審において令和4年10月19日付け(発送日:同年10月24日)で訂正拒絶理由を通知したところ、令和4年11月22日付けで意見書が提出された。
第2 本件訂正請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正請求の趣旨は、特許第4937087号の明細書、特許請求の範囲を本審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、訂正の内容は、以下のとおりである。なお、下線は、訂正前後における訂正箇所を示すために当審で付したものである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている 間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の段落【0007】に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(7)訂正事項7
明細書の段落【0007】に
「表示手段の地図画面上から対象地点の位置情報を取得する場合には、候補抽出手段によって地点候補が絞り込まれ、抽出された地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限され、他の位置からは位置情報が取得されなくなる。」
と記載されているのを、
「表示手段の地図画面上から対象地点の位置情報を取得する場合には、候補抽出手段によって地点候補が絞り込まれ、抽出された地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、地点候補の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限され、他の位置からは地点候補の位置情報が取得されなくなる。」
に訂正する。
(8)訂正事項8
明細書の段落【0008】に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(9)訂正事項9
明細書の段落【0008】に
「経由地設定手段で表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合には、地点候補抽出手段で呼び出した地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで経由地を設定することが可能になる。」
と記載されているのを、
「経由地設定手段で表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合には、地点 候補抽出手段で呼び出した地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される 。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、地点候補の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで経由地を設定することが可能になる。」
に訂正する。
(10)訂正事項10
明細書の段落【0009】に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(11)訂正事項11
明細書の段落【0009】に
「経由地設定手段で表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合には、まず、カテゴリ別候補抽出手段によって抽出された地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで経由地を設定することが可能になる。」
と記載されているのを、
「経由地設定手段で表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合には、まず、カテゴリ別候補抽出手段によって抽出された地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、地点候補の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで経由地を設定することが可能になる。」
に訂正する。
(12)訂正事項12
明細書の段落【0011】に
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(13)訂正事項13
明細書の段落【0011】に
「目的地設定手段で表示手段の地図画面上から目的地を設定する場合には、まず、地点候補抽出手段で呼び出した地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで目的地を設定することが可能になる。」
と記載されているのを、
「目的地設定手段で表示手段の地図画面上から目的地を設定する場合には、まず、地点候補抽出手段で呼び出した地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、地点候補の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで目的地を設定することが可能になる。」
に訂正する。
(14)訂正事項14
明細書の段落【0012】に
「前記表示手段の地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
と記載されているのを、
「前記表示手段の地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」
に訂正する。
(15)訂正事項15
明細書の段落【0012】に
「目的地設定手段で表示手段の地図画面上から目的地を設定する場合には、まず、カテゴリ別候補抽出手段によって抽出された地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで目的地を 設定することが可能になる。」
と記載されているのを、
「目的地設定手段で表示手段の地図画面上から目的地を設定する場合には、まず、カテゴリ別候補抽出手段によって抽出された地点候補が地図画面上にシンボルマークで表示される。こうしてシンボルマークが表示されると、その表示のある間は、地点候補の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限されるため、地図画面上のシンボルマークの中から対象地点を選択することで目的地を設定することが可能になる。」
に訂正する。
(16)訂正事項16
明細書の段落【0015】に
「請求項1に記載の発明によれば、候補抽出手段によって地点候補を絞り込み、絞り込まれた地点候補を地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されたシンボルマークを選択するだけで、地図画面上から所望の位置情報を取得することができる。」
と記載されているのを、
「請求項1に記載の発明によれば、候補抽出手段によって地点候補を絞り込み、絞り込まれた地点候補を地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、地点候補の位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されたシンボルマークを選択するだけで、地図画面上から所望の位置情報を取得することができる。」
に訂正する。
(17)訂正事項17
明細書の段落【0016】に
「請求項2に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合に、地点候補抽出手段で呼び出した地点候補を地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の経由地を容易に設定することができる。」
と記載されているのを、
「請求項2に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合に、地点候補抽出手段で呼び出した地点候補を地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、地点候補の位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の経由地を容易に設定することができる。」
に訂正する。
(18)訂正事項18
明細書の段落【0017】に
「請求項3に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合に、カテゴリ別候補抽出手段によって地点候補を抽出して地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の経由地を容易に設定する ことができる。」
と記載されているのを、
「請求項3に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から経由地を設定する場合に、カテゴリ別候補抽出手段によって地点候補を抽出して地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間地点候補の位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の経由地を容易に設定することができる。」
に訂正する。
(19)訂正事項19
明細書の段落【0019】に
「請求項5に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から目的地を設定する場合に、地点候補抽出手段で呼び出した地点候補を地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の目的地を容易に設定することができる。」
と記載されているのを、
「請求項5に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から目的地を設定する場合に、地点候補抽出手段で呼び出した地点候補を地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、地点候補の位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の目的地を容易に設定することができる。」
に訂正する。
(20)訂正事項20
明細書の段落【0020】に
「請求項6に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から目的地を設定する 場合に、カテゴリ別候補抽出手段によって地点候補を抽出して地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の目的地を容易に設定することができる。」
と記載されているのを、
「請求項6に記載の発明によれば、表示手段の地図画面上から目的地を設定する 場合に、カテゴリ別候補抽出手段によって地点候補を抽出して地図画面上にシンボルマークで表示するとともに、そのシンボルマークの表示のある間、地点候補の位置情報を取得可能な地点をシンボルマークに対応する位置に制限するので、表示されるシンボルマークを選択するだけで地図画面上から所望の目的地を容易に設定することができる。」
に訂正する。
(21)訂正事項21
明細書の段落【0004】に
「ナビーゲーション装置」
と記載されているのを、
「ナビゲーション装置」
に訂正する。
(22)訂正事項22
明細書の段落【0031】に
「以下の(B)~(C)の3つの地図入力モードを備えている。」
と記載されているのを、
「以下の(B)~(D)の3つの地図入力モードを備えている。」
に訂正する。
第3 訂正拒絶理由の概要
当審が令和4年10月19日付けで通知した訂正拒絶理由の概要は、以下のとおりである。
訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものであり、特許法第126条第6項に規定する要件に適合しないから、訂正事項1に係る他の訂正に係る要件について検討するまでもなく、当該訂正を認めることはできない。また、訂正事項2ないし20も訂正事項1と同様の訂正事項を含むものであるから、訂正を認めることはできない。
したがって、訂正事項は、特許法第126条第6項の規定に適合せず、本件訂正は認められない。
第4 当審の判断
(1)訂正前の請求項1について
訂正前の請求項1の「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限すること」との記載は、全ての対象地点のうち、位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限することを意味すると解される。
(2)訂正後の請求項1について
(訂正前及び訂正後の)請求項1には、「この候補抽出手段で抽出された地点 候補を、前記表示手段の地図画面上にシンボルマークで表示する」と記載されており、また、明細書段落【0031】には、「ユーザーが予め記憶部41等に複 数の地点候補を記憶させておき、経由地の設定時には、候補抽出手段47が記憶されている地点候補を呼び出し、その呼び出した地点候補を、シンボル表示手段48を通して地図画面上にシンボルマーク(図8参照)で表示するとともに、取得情報制限手段49が位置情報取得手段46で取得し得る地点をシンボルマークに対応する位置のみに制限する。」と記載されていることから、「シンボルマーク」は、地図画面上に示された「地点候補」であるといえる。
そうすると、訂正後の請求項1の「前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限すること」との記載は、「地点候補」=「シンボルマークで表示されている地点」のうち、位置情報を取得し得る地点が、シンボルマークに対応する位置に制限することを意味すると解される。
しかしながら、「地点候補」=「シンボルマークで表示されている地点」のうちということを前提条件としている時点で、位置情報を取得できる地点はシンボルマークに対応する位置しかあり得ないから、「地点候補」=「シンボルマークで表示されている地点」のうち、位置情報を取得し得る地点を、シンボルマーク に対応する位置に制限することは、位置情報を取得し得る地点について何の制限にもなっていない。つまり、訂正後の請求項1においては、制限されるものが何ら特定されなくなったこととなる。
(3)令和4年11月22日付け意見書における請求人の主張について
請求人は、訂正前の請求項1の「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」との記載は、「地図画面上のシンボルマークに対応する地点以外の位置情報を取得できないようにする」ことに加えて、「位置情報の選択カーソルを地点候補(シンボルマーク)以外には移動できないようにする」ことも含まれていたが、訂正後の請求項1の「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」との記載は、「位置情報の選択カーソルを地点候補(シンボルマーク)以外には移動できないようにする」ことが除外されたと主張している(意見書の第3頁~第4頁における「5(2)ア)及びイ)」)。
しかしながら、訂正後の請求項1の「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間は、前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限する」との記載は、あくまで「前記位置情報取得手段によって地点候補の位置情報を取得し得る地点を前記シンボルマークに対応する位置に制限する」ことを規定するのみである。
そして、「地点候補の位置情報を取得し得る地点」が制限される場合に、「位置情報の選択カーソルを移動すること」が制限されるか否かは特段規定されていないから、訂正後の請求項1は、「位置情報の選択カーソルを地点候補(シンボルマーク)以外には移動できないようにする」こと及び「位置情報の選択カーソルを地点候補(シンボルマーク)以外に移動できるようにすること」の両方が含まれているといえる。
よって、訂正後の請求項1は「位置情報の選択カーソルを地点候補(シンボルマーク)以外には移動できないようにする」ことが除外されたという請求人の主張は採用できない。
更に、請求人は、「訂正後の請求項1においては、「前記表示手段の地図画面上に前記地点候補がシンボルマークで表示されている間」は、「全ての対象地点のうち、地点候補の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限する」ことになるとしたのであるから、訂正拒絶理由通知における「位置情報を取得し得る地点について何の制限にもなっていない。」とした認定も誤りである。」と主張している(意見書の第4頁における「5(2)ウ)」)。
しかしながら、上記(2)で説示したとおり、「地点候補」=「シンボルマークで表示されている地点」と解されることから、「全ての対象地点のうち、地点候補の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限する」との記載は、「全ての対象地点のうち、シンボルマークで表示されている地点の位置情報を取得し得る地点がシンボルマークに対応する位置に制限する」ことを意味し、位置情報を取得し得る地点について何の制限にもなっていないことは明らかである。
よって、当該訂正により「前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限すること」を有さないものとなったため、実質上特許請求の範囲を拡張するものであり、請求人の主張は採用でいない。
(4)小括
したがって、訂正前の請求項1は「前記位置情報取得手段によって位置情報を取得し得る地点を、前記シンボルマークに対応する位置に制限すること」という発明特定事項を有していたのに対し、訂正後の請求項1は当該発明特定事項を有さないものとなり、位置情報を取得し得る地点が制限されないものを含むこととなった。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものであり、特許法第126条第6項に規定する要件に適合しない。
以上のとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項に規定する 要件に適合しないから、訂正事項1に係る他の訂正に係る要件について検討するまでもなく、当該訂正を認めることはできない。
また、訂正事項2ないし20も同様の訂正事項を含むものであるから、訂正を認めることはできない。
第5 むすび
上記「第1」における請求の趣旨において、訂正の対象とする請求項が訂正後の請求項の番号で特定されていないことから、本件訂正は、特許権全体に対して 請求するものであり、訂正事項21及び22について検討するまでもなく、本件訂正請求を認めることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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