特許訂正審判
2022-390031
投影露光装置
- 審判番号
- 2022-390031
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2003-128916
- 登録番号
- 4244156
- 請求日
- 2022年03月17日
- 審決日
- 2022年06月24日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 アドテックエンジニアリング
- 【請求人代理人】相良 由里子
- 【請求人代理人】佐竹 勝一
- 【請求人代理人】谷口 信行
- 【請求人代理人】松野 仁彦
- 【請求人代理人】鎌田 慎也
- 審判長/審判官
- 審判長 山村 浩
- 審判官 杉田 翠
- 審判官 瀬川 勝久
- 分類
- P141 .851-Y (H01L) / P141 .853-Y (H01L) / P141 .857-Y (H01L) / P141 .856-Y (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条1項4号特許法126条5項特許法126条6項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第4244156号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第4244156号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第4244156号は、平成15年5月7日の出願であって、平成21年1月16日に特許権の設定登録がされ、令和4年3月17日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第4244156号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」である。
2 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりのものである(下線は請求人が付したものである。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項4に「前記空間光変調手段がDMDであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の投影露光装置。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「 光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成するDMDと、該空間光変調された2次元パターンを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな結像光学系とを備え、前記2次元パターンを前記感光材料上に投影し露光する投影露光装置であって、
前記感光材料と前記結像光学系との間に配置され、該感光材料と結像光学系との間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであることを特徴とする、投影露光装置。」、
に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に「前記空間光変調手段がDMDであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の投影露光装置。」とあるうち、請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、
「 入射された光を所定の制御信号に応じて変調する画素部を2次元状に多数配列してなり、前記多数の画素部により前記光を空間光変調するDMDと、
前記DMDで空間光変調された光の2次元パターンを結像させる第1結像光学系と、
該第1結像光学系により結像される前記2次元パターンの結像面近傍に配設された、前記第1結像光学系を通過した前記各画素部に対応する各光をそれぞれ通す個別のマイクロレンズを2次元状に配置してなるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイを通った前記各光それぞれを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな第2結像光学系とを備え、前記2次元パターンを前記感光材料上に投影して該感光材料に前記2次元パターンを露光する投影露光装置であって、
前記感光材料と前記第2結像光学系との間に配置され、該感光材料と第2結像光学系との間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであることを特徴とする、投影露光装置。」、
と記載し、新たに請求項6とする。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4に「前記空間光変調手段がDMDであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の投影露光装置。」とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、
「 入射された光を所定の制御信号に応じて変調する画素部を2次元状に多数配列してなり、前記多数の画素部により前記光を空間光変調するDMDと、
前記DMDで空間光変調された光の2次元パターンを結像させる第1結像光学系と、
該第1結像光学系により結像される前記2次元パターンの結像面近傍に配設された、前記第1結像光学系を通過した前記各画素部に対応する各光をそれぞれ通す個別のマイクロレンズを2次元状に配置してなるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイを通った前記各光それぞれを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな第2結像光学系とを備え前記2次元パターンを前記感光材料上に投影して該感光材料に前記2次元パターンを露光する投影露光装置であって、
前記第2結像光学系と前記マイクロレンズアレイとの間に配置され、該第2結像光学系とマイクロレンズアレイとの間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであることを特徴とする、投影露光装置。」、
と記載し、新たに請求項7とする。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5に「前記DMDが、該DMDを構成する2次元状に配列された多数の画素部のうちの1部分のみを使用して前記空間光変調を行なうものであることを特徴とする請求項4記載の投影露光装置。」とあるうち、引用する請求項4のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「 光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成するDMDと、該空間光変調された2次元パターンを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな結像光学系とを備え、前記2次元パターンを前記感光材料上に投影し露光する投影露光裝置であって、
前記感光材料と前記結像光学系との間に配置され、該感光材料と結像光学系との間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであり、
前記DMDが、該DMDを構成する2次元状に配列された多数の画素部のうちの1部分のみを使用して前記空間光変調を行なうものであることを特徴とする、投影露光装置。」、
に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「前記DMDが、該DMDを構成する2次元状に配列された多数の画素部のうちの1部分のみを使用して前記空間光変調を行なうものであることを特徴とする請求項4記載の投影露光装置。」とあるうち、引用する請求項4のうち請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、
「 入射された光を所定の制御信号に応じて変調する画素部を2次元状に多数配列してなり、前記多数の画素部により前記光を空間光変調するDMDと、
前記DMDで空間光変調された光の2次元パターンを結像させる第1結像光学系と、
該第1結像光学系により結像される前記2次元パターンの結像面近傍に配設された、前記第1結像光学系を通過した前記各画素部に対応する各光をそれぞれ通す個別のマイクロレンズを2次元状に配置してなるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイを通った前記各光それぞれを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな第2結像光学系とを備え、前記2次元パターンを前記感光材料上に投影して該感光材料に前記2次元パターンを露光する投影露光装置であって、
前記感光材料と前記第2結像光学系との間に配置され、該感光材料と第2結像光学系との間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであり、
前記DMDが、該DMDを構成する2次元状に配列された多数の画素部のうちの1部分のみを使用して前記空間光変調を行なうものであることを特徴とする、投影露光装置。」、
と記載し、新たに請求項8とする。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項5に「前記DMDが、該DMDを構成する2次元状に配列された多数の画素部のうちの1部分のみを使用して前記空間光変調を行なうものであることを特徴とする請求項4記載の投影露光装置。」とあるうち、引用する請求項4のうち請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、
「 入射された光を所定の制御信号に応じて変調する画素部を2次元状に多数配列してなり、前記多数の画素部により前記光を空間光変調するDMDと、
前記DMDで空間光変調された光の2次元パターンを結像させる第1結像光学系と、
該第1結像光学系により結像される前記2次元パターンの結像面近傍に配設された、前記第1結像光学系を通過した前記各画素部に対応する各光をそれぞれ通す個別のマイクロレンズを2次元状に配置してなるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイを通った前記各光それぞれを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな第2結像光学系とを備え前記2次元パターンを前記感光材料上に投影して該感光材料に前記2次元パターンを露光する投影露光装置であって、
前記第2結像光学系と前記マイクロレンズアレイとの間に配置され、該第2結像光学系とマイクロレンズアレイとの間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであり、
前記DMDが、該DMDを構成する2次元状に配列された多数の画素部のうちの1部分のみを使用して前記空間光変調を行なうものであることを特徴とする、投影露光装置。」、
と記載し、新たに請求項9とする。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
第3 当合議体の判断
1 訂正事項1~3について
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項1~3の内容の整理
訂正事項1~3は、上記第2の2(1)~(3)のとおり、訂正前の請求項4に対する訂正であるところ、当該請求項4は、訂正前の請求項1~3(これらはいずれも独立項である。)を択一的に引用するものであって、当該請求項1~4は、以下のとおりである(下線は当審が付した。以下同じ。)。
(請求項1)「 光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成する空間光変調手段と、
該空間光変調された2次元パターンを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな結像光学系とを備え、前記2次元パターンを前記感光材料上に投影し露光する投影露光装置であって、
前記感光材料と前記結像光学系との間に配置され、該感光材料と結像光学系との間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであることを特徴とする投影露光装置。」
(請求項2)「 入射された光を所定の制御信号に応じて変調する画素部を2次元状に多数配列してなり、前記多数の画素部により前記光を空間光変調する空間光変調手段と、
前記空間光変調手段で空間光変調された光の2次元パターンを結像させる第1結像光学系と、
該第1結像光学系により結像される前記2次元パターンの結像面近傍に配設された、前記第1結像光学系を通過した前記各画素部に対応する各光をそれぞれ通す個別のマイクロレンズを2次元状に配置してなるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイを通った前記各光それぞれを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな第2結像光学系とを備え、前記2次元パターンを前記感光材料上に投影して該感光材料に前記2次元パターンを露光する投影露光装置であって、
前記感光材料と前記第2結像光学系との間に配置され、該感光材料と第2結像光学系との間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、
前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであることを特徴とする投影露光装置。」
(請求項3)「 入射された光を所定の制御信号に応じて変調する画素部を2次元状に多数配列してなり、前記多数の画素部により前記光を空間光変調する空間光変調手段と、
前記空間光変調手段で空間光変調された光の2次元パターンを結像させる第1結像光学系と、
該第1結像光学系により結像される前記2次元パターンの結像面近傍に配設された、前記第1結像光学系を通過した前記各画素部に対応する各光をそれぞれ通す個別のマイクロレンズを2次元状に配置してなるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイを通った前記各光それぞれを感光材料上に結像させる像側テレセントリックな第2結像光学系とを備え前記2次元パターンを前記感光材料上に投影して該感光材料に前記2次元パターンを露光する投影露光装置であって、
前記第2結像光学系と前記マイクロレンズアレイとの間に配置され、該第2結像光学系とマイクロレンズアレイとの間の空気間隔を変更して前記2次元パターンを結像させる際のピントを調節する空気間隔調節手段を備え、 前記空気間隔調節手段が、くさび型プリズムペアを有し、前記感光材料上に結像される前記2次元パターンの結像領域の最小幅方向へ、前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムの互いの位置を相対的に移動させて前記ピントを調節するものであることを特徴とする投影露光装置。」
(請求項4)「 前記空間光変調手段がDMDであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の投影露光装置。」
以上の訂正前の請求項1~4の記載を踏まえると、訂正事項1~3の内容は、以下のとおりであるといえる。
(i)訂正前の請求項4のうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改める訂正。
(ii)訂正前の請求項4のうち、請求項2を引用するものについて独立形式に改め、訂正後の請求項6とする訂正。
(iii)訂正前の請求項4のうち、請求項3を引用するものについて独立形式に改め、訂正後の請求項7とする訂正。
(iv)上記(i)~(iii)の訂正後に存在する「光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成する空間光変調手段」の特定事項を「光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成するDMD」とする訂正。
(v)上記(ii)~(iii)の訂正後に存在する「前記空間光変調手段で空間光変調された」の特定事項を「前記DMDで空間光変調された」とする訂正。
(vi)上記(i)~(iii)の訂正後に存在する「前記空間光変調手段がDMDである」との特定事項を削除する訂正。
イ 判断
上記(i)~(iii)の訂正は、3つの引用関係(請求項1を引用するもの、請求項2を引用するもの、請求項3を引用するもの)からなる訂正前の請求項4に対して、これら3つの引用関係を全て解消して、同数の独立項とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
上記(iv)~(vi)の訂正は、上記(i)~(iii)の訂正によって、「空間光変調手段」の文言が単なる冗長表現となることから、それを使用しないようにする訂正であるといえる。すなわち、当該(i)~(iii)の訂正により、一の請求項中に、「空間光変調手段」に関して、「光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成する空間光変調手段」との特定事項に加えて、「前記空間光変調手段がDMDである」との特定事項もが存在することになった。しかるに、このときの「空間光変調手段」の文言の存在意義を、当該文言を構成する「空間光変調」及び「手段」の両文言に分けて検討してみると、「空間光変調」の文言については、それが担う意味内容は、「空間光変調手段」を修飾する「光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成する」の記載により、訂正前から表現され尽くされていたものにすぎないし、また、「手段」の文言については、その下位概念に該当する「DMD」の文言が登場したことにより、当該「DMD」の文言で代替するのが可能になったことから、「光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成する」の記載を維持しつつ、「DMD」の文言を採用すれば、「空間光変調手段」の文言をあえて使用する必要性がなくなったといえるのであり、よって、その意味で、「空間光変調手段」の文言の存在意義はなくなったといえる。上記(i)~(iii)の訂正は、このような訂正であるから、当該訂正によって、「空間光変調手段」の文言が単なる冗長表現となったことになる。そして、上記(iv)~(vi)の訂正は、このような冗長表現という意味で明瞭でない「空間光変調手段」の文言を使用しない表現とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
よって、訂正事項1~3は、特許法第126条第1項ただし書の規定に適合するものである。
(2)新規事項の有無
上記(i)~(iii)の訂正は、単に引用関係を解消するためのものであるし、上記(iv)~(vi)の訂正は、「空間光変調手段」という冗長な表現を使用しないようにするためのものであるから、これにより新たな技術的事項が導入されることはなく、新規事項を追加するものではない。
よって、訂正事項1~3は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張又は変更することの有無
上記(1)及び(2)にも照らせば、訂正事項1~3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1~3は、上記(1)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第3号及び第4号に掲げる事項のみを目的とするものであるから、同法同条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
(5)小括
訂正事項1~3は訂正要件を満たす。
2 訂正事項4~6について
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項4~6の整理
訂正事項4~6は、上記第2の2(4)~(6)のとおり、訂正前の請求項5に対する訂正であるところ、当該請求項5は、訂正前の請求項1~3(これらはいずれも独立項である。)を択一的に引用する訂正前の請求項4のみを引用するものであって、当該請求項5は、以下のとおりである。
(請求項5)「 前記DMDが、該DMDを構成する2次元状に配列された多数の画素部のうちの1部分のみを使用して前記空間光変調を行なうものであることを特徴とする請求項4記載の投影露光装置。」
以上の訂正前の請求項1~5の記載を踏まえると、訂正事項4~6の内容は、以下のとおりであるといえる。
(i)訂正前の請求項5のうち、請求項1を引用する請求項4を引用するものについて独立形式に改める訂正。
(ii)訂正前の請求項5のうち、請求項2を引用する請求項4を引用するものについて独立形式に改め、訂正後の請求項8とする訂正。
(iii)訂正前の請求項5のうち、請求項3を引用する請求項4を引用するものについて独立形式に改め、訂正後の請求項9とする訂正。
(iv)上記(i)~(iii)の訂正後に存在する「光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成する空間光変調手段」の特定事項を「光源から発せられた光を空間光変調して2次元パターンを形成するDMD」とする訂正。
(v)上記(ii)~(iii)の訂正後に存在する「前記空間光変調手段で空間光変調された」の特定事項を「前記DMDで空間光変調された」とする訂正。
(vi)上記(i)~(iii)の訂正後に存在する「前記空間光変調手段がDMDである」との特定事項を削除する訂正。
イ 判断
上記(i)~(iii)の訂正は、3つの引用関係(請求項1を引用する請求項4を引用するもの、請求項2を引用する請求項4を引用するもの、請求項3を引用する請求項4を引用するもの)からなる訂正前の請求項5に対して、これら3つの引用関係を全て解消して、同数の独立項とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
また、上記(iv)~(vi)の訂正は、上記1(1)アの(iv)~(vi)の訂正と内容が同じものであり、上記1(1)イで説示したとおり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
よって、訂正事項4~6は、特許法第126条第1項ただし書の規定に適合するものである。
(2)新規事項の有無
上記(i)~(iii)の訂正は、単に引用関係を解消するためのものであるし、上記(iv)~(vi)の訂正は、「空間光変調手段」という冗長な表現を使用しないようにするためのものであるから、これにより新たな技術的事項が導入されることはなく、新規事項を追加するものではない。
よって、訂正事項4~6は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)訂正により実質上特許請求の範囲を拡張又は変更することの有無
上記(1)及び(2)にも照らせば、訂正事項4~6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項4~6は、上記(1)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第3号及び第4号に掲げる事項のみを目的とするものであるから、同法同条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
(5)小括
訂正事項4~6は訂正要件を満たす。
3 訂正事項7~9について
(1)訂正の目的について
訂正事項7~9は、それぞれ訂正前の請求項1~3を削除するものである。
したがって、訂正事項7~9は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
訂正事項7~9は、いずれも請求項を削除するものであるから、このことにより新たな技術的事項が導入されることはなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)訂正により実質上特許請求の範囲を拡張又は変更することの有無
上記(1)及び(2)にも照らせば、訂正事項7~9は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないため、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(1)で検討したように、訂正事項7~9は「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるものの、いずれも請求項を削除するものであるから、訂正事項7~9について、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
(5)小括
訂正事項7~9は訂正要件を満たす。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、また、同条第5項及び第6項の規定に適合するものであり、同条第7項に規定する要件は課されないものである。
よって、結論のとおり審決する。
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