特許訂正審判
2017-390050
半導体装置組立用マスクシートおよび半導体装置の組み立て方法
- 審判番号
- 2017-390050
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2001-081098外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月13日
- 審決日
- 2017年07月21日
- 公報発行日
- 2017年10月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 巴川製紙所
- 分類
- P141 .853-Y (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4002736号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4002736号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許第4002736号は、平成13年3月21日の出願であって、平成19年8月24日に特許権の設定登録がなされた。
そして、本件訂正審判は、平成29年6月13日に請求されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4002736号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正の内容は、以下のとおりである。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「ガラス転移温度が150℃以上であり、150~200℃における線膨張係数が10~50ppm/℃である耐熱フィルム上に、シリコーン系粘着剤よりなる接着剤層を設けてなり、180℃で1時間加熱したときの重量減少が5%以下であることを特徴とするリードフレームに剥離可能に接着する半導体装置組立用マスクシート。」
とあるのを、
「ガラス転移温度が150℃以上であり、150~200℃における線膨張係数が10~50ppm/℃である耐熱フィルム上に、シリコーン系粘着剤よりなる接着剤層を設けてなり、180℃で1時間加熱したときの上記接着剤層の重量減少が5%以下であることを特徴とするリードフレームに剥離可能に接着する半導体装置組立用マスクシート。」
と訂正する。
第4 当審の判断
1.訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1では「・・180℃で1時間加熱したときの重量減少が5%以下である・・」と記載されているところ、当該半導体装置組立用マスクシートの何について「重量減少が5%以下」であるのかその対象が不明確(例えば、耐熱フィルムと接着剤層の双方であるのか、あるいは接着剤層のみであるのか不明確)であるから、訂正前の請求項1の記載には明瞭でない記載が存在する。
これに対して、発明の詳細な説明には、段落【0016】に「本発明のマスクシートにおける接着剤層は、180℃で1時間加熱したときの重量減少が5%以下であることが必要であり、好ましくは3%以下である。重量減少が5%を越えると、特にダイアタッチの工程において、接着剤層の分解物によりリードフレームが汚染され、金ワイヤーの接続不良を生じるという問題が発生する。」と記載され、解決しようとする課題の一つである、ダイアタッチ工程の際に分解物がリードフレームを汚染し、金ワイヤーの接続不良が生じることを防止するうえで、「重量減少が5%以下」とされる対象は、「接着剤層」であると理解することができ、また、実施例及び比較例においても、重量減少を測定している対象はマスクシートの「接着剤層」である。
そうすると、訂正事項1は、訂正前の不明瞭さを正して、その記載の本来の意味内容を発明の詳細な説明の記載に基づいて明らかにするものであるといえ、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるということができる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明の詳細な説明に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり明瞭でない記載の釈明を目的とし、訂正前の不明瞭さを正して、その記載の本来の意味内容を明らかにするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求により請求人が求めている訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するので、この訂正を認める。
よって、結論のとおり審決する。
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